JP2017105305A - ブレーキ装置、及びブレーキ装置の制御方法 - Google Patents

ブレーキ装置、及びブレーキ装置の制御方法 Download PDF

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大樹 園田
Daiki Sonoda
大樹 園田
大澤 俊哉
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
祐介 渡邊
Yusuke Watanabe
祐介 渡邊
秀章 矢頭
Hideaki Yagashira
秀章 矢頭
旭 渡辺
Akira Watanabe
旭 渡辺
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Abstract

【課題】ストロークシミュレータの背圧室のエア抜き性を向上できるブレーキ装置を提供すること。【解決手段】運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ5と、マスタシリンダ5から流出したブレーキ液が流入し、ブレーキペダル100の擬似操作反力を生成し、背圧室602に第2ブリーダーバルブ32が設けられたストロークシミュレータ6と、車輪FL等に設けられたホイルシリンダW/Cに作動液圧を発生させ、背圧室602と接続されるポンプ20と、ポンプ20と背圧室602との間の液路17等の連通状態を切替えるSS IN/V27と、マスタシリンダ5とホイルシリンダW/Cとの間の液路11P,11Sの連通状態を切替える遮断弁21P、21Sとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ブレーキ装置に関する。
従来、ストロークシミュレータを備えるブレーキ装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2009−166739号公報
本発明は、ストロークシミュレータの背圧室のエア抜き性を向上できるブレーキ装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の一実施形態に係るブレーキ装置では、背圧室にブリーダーバルブが設けられ、液圧源からブレーキ液を背圧室へ供給可能である。
よって、背圧室のエア抜き性を向上できる。
第1実施形態のブレーキ装置の斜視図である。 第1実施形態のブレーキ装置の概略構成図である。 第1実施形態の第1ユニットの斜視図である。 第1実施形態のエア抜き制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の液漏れ検知制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態のエア抜き制御時におけるブレーキ装置の作動状態を示すタイムチャートである。 第1実施形態の液漏れ検知制御時におけるブレーキ装置の作動状態を示すタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、構成を説明する。図1は、本実施形態のブレーキ装置1(以下、装置1という)の外観を斜めから見る。図2は、装置1の概略構成を液圧回路と共に示す図であり、第1ユニット1Aの断面を示す。装置1は、液圧による摩擦制動力を車両の各車輪FL〜RRに付与する液圧制動装置である。各車輪FL〜RRには、ブレーキ作動ユニットが設けられている。ブレーキ作動ユニットは例えばディスク式であり、ホイルシリンダW/Cとキャリパを有する。ホイルシリンダW/Cの液圧によってブレーキパッドが移動してブレーキディスクに接触することにより摩擦制動力を発生する。装置1は2系統(プライマリP系統及びセカンダリS系統)のブレーキ配管を有する。ブレーキ配管形式は、例えばX配管形式である。なお、前後配管等、他の配管形式を採用してもよい。以下、P系統に対応する部材とS系統に対応する部材とを区別する場合は、それぞれの符号の末尾に添字P,Sを付す。装置1は、ブレーキ配管を介して各ブレーキ作動ユニットに作動流体(作動液)としてのブレーキ液を供給し、ホイルシリンダW/Cの液圧(ブレーキ液圧)を発生させる。これにより、各車輪FL〜RRに液圧制動力を付与する。
装置1は、第1ユニット1Aと第2ユニット1Bを有する。各車輪FL〜RRのホイルシリンダW/Cと第2ユニット1Bは、ホイルシリンダ配管10Wによって互いに接続される。第1ユニット1Aと第2ユニット1Bは、車両の運転室から隔離されたエンジンルーム等に設置され、複数の配管によって互いに接続される。複数の配管は、マスタシリンダ配管10M(プライマリ配管10MP、セカンダリ配管10MS)、吸入配管10R、及び背圧配管10Xを有する。配管10M,10W,10Xは金属製のブレーキパイプ(金属配管)である。配管10M,10W,10Xの両端部は、フレア加工が施された雄型の管継手を有する。配管10Rは、ゴム等により形成されたブレーキホース(ホース配管)である。以下、説明の便宜上、X軸、Y軸、Z軸を有する三次元直交座標系を設ける。第1ユニット1Aと第2ユニット1Bが車両に搭載された状態で、Z軸方向が鉛直方向となり、Z軸正方向側が鉛直方向上側となる。X軸方向が車両の前後方向となり、X軸正方向側が車両前方側となる。Y軸方向が車両の横方向となる。なお、各ユニット1A,1Bの車両への配置はこれに限らない。
ブレーキペダル100は、運転者(ドライバ)のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材である。プッシュロッドPRは、ブレーキペダル100に回動自在に接続される。第1ユニット1Aは、ブレーキペダル100とメカ的に接続されるブレーキ操作ユニットであり、マスタシリンダ5を有するマスタシリンダユニットである。第1ユニット1Aは、リザーバタンク4と、マスタシリンダ5と、ストロークシミュレータ6と、ハウジング7と、ストロークセンサ94とを有する。リザーバタンク4は、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であり、大気圧に解放される低圧部である。
ハウジング7は、その内部にマスタシリンダ5やストロークシミュレータ6を収容(内蔵)する。ハウジング7のX軸負方向側の端部には、フランジ部79が設けられる。フランジ部79の4隅は、ボルトBにより、車体側のダッシュパネルに固定される。ハウジング7のZ軸正方向側にはリザーバタンク4が設置される。ハウジング7の内部には、マスタシリンダ5用のシリンダ70と、ストロークシミュレータ6用のシリンダ71と、複数の液路とが形成される。シリンダ70は、X軸方向に延びる有底円筒状であり、X軸正方向側に小径部701を有し、X軸負方向側に大径部702を有する。小径部701は、P,S系統毎に補給ポート705を有する。補給ポート705は小径部701の軸心周り方向に延びる環状である。シリンダ71は、シリンダ70のZ軸負方向側に配置される。シリンダ71は、X軸方向に延びる有底円筒状であり、X軸正方向側が閉塞し、X軸負方向側が開口する。シリンダ71は、X軸正方向側に小径部711を有し、X軸負方向側に大径部712を有する。小径部711は第1,第2シール溝713,714を有する。溝713,714は小径部711の軸心周り方向に延びる環状である。第1シール溝713は第2シール溝714よりもX軸正方向側にある。複数の液路は、補給液路72と、供給液路73と、正圧液路74と、ブリーダー液路75とを有する。ハウジング7の内部には供給ポート76、背圧ポート77、及びブリーダーポート78が形成され、これらのポート76〜78はハウジング7の外表面に開口する。補給液路72P,72Sは、それぞれ補給ポート705P,705Sから延びてリザーバタンク4内の液溜まりに接続する。供給液路73P,73Sは、小径部701から延びて、それぞれ供給ポート76P,76Sに接続する。正圧液路74は、供給液路73Sから分岐して小径部711のX軸正方向端に接続する。第1ブリーダー液路751は、小径部711のX軸正方向側から延びて第1ブリーダーポート781に接続する。第2ブリーダー液路752は、大径部712のX軸正方向側から延びて第2ブリーダーポート782に接続する。供給ポート76Pには、プライマリ配管10MPの一端が接続される。供給ポート76Sには、セカンダリ配管10MSの一端が接続される。背圧ポート77には、背圧配管10Xの一端が接続される。ブリーダーポート78にはブリーダーバルブ(プラグ)3が設置される。
