JP2017106570A - 等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法 - Google Patents

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友 重野
Tomo Shigeno
友 重野
知弘 西田
Tomohiro Nishida
知弘 西田
良成 酒井
Yoshinari Sakai
良成 酒井
芳実 青木
Yoshimi Aoki
芳実 青木
辰也 吉井
Tatsuya Yoshii
辰也 吉井
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Abstract

【課題】性能を維持しつつ、加工サイクルタイムを短縮できる等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を提供すること。【解決手段】等速ジョイント100は、保持器40の外周面41は、外側ジョイント部材10の開口側に位置する第一外周面44と、保持器40の第一外周面44よりも外側ジョイント部材10の底側に位置し、保持器40の第一外周面44よりも面粗さが大きく形成された第二外周面45と、を備える。これに加え、外側ジョイント部材10の内周面11は、外側ジョイント部材10の開口側に位置し、保持器40の第一外周面44よりも面さが大きく形成された第一内周面14と、外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも外側ジョイント部材10の底側に位置し、外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも面粗さが大きく形成された第二内周面15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法に関するものである。
内周面に複数の外側ボール溝が形成された有底筒状の外側ジョイント部材と、外周面に複数の内側ボール溝が形成された内側ジョイント部材と、複数の外側ボール溝及び複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、複数のボールを保持する複数の窓部を有する保持器と、を備えた等速ジョイントが知られている。
等速ジョイントでは、保持器は、外側ジョイント部材の内周面に保持器の外周面の一部が接触した状態で配置される。よって、外側ジョイント部材と内側ジョイント部材との間でトルクを伝達する際に、保持器の外周面と外側ジョイント部材の内周面との接触に伴ってトルク負荷が発生する。この点に関し、等速ジョイントの製造時において、保持器の外周面及び外側ジョイント部材の内周面に対し、面粗さを小さくするための表面加工として、研削加工や旋削加工等を施す技術が知られている。
例えば、特許文献1には、鍛造して得た素材を、製品に近い形状に旋削加工し、熱処理後に研削加工を施す外側ジョイント部材の製造方法が開示されている。特許文献2には、素材に対して鍛造、旋削などを実施することにより概略形状が成形されたアウターレース(外側ジョイント部材)に熱処理を実施し、熱処理後に研削加工などの仕上げ加工を実施する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、保持器の製造方法に関し、窓部を形成し、機械加工を施した後、熱処理を行い、外周面に研磨加工を施す技術が開示されている。
特開2009−185930号公報 特開2007−182607号公報 特開2002―372066号公報
上記した表面加工において、面粗さを小さくするためには、表面加工に使用する工具や研削砥石等の送り速度を低速する必要があり、面粗さを小さくするほど、保持器や外側ジョイント部材の加工サイクルタイムが長くなる。
本発明は、性能を維持しつつ、加工サイクルタイムを短縮できる等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を提供することを目的とする。
<等速ジョイント>
本発明の等速ジョイントは、回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、凹球面状の内周面を有し、複数の外側ボール溝が前記内周面に形成され、前記内周面と前記外側ボール溝とが面取り部を介して接続された外側ジョイント部材と、前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、を備え、前記保持器の前記外周面は、前記外側ジョイント部材の開口側に位置する第一外周面と、前記保持器の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の底側に位置し、前記保持器の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、を備え、前記外側ジョイント部材の前記内周面は、前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記保持器の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第一内周面と、前記外側ジョイント部材の前記第一内周面よりも前記外側ジョイント部材の底側に位置し、前記外側ジョイント部材の前記第一内周面よりも面粗さが大きく形成された第二内周面と、を備える。
本発明の等速ジョイントは、上記した構成を備えることにより、保持器の外周面及び外側ジョイント部材の内周面に対し、面粗さを小さくするための表面加工に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイントとしての性能を維持しつつ、等速ジョイントを製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
ここで、保持器の外周面において、外側ジョイント部材の開口側に配置される保持器の第一外周面は、その保持器の第一外周面よりも外側ジョイント部材の底側に配置される保持器の第二外周面と比べて、外側ジョイント部材の内周面に接触する頻度が高い。また、外側ジョイント部材の内周面において、外側ジョイント部材の開口側に配置される外側ジョイント部材の第一内周面は、その外側ジョイント部材の第一内周面よりも外側ジョイント部材の底側に配置される外側ジョイント部材の第二内周面よりも接触頻度が高い。
この点に関し、本発明の等速ジョイントによれば、外側ジョイント部材の内周面との接触頻度が保持器の第一外周面よりも低い保持器の第二外周面の面粗さを、保持器の第一外周面の面粗さよりも大きくしている。さらに、保持器の外周面との接触頻度が外側ジョイント部材の第一内周面よりも低い外側ジョイント部材の第二内周面の面粗さを、外側ジョイント部材の第一内周面の面粗さよりも大きくしている。これにより、保持器の外周面及び外側ジョイント部材の内周面に対する表面加工に要する時間を短縮できる。
その一方で、本発明の等速ジョイントによれば、保持器の第二外周面と比べて外側ジョイント部材の内周面との接触頻度が高い保持器の第一外周面の面粗さを、保持器の第二外周面の面粗さよりも小さくしている。さらに、外側ジョイント部材の第二内周面と比べて保持器の外周面との接触頻度が高い外側ジョイント部材の第一内周面の面粗さを、外側ジョイント部材の第二内周面の面粗さよりも小さくしている。これにより、保持器の外周面と外側ジョイント部材の内周面との接触に伴って発生する負荷が増大することはない。
これに加え、本発明の等速ジョイントによれば、外側ジョイント部材の第一内周面は、保持器の第一外周面よりも面粗さが大きく形成されるので、等速ジョイントの生産効率を向上させることができる。
即ち、保持器は窓部を備えるので、保持器の外周面に対する表面加工は、断続加工を行う必要がある。この点に関し、保持器の外周面に対して表面加工を施す際に、表面加工に用いる工具や研削砥石等の送り速度を上昇させ、表面加工に要する時間の短縮を図ろうとした場合、工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗等が発生しやすく、生産効率を却って低下させるおそれがある。
一方、外側ジョイント部材は外側ボール溝を備えるので、外側ジョイント部材の内周面に対する表面加工についても、断続加工を行う必要がある。しかしながら、外側ジョイント部材は、外側ボール溝と外側ジョイント部材の内周面とが面取り部を介して接続されている。従って、外側ジョイント部材の内周面に表面加工を施すにあたり、工具や研削砥石等の送り速度よりも上昇させたとしても、工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗等の発生が抑制される。
そこで、本発明の等速ジョイントでは、外側ジョイント部材の第一内周面に表面加工を施す際の工具や研削砥石等の送り速度を、保持器の第一外周面に表面加工を施す際の工具や研削砥石等の送り速度よりも上昇させることで、外側ジョイント部材の第一内周面の面粗さが、保持器の第一外周面の面粗さよりも大きく形成される。このように、本発明の等速ジョイントによれば、外側ジョイント部材の第一内周面が、保持器の第一外周面よりも面粗さが大きく形成されるので、等速ジョイントの生産効率を向上させることができる。
<等速ジョイントの第一の製造方法>
本発明の等速ジョイントの製造方法は、前記保持器及び前記外側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、前記鍛造工程により形成された前記保持器及び前記外側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、前記熱処理工程により熱処理が施された前記保持器の前記外周面の一部及び前記外側ジョイント部材の前記内周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程と、を備え、前記熱処理後表面加工工程は、前記保持器の前記第一外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第一内周面に対して前記熱処理後表面加工を施し、前記保持器の前記第二外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第二内周面に対して前記熱処理後表面加工を施さない。
