JP2017107456A - 自律走行ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
Description
System)、D−GPS(Differential GPS)、LRF(Laser Range Finder)、可視光カメラ、赤外線カメラ、等の外界センサによる位置計測と、車輪回転量や移動加速度等の内界センサによる移動量計測と、を組み合わせた方法が一般的である。
又、作業領域に変更を加えて移動ロボットに作業領域を認識させる手段としては、作業領域に敷設された発信機の電波計測、作業領域を周回する電線の磁界計測、等の方法が一般的である。
尚、屋内外で使用される移動ロボットに関して、作業領域の形状や作業領域内での自己位置を推定するための計測手段、又、作業領域の外周に敷設した電線の磁界計測により、作業領域の領域内外判定や境界追跡による基地への帰還を実現する既存技術を開示したものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、等がある。
まず、GPSを用いた手段は絶対位置計測が可能であるが、使用領域が屋外に限定されてしまい、又、要求精度に対するコストが高いという問題があった。
又、LRFを用いた手段は使用領域の限定はないが、認識対象物を必要とし、コストが高いという問題があった。
又、カメラを用いた手段はコストが低く使用領域の限定はないが、認識対象物を必要とし、推定精度が低いという問題があった。
又、発信機の電波計測を用いた手段は、作業領域での定点同定が可能であるが、位置推定の精度が低く、又、同定対象の定点毎に発信機の敷設が必要となるという問題があった。
さらに、電線の磁界計測を用いた手段は、作業領域の領域内外判定や境界追跡による基地への帰還が可能であるが、領域内や境界上での自己位置は不明であり、領域内での定点への移動が困難であるという問題があった。
このように、移動ロボットが作業領域における現在位置や作業領域の空間的な情報を自律的に取得するための、低コストで実装が容易な地点同定や地図生成の手段はこれまでなかった。
又、請求項2による自律走行ロボットシステムは、請求項1記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記地点同定手段は、上記自律走行ロボットが同定対象の地点に敷設された上記情報記憶媒体に近接した際に情報記憶媒体毎に備えられた固有の識別子を検出して上記地点を同定する手段であることを特徴とするものである。
又、請求項3による自律走行ロボットシステムは、請求項1又は請求項2記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記地図作成手段は、上記自律走行ロボットシステムが、任意の座標系を仮定して上記作業領域の境界や内部を移動し、ロボットが計測可能な微小移動量に基づいて現在の位置座標を推定し、上記情報記録媒体が敷設された地点の識別子と検出時の位置座標を対応づけて記録し、上記位置座標に基づく地点の地図を生成し、移動中に発生した閉経路に基づく制約を用いて上記地点の位置座標を随時修正して地図の精度を高める手段であることを特徴とするものである。
又、請求項4による自律走行ロボットシステムは、請求項1〜請求項3の何れかに記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記作業領域の境界には誘導経路が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5による自律走行ロボットシステムは、請求項4記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記誘導経路は磁気式誘導経路であることを特徴とするものである。
又、請求項6による自律走行ロボットシステムは、請求項5記載の自律走行ロボットにおいて、上記磁気式誘導経路は電磁ワイヤであることを特徴とするものである。
又、請求項7による自律走行ロボットシステムは、請求項1〜請求項6の何れかに記載の自律走行ロボットにおいて、上記情報記憶媒体はRFIDタグであることを特徴とするものである。
又、請求項2による自律走行ロボットシステムによると、請求項1記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記地点同定手段は、上記自律走行ロボットが同定対象の地点に敷設された上記情報記憶媒体に近接した際に情報記憶媒体毎に備えられた固有の識別子を検出して上記地点を同定する手段であるので、その構成も簡単であり、且つ、低コストである。
