図1は、本実施形態に係るロッカーシステムの外観を模式的に示す説明図であり、図2は、本実施形態に係るロッカーシステムの制御系を主体とした構成を示す説明図である。本実施形態に係るロッカーシステムは、駅などの公共のスペースに設置され、利用者によって預け入れられた荷物を一時的に預かるサービス(以下「コインロッカーサービス」という)を提供する装置である。また、このロッカーシステムは、コインロッカーサービスの他に、配送業者によって配送される荷物を当該荷物の宛先人が取り出すまで一時的に預かるサービス(以下「配送サービス」という)も提供するものである。
本実施形態において、ロッカーシステムの運用はコインロッカーサービスの提供を主とし、一定の時間帯かつ一定のロッカーボックス2に限り配送サービスが提供される。なお、ロッカーシステムの利用者とは、コインロッカーサービスにあっては荷物を預け入れる者などが該当し、また、配送サービスにあっては配送業者及び荷物の宛先人などが該当する。
ロッカーシステムは、集中制御装置1と、複数のロッカーボックス2とで構成されている。複数のロッカーボックス2は、例えば集中制御装置1を取り囲むようにその周囲に配置されており、例えば3種類(大、中、小)の大きさのロッカーボックス2がそれぞれ用意されている。
集中制御装置1は、LCD表示器1a、カードリーダ1b、プリンタ1c、通信モジュール1d、記憶装置1e及び制御ユニット10を主体に構成されている。
LCD表示器1aは、制御ユニット10に制御され、各種の情報を表示する。また、LCD表示器1aは、タッチパネルを備えており、利用者のタッチ操作(入力操作)を検出する。集中制御装置1のパネル面には、LCD表示器1aに対応した窓1a1が配設されている。
カードリーダ1bは、非接触通信を利用して情報を読み取る装置である。例えば、カードリーダ1bは、RFID(Radio Frequency Identifier)に準拠したICカード等(以下、単に「ICカード」という)から情報を読み取る装置である。ここで、RFIDとは、13.56MHz帯の周波数において電磁誘導技術を用いてICカード内の情報を近距離通信により受信して受け付けるものであり、Felica(登録商標)やMifare(登録商標)がその代表例として挙げられる。集中制御装置1のパネル面には、カードリーダ1bのアンテナ部1b1が配設されている。
プリンタ1cは、レシートを発行するためのものである。集中制御装置1のパネル面には、プリンタ1cからレシートを排出するためのレシート出口1c1が配設されている。
通信モジュール1dは、ネットワークを介して外部の装置と通信を行うモジュールである。通信モジュール1dは、例えば3G通信モジュールであり、3G回線用の基地局との間で電波にて無線通信を行う。また、通信モジュール1dは、例えば無線LANモジュールでもよく、街中に設置されたアクセスポイントとの間で電波にて無線通信を行う。
記憶装置1eは、システム管理に必要な各種のプログラムやデータ(データベース)を格納している。例えば、記憶装置1eには、配送サービスを利用する配送業者の識別子(配送業者ID)が格納されている。また、配送サービスに関する情報(配送サービスデータベース)として、荷物の預け入れが行われたロッカーボックス2(予約ロッカーボックス2)の識別子(ボックス番号)、発行されたパスワード、超過料金がある場合にはその金額等の情報が関連付けて格納されている。さらに、コインロッカーサービスに関する情報(コインロッカーサービスデータベース)として、荷物の預け入れが行われたロッカーボックス2の識別子(ボックス番号)、ICカードのIDコード、超過料金がある場合にはその金額等の情報が関連付けて格納されている。これらの情報は、制御ユニット10により必要に応じて更新、追加、削除される。
制御ユニット10は、CPU、メモリ、I/Oインターフェースを主体に構成されたコンピュータで構成されており、ロッカーシステムの制御を行うものである(制御装置)。また、制御ユニット10は、リアルタイムクロック機能を保有しており、現在の時刻を認識することができる。
本実施形態との関係において、制御ユニット10は、ロッカーボックス2の利用を管理する。この場合において、制御ユニット10は、ロッカーボックス2のそれぞれに適用される管理モードとして、コインロッカーサービスを提供するロッカーボックス2としてその利用を管理する第1の管理モードと、配送サービスを提供するロッカーボックスとしてその利用を管理する第2の管理モードと、を有している。
そして、制御ユニット10は、通常、複数のロッカーボックス2に第1の管理モードを適用し、複数のロッカーボックス2によりコインロッカーサービスを提供する。一方、制御ユニット10は、配送サービスの提供開始に先立ち、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のなかから、規定数(予約ボックス数)のロッカーボックス2を確保する予約制御を行う。この予約制御は、配送サービスを提供するロッカーボックス2を確保するものであり、その規定数は、配送サービスによる利用を見越して予め設定されたものである。なお、予約制御により確保されたロッカーボックス2を「予約ロッカーボックス2」という。
また、制御ユニット10は、LCD表示器1a、カードリーダ1b、プリンタ1c、通信モジュール1d及び各ロッカーボックス2の錠装置2b等が接続されている。制御ユニット10は、サービスの提供に係るロッカーシステムの制御に伴い、これらの要素を制御する。
具体的には、制御ユニット10は、LCD表示器1aに表示データを出力し所定の画面を表示したり、タッチパネルの操作状態の検出を行ったりする。また、制御ユニット10は、カードリーダ1bからのデータの入力や、プリンタ1cへの印字データの出力を行う。また、制御ユニット10は、通信モジュール1dを介してネットワークと接続し、ロッカーシステムを管理する管理サーバや、配送業者が管理する管理サーバ、販売業者が管理する管理サーバと通信することができる。ここで、販売業者は、購入者宛ての荷物の配送を配送業者に依頼する者である。さらに、制御ユニット10は、錠装置2bの施解錠の制御や、発光部2cの点灯消灯の制御を行う。
各ロッカーボックス2は、荷物(物品)を収受する筐体であり、その前面にはロッカー扉2aが開閉可能に取り付けられている。ロッカー扉2aの内部には、当該ロッカー扉2aを施解錠する錠装置2bが配設されている。この錠装置2bは、集中制御装置1(制御ユニット10)からの制御信号に基づいて動作する。
荷物が預け入れられていない空き状態においては、ロッカーボックス2の錠装置2bは解錠状態となっている。この場合、ロッカー扉2aは、ロッカーボックス2を閉塞しつつ、少し開いた状態となっている。そのため、利用者は、単にロッカー扉2aを開け閉めすることで、何らの解錠操作をすることなく、ロッカーボックス2に荷物を預け入れることができる。
そして、利用者がロッカー扉2aを閉扉操作(押圧操作)すると、図示しない検出手段を通じてロッカー扉2aの閉扉が判断され、制御ユニット10は錠装置2bに施錠信号を出力し、錠装置2bを施錠状態へと切り替える。一方、制御ユニット10から錠装置2bに解錠信号が出力されると、錠装置2bは解錠状態へと切り替わり、ロッカー扉2aをポップアップさせる(少し開く)。