マスタシリンダ5は、ホイルシリンダW/Cに対し作動液圧を供給可能な第1の液圧源であり、プッシュロッドPRを介してブレーキペダル100に接続され、運転者によるブレーキペダル100の操作に応じて作動する。マスタシリンダ5は、ブレーキペダル100の操作に応じて軸方向に移動するピストン51を有する。ピストン51はシリンダ70に収容され、液圧室50を画成する。マスタシリンダ5は、タンデム型であり、ピストン51として、プッシュロッドPRに接続されるプライマリピストン51Pと、フリーピストン型のセカンダリピストン51Sとを、直列に有する。ストロークセンサ94は、プライマリピストン51Pに設けられるマグネット940と、ハウジング7の外面に取り付けられるセンサ本体941(ホール素子等)とを有する。ピストン51P,51Sは、有底円筒状であり、小径部701の内周面に沿ってX軸方向に移動可能である。ピストン51の周壁には孔510が径方向に貫通する。小径部701には、プライマリピストン51Pとセカンダリピストン51Sとの間にプライマリ室50Pが画成され、セカンダリピストン51Sと小径部701のX軸正方向端部との間にセカンダリ室50Sが画成される。各液圧室50P,50Sには供給液路73P,73Sがそれぞれ常時開口する。各液圧室50には、スプリング52が押し縮められた状態で設置される。スプリング52は、弾性部材としてのコイルスプリングであり、戻しばねとして機能する。スプリング52Pは、プライマリピストン51PをX軸負方向側に常時付勢する。スプリング52Sは、セカンダリピストン51SをX軸負方向側に常時付勢する。小径部701は、P,S系統毎に、ポート705のX軸正方向側に隣接して、シール溝を有する。シール溝は小径部701の軸心周り方向に延びる環状である。シール溝には、カップ状のシール部材が設置される。シール部材のリップ部がピストン51の外周面に摺接する。シール部材は、ポート705から液圧室50へ向うブレーキ液の流れを許可し、液圧室50からポート705へ向う流れを抑制する。両ピストン51P, 51SがX軸負方向側に最大変位した初期状態で、孔510は、シール部材(リップ部)とピストン51の外周面との接触部位よりもX軸負方向側に位置する。すなわち、孔510(に連通する液圧室50)とポート705(に連通するリザーバタンク4)とが連通する。各液圧室50P,50Sは、孔510を介してリザーバタンク4からブレーキ液を補給される。
ストロークシミュレータ6は、運転者のブレーキ操作に伴い作動し、ブレーキペダル100に反力及びストロークを付与する。ストロークシミュレータ6は、プラグ部材60と、ピストン61と、第1シール部材621と、第2シール部材622と、第1スプリング631と、第2スプリング632と、第1ダンパ641と、第2ダンパ642と、リテーナ部材65と、ストッパ部材66とを有する。プラグ部材60は大径部712の開口部を液密に閉塞する。ピストン61は、有底円筒状であり、開口部がX軸正方向側、底部がX軸負方向側に位置するよう、シリンダ71に収容される。ピストン61は、小径部711の内周面に沿ってX軸方向に移動可能である。シリンダ71の内部は、ピストン61により2室に隔てられ分離される。ピストン61のX軸正方向側と小径部711との間に、第1室としての正圧室(主室)601が画成される。ピストン61のX軸負方向側と大径部712(プラグ部材60)との間に、第2室としての背圧室(副室)602が画成される。第1,第2シール溝713,714には、カップ状の第1,第2シール部材621,622がそれぞれ設置される。シール部材621,622のリップ部がピストン61の外周面に摺接する。第1シール部材621は、X軸正方向側(正圧室601)からX軸負方向側(背圧室602)へ向うブレーキ液の流れを抑制する。第2シール部材622は、X軸負方向側(背圧室602)からX軸正方向側(正圧室601)へ向うブレーキ液の流れを抑制する。シール部材621,622により正圧室601と背圧室602が液密に隔てられる。なお、シール部材621,622はそれぞれ、Xリングでもよいし、カップ状のシール部材を2つ並べて正圧室601と背圧室602の双方へのブレーキ液の流れを抑制できるようにしてもよい。本実施形態ではシリンダ71の小径部711にシール溝713,714を設けた(所謂、ロッドシールとした)が、代わりにピストン61にシール溝を設け(所謂、ピストンシールとし)てもよい。
スプリング631,632、ダンパ641,642、リテーナ部材65、及びストッパ部材66は、背圧室602に収容される。スプリング631,632は、ピストン61を正圧室601の側(正圧室601の容積を縮小し、背圧室602の容積を拡大する方向)に常時付勢する戻しばねとして機能する弾性部材である。第1スプリング631は、小径のコイルスプリングである。第2スプリング632は、第1スプリング631よりもばね係数が大きい大径のコイルスプリングである。第1スプリング631は、ピストン61とリテーナ部材65との間に押し縮められた状態で設置される。第2スプリング632は、リテーナ部材65とプラグ部材60との間に押し縮められた状態で設置される。第1ダンパ641はゴム等の弾性部材であり、円柱状である。第2ダンパ642はゴム等の弾性部材であり、軸方向中央部がくびれた円柱状である。第1ダンパ641は、ピストン61のX軸負方向端に設置される。第2ダンパ642は、プラグ部材60に設置される。ストッパ部材66は、リテーナ部材65と一体的に設けられる。ピストン61が初期位置にあるとき、第1ダンパ641とストッパ部材66との間には第1のX軸方向隙間があり、第2ダンパ642とリテーナ部材65との間には第2のX軸方向隙間がある。
図3は、第1ユニット1AをY軸負方向側の斜めから見た外観を示す。ストロークシミュレータ6は、ブリーダーバルブ3として、第1ブリーダーバルブ31と第2ブリーダーバルブ32を有する。第1ブリーダーバルブ31は、ニップル部311、締付け部312、ねじ部313、及びシート部314を一体に有する。また、第1ブリーダーバルブ31には、エア抜き孔315が形成される。ニップル部311は、バルブ31の軸方向一端側に設けられ、円錐台状である。シート部314は、バルブ31の軸方向他端側に設けられ、円錐状の傾斜面からなるシート面を有する。ねじ部313は、バルブ31の軸方向でシート部314に隣接して設けられ、その外周に雄ねじが形成される。締付け部312は、バルブ31の軸方向でニップル部311とねじ部313との間に設けられ、六角ボルト状に形成される。エア抜き孔315は、軸方向孔315Aと径方向孔315Bを有する。軸方向孔315Aは、ニップル部311の端面に開口し、ニップル部311からシート部314まで、バルブ31の軸方向に延びる。径方向孔315Bは、シート部314で軸方向孔315Aに接続すると共に、バルブ31の径方向に延びてシート部314(シート面とねじ部313との間)の外周面に開口する。
