JP2017105691A - シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却機構を備えた単結晶製造装置を用いる場合において、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融できるシリコン単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】原料を収容するための石英るつぼ、原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する方法であって、原料の溶融を開始する前に、冷却機構の内側に冷却機構を覆うように円筒型のカバーを配置し、原料溶融が終了した後、カバーを取り外してからシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイスの基板等に用いられるシリコンウェーハを切り出すシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置に関する。
半導体デバイス向け基板として用いられる材料には、例えばシリコンウェーハがあり、そのシリコンウェーハは主にチョクラルスキー法(CZ法)で製造されたシリコン単結晶から切り出される。CZ法によりシリコン単結晶を製造する場合、石英るつぼに多結晶シリコン原料を充填し、黒鉛ヒーターにより原料を溶融した後、シリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる。石英るつぼ内に収容する原料が多いほど引き上げられるシリコン単結晶の長さが長くなり、効率的な単結晶製造が可能になる。石英るつぼ内に収容するシリコン融液を多くする方法としては、あらかじめ石英るつぼにチャージしたシリコン原料を溶融した後、シリコン原料を追加投入し溶融する工程を何度か繰り返す追加チャージ(リチャージ)が知られている。
また、シリコン単結晶の成長速度を速くする方法として、シリコン単結晶とシリコン融液の界面近傍の温度勾配を大きくすることが行われている。界面近傍の温度勾配を大きくするためには、引き上げる結晶を包囲するように冷却筒等の冷却機構を設けることが有効である。ここで、図6に、冷却機構を備えた従来のシリコン単結晶製造装置の一例を示す。図6に示される従来のシリコン単結晶製造装置は、メインチャンバー101、トップチャンバー102、引き上げチャンバー103、多結晶シリコン原料104を収容するための石英るつぼ105、石英るつぼ105を支持するための黒鉛るつぼ106、多結晶シリコン原料104を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター107、黒鉛ヒーター107からの熱を遮断するための断熱部材108、シリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダー109、ガスを排気するためのガス流出口110、ガスを導入するためのガス導入口111、ガスをメインチャンバー101に導くためのガス整流筒112、石英るつぼ105から引き上げられるシリコン単結晶に対して黒鉛ヒーター107から供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材113、及び育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却筒114を具備する。
しかし、このような冷却機構(例えば、図6の冷却筒114)を設けることで、引き上げ中の結晶と融液の界面近傍の温度勾配を大きくすることはできるが、原料溶融中でも冷却機構は熱を吸収するため、冷却機構があるためにかえって原料溶融時間が長時間化し、またより高い電力が必要になり電力効率が悪くなるという問題があった。
そこで、CZ法において原料溶融を短時間で行う技術として、特許文献1では、原料溶融中に石英るつぼ周囲に設置する黒鉛ヒーターとは別に原料溶融用のヒーターを石英るつぼ上部に配置して、石英るつぼ上部から原料シリコンに熱を与えることで、短時間で原料を溶融できる装置が提案されている。しかし、このような装置では、原料溶融用ヒーターを石英るつぼ上部に配置する機構を設けるため、装置が複雑化するという問題があった。また、冷却機構を備えた単結晶製造装置では、原料溶融用ヒーターから与えられる熱が冷却機構にも吸収されるため、電力効率が悪いという問題もあった。
一方、特許文献2では、原料溶融時に石英るつぼ上部を内面に反射構造を備えたドーム型の石英板で覆い、石英るつぼ中のシリコン原料からの輻射熱を反射することで熱の逃げを防ぐ装置が提案されている。このような装置であれば、装置を複雑にすることなく、熱効率良く原料を溶融することが可能である。しかし、この装置では原料の追加投入(追加チャージ)をする度に石英板を炉外へ取り出す必要がある。石英板を炉外へ取り出すためには、炉内の圧力をその都度調整し、また高温になっている石英板の冷却を待つ必要もあり、時間効率が非常に悪いという問題があった。
特開平11−228284号公報 特開2009−155131号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、冷却機構を備えた単結晶製造装置を用いる場合において、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融することができるシリコン単結晶の製造方法、及びこのような製造を可能とするシリコン単結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する方法であって、前記原料の溶融を開始する前に、前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように円筒型のカバーを配置し、前記原料溶融が終了した後、前記カバーを取り外してから前記シリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融することができる。