ロッカー扉2aは、ロッカーボックス2の使用状態を表示するための発光部2cを備えている。発光部2cは、例えばLED等で構成されている。発光部2cは、荷物が預け入れられている預け入れ状態において点灯され、空き状態において消灯される。発光部2cの点灯の有無により、利用者はロッカーボックス2の状態を視覚的に判別することができる。
以下、本実施形態に係るロッカーシステムの動作について説明する。このロッカーシステムは、ロッカーボックス2を利用してコインロッカーサービスを提供するものであるが、特定の時間帯に特定のロッカーボックス2を利用して配送サービスを提供するものでもある。
配送サービスを提供する時間帯は、例えばコインロッカーサービスによるロッカーボックス2の稼働率の低い時間などに設定される。本ロッカーシステムには、配送サービスを実行する観点から、「予約開始時刻」、「予約終了時刻」、「配送完了時刻」、「サービス終了時刻」及び「予約ボックス数」の各パラメータが予め設定されている。
予約開始時刻は、配送サービスを提供するロッカーボックス2を確保する時間帯の開始時刻である。この予約開始時刻は、配送サービスの開始時刻にも相当する。
予約終了時刻は、当該時間帯の終了時刻である。
配送完了時刻は、配送業者が予約ロッカーボックス2に対する配送業務を完了させなければならない時刻であり、予約終了時刻よりも遅い時刻に設定される。配送業者は、予約開始時刻から配送完了時刻までの間に予約ロッカーボックス2へ荷物の預け入れ(配送)が可能となる。なお、配送終了時刻は、任意の設定パラメータであり、必ずしも設定を行わなくてもよい。
サービス終了時刻は、配送サービスの終了時刻である。このサービス終了時刻後は、予約ロッカーボックス2に預け入れられたままの荷物は、配送業者による回収対象又は超過料金発生の対象となる。
予約ボックス数は、予約制御において確保するロッカーボックス2の規定数であり、配送サービスを提供するロッカーボックス2の数である。予約ボックス数は、配送サービスによる利用を見越して予め設定されており、ロッカーシステムが備えるロッカーボックス数を上限とする。
管理者がLCD表示器1aのタッチパネルを操作して、集中制御装置1の動作モードを管理者モードに切り替えることにより、これらのパラメータを設定することができる。設定された各パラメータは、記憶装置1eに格納される。
図3及び図4は、本実施形態に係るロッカーシステムによる一連の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、制御ユニット10によって実行される。本フローチャートに示す動作の説明は、現在、全てのロッカーボックス2に第1の管理モードが適用され、これらのロッカーボックス2によりコインロッカーサービスが提供されていることを前提としている。
ステップ10(S10)において、制御ユニット10は、ロッカー操作がなされたか否かを判断する。ロッカー操作は、LCD表示器1aのタッチパネルに対する操作である。
ロッカーシステムの稼働時、LCD表示器1aには、図5に示すように、「預け入れ」、「取り出し」、「配送サービス」等のメニューアイコンA1〜A3を含む待機画面が表示されている。ロッカーシステムの利用者は、LCD表示器1aに表示されるメニューアイコンA1〜A3をタッチ操作することで、所望の処理を選択することができる。
「預け入れ」は、コインロッカーサービスにおける荷物の預け入れ処理を行うためのものである。「取り出し」は、コインロッカーサービスにおける荷物の取り出し処理を行うためのものである。「預け入れ」及び「取り出し」はコインロッカーサービスの利用者によって選択される。
一方、「配送サービス」は、配送サービスに関する処理を行うためのものであり、配送サービスの利用者(配送事業者又は荷物の宛先人)によって選択される。なお、「配送サービス」に対応するメニューアイコンA3は、予約ロッカーボックス2が存在する場合、予約ロッカーボックス2に荷物が預け入れられている場合、又はこれらの両方の場合にのみ表示するものであってもよい。
なお、コインロッカーサービスにおいて荷物の預け入れを行う場合には、上述のタッチ操作を行うことなく、ロッカーボックス2に荷物を収容し、ロッカー扉2aを閉扉操作することでも荷物の預け入れ処理を開始することが可能である。したがって、ステップ10におけるロッカー操作には、ロッカー扉2aの閉扉操作も含まれる。
ステップ10において肯定判定された場合、すなわち、ロッカー操作があった場合には、後述するステップ23(S23)に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、ロッカー操作がない場合には、ステップ11(S11)に進む。
ステップ11において、制御ユニット10は、現在時刻と予約開始時刻とを比較して、予約開始時刻が到来したか否かを判断する。予約開始時刻が到来した場合又は予約開始時刻が到来した後は、このステップ11において肯定判定され、ステップ12(S12)に進む。一方、予約開始時刻が到来していない場合には、ステップ11において否定判定され、本ルーチンを抜ける(RETURN)。
ステップ12において、制御ユニット10は、予約ボックス数(規定数)のロッカーボックス2の確保が完了したか、すなわち、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数に到達しているか否かを判断する。予約ボックス数のロッカーボックス2の確保が完了している場合には、ステップ12において肯定判定され、後述するステップ18(S18)に進む。一方、予約ボックス数のロッカーボックス2の確保が完了していない場合には、ステップ12において否定判定され、ステップ13(S13)に進む。
なお、予約開始時刻が到来した直後、すなわち、予約制御を開始した直後では、ロッカーボックス2の確保はいまだ行われていないため、ステップ12の処理では否定判定されることとなる。
ステップ13において、制御ユニット10は、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のなかで空き状態のロッカーボックス2があるか否かを判断する。このステップ13において肯定判定された場合、すなわち、空き状態のロッカーボックス2がある場合には(空きボックスあり)、ステップ14(S14)に進む。一方、ステップ13において否定判定された場合、すなわち、空き状態のロッカーボックス2がない場合には、本ルーチンを抜ける(RETURN)。
ステップ14において、制御ユニット10は、空き状態のロッカーボックス2を、配送サービスを提供するロッカーボックス2として確保する。そして、制御ユニット10は、予約制御において確保されたロッカーボックス2(予約ロッカーボックス2)に第2管理モードを適用する。これにより、予約ロッカーボックス2により配送サービスが提供される。