本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、熱処理後表面加工工程において、保持器の第一外周面及び外側ジョイント部材の第一内周面に対して熱処理後表面加工を施すことにより、保持器の第一外周面及び外側ジョイント部材の第一内周面の面粗さを小さく形成することができる。一方、本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、保持器の第二外周面及び外側ジョイント部材の第二内周面に対して熱処理後表面加工を施さないことにより、熱処理後表面加工工程に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイントとしての性能を維持しつつ、等速ジョイントを製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
<等速ジョイントの第二の製造方法>
また、本発明の等速ジョイントの製造方法は、前記保持器及び前記外側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、前記鍛造工程により形成された前記保持器の前記外周面の一部及び前記外側ジョイント部材の前記内周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程と、前記熱処理前表面加工が施された前記保持器及び前記外側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、を備え、前記熱処理前表面加工工程は、前記保持器の前記第一外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第一内周面に対して前記熱処理前表面加工を施し、前記保持器の前記第二外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第二内周面に対して前記熱処理前表面加工を施さない。
本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、熱処理前表面加工工程において、保持器の第一外周面及び外側ジョイント部材の第一内周面に対して熱処理前表面加工を施すことにより、保持器の第一外周面及び外側ジョイント部材の第一内周面の面粗さを小さく形成することができる。一方、本発明の等速ジョイントの製造方法によれば、保持器の第二外周面及び外側ジョイント部材の第二内周面に対して熱処理前表面加工を施さないことにより、熱処理前表面加工工程に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイントとしての性能を維持しつつ、等速ジョイントを製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
本発明の第一実施形態における等速ジョイントの回転軸線方向断面図である。 外側ジョイント部材の回転軸線方向断面図である。 内側ジョイント部材の回転軸線方向断面図である。 保持器の回転軸線方向断面図である。 外側ジョイント部材、内側ジョイント部材及び保持器の製造工程を示すフローである。 第二実施形態における等速ジョイントの回転軸線方向断面図である。
<第一実施形態>
以下、本発明に係る等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における等速ジョイント100について説明する。等速ジョイント100は、ジョイント中心固定式ボール型等速ジョイントであって、自動車のフロント用ドライブシャフトのアウトボードジョイントとして好適に使用される。特に、本実施形態では、アンダーカットフリー型のジョイント中心固定式ボール型ジョイント(UFJ)を例に挙げて説明する。
(1.等速ジョイント100の概略構成)
図1に示すように、等速ジョイント100は、外側ジョイント部材10と、内側ジョイント部材20と、6つのボール30と、保持器40と、を備える。
外側ジョイント部材10は、回転軸線L1方向一方側(図1左側)が開口する有底筒状に形成される。外側ジョイント部材10は、凹球面状の内周面11と、その外側ジョイント部材10の内周面11に形成される6つの外側ボール溝12とを備える。
外側ジョイント部材10の内周面11は、外側ジョイント部材10の回転軸線L1と内側ジョイント部材20の回転軸線L2との交点Oを中心とする球面形状に倣って形成される。各々の外側ボール溝12は、回転軸線L1方向に延びる溝状に形成され、6つの外側ボール溝12は、回転軸線L1まわりに周方向等間隔に配置される。また、外側ジョイント部材10の内周面11と外側ボール溝12とは、面取り部13を介して接続される。即ち、外側ジョイント部材10の内周面11と外側ボール溝12との接続部位には面取り加工が施されている。なお、外側ジョイント部材10の底部には、回転軸線L1方向へ延びる連結軸10aが一体形成される。この連結軸10aは、図示しない他の動力伝達軸に連結される。
内側ジョイント部材20は、環状に形成される。内側ジョイント部材20は、凸球面状の外周面21と、その内側ジョイント部材20の外周面21に形成される6つの内側ボール溝22とを備える。
内側ジョイント部材20の外周面21は、交点Oを中心とする球面形状に倣って形成される。各々の内側ボール溝22は、回転軸線L2方向に延びる溝状に形成され、6つの内側ボール溝22は、回転軸線L2まわりに周方向等間隔に配置される。また、内側ジョイント部材20の外周面21と内側ボール溝22とは、面取り部23を介して接続される。即ち、内側ジョイント部材20の外周面21と内側ボール溝22との接続部位には面取り加工が施されている。なお、内側ジョイント部材20の内周面には、シャフト20aに形成された雄スプライン(図示せず)に噛合する雌スプライン(図示せず)が形成される。
保持器40は、環状の部材である。保持器40は、凸球面状の外周面41と、凹球面状の内周面42と、6つの窓部43とを備える。保持器40の外周面41は、外側ジョイント部材10の内周面11に倣った形状を有し、保持器40の内周面42は、内側ジョイント部材20の外周面21に倣った形状を有する。窓部43は、径方向に貫通形成された矩形状の孔である。6つの窓部43は、保持器40の回転軸線L3まわりに周方向等間隔に配置され、各々の窓部43にボール30が1つずつ収容される。
等速ジョイント100において、保持器40は、外側ジョイント部材10の内周面11と内側ジョイント部材20の外周面21との間に配置される。保持器40の外周面41の少なくとも一部は、外側ジョイント部材10の内周面11に接触し、保持器40の内周面42の少なくとも一部は、内側ジョイント部材20の外周面21に接触する。対向配置された各々の外側ボール溝12と各々の内側ボール溝22の間には、ボール30が1つずつ配置され、各々のボール30は、保持器40によって外側ボール溝12及び内側ボール溝22を転動可能に保持される。
ボール30が転動する外側ボール溝12の転動面は、回転軸線L1を含む断面視において、交点Oから回転軸線L1方向一方側(図1左側)にオフセットした中心O1を中心とする円弧状に形成される。また、ボール30が転動する内側ボール溝22の転動面は、回転軸線L2を断面視において、交点Oから回転軸線L2方向他方側(図1右側)にオフセットした中心O2を中心とする円弧状に形成される。これにより、外側ボール溝12の転動面と内側ボール溝22の転動面との間隔は、外側ジョイント部材10の開口側へ向かうにつれて大きくなる。6つのボール30は、回転軸線L1を中心とする周方向において外側ボール溝12に、回転軸線L2を中心とする周方向において内側ボール溝22に、それぞれ係合し、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する。
(2.外側ジョイント部材10の内周面11)
図2に示すように、外側ジョイント部材10の内周面11は、第一内周面14と第二内周面15とを備える。外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の内周面11のうち、交点O(即ち、外側ジョイント部材10の内周面11の中心)を通り、且つ、回転軸線L1に垂直な外側部材中央面P1と交わる部位から、外側ジョイント部材10の開口側(図2左側)の端部にかけて配置される部位である。
第二内周面15は、外側ジョイント部材10の内周面11のうち、外側部材中央面P1と交わる部位から外側ジョイント部材10の底側(図2右側)の端部にかけて配置される部位である。なお、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の第二内周面15よりも面粗さが小さく形成される。
(3.内側ジョイント部材20の外周面21)
図3に示すように、内側ジョイント部材20の外周面21は、第一外周面24と第二外周面25とを備える。内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、交点O(即ち、内側ジョイント部材20の外周面21の中心)を通り、且つ、回転軸線L2に垂直な内側部材中央面P2と交わる部位から、回転軸線L2方向他方側(図3右側)に配置される部位であって、内側ジョイント部材20が外側ジョイント部材10の内側に配置されるときに外側ジョイント部材10の底側に位置する部位である(図1参照)。
内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、内側部材中央面P2と交わる部位から、回転軸線L2方向一方側(図3左側)に配置される部位であって、内側ジョイント部材20が外側ジョイント部材10の内側に配置されるときに外側ジョイント部材10の開口側に位置する部位である(図1参照)。なお、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも面粗さが小さく形成される。
(4.保持器40の外周面41及び内周面42)
図4に示すように、保持器40の外周面41は、第一外周面44と、第二外周面45とを備える。保持器40の第一外周面44は、保持器40の外周面41のうち、交点O(即ち、保持器40の外周面41の中心)を通り、且つ、回転軸線L3に垂直な保持器中央面P3と交わる部位から、回転軸線L3方向一方側(図4左側)の端部にかけて配置される部位であって、外側ジョイント部材10の内側に保持器40が配置されるときに外側ジョイント部材10の開口側に位置する部位である(図1参照)。
