JP2017109360A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】印刷画質の低下を軽減できるインクジェット印刷装置を提供する。
【解決手段】インクジェット印刷装置１は、主走査方向に沿って移動しつつ印刷媒体へインクを吐出して印刷するインクジェットヘッド４１と、主走査方向に沿った印刷媒体の表面の高さ変動を計測する媒体高さセンサ２７と、ヘッドギャップを調整するヘッド昇降駆動部２４と、インクジェットヘッド４１による印刷対象領域において媒体高さセンサ２７により得られた、主走査方向における印刷媒体の表面の高さ変動を示すデータを複数の周期関数に変換し、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、印刷動作時におけるインクジェットヘッド４１の主走査方向に沿った移動中にヘッド昇降駆動部２４によりヘッドギャップを調整する制御部５とを備える。
【選択図】図４

Description

本発明は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置に関する。

建材等からなる印刷媒体にインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置が知られている。

インクジェット印刷装置では、インクの着弾ずれを抑えて良好な印刷画質を得るために、インクジェットヘッドと印刷媒体との間の距離であるヘッドギャップを適切に設定する必要がある。そのため、一般に、インクジェット印刷装置は、ヘッドギャップを調整する機構を有している。例えば、特許文献１には、印刷媒体の厚さに応じて、印刷媒体が載置されるテーブルを昇降させることで、ヘッドギャップを調整するインクジェット印刷装置が開示されている。

特開２００８−２７９７２７号公報

ところで、建材等の印刷媒体が、反るように変形していることがある。このような反り変形を有する印刷媒体に印刷する場合、印刷媒体上の場所によってヘッドギャップが変動するため、場所によってはヘッドギャップが適切な値より大きくなることがある。

インクジェット印刷装置では、その特性上、ヘッドギャップは、取り得る範囲が限られる（例えば、０．５ｍｍ〜２ｍｍ）。ヘッドギャップが大きすぎる（例えば、２ｍｍ以上）場合、気流等の外因も加わり、吐出されたインク滴が離散して印刷画質が大きく低下する。このため、数ミリ単位の反り変形を有する印刷媒体に印刷する場合、場所によってヘッドギャップが大きすぎることによる印刷画質の低下が生じるおそれがある。

本発明は上記に鑑みてなされたもので、印刷画質の低下を軽減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第１の特徴は、主走査方向に沿って移動しつつ印刷媒体へインクを吐出して印刷するインクジェットヘッドと、主走査方向に沿った印刷媒体の表面の高さ変動を計測する計測部と、前記インクジェットヘッドと印刷媒体との間の距離であるヘッドギャップ調整するヘッドギャップ調整部と、前記インクジェットヘッドによる印刷対象領域において前記計測部により得られた、主走査方向における印刷媒体の表面の高さ変動を示すデータを複数の周期関数に変換し、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、印刷動作時における前記インクジェットヘッドの主走査方向に沿った移動中に前記ヘッドギャップ調整部により前記ヘッドギャップを調整する制御部とを備えることにある。

本発明に係るインクジェット印刷装置の第２の特徴は、前記制御部は、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の周期関数に基づき、印刷動作時における前記インクジェットヘッドからのインクの吐出タイミングを補正することにある。

本発明に係るインクジェット印刷装置の第１の特徴によれば、制御部は、インクジェットヘッドによる印刷対象領域において計測部により得られた、主走査方向における印刷媒体の表面の高さ変動を示すデータを複数の周期関数に変換する。そして、制御部は、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、印刷動作時におけるインクジェットヘッドの主走査方向に沿った移動中にヘッドギャップ調整部によりヘッドギャップを調整する。これにより、印刷媒体の反り変形によるヘッドギャップの変動を抑制できるので、インクの着弾ずれを軽減できる。この結果、印刷画質の低下を軽減できる。

本発明に係るインクジェット印刷装置の第２の特徴によれば、制御部は、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の周期関数に基づき、印刷動作時におけるインクジェットヘッドからのインクの吐出タイミングを補正する。これにより、印刷媒体の表面の細かな凹凸によるインクの着弾ずれを軽減できる。この結果、印刷画質の低下をより軽減できる。

実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示す斜視図である。 図１に示すインクジェット印刷装置におけるシャトルユニットの要部斜視図である。 図１に示すインクジェット印刷装置におけるシャトルユニットの要部側面図である。 図１に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。 図１に示すインクジェット印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。 媒体高さ変動データに基づき反り変形データおよび表面凹凸データを生成する手順の説明図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。