また、前記冷却機構として、前記育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒を用いることが好ましい。
このような冷却筒を用いれば、育成中のシリコン単結晶をより効率的に冷却することができる。
更に、前記冷却筒として、該冷却筒の内側に冷却補助筒を備えたものを用いることが好ましい。
このような冷却補助筒を備えた冷却筒を用いれば、育成中のシリコン単結晶を更に効率的に冷却することができる。
また、前記原料の溶融において、あらかじめ前記石英るつぼ内に充填した原料を溶融した後、原料を追加投入して溶融し、該追加投入した原料の溶融が終了してから前記カバーを取り外すことが好ましい。
本発明の製造方法であれば、このように追加チャージをする場合にも、カバーを付けたまま原料を追加投入することができるため、時間効率を大幅に悪化させることなく容易に追加チャージを行うことができる。
また、前記カバーとして、黒鉛製のものを用いることが好ましい。
黒鉛製のカバーを用いれば、安価であり、不純物の発生もほとんどない。
また、前記カバーの取り外しにおいて、前記原料を溶融したシリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダーに装着された可動のフランジ部を有する取り出し治具を用い、該取り出し治具を前記カバーの内側を通して前記カバーの下端部より下側に降下させ、前記フランジ部を広げて固定してから、前記種結晶ホルダーを上昇させることにより前記フランジ部で前記カバーの下端部を支持しながら前記カバーを持ち上げて取り外すことが好ましい。
このような方法であれば、取り出し治具を用いてカバーの取り外しを容易に行うことができる。
また、本発明では、原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置であって、前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように配置された脱着可能な円筒型のカバーを備えたものであるシリコン単結晶製造装置を提供する。
このような製造装置であれば、複雑な機構を設けなくとも、短時間で効率的に原料を溶融することができる。
また、前記冷却機構が、前記育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒であることが好ましい。
このような冷却筒であれば、育成中のシリコン単結晶をより効率的に冷却することができる。
更に、前記冷却筒が、該冷却筒の内側に冷却補助筒を備えたものであることが好ましい。
このような冷却補助筒を備えた冷却筒であれば、育成中のシリコン単結晶を更に効率的に冷却することができる。
また、前記カバーが、黒鉛製のものであることが好ましい。
黒鉛製のカバーであれば、安価であり、不純物の発生もほとんどない。
また、前記シリコン単結晶製造装置が、前記原料を溶融したシリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダーを備えたものであり、かつ該種結晶ホルダーが、前記カバーを取り外すための可動のフランジ部を有する取り出し治具を装着可能なものであることが好ましい。
このような製造装置であれば、取り出し治具を用いてカバーの取り外しを容易に行うことができる。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置であれば、冷却機構を備えた単結晶製造装置を用いる場合において、原料溶融前に冷却機構を覆うカバーを取り付けることで、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融することができ、原料溶融後にカバーを取り外せば、単結晶引き上げ中の冷却機構による冷却を従来通りに行うことができるため、効率良くシリコン単結晶の製造を行うことができる。また、原料の追加チャージをする場合にも、カバーを付けたまま原料を追加投入することができるため、時間効率を大幅に悪化させることなく容易に追加チャージを行うことができる。更に、取り出し治具を用いることで、カバーの取り外しも容易に行うことができる。
本発明のシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶製造装置の別の一例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶製造装置のカバーを取り外すための取り出し冶具の一例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例を示すフロー図である。 実施例及び比較例における原料溶融開始から終了までに要した時間を比較したグラフである。 比較例で使用した従来のシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
上述のように、冷却機構を備えた単結晶製造装置を用いる場合において、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融することができるシリコン単結晶の製造方法、及びこのような製造を可能とするシリコン単結晶製造装置の開発が求められていた。
