JP2017107159A - 偏光板のセット及び液晶パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下で液晶パネルの反りを抑制できる偏光板のセット、及びこの偏光板のセットを液晶セルに貼合してなる液晶パネルを提供すること。【解決手段】液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、前記背面側偏光板は、輝度向上フィルムと吸収型偏光板とが積層された構成を有し、前記液晶セルの背面側に配置する際に前記液晶セルに接する表面から前記輝度向上フィルムまでの距離が100μm以下であり、前記視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が0.62以上1.25以下である偏光板のセット。【選択図】図1

Description

本発明は、高温環境下で液晶パネルの反りが抑制される偏光板のセット、並びにそれを用いた液晶パネルに関するものである。
近年、消費電力が低く、低電圧で動作し、軽量でかつ薄型の液晶ディスプレイが、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニター、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。液晶技術の発展に伴い、さまざまなモードの液晶ディスプレイが提案され、応答速度やコントラスト、狭視野角といった液晶ディスプレイの問題点が解消されつつある。また、モバイル用の液晶ディスプレイの普及に伴い液晶パネルにも薄く軽いものが求められている。
液晶パネルの薄型化に伴い、高温環境下で液晶セルに貼合された偏光板の収縮により液晶パネルが反ることで最終製品の筐体に収まらないなどの問題がある。
このような液晶表示パネルの反りを抑制するために、以前から液晶セルの視認側と液晶セルの視認側とは反対側(背面側)に配置する偏光板の厚さを変更することで液晶表示パネルの反りを抑制する手法が開発されている。例えば、特開2012−58429号公報(特許文献1)では、液晶セルの視認側に配置する偏光板の偏光膜(本発明でいう偏光フィルム)の厚さを、液晶セルの背面側に配置する偏光膜より薄くすることで液晶表示パネルの反りを抑制する方法が記載されている。
また、特開2013−37115号公報(特許文献2)には、視認側の光学積層体に含まれる偏光膜(本発明で言う偏光フィルム)を、視認側とは反対側に配置されている光学積層体に含まれる偏光膜よりも5μm以上厚くすることで液晶パネルの反りを抑制する手法が提示されている。しかし、液晶パネルの反りの抑制については、未だ改良の余地が大きい。
特開2012−58429号公報 特開2013−37115号公報
本発明の目的は、高温環境下で液晶パネルの反りを抑制できる偏光板のセット、及びこの偏光板のセットを液晶セルに貼合してなる液晶パネルを提供することにある。
[1]液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、
前記背面側偏光板は、輝度向上フィルムと吸収型偏光板とが積層された構成を有し、前記液晶セルの背面側に配置する際に前記液晶セルに接する表面から前記輝度向上フィルムまでの距離が100μm以下であり、
前記視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が0.62以上1.25以下である偏光板のセット。
[2]前記視認側偏光板及び前記背面側偏光板は、それぞれ偏光フィルムを有し、
前記視認側偏光板が有する偏光フィルムの厚みと前記背面側偏光板が有する偏光フィルムの厚みがともに15μm以下である[1]に記載の偏光板のセット。
[3]前記視認側偏光板は、その吸収軸が前記液晶セルの長辺方向と略平行であり、前記背面側偏光板は、その吸収軸が前記液晶セルの短辺方向と略平行である[1]または[2]に記載の偏光板のセット。
[4]液晶セルと、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板のセットとを含み、
前記液晶セルの視認側に前記視認側偏光板が配置され、前記液晶セルの背面側に前記背面側偏光板が配置されており、85℃で240時間加熱したときの反り量の絶対値が、0.5mm以下である液晶パネル。
本発明によれば、液晶パネルにおける高温環境下での反りを解消することができ、高温環境下であっても最終製品の筐体に収まる液晶パネルを得ることができる。
本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる反射偏光フィルムの一例の概略図である。
以下、本発明に係る偏光板のセット及びこれを用いた液晶パネルについて適宜図を用いて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明の偏光板のセットは、視認側偏光板30と背面側偏光板60とから構成される。図1を参照して、本発明にかかる視認側偏光板30及び背面側偏光板60の層構成を説明する。図1において視認側偏光板30は、偏光フィルム32の両面に保護フィルム31a、31bがそれぞれ貼合されたものである。保護フィルム31aにおける偏光フィルム32との貼合面とは反対側の面には表面処理層を形成することも有用である。背面側偏光板60について、本発明において吸収型偏光板50は、偏光フィルム52の少なくとも一方の面に保護フィルムを有し、図1に示すように偏光フィルム52の両面に保護フィルム51a、51bが貼合されて形成されていてもよい。さらに接着層54を介して吸収型偏光板50に輝度向上フィルム61が積層されて背面側偏光板60が形成される。これらの偏光板は、それぞれ粘着剤層33、53を介して液晶セルに貼合され、液晶パネルが形成される。
前記背面側偏光板において、液晶セルから輝度向上フィルム61までの距離は100μm以下であり、90μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下であってもよい。下限は特に限定されないが、通常5μm以上であり、より典型的には10μm以上である。また、前記視認側偏光板30を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板50を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比は、0.62以上1.25以下であり、0.65以上1.2以下であることが好ましく、0.75以上1.15以下であることがより好ましい。なお本発明において液晶セルから輝度向上フィルムまでの距離とは、背面側偏光板における液晶セルと接する面(例えば図1〜3では粘着剤層53の液晶セルに接する面がこれに相当する。)から輝度向上フィルムにおける液晶セル側の面までの距離のことをいう。
液晶パネルの反り量は、液晶セルから最も最外層に配置される輝度向上フィルムの影響が大きい。このため、液晶パネルと輝度向上フィルムの距離が上記を満たし、さらに視認側偏光板30及び背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板50が85℃にて100時間加熱したときの吸収軸方向の寸法変化率を上記の範囲にすることで、液晶パネルの反り量を小さくすることができる。
