JP2017106572A - 等速ジョイントの製造方法及び等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイントの製造方法及び等速ジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】性能を維持しつつ、加工サイクルタイムを短縮できる等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を提供すること。【解決手段】等速ジョイント100の製造方法は、内側ジョイント部材20の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程(S11)と、鍛造工程(S11)により形成された内側ジョイント部材20の外周面21に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程(S12)と、熱処理前表面加工(S12)が施された内側ジョイント部材20に対し、熱処理を施す熱処理工程(S13)と、を備える。これに加え、等速ジョイント100の製造方法は、熱処理前表面加工工程(S12)は、少なくとも内側ジョイント部材20の第一外周面24に対して熱処理前表面加工を施し、内側ジョイント部材20の第二外周面25の少なくとも一部に対して熱処理前表面加工を施さない。【選択図】図3

Description

本発明は、等速ジョイントの製造方法及び等速ジョイントに関するものである。
内周面に複数の外側ボール溝が形成された有底筒状の外側ジョイント部材と、外周面に複数の内側ボール溝が形成された内側ジョイント部材と、複数の外側ボール溝及び複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、複数のボールを保持する複数の窓部を有する保持器と、を備えた等速ジョイントが知られている。
等速ジョイントでは、内側ジョイント部材は、保持器の内周面に内側ジョイント部材の外周面の一部が接触した状態で配置される。よって、外側ジョイント部材と内側ジョイント部材との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材の外周面と保持器の内周面との接触に伴ってトルク負荷が発生する。この点に関し、等速ジョイントの製造時において、内側ジョイント部材の外周面に対し、面粗さを小さくするための表面加工として、研削加工や旋削加工等を施す技術が知られている。
例えば、特許文献1には、素材に対して鍛造、旋削などを実施することにより概略形状が成形されたインナーレース(内側ジョイント部材)に熱処理を実施し、熱処理後に研削加工などの仕上げ加工を実施する技術が開示されている。
特開2007−182607号公報
上記した表面加工において、面粗さを小さくするためには、表面加工に使用する工具や研削砥石等の送り速度を低速する必要があり、面粗さを小さくするほど、内側ジョイント部材等の加工サイクルタイムが長くなる。
本発明は、性能を維持しつつ、加工サイクルタイムを短縮できる等速ジョイントの製造方法及び等速ジョイントを提供することを目的とする。
<等速ジョイントの第一の製造方法>
本発明の等速ジョイントの製造方法は、回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝が内周面に形成された外側ジョイント部材と、前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、を備え、前記内側ジョイント部材の前記外周面は、前記外側ジョイント部材の底側に位置する第一外周面と、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、を備えた、等速ジョイントの製造方法であって、前記内側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、前記鍛造工程により形成された前記内側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、前記熱処理工程により熱処理が施された前記内側ジョイント部材の前記外周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程と、を備え、前記熱処理後表面加工工程は、少なくとも前記内側ジョイント部材の前記第一外周面に対して前記熱処理後表面加工を施し、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の少なくとも一部に対して前記熱処理後表面加工を施さない。
本発明の等速ジョイントの製造方法は、上記した構成を備えることにより、内側ジョイント部材の外周面に対し、面粗さを小さくするための表面加工に要する時間を短縮できる。
ここで、内側ジョイント部材の外周面において、外側ジョイント部材の底側に配置される内側ジョイント部材の第一外周面は、その内側ジョイント部材の第一外周面よりも外側ジョイント部材の開口側に配置される内側ジョイント部材の第二外周面よりも接触頻度が高い。
この点に関し、本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、熱処理後表面加工工程において、内側ジョイント部材の第一外周面に対して熱処理後表面加工を施すことにより、内側ジョイント部材の第一外周面の面粗さを小さく形成することができる。一方、本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、内側ジョイント部材の第二外周面に対して熱処理後表面加工を施さないことにより、熱処理後表面加工工程に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイントとしての性能を維持しつつ、等速ジョイントを製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
<等速ジョイントの第二の製造方法>
また、本発明の等速ジョイントの製造方法は、回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝が内周面に形成された外側ジョイント部材と、前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、を備え、前記内側ジョイント部材の前記外周面は、前記外側ジョイント部材の底側に位置する第一外周面と、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、を備えた、等速ジョイントの製造方法であって、前記内側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、前記鍛造工程により形成された前記内側ジョイント部材の前記外周面に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程と、前記熱処理前表面加工が施された前記内側ジョイント部材に対し、熱処理を施す熱処理工程と、を備え、前記熱処理前表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面に対して前記熱処理前表面加工を施し、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の少なくとも一部に対して前記熱処理前表面加工を施さない。
