JP2017105693A - 金属塩化物製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願の第1の実施形態に係る金属塩化物製造方法を、図1のフローチャートに従い説明する。
先ず、原料として、海水を濃縮することによって、食用塩を取り除いた後に得られた苦汁を用いる。この苦汁としては、海水を濃縮し、さらに硫酸イオンを含む不純物(CaSO4・2H2O等)を除去して得られる潅水を用いることも可能である。また、このような原料となる海水は、通常の海水の他に、例えば、海水から逆浸透膜処理することにより排水として得られた濃縮海水を利用することも可能である。
次に、この得られた冷凍液を加熱して冷却し、濃縮された金属塩化物(例えば、塩化マグネシウム)を得る(S2:濃縮工程)。この加熱と冷却を繰り返すことによって、高純度な金属塩化物を容易に得ることができる。
NaCl → Na+ + Cl-
MgSO4 → Mg2+ + SO4 2-
2Na+ + SO4 2- → Na2SO4・10H2O
Mg2+ + 2Cl- → MgCl2・6H2O
本願の第2の実施形態に係る金属塩化物製造方法を、図3(a)のフローチャートに従い説明する。
本願の第3の実施形態に係る金属塩化物製造方法を、以下説明する。
本願の第4の実施形態に係る金属塩化物製造方法を以下説明する。
本願の第5の実施形態に係る金属塩化物製造方法を、図5〜図8と共に以下説明する。
第二冷凍工程(S1−1)では、先ず、前記冷凍工程で得られた冷凍液にカルシウム化合物の飽和溶液を添加する。このカルシウム化合物としては、特に限定されないが、ハロゲン化カルシウム化合物を用いることが好ましく、より好ましくは、塩化カルシウムである。
第二濃縮工程(S1−2)では、先ずは、この第二の冷凍液からエタノールを除去する。このエタノールの除去方法については、特に限定されないが、例えば、アスピレーターを用いた一般的な減圧蒸留装置(真空蒸留)で実施することができる。添加したエタノール量に相当するエタノールが蒸留できた時点において温度を室温まで戻し、アスピレーターによる減圧を止めて大気圧に戻し、加熱する。加熱温度は、特に限定されないが、50℃〜90℃が好ましく、例えば、85℃で加熱することができる。この後、冷却する。この冷却は、例えば、30℃とすることができ、放冷によって実施してもよい。この冷却によって、濃縮された金属塩化物であるカーナライト及び当該残液としての冷凍液を得る。カーナライト及び当該残液としての冷凍液は、時間効率性の観点から、濾過分離した後に、真空乾燥(例えば60℃)して分離回収して得ることも可能である。
海水から得られた苦汁100ml(比重d=1.22〜1.27)を用意した。この苦汁を冷蔵庫(三菱ノンフロン冷凍冷蔵庫(MR−A41N−W型、冷凍室:80リットル(2008年製)、冷蔵:強=−2℃、冷凍:弱=−15℃、冷凍:中=−18℃、冷凍:強=−22℃(外気温度26.5℃下))を用いて、冷凍して−18℃で4.5時間維持して冷凍液を得た(冷凍工程)。CA熱電対を用いて温度計測を行い、この冷凍液を50℃まで加熱した後、常温まで冷却し、この加熱と冷却を2時間繰り返し、濃縮された金属塩化物である塩化マグネシウムを得た(濃縮工程)。
また、もう1つのサンプルとして、上記と同様の手順に従い、さらに、冷凍液を得る前に20vol%エタノール溶液を添加し、その後、冷凍液を加熱する前に、冷凍液からこのエタノールを除去したサンプルを得た。このエタノールの除去には、アスピレーターを用いた一般的な減圧蒸留装置で実施した。減圧蒸留ではエタノールを含む冷凍液を50℃に暖め、225mmHgに減圧した(上記図3(b)に示す減圧化沸点換算図表を参照した)。添加したエタノール量に相当するエタノールが蒸留できた時点において温度を室温まで戻し、アスピレーターによる減圧を止めて大気圧に戻した。
上記の実施例1及び2の冷凍工程において、苦汁(d=1.25〜1.26)を原料として、冷凍温度の時間に対する変動を測定した。その時間のうち、MgCl2が生成され始めた時間(即ち、Na2SO4が生成され始めた時間)との相関関係を確認した結果を図12に示す。
上記の実施例1及び2の冷凍工程において、潅水(d=1.21〜1.22)を原料として、冷凍温度の時間に対する変動を測定した。その時間のうち、MgCl2が生成され始めた時間(即ち、Na2SO4が生成され始めた時間)との相関関係を確認した。