第二外周面45は、保持器40の外周面41のうち、保持器中央面P3と交わる部位から回転軸線L3方向他方側(図4右側)の端部にかけて配置される部位であって、外側ジョイント部材10の内側に保持器40が配置されるときに外側ジョイント部材10の底側の端部に位置する部位である(図1参照)。なお、保持器40の第一外周面44は、保持器40の第二外周面45及び外側ジョイント部材10の第一内周面14(図2参照)よりも面粗さが小さく形成され、保持器40の第二外周面45は、外側ジョイント部材10の第二内周面15(図2参照)よりも面粗さが小さく形成される。
保持器40の内周面42は、第一内周面46と、第二内周面47とを備える。第一内周面46は、保持器40の内周面42のうち、交点O(即ち、保持器40の内周面42の中心)を通り、且つ、保持器中央面P3と交わる部位から、回転軸線L3方向他方側(図4右側)の端部にかけて配置される部位であって、外側ジョイント部材10の内側に保持器40が配置されるときに外側ジョイント部材10の底側に位置する部位である(図1参照)。
第二外周面45は、保持器40の外周面41のうち、保持器中央面P3と交わる部位から回転軸線L3方向一方側(図4左側)の端部にかけて配置される部位であって、外側ジョイント部材10の内側に保持器40が配置されるときに外側ジョイント部材10の開口側の端部に位置する部位である(図1参照)。なお、保持器40の第一内周面46は、保持器40の第二内周面47及び内側ジョイント部材20の第一外周面24(図3参照)よりも面粗さが小さく形成され、保持器40の第二内周面47は、内側ジョイント部材20の第二外周面25(図3参照)よりも面粗さが小さく形成される。
(5.等速ジョイント100の動作)
次に、等速ジョイント100の動作について説明する。外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達するとき、保持器40は、回転軸線L3を中心に回転する。等速ジョイント100がジョイント角をとるとき、6つのボール30には、外側ボール溝12の転動面と内側ボール溝22の転動面との間隔が広がっている方向、即ち、外側ジョイント部材10の開口側へ移動しようとする力が作用する。6つのボール30が外側ジョイント部材10の開口側へ移動しようとするのに伴い、6つのボール30を保持する保持器40は、外側ジョイント部材10の開口側へ移動し、保持器40の回転軸線L3は、外側ジョイント部材10の回転軸線L1と内側ジョイント部材20の回転軸線L2との二等分線上に配置される。
(6.外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との関係)
ここで、図2及び図4を参照しながら、外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との関係に着目する。例えば、自動車のフロント用ドライブシャフトのアウトボードジョイントとして等速ジョイント100を使用する場合、その使用条件の大半において、外側ジョイント部材10の内周面11のうち外側ジョイント部材10の開口側に位置する第一内周面14が、保持器40の外周面41に接触し、保持器40の外周面41に強く押し当てられる。即ち、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の第二内周面15と比べて、保持器40の外周面41に接触する頻度が高く、保持器40の外周面41との接触により発生する負荷が大きい。
この点に関し、本実施形態における等速ジョイント100では、外側ジョイント部材10の内周面11のうち、保持器40の外周面41に接触する頻度が高く、保持器40の外周面41との接触により発生する負荷が同等以上である外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の第二内周面15よりも面粗さが小さい。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との接触に伴って発生する負荷が増大することはないため、等速ジョイント100としての性能を維持することができる。
一方、外側ジョイント部材10の第一内周面14と比べて、保持器40の外周面41に接触する頻度が低く、保持器40の外周面41との接触により発生する負荷が同等以下である外側ジョイント部材10の第二内周面15は、外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも面粗さが大きく形成される。よって、外側ジョイント部材10の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を外側ジョイント部材10の内周面11に対して施す際、外側ジョイント部材10の第二内周面15の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
また、等速ジョイント100が使用される条件の大半において、保持器40の外周面41のうち外側ジョイント部材10の開口側に位置する第一外周面44が、外側ジョイント部材10の内周面11に接触し、外側ジョイント部材10の内周面11に強く押し当てられる。即ち、保持器40の第一外周面44は、保持器40の第二外周面45と比べて、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が高く、外側ジョイント部材10の内周面11との接触により発生する負荷が同等以上である。
この点に関し、本実施形態における等速ジョイント100では、保持器40の外周面41のうち、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が高く、外側ジョイント部材10の内周面11との接触により発生する負荷が同等以上である保持器40の第一外周面44は、保持器40の第二外周面45よりも面粗さが小さい。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との接触に伴って発生する負荷が増大することはないので、等速ジョイント100としての性能を維持することができる。
一方、保持器40の第一外周面44と比べて、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が低く、外側ジョイント部材10の内周面11との接触により発生する負荷が同等以下である保持器40の第二外周面45は、保持器40の第一外周面44よりも面粗さが大きく形成される。よって、保持器40の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を保持器40の外周面41に対して施す際、保持器40の第二外周面45の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
なお、保持器40の第一外周面44については、面粗さをRa0.8以下に設定することが好ましく、外側ジョイント部材10の第一内周面14については、面粗さをRa1.2以下に設定することが好ましい。
(7.内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との関係)
続いて、図3及び図4を参照しながら、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との関係に着目する。等速ジョイント100が使用される条件の大半において、内側ジョイント部材20の外周面21のうち外側ジョイント部材10の底側に位置する第一外周面24が、保持器40の内周面42に接触し、保持器40の内周面42に強く押し当てられる。即ち、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25と比べて、保持器40の内周面42に接触する頻度が高く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が大きい。
この点に関し、本実施形態における等速ジョイント100では、内側ジョイント部材20の外周面21のうち、保持器40の内周面42に接触する頻度が高く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が同等以上である内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも面粗さが小さい。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生する負荷が増大することがないため、等速ジョイント100としての性能を維持することができる。
一方、内側ジョイント部材20の第一外周面24と比べて、保持器40の内周面42に接触する頻度が低く、保持器40の内周面42との接触により発生する負荷が同等以下である内側ジョイント部材20の第二外周面25は、内側ジョイント部材20の第一外周面24よりも面粗さが大きく形成される。よって、内側ジョイント部材20の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を内側ジョイント部材20の外周面21に対して施す際、内側ジョイント部材20の第二外周面25の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
また、等速ジョイント100が使用される条件の大半において、保持器40の内周面42のうち外側ジョイント部材10の底側に位置する第一内周面46が、内側ジョイント部材20の外周面21に接触し、内側ジョイント部材20の外周面21に強く押し当てられる。即ち、保持器40の第一内周面46は、保持器40の第二内周面47と比べて、内側ジョイント部材20の外周面21に接触する頻度が高く、内側ジョイント部材20の外周面21との接触により発生する負荷が同等以上である。
この点に関し、本実施形態における等速ジョイント100では、保持器40の内周面42のうち、内側ジョイント部材20の外周面21に接触する頻度が高く、内側ジョイント部材20の外周面21との接触により発生する負荷が同等以上である保持器40の第一内周面46は、保持器40の第二内周面47よりも面粗さが小さい。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生する負荷が増大することがないため、等速ジョイント100としての機能を維持することができる。
一方、保持器40の第一内周面46と比べて、内側ジョイント部材20の外周面21に接触する頻度が低く、内側ジョイント部材20の外周面21との接触により発生する負荷が同等以下である保持器40の第二内周面47は、保持器40の第一内周面46よりも面粗さが大きく形成される。よって、保持器40の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を保持器40の内周面42に対して施す際、保持器40の第二内周面47の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