本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、熱処理前表面加工工程において、内側ジョイント部材の第一外周面に対して熱処理前表面加工を施すことにより、内側ジョイント部材の第一外周面の面粗さを小さく形成することができる。一方、本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、内側ジョイント部材の第二外周面に対して熱処理前表面加工を施さないことにより、熱処理前表面加工工程に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイントとしての性能を維持しつつ、等速ジョイントを製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
<等速ジョイント>
本発明の製造方法により製造された等速ジョイントにおいて、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の曲率半径は、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面の曲率半径よりも小さい。この場合、内側ジョイント部材の第二外周面の面粗さを、内側ジョイント部材の第一内周面の面粗さよりも確実に大きくすることができる。
本発明の第一実施形態における等速ジョイントの回転軸線方向断面図である。 内側ジョイント部材の回転軸線方向断面図である。 内側ジョイント部材の製造工程を示すフローである。 第二実施形態における等速ジョイントの回転軸線方向断面図である。
<第一実施形態>
以下、本発明に係る駆動装置を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における等速ジョイント100について説明する。等速ジョイント100は、ジョイント中心固定式ボール型等速ジョイントであって、自動車のフロント用ドライブシャフトのアウトボードジョイントとして好適に使用される。特に、本実施形態では、アンダーカットフリー型のジョイント中心固定式ボール型ジョイント(UFJ)を例に挙げて説明する。
(1.等速ジョイント100の概略構成)
図1に示すように、等速ジョイント100は、外側ジョイント部材10と、内側ジョイント部材20と、6つのボール30と、保持器40と、を備える。
外側ジョイント部材10は、回転軸線L1方向一方側(図1左側)が開口する有底筒状に形成される。外側ジョイント部材10は、凹球面状の内周面11と、その外側ジョイント部材10の内周面11に形成される6つの外側ボール溝12とを備える。
外側ジョイント部材10の内周面11は、外側ジョイント部材10の回転軸線L1と内側ジョイント部材20の回転軸線L2との交点Oを中心とする球面形状に倣って形成される。各々の外側ボール溝12は、回転軸線L1方向に延びる溝状に形成され、6つの外側ボール溝12は、回転軸線L1まわりに周方向等間隔に配置される。また、外側ジョイント部材10の内周面11と外側ボール溝12とは、面取り部13を介して接続される。即ち、外側ジョイント部材10の内周面11と外側ボール溝12との接続部位には面取り加工が施されている。なお、外側ジョイント部材10の底部には、回転軸線L1方向へ延びる連結軸10aが一体形成される。この連結軸10aは、図示しない他の動力伝達軸に連結される。
内側ジョイント部材20は、環状に形成される。内側ジョイント部材20は、凸球面状の外周面21と、その内側ジョイント部材20の外周面21に形成される6つの内側ボール溝22とを備える。
内側ジョイント部材20の外周面21は、交点Oを中心とする球面形状に倣って形成される。各々の内側ボール溝22は、回転軸線L2方向に延びる溝状に形成され、6つの内側ボール溝22は、回転軸線L2まわりに周方向等間隔に配置される。また、内側ジョイント部材20の外周面21と内側ボール溝22とは、面取り部23を介して接続される。即ち、内側ジョイント部材20の外周面21と内側ボール溝22との接続部位には面取り加工が施されている。なお、内側ジョイント部材20の内周面には、シャフト20aに形成された雄スプライン(図示せず)に噛合する雌スプライン(図示せず)が形成される。
保持器40は、環状の部材である。保持器40は、凸球面状の外周面41と、凹球面状の内周面42と、6つの窓部43とを備える。保持器40の外周面41は、外側ジョイント部材10の内周面11に倣った形状を有し、保持器40の内周面42は、内側ジョイント部材20の外周面21に倣った形状を有する。窓部43は、径方向に貫通形成された矩形状の孔である。6つの窓部43は、保持器40の回転軸線L3まわりに周方向等間隔に配置され、各々の窓部43にボール30が1つずつ収容される。
等速ジョイント100において、保持器40は、外側ジョイント部材10の内周面11と内側ジョイント部材20の外周面21との間に配置される。保持器40の外周面41の少なくとも一部は、外側ジョイント部材10の内周面11に接触し、保持器40の内周面42の少なくとも一部は、内側ジョイント部材20の外周面21に接触する。対向配置された各々の外側ボール溝12と各々の内側ボール溝22との間には、ボール30が1つずつ配置され、各々のボール30は、保持器40によって外側ボール溝12及び内側ボール溝22を転動可能に保持される。
ボール30が転動する外側ボール溝12の転動面は、回転軸線L1を含む断面視において、交点Oから回転軸線L1方向一方側(図1左側)にオフセットした中心O1を中心とする円弧状に形成される。また、ボール30が転動する内側ボール溝22の転動面は、回転軸線L2を断面視において、交点Oから回転軸線L2方向他方側(図1右側)にオフセットした中心O2を中心とする円弧状に形成される。なお、交点Oと中心O1との間隔は、交点Oと中心O2との間隔に等しい。
これにより、外側ボール溝12の転動面と内側ボール溝22の転動面との間隔は、外側ジョイント部材10の開口側へ向かうにつれて大きくなる。6つのボール30は、回転軸線L1を中心とする周方向において外側ボール溝12に、回転軸線L2を中心とする周方向において内側ボール溝22に、それぞれ係合し、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する。
(2.内側ジョイント部材20の外周面21)