又、請求項3による自律走行ロボットシステムによると、請求項1又は請求項2記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記地図作成手段は、上記自律走行ロボットシステムが、任意の座標系を仮定して上記作業領域の境界や内部を移動し、ロボットが計測可能な微小移動量に基づいて現在の位置座標を推定し、上記情報記録媒体が敷設された地点の識別子と検出時の位置座標を対応づけて記録し、上記位置座標に基づく地点の地図を生成し、移動中に発生した閉経路に基づく制約を用いて上記地点の位置座標を随時修正して地図の精度を高める手段であるので、精度の高い地図を作成することができる。
又、請求項4による自律走行ロボットシステムによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記作業領域の境界には誘導経路が設けられているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項5による自律走行ロボットシステムによると、請求項4記載の自律走行ロボットシステムにおいて、上記誘導経路は磁気式誘導経路であるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項6による自律走行ロボットシステムによると、請求項5記載の自律走行ロボットにおいて、上記磁気式誘導経路は電磁ワイヤであるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項7による自律走行ロボットシステムによると、請求項1〜請求項6の何れかに記載の自律走行ロボットにおいて、上記情報記憶媒体はRFIDタグであるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
本実施の形態による自律走行ロボットシステムは、概略、図1の機能ブロック図に示すような構成になっている。まず、自律走行ロボット1があり、この自律走行ロボット1は、車体駆動装置3、作業実行装置5、駆動制御手段7、作業制御手段9、行動計画手段11、地図作成手段13、地点同定手段15、誘導経路検知手段17、移動量計測手段19、等から構成されている。
上記行動計画手段11には、駆動計画手段や作業計画手段が含まれている。又、上記地図作成手段13には、地点情報データベースや位置推定手段が含まれている。
又、環境敷設装置21として、誘導経路23が設置されているとともに、複数の情報記憶媒体25が設置されている。
本実施の形態の場合には、情報記憶媒体25の一例としてRFID(Radio Frequency Identifire)タグを使用するものであり、又、誘導経路23の一例として電磁ワイヤを使用している。
尚、この一実施の形態の場合には、行動計画手段11、地図作成手段13、地点同定手段15、誘導経路検知手段17、移動量計測手段19、等を含めて全ての情報処理手段を自律走行ロボット1自身に内装するようにしているが、それに限定されるものではない。例えば、外部に別途情報処理手段を設け、その情報処理手段に行動計画手段11、地図作成手段13、地点同定手段15、誘導経路検知手段17、移動量計測手段19、等を設置し、上記自律走行ロボット1との間で通信することにより、所望の制御を行うような構成でもよい。
又、自律走行ロボット1と外部の情報処理手段で制御内容を分担するような構成でもよい。
上記地点同定手段15は、自律走行ロボット1を介して情報記憶媒体25に記憶されている情報を入力し、その情報に基づいて地点同定を行う。
又、上記地図生成手段13は、自律走行ロボット1が上記作業領域内において自律的に移動し、その際に自律走行ロボット1を介して情報記憶媒体25に記憶されている情報を入力し、その情報に基づいて作業領域の境界線及び作業領域内の地図を作成する。
以下、地点同定手段15と地図生成手段13の構成を詳細に説明する。
但し、kは自然数であり、k=1,...,Nとする。
尚、本実施の形態の場合には自律走行ロボット1が走行体に相当する。
以下、識別子ID_kに対する位置座標を(x_k,y_k)(k=k=1,...N)と表記する。
これらの地点毎の位置座標は、人や走行体以外の装置が事前に計測した値を用いても良いし、走行体自体が自律的に移動して取得した推定値を用いても良い。
尚、走行体による位置座標の推定方法は地図生成の項で詳細に説明する。
図2に示すように、作業領域内には複数個の情報記憶媒体25(図2中M_1〜M_5)が設置されている。自律走行ロボット1は複数個の情報記憶媒体25(図2中M_1〜M_5)を走行時に検出した際は、その都度所定の地点同定処理を実行していく。