このとき、制御ユニット10は、予約ロッカーボックス2の錠装置2bは解錠状態のままとする。一方で、制御ユニット10は、発光部2cを点灯状態へと制御する。これにより、予約ロッカーボックス2についてあたかも使用状態のような外観が作出されるので、コインロッカーサービスの利用者による荷物の預け入れを防止することができる。
なお、ロッカーシステムを通じて配送サービスを利用する際には、駅などの公共スペースから自宅まで荷物を持ち帰る必要があることから、利用者が持ち帰りに苦労するような大きな荷物にて配送サービスを利用することは考えづらく、荷物の大きさにはおのずと限界があると想定される。そこで、ステップ14の処理において、制御ユニット10は、小サイズのロッカーボックス2を優先的に確保するものであってもよい。
もっとも、予約ボックス数に至るまでのロッカーボックス2の確保が重要であるから、小サイズのロッカーボックス2がない場合には、中サイズや大サイズのロッカーボックス2を確保してもよい。この場合においては、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数に到達した後、使用状態から空き状態へと切り替わった小サイズのロッカーボックス2を、予約ロッカーボックス2として入れ替えるものであってもよい。
また、管理者モードによる初期設定において、確保するロッカーボックス2のサイズを指定できるようにしておくことが好ましい。これにより、先に述べたように、小サイズのロッカーボックス2を優先的に確保することを可能としたり、あるいは、中サイズ、大サイズを指定することで、ロッカーシステムの設置先での利用者の求めに応じたサービスを提供したりすることができる。
ステップ15(S15)において、制御ユニット10は、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数(規定数)に到達したか否かを判断する。このステップ15において肯定判定された場合、すなわち、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数に到達した場合には、ステップ17(S17)に進む。一方、ステップ15において否定判定された場合、すなわち、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数に到達していない場合には、ステップ16(S16)に進む。
ステップ16において、制御ユニット10は、現在時刻と予約終了時刻とを比較して、予約終了時刻が到来したか否かを判断する。予約終了時刻が到来した場合又は予約終了時刻が到来した後は、このステップ16において肯定判定され、ステップ17に進む。一方、予約終了時刻が到来していない場合、ステップ16において否定判定され、本ルーチンを抜ける(RETURN)。
ステップ17において、制御ユニット10は、予約制御を終了する。なお、予約ロッカーボックス2の数が予約ボックス数に到達しない場合には、制御ユニット10は、その旨をロッカーシステムの管理サーバに送信する。
ステップ18において、制御ユニット10は、現在時刻と配送完了時刻とを比較して、配送完了時刻が到来したか否かを判断する。配送完了時刻が到来した場合又は配送完了時刻が到来した後は、このステップ18において肯定判定され、ステップ19(S19)に進む。一方、配送完了時刻が到来していない場合、ステップ18において否定判定され、本ルーチンを抜ける(RETURN)。
ステップ19において、制御ユニット10は、空き状態の予約ロッカーボックス2を解放し、コインロッカーサービスを提供するロッカーボックス2へと切り替える。すなわち、制御ユニット10は、空き状態の予約ロッカーボックス2に適用する管理モードを第2の管理モードから第1の管理モードへと切り替える。
ステップ20(S20)において、制御ユニット10は、現在時刻とサービス終了時刻とを比較して、サービス終了時刻が到来したか否かを判断する。サービス終了時刻が到来した場合又はサービス終了時刻が到来した後は、このステップ20において肯定判定され、ステップ21(S21)に進む。一方、サービス終了時刻が到来していない場合、ステップ20において否定判定され、本ルーチンを抜ける(RETURN)。
ステップ21において、制御ユニット10は、サービス終了処理を行う。このサービス終了処理は、サービス終了時刻において配送サービスの提供を継続しているロッカーボックス2、すなわち、宅配業者によって配送された荷物が預け入れられたままのロッカーボックス2について行われる処理である。サービス終了処理は、(1)回収依頼処理、(2)延長依頼処理のいずれかの処理であり、システムの運用上、一方の処理が予め選択されている。
回収依頼処理は、配送業者に対して配送した荷物の回収を依頼する処理である。制御ユニット10は、通信モジュール1dを介して回収依頼を送信する。回収依頼には、サービス終了時刻が到来したこと、回収対象の荷物が預け入れられているロッカーシステム及びロッカーボックス2についての情報や、配送業者の識別ID等の情報が含まれている。回収依頼の送信先は、予めアドレス情報(メールアドレスやサーバのIPアドレスなど)が登録されたロッカーシステムの管理サーバであり、これにより、ロッカーシステムの管理サーバ(又はその管理者)から配送業者へと回収の依頼がなされる。
なお、配送業者IDに紐付けたアドレス情報を保有している場合、回収依頼の送信先は配送業者であってもよい。
延長依頼処理は、荷物の宛先人に対して、超過料金が課金されることを条件にサービス終了時刻以降についての荷物の預け入れの延長を希望するか否かの確認を依頼する処理である。制御ユニット10は、通信モジュール1dを介して延長確認依頼を送信する。延長確認依頼は、サービス終了時刻が到来したこと、回収対象の荷物が預け入れられているロッカーシステム及びロッカーボックス2の識別IDや、後述する配送業者の識別ID等の情報として含まれている。延長確認依頼の送信先は、ロッカーシステムの管理サーバであり、これにより、ロッカーシステムの管理サーバ(又はその管理者)から荷物の宛先人へ、又は配送業者を通じて荷物の宛先人へと延長確認の依頼がなされる。
制御ユニット10は、延長確認依頼の結果をロッカーシステムの管理サーバから受信すると、その結果に応じた処理を行う。具体的には、荷物の宛先人が延長を希望する場合には、制御ユニット10は、延長処理を行う。具体的には、制御ユニット10は、宛先人によって荷物が取り出されるまでサービス終了時刻からの延長時間をカウントする。そして、制御ユニット10は、所定の周期で、カウントされた延長時間に基づいて超過料金を計算する。計算された超過料金は、記憶装置1eに格納され、これにより、記憶装置1eに格納される情報(配送サービスデータベース)には最新の超過料金が反映される。一方、荷物の宛先人が延長を希望しない場合には、制御ユニット10は、上述した回収依頼処理を行う。
なお、配送業者IDに紐付けたアドレス情報を保有している場合、延長確認依頼の送信先は、配送業者の管理サーバであってもよい。また、荷物の宛先人のアドレス情報(例えばメールアドレス)を保有している場合、延長確認依頼の送信先は荷物の宛先人であってもよい。