図2に示すように、内側ジョイント部材20の外周面21は、第一外周面24と第二外周面25とを備える。内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、交点O(即ち、内側ジョイント部材20の外周面21の中心)を通り、且つ、回転軸線L2に垂直な内側部材中央面P1と交わる部位から、回転軸線L2方向他方側(図3右側)に配置される部位であって、内側ジョイント部材20が外側ジョイント部材10の内側に配置されるときに外側ジョイント部材10の底側に位置する部位である(図1参照)。
内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、内側部材中央面P1と交わる部位から、回転軸線L2方向一方側(図3左側)に配置される部位であって、内側ジョイント部材20が外側ジョイント部材10の内側に配置されるときに外側ジョイント部材10の開口側に位置する部位である(図1参照)。なお、内側ジョイント部材20の第二外周面25の曲率半径は、内側ジョイント部材20の第一外周面24の曲率半径よりも小さく、内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の第一外周面24よりも面粗さが大きく形成される。
(3.等速ジョイント100の動作)
次に、等速ジョイント100の動作について説明する。外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達するとき、保持器40は、回転軸線L3を中心に回転する。等速ジョイント100がジョイント角をとるとき、6つのボール30には、外側ボール溝12の転動面と内側ボール溝22の転動面との間隔が広がっている方向、即ち、外側ジョイント部材10の開口側へ移動しようとする力が作用する。6つのボール30が外側ジョイント部材10の開口側へ移動しようとするのに伴い、6つのボール30を保持する保持器40は、外側ジョイント部材10の開口側へ移動し、保持器40の回転軸線L3は、外側ジョイント部材10の回転軸線L1と内側ジョイント部材20の回転軸線L2との二等分線上に配置される。
(4.内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との関係)
次に、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との関係に着目する。例えば、自動車のフロント用ドライブシャフトのアウトボードジョイントとして等速ジョイント100を使用する場合、その使用条件の大半において、内側ジョイント部材20の外周面21のうち外側ジョイント部材10の底側に位置する第一外周面24が、保持器40の内周面42に接触し、保持器40の内周面42に強く押し当てられる。即ち、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25と比べて、保持器40の内周面42に接触する頻度が高く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が大きい。
この点に関し、本実施形態における等速ジョイント100では、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、保持器40の内周面42に接触する頻度が高く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が同等以上である内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも面粗さが小さい。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生する負荷が増大することがないため、等速ジョイント100としての性能を維持することができる。
一方、内側ジョイント部材20の第一外周面24と比べて、保持器40の内周面42に接触する頻度が低く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が同等以下である内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の第一外周面24よりも面粗さが大きく形成される。よって、内側ジョイント部材20の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を内側ジョイント部材20の外周面21に対して施す際、内側ジョイント部材20の第二外周面25の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
(5.内側ジョイント部材20の製造方法)
次に、図3を参照して、内側ジョイント部材20の製造工程について説明する。図3に示すように、内側ジョイント部材20の製造工程は、鍛造工程(S11)と、熱処理前表面加工工程(S12)と、熱処理工程(S13)と、熱処理後表面加工工程(S14)と、を主に備える。
鍛造工程(S11)は、金属素材に鍛造加工を施し、内側ジョイント部材20の外形形状を形成する工程であり、この鍛造工程(S11)において、内側ジョイント部材20の大まかな形状が形成される。また、内側ジョイント部材20の外周面21となる部位と内側ボール溝22となる部位との接続部位に面取り加工が施され、面取り部23が形成される。鍛造工程(S11)が終了すると、熱処理前表面加工工程(S12)へ移行する。
熱処理前表面加工工程(S12)は、鍛造工程(S11)により内側ジョイント部材20の外形形状が形成された金属素材のうち、保持器40の内周面42に接触し得る部位に対し、面粗さを小さくする熱処理前表面加工としての旋削加工を施す工程である。本実施形態では、内側ジョイント部材20の外周面21を構成する部位の全域に対して熱処理前表面加工を施す。熱処理前表面加工工程(S12)が終了すると、熱処理工程(S13)へ移行する。
熱処理工程(S13)は、熱処理前表面加工が施された金属素材に熱処理を施す工程である。熱処理を施すことにより、内側ジョイント部材20の表面硬度を高めることができ、耐摩耗性を向上させることができる。熱処理工程(S13)が終了すると、熱処理後表面加工工程(S14)に移行する。
熱処理後表面加工工程(S14)は、熱処理が施された金属素材のうち、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に対し、熱処理後表面加工としての旋削加工を施す工程である。即ち、熱処理後表面加工工程(S14)では、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に対して熱処理後表面加工を施す一方、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位に対して熱処理後表面加工を施さない。これにより、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも面粗さが小さく形成される。熱処理後表面加工工程(S14)が終了することにより、内側ジョイント部材20の製造工程は終了する。