なお、保持器40の第一内周面46については、面粗さをRa0.8以下に設定することが好ましく、内側ジョイント部材20の第一外周面24については、面粗さをRa1.2以下に設定することが好ましい。
(8.外側ジョイント部材10の製造方法)
次に、図5を参照して、外側ジョイント部材10の製造工程について説明する。図5に示すように、外側ジョイント部材10の製造工程は、鍛造工程(S11)と、熱処理前表面加工工程(S12)と、熱処理工程(S13)と、熱処理後表面加工工程(S14)と、を主に備える。
鍛造工程(S11)は、金属素材に鍛造加工を施し、外側ジョイント部材10の外形形状を形成する工程であり、この鍛造工程(S11)において、外側ジョイント部材10の大まかな形状が形成される。また、外側ジョイント部材10の内周面11となる部位と外側ボール溝12となる部位との接続部位に面取り加工が施され、面取り部13が形成される。鍛造工程(S11)が終了すると、熱処理前表面加工工程(S12)へ移行する。
熱処理前表面加工工程(S12)は、鍛造工程(S11)により外側ジョイント部材10の外形形状が形成された金属素材に対し、面粗さを小さくする熱処理前表面加工としての旋削加工を施す工程である。本実施形態では、外側ジョイント部材10の内周面11を構成する部位の全域に対して熱処理前表面加工を施す。熱処理前表面加工工程(S12)が終了すると、熱処理工程(S13)へ移行する。
熱処理工程(S13)は、熱処理前表面加工が施された金属素材に熱処理を施す工程である。熱処理を施すことにより、外側ジョイント部材10の表面硬度を高めることができ、耐摩耗性を向上させることができる。熱処理工程(S13)が終了すると、熱処理後表面加工工程(S14)に移行する。
熱処理後表面加工工程(S14)は、熱処理が施された金属素材のうち、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位に対し、面粗さを小さくするための熱処理後表面加工としての旋削加工を施す工程である。即ち、熱処理後表面加工工程(S14)では、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位に対して熱処理後表面加工を施す一方、外側ジョイント部材10の第二内周面15となる部位に対して熱処理後表面加工を施さない。これにより、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の第二内周面15よりも面粗さが小さく形成される。熱処理後表面加工工程(S14)が終了することにより、外側ジョイント部材10の製造工程は終了する。
以上説明したように、外側ジョイント部材10の製造工程において、熱処理後表面加工工程(S14)では、外側ジョイント部材10の第二内周面15となる部位に対して熱処理後表面加工を施さないので、熱処理後表面加工工程(S14)に要する時間の短縮でき、その結果、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムを短縮することができる。なお、外側ジョイント部材10の第二内周面15は、熱処理前表面加工工程(S12)において熱処理前表面加工が施されているので、外側ジョイント部材10の第二内周面15が保持器40の外周面41に接触する際においても、熱処理前表面加工を施さない場合と比べて、トルク負荷の軽減を図ることができる。
一方、外側ジョイント部材10の製造工程では、保持器40の外周面41との接触頻度が高い部位である外側ジョイント部材10の第一内周面14に対し、熱処理前表面加工工程(S12)において熱処理前表面加工が施され、且つ、熱処理後表面加工工程(S14)において熱処理後表面加工工程が施される。従って、外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100としての性能を確保することができる。
(9.内側ジョイント部材20の製造方法)
次に、内側ジョイント部材20の製造工程について説明する。内側ジョイント部材20の製造工程の概要は、外側ジョイント部材10の製造工程と同等であり、鍛造工程(S21)と、熱処理前表面加工工程(S22)と、熱処理工程(S23)と、熱処理後表面加工工程(S24)と、を主に備える。
鍛造工程(S21)は、金属素材に鍛造加工を施し、内側ジョイント部材20の外形形状を形成する工程であり、この鍛造工程(S21)において、内側ジョイント部材20の大まかな形状が形成される。また、内側ジョイント部材20の外周面21となる部位と内側ボール溝22となる部位との接続部位に面取り加工が施され、面取り部23が形成される。鍛造工程(S21)が終了すると、熱処理前表面加工工程(S22)へ移行する。
熱処理前表面加工工程(S22)は、鍛造工程(S21)により内側ジョイント部材20の外形形状が形成された金属素材に対し、熱処理前表面加工としての旋削加工を施す工程である。本実施形態では、内側ジョイント部材20の外周面21を構成する部位の全域に対して熱処理前表面加工を施す。熱処理前表面加工工程(S22)が終了すると、熱処理前表面加工が施された金属素材に熱処理を施す熱処理工程(S23)へ移行し、熱処理工程(S23)が終了すると、熱処理後表面加工工程(S24)に移行する。
熱処理後表面加工工程(S24)は、熱処理が施された金属素材のうち、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に対し、熱処理後表面加工としての旋削加工を施す工程である。即ち、熱処理後表面加工工程(S24)では、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位に対して熱処理後表面加工を施す一方、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位に対して熱処理後表面加工を施さない。これにより、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも面粗さが小さく形成される。熱処理後表面加工工程(S24)が終了することにより、内側ジョイント部材20の製造工程は終了する。
以上説明したように、内側ジョイント部材20の製造工程において、熱処理後表面加工工程(S24)では、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位に対して熱処理後表面加工を施さないので、熱処理後表面加工工程(S24)に要する時間の短縮でき、その結果、等速ジョイント100を製造するサイクルタイムを短縮することができる。なお、内側ジョイント部材20の第二外周面25は、熱処理前表面加工工程(S22)において熱処理前表面加工が施されているので、内側ジョイント部材20の第二外周面25が保持器40の内周面42に接触する際においても、熱処理前表面加工を施さない場合と比べて、トルク負荷の軽減を図ることができる。
一方、内側ジョイント部材20の製造工程では、保持器40の内周面42との接触頻度が高い部位である内側ジョイント部材20の第一外周面24に対し、熱処理前表面加工工程(S22)において熱処理前表面加工が施され、且つ、熱処理後表面加工工程(S24)において熱処理後表面加工工程が施される。従って、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100としての性能を確保することができる。
(10.保持器40の製造方法)
次に、保持器40の製造工程について説明する。保持器40の製造工程の概要は、外側ジョイント部材10及び内側ジョイント部材20の製造工程と同様であり、鍛造工程(S31)と、熱処理前表面加工工程(S32)と、熱処理工程(S33)と、熱処理後表面加工工程(S34)とを備える。
鍛造工程(S31)は、金属素材に鍛造加工を施し、保持器40の外形形状を形成する工程である。この鍛造工程(S31)では、窓部43の形成も併せて行い、保持器40の大まかな形状を形成する。なお、保持器40の製造工程では、窓部43の周縁部分に対する面取り加工を実施しない。鍛造工程(S31)が終了すると、熱処理前表面加工工程(S32)へ移行する。
熱処理前表面加工工程(S32)は、鍛造工程(S31)により保持器40の外形形状が形成された金属素材に対し、熱処理前表面加工としての旋削加工を施す工程である。本実施形態では、保持器40の外周面41を構成する部位の全域、及び、保持器40の内周面42を構成する部位の全域に対し、熱処理前表面加工を施す。熱処理前表面加工工程(S32)が終了すると、熱処理前表面加工が施された金属素材に熱処理を施す熱処理工程(S33)へ移行し、熱処理工程(S33)が終了すると、熱処理後表面加工工程(S34)に移行する。
熱処理後表面加工工程(S34)は、熱処理が施された金属素材のうち、保持器40の第一外周面44及び第一内周面46となる部位に対し、熱処理後表面加工としての研削加工を施す工程である。即ち、熱処理後表面加工工程(S34)では、保持器40の第一外周面44及び第一内周面46となる部位に対して熱処理後表面加工を施す一方、保持器40の第二外周面45及び第二内周面47となる部位に対して熱処理後表面加工を施さない。これにより、保持器40の第一外周面44は、保持器40の第二外周面45よりも面粗さが小さく形成され、保持器40の第一内周面46は、保持器40の第二内周面47よりも面粗さが小さく形成される。熱処理後表面加工工程(S34)が終了することにより、保持器40の製造工程は終了する。
以上説明したように、保持器40の製造工程において、熱処理後表面加工工程(S34)では、保持器40の第二外周面45及び第二内周面47となる部位に対して熱処理後表面加工を施さないので、熱処理後表面加工工程(S34)に要する時間の短縮でき、その結果、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムを短縮することができる。なお、保持器40の第二外周面45及び第二内周面47は、熱処理前表面加工工程(S32)において熱処理前表面加工が施されているので、保持器40の第二外周面45が外側ジョイント部材10の内周面11に接触する際、及び、保持器40の第二内周面47が内側ジョイント部材20の外周面21に接触する際においても、熱処理前表面加工が施されない場合と比べて、トルク負荷の軽減を図ることができる。
