JP2017105557A - エレベータ用ワイヤロープの検査治具および診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータ用ワイヤロープに生じた伸びを短時間のうちに精度よく簡単に測定できる検査治具を得ることにある。【解決手段】実施形態によれば、エレベータ用ワイヤロープの伸びを検査する検査治具は、治具本体、位置決め部および目盛を備えている。治具本体は、ワイヤロープの長手方向に延びるとともに、ワイヤロープの外部被覆層の外周面に沿うように円弧状に湾曲されて当該外周面の上に嵌め合わされる嵌合部を有する。位置決め部は、嵌合部に設けられ、外部被覆層に形成された複数の指標のうちの任意の指標に位置合わせが可能である。目盛は、嵌合部に設けられ、位置決め部を任意の指標に合わせた状態において任意の指標と当該指標と隣り合う他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示する。位置決め部および目盛のうちの少なくとも目盛が外部被覆層の周方向に沿って形成されている。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、エレベータ用ワイヤロープの検査治具および当該検査治具を用いてエレベータ用ワイヤロープの伸びを診断する方法に関する。
複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体を樹脂製の外部被覆層で被覆したエレベータ用のワイヤロープは、従来の目視による検査基準に基づいた劣化判定ができない。
この対策として、外部被覆層の外周面に複数の指標を一定の間隔で設け、例えばエレベータの定期点検時に、ワイヤロープの長手方向に隣り合う二つの指標の間の間隔を測定することで、ワイヤロープの伸び具合を検出する方法が試されている。
特許第3724322号公報 特開2015−37997号公報
外部被覆層の外周面に指標を形成する場合、コスト的な面を考慮すると、印刷等の簡便な手段を用いることが望ましい。しかしながら、外部被覆層はシーブに巻き掛けられるので、外部被覆層とシーブとの間に生じる摩擦により指標が摩耗するのを避けられない。このため、たとえ指標が外部被覆層の周方向に連続するような形状を有していても、指標の一部が消失することがあり得る。
しかも、ワイヤロープは、エレベータの運転中に撚りを戻したり、撚りを進める方向に自転する性質を有するので、ワイヤロープの長手方向に隣り合う指標同士がワイヤロープの周方向に変位することがある。
加えて、強度低下が顕在化するようなワイヤロープの伸びであっても、規定値に対するワイヤロープの伸び率は1〜2%程度と小さいために、ワイヤロープの保守点検時に判別が必要な伸び量の精度は1mm程度となる。
このことから、指標の一部が消失したり、隣り合う指標が周方向に変位した状態にあるワイヤロープでは、一般的な測長器具である金尺を用いて指標間の間隔を測定すると、視差が生じるのを避けられない。したがって、ワイヤロープの伸び量を短時間のうちに正確に診断することは容易でない。
さらに、ワイヤロープの点検に要する作業時間は限りがあるため、ワイヤロープの伸び量を適切に診断することが困難な場合、不要なロープ交換やワイヤロープの過度の強度低下を招く一つの要因となる。
本発明の目的は、エレベータ用ワイヤロープに生じた伸びを短時間のうちに精度よく簡単に測定できる検査治具および当該検査治具を用いた診断方法を得ることにある。
実施形態によれば、検査治具は、複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体と、前記ロープ本体を被覆した樹脂製の外部被覆層と、前記外部被覆層の外周面に前記ロープ本体の長手方向に一定の間隔を存して設けられ、前記外部被覆層の周方向に沿う複数の指標と、を有するエレベータ用ワイヤロープの伸びを検査する際に用いられる。
前記検査治具は、治具本体、位置決め部および目盛を備えている。前記治具本体は、前記ワイヤロープの長手方向に延びるとともに、前記外部被覆層の前記外周面に沿うように円弧状に湾曲されて当該外周面の上に嵌め合わされる嵌合部を有する。前記位置決め部は、前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記外部被覆層に形成された複数の前記指標のうちの任意の指標に位置合わせが可能である。前記目盛は、前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記位置決め部を前記任意の指標に合わせた状態において前記任意の指標と当該指標と隣り合う他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示する。前記位置決め部および前記目盛のうちの少なくとも前記目盛が前記外部被覆層の周方向に沿って形成されている。