以上説明したように、内側ジョイント部材20の製造工程において、熱処理後表面加工工程(S14)では、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位に対して熱処理後表面加工を施さないので、熱処理後表面加工工程(S14)に要する時間の短縮でき、その結果、等速ジョイント100の加工サイクルタイムを短縮することができる。なお、内側ジョイント部材20の第二外周面25は、熱処理前表面加工工程(S12)において熱処理前表面加工が施されているので、内側ジョイント部材20の第二外周面25が保持器40の内周面42に接触する際においても、熱処理前表面加工を施さない場合と比べて、トルク負荷の軽減を図ることができる。
一方、内側ジョイント部材20の製造工程では、保持器40の内周面42との接触頻度が高い部位である内側ジョイント部材20の第一外周面24に対し、熱処理前表面加工工程(S12)において熱処理前表面加工が施され、且つ、熱処理後表面加工工程(S14)において熱処理後表面加工工程が施される。従って、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100としての性能を確保することができる。
なお、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20の外周面21の全域に熱処理前表面加工を行う際、内側ジョイント部材20の第二外周面25に表面加工を施す際の工具等の送り速度を、内側ジョイント部材20の第一外周面24に表面加工を施す際の工具等の送り速度よりも早くしてもよい。これにより、熱処理前表面加工工程(S12)に要する時間を短縮することができる。
(6.製造工程の変形例)
次に、内側ジョイント部材20の製造工程の変形例について説明する。なお、以下に示す変形例のいずれにおいても、鍛造工程(S11)及び熱処理工程(S13)は、上記した第一実施形態と同様に実施する。
(6−1:変形例その1)
上記した第一実施形態では、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20の外周面21となる部位の全域に熱処理前表面加工を施す場合について説明したが、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に対してのみ熱処理前表面加工を施してもよい。この場合、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位に対して熱処理前表面加工を施さないので、内側ジョイント部材20の製造工程において、熱処理前表面加工処理(S12)に要する時間の短縮を図ることができる。
(6−2:変形例その2)
上記した第一実施形態では、熱処理工程(S13)の前に熱処理前表面加工工程(S12)を実施する場合について説明したが、熱処理前表面加工工程(S12)を省略してもよい。即ち、鍛造工程(S11)を施した後に熱処理工程(S13)へ移行してもよい。この場合、熱処理前表面加工工程(S12)を省略することにより、等速ジョイント100のリードタイムの短縮を図ることができる。
(6−3:変形例その3)
上記した第一実施形態では、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20の外周面21となる部位の全域に熱処理前表面加工を施し、熱処理後表面加工工程(S14)において、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に熱処理後表面加工を施す場合について説明した。これに対し、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20の第一外周面24に熱処理前表面加工を施し、熱処理後表面加工工程(S14)を省略してもよい。
この場合、熱処理後表面加工工程(S14)を省略することにより、等速ジョイント100の加工サイクルタイムの短縮化を図ることができる。また、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20の第一外周面24に熱処理前表面加工を施す一方、内側ジョイント部材20の第二外周面25に対して熱処理前表面加工を施さない。よって、内側ジョイント部材20の第一外周面24の面粗さを内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも小さくすることができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、等速ジョイント100がアンダーカットフリー型の等速ジョイント(UFJ)である場合について説明したが、第二実施形態では、等速ジョイント200がダブルオフセット型の等速ジョイント(DOJ)である場合について説明する。なお、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(7.等速ジョイント200の概略構成)
図4に示すように、等速ジョイント200は、ダブルオフセット型の等速ジョイントであり、外側ジョイント部材210と、内側ジョイント部材220と、ボール30と、保持器240と、を備える。
外側ジョイント部材210は、回転軸線L1方向一方側(図4左側)が開口する有底筒状に形成される。外側ジョイント部材210は、内周面211と、6つの外側ボール溝212とを備える。外側ジョイント部材210の内周面211は、回転軸線L1を中心とする円筒内周面状に形成される。各々の外側ボール溝212は、回転軸線L1方向に延びる溝状に形成され、ボール30が転動する外側ボール溝212の転動面は、回転軸線L1を含む断面視において、回転軸線L1と平行に形成される。6つの外側ボール溝212は、回転軸線L1まわりに周方向等間隔に配置され、外側ジョイント部材210の内周面211と外側ボール溝212とは、面取り部213を介して接続される。
内側ジョイント部材220は、外周面221と6つの内側ボール溝222とを備える。内側ジョイント部材220の外周面221は、交点Oから回転軸線L2方向他方側(図4右側)へオフセットした中心O3を中心とする球面形状に倣った凸球面状に形成される。各々の内側ボール溝222は、回転軸線L2方向に延びる溝状に形成され、ボール30が転動する内側ボール溝222の転動面は、回転軸線L2を含む断面視において、回転軸線L2と平行に形成される。6つの内側ボール溝222は、回転軸線L2まわりに周方向等間隔に配置される。また、内側ジョイント部材220の外周面221と内側ボール溝222とは、面取り部223を介して接続される。
保持器240は、環状の部材である。保持器240は、交点Oから回転軸線L3方向一方側(図6左側)へオフセットした中心O4を中心とする球面形状に倣った凸球面状の外周面241と、中心O3を中心とする球面形状に倣った凹球面状の内周面242と、6つの窓部43とを備える。保持器240は、外側ジョイント部材210の内側において、外側ジョイント部材210及び内側ジョイント部材220に対して相対変位可能に支持される。