以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。

図１は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示す斜視図である。図２は、図１に示すインクジェット印刷装置におけるシャトルユニットの要部斜視図である。図３は、シャトルユニットの要部側面図である。図４は、図１に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。なお、以下の説明において、図１の矢印で示す上下左右前後を上下左右前後方向とする。

図１、図４に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置１は、シャトルベースユニット２と、フラットベッドユニット３と、シャトルユニット４と、制御部５とを備える。

シャトルベースユニット２は、シャトルユニット４を支持するとともに、前後方向（副走査方向）にシャトルユニット４を移動させる。シャトルベースユニット２は、架台部１１と、副走査駆動モータ１２とを備える。

架台部１１は、シャトルユニット４を支持する。架台部１１は、矩形枠状に形成されている。架台部１１の左右の枠上には、前後方向に延びる副走査駆動ガイド１３Ａ，１３Ｂがそれぞれ形成されている。副走査駆動ガイド１３Ａ，１３Ｂは、前後方向に移動するシャトルユニット４をガイドする。

副走査駆動モータ１２は、シャトルユニット４を前後方向に移動させる。

フラットベッドユニット３は、建材等からなる印刷媒体１５を支持する。フラットベッドユニット３は、シャトルベースユニット２の架台部１１の内側に配置されている。フラットベッドユニット３は、載置台１６と、複数の脚部１７と、載置台昇降駆動部１８とを備える。

載置台１６は、印刷媒体１５が載置される台である。印刷媒体１５が載置される載置台１６の上面は、水平面になっている。

脚部１７は、載置台１６を支持する。脚部１７は、伸縮可能に構成されている。これにより、載置台１６が昇降可能になっている。

載置台昇降駆動部１８は、載置台１６を昇降させる。載置台昇降駆動部１８は、油圧昇降機構等からなる。

シャトルユニット４は、印刷媒体１５に画像を印刷する。図１〜図４に示すように、シャトルユニット４は、筐体２１と、主走査駆動部２２と、主走査移動テーブル２３と、ヘッド昇降駆動部（請求項のヘッドギャップ調整部に相当）２４と、昇降テーブル２５と、ヘッドユニット２６と、媒体高さセンサ（請求項の計測部に相当）２７とを備える。

筐体２１は、ヘッドユニット２６等の各部を収容している。筐体２１は、フラットベッドユニット３を左右方向に跨ぐ門型に形成されている。筐体２１は、その左右の脚部２８Ａ，２８Ｂが、シャトルベースユニット２の架台部１１に支持され、副走査駆動ガイド１３Ａ，１３Ｂに沿って移動可能になっている。筐体２１の脚部２８Ａ，２８Ｂ間の水平部２９は、ヘッドユニット２６から印刷媒体１５へインクを吐出するため、下側が開口されている。

主走査駆動部２２は、ヘッドユニット２６を左右方向（主走査方向）に移動させるために、主走査移動テーブル２３を左右方向に移動させる。主走査駆動部２２は、駆動ベルト３１と、一対のプーリ３２Ａ，３２Ｂと、主走査駆動モータ３３と、主走査駆動ガイド３４とを備える。

駆動ベルト３１は、周回移動することにより、主走査移動テーブル２３を移動させる。駆動ベルト３１は、プーリ３２Ａ，３２Ｂ間に掛け渡されている。

プーリ３２Ａ，３２Ｂは、駆動ベルト３１を支持するとともに、駆動ベルト３１を周回移動させる。プーリ３２Ａ，３２Ｂは、筐体２１の前側の壁に回転可能に支持されている。プーリ３２Ａ，３２Ｂは、左右方向に互いに離間して、同じ高さに配置されている。プーリ３２Ｂは、主走査駆動モータ３３の出力軸に接続されており、主走査駆動モータ３３の回転駆動力を駆動ベルト３１に伝達する。

主走査駆動モータ３３は、プーリ３２Ｂを回転させることで、駆動ベルト３１を周回移動させる。

主走査駆動ガイド３４は、主走査移動テーブル２３を左右方向に沿って移動するようガイドする。主走査駆動ガイド３４は、左右方向に延びる長尺状に形成されている。主走査駆動ガイド３４は、筐体２１の前側の壁に設置されている。

主走査移動テーブル２３は、ヘッド昇降駆動部２４および昇降テーブル２５が搭載された、左右方向に移動するテーブルである。主走査移動テーブル２３は、駆動ベルト３１に固定され、駆動ベルト３１の周回移動により主走査駆動ガイド３４に沿って移動する。