第1の実施形態に係るつるべ式のエレベータを概略的に示す側面図である。 メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す断面図である。 外部被覆層の外周面に複数の指標が形成されたメインロープの外観を示す斜視図である。 (A)は、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す正面図である。(B)は、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す側面図である。 メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す斜視図である。 外部被覆層の外周面に形成された指標が部分的に消失した状態を概略的に示すメインロープの斜視図である。 外部被覆層の外周面に形成された複数の指標の変形例を示すメインロープの斜視図である。 (A)は、第2の実施形態において、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す正面図である。(B)は、第2の実施形態において、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す側面図である。 (A)は、第3の実施形態において、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す正面図である。(B)は、第3の実施形態において、メインロープの外周面に検査治具を装着した状態を示す側面図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
図1は、つるべ式のエレベータ1を概略的に示している。エレベータ1は、建屋に設けられた昇降路2を有し、当該昇降路2の内部に乗りかご3および釣合錘4が図示しないガイドレールを介して昇降動可能に支持されている。さらに、駆動シーブ5を有する巻上機6が昇降路2の上部に設置されている。
乗りかご3および釣合錘4は、複数本のメインロープ7を介して昇降路2に吊り下げられている。本実施形態では、一本のメインロープ7のみを示し、その他のメインロープ7については図示を省略する。
メインロープ7の一端7aおよび他端7bは、夫々昇降路2の上端にロープヒッチを介して固定されている。メインロープ7は、一端7aと他端7bとの間の中間部分7cが乗りかご3の上に設けられた一対のかご上シーブ8a,8b、駆動シーブ5および釣合錘4の上に設けられた錘シーブ9に連続的に巻き掛けられている。
したがって、乗りかご3および釣合錘4は、巻上機6の駆動シーブ5でメインロープ7を巻き上げたり、巻き戻すことで昇降路2に沿って昇降動するようになっている。
乗りかご3および釣合錘4を吊り下げるメインロープ7は、エレベータ用ワイヤロープの一例である。図2に示すように、メインロープ7は、抗張力部材としてのロープ本体11と、ロープ本体11を全面的に被覆した外部被覆層12と、を主要な要素として備えている。
ロープ本体11は、複数本の鋼鉄製ストランド13を所定のピッチで撚り合わせることで構成されている。外部被覆層12は、例えばポリウレタンのような耐摩耗性および高摩擦係数を有する熱可塑性の樹脂材で形成されている。外部被覆層12は、メインロープ7の外表面を規定する外周面12aを有している。外周面12aは、円形の断面形状を有するとともに、前記各シーブ5,8a,8b,9に巻き掛けられた際に、シーブ5,8a,8b,9に対し摩擦を伴いながら接触するようになっている。
さらに、外部被覆層12を形成する樹脂材は、隣り合うストランド13の間の隙間に充填されている。そのため、外部被覆層12は、ロープ本体11の周方向に隣り合うストランド13の間に入り込む複数の充填部14を有している。充填部14は、外部被覆層12の外周面12aの内側に位置されている。
図3に示すように、複数の指標15が外部被覆層12の外周面12aに形成されている。指標15は、メインロープ7の伸びを表示するための要素であって、メインロープ7の全長に亘ってメインロープ7の長手方向に一定の間隔を存して並んでいる。各指標15は、例えば外部被覆層12の周方向に連続した実線により形成されている。
本実施形態では、指標15は、例えば印刷等の簡便な手段で外部被覆層12の外周面12aの上に形成されている。指標15は、暗い昇降路2の中でも作業員が容易に目視できるように、例えば外部被覆層12の外周面12aの色と補色の関係にある色又は蛍光色とすることが望ましい。
ところで、エレベータ1用のメインロープ7は、使用期間の経過に伴ってストランド13の間の隙間およびストランド13を構成する複数の素線間の隙間が減少する。これにより、ストランド13や素線が互いに摩擦を繰り返し、ストランド13や素線の摩耗・断線が進行する。
特に、メインロープ7のうち前記各種のシーブ5,8a,8b,9を通過する部分では、メインロープ7がシーブ5,8a,8b,9との接触に基づく摩擦を繰り返し受ける。このため、メインロープ7の摩耗・断線の進行度合いは、メインロープ7がシーブ5,8a,8b,9を通過しない部分に比べて大きく、これによりメインロープ7のロープ径が減少したり、メインロープ7に局部的な伸びが生じる。
したがって、前記特許文献2に開示されているように、メインロープ7の伸びと強度低下率との関係を明確化し、メインロープ7の中でも劣化が最大となる部分の伸びを検出することで、メインロープ7の強度を管理することができる。
エレベータ1では、メインロープ7の強度が規定値を下回った時にロープ交換が要求される。そのため、規定された強度低下に対応するメインロープ7の伸び量を交換基準とすることで、ロープ本体11が外部被覆層12で覆われたメインロープ7を安全に使用することができる。
図2、図4および図5は、メインロープ7の実際の伸び量を検出する際に用いる検査治具20を示している。検査治具20は、メインロープ7に一本毎に当てがう治具本体21を備えている。治具本体21は、作業員が手で持ち易いように、例えばプラスチックあるいはアルミニウム合金のような軽量で、ある程度の剛性を有する材料で形成することが望ましい。