図2,3に示すように、本発明において、輝度向上フィルムを液晶セルにより近づけられることから、前記背面側偏光板60に含まれる吸収型偏光板50は偏光フィルムの片面にのみ保護フィルムを有することも好ましい構成である。このように、輝度向上フィルムを液晶セルに近い位置に配置することにより、輝度向上フィルムの寸法変化により生じた力が液晶パネルの反りに及ぼす影響を小さくすることができる。
さらに、前記視認側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの長辺方向と略平行であり、前記背面側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの短辺方向と略平行である配置をとることが好ましい。略平行とは厳密に平行であることに限定されず、例えば偏光板の吸収軸と液晶セルの各辺とのなす角は5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましく、1°以下であることがさらに好ましい。このような軸構成をとると、より顕著に液晶パネルの反りを小さくすることができる。
また、本発明によれば上記の視認側偏光板30および背面側偏光板60が粘着剤層を介して液晶セルに積層された液晶パネルも提供される。
以下、本発明の偏光板のセット及び液晶パネルを構成する部材について詳細に説明する。また、視認側偏光板が有する偏光フィルム32と、背面側偏光板が有する偏光フィルム52とを総称して単に偏光フィルムと呼称することがあり、保護フィルム31aと保護フィルム31bと保護フィルム51aと保護フィルム51bとを総称して単に保護フィルムと呼称することがある。
[偏光フィルム32、52]
偏光フィルム32、52としては、前記の寸法変化率及び偏光フィルムの厚さを満たす限り、任意の適切なものを用いることができる。偏光フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理して架橋させる工程、及びホウ酸水溶液による架橋処理後に水洗する工程を経て、製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂原反フィルムの膜厚は、例えば10〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの縦一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。縦一軸延伸を染色の後で行う場合、この縦一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。もちろん、ここに示した複数の段階で縦一軸延伸を行うこともできる。縦一軸延伸には、周速の異なるロール間で一軸に延伸する方法や、熱ロールを用いて一軸に延伸する方法などが採用できる。また縦一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸により行ってもよいし、水等の溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸により行ってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法により行うことができる。二色性色素として、具体的にはヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水に浸漬して膨潤させる処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.01〜1重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10-4〜10重量部程度であり、好ましくは1×10-3〜1重量部である。この染料水溶液は、硫酸ナトリウムのような無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性有機染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法により、行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常60〜1,200秒程度であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により、行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度である。また浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒である。乾燥処理により、偏光フィルム中の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%程度であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、偏光フィルムの可撓性が失われ、乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。また水分率が20重量%を超えると、熱安定性が不足する傾向にある。
以上のようにして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向した偏光フィルムを製造することができる。
また、偏光フィルムの製造工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸、染色、ホウ酸処理、水洗工程、乾燥工程は、例えば、特開2012−159778号に記載されている方法に準じて行ってもよい。この文献記載の方法では、基材フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂のコーティングにより、偏光フィルムとなるポリビニルアルコール系樹脂層
を形成する方法を用いることも有用である。
偏光フィルムの収縮力を低く抑え偏光板を所望の寸法変化率とするためには、偏光フィルムの厚さを15μm以下とすることが好ましく、15μm未満としてもよい。良好な光学特性を付与できるという点で、偏光フィルムの厚みは通常3μm以上である。
[保護フィルム31a、31b、51a、51b]
保護フィルム31a、31b、51a、51bとしては、適宜の透明樹脂から形成されているものを用いることができる。具体的には、透明性や均一な光学特性、機械強度、熱安定性などに優れるポリマーからなるものを用いるのが好ましい。このような透明樹脂膜としては、例えば、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリノルボルネン系フィルムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
視認側偏光板30に適用される保護フィルム31a,31b及び背面側偏光板60に適用される保護フィルム51a,51bは、それぞれが独立して同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
上記の保護フィルムは、偏光フィルムへの貼合に先立って、その貼合面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されてもよい。保護フィルムの厚さは、通常5〜200μm程度の範囲で、好ましくは10μm以上であり、また好ましくは80μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。