尚、地点同定における情報記憶媒体25の検知位置は一点であることが望ましいが、識別子を検出する装置の仕様によっては、識別子が検出される領域の空間的な広がりが無視できない場合がある。その場合には、同一の識別子を検出した位置座標の集合に関する平均値や中央値をその情報記憶媒体25を代表する位置座標と見なすことで、当該の情報記憶媒体25の位置座標を一点として取り扱うことができる。
上記自律走行ロボットシステムは、任意の座標系を仮定して上記作業領域の境界や内部を自律走行ロボット1が移動する。上記の自律走行ロボット1は微小移動量を計測可能であると仮定し、微小移動量の積算に基づいて現在の位置座標を推定し、上記情報記録媒体25が敷設された地点の識別子と検出時の位置座標を対応づけて記録する。これにより同定済の地点の地図を作成することができる。更に、移動中に発生した閉経路に基づく制約を用いて上記地点の位置座標を随時補正することで、作成した地図の精度を高めることができる。
まず、ステップS1において、情報記録媒体25を検出する。次いで、ステップS2に移行して識別子を検出したか否かを判別する。識別子を検出したと判別された場合はステップS3に移行する。ステップS3において予め記憶されている地点情報データベースで識別子を検索する。ステップS2において検出していないと判別された場合にはステップS1に戻る。次いで、ステップS4に移行して、識別子が地点情報データベースに含まれるか否かを判別する。識別子が地点情報データベースに含まれると判別された場合にはステップS5に移行して地点を同定する。これに対して、識別子が地点情報データベースに含まれないと判別された場合は未検出として対応する。何れの場合もステップS1に戻り同様の処理を繰り返す。
まず、ステップS11において、座標系と基準点の設定が実行される。次いで、ステップS12に移行して自律走行ロボット1の移動が実行される。次いで、ステップS13に移行して現在の位置座標が算出される。次いで、ステップS14に移行して、地点を検出したか否かが判別される。検出したと判別された場合にはステップS15に移行して、未検出の地点か否かが判別される。未検出の地点であると判別された場合にはステップS16に移行して、識別子と地点情報を追加する。ステップS14において地点を検出していないと判別された場合にはステップS12に戻る。又、ステップS15において、未検出の地点ではないと判別された場合には、ステップS17に移行して、経由地点の位置座標補正が実行される。
まず、「座標系と基準点の設定」について説明する。
初期位置と初期姿勢に基づく位置座標系を設定する。例えば、初期位置を原点、初期姿勢をx軸とする直交座標系(x,y)を仮定する。又、初期位置を開始時の基準点とし、基準点の位置座標を(x_o,y_o)と表記する。前記の座標系の設定は地図作成の処理において一般性を失わない。又、本実施の形態の地図作成の処理には、作業領域の空間的な次元による制約がないため、一般性を失わずに上記2次元座標系で議論する。
尚、移動量を計測できる限り3次元空間として以下の処理を実施しても構わない。
基準点からの現在地点までの移動経路に対して、毎時刻計測される微小移動量を積算して現時点の位置座標(x,y)を推定する。計算式を「数1」に示す。
地点の検出は前記の方法で行う。
尚、地点は検出順にM_1,M_2,...,M_k,...と表記し、M_kの識別子をID_kと表記する。現時点で検出した地点M_kとその前に検出した地点の中で最新の地点M_{k−1}の、地点間の位置座標の移動量を(Δx(k)、Δy(k))と表記する。初めて地点を検出した場合、当該の移動量はM_1とM_0の地点間の移動量となり、前記の設定によりM_0は開始地点となる。
(Δx(k)、Δy(k))は、「数1」でM_{k−1}を基準点、M_kを現在地点として算出される。
当該の移動量とM_k,M_{k−1}の位置座標の関係は、「数2」で表される。
尚、検出位置に空間的な広がりがある場合は、前記の方法で算出される地点の代表位置座標を用いて上記の計算を行う。
過去に検出した地点と同一の識別子をもつ地点を再検出した場合、その地点を始点及び終点とする閉経路を走行したことになる。再検出時の地点の位置座標は、地点の検出位置や地点間の移動量計測に誤差がある場合には、前回の検出時の位置座標と一致しない。しかしながら、前記の地点同定により同一地点に帰還していることが保証されているため、閉経路の制約により上記の位置座標の誤差が「0」となるように、地点情報データベースに記録されている当該の閉経路上の通過地点の位置座標を、通過地点間の移動距離に基づいて補正することができる。
尚、当該の地点を過去に複数回検出している場合には、その中で最新の地点情報を上記処理の対象とする。同一地点の位置座標(x_k,y_k)と(x_{k−(n−1)},y_{k−(n−1)})と誤差ベクトルは「数3」で与えられる。