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、原料溶融前に冷却機構の内側に断熱用の脱着可能な円筒型カバーを配置することで、製造装置を複雑にすることなく、原料溶融中の冷却機構による熱の吸収を抑制し、原料溶融の熱効率と時間効率を向上させることができ、原料溶融後にカバーを取り外せば、単結晶引き上げ中の冷却機構による冷却を従来通りに行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の製造方法は、原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する方法であって、前記原料の溶融を開始する前に、前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように円筒型のカバーを配置し、前記原料溶融が終了した後、前記カバーを取り外してから前記シリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法である。
また、本発明の製造装置は、原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置であって、前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように配置された脱着可能な円筒型のカバーを備えたものであるシリコン単結晶製造装置である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<シリコン単結晶製造装置>
まず、本発明のシリコン単結晶製造装置について説明する。図1は、本発明のシリコン単結晶製造装置の一例を示す概略図である。図1のシリコン単結晶製造装置は、メインチャンバー1、トップチャンバー2、引き上げチャンバー3、多結晶シリコン原料4を収容するための石英るつぼ5、石英るつぼ5を支持するための黒鉛るつぼ6、多結晶シリコン原料4を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター7、黒鉛ヒーター7からの熱を遮断するための断熱部材8、シリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダー9、ガスを排気するためのガス流出口10、ガスを導入するためのガス導入口11、ガスをメインチャンバー1に導くためのガス整流筒12、石英るつぼ5から引き上げられるシリコン単結晶に対して黒鉛ヒーター7から供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材13、熱遮蔽部材13より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却筒14、及び冷却筒14の内側に冷却筒14を覆うように配置された脱着可能な円筒型のカバー15を具備する。
カバー15は、脱着可能なものであるため、原料溶融前に装着して原料溶融中の冷却機構(冷却筒14)による熱の吸収を抑制し、原料の溶融が終わったら単結晶の引き上げ前に取り外すことで、単結晶引き上げ中の冷却機構による熱の吸収(冷却)を従来通り行うことを可能とするものである。
また、本発明の製造装置では、原料の追加チャージをする場合にも、カバー15を付けたまま原料を追加投入することができるため、時間効率を大幅に悪化させることなく容易に追加チャージを行うことができる。
なお、カバー15は、冷却筒14との間に空隙を有するように配置されるものとすることが好ましい。カバー15と冷却筒14の間に空隙を有していれば、カバー15自体による黒鉛ヒーター7からの輻射熱をカットする効果に加えて、カバー15から冷却筒14への伝熱が抑制され、原料溶融中の冷却機構による熱の吸収をより効果的に抑制することができる。
また、カバー15は、特に限定されないが、黒鉛製のものであることが好ましい。黒鉛製のカバーであれば、安価であり、不純物の発生もほとんどない。
また、カバー15で覆う範囲を冷却機構の全高以上とすれば、原料溶融中の石英るつぼ内の原料から冷却機構の表面に対して直接輻射熱が当たるのを防ぐことができ、溶融効率が低下するのを防ぐことができるため、好ましい。
また、冷却機構は冷却筒14に限定されないが、育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒であれば、育成中のシリコン単結晶をより効率的に冷却することができる。なお、冷却筒としては、例えば水冷式のものなどを好適に用いることができる。
また、図2は本発明のシリコン単結晶製造装置の別の一例を示す概略図であるが、図2に示されるように、冷却筒14の内側に冷却補助筒16を備えたものとすれば、育成中のシリコン単結晶を更に効率的に冷却することができる。なお、冷却補助筒16を冷却筒14と直接接触するように設置することで、冷却補助筒16から冷却筒14への伝熱が促進されるため、冷却効率を更に向上させることができる。
なお、カバー15は、図1のように冷却筒14が冷却補助筒16を備えていないものの場合には冷却筒14の内側に配置すればよく、図2のように冷却筒14の内側に冷却補助筒16を備えたものの場合には冷却補助筒16の内側に配置すればよい。