(8.内側ジョイント部材220の外周面221)
内側ジョイント部材220の外周面221は、第一外周面224と、第二外周面225と、第三外周面226とを備える。内側ジョイント部材220が外側ジョイント部材210の内側に配置されたとき、内側ジョイント部材220の第一外周面224は、外側ジョイント部材210の底側に、内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の第一外周面224よりも外側ジョイント部材210の開口側に、内側ジョイント部材220の第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225よりも外側ジョイント部材210の開口側に位置する。
内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の外周面221のうち、内側ジョイント部材20の外周面21の中心O3を通り、且つ、回転軸線L2に垂直な内側部材中央面P2と交わる部位を含む。内側ジョイント部材220の第一外周面224は、内側ジョイント部材220の第二外周面225との境界から外側ジョイント部材210の底側の端部にかけて形成され、内側ジョイント部材220の第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225との境界から外側ジョイント部材210の開口側の端部にかけて形成される。
(9.内側ジョイント部材220の外周面221と保持器240の内周面242との関係)
等速ジョイント200では、内側ジョイント部材220が保持器240に対して回転軸線L2方向へ相対移動すると、保持器240の内周面242に内側ジョイント部材220の外周面221が接触し、保持器240の内周面242に内側ジョイント部材220の外周面221が強く押し付けられる。
ここで、等速ジョイント200では、中心O3を通り、且つ、回転軸線L2に垂直な保持器中央面P3と内側部材中央面P2とが同一面上に位置するように内側ジョイント部材220及び保持器240を配置したときに、内側ジョイント部材220の第一外周面224と保持器240の第一内周面246との回転軸線L2,L3方向における間隔、及び、内側ジョイント部材220の第三外周面226と保持器240の第三内周面248との回転軸線L2,L3方向における間隔が、内側ジョイント部材220の第二外周面225と保持器240の第二内周面247との回転軸線L2,L3方向における間隔よりも小さくなるように形成されている。
従って、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225と比べて、保持器240の内周面242に接触する頻度が高く、保持器240の内周面242との接触により発生する負荷が大きい。
この点に関し、本実施形態では、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225よりも面粗さが小さく形成される。従って、外側ジョイント部材210と内側ジョイント部材220との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材220の外周面221と保持器240の内周面242との接触に伴って発生する負荷が増大することはないため、等速ジョイント100としての機能を維持することができる。
一方、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226と比べ、保持器240の内周面242に接触する頻度が低く、保持器240の内周面242との接触により発生する負荷が同等以下である内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226よりも面粗さが大きく形成される。よって、内側ジョイント部材220の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を内側ジョイント部材220の外周面221に対して施す際、内側ジョイント部材220の第二外周面225の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
(10.その他)
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第一実施形態では、内側ジョイント部材20の製造工程において、内側ジョイント部材20の第一外周面24に対する熱処理後表面加工として、旋削加工を施す場合について説明したが、熱処理後表面加工として研削加工を施してもよい。
上記第一実施形態では、内側ジョイント部材20の外周面21に関し、内側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の底側の端部にかけて内側ジョイント部材20の第一外周面24が配置され、内側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の開口側の端部にかけて内側ジョイント部材20の第二外周面25が配置される場合について説明したが、これに限られるものではない。即ち、少なくとも、内側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の底側を含み、且つ、保持器40の内周面42と接触し得る部位に内側ジョイント部材20の第一外周面24が配置され、その内側ジョイント部材20の第一外周面24よりも外側ジョイント部材10の開口側に、内側ジョイント部材20の第二外周面25が配置されていればよい。
(11.効果)
上記したように、等速ジョイント100,200は、回転軸線L1方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝12,212が内周面11,211に形成された外側ジョイント部材10,210と、外側ジョイント部材10,210の内側に配置され、凸球面状の外周面21,221を有し、複数の内側ボール溝22,222が外周面21,221に形成された内側ジョイント部材20,220と、複数の外側ボール溝12,212及び複数の内側ボール溝22,222を転動する複数のボール30と、外側ジョイント部材10,210の内周面11,211及び内側ジョイント部材20,220の外周面21,221の間に配置され、複数のボール30を1つずつ収容可能な複数の窓部43を有し、凸球面状の外周面41,241及び凹球面状の内周面42,242を有する保持器40,240と、を備える。
これに加え、等速ジョイント100,200は、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221は、外側ジョイント部材10,210の底側に位置する第一外周面24,224と、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224よりも外側ジョイント部材10,210の開口側に位置し、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224よりも面粗さが大きく形成された第二外周面25,225と、を備える。