また、所望の表面光学特性又はその他の特徴を付与するために、保護フィルム31aの外面にコーティング層(表面処理層35)を設けることができる。コーティング層の具体例は、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層を含む。コーティング層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
また、保護フィルム31aに、偏光サングラス越しに画面を見たときの視認性を改善するための位相差板を用いてもよい。位相差板としてλ/4波長板を配置することが視認性向上の観点から望ましい。また、長尺上の偏光フィルムと積層する際に、長尺の長辺方向に対してのなす角が略45°もしくは135°に延伸されているとロールツーロールで偏光板作製できるため好ましい。
液晶セルが横電解(IPS:In−Plane Switching)モードである場合、そのIPSモード液晶セルが本来有する広視野角特性を損なわないために、保護フィルム31b、及び保護フィルム51bは、厚み方向の位相差値Rthが−10〜10nmの範囲にあることが好ましい。また、面内の位相差値Reも−10〜10nmの範囲にあることが好ましい。
厚み方向の位相差値Rthは、面内の平均屈折率から厚み方向の屈折率を差し引いた値にフィルムの厚みを乗じて得られる値であって、下記式(a)で定義される。また、面内の位相差値Reは、面内の屈折率差にフィルムの厚みを乗じて得られる値であって、下記式(b)で定義される。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (a)
Re=(nx−ny)×d (b)
式中、nxはフィルム面内のx軸方向(面内遅相軸方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内のy軸方向(面内進相軸方向であって、面内でx軸に直交する方向)の屈折率であり、nz はフィルム面に垂直なz軸方向(厚み方向)の屈折率であり、そしてdはフィルムの厚さである。
ここで、位相差値は、可視光の中心付近である500〜650nm程度の範囲で任意の波長における値でありうるが、本明細書では波長590nmにおける位相差値を標準とする。厚み方向の位相差値Rth及び面内の位相差値Reは、市販の各種位相差計を用いて測定することができる。
保護フィルムの厚み方向の位相差値Rthを−10〜10nmの範囲内に制御する方法としては、フィルムを作製するときに、面内及び厚み方向に残留するゆがみを極力小さくする方法が挙げられる。例えば、上記溶剤キャスト法においては、その流延樹脂溶液を乾燥するときに生じる面内及び厚み方向の残留収縮歪みを、熱処理によって緩和させる方法などが採用できる。一方、上記溶融押出法においては、樹脂フィルムをダイから押し出し、冷却するまでの間に延伸されることを防ぐため、ダイから冷却ドラムまでの距離を極力縮めるとともに、押出し量と冷却ドラムの回転速度をフィルムが延伸されないよう制御する方法などが採用できる。また、溶剤キャスト法と同様に、得られたフィルムに残留する歪みを熱処理によって緩和させる方法も採用できる。
[輝度向上フィルム61]
本発明の背面側偏光板60は、輝度向上フィルム61と吸収型偏光板50とが積層された構成を有する。輝度向上フィルム61としては、代表的には、直線偏光分離型の反射偏光フィルムが挙げられる。図4は、本発明に用いられる反射偏光フィルムの一例の概略断面図である。反射偏光フィルム61は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、図示例では、A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、反射偏光フィルムの延伸方向に対応する。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。ポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
反射偏光フィルムは、A層とB層との界面において、第1の偏光方向を有する光(例えば、p波)を透過し、第1の偏光方向とは直交する第2の偏光方向を有する光(例えば、s波)を反射する。反射した光は、A層とB層との界面において、一部が第1の偏光方向を有する光として透過し、一部が第2の偏光方向を有する光として反射する。反射偏光フィルムの内部において、このような反射および透過が多数繰り返されることにより、光の利用効率を高めることができる。
好ましくは、反射偏光フィルム61は、偏光フィルム52と反対の最外層として反射層Rを含む。反射層Rを設けることにより、最終的に利用されずに反射偏光フィルムの最外部に戻ってきた光をさらに利用することができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。反射層Rは、代表的には、ポリエステル樹脂層の多層構造により反射機能を発現する。
反射偏光フィルムの全体厚みは、目的、反射偏光フィルムに含まれる層の合計数等に応じて適切に設定され得る。高温環境時の寸法変化を抑える観点から、反射偏光フィルムの全体厚みは、好ましくは15μm〜50μmであり、より好ましくは30μm以下である。
反射偏光フィルムとしては、例えば、特表平9−507308号公報に記載のものが使用され得る。
反射偏光フィルム61は、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製の商品名DBEFやAPFが挙げられる。
[偏光フィルムと保護フィルムとの貼合]
偏光フィルムと保護フィルムとの貼合は、接着剤又は粘着剤により貼合することができる。偏光フィルムと保護フィルムとを貼合する接着剤層は、その厚さを0.01〜30μm程度とすることができ、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μmである。接着剤層の厚さがこの範囲にあれば、積層される保護フィルムと偏光フィルムとの間に浮きや剥がれを生じず、実用上問題のない接着力が得られる。偏光フィルムと保護フィルムとを貼合する粘着剤層は、その厚さを5〜50μm程度とすることができ、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。
偏光フィルムと保護フィルムとの接着に際しては、偏光フィルムや保護フィルムに予めケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理などを行うことも有用である。
接着剤層の形成には、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切な接着剤を用いることができ、また必要に応じてアンカーコート剤を用いることもできる。接着剤として、例えば、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合型接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。
好ましい接着剤の一つとして、水系接着剤、すなわち、接着剤成分が水に溶解又は分散しているものを挙げることができる。水に溶解可能な接着剤成分の例を挙げると、ポリビニルアルコール系樹脂がある。また、水に分散可能な接着剤成分の例を挙げると、親水基を有するウレタン系樹脂がある。水系接着剤は、このような接着剤成分を、必要に応じて配合される追加の添加剤とともに、水に混合して調製することができる。水系接着剤となりうる市販のポリビニルアルコール系樹脂の例を挙げると、株式会社クラレから販売されているカルボキシル基変性ポリビニルアルコールである“KL-318”などがある。