また、上述した説明では、延長確認依頼を行うことを前提としているが、当該延長確認依頼を行うことなく、延長処理を行ってもよい。この場合、一定時間を経過しても荷物の取り出しがないときには、上述した回収依頼処理を行うといった如くである。また、延長処理における超過料金の計算は、周期的に行わず、荷物の受け取りなどのタイミングに行うものであってもよい。
これに対して、ステップ23において、制御ユニット10は予約ロッカーボックス2があるか否かを判断する。予約ロッカーボックス2がある場合には(予約ボックスあり)、ステップ23において肯定判定され、ステップ24(S24)に進む。予約ロッカーボックス2がない場合には、ステップ23において否定判定され、後述するステップ32(S32)に進む。
ステップ24において、制御ユニット10は、ロッカー操作が予約ロッカーボックス2に対するコインロッカーサービスによる荷物の預け入れであるか否かを判断する。上述のように、LCD表示器1aのタッチパネルへのタッチ操作を行うことなく、ロッカーボックス2に荷物を収容し、ロッカー扉2aを閉扉操作することでも、荷物の預け入れ処理を開始することが可能である。また、予約ロッカーボックス2においては、その錠装置2bが解錠状態となっているため、コインロッカーサービスの利用者がロッカー扉2aを開扉操作して荷物を収容することが事実上可能となっている。そこで、ステップ24による判断が設けられている。
ステップ24において肯定判定された場合、すなわち、予約ロッカーボックス2へのコインロッカーサービスによる荷物の預け入れ操作である場合には(予約ボックスへの預け入れ)、ステップ25(S25)に進む。一方、ステップ24において否定判定された場合、すなわち、予約ロッカーボックス2へのコインロッカーサービスによる荷物の預け入れ操作でない場合には、ステップ26(S26)に進む。
ステップ25において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、他のロッカーボックス2へ荷物の預け入れを案内する情報を表示する。この情報表示においては、コインロッカーサービスを提供中で空き状態のロッカーボックス2についての場所を示す情報を併せて表示してもよい。また、予約ロッカーボックス2への荷物の預け入れ操作の場合、制御ユニット10は、コインロッカーサービスによる荷物の預け入れ処理において通常実行される仮施錠も行わない。
ステップ26において、制御ユニット10は、ロッカー操作が配送サービスに該当するか否かを判断する。ロッカー操作が配送サービスに該当する場合には、ステップ26で肯定判定され、ステップ27(S27)に進む。一方、ロッカー操作が配送サービスに該当しない場合には、ステップ26で否定判定され、後述するステップ32に進む。
ステップ27において、制御ユニット10は、配送サービスによる荷物の預け入れか否かを判断する。利用者により配送サービスがタッチ操作されると、図6に示すように、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、「預け入れ」、「受け取り」、「回収」等のメニューアイコンA4〜A6を含む配送サービス画面を表示する。配送サービスの利用者は、LCD表示器1aに表示されるメニューアイコンA4〜A6をタッチ操作することで、所望の処理を選択することができる。
「預け入れ」は、配送サービスにおける荷物の預け入れ処理を行うためのものである。「受け取り」は、配送サービスにおける荷物の受け取り処理を行うためのものである。「回収」は、配送した荷物を回収する処理を行うためのものである。
配送サービスにおける「預け入れ」に関する操作があった場合には、ステップ27において肯定判定され、ステップ28(S28)に進む。一方、配送サービスにおける「受け取り」又は「回収」に関する操作があった場合には、ステップ27において否定判定され、ステップ29(S29)に進む。
ステップ28において、制御ユニット10は、配送サービスによる荷物の預け入れ処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
ステップ29において、制御ユニット10は、配送サービスによる荷物の受け取りか否かを判断する。ロッカー操作が配送サービスの荷物の受け取りに該当する場合には、ステップ29において肯定判定され、ステップ30(S30)に進む。一方、ロッカー操作が配送サービスの荷物の回収に該当する場合には、ステップ29において否定判定され、ステップ31(S31)に進む。
ステップ30において、制御ユニット10は、配送サービスによる荷物の受け取り処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
ステップ31において、制御ユニット10は、配送サービスによる荷物の回収処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
ステップ32において、制御ユニット10は、コインロッカーサービスによる荷物の預け入れか否かを判断する。ロッカー操作がコインロッカーサービスの荷物の預け入れに該当する場合には、ステップ32で肯定判定され、ステップ33(S33)に進む。一方、ロッカー操作がロッカーサービスの荷物の取り出しに該当する場合には、ステップ32で否定判定され、ステップ34(S34)に進む。
ステップ33において、制御ユニット10は、コインロッカーサービスによる荷物の預け入れ処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
ステップ34において、制御ユニット10は、コインロッカーサービスによる荷物の取り出し処理を行う。なお、当該処理の詳細については後述する。
以下、配送サービスによる荷物の預け入れ処理について説明する。ここで、図7は、配送サービスによる荷物の預け入れ処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、配送サービスの利用者、すなわち、荷物を配送する配送業者に対して行われる。
まず、ステップ40(S40)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに配送業者IDの入力を要求する画面を表示する。
ステップ41(S41)において、制御ユニット10は、配送業者IDが入力されたか否かを判断する。配送業者IDが入力された場合には、ステップ41で肯定判定され、ステップ42(S42)に進む。一方、配送業者IDが入力されない場合には、ステップ41で否定判定され、ステップ41に戻る。なお、配送業者IDが入力されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ41に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ42において、制御ユニット10は、入力された配送業者IDが、記憶装置1eに格納された情報と一致するか否かを判断する。配送業者IDの一致が確認された場合には、ステップ42において肯定判定され、ステップ43(S43)に進む。一方、配送業者IDの一致が確認できない場合には、ステップ42において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ43において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに伝票番号の入力を要求する画面を表示する。