また、もう1つのサンプルとして、原料に加熱した苦汁(200ml:d=1.26)を用いて、図7及び図8に示した上記第5の実施形態と同様の手順に従い、上述の溶液(A)〜(H)について、水平型X線構造解析装置(XRD7000、島津製作所製)で解析したXRD回折パターンの結果を図16に示す。また、原料に天日で乾燥した苦汁を用いた場合について、飽和塩化カルシウム溶液を添加( 無水CaCl2 75g / 水100ml:20℃)後に、エタノール添加(50vol%)して得られた溶液を冷凍(冷却)して晶析した析出物(溶液(D))について、水平型X線構造解析装置(XRD7000、島津製作所製)で解析したXRD回折パターンの結果を図17(a)に示す。得られた結果から、塩化カリウムの生成が確認された。
また、上記実施例5と同じ手順で、原料に加熱した苦汁を1000ml(d=1.25)にスケールアップして実施した。図7及び図8に示した上記第5の実施形態と同様の手順に従い、塩化カルシウム飽和溶液の添加では、200mlの塩化カルシウム飽和溶液を5分間添加し、エタノール添加では、500mlのエタノール溶液を30秒間添加し、上述の溶液(A)〜(H)について、水平型X線構造解析装置(XRD7000、島津製作所製)で解析したXRD回折パターンの結果を図18に示す。特に、溶液(E)及び溶液(G、H)のXRD回折パターンの結果を図19に示す。この結果から、溶液(E)から塩化カリウムが、溶液(G、H)から塩化マグネシウムが確認された。
Claims (8)
- アルカリ金属元素及び/又はアルカリ土類金属元素を含む金属塩化物を製造する金属塩化物製造方法であって、
海水から得られる苦汁を冷凍して冷凍液を得る冷凍工程と、
前記冷凍液を加熱して冷却し、濃縮された金属塩化物を得る濃縮工程と、
を含むことを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1に記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程で得られた冷凍液にカルシウム化合物の飽和溶液を添加し、当該添加により得られた溶液にエタノールを添加し、当該添加により得られた溶液を冷凍して、濃縮された金属塩化物である塩化カリウム及び当該残液としての第二の冷凍液を得る第二冷凍工程と、
前記第二冷凍工程により得られた第二の冷凍液からエタノールを除去して、加熱して冷却し、濃縮された金属塩化物であるカーナライト及び当該残液としての冷凍液を得る第二濃縮工程とを含み、
前記濃縮工程が、前記第二濃縮工程で得られた前記冷凍液を加熱して冷却し、濃縮された金属塩化物である塩化マグネシウムを得ることを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項2に記載の金属塩化物製造方法において、
前記第二濃縮工程により得られたカーナライトを、前記冷凍工程で得られた冷凍液に還流する還流工程と
を含むことを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程の冷凍温度が、0℃〜−25℃であることを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程の冷凍時間が、2時間〜12時間であることを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程で冷凍される前の前記苦汁にエタノールを添加する添加工程と、
前記冷凍工程で得られた前記冷凍液からエタノールを除去する除去工程と
を含むことを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程が、冷凍温度の時間に対する微分値が変曲点となる時点に基づいて、前記冷凍液を得ることを特徴とする
金属塩化物製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の金属塩化物製造方法において、
前記冷凍工程が、前記冷凍液の外観が透明状態から白濁状態に遷移した時点に基づいて、前記冷凍液を得ることを特徴とする
金属塩化物製造方法。
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