本実施形態の治具本体21は、例えばU字形の断面形状を有している。具体的に述べると、治具本体21は、嵌合部22、第1のガイド部23aおよび第2のガイド部23bを含んでいる。嵌合部22は、外部被覆層12の外周面12aに取り外し可能に嵌り合うように円弧状に湾曲されているとともに、真っ直ぐなメインロープ7の長手方向に延びている。
嵌合部22の全長L1は、メインロープ7を真っ直ぐに伸ばした状態において、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2よりも大きく設定されている。さらに、嵌合部22の半径rは、メインロープ7の製造時に許容されるメインロープ7の無負荷時の最大ロープ径Rの1/2に設定することが望ましい。
メインロープ7の無負荷時の最大ロープ径Rは、メインロープ7に張力が加わった時に各ストランド13が荷担する荷重の均一性等を鑑みると、メインロープ7の公称径の1.05倍であると考えられる。
図2に示すように、嵌合部22は、外部被覆層12の周方向に離れた第1の端部24aおよび第2の端部24bを有している。第1の端部24aおよび第2の端部24bは、外部被覆層12の径方向に互いに向かい合っている。そのため、嵌合部22は、外部被覆層12を半周に亘って覆うような大きさを有している。
第1のガイド部23aは、治具本体21の第1の端部24aから突出されている。同様に、第2のガイド部23bは、治具本体21の第2の端部24bから突出されている。このため、第1のガイド部23aおよび第2のガイド部23bは、メインロープ7の径方向に間隔を存して向かう合いように互いに平行に配置されている。
本実施形態によると、第1のガイド部23aと第2のガイド部23bの間の間隔Dは、メインロープ7の無負荷時の最大ロープ径Rと同等に設定されている。
図4および図5に示すように、治具本体21の嵌合部22は、位置決め部26を有している。位置決め部26は、外部被覆層12の外周面12aに形成された複数の指標15のうちの任意の一つの指標15に位置合わせが可能な要素である。位置決め部26は、嵌合部22の長手方向に沿う一端に位置された縁によって規定されている。位置決め部26は、外部被覆層12を半周に亘って取り囲むように外部被覆層12の周方向に沿うとともに、外部被覆層12の外周面12aに直に接している。
さらに、治具本体21の嵌合部22は、窓部27を有している。窓部27は、位置決め部26に対し嵌合部22の長手方向に沿う反対側に位置されている。窓部27は、嵌合部22の周方向に沿う全長に亘って開口されているとともに、嵌合部22の長手方向に沿う一定の開口幅を有している。
透明部材28が窓部27に嵌め込まれている。透明部材28は、透明部の一例であって、例えばガラスあるいはアクリル樹脂のような透明な材料で構成されている。透明部材28は、嵌合部22に沿うように湾曲された形状を有している。図2に示すように、透明部材28の内周面28aは、嵌合部22をメインロープ7に当てがった状態において、嵌合部22の内周面と共に外部被覆層12の外周面12aに接している。
図4および図5に示すように、透明部材28の内周面28aに目盛29が設けられている。目盛29は、位置決め部26に対し嵌合部22の長手方向に離れている。本実施形態では、目盛29から位置決め部26までの距離L3が、ストランド13および素線の摩耗・断線を要因とするメインロープ7の伸びに関して、ロープ交換を必要とする基準長さを示している。
言い換えると、目盛29は、位置決め部26を任意の一つの指標15に合致させた状態において、任意の一つの指標15と隣り合う他の指標15との間の間隔L2が交換基準となる規定値を超えているか否かを表示するための要素である。
目盛29は、外部被覆層12を半周に亘って取り囲むように外部被覆層12の周方向に沿うとともに、外部被覆層12の外周面12aに直に接している。さらに、目盛29は、例えば印刷等の簡便な手段で透明部材28の内周面28aの上に形成されている。目盛29は、暗い昇降路2の中でも作業員が容易に目視できるように、例えば指標15の色と補色の関係にある色又は蛍光色とすることが望ましい。
次に、検査治具20を用いてメインロープ7の伸びを診断する方法について説明する。
本実施形態では、メインロープ7の中で最もシーブ5,8a,8b,9を通過する頻度が高い部分、あるいは磁力線を用いたロープテスタにより最も劣化が進行していると特定された部分に存在する二つの指標15の間の間隔L2を検査治具20で測定することで、メインロープ7の伸びを検出している。検査治具20を用いた測定作業は、例えば作業員が乗りかご4の天井の上に乗り込み、検査治具20の嵌合部22をシーブ5,8a,8b,9から繰り出されたメインロープ7の外部被覆層12の外周面12aの上に手作業で嵌め合わすことにより実行される。
具体的に述べると、図4および図5に示すように、嵌合部22の位置決め部26が外部被覆層12の任意の一つの指標15に合致するように、嵌合部22を外部被覆層12の外周面12aに押し付ける。これにより、位置決め部26から離れた透明部材28を通じて任意の一つの指標15と隣り合う他の指標15を含む外部被覆層12の外周面12aが検査治具20の外に露出される。
この状態で、透明部材28を透かして見える他の指標15と目盛29との位置関係を作業員が目視することで、外部被覆層12の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる距離L3を超えているか否かを判定する。