ステップ44(S44)において、制御ユニット10は、伝票番号が入力されたか否かを判断する。伝票番号が入力された場合には、ステップ44で肯定判定され、ステップ45(S45)に進む。一方、伝票番号が入力されない場合には、ステップ44で否定判定され、ステップ44に戻る。なお、伝票番号が入力されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ44に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ45において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、配送サービスを提供中のロッカーボックス2(予約ロッカーボックス2)のうち空き状態のものの情報を表示する。また、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、荷物を預け入れる旨の情報も併せて表示する。
ステップ46(S46)において、制御ユニット10は、ロッカー扉2aが閉扉されたか否かを判断する。ロッカー扉2aが閉扉された場合には、ステップ46で肯定判定され、ステップ47(S47)に進む。一方、ロッカー扉2aが閉扉されない場合には、ステップ47で否定判定され、ステップ46に戻る。なお、ロッカー扉2aが閉扉されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ46に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ47において、制御ユニット10は、荷物が預け入れられた予約ロッカーボックス2、すなわち、ロッカー扉2aの閉扉が検出された予約ロッカーボックス2の錠装置2bを施錠する。
ステップ48(S48)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、荷物が預け入れられた予約ロッカーボックス2の情報を表示する。
ステップ49(S49)において、制御ユニット10は、プリンタ1cから、予約ロッカーボックス2から荷物を受け取る際に必要となるパスワードを発行する。また、発行されたパスワードの情報は、荷物の預け入れが行われた予約ロッカーボックス2の識別子(例えばボックス番号)と関連付けられて、記憶装置1eに格納される。
ステップ50(S50)において、制御ユニット10は、プリンタ1cから配達証明書を発行する。この配達証明書には、取扱日時、取扱場所、ボックス番号、伝票番号といった情報が記載されている。
ステップ51(S50)において、制御ユニット10は、ロッカーシステムの管理サーバに、預け入れデータを送信する。この預け入れデータは、取扱日時、取扱場所、ボックス番号、伝票番号、パスワードといった情報が含まれている。
ロッカーシステムの管理サーバでは、預け入れデータに基づいて、荷物の宛先人へ、又は配送業者を通じて荷物の宛先人へと、荷物の受け取りに必要な情報(パスワードなど)を通知する。なお、この情報の通知は、配送業者によって行われてもよい。
以下、配送サービスによる荷物の受け取り処理について説明する。図8は、配送サービスによる荷物の受け取り処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、配送サービスの利用者、すなわち、荷物の宛先人に対して行われる。
ステップ60(S60)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、解錠のためのパスワードの入力を要求する画面を表示する。
ステップ61(S61)において、制御ユニット10は、パスワードが入力されたか否かを判断する。パスワードが入力された場合には、ステップ61で肯定判定され、ステップ62(S62)に進む。一方、パスワードが入力されない場合には、ステップ61で否定判定され、ステップ61に戻る。なお、パスワードが入力されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ61に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ62において、制御ユニット10は、入力されたパスワードが、記憶装置1eに格納されたパスワードと一致するか否かを判断する。パスワードの一致が確認された場合には、ステップ62において肯定判定され、ステップ63(S63)に進む。一方、パスワードの一致が確認できない場合には、ステップ62において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ63において、制御ユニット10は、入力されたパスワードに関連付けられた予約ロッカーボックス2に超過料金があるか否かを判断する。超過料金の有無は、入力されたパスワードに基づいて記憶装置1e(配送サービスデータベース)を検索し、超過料金が記述されているか否かを判断することにより特定される。
超過料金がある場合には、ステップ63において肯定判定され、ステップ64(S64)に進む。一方、超過料金がない場合には、ステップ63において否定判定され、後述するステップ70(S70)に進む。
ステップ64において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、超過料金の支払を要求する画面を表示する。この画面には、ICカードをカードリーダ1bにかざすことを要求する内容も含まれる。
ステップ65(S65)において、制御ユニット10は、カードリーダ1bを通じてICカードの読み取りを行う。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのIDコード、チャージデータの情報を読み取り、IDコードの確認とチャージデータの確認を行う。
ステップ66(S66)において、制御ユニット10は、超過料金に対してチャージデータの金額が不足するか否かを判断する。チャージデータの金額が不足する場合には、ステップ66において肯定判定され、ステップ67(S67)に進む。一方、チャージデータの金額が不足しない場合には、ステップ66において否定判定され、ステップ68(S68)に進む。
ステップ67において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、チャージデータの金額が不足する画面を表示する(RETURN)。
ステップ68において、制御ユニット10は、超過料金を引き落とす。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのチャージデータの金額を、超過料金を差し引いた金額に書き換える。
ステップ69(S69)において、制御ユニット10は、プリンタ1cからレシートを発行する。