これに加え、等速ジョイント100,200の製造方法は、内側ジョイント部材20,220の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程(S11)と、鍛造工程(S11)により形成された内側ジョイント部材20,220に熱処理を施す熱処理工程(S13)と、熱処理工程(S13)により熱処理が施された内側ジョイント部材20,220の外周面21,221の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程(S14)と、を備える。これに加え、等速ジョイント100,200の製造方法は、熱処理後表面加工工程(S14)は、少なくとも内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224に対して熱処理後表面加工を施し、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225の少なくとも一部に対して熱処理後表面加工を施さない。
上記した等速ジョイント100,200の製造方法は、上記した構成を備えることにより、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221に対し、面粗さを小さくするための表面加工に要する時間を短縮できる。
ここで、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221において、外側ジョイント部材10,210の底側に配置される内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224は、その内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224よりも外側ジョイント部材10,210の開口側に配置される内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225よりも接触頻度が高い。
この点に関し、等速ジョイント100,200の製造方法によれば、熱処理後表面加工工程(S14)において、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224に対して熱処理後表面加工を施すことにより、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224の面粗さを小さく形成することができる。一方、等速ジョイント100,200の製造方法によれば、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225に対して熱処理後表面加工を施さないことにより、熱処理後表面加工工程(S14)に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイント100,200としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100,200を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
また、等速ジョイント100,200の製造方法において、熱処理後表面加工工程(S14)は、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221のうち、保持器40,240の内周面42,242と接触し得る部位の少なくとも一部に対し、熱処理後表面加工を施す。この場合、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221と保持器40,240の内周面42,242との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100,200としての性能を確保することができる。
また、等速ジョイント100,200の製造方法において、鍛造工程(S11)により形成された内側ジョイント部材20,220の外周面21,221の少なくとも一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程(S12)を備える。この場合、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221と保持器40,240の内周面42,242との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100,20としての性能を確保することができる。
また、等速ジョイント100,200の製造方法において、熱処理前表面加工工程(S12)は、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225の少なくとも一部に対して熱処理前表面加工工程を施さない。この場合、内側ジョイント部材20,220の製造工程において、熱処理前表面加工処理(S12)に要する時間の短縮を図ることができる。
また、等速ジョイント100,200の製造方法において、熱処理前表面加工工程(S2)は、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221の全域に対して熱処理前表面加工を施す。この場合、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221と保持器40,240の内周面42,242との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100,200としての性能を確保することができる。
上記した各実施形態に示すように、等速ジョイント100,200は、上記した各実施形態に示すように、等速ジョイント100,200は、回転軸線L1方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝12,212が内周面11,211に形成された外側ジョイント部材10,210と、外側ジョイント部材10,210の内側に配置され、凸球面状の外周面21,221を有し、複数の内側ボール溝22,222が外周面21,221に形成された内側ジョイント部材20,220と、複数の外側ボール溝12,212及び複数の内側ボール溝22,222を転動する複数のボール30と、外側ジョイント部材10,210の内周面11,211及び内側ジョイント部材20,220の外周面21,221の間に配置され、複数のボール30を1つずつ収容可能な複数の窓部43を有し、凸球面状の外周面41,241及び凹球面状の内周面42,242を有する保持器40,240と、を備える。