水系接着剤は、必要に応じて架橋剤を含有することができる。架橋剤の例を挙げると、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、水溶性エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、多価金属塩などがある。ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする場合は、グリオキザールをはじめとするアルデヒド化合物、メチロールメラミンをはじめとするメチロール化合物、水溶性エポキシ樹脂などが、架橋剤として好ましく用いられる。ここで水溶性エポキシ樹脂は、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応物であるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂であることができる。水溶性エポキシ樹脂の市販品の例を挙げると、田岡化学工業株式会社から販売されている“スミレーズレジン(登録商標) 650(30)”などがある。
偏光フィルム及び/又はそこに貼合される保護フィルムの接着面に、水系接着剤を塗布し、両者を貼り合わせた後、乾燥処理を施すことにより、偏光板を得ることができる。接着に先立って、保護フィルムには、ケン化処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、又はプライマー処理のような易接着処理を施し、濡れ性を高めておくことも有効である。乾燥温度は、例えば50〜100℃程度とすることができる。乾燥処理後、室温よりもやや高い温度、例えば30〜50℃程度の温度で1〜10日間程度養生することは、接着力を一層高めるうえで好ましい。
もう一つの好ましい接着剤として、活性エネルギー線の照射又は加熱により硬化するエポキシ化合物を含有する硬化性接着剤組成物が挙げられる。ここで硬化性のエポキシ化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものである。この場合、偏光フィルムと保護フィルムとの接着は、当該接着剤組成物の塗布層に対して、活性エネルギー線を照射するか、又は熱を付与し、接着剤に含有される硬化性のエポキシ化合物を硬化させる方法により行うことができる。エポキシ化合物の硬化は、一般に、エポキシ化合物のカチオン重合により行われる。また生産性の観点から、この硬化は活性エネルギー線の照射により行うことが好ましい。
耐候性、屈折率、カチオン重合性などの観点から、硬化性接着剤組成物に含有されるエポキシ化合物は、分子内に芳香環を含まないものであることが好ましい。分子内に芳香環を含まないエポキシ化合物として、水素化エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが例示できる。このような硬化性接着剤組成物に好適に用いられるエポキシ化合物は、例えば、特開2004−245925号公報で詳細に説明されているが、ここでも概略を説明することとする。
水素化エポキシ化合物は、芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物に触媒の存在下及び加圧下で選択的に核水素化反応を行うことにより得られる核水添ポリヒドロキシ化合物を、グリシジルエーテル化したものであることができる。芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェールF、及びビスフェノールSのようなビスフェノール類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、及びヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂のようなノボラック型の樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、及びポリビニルフェノールのような多官能型の化合物などが挙げられる。このような芳香族ポリヒドロキシ化合物に核水素化反応を行い、得られる核水添ポリヒドロキシ化合物にエピクロロヒドリンを反応させることにより、グリシジルエーテル化することができる。好適な水素化エポキシ化合物として、水素化されたビスフェノールAのグリシジルエーテルが挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する化合物である。「脂環式環に結合したエポキシ基」とは、次式に示される構造における橋かけの酸素原子−O−を意味し、この式中、mは2〜5の整数である。
Figure 2017107159
この式における(CH2)m中の水素原子を1個又は複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物が、脂環式エポキシ化合物となりうる。また、脂環式環を形成する(CH2)m中の1個又は複数個の水素原子は、メチル基やエチル基のような直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。脂環式エポキシ化合物のなかでも、オキサビシクロヘキサン環(上式においてm=3のもの)や、オキサビシクロヘプタン環(上式においてm=4のもの)を有するエポキシ化合物は、優れた接着性を示すことから好ましく用いられる。以下に、脂環式エポキシ化合物の具体的な例を掲げる。ここでは、まず化合物名を挙げ、その後、それぞれに対応する化学式を示すこととし、化合物名とそれに対応する化学式には同じ符号を付す。
A:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
B:3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
C:エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、 D:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル) アジペート、 E:ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、 F:ジエチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、 G:エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、 H:2,3,14,15−ジエポキシ−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン、 I:3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、 J:4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、 K:リモネンジオキサイド、 L:ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、 M:ジシクロペンタジエンジオキサイドなど。
Figure 2017107159
脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルであることができる。より具体的には、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンのような脂肪族多価アルコールにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル(例えばポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル)などが挙げられる。
硬化性接着剤組成物において、エポキシ化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでもこのエポキシ化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する脂環式エポキシ化合物を含むことが好ましい。
硬化性接着剤組成物に用いられるエポキシ化合物は、通常30〜3,000g/当量の範囲内のエポキシ当量を有し、このエポキシ当量は好ましくは50〜1,500g/当量の範囲である。エポキシ当量が30g/当量を下回るエポキシ化合物を用いた場合には、硬化後の偏光板の可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする可能性がある。一方、3,000g/当量を超えるエポキシ当量を有する化合物では、接着剤組成物に含有される他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
反応性の観点から、エポキシ化合物の硬化反応としてカチオン重合が好ましく用いられる。そのためには、エポキシ化合物を含む硬化性接着剤組成物には、カチオン重合開始剤を配合するのが好ましい。カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、及び電子線のような活性エネルギー線の照射又は加熱によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させる。作業性の観点から、カチオン重合開始剤には潜在性が付与されていることが好ましい。以下、活性エネルギー線の照射によってカチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させるカチオン重合開始剤を「光カチオン重合開始剤」といい、熱によってカチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させるカチオン重合開始剤を「熱カチオン重合開始剤」という。
光カチオン重合開始剤を用い、活性エネルギー線の照射により接着剤組成物の硬化を行う方法は、常温常湿での硬化が可能となり、偏光フィルムの耐熱性又は膨張による歪を考慮する必要が減少し、保護フィルムと偏光フィルムとを良好に接着できる点において有利である。また、光カチオン重合開始剤は、光で触媒的に作用するため、エポキシ化合物に混合しても保存安定性や作業性に優れる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、鉄−アレン錯体などを挙げることができる。光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ化合物100重量部に対し、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1重量部以上、また好ましくは15重量部以下である。光カチオン重合開始剤の配合量が、エポキシ化合物100重量部に対して0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、硬化物の機械的強度や接着強度が低下する傾向にある。一方、光カチオン重合開始剤の配合量が、エポキシ化合物100重量部に対して20重量部を超えると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、耐久性能が低下する可能性がある。
光カチオン重合開始剤を用いる場合、硬化性接着剤組成物は、必要に応じてさらに光増感剤を含有することができる。光増感剤を用いることで、カチオン重合の反応性を向上させ、硬化物の機械的強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。光増感剤を配合する場合、その量は、硬化性接着剤組成物100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内とすることが好ましい。また、硬化速度向上のために、ナフトキノン誘導体のような増感助剤を用いてもよい。
一方、熱カチオン重合開始剤としては、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドなどを挙げることができる。
エポキシ化合物を含有する硬化性接着剤組成物は、先述のとおり光カチオン重合によって硬化させることが好ましいが、上記の熱カチオン重合開始剤を存在させ、熱カチオン重合によって硬化させることもできるし、光カチオン重合と熱カチオン重合を併用することもできる。光カチオン重合と熱カチオン重合を併用する場合、硬化性接着剤組成物には、光カチオン重合開始剤と熱カチオン重合開始剤の両方を含有させることが好ましい。
また、硬化性接着剤組成物は、オキセタン化合物やポリオール化合物など、カチオン重合を促進させる化合物をさらに含有してもよい。オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物である。オキセタン化合物を配合する場合、その量は、硬化性接着剤組成物中に、通常5〜95重量%、好ましくは5〜50重量%である。またポリオール化合物は、エチレングリコールやヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコールなどを包含するアルキレングリコール又はそのオリゴマー、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどでありうる。ポリオール化合物を配合する場合、その量は、硬化性接着剤組成物中に、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
さらに、硬化性接着剤組成物は、その接着性を損なわない限り、他の添加剤、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、増感剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤などを含有することができる。イオントラップ剤としては、例えば、粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、カルシウム系、チタン系、これらの混合系などを包含する無機化合物が挙げられ、酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
エポキシ化合物を含有する硬化性接着剤組成物を、偏光フィルム又は保護フィルムの接着面、あるいはこれら双方の接着面に塗工した後、接着剤の塗工された面で貼合し、活性エネルギー線を照射するか又は加熱することにより未硬化の接着剤層を硬化させて、偏光フィルムと保護フィルムとを接着させることができる。接着剤の塗工方法としては、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が採用できる。