閉経路上の各地点の補正後の位置座標(x‘_i,y’_i)は、補正前の位置座標(x_i,y_i)に対して、「数4」で与えられる。
上記で地点M_kが再検出されて位置座標を補正した後は、M_kを新しい基準点に設定して、新しい基準点からの移動量を「数1」で計算し、地点の検出が規定回数に達する等の適当な終了条件を満たすまで上記の処理を繰り返す。又、上記の処理と並行して検出した地点の位置座標をプロットすることで同定地点に関する地図を作成できる。前記の地図上に前記の計算により得られる現在位置や移動経路をプロットすることも可能である。
前記の地点同定と地図生成は、以下の性質を有する。
作業領域での移動により地点検出の回数が多いほど、地図の精度が向上される。
作業領域での移動がランダムの場合は、敷設される情報記憶媒体25の数量が多いほど地点同定の精度が高まる。
作業領域での移動が誘導される場合は、誘導経路23上に情報記憶媒体25を配置することで、地点同定の検出効率が高まる。
作業領域での移動が走行体により自律的に制御される場合は、近距離地点間の探索行動を導入することで、地図の精度が向上する。
以下、誘導経路23を用いた地図作成の手段を説明する。
図6に示すように、自律走行ロボット1は誘導経路23のある地点を開始地点として誘導経路23上を移動し、誘導経路23に配置された複数の情報記憶媒体25(図6中M_1〜M_9)を検出することで、前記の地点同定と地図作成を行う。前記の誘導経路23を用いた地図作成において、誘導経路23上の移動は誘導経路23上である限り任意の軌道で構わない。例えば、誘導経路23上で同定地点間を往復するような移動をしても構わない。誘導経路23は開経路でも閉経路でも構わない。
誘導経路23が複数存在する場合は、誘導経路23を巡回して誘導経路23の探索を完了したら、誘導経路23上の任意の地点からのランダム移動を行う。これを繰り返すことで、確率的に複数の誘導経路23が発見され、それらの位置座標の情報を学習していく。学習済みの誘導経路23上の同定地点の位置座標に基づいて、複数の誘導経路23を往航することが可能となる。例えば、領域の外周と領域内部の浮島が誘導経路23となっている場合、浮島と外周の往航が容易になる。
識別子と所望の移動体の行動を対応づけることで、地点同定した際の移動体の行動を制御できる。例えば、ある識別子kを検出したら行動A(k)を生成させるように設定できる。このような識別子と行動の対応づけは、自律移動ロボット1が学習しても良いし、人が知識として自律移動ロボット1に与えても良い。例えば、ある識別子を通過した後に障害物等を検出した場合に、その識別子の近傍に障害物があるものとして速度を低下させるといった対処を自律移動ロボット1が自律的に学習することも可能である。
まず、「自律移動による作業領域外周の情報収集」について説明する。
自律走行ロボット1は作業領域の境界線を追従して作業領域を周回する。周回の出発地および目的地は境界線上または境界線付近の一点とし、出発地と目的地の位置および出発時と到着時の姿勢は同一とする。境界線上には1つ以上のRFIDタグが敷設されている。出発地と目的地は、同一地点の認識と同一姿勢の帰還ができれば自律走行ロボット1の基地でなくても良い。例えば、RFIDタグの一つでも良い。
尚、移動量を算出可能な情報であれば、計測手段はモータ回転数でなくても良い。例えば、加速度センサの加速度値でも良い。又、同一地点を同定できれば、計測手段はRFID認識でなくても良い。例えば、形状パターンの画像認識やバーコードの光学的認識でも良い。又、局所的な境界線の形状パターンにより発生される特定の磁界分布パーンを計測する手段でも良い。
出発地の位置を原点とし出発方向を座標系の特定の方向(例えばx軸方向)とする二次元座標系を定義し、作業領域の外周地図を作成する。モータ回転数により算出された各時刻での微小移動量と微小角度変化量を積算することで、各時刻の自律走行ロボット1の位置姿勢を算出する。出発地と目的地が同一地点である前提の下に、出発地の位置姿勢と目的地の推定位置姿勢の誤差を求め、微小移動距離で重み付けした値を各時刻での推定位置姿勢から減算することで、移動経路である作業領域の境界線を近似する点集合の位置姿勢の推定値を計算する。
基地と検知したRFIDタグを同定地点と定義し、これらの地点をノードとし直線経路で移動可能なノード間のリンクをもつ無向グラフを構築する。
尚、この無向グラフにおいて孤立したノードは、必要最小限な境界線の部分経路をリンクとして追加することで孤立状態を回避する。ノード毎にそのノードがリンクする他のノードへ移動するための自律走行ロボット1の行動指令を計算し、そのノードに対応づける。リンクが直線経路の場合は、移動目標ノード方向を目標方向として旋回し直進する。