一方、保持器40の製造工程では、外側ジョイント部材10の内周面11との接触頻度が高い部位である保持器40の第一外周面44、及び、内側ジョイント部材20の外周面21との接触頻度が高い部位である保持器40の第一内周面46に対し、熱処理前表面加工工程(S32)において熱処理前表面加工を施し、且つ、熱処理後表面加工工程(S34)において熱処理後表面加工工程を施す。従って、外側ジョイント部材10の内周面11と保持器40の外周面41との接触に伴って発生するトルク負荷、及び、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができるので、等速ジョイント100としての性能を確保することができる。
なお、本実施形態では、外側ジョイント部材10の製造工程及び内側ジョイント部材20の製造工程では、外側ジョイント部材10の第一内周面14及び内側ジョイント部材20の第一外周面24に対する熱処理後表面加工として旋削加工を施すのに対し、保持器40の製造工程では、保持器40の第一外周面44及び第一内周面46に対する熱処理後表面加工として研削加工を施す。これにより、外側ジョイント部材10の第一内周面14及び内側ジョイント部材20の第一外周面24に対する熱処理後表面加工に要する時間の短縮を図りつつ、保持器40の第一外周面44及び第一内周面46を十分に小さくすることができる。
ここで、上記したように、保持器40の製造工程に関し、鍛造工程(S31)において窓部43が形成される。従って、保持器40の外周面41及び内周面42に対して施す熱処理前表面加工及び熱処理後表面加工(以下、単に「表面加工」と称す)は、断続加工を行う必要がある。この点に関し、上記したように、保持器40の製造工程において、窓部43の周縁部分に対する面取り加工は実施されない。従って、保持器40の外周面41及び内周面42に表面加工を施す際、旋削加工に用いる工具や研削加工に用いる研削砥石の送り速度を上げ、表面加工に要する時間の短縮を図ろうとした場合、工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗が発生しやすく、生産効率を却って低下させるおそれがある。
一方、外側ジョイント部材10の製造工程に関し、鍛造工程(S11)において外側ボール溝12が形成されるので、外側ジョイント部材10の内周面11に対して施される表面加工についても、断続加工を行う必要がある。しかしながら、上記したように、鍛造工程(S11)において外側ジョイント部材10の内周面11と外側ボール溝12との接続部位には面取り加工が施される。従って、外側ジョイント部材10の内周面11に表面加工を施すにあたり、旋削加工に用いる工具の送り速度を、保持器40の外周面41に表面加工を施す際の工具及び研削砥石の送り速度よりも上昇させたとしても、工具のチッピングが抑制される。
そこで、本実施形態では、外側ジョイント部材10の製造工程において熱処理前表面加工を施す際の工具の送り速度を、保持器40の製造工程において熱処理前表面加工を施す際の工具の送り速度よりも上昇させている。その結果、外側ジョイント部材10の第二内周面15の面粗さは、保持器40の第二外周面45の面粗さよりも大きく形成される。同様に、外側ジョイント部材10の製造工程において熱処理後表面加工を施す際の工具の送り速度を、保持器40の製造工程において熱処理後表面加工を施す際の研削砥石の送り速度よりも上昇させている。その結果、外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さは、保持器40の第一外周面44の面粗さよりも大きく形成される。
同様に、内側ジョイント部材20の製造工程に関し、鍛造工程(S21)において内側ボール溝22が形成されるので、内側ジョイント部材20の外周面21に対して施される表面加工についても、断続加工を行う必要がある。しかしながら、上記したように、鍛造工程(S21)において内側ジョイント部材20の外周面21と内側ボール溝22との接続部位には面取り加工が施される。従って、内側ジョイント部材20の外周面21に表面加工を施すにあたり、旋削加工に用いる工具の送り速度を、保持器40の内周面42に表面加工を施す際の工具及び研削砥石の送り速度よりも上昇させたとしても、工具のチッピングが抑制される。
そこで、本実施形態では、内側ジョイント部材20の製造工程において熱処理前表面加工を施す際の工具の送り速度を、保持器40の製造工程において熱処理前表面加工を施す際の工具の送り速度よりも上昇させている。その結果、内側ジョイント部材20の第二外周面25の面粗さは、保持器40の第二内周面47の面粗さよりも大きく形成される。同様に、内側ジョイント部材20の製造工程において熱処理後表面加工を施す際の工具の送り速度を、保持器40の製造工程において熱処理後表面加工を施す際の研削砥石の送り速度よりも上昇させている。その結果、内側ジョイント部材20の第一外周面24の面粗さは、保持器40の第一内周面46の面粗さよりも大きく形成される。
以上説明したように、等速ジョイント100では、外側ジョイント部材10の第二内周面15の面粗さを、保持器40の第二外周面45の面粗さよりも大きく形成し、外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さを、保持器40の第一外周面44の面粗さよりも大きく形成する。同様に、等速ジョイント100では、内側ジョイント部材20の第二外周面25の面粗さを、保持器40の第二内周面47の面粗さよりが大きく形成し、内側ジョイント部材20の第一外周面24を、保持器40の第一内周面46の面粗さよりも大きく形成する。これにより、表面加工に用いる工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗を抑制しつつ、等速ジョイント100のサイクルタイムの短縮を図ることができるので、等速ジョイント100の生産効率を向上させることができる。
(11.外側ジョイント部材10、内側ジョイント部材20及び保持器40の製造工程の変形例)
上記した第一実施形態では、鍛造工程(S11,S21,S31)の後に熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において熱処理前表面加工を施し、熱処理前表面加工を施した金属素材に対し、熱処理を施す場合について説明したが、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)を省略してもよい。この場合、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)を省略することにより、等速ジョイント100のリードタイムを短縮できる。
また、鍛造工程(S11,S21,S31)の後に熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において、外側ジョイント部材10となる部位の全域、内側ジョイント部材20となる部位の全域、保持器40の外周面41となる部位の全域、及び、保持器40の内周面42となる部位の全域に対して熱処理前表面加工を施す場合について説明した。これに対し、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位、保持器40の第一外周面44となる部位、及び、保持器40の第一内周面46となる部位のみに対して熱処理前表面加工を施してもよい。この場合、外側ジョイント部材10の第二内周面15となる部位、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位、保持器40の第二外周面45となる部位、及び、保持器40の第二内周面47となる部位に対して熱処理前表面加工を施さないので、熱処理前表面加工処理(S12)に要する時間の短縮を図ることができる。
上記した第一実施形態では、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において、外側ジョイント部材10となる部位の全域、内側ジョイント部材20となる部位の全域、保持器40の外周面41となる部位の全域、及び、保持器40の内周面42となる部位の全域に対して熱処理前表面加工を施し、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)において、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位、保持器40の第一外周面44となる部位、及び、保持器40の第一内周面46となる部位に対して熱処理後表面加工を施す場合について説明した。これに対し、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位、保持器40の第一外周面44となる部位、及び、保持器40の第一内周面46となる部位に対して熱処理前表面加工を施し、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)を省略してもよい。
この場合、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)を省略することにより、等速ジョイント100のリードタイムの短縮化を図ることができる。また、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において、外側ジョイント部材10の第一内周面14となる部位、内側ジョイント部材20の第一外周面24となる部位、保持器40の第一外周面44となる部位、及び、保持器40の第一内周面46となる部位に対して熱処理前表面加工を施す一方、外側ジョイント部材10の第二内周面15となる部位、内側ジョイント部材20の第二外周面25となる部位、保持器40の第二外周面45となる部位、及び、保持器40の第二内周面47となる部位に対して熱処理前表面加工を施さない。
よって、外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さを外側ジョイント部材10の第二内周面15よりも小さくすることができ、内側ジョイント部材20の第一外周面24の面粗さを内側ジョイント部材20の第二外周面25よりも小さくすることができる。また、保持器40の第一外周面44の面粗さを保持器40の第二外周面45の面粗さよりも小さくすることができ、保持器40の第一内周面46の面粗さを保持器40の第二内周面47の面粗さよりも小さくすることができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、等速ジョイント100がアンダーカットフリー型のジョイント中心固定式ボール型ジョイント(UFJ)である場合について説明したが、第二実施形態では、等速ジョイント200がダブルオフセット型の等速ジョイント(DOJ)である場合について説明する。なお、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(12.等速ジョイント200の概略構成)