第1ブリーダーポート781にはシート面と雌ねじが形成される。シート面は第1ブリーダー液路751の開口を取り囲む。ねじ部313の雄ねじは、第1ブリーダーポート781の雌ねじに螺合される。ねじ部313を介したバルブ31の締め付けが、締付け部312により容易化される。シート部314のシート面は、ブリーダーポート78のシート面に対向する。両シート面が当接することで、バルブ31が閉じる。すなわち、第1ブリーダー液路751の開口が閉塞され、第1ブリーダーポート781からハウジング7の外部へのブレーキ液の漏れが抑制される。エア抜き時には、ニップル部311にチューブを接続し、バルブ31を緩めながらエアを抜き取る。チューブは例えば樹脂製であり、エア抜き時に排出されるブレーキ液を他の容器等へ送る。バルブ31とチューブは、ブリーダーとして機能する。バルブ31の締め付けが緩められると、両シート面が離間し、第1ブリーダー液路751の開口の上記閉塞が解除される。すなわち、両シート面の間の隙間を介して、第1ブリーダー液路751の開口部と径方向孔315Bの開口部とが連通する。第1ブリーダー液路751内のエア、及びエア入りブレーキ液は、径方向孔315Bを介して軸方向孔315Aから排出される。第2ブリーダーバルブ32(第2ブリーダーポート782)の構成及び作用も、第1ブリーダーバルブ31(第1ブリーダーポート781)と同様である。バルブ31,32は、それぞれ正圧室601(小径部701)と背圧室602(大径部712)のZ軸正方向側、好ましくはZ軸正方向端に設けられる。これによりエア抜きが容易化される。
第2ユニット1Bは、第1ユニット1Aと各車輪FL〜RRのブレーキ作動ユニットとの間に設けられる液圧制御装置である。第2ユニット1Bは、ハウジング8と、モータMと、ポンプ20と、複数の電磁弁21等と、複数の液圧センサ91等と、電子制御ユニット(コントロールユニット。以下、ECUという)90とを有する。ハウジング8は、その内部にポンプ20や電磁弁21等の弁体を収容(内蔵)する。ハウジング8の内部には、ブレーキ液が流通する上記2系統(P系統及びS系統)の回路(ブレーキ液圧回路)が複数の液路により形成される。複数の液路は、供給液路11と、吸入液路12と、吐出液路13と、調圧液路14と、減圧液路15と、背圧液路16と、第1シミュレータ液路17と、第2シミュレータ液路18とを有する。また、ハウジング8の内部には複数のポート80が形成され、これらのポート80はハウジング8の外表面に開口する。ポート80は、ハウジング8の内部の液路に連続し、この液路とハウジング8の外部の液路(配管10M等)とを接続する。複数のポート80は、マスタシリンダポート80M(プライマリポート80MP、セカンダリポート80MS)と、吸入ポート80Rと、背圧ポート80Xと、ホイルシリンダポート80Wとを有する。マスタシリンダポート80Mは、ハウジング8の内部の供給液路11に接続すると共に、ハウジング8(第2ユニット1B)をマスタシリンダ5(液圧室50)に接続する。プライマリポート80MPにはプライマリ配管10MPの他端が接続される。セカンダリポート80MSにはセカンダリ配管10MSの他端が接続される。吸入ポート80Rには吸入配管10Rの他端が接続される。吸入ポート80Rは、ハウジング8の内部の第1液溜め室120に接続すると共に、ハウジング8をリザーバタンク4に接続する。背圧ポート80Xには背圧配管10Xの他端が接続される。背圧ポート80Xは、ハウジング8の内部の背圧液路16に接続すると共に、ハウジング8をストロークシミュレータ6(背圧室602)に接続する。ホイルシリンダポート80Wにはホイルシリンダ配管10Wの一端が接続される。ホイルシリンダポート80Wは、ハウジング8の内部の供給液路11に接続すると共に、ハウジング8(第2ユニット1B)をホイルシリンダW/Cに接続する。
モータMは、回転式の電動機であり、ポンプ20を駆動するための回転軸を備える。モータMは、ブラシ付きモータでもよいし、上記回転軸の回転角度ないし回転数を検出するレゾルバを備えるブラシレスモータでもよい。ポンプ20は、ホイルシリンダW/Cに対し作動液圧を供給可能な第2の液圧源であり、1つのモータMにより駆動される5つのプランジャポンプを有する。なお、ポンプ20はギヤポンプでもよく、特に限定されない。ポンプ20は、S系統及びP系統で共通に用いられる。電磁弁21等は、制御信号に応じて動作するアクチュエータであり、ソレノイドと弁体を有する。弁体は、ソレノイドへの通電に応じてストロークし、液路の開閉を切替える(液路を断接する)。電磁弁21等は、上記回路の連通状態を制御し、ブレーキ液の流通状態を調整することで、制御液圧を発生する。複数の電磁弁21等は、遮断弁21と、増圧弁(以下、SOL/V INという。)22と、連通弁23と、調圧弁24と、減圧弁(以下、SOL/V OUTという。)25と、ストロークシミュレータイン弁(以下、SS IN/Vという。)27及びストロークシミュレータアウト弁(以下、SS OUT/Vという。)28とを有する。遮断弁21、SOL/V IN22、及び調圧弁24は、非通電状態で開弁する常開弁である。連通弁23、減圧弁25、SS IN/V27、及びSS OUT/V28は、非通電状態で閉弁する常閉弁である。遮断弁21、SOL/V IN22、及び調圧弁24は、ソレノイドに供給される電流に応じて弁の開度が調整される比例制御弁である。連通弁23、減圧弁25、SS IN/V27、及びSS OUT/V28は、弁の開閉が二値的に切替え制御されるオン・オフ弁である。なお、これらの弁に比例制御弁を用いることも可能である。複数の液圧センサは、マスタシリンダ圧センサ91と、吐出圧センサ93と、ホイルシリンダ圧センサ92(プライマリ圧センサ92P及びセカンダリ圧センサ92S)とを有する。液圧センサ91等は、ポンプ20の吐出圧やマスタシリンダ圧を検出する。
以下、第2ユニット1Bのブレーキ液圧回路を図2に基づき説明する。各車輪FL〜RRに対応する部材には、その符号の末尾にそれぞれ添字a〜dを付して適宜区別する。供給液路11Pの一端側は、プライマリポート80MPに接続する。液路11Pの他端側は、前左輪用の液路11aと後右輪用の液路11dとに分岐する。各液路11a,11dは対応するホイルシリンダポート80Wに接続する。供給液路11Sの一端側は、セカンダリポート80MSに接続する。液路11Sの他端側は、前右輪用の液路11bと後左輪用の液路11cとに分岐する。各液路11b,11cは対応するホイルシリンダポート80Wに接続する。液路11の上記一端側には遮断弁21が設けられる。各液路11a〜11dにはSOL/V IN22が設けられる。SOL/V IN22をバイパスして各液路11と並列にバイパス液路110が設けられ、液路110にはチェック弁220が設けられる。弁220は、ホイルシリンダポート80Wの側からマスタシリンダポート80Mの側へ向うブレーキ液の流れのみを許容する。
吸入液路12は、第1液溜め室120とポンプ20の吸入部とを接続する。吐出液路13の一端側は、ポンプ20の吐出部に接続する。吐出液路13の他端側は、P系統用の液路13PとS系統用の液路13Sとに分岐する。各液路13P,13Sは、供給液路11における遮断弁21とSOL/V IN22との間に接続する。各液路13P,13Sには連通弁23が設けられる。各液路13P,13Sは、P系統の供給液路11PとS系統の供給液路11Sとを接続する連通路として機能する。ポンプ20は、上記連通路(吐出液路13P,13S)及び供給液路11P,11Sを介して、各ホイルシリンダポート80Wに接続する。調圧液路14は、吐出液路13におけるポンプ20と連通弁23との間と、第1液溜め室120とを接続する。液路14には第1減圧弁としての調圧弁24が設けられる。減圧液路15は、供給液路11の各液路11a〜11dにおけるSOL/V IN22とホイルシリンダポート80Wとの間と、第1液溜め室120とを接続する。液路15には第2減圧弁としてのSOL/V OUT25が設けられる。