ステップ70(S70)において、制御ユニット10は、入力されたパスワードに関連付けられた予約ロッカーボックス2について、その錠装置2bを解錠する。また、制御ユニット10は、錠装置2bの解錠に合わせて、発光部2cを消灯させる。
ステップ71(S71)において、制御ユニット10は、ロッカーシステムの管理サーバに、荷物の受け取りが行われたことを示す受け取りデータを送信する。
以下、配送サービスによる荷物の回収処理について説明する。ここで、図9は、配送サービスによる荷物の回収処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、配送サービスの利用者、すなわち、荷物を配送する配送業者に対して行われる。
まず、ステップ80(S80)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに配送業者IDの入力を要求する画面を表示する。
ステップ81(S81)において、制御ユニット10は、配送業者IDが入力されたか否かを判断する。配送業者IDが入力された場合には、ステップ81で肯定判定され、ステップ82(S82)に進む。一方、配送業者IDが入力されない場合には、ステップ81で否定判定され、ステップ81に戻る。なお、配送業者IDが入力されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ81に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ82において、制御ユニット10は、入力された配送業者IDが、記憶装置1eに格納された情報と一致するか否かを判断する。配送業者IDの一致が確認された場合には、ステップ82において肯定判定され、ステップ83(S83)に進む。一方、配送業者IDの一致が確認できない場合には、ステップ82において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ83において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、荷物の預け入れ時に発行されたパスワードの入力を要求する画面を表示する。
ステップ84(S84)において、制御ユニット10は、パスワードが入力されたか否かを判断する。パスワードが入力された場合には、ステップ84で肯定判定され、ステップ85(S85)に進む。一方、パスワードが入力されない場合には、ステップ84で否定判定され、ステップ84に戻る。なお、パスワードが入力されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ84に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ85において、制御ユニット10は、入力されたパスワードが記憶装置1eに格納されたパスワードと一致するか否かを判断する。パスワードの一致が確認された場合には、ステップ84において肯定判定され、ステップ86(S86)に進む。一方、パスワードの一致が確認できない場合には、ステップ84において否定判定され、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ86において、制御ユニット10は、入力されたパスワードに関連付けられた予約ロッカーボックス2について、その錠装置2bを解錠する。また、制御ユニット10は、錠装置2bの解錠に合わせて、発光部2cを消灯させる。
ステップ87(S87)において、制御ユニット10は、プリンタ1cから回収票を発行する。この回収票には、取扱場所、ボックス番号、パスワード、伝票番号、利用開始日時、回収日時、経過時間といった情報が記載されている。
ステップ88(S88)において、制御ユニット10は、ロッカーシステムの管理サーバに、回収データを送信する。この預け入れデータは、取扱場所、ボックス番号、パスワード、伝票番号、利用開始日時、回収日時、経過時間といった情報が含まれている。
なお、上述した処理では、パスワードの入力を要求している(S83)。しかしながら、パスワードに代えて、伝票番号を用いるようにしてもよい。この場合、記憶装置1eには、伝票番号と荷物の預け入れが行われた予約ロッカーボックス2の識別子(例えばボックス番号)とを関連付けた情報が格納され、制御ユニット10は、伝票番号の一致を条件に、当該伝票番号と関連付けられた予約ロッカーボックス2を解錠する。
以下、コインロッカーサービスによる荷物の預け入れ処理について説明する。ここで、図10は、コインロッカーサービスによる荷物の預け入れ処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、コインロッカーサービスの利用者、すなわち、荷物を預け入れる者に対して行われる。
ステップ100(S100)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のうち空き状態にあるものを示す画面を表示する。
ステップ101(S101)において、制御ユニット10は、タッチ操作により、所定のロッカーボックス2が選択されたか否かを判断する。ロッカーボックス2が選択された場合には、ステップ101で肯定判定され、ステップ102(S102)に進む。一方、ロッカーボックス2が選択されない場合には、ステップ101で否定判定され、ステップ101に戻る。なお、ロッカーボックス2の選択がされない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ101に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ102において、制御ユニット10は、ロッカー扉2aが閉扉されたか否かを判断する。ロッカー扉2aが閉扉された場合には、ステップ102で肯定判定され、ステップ103(S103)に進む。一方、ロッカー扉2aが閉扉されない場合には、ステップ102で否定判定され、ステップ102に戻る。なお、ロッカー扉2aが閉扉されない状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合には、ステップ102に戻ることなく、本ルーチンを終了する(RETURN)。
ステップ103において、制御ユニット10は、ロッカー扉2aの閉扉が検出されたロッカーボックス2の錠装置2bを仮施錠する。
ステップ104において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、利用料金を示す画面を表示する。この画面には、ICカードをカードリーダ1bにかざすことを要求する内容も含まれる。
ステップ105(S105)において、制御ユニット10は、ICカードの読み取りを行う。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのIDコード、チャージデータの情報を読み取り、IDコードの確認とチャージデータの確認を行う。
ステップ106(S106)において、利用料金に対してチャージデータの金額が不足するか否かを判断する。チャージデータの金額が不足する場合には、ステップ106において肯定判定され、ステップ107(S107)に進む。一方、チャージデータの金額が不足しない場合には、ステップ106において否定判定され、ステップ108(S108)に進む。