この硬化性接着剤組成物は、基本的には、溶剤を実質的に含まない無溶剤型接着剤として用いることができるが、各塗工方式には各々最適な粘度範囲があるため、粘度調整のために溶剤を含有させてもよい。溶剤は、偏光フィルムの光学性能を低下させることなく、エポキシ化合物をはじめとする各成分を良好に溶解する有機溶剤であることが好ましく、例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類などを用いることができる。
活性エネルギー線の照射により接着剤組成物の硬化を行う場合、活性エネルギー線としては先述した各種のものを用いることができるが、取扱いが容易で、照射光量などの制御もしやすいことから、紫外線が好ましく用いられる。活性エネルギー線、例えば紫外線の照射強度や照射量は、偏光フィルムの偏光度をはじめとする各種光学性能、及び保護フィルムの透明性や位相差特性をはじめとする各種光学性能に影響を及ぼさない範囲で、適度の生産性が保たれるように適宜決定される。
熱により接着剤組成物の硬化を行う場合は、一般的に知られた方法で加熱することができる。通常は、硬化性接着剤組成物に配合された熱カチオン重合開始剤がカチオン種やルイス酸を発生する温度以上で加熱が行われ、具体的な加熱温度は、例えば50〜200℃程度である。
[粘着剤]
粘着剤としては、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などを包含する粘着特性に優れるものであればよいが、さらに耐久性などに優れるものが好ましい。具体的には、粘着剤層を形成する粘着剤として、アクリル系樹脂を含有する粘着剤(アクリル系粘着剤)が好ましい。
アクリル系粘着剤に含有されるアクリル系樹脂は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソオクチル、及びアクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸アルキルエステルを主要なモノマーとする樹脂である。このアクリル系樹脂には通常、極性モノマーが共重合されている。極性モノマーとは、重合性不飽和結合及び極性官能基を有する化合物であり、ここで重合性不飽和結合は、(メタ)アクリロイル基に由来するものとするのが一般的であり、また極性官能基は、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基などでありうる。極性モノマーの具体例を挙げると、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどがある。
またアクリル系粘着剤には、通常、アクリル系樹脂とともに架橋剤が配合されている。架橋剤の代表例として、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有するイソシアネート化合物を挙げることができる。
粘着剤には、さらに各種の添加剤が配合されていてもよい。好適な添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤などが挙げられる。シランカップリング剤は、ガラスとの接着力を高めるうえで有効である。帯電防止剤は、静電気の発生を低減又は防止するうえで有効である。
粘着剤層は、以上のような粘着剤成分が有機溶剤に溶解してなる粘着剤組成物を調製し、これを偏光フィルム上又は保護フィルム上に直接塗布し、溶剤を乾燥除去する方法によって、あるいは、離型処理が施された樹脂フィルムからなる基材フィルムの離型処理面に上記の粘着剤組成物を塗布し、溶剤を乾燥除去して粘着剤層とし、これを透明保護フィルム上に貼着し、粘着剤層を転写する方法によって、形成できる。前者の直接塗工法によって透明保護フィルム上に粘着剤層を形成した場合は、その表面に離型処理が施された樹脂フィルム(セパレータとも呼ばれる)を貼合し、使用時まで粘着剤層表面を仮着保護するのが通例である。有機溶剤溶液である粘着剤組成物の取扱い性の観点などから、後者の転写法が多く採用されており、この場合は、最初に粘着剤層の形成に用いる離型処理された基材フィルムが、偏光板に貼着した後そのままセパレータとなりうる点からも好都合である。
偏光フィルムや保護フィルムに粘着剤を積層する前には、偏光フィルム面、保護フィルム面及び粘着剤面にあらかじめコロナ処理やプラズマ処理などを行うことも有用である。
[粘着剤層33、53、接着層54]
偏光板と液晶セルとの貼合には粘着剤層を使用することができ、吸収型偏光板50と輝度向上フィルム61との貼合には接着剤又は粘着剤を使用することができ、いずれの貼合も粘着剤を使用することが好ましい。粘着剤層は、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などを包含する粘着特性に優れるものであればよいが、さらに耐久性などに優れるものが好ましい。具体的には、粘着剤層を形成する粘着剤として、アクリル系樹脂を含有する粘着剤(アクリル系粘着剤)が好ましい。
粘着剤層としては、上述の偏光フィルムと保護フィルムとの貼合に用いるものと同等のものが使用できる。粘着剤は、それぞれ異なるものを使用しても、同様のものを使用してもよい。
偏光板に粘着剤を積層する前には、偏光フィルム面、保護フィルム面及び粘着剤面にあらかじめコロナ処理やプラズマ処理などを行うことも有用である。また、輝度向上フィルムを積層する際には、輝度向上フィルム61の貼合面及び粘着剤面にあらかじめコロナ処理やプラズマ処理などを行うことも有用である。輝度向上フィルム61を液晶セルに近づける観点から輝度向上フィルムの積層に用いる粘着剤層は25μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは15μm以下である。通常、粘着剤層の厚みは3μm以上である。
以上に説明した本発明の偏光板のセットは、視認側偏光板30において偏光フィルム32の吸収軸が液晶セルの長辺方向と略平行となっており、背面側偏光板60においては偏光フィルム52の吸収軸が液晶セルの短辺方向と略平行なっていることが好ましい。
[液晶セル]
液晶セルは、2枚のセル基板と、それら基板間に挟持された液晶層とを有する。セル基板は、一般にガラスで構成されることが多いが、プラスチック基板であってもよい。その他、本発明の液晶パネルに用いる液晶セル自体は、この分野で採用されている各種のもの(例えば、駆動モードとしてIPSモード,VAモード,TNモードなどのような公知のもの)で構成することができる。
[液晶パネル]
粘着剤層を介して偏光板を液晶セルに貼合することで、液晶パネルを作製することができる。
本発明の液晶パネルは、液晶セルから輝度向上フィルムまでの距離を100μm以下とし、視認側偏光板の85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が0.62以上1.25以下である偏光板のセットを用いる。別の観点から、本発明の液晶パネルは、85℃で240時間過熱したときの反り量の絶対値が0.5mm以下であり、好ましくは0.3mm以下である。このような偏光板のセットを液晶セルに貼合することで、本発明の液晶パネルは、高温環境下での反りが抑制され、最終製品の筐体に収まる液晶表示パネルとなる。
本発明の液晶パネルは、特に、屋外等の高温にさらされることが多い中小型用の液晶表示装置に好適に用いられる。例えば、液晶パネルの大きさが対角15インチ以下の場合に好適である。