図6に示すように、等速ジョイント200は、ダブルオフセット型の等速ジョイントであり、外側ジョイント部材210と、内側ジョイント部材220と、ボール30と、保持器240と、を備える。
外側ジョイント部材210は、回転軸線L1方向一方側(図6左側)が開口する有底筒状に形成される。外側ジョイント部材210は、内周面211と、6つの外側ボール溝212とを備える。外側ジョイント部材210の内周面211は、回転軸線L1を中心とする円筒内周面状に形成される。各々の外側ボール溝212は、回転軸線L1方向に延びる溝状に形成され、ボール30が転動する外側ボール溝212の転動面は、回転軸線L1を含む断面視において、回転軸線L1と平行に形成される。6つの外側ボール溝212は、回転軸線L1まわりに周方向等間隔に配置され、外側ジョイント部材210の内周面211と外側ボール溝212とは、面取り部213を介して接続される。
内側ジョイント部材220は、外周面221と6つの内側ボール溝222とを備える。内側ジョイント部材220の外周面221は、交点Oからオフセットした中心O3を中心とする球面形状に倣った凸球面状に形成される。各々の内側ボール溝222は、回転軸線L2方向に延びる溝状に形成され、ボール30が転動する内側ボール溝222の転動面は、回転軸線L2を含む断面視において、回転軸線L2と平行に形成される。6つの内側ボール溝222は、回転軸線L2まわりに周方向等間隔に配置される。また、内側ジョイント部材220の外周面221と内側ボール溝222とは、面取り部223を介して接続される。
保持器240は、環状の部材である。保持器240は、交点O及び中心3からオフセットした中心O4を中心とする球面形状に倣った凸球面状の外周面241と、中心O3を中心とする凹球面状の内周面242と、6つの窓部43とを備える。保持器240は、外側ジョイント部材210の内側において、外側ジョイント部材210及び内側ジョイント部材220に対して相対変位可能に支持される。
(13.内側ジョイント部材220の外周面221)
内側ジョイント部材220の外周面221は、第一外周面224と、第二外周面225と、第三外周面226とを備える。内側ジョイント部材220が外側ジョイント部材210の内側に配置されたとき、内側ジョイント部材220の第一外周面224は、外側ジョイント部材210の底側に、内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の第一外周面224よりも外側ジョイント部材210の開口側に、内側ジョイント部材220の第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225よりも外側ジョイント部材210の開口側に位置する。
内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の外周面221のうち、内側ジョイント部材20の外周面21の中心O3を通り、且つ、回転軸線L2に垂直な内側部材中央面P4と交わる部位を含む。内側ジョイント部材220の第一外周面224は、内側ジョイント部材220の第二外周面225との境界から外側ジョイント部材210の底側の端部にかけて形成され、内側ジョイント部材220の第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225との境界から外側ジョイント部材210の開口側の端部にかけて形成される。
(14.保持器240の内周面242)
保持器240の内周面242は、第一内周面246と、第二内周面247と、第三内周面248とを備える。保持器240が外側ジョイント部材210の内側に配置されたとき、保持器240の第一内周面246は、外側ジョイント部材210の底側に、保持器240の第二内周面247は、保持器240の第一内周面246よりも外側ジョイント部材210の開口側に、保持器240の第三内周面248は、保持器240の第二内周面247よりも外側ジョイント部材210の開口側に位置する。
保持器240の第二内周面247は、保持器240の内周面242のうち、中心O3を通り、且つ、回転軸線L3に垂直な保持器中央面P5と交わる部位を含む。保持器240の第一内周面246は、保持器240の第二内周面247との境界から保持器240の底側の端部にかけて形成され、保持器240の第三内周面248は、保持器240の第二内周面247との境界から外側ジョイント部材210の開口側の端部にかけて形成される。
(15.内側ジョイント部材220の外周面221と保持器240の内周面242との関係)
等速ジョイント200では、内側ジョイント部材220が保持器240に対して回転軸線L2方向へ相対移動すると、保持器240の内周面242に内側ジョイント部材220の外周面221が接触し、保持器240の内周面242に内側ジョイント部材220の外周面221が強く押し付けられる。
ここで、等速ジョイント200では、内側部材中央面P4と保持器中央面P5とが同一面上に位置するように内側ジョイント部材220及び保持器240を配置したときに、内側ジョイント部材220の第一外周面224と保持器240の第一内周面246との回転軸線L2,L3方向における間隔、及び、内側ジョイント部材220の第三外周面226と保持器240の第三内周面248との回転軸線L2,L3方向における間隔が、内側ジョイント部材220の第二外周面225と保持器240の第二内周面247との回転軸線L2,L3方向における間隔よりも小さくなるように形成されている。
従って、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225と比べて、保持器240の内周面242に接触する頻度が高く、保持器240の内周面242との接触により発生する負荷が大きい。同様に、保持器240の第一内周面246及び第三内周面248は、保持器240の第二内周面247と比べて、内側ジョイント部材220の外周面221に接触する頻度が高く、内側ジョイント部材220の外周面221との接触により発生する負荷が大きい。
この点に関し、本実施形態では、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226は、内側ジョイント部材220の第二外周面225よりも面粗さが小さく形成され、保持器240の第一内周面246及び第三内周面248は、保持器240の第二内周面247よりも面粗さが小さく形成される。従って、外側ジョイント部材210と内側ジョイント部材220との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材220の外周面221と保持器240の内周面242との接触に伴って発生する負荷が増大することはないため、等速ジョイント100としての機能を維持することができる。
一方、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226と比べ、保持器240の内周面242に接触する頻度が低く、保持器240の内周面242との接触により発生する負荷が同等以下である内側ジョイント部材220の第二外周面225は、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226よりも面粗さが大きく形成される。また、保持器240の第一内周面246及び第三内周面248と比べ、内側ジョイント部材220の外周面221に接触する頻度が低く、内側ジョイント部材220の外周面221との接触により発生する負荷が同等以下である保持器240の第二内周面247は、保持器240の第一内周面246及び第三内周面248よりも面粗さが大きく形成される。
よって、内側ジョイント部材220の製造工程において、面粗さを小さくするための表面加工を内側ジョイント部材220の外周面221に対して施す際、及び、保持器240の製造工程において、表面加工を保持器220の内周面242に対して施す際、内側ジョイント部材220の第二外周面225及び保持器240の第二内周面246の表面加工に要する時間の短縮を図ることができる。
なお、等速ジョイント200では、内側ジョイント部材220の第二外周面225の面粗さを、保持器240の第二内周面247の面粗さよりが大きく形成し、内側ジョイント部材220の第一外周面224及び第三外周面226を、保持器240の第一内周面246及び第三内周面248の面粗さよりも大きく形成する。これにより、表面加工に用いる工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗を抑制しつつ、等速ジョイント200のサイクルタイムの短縮を図ることができるので、等速ジョイント200の生産効率を向上させることができる。
(16.その他)
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第一実施形態では、保持器40,240の製造工程において、保持器40の第一外周面44及び第一内周面46となる部位に対する熱処理後表面加工として、研削加工を施す場合について説明したが、熱処理後表面加工として旋削加工を施してもよい。同様に、上記第一実施形態では、外側ジョイント部材10及び内側ジョイント部材20の製造工程において、外側ジョイント部材10の第一内周面14及び内側ジョイント部材20の第一外周面24に対する熱処理後表面加工として、旋削加工を施す場合について説明したが、熱処理後表面加工として研削加工を施してもよい。
上記第一実施形態では、外側ジョイント部材10の内周面11に関し、外側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の開口側の端部にかけて外側ジョイント部材10の第一内周面14が配置され、外側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の底側の端部にかけて外側ジョイント部材10の第二内周面15が配置される場合について説明したが、これに限られるものではない。即ち、少なくとも、外側部材中央面P1から外側ジョイント部材10の開口側を含み、且つ、保持器40の外周面41と接触し得る部位に外側ジョイント部材10の第一内周面14が配置され、その外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも外側ジョイント部材10の底側に、外側ジョイント部材10の第二内周面15が配置されていればよい。