図4の例では、他の指標15が目盛29に対し任意の指標15の反対側にずれている。このため、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値を超えた状態にあることが分かる。
さらに、透明部材28を透かして見える他の指標15が目盛29と重なり合っているか、あるいは目盛29と位置決め部26との間に位置されていれば、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値の範囲外にあることが示される。
このことから、作業員は、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12に押し当てて、他の指標15と目盛29との位置関係を目視するだけの簡単な作業で、ワイヤロープ7の伸び量を短時間のうちに精度よく測定することができる。
さらに、ロープ本体11を外部被覆層12で被覆したメインロープ7においては、例えば外部被覆層12の外周面12aの上の指標15がシーブ5,8a,8b,9との接触に伴う摩耗で消失すると、ロープ交換が必要な状態となり得る。
指標15の消失は、作業員の目視により容易に検出できる。さらに、指標15が外部被覆層12の周方向に連続する場合であっても、メインロープ7のうちシーブ5,8a,8b,9に巻き掛けられる頻度が高い領域では、図6に示すように、指標15がシーブ5,8a,8b,9との接触により摩耗し、部分的に消失することがあり得る。
それとともに、メインロープ7に加わる張力は、エレベータ1の負荷に応じて変化する。メインロープ7に加わる張力が変化すると、ストランド13の撚りを戻したり、撚りを進める方向にメインロープ7が自転することがある。
このため、図6に矢印で示すように、指標15が部分的に消失したメインロープ7が自転により周方向にねじれた場合、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15が外部被覆層12の周方向にずれてしまい、一般的な測長器具である金尺では、隣り合う二つの指標15の間の間隔L2を精度よく計測することが困難となる。
これに対し、本実施形態の検査治具20によれば、嵌合部22が有する位置決め部26および目盛29は、外部被覆層12を半周に亘って取り囲むように外部被覆層12の周方向に沿って形成されている。
このため、外部被覆層12の長手方向に隣り合う指標15が部分的に消失していたり、あるいは部分的に消失した一方の指標15と部分的に消失した他方の指標15とが外部被覆層12の周方向に相対的にねじれた位置関係にあっても、位置決め部26および目盛29を利用して隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値の範囲内にあるか否かを容易に判別することができる。
したがって、隣り合う二つの指標15が部分的に消失した状態でも、ワイヤロープ7の伸び量を適切に診断することができる。このことから、不要なロープ交換およびワイヤロープ7の交換の遅れに伴うワイヤロープ7の過度の強度低下、断線を回避することができ、高い経済性ならびに安全性を確保することができる。
第1の実施形態では、透明部材28に目盛29を設けたことで、隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる距離L3よりも小さい場合でも、目盛29に対応する他の指標15の位置を検査治具20の外から透明部材28を通じて容易に視認することができる。そのため、ワイヤロープ7の伸び量を点検する際の作業時間を短縮することができ、短時間のうちにワイヤロープ7の伸び量を適切に診断することができる。
加えて、検査治具20の位置決め部26および目盛29は、指標15が形成された外部被覆層12の外周面12aに直に接している。これにより、位置決め部26と指標15との間に生じる視差、目盛29と指標15との間に生じる視差が少なくなり、外部被覆層12の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2を精度よく測定することができる。
一方、エレベータ1用のワイヤロープ7は、無負荷時のワイヤロープ7のロープ径が公称値を数パーセント上回るような寸法で製造する。この種のワイヤロープ7に所定の張力が付加されると、初期段階では素線間の隙間あるいはストランド13の間の隙間の減少に伴ってロープ径が減少し、メインロープ7に伸びが生じる。さらに、素線およびストランド13の劣化によってもメインロープ7に伸びが生じるとともに、メインロープ7のロープ径が減少する。
本実施形態のように外部被覆層12を有するメインロープ7では、隣り合うストランド13の間に樹脂材が充填されているので、張力付加によるロープ径の減少は認められるものの、素線を含むストランド13の劣化によるロープ径の変化は一様でない。
すなわち、素線を含むストランド13の劣化によってロープ本体11に伸びが生じた場合、当該伸びは外部被覆層12の外周面12aにも伝わるけれども、メインロープ7のロープ径の変化はロープ本体11の劣化とは比例しない。