ステップ108において、制御ユニット10は、読み取ったIDコードを記憶する。具体的には、制御ユニット10は、IDコードと、荷物が預け入れられたロッカーボックス2とを対応付けた情報を記憶装置1e(コインロッカーサービスデータベース)に格納する。
ステップ109(109)において、制御ユニット10は、利用料金を引き落とす。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのチャージデータの金額を、利用料金を差し引いた金額に書き換える。
ステップ110(S110)において、制御ユニット10は、プリンタ1cからレシートを発行する。
ステップ111(S111)において、制御ユニット10は、仮施錠したロッカーボックス2について、その錠装置2bを本施錠する。また、制御ユニット10は、錠装置2bの施錠に合わせて、発光部2cを点灯させる。
なお、荷物の預け入れを行う者が、LCD表示器1aへタッチ操作をすることなく、荷物をロッカーボックス2に収容しロッカー扉2aを閉扉する操作を行った場合には、ステップ100,101の処理はスキップされ、ステップ102から処理が開始される。
以下、コインロッカーサービスによる荷物の取り出し処理について説明する。ここで、図11は、コインロッカーサービスによる荷物の取り出し処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、コインロッカーサービスの利用者、すなわち、荷物を取り出す者に対して行われる。
ステップ120(S120)において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、ICカードの読み取りを要求する画面を表示する。
ステップ121(S121)において、制御ユニット10は、ICカードの読み取りを行う。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのIDコードを読み取り、IDコードの確認を行う。
ステップ122(S122)において、制御ユニット10は、読み取ったICカードのIDコードの認証処理を行う。この認証処理では、読み取ったIDコードと、記憶装置1eに格納された情報(コインロッカーサービスデータベース)との一致が確認される。
ステップ123(S123)において、制御ユニット10は、IDコードが認証されたか否かを判断する。IDコードが認証された場合には、ステップ123において肯定判定され、ステップ124(S124)に進む。一方、IDコードが認証されない場合には、ステップ123において否定判定され、本ルーチンを終了する。
ステップ124において、制御ユニット10は、読み取られたIDコードに関連付けられたロッカーボックス2に超過料金があるか否かを判断する。超過料金の有無は、読み取られたIDコードに基づいて記憶装置1e(コインロッカーサービスデータベース)を検索し、超過料金が記述されているか否かにより特定される。
ステップ125において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、超過料金の支払を要求する画面を表示する。この画面には、ICカードをカードリーダ1bにかざすことを要求する内容も含まれる。
ステップ126(S126)において、制御ユニット10は、ICカードの読み取りを行う。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのIDコード、チャージデータの情報を読み取り、IDコードの確認とチャージデータの確認を行う。
ステップ127(S127)において、超過料金に対してチャージデータの金額が不足するか否かを判断する。チャージデータの金額が不足する場合には、ステップ127において肯定判定され、ステップ128(S128)に進む。一方、チャージデータの金額が不足しない場合には、ステップ127において否定判定され、ステップ129(S129)に進む。
ステップ128において、制御ユニット10は、LCD表示器1aに、チャージデータの金額が不足する画面を表示する(RETURN)。
ステップ129において、制御ユニット10は、超過料金を引き落とす。具体的には、制御ユニット10は、ICカードのチャージデータの金額を、超過料金を差し引いた金額に書き換える。
ステップ130(S130)において、制御ユニット10は、プリンタ1cからレシートを発行する。
ステップ131(S70)において、制御ユニット10は、入力されたパスワードに関連付けられた予約ロッカーボックス2について、その錠装置2bを解錠する。また、制御ユニット10は、錠装置2bの解錠に合わせて、発光部2cを消灯させる。
このように本実施形態のロッカーシステムは、それぞれが物品を収受する複数のロッカーボックス2と、ロッカーボックス2の利用を管理する制御ユニット10(集中制御装置1)と、を有している。制御ユニット10は、ロッカーボックス2のそれぞれに適用される管理モードとして、コインロッカーサービス(第1のサービス)を提供するロッカーボックス2として利用を管理する第1の管理モードと、配送サービス(第2のサービス)を提供するロッカーボックス2として利用を管理する第2の管理モードと、を有している。
この場合において、制御ユニット10は、複数のロッカーボックス2に第1の管理モードを適用し、これら複数のロッカーボックス2によりコインロッカーサービスを提供する一方、配送サービスの提供開始に先立ち、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のなかから、配送サービスによる利用を見越した規定数(予約ボックス数)のロッカーボックス2を確保する予約制御を行っている。
この構成によれば、配送サービスの提供開始に先立ち、規定数のロッカーボックス2がその利用を見越して事前に確保される。これにより、確保されたロッカーボックス2を用いて配送サービスを提供することができる。
2つのサービスに応じてロッカーボックス2を選択的に使用する場合には、配送サービスの利用者の求めに応じることで、配送サービスの提供開始に先立ちロッカーボックス2を確保することも可能である。しかしながら、その都度確保の処理が必要となり、サービスの運用に係る負荷が増大する。この点、本実施形態によれば、配送サービスの提供開始に先立ち、規定数のロッカーボックス2を自主的に確保しているので、利用者の求めのたびにロッカーボックス2を確保するといった必要がなく、サービスの運用をより簡便に行うことができる。