同様に、内側ジョイント部材20の第一外周面24は、少なくとも内側部材中央面P2から外側ジョイント部材10の底側を含み、且つ、保持器40の内周面42と接触し得る部位に内側ジョイント部材20の第一外周面24が配置され、その内側ジョイント部材20の第一外周面24よりも外側ジョイント部材10の開口側に内側ジョイント部材20の第二外周面25が配置されていればよい。
また、保持器40の第一外周面44は、少なくとも保持器中央面P3から外側ジョイント部材10の開口側を含み、且つ、外側ジョイント部材10の内周面11と接触し得る部位に保持器40の第一外周面44が配置され、その保持器40の第一外周面44よりも外側ジョイント部材10の底側に保持器40の第二外周面45が配置されていればよい。同様に、保持器40の第一内周面46は、少なくとも保持器中央面P3から外側ジョイント部材10の底側を含み、且つ、内側ジョイント部材20の外周面21と接触し得る部位に保持器40の第一内周面46が配置され、その保持器40の第一内周面46よりも外側ジョイント部材10の開口側に保持器40の第二内周面47が配置されていればよい。
(17.効果)
上記したように、等速ジョイント100は、回転軸線L1方向一方側が開口する有底筒状に形成され、凹球面状の内周面11を有し、複数の外側ボール溝212が内周面11に形成され、内周面11と外側ボール溝12とが面取り部13を介して接続された外側ジョイント部材10と、外側ジョイント部材10の内側に配置され、凸球面状の外周面21を有し、複数の内側ボール溝22が外周面21に形成された内側ジョイント部材20と、複数の外側ボール溝12及び複数の内側ボール溝22を転動する複数のボール30と、外側ジョイント部材10の内周面11及び内側ジョイント部材20の外周面21の間に配置され、複数のボール30を1つずつ収容可能な複数の窓部43を有し、凸球面状の外周面41及び凹球面状の内周面42を有する保持器40と、を備える。
これに加え、保持器40の外周面41は、外側ジョイント部材10の開口側に位置する第一外周面44と、保持器40の第一外周面44よりも外側ジョイント部材10の底側に位置し、保持器40の第一外周面44よりも面粗さが大きく形成された第二外周面45と、を備える。これに加え、外側ジョイント部材10の内周面11は、外側ジョイント部材10の開口側に位置し、保持器40の第一外周面44よりも面さが大きく形成された第一内周面14と、外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも外側ジョイント部材10の底側に位置し、外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも面粗さが大きく形成された第二内周面15と、を備える。
等速ジョイント100は、上記した構成を備えることにより、保持器40の外周面41及び外側ジョイント部材10の内周面11に対し、面粗さを小さくするための表面加工に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイント100としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
ここで、保持器40の外周面において、外側ジョイント部材10の開口側に配置される保持器40の第一外周面44は、その保持器40の第一外周面44よりも外側ジョイント部材10の底側に配置される保持器40の第二外周面45と比べて、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が高い。また、外側ジョイント部材10の内周面11において、外側ジョイント部材10の開口側に配置される外側ジョイント部材10の第一内周面14は、その外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも外側ジョイント部材10の底側に配置される外側ジョイント部材10の第二内周面15よりも接触頻度が高い。
この点に関し、等速ジョイント100によれば、外側ジョイント部材10の内周面11との接触頻度が保持器40の第一外周面44よりも低い保持器40の第二外周面45の面粗さを、保持器40の第一外周面44の面粗さよりも大きくしている。さらに、保持器40の外周面41との接触頻度が外側ジョイント部材10の第一内周面14よりも低い外側ジョイント部材10の第二内周面15の面粗さを、外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さよりも大きくしている。これにより、保持器40の外周面41及び外側ジョイント部材10の内周面11に対する表面加工に要する時間を短縮できる。
その一方で、等速ジョイント100によれば、保持器40の第二外周面45と比べて外側ジョイント部材10の内周面11との接触頻度が高い保持器40の第一外周面44の面粗さを、保持器40の第二外周面45の面粗さよりも小さくしている。さらに、外側ジョイント部材10の第二内周面15と比べて保持器40の外周面41との接触頻度が高い外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さを、外側ジョイント部材10の第二内周面15の面粗さよりも小さくしている。これにより、保持器40の外周面41と外側ジョイント部材10の内周面11との接触に伴って発生する負荷が増大することはない。
これに加え、等速ジョイント100によれば、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、保持器40の第一外周面44よりも面粗さが大きく形成されるので、等速ジョイント100の生産効率を向上させることができる。
即ち、保持器40は窓部43を備えるので、保持器40の外周面41に対する表面加工は、断続加工を行う必要がある。この点に関し、保持器40の外周面41に対して表面加工を施す際に、表面加工に用いる工具や研削砥石等の送り速度を上昇させ、表面加工に要する時間の短縮を図ろうとした場合、工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗等が発生しやすく、生産効率を却って低下させるおそれがある。
一方、外側ジョイント部材10は外側ボール溝12を備えるので、外側ジョイント部材10の内周面11に対する表面加工についても、断続加工を行う必要がある。しかしながら、外側ジョイント部材10は、外側ボール溝12と外側ジョイント部材10の内周面11とが面取り部13を介して接続されている。従って、外側ジョイント部材10の内周面11に表面加工を施すにあたり、工具や研削砥石等の送り速度よりも上昇させたとしても、工具のチッピングや研削砥石の早期摩耗等の発生が抑制される。
そこで、等速ジョイント100では、外側ジョイント部材10の第一内周面14に表面加工を施す際の工具や研削砥石等の送り速度を、保持器40の第一外周面44に表面加工を施す際の工具や研削砥石等の送り速度よりも上昇させることで、外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さが、保持器40の第一外周面44の面粗さよりも大きく形成される。このように、等速ジョイント100によれば、外側ジョイント部材10の第一内周面14が、保持器40の第一外周面44よりも面粗さが大きく形成されるので、等速ジョイント100の生産効率を向上させることができる。
等速ジョイント100において、外側ジョイント部材10の第二内周面15は、保持器40の第二外周面45よりも面粗さが大きく形成される。この等速ジョイント100によれば、等速ジョイント100の生産効率を向上させることができる。
等速ジョイント100において、外側ジョイント部材10の第一内周面14と保持器40の第一外周面44,244とが接触する際に生じる負荷は、外側ジョイント部材10の第二内周面15と保持器40の第二外周面45とが接触する際に生じる負荷と同等以上である。この場合、保持器40の外周面41と外側ジョイント部材10の内周面11との接触に伴って発生するトルク負荷の軽減を図ることができる。
等速ジョイント100において、保持器40の第一外周面44は、保持器40の外周面41の中心を通り、且つ、保持器40の回転軸線L3に垂直な保持器中央面P3と交わる部位から、外側ジョイント部材10の開口側の端部にかけて配置され、保持器40の第二外周面45は、保持器中央面P3と交わる部位から、外側ジョイント部材10の底側にかけて配置される。
これに加え、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の内周面11の中心を通り、且つ、外側ジョイント部材10の回転軸線L1に垂直な外側部材中央面P1と交わる部位から、外側ジョイント部材10の開口側の端部にかけて配置され、外側ジョイント部材10の第二内周面15は、外側部材中央面P1と交わる部位から、外側ジョイント部材10の底側の端部にかけて配置される。
この等速ジョイント100によれば、外側ジョイント部材10の第一内周面14は、外側ジョイント部材10の内周面11のうち、保持器40の外周面41に接触する頻度が高い部位に形成される。また、保持器40の第一外周面44は、保持器40の外周面41のうち、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が高い部位に形成される。よって、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材20との間でトルクを伝達する際に、内側ジョイント部材20の外周面21と保持器40の内周面42との接触に伴って発生する負荷が増大することがない。
一方、外側ジョイント部材10の第二内周面15は、外側ジョイント部材10の第一内周面14と比べて、保持器40の外周面41に接触する頻度が低い部位に形成される。また、保持器40の第二外周面45は、保持器40の第一外周面44と比べて、外側ジョイント部材10の内周面11に接触する頻度が低い部位に形成される。よって、等速ジョイント100としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