具体的に述べると、外部被覆層12を構成するポリウレタンは、シーブ5,8a,8b,9との摩擦接触に耐え得る耐摩耗性および高摩擦係数を有するので、劣化を要因とするメインロープ7のロープ径の減少は限定的である。しかしながら、素線を含むストランド13の摩耗が進行し、ロープ本体11から外部被覆層12が剥離した場合は、製造直後の無負荷時のワイヤロープ7のロープ径を超える程度に外部被覆層12の外径が急激に増加する。
この現象は、ロープ本体11の伸び、あるいはストランド13の摩耗によりロープ本体11から外部被覆層12が剥離した時に、ロープ本体11と外部被覆層12とがメインロープ7の長手方向に相対的にずれることによって生じる。つまり、隣り合うストランド13の間に充填された外部被覆層12の充填部14が、前記ずれによってロープ本体11の径方向に沿う外側に向けて押し出されるためである。
したがって、メインロープ7の使用中における外部被覆層12の外径の急激な増大は、ロープ本体11から外部被覆層12が剥離した時に発生するということができる。
本実施形態に係る検査治具20は、嵌合部22から互いに間隔を存して向かうように突出された第1のガイド部23aおよび第2のガイド部23bを有し、当該ガイド部23a,23bの間の間隔Dがメインロープ7の無負荷時の最大ロープ径Rと同等に設定されている。このため、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12の外周面12aの上に手作業で嵌め合わす際に、メインロープ7の外部被覆層12が第1のガイド部23aと第2のガイド部23bとの間を通過する。
したがって、外部被覆層12の外径が無負荷時の最大ロープ径Rよりも大きい場合、外部被覆層12の外周面12aが第1のガイド部23aおよび第2のガイド部23bに強く押し付けられる。この結果、嵌合部22を外部被覆層12に押し付ける際に大きな摺動抵抗が生じ、作業員は、摺動抵抗の増大に基づいてロープ本体11から外部被覆層12が剥離した状態にあることを容易に認識することができる。
よって、第1のガイド部23aおよび第2のガイド部23bを有する検査治具20によれば、外部被覆層12の外径に基づいてメインロープ7の劣化が進行しているか否かを速やかに検出できる。
第1の実施形態では、一本のメインロープ7の伸びを単一の検査治具20を用いて測定したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、エレベータ1では、複数本のメインロープ7を用いて乗りかご3および釣合錘4を吊り下げているので、複数の検査治具20を隣り合うメインロープ7の間の間隔に合わせて互いに連結した構成としてもよい。
この場合においても、複数本のメインロープ7に生じる伸びはロープ毎に異なるため、メインロープ7の伸びを検査する作業は、連結された複数の検査治具20を個々にメインロープ7に押し当てることが必要となる。
さらに、第1の実施形態では、治具本体21の中で目盛29に対応する箇所を部分的に透明部材28で形成したが、治具本体21の全てを例えばアクリル樹脂のような透明な材料で形成してもよい。
加えて、メインロープ7の指標15は、印刷に限らず、外部被覆層12の外周面12aに設けた周方向に沿う溝で構成してもよい。指標15が溝である場合、溝の表面を例えば外部被覆層12の外周面12aの色と補色の関係にある色又は蛍光色で塗装することが望ましい。
[第1の実施形態の変形例]
図7は、第1の実施形態の変形例を開示している。変形例では、メインロープ7の指標15が外部被覆数12の周方向に沿う破線により形成されている。破線は、例えば印刷等の手段で外部被覆層12の外周面12aの上に形成されている。
さらに、外部被覆層12の外周面12aの上に指標15を形成するに当たっては、実線で描かれた指標15と破線で描かれた指標15とをメインロープ7の長手方向に交互に配置してもよい。
[第2の実施形態]
図8は、検査治具20の第2の実施形態を開示している。図8に示すように、第2の実施形態では、治具本体21の窓部27が治具本体21の位置決め部26とは反対側の縁に連続して開口するように切り欠かれた形状を有している。そのため、透明部材28にしても、窓部27の形状に合致するように前記第1の実施形態よりも大型化されている。
第2の実施形態によると、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12の外周面12aに押し当てた状態では、透明部材28の大型化に伴って指標15および目盛29の周囲の広い範囲が検査治具20の外に露出される。
このため、目盛29と指標15との位置関係を短時間のうちに精度よく認識することが可能となり、メインロープ7の伸びを検出する作業の信頼性が向上する。
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、治具本体21の嵌合部22の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外のメインロープ7に関する事項は、第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図9に示すように、嵌合部22の長手方向に沿う一端部に第1の窓部31が形成されている。第1の窓部31は、嵌合部22の周方向に沿う全長に亘って開口されているとともに、嵌合部22の長手方向に沿う一定の開口幅を有している。
第1の透明部材32が第1の窓部31に嵌め込まれている。第1の透明部材32は、例えばガラスあるいはアクリル樹脂のような透明な材料で構成され、嵌合部22に沿うように湾曲された形状を有している。第1の透明部材32の内周面は、嵌合部22をメインロープ7に当てがった状態において、嵌合部22の内周面と共に外部被覆層12の外周面12aに直に接するようになっている。