すなわち、利用者の求めに応じてロッカーボックス2を確保するといった場合には、利用者からの要求を統一的に受領する一方、様々な場所に配置されるロッカーシステムの全体を統括的に管理する必要があることから、サーバなどの装置を設置する必要がある。この点、本実施形態によれば、ロッカーシステムのそれぞれが、配送サービスの提供開始に先立ち、規定数のロッカーボックス2を自主的に確保するものであるから、個々のロッカーシステムがスタンドアローンで、すなわち、個別のロッカーシステムに搭載される制御ユニット10によるシステム内の閉じた処理で予約制御を完結させることができる。これにより、サーバに負担をかけることなく予約制御を実現できる。さらに、ネットワーク回線に何らかの不具合が生じた場合であっても、ロッカーボックス2を確実に確保することができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のうち空き状態のロッカーボックス2のなかから規定数のロッカーボックス2を確保している。
この構成によれば、空き状態のロッカーボックス2を配送サービスに活用することができるので、ロッカーシステム全体でのロッカーボックス2の稼働率の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、予約制御を開始した際に、空き状態のロッカーボックス2の個数が規定数よりも少ない場合には、当該開始時に空き状態となっている全てのロッカーボックス2をまずは確保する。その後、制御ユニット10は、コインロッカーサービスを提供中のロッカーボックス2のうち物品の預け入れ状態から空き状態へと切り替わったロッカーボックス2を規定数に到達するまで逐次確保している。
この構成によれば、予約制御を開始した際に規定数のロッカーボックス2が確保できない場合であっても、その後のコインロッカーサービスの運用状態に応じて、ロッカーボックス2を適切に確保することができる。これにより、確保されたロッカーボックス2が不足し、配送サービスを提供できないといった事態を抑制することができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、予め定められた予約開始時刻の到来を条件に予約制御を開始し、予め定められた予約終了時刻の到来を条件に予約制御を終了している。
この構成によれば、ロッカーボックス2の確保に関する処理(予約制御)が一定の時間帯に限定されることとなる。そのため、システム全体の負荷を軽減することができ、サービスの運用をより簡便に行うことができる。また、コインロッカーサービスにおいて稼働率の低い時間に予約制御を実施することができ、コインロッカーサービスの妨げとならずに、ロッカーシステムの運用効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、予約制御により確保されたロッカーボックス2(予約ロッカーボックス2)に第2管理モードを適用し、当該予約ロッカーボックス2により配送サービスを提供している。
この構成によれば、予約制御により確保されたロッカーボックス2により、即座に配送サービスを提供することができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、予約制御により確保されたロッカーボックス2について、物品が預け入れられるまで解錠状態を継続させている。
ロッカーボックス2の確保といった点では、予約ロッカーボックス2を施錠することが好ましい。しかしながら、コインロッカーシステムの利用者には、空き状態のロッカーボックス2に荷物を先行して収容して荷物の預け入れ処理を行う者もいる。この場合、予約ロッカーボックス2の確保とともに施錠がなされることで、このような者の荷物を閉じ込めてしまうことも考えられる。しかしながら、本実施形態によれば、荷物の閉じ込めの発生を抑制することができ、利用者にとって使いやすいシステムを提供することができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、予約制御により確保されたロッカーボックス2に対してコインロッカーサービスの利用に係る操作を判断した場合には、他のロッカーボックス2の利用を案内している。
上述したように、予約ロッカーボックス2は解錠状態となっているため、利用者が空き状態のロッカーボックス2と勘違いする虞がある。そこで、このような案内を行うことで、ユーザーフレンドリーなシステムとすることができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、配送サービスを提供中のロッカーボックス2のうち物品の預け入れ状態から空き状態へと切り替わったロッカーボックス2の管理モードを第1の管理モードに切り替えている。
この構成によれば、配送の荷物が取り出されたロッカーボックス2については、その後コインロッカーサービスとしての利用が可能となる。これにより、配送サービスによってロッカーボックス2が確保されたままになるといったことがなく、ロッカーボックス2の稼働率の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、配送サービスによる物品の預け入れの完了時刻の到来を条件に、予約制御により確保されたものの物品が預け入れられなかった予約ロッカーボックス2の管理モードを第1の管理モードに切り替えている。
この構成によれば、配送業者によって荷物が預け入れられなかったロッカーボックス2については、その後コインロッカーサービスとしての利用が可能となる。これにより、配送サービスによってロッカーボックス2が確保されたままになるといったことがなく、ロッカーボックス2の稼働率の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、制御ユニット10は、配送サービスの終了時刻が到来しても、予約ロッカーボックス2から物品が取り出されていない場合には、配送サービスにおいて物品を預け入れた利用者(配送業者)に物品の回収を依頼するための処理、又は、配送サービスにおいて物品を取り出す利用者(荷物の宛先人)に超過料金の支払いを条件に預け入れを延長するための処理を行っている。
この構成によれば、前者の処理を行うことで、宛先人によって受け取られなかった荷物の回収を配送業者に依頼することができる。これにより、預け入れられた荷物によってロッカーボックス2が塞がれたままとなるといった事態を抑制することができる。また、後者の処理によれば、配送業者の再配達の手間を抑制することができるとともに、超過料金を払い受けることで荷物の専有に伴う当該ロッカーボックス2の収益性の低下を抑制することができる。
以上、本実施形態に係るロッカーシステムを説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、コインロッカーサービスを主とし、付随的なサービスとして配送サービスを説明したが、これらの関係は逆であってもよい。
また、本実施形態では、配送サービスの内容として荷物の配送を説明したが、荷物の集荷に適用してもよい。この場合、配送サービスにおける荷物の預け入れは荷物の差出人となり、荷物の取り出しは配送業者となる。
また、本実施形態は、ロッカーシステムを利用して、異なる2つのサービスを運用するものあれば、そのサービスの内容はどのようなものであってもよい。このようなサービスとしては、クリーニングに係る荷物の集荷・配送に関するサービスといったように種々のものが考えられる。
また、本実施形態では、ロッカーシステムによる料金の収受はICカードによるものとしたが、現金によるものであってもよい。