背圧液路16の一端側は、背圧ポート80Xに接続する。液路16の他端側は、第1シミュレータ液路17と第2シミュレータ液路18とに分岐する。第1シミュレータ液路17は、供給液路11Sにおける遮断弁21SとSOL/V IN22b,22cとの間に接続する。液路17にはSS IN/V27が設けられる。SS IN/V27をバイパスして液路17と並列にバイパス液路170が設けられ、液路170にはチェック弁270が設けられる。弁270は、背圧液路16の側から供給液路11Sの側へ向うブレーキ液の流れのみを許容する。第2シミュレータ液路18は、第1液溜め室120に接続する。液路18にはSS OUT/V28が設けられる。SS OUT/V28をバイパスして液路18と並列にバイパス液路180が設けられ、液路180にはチェック弁280が設けられる。弁280は、第1液溜め室120の側から背圧液路16の側へ向うブレーキ液の流れのみを許容する。供給液路11Sにおける遮断弁21Sとセカンダリポート80MSとの間には、この箇所の液圧(ストロークシミュレータ6の正圧室601の液圧であり、マスタシリンダ圧)を検出する液圧センサ91が設けられる。供給液路11における遮断弁21とSOL/V IN22との間には、この箇所の液圧(ホイルシリンダ液圧に相当)を検出する液圧センサ92が設けられる。吐出液路13におけるポンプ20と連通弁23との間には、この箇所の液圧(ポンプ吐出圧)を検出する液圧センサ93が設けられる。ストロークシミュレータ6の背圧室602は、背圧配管10X、背圧液路16、第1シミュレータ液路17、及び供給液路11Sを介して、ホイルシリンダW/Cに接続する。また、背圧室602は、背圧配管10X、背圧液路16、第1シミュレータ液路17、供給液路11S、及び吐出液路13を介して、ポンプ20の吐出部に接続する。
第2ユニット1Bは、ポンプ20により昇圧されたブレーキ液を、ホイルシリンダ配管10Wを介してブレーキ作動ユニットへ供給し、ブレーキ液圧(ホイルシリンダ液圧)を発生させる。第2ユニット1Bは、各ホイルシリンダW/Cにマスタシリンダ圧を供給可能であると共に、マスタシリンダ5とホイルシリンダW/Cとの連通を遮断した状態で、運転者によるブレーキ操作とは独立に、ポンプ20が発生する液圧を用いて各ホイルシリンダW/Cの液圧を個別に制御可能である。ECU90には、ストロークセンサ94および液圧センサ91等の検出値や、外部からの情報(車両側からの走行状態に関する情報や、各種スイッチのON/OFF切替え信号等)がCAN通信線等を介して入力される。ECU90は、入力される情報および内蔵されたプログラムに基づき、電磁弁21等の開閉動作やモータMの回転数(すなわちポンプ20の吐出量)を制御することで、各車輪FL〜RRのホイルシリンダ液圧(液圧制動力)を制御する。これにより、ECU90は、各種のブレーキ制御(制動による車輪のスリップを抑制するためのアンチロックブレーキ制御や、運転者のブレーキ操作力を低減するための倍力制御や、車両の運動制御のためのブレーキ制御や、先行車追従制御等の自動ブレーキ制御や、回生協調ブレーキ制御等)を実行する。車両の運動制御には、横滑り防止等の車両挙動安定化制御が含まれる。回生協調ブレーキ制御では、回生ブレーキと協調して目標減速度(目標制動力)を達成するようにホイルシリンダ液圧を制御する。
ECU90は、ブレーキ操作量検出部90aと、目標ホイルシリンダ液圧算出部90bと、踏力ブレーキ創生部90cと、倍力制御部90dと、制御切替部90eとを有する。ブレーキ操作量検出部90aは、ストロークセンサ94の検出値の入力を受けてブレーキ操作量としてのブレーキペダル100の変位量(ペダルストローク)を検出する。目標ホイルシリンダ液圧算出部90bは、目標ホイルシリンダ液圧を算出する。具体的には、検出されたペダルストロークに基づき、所定の倍力比、すなわちペダルストロークと運転者の要求ブレーキ液圧(運転者が要求する車両減速度)との間の理想の関係特性を実現する目標ホイルシリンダ液圧を算出する。また、回生協調ブレーキ制御時には、回生制動力との関係で目標ホイルシリンダ液圧を算出する。例えば、車両の回生制動装置のコントロールユニットから入力される回生制動力と目標ホイルシリンダ液圧に相当する液圧制動力との和が、運転者の要求する車両減速度を充足するような目標ホイルシリンダ液圧を算出する。なお、運動制御時には、例えば検出された車両運動状態量(横加速度等)に基づき、所望の車両運動状態を実現するよう、各車輪FL〜RRの目標ホイルシリンダ液圧を算出する。
踏力ブレーキ創生部90cは、ポンプ20を非作動とし、遮断弁21を開方向、SS IN/V27を閉方向、SS OUT/V28を閉方向に制御する(すなわちこれらの弁を非作動とする)。遮断弁21が開方向に制御された状態で、マスタシリンダ5の液圧室50とホイルシリンダW/Cとを接続する液路系統(供給液路11等)は、ペダル踏力を用いて発生させたマスタシリンダ圧によりホイルシリンダ液圧を創生する踏力ブレーキ(非倍力制御)を実現する。なお、SS OUT/V28が閉方向に制御されることで、ストロークシミュレータ6が機能しない。すなわち、ストロークシミュレータ6のピストン61の作動が抑制されるため、液圧室50(セカンダリ室50S)から正圧室601へのブレーキ液の流入が抑制される。これにより、ホイルシリンダ液圧をより効率的に増圧可能となる。具体的には、マスタシリンダ5は、マスタシリンダ配管10M、供給液路11、及びホイルシリンダ配管10Wを介してホイルシリンダW/Cと接続し、ホイルシリンダ液圧を増圧可能である。マスタシリンダ5において、ブレーキペダル100の操作に伴い両ピストン51P, 51SがX軸正方向側に変位すると、孔510が、シール部材(リップ部)とピストン51の外周面との接触部位よりもX軸正方向側に位置するようになる。この状態で、孔510(に連通する液圧室50)と補給ポート705(に連通するリザーバタンク4)との連通が遮断される。各液圧室50P,50Sは、ピストン51の推力により液圧(マスタシリンダ圧)を発生する。運転者のブレーキ操作に伴いマスタシリンダ5から流出したブレーキ液は、マスタシリンダ配管10Mに流れ、マスタシリンダポート80Mを介して第2ユニット1Bの供給液路11内に取り込まれる。マスタシリンダ5は、プライマリ室50Pに発生したマスタシリンダ圧によりP系統の液路(供給液路11P)を介してホイルシリンダW/C(FL),W/C(RR)を加圧可能である。同時に、マスタシリンダ5は、セカンダリ室50Sにより発生したマスタシリンダ圧によりS系統の液路(供給液路11S)を介してホイルシリンダW/C(FR),W/C(RL)を加圧可能である。ストロークセンサ94は、プライマリピストン51Pのストローク(ペダルストローク)を検出する。なお、第1ユニット1Aは、車両のエンジン又は別に設けた負圧ポンプが発生する負圧を利用して運転者のブレーキ操作力を倍力する負圧ブースタを備えていない。