また、高温環境下における液晶パネルの反りをより小さくできるという点で、液晶セルから輝度向上フィルムまでの距離を90μm以下とすることが好ましく、80μm以下とすることがより好ましく、60μm以下であってもよい。また視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、背面側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比は、0.65以上1.2以下であることが好ましく、0.7以上1.15以下であることがより好ましい。
視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率は、0.8%以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.0%以上である。また、背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率は、1.4%以下が好ましく、さらに好ましくは1.3%以下である。なお偏光板の吸収軸方向の寸法変化率は、例えば偏光フィルムに保護フィルムを貼合した後の乾燥工程の長さや温度、偏光フィルムの厚み及び偏光フィルムの延伸倍率等を調整することにより、制御することができる。
また、偏光板を作製した後、40℃〜80℃の範囲で加熱処理を行うことで偏光板の吸収軸方向の寸法変化率を調整する方法も有用である。偏光板の急激な収縮による外観不良を避ける観点から、40℃〜60℃の範囲で加熱処理を行うことがより好ましい。
偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率は、次の通り測定した。まず、偏光板を長尺方向100mm×幅方向100mmの大きさに裁断し、温度23℃湿度55%の環境下に1日静置し、MD方向(吸収軸方向)の寸法(L0)を測定する。次に85℃の環境下に100時間静置し、高温環境下に静置した後のMD方向の寸法(L1)を測定する。その結果をもとに式(c)から寸法変化率(%)を求めた。

寸法変化率=[(L0−L1)/L0 ]×100 (c)
寸法変化率の比は、視認側偏光板の寸法変化率Aと背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板の寸法変化率Bとの値から下記式(d)により求めることができる。

寸法変化率の比 = A/B (d)
なお、寸法変化率を測定する偏光板の層構成は、偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムが貼合されたものであり、液晶パネルに貼合するための粘着剤層やその他のフィルムは、取り除いた状態で測定をおこなう。背面側偏光板が吸収型偏光板と輝度向上フィルムとの積層体である場合、輝度向上フィルムを貼合する前の吸収型偏光板、又は輝度向上フィルムを取り除いた後に残る吸収型偏光板の寸法変化率を測定する。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す部及び%は、特記ないかぎり重量基準である。なお、以下の例における各物性の測定は、次の方法で行った。
(1)厚さの測定:
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH−15M”を用いて測定した。
(2)面内レターデーション及び厚み方向レターデーションの測定:
王子計測機器株式会社製の平行ニコル回転法を原理とする位相差計“KOBRA(登録商標)−WPR”を用い、23℃の温度において、波長590nmでの面内レターデーション及び厚み方向レターデーションを測定した。
(3)寸法変化率の測定
株式会社ニコン製の二次元測定器“NEXIV VMR−12072”を用いて測定した。
(4)偏光板の反り量の測定
作製した液晶パネルを85℃の環境下に240時間静置した後、視認側偏光板を上側にして株式会社ニコン製の二次元測定器“NEXIV VMR−12072”の測定台上に置いた。次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、液晶パネルの4角部、4辺の各中央及び液晶パネル表面の中央に焦点を合わせ、基準とした焦点からの距離を測定した後、測定台からの距離が絶対値で最も長い距離を反り量とした。
[製造例1]偏光フィルム1の作製
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの吸収型偏光フィルムを得た。
[製造例2]水系接着剤の作製
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔株式会社クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3重量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業株式会社から入手した商品名「スミレーズレジン(登録商標) 650(30)」、固形分濃度30重量%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水系接着剤を調製した。
[粘着剤A,B]
以下の2種類の粘着剤を用意した。
粘着剤A:厚み20μmのシート粘着剤〔リンテック株式会社製の「NCF #KT」〕
粘着剤B:厚み5μmのシート状粘着剤〔リンテック株式会社製の「NCF #L2」〕
粘着剤C:厚み15μmのシート粘着剤〔リンテック株式会社製の「NCF #L1」〕
[保護フィルムA、C、D]
以下の4種類の保護フィルムを用意した。
保護フィルムA:コニカミノルタ株式会社製のハードコート付きトリアセチルセルロースフィルム;25KCHCN−TC(厚み32μm)
保護フィルムC:日本ゼオン株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルム;ZF14−023(厚み23μm、波長590nmでの面内位相差値=0.5nm、波長590nmでの厚み方向位相差=4.3nm)
保護フィルムD:コニカミノルタ株式会社製のトリアセチルセルロースフィルム;KC2UA(厚み25μm)
[輝度向上フィルムA]
以下の輝度向上フィルムを用意した。
輝度向上フィルムA:26μm厚の輝度向上フィルム(3M製の商品名”Advanced Polarized Film, Version 3)
[製造例3]視認側偏光板1の作製
保護フィルムAにケン化処理を行い、保護フィルムCの一方の表面にコロナ処理をおこなった。保護フィルムAのトリアセチルセルロース面および保護フィルムCのコロナ処理面がそれぞれ偏光フィルム1との貼合面となるように、保護フィルムA,偏光フィルム1、保護フィルムCを水系接着剤で貼合し、乾燥処理をおこなって視認側偏光板1を得た。視認側偏光板1のMD方向の寸法変化率は、1.4%であった。なお上記乾燥処理における乾燥時間を調整することにより寸法変化率を調整した。
さらに視認側偏光板1の保護フィルムC上に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。この際、保護フィルム表面及び粘着剤表面に予めコロナ処理を行った。
[製造例4〜10]視認側偏光板2〜8の作製
上記乾燥処理における乾燥時間を調整して、MD方向(吸収軸方向)の寸法変化率を異なるものとしたこと以外は、製造例3と同様にして視認側偏光板2〜8をそれぞれ作製し、次いで保護フィルムC上に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。視認側偏光板2〜8の寸法変化率は以下のとおりであった。