図9に示すように、第1の透明部材32の内周面に第1の目盛33が設けられている。第1の目盛33は、外部被覆層12の外周面12aに形成された複数の指標15のうちの任意の一つの指標15に位置合わせが可能な要素である。
第1の目盛33は、外部被覆層12を半周に亘って取り囲むように外部被覆層12の周方向に沿うとともに、外部被覆層12の外周面12aに直に接している。さらに、第1の目盛33は、例えば印刷等の簡便な手段で第1の透明部材32の内周面の上に形成されている。第1の目盛33は、暗い昇降路2の中でも作業員が容易に目視できるように、例えば指標15の色と補色の関係にある色又は蛍光色とすることが望ましい。
嵌合部22の長手方向に沿う他方の端部に第2の窓部35が形成されている。第2の窓部35は、第1の窓部31に対し嵌合部22の長手方向に離れている。第2の窓部35は、嵌合部22の周方向に沿う全長に亘って開口されているとともに、嵌合部22の長手方向に沿う一定の開口幅を有している。
第2の透明部材36が第2の窓部35に嵌め込まれている。第2の透明部材36は、例えばガラスあるいはアクリル樹脂のような透明な材料で構成され、嵌合部22に沿うように湾曲された形状を有している。第2の透明部材36の内周面は、嵌合部22をメインロープ7に当てがった状態において、嵌合部22の内周面と共に外部被覆層12の外周面12aに直に接するようになっている。
図9に示すように、第2の透明部材36の内周面に第2の目盛37が設けられている。第2の目盛37は、第1の目盛33に対し嵌合部22の長手方向に離れている。本実施形態では、第1の目盛33から第2の目盛37までの距離L3が、ストランド13および素線の摩耗・断線を要因とするメインロープ7の伸びに関して、ロープ交換を必要とする基準長さを示している。
言い換えると、第2の目盛37は、第1の目盛33を任意の一つの指標15に合致させた状態において、任意の一つの指標15と隣り合う他の指標15との間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示するための要素となっている。
第2の目盛37は、外部被覆層12を半周に亘って取り囲むように外部被覆層12の周方向に沿うとともに、外部被覆層12の外周面12aに直に接している。さらに、第2の目盛37は、例えば印刷等の簡便な手段で第2の透明部材36の内周面の上に形成されている。第2の目盛37は、暗い昇降路2の中でも作業員が容易に目視できるように、例えば指標15の色と補色の関係にある色又は蛍光色とすることが望ましい。
第3の実施形態において、メインロープ7の伸びを検出するに当たっては、嵌合部22の第1の目盛33が外部被覆層12の任意の一つの指標15に合致するように、嵌合部22を外部被覆層12の外周面12aに押し付ける。これにより、第2の透明部材36を通じて任意の一つの指標15と隣り合う他の指標15を含む外部被覆層12の外周面12aが検査治具20の外から視認可能となる。
この状態で、第2の透明部材36を透かして見える他の指標15と第2の目盛37との位置関係を作業員が目視することで、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる距離L3を超えているか否かを判定する。
図9の例では、他の指標15が第2の目盛37に対し任意の指標15の反対側にずれている。このため、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値を超えた状態にあることが分かる。
さらに、第2の透明部材36を透かして見える他の指標15が第2の目盛37と重なり合っているか、あるいは第2の目盛37と第1の目盛33との間に位置されていれば、メインロープ7の長手方向に隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる規定値の範囲外にあることが示される。
このため、作業員は、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12に押し当てて、他の指標15と第2の目盛37との位置関係を目視するだけの簡単な作業で、ワイヤロープ7の伸び量を短時間のうちに精度よく測定することができる。
したがって、第1の実施形態と同様に、不要なロープ交換およびワイヤロープ7の交換の遅れに伴うワイヤロープ7の過度の強度低下、断線を回避することができ、高い経済性ならびに安全性を確保することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
7…メインロープ(エレベータ用ワイヤロープ)、11…ロープ本体、12…外部被覆層、13…ストランド、15…指標、20…検査治具、21…治具本体、22…嵌合部、26…位置決め部、29…目盛、31…第1の窓部、33…第1の目盛、35…第2の窓部、37…第2の目盛。
実施形態によれば、検査治具は、複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体と、前記ロープ本体を被覆するとともに、シーブに接する円形の外周面を有する樹脂製の外部被覆層と、前記外部被覆層の前記外周面に前記ロープ本体の長手方向に一定の間隔を存して設けられ、前記外部被覆層の周方向に沿う複数の指標と、を有するエレベータ用ワイヤロープの伸びを検査する際に用いられる。