これに加え、等速ジョイント100,200は、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221は、外側ジョイント部材10,210の底側に位置する第一外周面24,224と、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224よりも外側ジョイント部材10,210の開口側に位置し、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224よりも面粗さが大きく形成された第二外周面25,225と、を備える。
これに加え、等速ジョイント100,200の製造方法は、内側ジョイント部材20,220の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程(S11)と、鍛造工程(S11)により形成された内側ジョイント部材20,220の外周面21,221に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程(S12)と、熱処理前表面加工(S12)が施された内側ジョイント部材20,220に対し、熱処理を施す熱処理工程(S13)と、を備える。これに加え、等速ジョイント100,200の製造方法は、熱処理前表面加工工程(S12)は、少なくとも内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224に対して熱処理前表面加工を施し、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225の少なくとも一部に対して熱処理前表面加工を施さない。
等速ジョイント100,200の製造方法によれば、熱処理前表面加工工程(S12)において、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224に対して熱処理前表面加工を施すことにより、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224の面粗さを小さく形成することができる。一方、等速ジョイント100,200の製造方法によれば、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225に対して熱処理前表面加工を施さないことにより、熱処理前表面加工工程(S12)に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイント100,200としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100,200を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
また、上記した等速ジョイント100,200の製造方法において、熱処理前表面加工工程(S12)は、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221のうち、保持器40,240の内周面42,242と接触し得る部位の少なくとも一部に対し、熱処理前表面加工を施す。この場合、内側ジョイント部材20,220の外周面21,221と保持器40,240の内周面42,242との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100,200としての性能を確保することができる。
また、上記した等速ジョイント100において、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の回転軸線L2方向において内側ジョイント部材20の第二外周面25との境界から外側ジョイント部材10の底側の端部にかけて配置され、内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の回転軸線L2方向において内側ジョイント部材20の第一外周面24との境界から外側ジョイント部材10の開口側の端部にかけて配置される。
この等速ジョイント100の製造方法によれば、例えば、等速ジョイント100がバーフィールド(BJ)型やアンダーカットフリー(UFJ)型の等速ジョイントである場合に、等速ジョイント100としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
また、上記した等速ジョイント200において、内側ジョイント部材220の外周面221は、外側ジョイント部材210の開口側に位置し、内側ジョイント部材220の第二外周面225よりも面粗さが小さく形成された第三外周面226を備え、内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材20の回転軸線L2方向において内側ジョイント部材220の第一外周面224と内側ジョイント部材220の第三外周面226との間に配置される。
この等速ジョイント200の製造方法によれば、等速ジョイント200がダブルオフセット(DOJ)型の等速ジョイントである場合に、等速ジョイント200としての性能を維持しつつ、等速ジョイント200の加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
上記した製造方法により製造された等速ジョイント100,200において、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225の曲率半径は、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224の曲率半径よりも小さい。この場合、内側ジョイント部材20,220の第二外周面25,225の面粗さを、内側ジョイント部材20,220の第一外周面24,224の面粗さよりも確実に大きくすることができる。
10,210:外側ジョイント部材、 11,211:(外側ジョイント部材の)内周面、 12,212:外側ボール溝、 20,220:内側ジョイント部材、 21,221:(内側ジョイント部材の)外周面、 22,222:内側ボール溝、 24,224:(内側ジョイント部材の)第一外周面、 25,225:(内側ジョイント部材の)第二外周面、 30:ボール、 40,240:保持器、 41,241:(保持器の)外周面、 42,242:(保持器の)内周面、 43:窓部、 46,246:(保持器の)第一内周面、 47,247:(保持器の)第二内周面、 100,200:等速ジョイント、 226:(内側ジョイント部材の)第三外周面、 248:(保持器の)第三内周面、 L1:(外側ジョイント部材の)回転軸線、 L2:(内側ジョイント部材の)回転軸線、 S11:鍛造工程、 S12:熱処理前表面加工工程、 S13:熱処理工程、 S14:熱処理後表面加工工程

Claims (10)

  1. 回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝が内周面に形成された外側ジョイント部材と、
    前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、