各同定地点から放射状に自律的な直線移動を実行することで、作業領域内部の情報を収集する。同定地点から適切な角度幅で作業領域内部の方向に直線移動し、領域境界または障害物を検知した際に後退及び180度旋回を実行して、出発地に戻る。直線移動中は移動量計測を行い、出発地のノードから領域境界又は障害物を検知するまでの距離、方向、検知の種類(境界または障害物)の情報を収集する。
作業領域内部で収集したデータを前の手続で生成した作業領域の外周地図と比較することで、浮島と障害物を含む作業領域内部と外周を統合した地図を生成する。ここで浮島とは、作業領域の外周より内側にあり、且つ、境界線により囲まれて侵入ができない領域とする。図6に示す例では、内側の誘導経路23で囲まれた領域が浮島である。例えば、電線を用いて境界線を定義する場合、境界線を局所的にループさせ外周とループの間の往路と復路を重ねて磁界を打ち消すことで、孤立した閉領域を作業領域の外周内に作ることができる。
上記の「作業領域の内部地図とグラフの補正」までの手続で生成した作業領域の地図、作業領域内で検知された基地を含む同定地点の位置情報、又、それらのグラフを用いて、自律走行ロボット1を作業領域の地図上で特定される任意地点に移動させるための経路計画を行う。
尚、同定地点を経由する毎に位置測位の精度が回復するため、経由する同定地点間の移動が失敗しないような経路を設定することで、現在地から十分に遠方な目的地に移動する場合でも、累積誤差による到達失敗を回避できる。
適切な移動経路は、適当な密度でRFIDタグを配置する、前述の領域境界上の局所探索行動を導入することで実現される。ここで実現される経路は、直線経路のリンクを含む場合があるため、自律走行ロボット1は作業領域を単純に辿るよりも同等かそれよりも早く目的地に到達することができる。
図7は補正前の誘導経路と同定地点、図8は補正後の誘導経路と同定地点、図9は基地帰還行動の計測データを取り除いた補正後の誘導経路と同定地点、図10は基地から同定地点への直線移動経路を図示している。
尚、帰還時の基地周回行動は、本実施例の設定に特有であり、且つ、本発明の本質に関わらないため、基地帰還行動部分の計測データのみを取り除いた。基地自体も本発明を実施する上では必須でなく、本実施の形態で用いた記憶情報媒体25に置き換えることが可能である。
本発明を用いずに誘導経路のみを用いた行動の場合は、確実に基地に帰還する手段は誘導経路上を移動して帰還する方法に限られており、基地への帰還までに時間を要していたが、本発明により、誘導経路上で同定地点を検出して最短距離で基地に帰還することが可能となり、基地への帰還までの時間が大幅に短縮された。
まず、地点同定を行うための目印(情報記憶媒体25)を作業領域内及び境界上に敷設し、自律走行ロボット1に目印を検知するセンサを搭載することで、自律走行ロボット1が作業領域にて地点同定を行うことができる。
従来技術の作業領域の境界検知では、境界の内外は検知されるが、境界上の場所を特定することは困難であった。本実施の形態では、敷設された目印の固有の識別子を認識することで、その地点を他の地点と確実に分別することができる。
特に、境界上に敷設された目印は、既存の境界追従の技術と組み合わせれば、自己位置が特定されていない状況において、単純な探索行動により確実に発見することができる。例えば、自律走行ロボット1は直進すれば作業領域の有限性より必ず境界に到達するため、境界検知後に境界追従に移行することで、境界上に敷設された目印を発見できる。
さらに、検知された目印に基づいて自己位置や姿勢の推定を行い、その後の行動を自律的に生成することができる。
従来技術のLRFによる地点同定では、類似した建築環境(例えば、廊下等の類似環境の異なる2地点)は分別が困難である。固有の識別子を認識することで、類似した建築環境でも異なる地点を分別することができる。
本実施の形態では、目印にRFIDタグを利用しており、RFIDタグは無電力、且つ、非常に安価(1つの目印について10円以下)なため、既存の地点同定技術に比べて敷設コストが格段に低い。例えば、基地局による電波計測の場合は、基地局の敷設コストが高く、信号の送受信のための電力供給も必要である。又、位置の測位には複数の基地局が必要となる。
又、本実施の形態では、目印により同定される地点を基準点とした地図生成や自律的な行動生成が可能である。従来技術における移動量計測による地図生成では、基準点を設定しなければ、移動量の累積誤差により正確な地図の生成は困難である。本実施の形態では、基準点となる目印を作業領域内に自由に配置することが可能である。
又、本実施の形態では、移動量の計測をモデル化することで、自己位置の推定誤差について理論的な上限を与えることができ、目印の密度を高めることでその上限を任意の値まで下げることが可能である。