また、種結晶ホルダー9は、カバー15を取り外すための取り出し治具を装着可能なものであることが好ましい。図3は、本発明のシリコン単結晶製造装置のカバーを取り外すための取り出し冶具の一例を示す概略図である。図3の取り出し治具17は、種結晶ホルダー9に装着されており、可動のフランジ部18を有している。このフランジ部18は、図3に示されるように、外側に広げることができる構造になっており、フランジ部18を広げた状態とすることでカバー15の下端部を支持しながらカバー15を持ち上げることができるものである。このように、種結晶ホルダー9が取り出し治具17を装着可能なものであれば、取り出し治具17を用いてカバーの取り外しを容易に行うことができるため好ましい。なお、取り出し治具を用いてカバーを取り外す際の具体的な手順については後述する。
<シリコン単結晶の製造方法>
次に、本発明のシリコン単結晶の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、上述の本発明のシリコン単結晶製造装置を用いて行うことができる。ここで、図4(a)〜(f)に本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例のフロー図を示す。図4の製造方法では、まず、石英るつぼ内に原料を充填する(図4(a))。次に、冷却機構の内側に冷却機構を覆うように円筒型のカバーを配置する(図4(b))。なお、カバーの配置は、原料の溶融を開始する前であればよいため、石英るつぼへの原料の充填前にカバーを配置しておいてもよい。次に、石英るつぼ内に充填した原料を黒鉛ヒーターにより加熱して溶融させる(図4(c))。追加チャージを行わない場合は、図4(c)の原料溶融が終了したら、冷却機構の内側に配置したカバーを取り外す(図4(e))。一方、追加チャージを行う場合は、図4(c)の原料溶融が終了した後、原料を追加投入し、黒鉛ヒーターで加熱して溶融させる(図4(d))。なお、この追加チャージは複数回行ってもよい。図4(d)の追加投入した原料の溶融が終了したら、冷却機構の内側に配置したカバーを取り外す(図4(e))。そして、カバーを取り外した状態で、シリコン単結晶を引き上げる(図4(f))。
なお、上述のように、安価であり、不純物の発生もほとんどないことから、冷却機構の内側に配置するカバーとしては、黒鉛製のものを用いることが好ましい。また、原料溶融中の冷却機構による熱の吸収をより効果的に抑制できることから、カバーは、冷却筒との間に空隙を有するように配置することが好ましい。
また、冷却機構としては、育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒を用いることが好ましく、更には、冷却筒の内側に冷却補助筒を備えたものを用いることが好ましい。このような冷却機構を用いることで、育成中のシリコン単結晶をより効率的に冷却することができる。
また、本発明の製造方法では、上記のように、必要に応じて原料の追加チャージを行ってもよい。本発明の製造方法であれば、追加チャージをする場合にも、カバーを付けたまま原料を追加投入することができるため、その都度カバーを取り外す必要がない。従って、時間効率を大幅に悪化させることなく容易に追加チャージを行うことができる。
また、上述のように、カバーの取り外しは、図3に示される種結晶ホルダー9に装着された可動のフランジ部18を有する取り出し治具17を用いて行うことが好ましい。具体的な手順としては、種結晶ホルダー9に装着された取り出し治具17をカバーの内側を通してカバーの下端部より下側に降下させ、フランジ部18を広げて固定してから、種結晶ホルダー9を上昇させることにより、フランジ部18でカバーの下端部を支持しながらカバーを持ち上げて取り外すことができる。このような方法であれば、カバーの取り外しを容易に行うことができる。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置であれば、冷却機構を備えた単結晶製造装置を用いる場合において、原料溶融前に冷却機構を覆うカバーを取り付けることで、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融することができ、原料溶融後にカバーを取り外せば、単結晶引き上げ中の冷却機構による冷却を従来通りに行うことができるため、効率良くシリコン単結晶の製造を行うことができる。また、原料の追加チャージをする場合にも、カバーを付けたまま原料を追加投入することができるため、時間効率を大幅に悪化させることなく容易に追加チャージを行うことができる。更に、取り出し治具を用いることで、カバーの取り外しも容易に行うことができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
図1に示される冷却筒14の内側に脱着可能な円筒型のカバー15を備えた本発明のシリコン単結晶製造装置を用いて、黒鉛製のカバー15を装着した状態で原料の溶融を行い、原料溶融開始から終了までに要した時間を計測した。なお、石英るつぼの口径は800mm、使用した原料の総量は250kg、300kg、350kg、400kgの4条件で、原料溶融前にるつぼに充填する原料量は250kgとし、それ以上の原料は50kgずつ追加投入(追加チャージ)した。即ち、使用原料量250kgの場合は追加チャージなし、300kgの場合は追加チャージ1回、350kgの場合は追加チャージ2回、400kgの場合は追加チャージ3回とした。原料溶融中に黒鉛ヒーターに通電する電力は160kWで一定とし、黒鉛ヒーター及びるつぼの位置はその都度適当な位置に調整した。
[比較例]