    前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、
    前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、
    を備え、
    前記内側ジョイント部材の前記外周面は、
    前記外側ジョイント部材の底側に位置する第一外周面と、
    前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、
    を備えた、等速ジョイントの製造方法であって、
    前記内側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、
    前記鍛造工程により形成された前記内側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、
    前記熱処理工程により熱処理が施された前記内側ジョイント部材の前記外周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程と、を備え、
    前記熱処理後表面加工工程は、少なくとも前記内側ジョイント部材の前記第一外周面に対して前記熱処理後表面加工を施し、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の少なくとも一部に対して前記熱処理後表面加工を施さない、等速ジョイントの製造方法。
  2. 前記熱処理後表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記外周面のうち、前記保持器の前記内周面と接触し得る部位の少なくとも一部に対し、前記熱処理後表面加工を施す、請求項1に記載の等速ジョイントの製造方法。
  3. 前記製造方法は、
    前記鍛造工程により形成された前記内側ジョイント部材の前記外周面の少なくとも一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程を備える、請求項1又は2に記載の等速ジョイントの製造方法。
  4. 前記熱処理前表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の少なくとも一部に対して前記熱処理前表面加工工程を施さない、請求項3に記載の等速ジョイントの製造方法。
  5. 前記熱処理前表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記外周面の全域に対して前記熱処理前表面加工を施す、請求項3に記載の等速ジョイントの製造方法。
  6. 回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、複数の外側ボール溝が内周面に形成された外側ジョイント部材と、
    前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、
    前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、
    前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、
    を備え、
    前記内側ジョイント部材の前記外周面は、
    前記外側ジョイント部材の底側に位置する第一外周面と、
    前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、
    を備えた、等速ジョイントの製造方法であって、
    前記内側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、
    前記鍛造工程により形成された前記内側ジョイント部材の前記外周面に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程と、
    前記熱処理前表面加工が施された前記内側ジョイント部材に対し、熱処理を施す熱処理工程と、
    を備え、
    前記熱処理前表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面に対して前記熱処理前表面加工を施し、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の少なくとも一部に対して前記熱処理前表面加工を施さない、等速ジョイントの製造方法。
  7. 前記熱処理前表面加工工程は、前記内側ジョイント部材の前記外周面のうち、前記保持器の前記内周面と接触し得る部位の少なくとも一部に対し、前記熱処理前表面加工を施す、請求項6に記載の等速ジョイントの製造方法。
  8. 前記内側ジョイント部材の第一外周面は、前記内側ジョイント部材の回転軸線方向において前記内側ジョイント部材の前記第二外周面との境界から前記外側ジョイント部材の底側の端部にかけて配置され、
    前記内側ジョイント部材の第二外周面は、前記内側ジョイント部材の回転軸線方向において前記内側ジョイント部材の前記第一外周面との境界から前記外側ジョイント部材の開口側の端部にかけて配置される、請求項1−7のいずれか一項に記載の等速ジョイントの製造方法。
  9. 前記内側ジョイント部材の前記外周面は、前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記内側ジョイント部材の前記第二外周面よりも面粗さが小さく形成された第三外周面を備え、
    前記内側ジョイント部材の前記第二外周面は、前記内側ジョイント部材の回転軸線方向において前記内側ジョイント部材の前記第一外周面と前記内側ジョイント部材の前記第三外周面との間に配置される、請求項1−7のいずれか一項に記載の等速ジョイントの製造方法。
  10. 請求項1−9の何れか一項に記載の等速ジョイントの製造方法により製造された等速ジョイントにおいて、
    前記内側ジョイント部材の前記第二外周面の曲率半径は、前記内側ジョイント部材の前記第一外周面の曲率半径よりも小さい、等速ジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0914281A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Ntn Corp 等速自在継手およびその製造方法
JP2009185831A (ja) * 2008-02-01 2009-08-20 Ntn Corp 等速自在継手用内側継手部材、その製造方法、及び等速自在継手
JP2011058639A (ja) * 2010-12-21 2011-03-24 Ntn Corp 不整地走行用の鞍乗り型車両用ドライブシャフトおよびそれに用いるアンダーカットフリー型等速自在継手の製造方法

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