遮断弁21が閉方向に制御された状態で、SS IN/V27が閉方向、SS OUT/V28が開方向に制御されているときは、第1液溜め室120とホイルシリンダW/Cを接続するブレーキ系統(吸入液路12、吐出液路13等)は、ポンプ20を用いて発生させた液圧によりホイルシリンダ液圧を創生し、倍力制御や回生協調制御等を実現する所謂ブレーキバイワイヤシステムとして機能する。倍力制御部90dは、運転者のブレーキ操作時に、ポンプ20を作動させ、遮断弁21を閉方向、連通弁23を開方向に制御することで、第2ユニット1Bの状態を、ポンプ20によりホイルシリンダ液圧を創生可能な状態とする。これにより、ポンプ20の吐出圧を液圧源としてマスタシリンダ圧よりも高いホイルシリンダ液圧を創生し、運転者のブレーキ操作力では不足する液圧制動力を発生させる倍力制御を実行する。例えば、ポンプ20を所定回転数で作動させたまま調圧弁24を制御してポンプ20からホイルシリンダW/Cへ供給されるブレーキ液量を調整することで、目標ホイルシリンダ液圧を実現する。すなわち、装置1は、エンジン負圧ブースタに代えて第2ユニット1Bのポンプ20を作動させることで、ブレーキ操作力を補助する倍力機能を発揮する。また、倍力制御部90dは、SS IN/V27を閉方向に、SS OUT/V28を開方向に制御する。これにより、ストロークシミュレータ6を機能させる。
供給液路11を介したマスタシリンダ5とホイルシリンダW/Cとの連通が遮断弁21により遮断された状態で、運転者のブレーキ操作に応じてマスタシリンダ5からストロークシミュレータ6の正圧室601にブレーキ液が流入することで、ペダルストロークが発生する。また、押し縮められるスプリング631等の弾性体の付勢力により、運転者のブレーキ操作反力(操作量に応じたペダル反力)が生成される。すなわち、正圧室601におけるピストン61の受圧面に所定以上の液圧(マスタシリンダ圧)が作用すると、ピストン61が第1スプリング631等を押し縮めつつ背圧室602側に向かって軸方向に移動する。このとき正圧室601の容積が拡大すると同時に、背圧室602の容積が縮小する。これにより、セカンダリ室50Sから流れ出たブレーキ液は、正圧液路74を介して正圧室601の内部に流入すると同時に、背圧室602からブレーキ液が流出し、背圧室602のブレーキ液が排出される。背圧室602は、背圧配管10Xを介して、第2ユニット1Bの背圧液路16と接続する。運転者のブレーキ操作に伴い背圧室602から流出したブレーキ液は、背圧配管10Xに流れ、背圧ポート80Xを介して背圧液路16内に取り込まれる。ストロークシミュレータ6は、このようにマスタシリンダ5からのブレーキ液を吸入することでホイルシリンダW/Cの液剛性を模擬し、ペダル踏込み感を再現する。ピストン61のX軸負方向側へのストロークに伴い、第1スプリング631が第1のX軸方向隙間以上圧縮されると、第1ダンパ641がピストン61とストッパ部材66との間に挟まれて弾性変形する。第2スプリング632が第2のX軸方向隙間以上圧縮されると、第2ダンパ642がリテーナ部材65とプラグ部材60との間に挟まれて弾性変形する。これらにより衝撃が緩和されると共に、ペダル踏力(ペダル反力)とペダルストロークとの関係特性を調整可能である。よって、ペダルフィーリングが向上する。なお、正圧室601内の圧力が所定未満に減少すると、スプリング631等の付勢力(弾性力)によりピストン61が初期位置に復帰する。
また、ECU90は、急ブレーキ操作状態判別部90f及び第2踏力ブレーキ創生部90gを有する。急ブレーキ操作状態判別部90fは、ブレーキ操作量検出部90a等からの入力に基づきブレーキ操作状態を検出し、ブレーキ操作状態が所定の急ブレーキ操作状態であるか否かを判断する。例えば、ペダルストロークの時間当り変化量が所定の閾値を超えたか否かを判定する。制御切替部90eは、急ブレーキ操作状態であると判定されたとき、第2踏力ブレーキ創生部90によりホイルシリンダ液圧を創生するよう、制御を切替える。第2踏力ブレーキ創生部90gは、ポンプ20を作動させ、遮断弁21を閉方向、SS IN/V27を開方向、SS OUT/V28を閉方向に制御する。すなわち、背圧室602に接続する液路16等はホイルシリンダW/Cとも接続しており、第2ユニット1BはホイルシリンダW/Cと背圧室602との連通状態を切替えることが可能に設けられている。第2踏力ブレーキ創生部90gは、ホイルシリンダW/Cと背圧室602とを連通させることで、背圧室602からのブレーキ液をホイルシリンダW/Cへ供給する。これにより、ポンプ20が十分に高いホイルシリンダ液圧を発生可能になるまでの間、背圧室602から流出するブレーキ液を用いてホイルシリンダ液圧を創生する第2の踏力ブレーキが実現される。なお、遮断弁21や連通弁23を開方向に制御してもよい。また、SS IN/V27を閉方向に制御してもよく、この場合、背圧室602からのブレーキ液は、(ホイルシリンダW/C側が背圧室602側よりも未だ低圧であるため開弁状態となる)チェック弁270を通って、ホイルシリンダW/C側へ供給される。本実施形態では、SS IN/V27を開方向に制御することで、背圧室602側からホイルシリンダW/C側へ向う流路の面積を広げ、ホイルシリンダW/C側へブレーキ液を効率よく供給できる。なお、チェック弁270を設けなくてもよい。本実施形態では、チェック弁270を設けたことで、上記流路の面積を広げることができる。その後、急ブレーキ操作状態であると判定されなくなり、及び/または、ポンプ20の吐出能力が十分となったことを示す所定の条件が成立すると、制御切替部90eは、倍力制御部90dによりホイルシリンダ液圧を創生するよう、制御を切替える。すなわち、SS IN/V27を閉方向、SS OUT/V28を開方向に制御する。これにより、背圧室602と第1液溜め室120(リザーバタンク4)が連通するため、ストロークシミュレータ6が機能するようになる。なお、第2の踏力ブレーキの後に回生協調ブレーキ制御に切替えるようにしてもよい。なお、チェック弁280を設けなくてもよい。本実施形態では、チェック弁280を設けたことで、ストロークシミュレータ6の作動中にSS OUT/V28が閉弁状態で固着する失陥が生じた場合でも、第1液溜め室120側からブレーキ液がチェック弁280を通って背圧室602へ供給される。これにより、ピストン61が初期位置へ戻ることが可能である。
また、ECU90は、エア抜き制御部90h及び液漏れ検知部90iを有する。エア抜き制御部90hは、電磁弁21等及びモータMを制御して、背圧室602のエア、及び、背圧配管10Xを含む液路のエアを抜く。図4は、エア抜き制御部90hが実行する制御の流れを示す。この流れは所定周期で繰り返し実行される。ステップS1では、外部(CAN通信等)からのエア抜き要求がある(外部からのエア抜き要求信号がONになった)か否かを判断する。要求があればS2へ移行し、要求がなければS6へ移行する。S2では、エア抜き状態となってからの時間(エア抜き状態の継続時間)が第1の所定時間以下であるか否かを判断する。エア抜き状態とは、ポンプ20について言えば、ポンプ20(モータM)が駆動された状態である。各電磁弁21等(の開閉位置)について言えば、遮断弁21が閉方向、連通弁23が開方向、SOL/V IN22が閉方向、調圧弁24が閉方向、SS IN/V27が開方向に制御された状態である。この状態で、調圧弁24は、所定圧力以上でリリーフ(開弁)するように電流が設定される。この所定圧力は、液路13,17等の内圧の過度な上昇を抑制するためのリリーフ圧である。第1の所定時間は、例えば、リザーバタンク4のブレーキ液を過剰に消費しない(リザーバタンク4から吸入されるブレーキ液にエアが混入しない)程度の時間である。第1の所定時間以下であればS3へ移行し、第1の所定時間より長ければS6へ移行する。S6で各電磁弁21等とモータMを停止することで、ポンプ20と電磁弁21等の連続駆動が防止される。S3では、各電磁弁21等がエア抜き状態となったか否かを判断する。具体的には、各電磁弁21等をエア抜き状態に駆動することを開始してからの時間が第2の所定時間以上である(第2の所定時間が経過している)否かを判断する。第2の所定時間は、例えば、開閉指令信号が出力されてから電磁弁21等が目標(エア抜き状態)の開閉位置まで作動するのに要する応答時間である。第2の所定時間以上であれば(第2の所定時間が経過していれば)各電磁弁21等がエア抜き状態となったと判断してS4へ移行し、第2の所定値未満であれば(第2の所定時間が経過していなければ)各電磁弁21等がエア抜き状態となっていないと判断してS5へ移行する。S4では、モータMを駆動する。S5では、各電磁弁21等をエア抜き状態に駆動する。S6では、各電磁弁21等とモータMを停止する。