ヘッド昇降駆動部２４は、ヘッドユニット２６を昇降させるために、昇降テーブル２５を昇降させる。ヘッド昇降駆動部２４は、ねじ軸３６と、ヘッド昇降モータ３７と、ヘッド昇降モータ支持部３８と、昇降ガイド３９とを備える。

ねじ軸３６は、回転することにより昇降テーブル２５を昇降させる。ねじ軸３６は、軸方向が上下方向に平行になっている。ねじ軸３６の上端は、ヘッド昇降モータ３７の出力軸に接続されている。

ヘッド昇降モータ３７は、ねじ軸３６を回転させる。

ヘッド昇降モータ支持部３８は、ヘッド昇降モータ３７を主走査移動テーブル２３上で支持する。ヘッド昇降モータ支持部３８には、ねじ軸３６を貫通させるための貫通穴３８ａが形成されている。

昇降ガイド３９は、昇降テーブル２５を上下方向に沿って移動するようガイドする。昇降ガイド３９は、上下方向に細長い形状に形成されている。昇降ガイド３９は、主走査移動テーブル２３上に配置されている。

昇降テーブル２５は、ヘッドユニット２６が搭載された、上下方向に移動するテーブルである。昇降テーブル２５には、雌ねじ孔２５ａが形成されている。雌ねじ孔２５ａには、ねじ軸３６が貫通し、螺合している。これにより、ねじ軸３６が回転すると昇降テーブル２５が昇降する。

ヘッドユニット２６は、４つのインクジェットヘッド４１を有する。４つのインクジェットヘッド４１は、左右方向に並列して配置されている。インクジェットヘッド４１は、その下面であるノズル面４１ａに開口する、前後方向に沿って配列された複数のノズル（図示せず）を有し、ノズルからインクを印刷媒体１５へ吐出して印刷する。４つのインクジェットヘッド４１は、それぞれ異なる色（例えば、シアン、ブラック、マゼンタ、イエロー）のインクを吐出する。

媒体高さセンサ２７は、印刷媒体１５の表面の高さを計測する。媒体高さセンサ２７は、主走査移動テーブル２３に固定され、ヘッドユニット２６とともに左右方向（主走査方向）に移動する。媒体高さセンサ２７は、前後方向においては、インクジェットヘッド４１より前方に配置されている。媒体高さセンサ２７は、印刷媒体１５の表面との間の距離を非接触で計測する光学式の測距センサからなる。

制御部５は、インクジェット印刷装置１の各部の動作を制御する。制御部５は、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ハードディスク等を備えて構成される。

制御部５は、インクジェットヘッド４１を前後方向に沿って移動させつつインクジェットヘッド４１からインクを印刷媒体１５へ吐出させて１パス分の印刷を行い、その後、シャトルユニット４を１ピッチ分だけ前側へ移動させる。制御部５は、この１パス分の印刷動作とシャトルユニット４の１ピッチ分の移動とを交互に繰り返すことにより、印刷媒体１５に画像を形成する。

制御部５は、１パス分の印刷動作時に媒体高さセンサ２７により得られた、前後方向における印刷媒体１５の表面の高さ変動を示す媒体高さ変動データを複数の周期関数に変換する。そして、制御部５は、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、次の１パス分の印刷動作時におけるインクジェットヘッド４１の前後方向に沿った移動中に、ヘッド昇降駆動部２４によりインクジェットヘッド４１の高さを制御する。また、制御部５は、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の周期関数に基づき、次の１パス分の印刷動作時におけるインクジェットヘッド４１からのインクの吐出タイミングを補正する。

次に、インクジェット印刷装置１の動作について説明する。

図５は、インクジェット印刷装置１の動作を説明するためのフローチャートである。図５のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置１に印刷ジョブが入力されることにより開始となる。なお、図５のフローチャートの処理の開始に先立って、印刷媒体１５が載置台１６上に載置されている。

図５のステップＳ１において、制御部５は、載置台１６の高さ調整を行う。具体的には、制御部５は、印刷媒体１５の種類（厚さ）に応じて、載置台昇降駆動部１８を制御して載置台１６の高さを調整する。ここで、制御部５は、印刷ジョブに含まれる設定情報に基づき、印刷媒体１５の種類を判断する。