視認側偏光板2:1.28
視認側偏光板3:1.11
視認側偏光板4:1.05
視認側偏光板5:0.99
視認側偏光板6:0.88
視認側偏光板7:1.63
視認側偏光板8:0.76
[製造例11]背面側偏光板1の作製
保護フィルムDにケン化処理を行い、保護フィルムCの一方の表面にコロナ処理をおこなった。保護フィルムDのトリアセチルセルロース面および保護フィルムCのコロナ処理面がそれぞれ偏光フィルム1との貼合面となるように、保護フィルムD,偏光フィルム1、保護フィルムCを水系接着剤で貼合し吸収型偏光板を得た。得られた吸収型偏光板の吸収軸方向の寸法変化率は、1.25%であった。次に、得られた吸収型偏光板の保護フィルムD面に粘着剤Bを貼合し、粘着剤層を形成した。この際に保護フィルムDの表面及び粘着剤Bの表面に予めコロナ処理を行った。次に粘着剤Bにおける保護フィルムDが貼合された面とは反対側の面に輝度向上フィルムAを貼合し背面側偏光板1を作製した。この際に、輝度向上フィルムAの表面に予めコロナ処理を行った。
こうして得られた背面側偏光板1の保護フィルムC面に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。この際にも、保護フィルムCの表面及び粘着剤Aの表面に予めコロナ処理を行った。
[製造例12]背面側偏光板2の作製
保護フィルムDにケン化処理を行い、保護フィルムCの一方の表面にコロナ処理をおこなった。保護フィルムDのトリアセチルセルロース面および保護フィルムCのコロナ処理面がそれぞれ偏光フィルム1との貼合面となるように、保護フィルムD,偏光フィルム1、保護フィルムCを水系接着剤で貼合し、乾燥処理をおこなって吸収型偏光板を得た。得られた吸収型偏光板の吸収軸方向の寸法変化率は、0.91%であった。なお上記乾燥処理における乾燥時間を調整することにより寸法変化率を調整した。次に、得られた吸収型偏光板の保護フィルムD面に粘着剤Cを貼合し、粘着剤層を形成した。この際に保護フィルムDの表面及び粘着剤Cの表面に予めコロナ処理を行った。次に粘着剤Cにおける保護フィルムDが貼合された面とは反対側の面に輝度向上フィルムAを貼合し背面側偏光板2を作製した。この際に、輝度向上フィルムAの表面に予めコロナ処理を行った。
こうして得られた背面側偏光板2の保護フィルムC面に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。この際にも、保護フィルムCの表面及び粘着剤Aの表面に予めコロナ処理を行った。
[製造例13]背面側偏光板3の作製
保護フィルムDにケン化処理を行い、保護フィルムCの一方の表面にコロナ処理をおこなった。保護フィルムDのトリアセチルセルロース面および保護フィルムCのコロナ処理面がそれぞれ偏光フィルム1との貼合面となるように、保護フィルムD,偏光フィルム1、保護フィルムCを水系接着剤で貼合し、乾燥処理をおこなって吸収型偏光板を得た。得られた吸収型偏光板の吸収軸方向の寸法変化率は、0.91%であった。なお上記乾燥処理における乾燥時間を調整することにより寸法変化率を調整した。次に、得られた吸収型偏光板の保護フィルムD面に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。この際に保護フィルムDの表面及び粘着剤Aの表面に予めコロナ処理を行った。次に粘着剤Aにおける保護フィルムDが貼合された面とは反対側の面に輝度向上フィルムAを貼合し背面側偏光板3を作製した。この際に、輝度向上フィルムAの表面に予めコロナ処理を行った。
こうして得られた背面側偏光板3の保護フィルムC面に粘着剤Aを貼合し、粘着剤層を形成した。この際にも、保護フィルムCの表面及び粘着剤Aの表面に予めコロナ処理を行った。
[液晶セル]
Google Inc.製のNexus7の液晶パネルから視認側偏光板及び背面側偏光板を剥離し液晶セルを得た。
[実施例1]
視認側偏光板1を液晶セルの長辺に対して偏光フィルムの吸収軸が平行になるように対角7インチサイズに裁断し、背面側偏光板1を液晶セルの短辺に対して偏光フィルムの吸収軸が平行になるように対角7インチサイズに裁断した。こうして作製した偏光板を、粘着剤を介してそれぞれ液晶セルに貼りあわせ液晶パネルを作製した。視認側偏光板と背面側偏光板との寸法変化率の比は1.12であった。また輝度向上フィルムから液晶セルまでの距離は85μmであった。
こうして作製した液晶パネルを85℃の環境下に240時間静置した後、反り量を測定したところ0.4mmであった。
[実施例2〜8、比較例1〜2]
表1に示される視認側偏光板及び背面側偏光板を使用したこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルを作製し、液晶パネルの反り量を測定した。
実施例1〜8、比較例1〜2で使用した視認側偏光板の吸収軸方向における寸法変化率及び背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板の吸収軸方向における寸法変化率、背面側偏光板における輝度向上フィルムから液晶セルまでの距離並びに寸法変化率の比を表1にまとめた。
Figure 2017107159
本発明によれば、液晶パネルにおける高温環境下での反りを解消することができ、高温環境下での最終製品の筐体に収まる液晶パネルを得ることができるので有用である。
30 視認側偏光板、60背面側偏光板
50 吸収型偏光板
32、52 偏光フィルム
35 表面処理層
31a、31b、51a、51b 保護フィルム
33、53 粘着剤層
54 接着層
61 輝度向上フィルム

Claims (4)

  1. 液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、
    前記背面側偏光板は、輝度向上フィルムと吸収型偏光板とが積層された構成を有し、前記液晶セルの背面側に配置する際に前記液晶セルに接する表面から前記輝度向上フィルムまでの距離が100μm以下であり、
    前記視認側偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率と、前記背面側偏光板に含まれる吸収型偏光板を85℃で100時間加熱したときの吸収軸方向における寸法変化率との比が0.62以上1.25以下である偏光板のセット。
  2. 前記視認側偏光板及び前記背面側偏光板は、それぞれ偏光フィルムを有し、
    前記視認側偏光板が有する偏光フィルムの厚みと前記背面側偏光板が有する偏光フィルムの厚みがともに15μm以下である請求項1に記載の偏光板のセット。
  3. 前記視認側偏光板は、その吸収軸が前記液晶セルの長辺方向と略平行であり、前記背面側偏光板は、その吸収軸が前記液晶セルの短辺方向と略平行である請求項1または2に記載の偏光板のセット。
  4. 液晶セルと、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板のセットとを含み、
    前記液晶セルの視認側に前記視認側偏光板が配置され、前記液晶セルの背面側に前記背面側偏光板が配置されており、85℃で240時間加熱したときの反り量の絶対値が、0.5mm以下である液晶パネル。
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