液漏れ検知部90iは、電磁弁21等及びモータMを制御して、背圧室602、及び、背圧配管10Xを含む液路からのブレーキ液の漏出を検知する。図5は、液漏れ検知部90iが実行する制御の流れを示す。この流れは所定周期で繰り返し実行される。ステップS11では、外部からの液漏れ検知要求がある(外部からの液漏れ検知要求信号がONになった)か否かを判断する。要求があればS12へ移行し、要求がなければS22へ移行する。S12では、各電磁弁21等が液漏れ検知状態となったか否かを判断する。液漏れ検知状態は、エア抜き状態と同様である。具体的な判断としては、各電磁弁21等を液漏れ検知状態に駆動することを開始してからの時間が第1の所定時間以上である(第1の所定時間が経過している)か否かを判断する。第1の所定時間は、例えば、開閉指令信号が出力されてから電磁弁21等が目標(液漏れ検知状態)の開閉位置まで作動するのに要する応答時間である。第1の所定時間以上であれば(第1の所定時間が経過していれば)各電磁弁21等が液漏れ検知状態となったと判断してS13へ移行し、第1の所定時間未満であれば(第1の所定時間が経過していなければ)各電磁弁21等が液漏れ検知状態となっていないと判断してS21へ移行する。S13では、圧力発生フラグがセットされているか否かを判断する。フラグがセットされていなければS14へ移行し、セットされていればS17へ移行する。S14では、液圧センサ92又は液圧センサ93が検出する圧力が所定圧未満であるか否かを判断する。この所定圧は、液漏れ検知に適当な圧、例えば10MPaであり、調圧弁24のリリーフ圧未満である。上記圧力が所定圧未満であればS15へ移行し、所定圧以上であればS16へ移行する。S15では、モータMを駆動する。S16では、モータMを停止し、圧力発生フラグをセットする。S17では、液圧センサ92又は液圧センサ93が検出する圧力が上記所定圧未満であるか否かを判断する。上記所定圧未満であればS18へ移行し、上記所定圧以上であればS19へ移行する。S18では、各電磁弁21等を停止し、圧力発生フラグをリセットする。また、液漏れが発生していることを外部に警告する。S19では、上記圧力が上記所定圧以上となってからの時間が第2の所定時間以上である(第2の所定時間が経過している)か否かを判断する。第2の所定時間は、例えば、液漏れの発生がないと判断できる時間である。第2の所定時間以上であれば(第2の所定時間が経過していれば)S20へ移行し、第2の所定時間未満であれば(第2の所定時間が経過していなければ)S21へ移行する。S20では、圧力発生フラグをリセットする。SS OUT/V28またはSOL/V OUT25を開方向に制御して減圧を実施する。なお、減圧は、調圧弁24を開方向に制御して行ってもよい。減圧が終了した(上記圧力が略0すなわち大気圧相当になった)ことを確認すると、各電磁弁21等を停止し、外部に液漏れ検知の正常終了(液漏れが発生していない正常状態であり、かつ検知が終了したこと)を通信する。S21では、各電磁弁21等を液漏れ検知状態に駆動する。S22では、各電磁弁21等を停止し、圧力発生フラグをリセットする。
次に、作用を説明する。図6は、エア抜き制御時におけるアクチュエータの作動状態(具体的には、各電磁弁21等及びモータMを駆動するための指令信号)等の時間変化を示す。時刻t1で、作業者が第2ブリーダーバルブ32を開く。時刻t2で、エア抜き要求信号がONになる。例えば、作業者が、エア抜きを指令するため、外部から車両へアクセス(入力)する。時刻t2〜t3で、図4におけるS1→S2→S3→S5の流れとなり、各電磁弁21等をエア抜き状態に駆動する。時刻t3で、各電磁弁21等が実際にエア抜き状態になる。S1→S2→S3→S4の流れとなり、モータMを駆動する。時刻t3〜t4で、ポンプ20からブレーキ液が吐出され、第2ブリーダーバルブ32を含むブリーダーからブレーキ液が排出される。これにより、背圧室602、及び背圧室602に接続する(背圧配管10X等の)液路のエア抜きが実行される。時刻t4で、エア抜き要求信号がOFFになる。例えば、作業者が、第2ブリーダーバルブ32を含むブリーダーから排出されるブレーキ液中にエアがなくなったことを目視で確認し、外部から車両へアクセスする。時刻t4以降、S1→S6の流れとなり、各電磁弁21等及びモータMを停止する。時刻t5で、作業者が、第2ブリーダーバルブ32を閉じる。
ストロークシミュレータの背圧室にブレーキ液が存在する構成、言換えると背圧室に液路が接続し、液路を介して背圧室が液圧回路と接続する構成において、背圧室及び上記液路のエアを抜くための方法として、ブレーキペダルを操作することによるものが考えられる。すなわち、マスタシリンダからストロークシミュレータ(正圧室)へブレーキ液を流入させて背圧室の容積を減少させ、これにより背圧室及び上記液路からエアを押し出し(排出し)、上記エア抜きを実現する。しかし、このような方法では、一度のペダル操作で排出できるエアの量には限界があり、エアの混入量が多い場合等には、複数のペダル操作によってもエアを十分に抜くことが難しい。装置1では、背圧室602に第2ブリーダーバルブ32が設けられる。また、背圧室602に接続する液路16,17等はポンプ20(の吐出部)とも接続しており、第2ユニット1Bはポンプ20(の吐出部)と背圧室602との連通状態を切替えることが可能に設けられている。エア抜き制御部90hは、第2ブリーダーバルブ32が開かれた状態で、ポンプ20(の吐出部)と背圧室602とを連通させる。そして、ポンプ20を作動させることで、ポンプ20からのブレーキ液を背圧室602へ供給する。よって、ポンプ20から吐出されるブレーキ液が、液路16等や背圧配管10Xのエア、及び、背圧室602のエアを押し出し、上記エアと共に(第2ブリーダーバルブ32を含む)ブリーダーから排出される。この動作は連続的に行われ、多量のエアを排出することが可能であるため、エアが効果的に抜かれる。なお、背圧室602と接続される液路16等にアキュムレータを備え、アキュムレータから吐出されるブレーキ液を背圧室602へ供給することで上記エア抜きを行ってもよい。なお、正圧室601のエアを抜く際には、第1ブリーダーバルブ31を開けた状態でブレーキペダル100を踏込み操作することで、正圧室601からエアを押し出す(排出する)ことが可能である。