次いで、ステップＳ２において、制御部５は、印刷媒体１５上の最初の１パス分の印刷対象領域を媒体高さセンサ２７で左右方向に走査させる。

具体的には、制御部５は、まず、副走査駆動モータ１２を制御して、シャトルユニット４を最初の１パス分の印刷を行う位置より１ピッチ分だけ後側の位置に配置する。これにより、媒体高さセンサ２７が、最初の１パス分の印刷対象領域を走査可能な位置に配置される。次いで、制御部５は、主走査駆動モータ３３を制御して、印刷媒体１５の上方を左右方向に横切るように主走査移動テーブル２３を移動させる。これにより、最初の１パス分の印刷対象領域を媒体高さセンサ２７が走査する。

次いで、ステップＳ３において、制御部５は、ステップＳ２における媒体高さセンサ２７による印刷対象領域の走査により得られた媒体高さ変動データに基づき、反り変形データおよび表面凹凸データを生成する。反り変形データは、印刷媒体１５の反り変形による表面高さの変動を示すデータである。表面凹凸データは、印刷媒体１５の表面のざらつきによる細かな凹凸に起因する表面高さの変動を示すデータである。

具体的には、制御部５は、図６に示すように、まず、媒体高さ変動データをフーリエ変換により複数の周期関数に変換する。

その後、制御部５は、媒体高さ変動データから得られた複数の周期関数のうち、印刷媒体１５の反り変形成分に対応する複数の周期関数を合成することで、反り変形データを生成する。反り変形成分に対応する周期関数は、波長が閾値以上、かつ振幅が閾値以上の周期関数である。波長の閾値および振幅の閾値は、印刷媒体１５の種類に応じて予め設定された値である。なお、反り変形成分に対応する周期関数が１つのみの場合は、その周期関数を反り変形データとして採用する。

また、制御部５は、媒体高さ変動データから得られた複数の周期関数のうち、印刷媒体１５の表面凹凸成分に対応する複数の周期関数を合成することで、表面凹凸データを生成する。表面凹凸成分に対応する周期関数は、波長が閾値未満、かつ振幅が閾値未満の周期関数である。なお、表面凹凸成分に対応する周期関数が１つのみの場合は、その周期関数を表面凹凸データとして採用する。

次いで、ステップＳ４において、制御部５は、副走査駆動モータ１２を制御してシャトルユニット４を前側へ１ピッチ分だけ移動させる。

次いで、ステップＳ５において、制御部５は、１パス分の印刷動作を行うと同時に、次の１パス分の印刷対象領域を媒体高さセンサ２７で左右方向に走査させる。具体的には、制御部５は、主走査駆動モータ３３を制御して、印刷媒体１５の上方を左右方向に横切るように主走査移動テーブル２３を移動させつつ、インクジェットヘッド４１からインクを吐出させる。この際、媒体高さセンサ２７が次の１パス分の印刷対象領域を走査する。

ここで、１パス分の印刷動作時において、制御部５は、インクジェットヘッド４１の移動中に、今回の印刷対象領域の反り変形データに基づき、ヘッド昇降駆動部２４によりインクジェットヘッド４１の高さを制御する。具体的には、制御部５は、反り変形データに基づき、ヘッドギャップが所定値で一定となるように、ヘッド昇降駆動部２４によりインクジェットヘッド４１の高さを制御する。

また、１パス分の印刷動作時において、制御部５は、今回の印刷対象領域の表面凹凸データに基づき、移動中のインクジェットヘッド４１からのインクの吐出タイミングを補正する。具体的には、制御部５は、吐出されたインクが印刷媒体１５上の目標位置に着弾するように、印刷媒体１５の表面の凹凸に応じてインクの吐出タイミングを早くしたり遅らせたりする。

次いで、ステップＳ６において、制御部５は、ステップＳ５における媒体高さセンサ２７による印刷対象領域の走査により得られた媒体高さ変動データに基づき、ステップＳ３と同様の処理により、反り変形データおよび表面凹凸データを生成する。

次いで、ステップＳ７において、制御部５は、副走査駆動モータ１２を制御してシャトルユニット４を前側へ１ピッチ分だけ移動させる。

次いで、ステップＳ８において、制御部５は、今回の１パス分の印刷動作が、最後の１パス分の印刷動作であるか否かを判断する。今回の１パス分の印刷動作が、最後の１パス分の印刷動作ではないと判断した場合（ステップＳ８：ＮＯ）、制御部５は、ステップＳ５へ戻る。