又、基準点に基づく自律的な探索行動により動的に地図生成することで、目印の位置の変更や目印の追加・削減を行うことができる。
又、地図上でのシミュレーションにより実走行なしで行動パラメータを調整できる。
又、領域内や領域境界上にRFIDタグを敷設するので、RFIDタグの位置で誤差累積なしに地点同定できる。
又、ID認識で発現する行動指令を実機に埋め込める(実機上での環境認識が簡易化される)。
又、RFIDタグを利用する場合には、敷設のコストが低く、敷設位置や数の変更が容易である。固有IDの認識により地点の取り違えがない。他センサとの併用が容易ある(地磁気、ジャイロ、Gセンサ、等)。
又、本実施の形態により、移動時の自己位置の推定誤差はより小さくなり、経路を計画する際のシミュレーションにおいても、精度の高い外周形状にもとづいて計算できるため、その経路を高い精度で評価することができる。
以上のように、作成した地図を作業に運用することにより作業の効率化を図ることができる。
前述したように、この一実施の形態の場合には、全ての情報処理手段を自律走行ロボットに内装するようにしているが、それに限定されるものではなく、別途設けられた情報処理装置に設ける、自律走行ロボットと外部の情報処理装置の両方に分担させて設けるようにしても良い。
又、前記一実施の形態では、情報記憶媒体としてRFIDタグを使用した場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、公知の様々な種類の情報記憶媒体の使用が考えられる。
又、前記一実施の形態の場合には、誘導経路として電磁ワイヤを使用した構成を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、公知の様々な種類の誘導経路の使用が考えられる。
又、自律走行ロボット自体の種類についてもこれを特に限定するものではなく、各種移動ロボット、各種作業ロボット、等、屋外および屋内で作業する移動ロボット全般に適用できる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
13 地図作成手段
15 地点同定手段
23 誘導経路
25 情報記録媒体
Claims (7)
- 所定の作業領域の境界線及び又は上記作業領域内に設置された複数個の情報記憶媒体と、
上記作業領域内を自由に移動して任意の作業を行う自律走行ロボットと、
上記自律走行ロボットを制御する制御手段を具備し、
上記制御手段は、上記自律走行ロボットを介して上記情報記憶媒体に記憶されている情報を入力して上記自律走行ロボットの地点同定を行う地点同定手段と、上記自律走行ロボットを上記作業領域内において自律的に移動させ、その際上記自律走行ロボットを介して上記情報記憶媒体に記憶されている情報を入力して上記作業領域の境界線及び作業領域内の地図を作成する地図作成手段と、を備えているものであることを特徴とする自律走行ロボットシステム。 - 請求項1記載の自律走行ロボットシステムにおいて、
上記地点同定手段は、上記自律走行ロボットが同定対象の地点に敷設された上記情報記憶媒体に近接した際に情報記憶媒体毎に備えられた固有の識別子を検出して上記地点を同定する手段であることを特徴とする自律走行ロボットシステム。 - 請求項1又は請求項2記載の自律走行ロボットシステムにおいて、
上記地図作成手段は、上記自律走行ロボットシステムが、任意の座標系を仮定して上記作業領域の境界や内部を移動し、ロボットが計測可能な微小移動量に基づいて現在の位置座標を推定し、上記情報記録媒体が敷設された地点の識別子と検出時の位置座標を対応づけて記録し、上記位置座標に基づく地点の地図を生成し、移動中に発生した閉経路に基づく制約を用いて上記地点の位置座標を随時修正して地図の精度を高める手段であることを特徴とする自律走行ロボットシステム。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の自律走行ロボットシステムにおいて、
上記作業領域の境界には誘導経路が設けられていることを特徴とする自律走行ロボットシステム。 - 請求項4記載の自律走行ロボットシステムにおいて、
上記誘導経路は磁気式誘導経路であることを特徴とする自律走行ロボット。 - 請求項5記載の自律走行ロボットにおいて、
上記磁気式誘導経路は電磁ワイヤであることを特徴とする自律走行ロボットシステム。 - 請求項1〜請求項6の何れかに記載の自律走行ロボットにおいて、
上記情報記憶媒体はRFIDタグであることを特徴とする自律走行ロボットシステム。
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