エア抜き制御部90hは、各電磁弁21等をエア抜き状態とすることで、ポンプ20からのブレーキ液を効率的に背圧室602へ供給することを可能にする。例えば、連通弁23Sを開方向、SS IN/V27を開方向に制御することで、ポンプ20(の吐出部)と背圧室602とを連通させる。遮断弁21及び調圧弁24を閉方向に制御し、SS OUT/V28を閉じた状態のままとする(停止する)ことで、ポンプ20(の吐出部)と低圧部(リザーバタンク4)との連通を遮断する。SOL/V IN22を閉方向に制御することで、ポンプ20(の吐出部)とホイルシリンダW/Cとの連通を遮断する。これにより、ポンプ20からのブレーキ液がより効率的に背圧室602へ供給される。なお、SOL/V IN22を開方向に制御(ポンプ20とホイルシリンダW/Cとを連通)してもよい。この場合も、SOL/V OUT25等を閉じた状態のままとする(停止する)ことで、ポンプ20(の吐出部)と低圧部(リザーバタンク4)との連通が遮断される。また、ポンプ20(の吐出部)と背圧室602との連通・遮断に関与しない連通弁23Pを閉じた状態のままとする(停止する)ようにしてもよい。この場合、P系統の遮断弁21PやSOL/V IN22a,22dを閉方向に制御する必要がなくなる。
装置1は第1ユニット1Aと第2ユニット1Bを有する。よって、車両への装置1の搭載性を向上できる。なお、ストロークシミュレータ6はマスタシリンダ5(第1ユニット1A)および第2ユニット1Bと別体(ハウジングを別とする構成)であってもよい。また、上記別体のストロークシミュレータ6がマスタシリンダ5(第1ユニット1A)または第2ユニット1Bに配置され(備えられ)てもよい。本実施形態では、ストロークシミュレータ6は第1ユニット1Aに配置される。よって、第2ユニット1Bの大型化を抑制できる。また、マスタシリンダ5とストロークシミュレータ6とを接続する配管の長さを短くできると共に上記配管の数を減らすことが可能である。よって、装置1の複雑化を抑制できると共に配管の増加に伴うコストアップを抑制できる。なお、ストロークシミュレータ6が第2ユニット1Bに配置される場合、第1ユニット1Aの大型化を抑制できる。また、ハウジング8とストロークシミュレータ6とを接続する配管の長さを短くできると共に上記配管の数を減らすことが可能である。本実施形態では、マスタシリンダ5とストロークシミュレータ6が第1ユニット1Aとして一体化される(同じハウジングに収容される)。よって、ストロークシミュレータ6がマスタシリンダ5と別体である場合に比べ、マスタシリンダ5とストロークシミュレータ6とを接続する液路を簡素化できる。なお、ハウジング8とストロークシミュレータ6が第2ユニット1Bとして一体化される場合、ハウジング8内の液路とストロークシミュレータ6とを接続する液路を簡素化できる。本実施形態では、ストロークシミュレータ6と第2ユニット1Bとを接続する配管は、正圧室601と第2ユニット1Bを接続する配管を有せず、背圧室602と第2ユニット1Bを接続する背圧配管10Xのみを有する。よって、第1ユニット1A(ストロークシミュレータ6)と第2ユニット1Bを接続する配管の数を減らすことができる。
電磁弁21等及び液圧センサ91等は、第2ユニット1Bに配置される。よって、第1ユニット1Aに電磁弁駆動用のECUを必要とせず、また、第1ユニット1AとECU90(第2ユニット1B)との間に電磁弁制御用やセンサ信号伝達用の配線(ハーネス)を必要としない。よって、装置1の複雑化を抑制できると共に、配線の増加に伴うコストアップを抑制できる。また、第1ユニット1AにECUを配置しないため、第1ユニット1Aを小型化し、そのレイアウト自由度を向上できる。例えば、SS IN/V27及びSS OUT/V28は第2ユニット1Bに配置される。よって、第1ユニット1Aにストロークシミュレータ6の作動を切換えるためのECUを必要とせず、また、第1ユニット1AとECU90(第2ユニット1B)との間にSS IN/V27等を制御するための配線(ハーネス)を必要としない。ECU90は、ハウジング8に取付けられ、ECU90と(電磁弁21等を収容する)ハウジング8は第2ユニット1Bとして一体化される。よって、電磁弁21等及び液圧センサ91等とECU90とを接続する配線(ハーネス)を省略できる。モータMは、第2ユニット1Bに配置され、(ポンプ20を収容する)ハウジング8とモータMは第2ユニット1Bとして一体化される。この第2ユニット1Bはポンプ装置として機能する。よって、モータMとECU90とを接続する配線(ハーネス)を省略できる。
ストロークシミュレータ6とSS IN/V27とは別々のユニット1A,1B(ハウジング7,8)に配置される。よって、背圧室602に接続する液路が背圧配管10Xを含む。背圧配管10Xはハウジング7とハウジング8に接続される。背圧配管10Xを両ハウジング7,8に接続する(背圧配管10Xを介して両ユニット1A,1Bを接続する)際、背圧配管10Xの内部がブレーキ液で満たされた状態とすることは困難であり、背圧配管10Xの内部にエアが残りやすい。各ユニット1A,1Bを車両に設置してこれらを背圧配管10Xで接続した後、装置1を実際に作動させる前に、エア抜き制御を実行することで、背圧配管10Xを含む液路に混入しているエア、及び背圧室602のエアを効果的に抜くことができる。
なお、本実施形態では、エア抜きが終了したか否かを、作業者が目視で判断するようにしたが、制御により判断してもよい。例えば、エア抜きが終了したか否かをチェックするため、エア抜き制御後、第2ブリーダーバルブ32が閉じられた状態で、各電磁弁21等をエア抜き状態とし、ポンプ20を作動させる。ポンプ20の作動に応じて液圧が所定の特性で上昇すれば、背圧配管10Xを含む液路、及び背圧室602にエアが含まれていない(エア抜きが終了した)状態であると判断できる。ポンプ20の作動に応じて液圧が上記所定の特性で上昇しなければ、背圧配管10Xを含む液路、又は背圧室602にエアが残っている(エア抜きが終了していない)状態であると判断できる。
図7は、液漏れ検知制御時におけるアクチュエータの作動状態(具体的には、各電磁弁21等及びモータMを駆動するための指令信号)等の時間変化を示す。第2ブリーダーバルブ32は閉じられている。時刻t11で、外部からの車両へのアクセス等により、液漏れ検知要求信号がONになる。時刻t11〜t12で、図5におけるS11→S12→S21の流れとなり、各電磁弁21等を液漏れ検知状態に駆動する。時刻t12で、各電磁弁21等が実際に液漏れ検知状態になる。S11→S12→S13→S14→S15の流れとなり、モータMを駆動する。時刻t12〜t13で、ポンプ20からブレーキ液が吐出される。これにより、液圧センサ92又は液圧センサ93が検出する圧力が上昇する。この圧力は、背圧室602に接続する液路16,17等や背圧配管10X内の圧力に相当する。時刻t13で、上記圧力が所定圧以上になる。S11→S12→S13→S14→S16の流れとなり、モータMを停止する。これにより、上記圧力の上昇が終了する。時刻t13以後、上記圧力が維持され、所定圧未満にならない。よって、S11→S12→S13→S17→S19→S21の流れとなり、各電磁弁21等の液漏れ検知状態とモータMの停止状態を維持する。時刻t14で、時刻t13から第2の所定時間が経過する。よって、S11→S12→S13→S17→S19→S20の流れとなり、減圧を実施する。時刻t15で、上記圧力が略0になる。各電磁弁21等を停止し、外部に正常終了を通信する。時刻t16で、外部からの車両へのアクセス等により、液漏れ検知要求信号がOFFになる。S11→S22の流れとなり、各電磁弁21等及びモータMを停止する。なお、時刻t13以後、第2の所定時間が経過する前に、上記圧力が低下し、所定圧未満になった場合、S11→S12→S13→S17→S18の流れとなり、各電磁弁21等及びモータMを停止し、液漏れが発生していることを外部に警告する。