今回の１パス分の印刷動作が、最後の１パス分の印刷動作であると判断した場合（ステップＳ８：ＹＥＳ）、ステップＳ９において、制御部５は、１パス分の印刷動作を行う。この際、制御部５は、今回の印刷対象領域の反り変形データに基づき、ヘッド昇降駆動部２４によりインクジェットヘッド４１の高さを制御する。また、制御部５は、今回の印刷対象領域の表面凹凸データに基づき、インクジェットヘッド４１からのインクの吐出タイミングを補正する。

ステップＳ９による最後の１パス分の印刷動作が終了すると、印刷媒体１５に対する画像形成が終了し、一連の動作が終了となる。

以上説明したように、インクジェット印刷装置１では、制御部５は、媒体高さセンサ２７により得られた、１パス分の印刷動作での印刷対象領域における媒体高さ変動データを、複数の周期関数に変換する。そして、制御部５は、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、１パス分の印刷動作時におけるインクジェットヘッド４１の前後方向に沿った移動中にインクジェットヘッド４１の高さを制御する。具体的には、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の各周期関数を合成して反り変形データを生成し、この反り変形データに基づき、１パス分の印刷動作時にインクジェットヘッド４１の高さを制御する。これにより、印刷媒体１５の反り変形によるヘッドギャップの変動を抑制できるので、インクの着弾ずれを軽減できる。この結果、印刷画質の低下を軽減できる。

また、制御部５は、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の周期関数に基づき、１パス分の印刷動作時におけるインクの吐出タイミングを補正する。具体的には、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の各周期関数を合成して表面凹凸データを生成し、この表面凹凸データに基づき、１パス分の印刷動作時におけるインクの吐出タイミングを補正する。これにより、印刷媒体１５の表面の細かな凹凸によるインクの着弾ずれを軽減できる。この結果、印刷画質の低下をより軽減できる。

なお、上述した実施の形態では、印刷媒体１５を固定し、１パス分の印刷動作を行うごとに、シャトルユニット４を副走査方向に移動させたが、１パス分の印刷動作を行うごとに印刷媒体を副走査方向に移動させる構成でもよい。１パス分の印刷動作を行うごとに、副走査方向にインクジェットヘッドと印刷媒体とを相対移動させるものであればよい。

また、上述した実施の形態では、非接触式の光学式センサである媒体高さセンサ２７を用いて、主走査方向における印刷媒体１５の表面の高さ変動を計測したが、接触式のセンサを用いてもよい。

また、上述した実施の形態では、インクジェットヘッド４１の前後方向に沿った移動中に、ヘッドギャップを調整するためにインクジェットヘッド４１の高さを制御した。しかし、載置台昇降駆動部１８により載置台１６の高さを制御して印刷媒体１５を昇降させることでヘッドギャップを調整するようにしてもよい。インクジェットヘッド４１の高さ制御と載置台１６の高さ制御とを組み合わせてもよい。

本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

１ インクジェット印刷装置
２ シャトルベースユニット
３ フラットベッドユニット
４ シャトルユニット
５ 制御部
２２ 主走査駆動部
２３ 主走査移動テーブル
２４ ヘッド昇降駆動部
２５ 昇降テーブル
２６ ヘッドユニット
２７ 媒体高さセンサ
３１ 駆動ベルト
３２Ａ，３２Ｂ プーリ
３３ 主走査駆動モータ
３４ 主走査駆動ガイド
３６ ねじ軸
３７ ヘッド昇降モータ
３８ ヘッド昇降モータ支持部
３９ 昇降ガイド
４１ インクジェットヘッド

Claims (2)

1. 主走査方向に沿って移動しつつ印刷媒体へインクを吐出して印刷するインクジェットヘッドと、
   主走査方向に沿った印刷媒体の表面の高さ変動を計測する計測部と、
   前記インクジェットヘッドと印刷媒体との間の距離であるヘッドギャップ調整するヘッドギャップ調整部と、
   前記インクジェットヘッドによる印刷対象領域において前記計測部により得られた、主走査方向における印刷媒体の表面の高さ変動を示すデータを複数の周期関数に変換し、波長および振幅がそれぞれの閾値以上の周期関数に基づき、印刷動作時における前記インクジェットヘッドの主走査方向に沿った移動中に前記ヘッドギャップ調整部により前記ヘッドギャップを調整する制御部と
   を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
2. 前記制御部は、波長および振幅がそれぞれの閾値未満の周期関数に基づき、印刷動作時における前記インクジェットヘッドからのインクの吐出タイミングを補正することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット印刷装置。