前記治具本体は、前記ワイヤロープに宛がう治具本体と、前記治具本体に設けられ、前記ワイヤロープの長手方向に延びるとともに前記外部被覆層の前記外周面に沿うように円弧状に湾曲された形状を有し、前記外周面に接するように前記外周面の上に取り外し可能に嵌め合わされる嵌合部と、前記嵌合部に設けられ、前記外部被覆層の前記外周面に設けられた複数の前記指標のうちの任意の指標に位置合わせが可能な位置決め部と、前記嵌合部に設けられ、前記位置決め部を前記任意の指標に合わせた状態において前記任意の指標と当該指標に対し前記ワイヤロープの長手方向に隣り合う他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示する目盛と、を備えている。
前記位置決め部および前記目盛のうちの少なくとも前記目盛が前記外部被覆層の周方向に沿って形成され、前記嵌合部が前記外部被覆層の前記外周面に嵌め合わされた状態では、前記位置決め部および前記目盛が前記外部被覆層の前記外周面に接することを特徴としている。
図2、図4および図5は、メインロープ7の実際の伸び量を検出する際に用いる検査治具20を示している。検査治具20は、メインロープ7に一本毎に宛がう治具本体21を備えている。治具本体21は、作業員が手で持ち易いように、例えばプラスチックあるいはアルミニウム合金のような軽量で、ある程度の剛性を有する材料で形成することが望ましい。
このことから、作業員は、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12に押し当てて、他の指標15と目盛29との位置関係を目視するだけの簡単な作業で、メインロープ7の伸び量を短時間のうちに精度よく測定することができる。
したがって、隣り合う二つの指標15が部分的に消失した状態でも、メインロープ7の伸び量を適切に診断することができる。このことから、不要なロープ交換およびメインロープ7の交換の遅れに伴うメインロープ7の過度の強度低下、断線を回避することができ、高い経済性ならびに安全性を確保することができる。
第1の実施形態では、透明部材28に目盛29を設けたことで、隣り合う二つの指標15の間の間隔L2がロープ交換の基準となる距離L3よりも小さい場合でも、目盛29に対応する他の指標15の位置を検査治具20の外から透明部材28を通じて容易に認識することができる。そのため、メインロープ7の伸び量を点検する際の作業時間を短縮することができ、短時間のうちにメインロープ7の伸び量を適切に診断することができる。
一方、エレベータ1用のメインロープ7では、無負荷時のメインロープ7のロープ径が公称値を数パーセント上回るような寸法で製造する。この種のメインロープ7に所定の張力が付加されると、初期段階では素線間の隙間あるいはストランド13の間の隙間の減少に伴ってロープ径が減少し、メインロープ7に伸びが生じる。さらに、素線およびストランド13の劣化によってもメインロープ7に伸びが生じるとともに、メインロープ7のロープ径が減少する。
具体的に述べると、外部被覆層12を構成するポリウレタンは、シーブ5,8a,8b,9との摩擦接触に耐え得る耐摩耗性および高摩擦係数を有するので、劣化を要因とするメインロープ7のロープ径の減少は限定的である。しかしながら、素線を含むストランド13の摩耗が進行し、ロープ本体11から外部被覆層12が剥離した場合は、製造直後の無負荷時のメインロープ7のロープ径を超える程度に外部被覆層12の外径が急激に増加する。
第1の透明部材32が第1の窓部31に嵌め込まれている。第1の透明部材32は、例えばガラスあるいはアクリル樹脂のような透明な材料で構成され、嵌合部22に沿うように湾曲された形状を有している。第1の透明部材32の内周面は、嵌合部22をメインロープ7に宛がった状態において、嵌合部22の内周面と共に外部被覆層12の外周面12aに直に接するようになっている。
第2の透明部材36が第2の窓部35に嵌め込まれている。第2の透明部材36は、例えばガラスあるいはアクリル樹脂のような透明な材料で構成され、嵌合部22に沿うように湾曲された形状を有している。第2の透明部材36の内周面は、嵌合部22をメインロープ7に宛がった状態において、嵌合部22の内周面と共に外部被覆層12の外周面12aに直に接するようになっている。
このため、作業員は、検査治具20の嵌合部22をメインロープ7の外部被覆層12に押し当てて、他の指標15と第2の目盛37との位置関係を目視するだけの簡単な作業で、メインロープ7の伸び量を短時間のうちに精度よく測定することができる。
したがって、第1の実施形態と同様に、不要なロープ交換およびメインロープ7の交換遅れに伴うメインロープ7の過度の強度低下、断線を回避することができ、高い経済性ならびに安全性を確保することができる。
5,8a,8b,9…シーブ、7…エレベータ用ワイヤロープ(メインロープ)、11…ロープ本体、12…外部被覆層、12a…外周面、13…ストランド、15…指標、20…検査治具、21…治具本体、22…嵌合部、26…位置決め部、29…目盛、31…第1の窓部、33…第1の目盛、35…第2の窓部、37…第2の目盛。

Claims (10)

  1. 複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体と、
    前記ロープ本体を被覆した樹脂製の外部被覆層と、