上記した等速ジョイント100の製造方法であって、保持器40及び外側ジョイント部材10の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程(S11,S21,S31)と、鍛造工程(S11,S21,S31)により形成された保持器40及び外側ジョイント部材10に熱処理を施す熱処理工程(S13,S23,S33)と、熱処理工程(S13,S23,S33)により熱処理が施された保持器40の外周面41の一部及び外側ジョイント部材10の内周面11の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)と、を備える。
これに加え、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)は、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14に対して熱処理後表面加工を施し、保持器40の第二外周面45及び外側ジョイント部材10の第二内周面15に対して熱処理後表面加工を施さない。
この等速ジョイント100の製造方法によれば、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)において、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14に対して熱処理後表面加工を施すことにより、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さを小さく形成することができる。
一方、等速ジョイント100の製造方法によれば、保持器40の第二外周面45及び外側ジョイント部材10の第二内周面15に対して熱処理後表面加工を施さないことにより、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイント100としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
上記した等速ジョイント100の製造方法において、熱処理後表面加工工程(S14,S24,S34)は、保持器40の第一外周面44に対する熱処理後表面加工として研削加工を施し、外側ジョイント部材10の第一内周面14に対する熱処理後表面加工として旋削加工を施す。この場合、外側ジョイント部材10の第一内周面14に対する熱処理後表面加工に要する時間の短縮を図りつつ、保持器40の第一外周面44を十分に小さくすることができる。
上記した等速ジョイント100の製造方法であって、保持器40及び外側ジョイント部材10の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程(S11,S21,S31)と、鍛造工程(S11,S21,S31)により形成された保持器40の外周面41の一部及び外側ジョイント部材10の内周面11の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)と、熱処理前表面加工が施された保持器40及び外側ジョイント部材10に熱処理を施す熱処理工程(S13,S23,S33)と、を備える。
これに加え、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)は、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14に対して熱処理前表面加工を施し、保持器40の第二外周面45及び外側ジョイント部材10の第二内周面15に対して熱処理前表面加工を施さない。
この等速ジョイント100の製造方法によれば、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)において、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14に対して熱処理前表面加工を施すことにより、保持器40の第一外周面44及び外側ジョイント部材10の第一内周面14の面粗さを小さく形成することができる。
一方、等速ジョイント100の製造方法によれば、保持器40の第二外周面45及び外側ジョイント部材10の第二内周面15に対して熱処理前表面加工を施さないことにより、熱処理前表面加工工程(S12,S22,S32)に要する時間を短縮できる。従って、等速ジョイント100としての性能を維持しつつ、等速ジョイント100を製造する加工サイクルタイムの短縮を図ることができる。
10,210:外側ジョイント部材、 11,211:(外側ジョイント部材の)内周面、 12,212:外側ボール溝、 13,213:面取り部、 14,214:(外側ジョイント部材の)第一内周面、 15,215:(外側ジョイント部材の)第二内周面、 20,220:内側ジョイント部材、 21,221:(内側ジョイント部材の)外周面、 22,222:内側ボール溝、 30:ボール、 40,240:保持器、 41,241:(保持器の)外周面、 42,242:(保持器の)内周面、 43:窓部、 46,246:(保持器の)第一内周面、 47,247:(保持器の)第二内周面、 100,200:等速ジョイント、 L1:(外側ジョイント部材の)回転軸線、 L2:(内側ジョイント部材の)回転軸線、 L3:(保持器の)回転軸線、 P1:外側部材中央面、 P3,P5:保持器中央面、 S11:鍛造工程、 S12:熱処理前表面加工工程、 S13:熱処理工程、 S14:熱処理後表面加工工程

Claims (7)

  1. 回転軸線方向一方側が開口する有底筒状に形成され、凹球面状の内周面を有し、複数の外側ボール溝が前記内周面に形成され、前記内周面と前記外側ボール溝とが面取り部を介して接続された外側ジョイント部材と、
    前記外側ジョイント部材の内側に配置され、凸球面状の外周面を有し、複数の内側ボール溝が前記外周面に形成された内側ジョイント部材と、
    前記複数の外側ボール溝及び前記複数の内側ボール溝を転動する複数のボールと、
    前記外側ジョイント部材の前記内周面及び前記内側ジョイント部材の前記外周面の間に配置され、前記複数のボールを1つずつ収容可能な複数の窓部を有し、凸球面状の外周面及び凹球面状の内周面を有する保持器と、
    を備え、
    前記保持器の前記外周面は、
    前記外側ジョイント部材の開口側に位置する第一外周面と、
    前記保持器の前記第一外周面よりも前記外側ジョイント部材の底側に位置し、前記保持器の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第二外周面と、
    を備え、
    前記外側ジョイント部材の前記内周面は、
    前記外側ジョイント部材の開口側に位置し、前記保持器の前記第一外周面よりも面粗さが大きく形成された第一内周面と、
    前記外側ジョイント部材の前記第一内周面よりも前記外側ジョイント部材の底側に位置し、前記外側ジョイント部材の前記第一内周面よりも面粗さが大きく形成された第二内周面と、
    を備える、等速ジョイント。
  2. 前記外側ジョイント部材の前記第二内周面は、前記保持器の前記第二外周面よりも面粗さが大きく形成される、請求項1に記載の等速ジョイント。
  3. 前記外側ジョイント部材の前記第一内周面と前記保持器の前記第一外周面とが接触する際に生じる負荷は、前記外側ジョイント部材の前記第二内周面と前記保持器の前記第二外周面とが接触する際に生じる負荷と同等以上である、請求項1又は2に記載の等速ジョイント。
  4. 前記保持器の前記第一外周面は、前記保持器の前記外周面の中心を通り、且つ、前記保持器の回転軸線に垂直な保持器中央面と交わる部位から、前記外側ジョイント部材の開口側の端部にかけて配置され、
    前記保持器の前記第二外周面は、前記保持器中央面と交わる部位から、前記外側ジョイント部材の底側にかけて配置され、
    前記外側ジョイント部材の前記第一内周面は、前記外側ジョイント部材の前記内周面の中心を通り、且つ、前記外側ジョイント部材の回転軸線に垂直な外側部材中央面と交わる部位から、前記外側ジョイント部材の開口側の端部にかけて配置され、
    前記外側ジョイント部材の前記第二内周面は、前記外側部材中央面と交わる部位から、前記外側ジョイント部材の底側の端部にかけて配置される、請求項1−3の何れか一項に記載の等速ジョイント。
  5. 前記1−4の何れか一項に記載の等速ジョイントの製造方法であって、
    前記保持器及び前記外側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、
    前記鍛造工程により形成された前記保持器及び前記外側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、
    前記熱処理工程により熱処理が施された前記保持器の前記外周面の一部及び前記外側ジョイント部材の前記内周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理後表面加工を施す熱処理後表面加工工程と、
    を備え、
    前記熱処理後表面加工工程は、前記保持器の前記第一外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第一内周面に対して前記熱処理後表面加工を施し、前記保持器の前記第二外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第二内周面に対して前記熱処理後表面加工を施さない、等速ジョイントの製造方法。
  6. 前記熱処理後表面加工工程は、前記保持器の前記第一外周面に対する前記熱処理後表面加工として研削加工を施し、前記外側ジョイント部材の前記第一内周面に対する前記熱処理後表面加工として旋削加工を施す、請求項5に記載の等速ジョイントの製造方法。
  7. 請求項1−4の何れか一項に記載の等速ジョイントの製造方法であって、
    前記保持器及び前記外側ジョイント部材の外形形状を鍛造により形成する鍛造工程と、
    前記鍛造工程により形成された前記保持器の前記外周面の一部及び前記外側ジョイント部材の前記内周面の一部に対し、表面粗さを小さくするための熱処理前表面加工を施す熱処理前表面加工工程と、
    前記熱処理前表面加工が施された前記保持器及び前記外側ジョイント部材に熱処理を施す熱処理工程と、
    を備え、
    前記熱処理前表面加工工程は、前記保持器の前記第一外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第一内周面に対して前記熱処理前表面加工を施し、前記保持器の前記第二外周面及び前記外側ジョイント部材の前記第二内周面に対して前記熱処理前表面加工を施さない、等速ジョイントの製造方法。
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