図6に示される(冷却筒114にカバーを備えていない)従来のシリコン単結晶製造装置を用いて、実施例と同様に原料の溶融を行い、原料溶融開始から終了までに要した時間を計測した。なお、使用原料量、黒鉛ヒーターの電力、並びに黒鉛ヒーター及びるつぼの位置は実施例と同様にした。
図5に実施例及び比較例における原料溶融開始から終了までに要した時間を比較したグラフを示す。なお、図5のグラフでは、実施例で原料250kgを溶融するのに要した時間を1として、各条件の所要時間を相対値で表した。図5に示されるように、いずれの使用原料量においても、冷却筒にカバーを装着した本発明のシリコン単結晶製造装置を用いて原料を溶融した実施例では、冷却筒にカバーを備えていない従来のシリコン単結晶製造装置を使用した比較例に比べて、原料の溶融に要する時間が短かった。また、上記のように、実施例・比較例では黒鉛ヒーターの電力を同条件としていることから、実施例では原料の溶融に要する時間が短い分、電力効率も向上していた。
以上のことから、本発明のシリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置であれば、製造装置を複雑にすることなく、短時間で効率的に原料を溶融できることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…メインチャンバー、 2…トップチャンバー、 3…引き上げチャンバー、
4…多結晶シリコン原料、 5…石英るつぼ、 6…黒鉛るつぼ、
7…黒鉛ヒーター、 8…断熱部材、 9…種結晶ホルダー、 10…ガス流出口、
11…ガス導入口、 12…ガス整流筒、 13…熱遮蔽部材、 14…冷却筒、
15…カバー、 16…冷却補助筒、 17…取り出し治具、 18…フランジ部。

Claims (11)

  1. 原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶を製造する方法であって、
    前記原料の溶融を開始する前に、前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように円筒型のカバーを配置し、前記原料溶融が終了した後、前記カバーを取り外してから前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記冷却機構として、前記育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒を用いることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記冷却筒として、該冷却筒の内側に冷却補助筒を備えたものを用いることを特徴とする請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記原料の溶融において、あらかじめ前記石英るつぼ内に充填した原料を溶融した後、原料を追加投入して溶融し、該追加投入した原料の溶融が終了してから前記カバーを取り外すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記カバーとして、黒鉛製のものを用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記カバーの取り外しにおいて、前記原料を溶融したシリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダーに装着された可動のフランジ部を有する取り出し治具を用い、該取り出し治具を前記カバーの内側を通して前記カバーの下端部より下側に降下させ、前記フランジ部を広げて固定してから、前記種結晶ホルダーを上昇させることにより前記フランジ部で前記カバーの下端部を支持しながら前記カバーを持ち上げて取り外すことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  7. 原料を収容するための石英るつぼ、前記原料を加熱して溶融するための黒鉛ヒーター、前記石英るつぼから引き上げられるシリコン単結晶に対して前記黒鉛ヒーターから供給される輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材、及び前記熱遮蔽部材より上方にあって育成中のシリコン単結晶を冷却するための冷却機構を備えたシリコン単結晶製造装置であって、
    前記冷却機構の内側に前記冷却機構を覆うように配置された脱着可能な円筒型のカバーを備えたものであることを特徴とするシリコン単結晶製造装置。
  8. 前記冷却機構が、前記育成中のシリコン単結晶を囲むように配置された冷却筒であることを特徴とする請求項7に記載のシリコン単結晶製造装置。
  9. 前記冷却筒が、該冷却筒の内側に冷却補助筒を備えたものであることを特徴とする請求項8に記載のシリコン単結晶製造装置。
  10. 前記カバーが、黒鉛製のものであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のシリコン単結晶製造装置。
  11. 前記シリコン単結晶製造装置が、前記原料を溶融したシリコン融液に浸す種結晶を固定するための種結晶ホルダーを備えたものであり、かつ該種結晶ホルダーが、前記カバーを取り外すための可動のフランジ部を有する取り出し治具を装着可能なものであることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のシリコン単結晶製造装置。
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