    前記外部被覆層の外周面に前記ロープ本体の長手方向に一定の間隔を存して設けられ、前記外部被覆層の周方向に沿う複数の指標と、を有するエレベータ用ワイヤロープの伸びを検査する際に用いる検査治具であって、
    前記ワイヤロープの長手方向に延びるとともに前記外部被覆層の前記外周面に沿うように円弧状に湾曲された嵌合部を有する治具本体と、
    前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記外部被覆層に形成された複数の前記指標のうちの任意の指標に位置合わせが可能な位置決め部と、
    前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記位置決め部を前記任意の指標に合わせた状態において前記任意の指標と当該指標と隣り合う他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示する目盛と、を含み、
    前記位置決め部および前記目盛のうちの少なくとも前記目盛が前記外部被覆層の周方向に沿って形成された検査治具。
  2. 前記嵌合部が前記外部被覆層の前記外周面に嵌め合わされた状態では、前記位置決め部および前記目盛が前記外部被覆層の前記外周面に直に接する請求項1に記載の検査治具。
  3. 前記治具本体は、少なくとも前記目盛に対応した箇所に透明部を有し、当該透明部を通じて前記目盛を含む前記外部被覆層の前記外周面が前記治具本体の外から視認可能であるとともに、前記外部被覆層の前記外周面に接する前記透明部の内周面に前記目盛が設けられた請求項1に記載の検査治具。
  4. 円弧状に湾曲された前記嵌合部の半径は、前記ワイヤロープの製造時に許容される前記ワイヤロープの最大ロープ径の1/2に設定された請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の検査治具。
  5. 前記嵌合部は、前記ワイヤロープの周方向に離れた第1の端部および第2の端部を有し、前記治具本体は、前記第1の端部および前記第2の端部から互いに間隔を存して向かい合うように突出された一対のガイド部を有する請求項1に記載の検査治具。
  6. 前記ガイド部の間の間隔は、前記ワイヤロープに負荷が加わらない状態での前記ワイヤロープの最大ロープ径と同等に設定された請求項5に記載の検査治具。
  7. 複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体と、
    前記ロープ本体を被覆した樹脂製の外部被覆層と、
    前記外部被覆層の外周面に前記ロープ本体の長手方向に一定の間隔を存して設けられ、前記外部被覆層の周方向に沿う複数の指標と、を有するエレベータ用ワイヤロープの伸びを検査する際に用いる検査治具であって、
    前記ワイヤロープの長手方向に延びるとともに、前記外部被覆層の前記外周面に沿うように円弧状に湾曲されて当該外周面の上に嵌め合わされる嵌合部を有する治具本体と、
    前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記外部被覆層の前記外周面を露出させる第1の窓部と、
    前記治具本体の前記嵌合部に設けられ、前記第1の窓部に対し前記ワイヤロープの長手方向に離れた位置で前記外部被覆層の前記外周面を露出させる第2の窓部と、
    前記第1の窓部に設けられ、前記外部被覆層に形成された複数の前記指標のうちの任意の指標に位置合わせされる第1の目盛と、
    前記第2の窓部に設けられ、前記第1の目盛を前記任意の指標に合わせた状態において前記任意の指標と当該指標と隣り合う他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを表示する第2の目盛と、を含み、
    前記第1の目盛および前記第2の目盛のうちの少なくともいずれか一方が前記外部被覆層の周方向に沿って形成された検査治具。
  8. 前記第1の窓部および前記第2の窓部は、前記外部被覆層の前記外周面に接する内周面を有し、前記第1の目盛は、前記第1の窓部の前記内周面に形成され、前記第2の目盛は、前記第2の窓部の前記内周面に形成された請求項7に記載の検査治具。
  9. 円弧状に湾曲された前記嵌合部の半径は、前記ワイヤロープの製造時に許容される前記ワイヤロープの最大ロープ径の1/2に設定された請求項7又は請求項8に記載の検査治具。
  10. 複数本のストランドを撚り合わせたロープ本体を樹脂製の外部被覆層で被覆するとともに、前記外部被覆層の外周面に前記ロープ本体の長手方向に一定の間隔を存して複数の指標を設けたエレベータ用ワイヤロープの伸びを診断する方法であって、
    請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載された検査治具を準備し、
    前記検査治具が有する嵌合部を前記外部被覆層の前記外周面に嵌め合わすことで、前記嵌合部の内周面を前記外部被覆層の前記外周面に接触させるとともに、前記嵌合部に設けた位置決め部を複数の前記指標のうちの任意の指標の位置に合わせ、
    前記任意の指標と隣り合う他の指標と前記検査治具が有する目盛との位置関係を視認することで、前記任意の指標と前記他の指標との間の間隔がロープ交換の基準となる規定値を超えているか否かを判定するようにしたエレベータ用ワイヤロープの診断方法。
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