このように、第2ブリーダーバルブ32を閉じた状態で、ポンプ20からのブレーキ液を背圧室602へ供給すると共に、これにより発生させたポンプ20と背圧室602との間の液路16,17等(背圧配管10Xを含む)の圧力を検知することで、背圧室602、及び、背圧配管10Xを含む液路からのブレーキ液の漏出を検知することができる。また、上記のようにエア抜きが終了したか否かを判断することもできる。なお、背圧室602と接続される液路上にアキュムレータを備え、アキュムレータから吐出されるブレーキ液を背圧室602へ供給することで、ポンプ20と背圧室602との間の液路の圧力を発生させてもよい。液漏れ検知時の各電磁弁21等の作動状態について、エア抜き制御時と同様の変更が可能である。
[効果]
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1) ブレーキ装置1は、運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ5と、マスタシリンダ5から流出したブレーキ液が流入し、ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)100の擬似操作反力を生成し、背圧室602に第2ブリーダーバルブ32が設けられたストロークシミュレータ6と、車輪FL等に設けられたホイルシリンダW/Cに作動液圧を発生させ、背圧室602と接続されるポンプ(液圧源)20と、ポンプ20と背圧室602との間の液路17等の連通状態を切替えるSS IN/V(切替電磁弁)27と、マスタシリンダ5とホイルシリンダW/Cとの間の液路11の連通状態を切替える遮断弁(遮断電磁弁)21とを備える。
よって、背圧室602(および背圧室602に接続された液路)のエア抜き性を向上できる。
(2) ブレーキ装置1は、ハウジング(第1ハウジング)7と、ハウジング7に接続され、内部に液路11等が設けられたハウジング(第2ハウジング)8とを備え、ストロークシミュレータ6はハウジング7に設けられ、ポンプ(液圧源)20、SS IN/V27、及び遮断弁21はハウジング8に設けられている。
よって、背圧室602に接続する液路にエア混入の可能性が高い構成にあって、エアを有効に抜くことができる。
(3) ブレーキ装置1は、運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ5を備える第1ユニット1Aと、第1ユニット1Aに接続され、内部に液路11等が設けられたハウジング8を備える第2ユニット1Bと、第1ユニット1Aまたは第2ユニット1Bに備えられ、マスタシリンダ5から流出したブレーキ液が流入し、ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)100の擬似操作反力を生成するストロークシミュレータ6と、ストロークシミュレータ6の背圧室602に設けられた第2ブリーダーバルブ32とを有する。第2ユニット1Bは、ハウジング8の内部に設けられ、液路11等を介して車輪FL等に設けられたホイルシリンダW/Cに作動液圧を発生させるポンプ(液圧源)20と、ポンプ20と背圧室602との間の液路17等の連通状態を切替えるSS IN/V(切替電磁弁)27と、マスタシリンダ5とホイルシリンダW/Cとの間の液路11の連通状態を切替える遮断弁(遮断電磁弁)21と、ポンプ20、SS IN/V27、及び遮断弁21を駆動するためのコントロールユニット90とを一体的に備える。
よって、背圧室602(および背圧室602に接続された液路)のエア抜き性を向上できる。
(4)運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ5と、マスタシリンダ5から流出したブレーキ液が流入し、ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)100の擬似操作反力を生成し、背圧室602に第2ブリーダーバルブ32が設けられたストロークシミュレータ6と、車輪FL等に設けられたホイルシリンダW/Cに作動液圧を発生させ、背圧室602と接続されるポンプ(液圧源)20とを備えるブレーキ装置1の制御方法であって、第2ブリーダーバルブ32を開いた状態で、ポンプ20からのブレーキ液を背圧室602へ供給する。
よって、背圧室602(および背圧室602に接続された液路)のエア抜き性を向上できる。
(5) ブレーキ装置1の制御方法は、第2ブリーダーバルブ32を閉じた状態で、ポンプ20からのブレーキ液を背圧室602へ供給すると共に、ポンプ20と背圧室602との間の液路の圧力を検知する。
よって、背圧室602(および背圧室602に接続された液路)からのブレーキ液の漏出やエア抜きの終了を検知することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明したが、本発明の具体的な構成は、実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ストロークシミュレータの具体的な構造(スプリングの数やダンパ等の配置)は実施形態のものに限らない。
1 ブレーキ装置
1A 第1ユニット
1B 第2ユニット
11 供給液路
16 背圧液路
17 第1シミュレータ液路
20 ポンプ(液圧源)
21 遮断弁(遮断電磁弁)
27 SS IN/V(切替電磁弁)
32 第2ブリーダーバルブ
5 マスタシリンダ
6 ストロークシミュレータ
602 背圧室
7 ハウジング(第1ハウジング)
8 ハウジング(第2ハウジング)
90 コントロールユニット
100 ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
FL 前左輪(車輪)
W/C ホイルシリンダ

Claims (5)

  1. 運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから流出したブレーキ液が流入し、ブレーキ操作部材の擬似操作反力を生成し、背圧室にブリーダーバルブが設けられたストロークシミュレータと、
    車輪に設けられたホイルシリンダに作動液圧を発生させ、前記背圧室と接続される液圧源と、
    前記液圧源と前記背圧室との間の液路の連通状態を切替える切替電磁弁と、
    前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとの間の液路の連通状態を切替える遮断電磁弁と
    を備えるブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ装置において、
    第1ハウジングと、前記第1ハウジングに接続され、内部に液路が設けられた第2ハウジングとを備え、
    前記ストロークシミュレータは前記第1ハウジングに設けられ、
    前記液圧源、前記切替電磁弁、及び前記遮断電磁弁は前記第2ハウジングに設けられていることを特徴とするブレーキ装置。
  3. 運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダを備える第1ユニットと、
    前記第1ユニットに接続され、内部に液路が設けられたハウジングを備える第2ユニットと、
    前記第1ユニットまたは前記第2ユニットに備えられ、前記マスタシリンダから流出したブレーキ液が流入し、ブレーキ操作部材の擬似操作反力を生成するストロークシミュレータと、
    前記ストロークシミュレータの背圧室に設けられたブリーダーバルブとを有し、
    前記第2ユニットは、
    前記ハウジングの内部に設けられ、前記液路を介して車輪に設けられたホイルシリンダに作動液圧を発生させる液圧源と、
    前記液圧源と前記背圧室との間の液路の連通状態を切替える切替電磁弁と、
    前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとの間の液路の連通状態を切替える遮断電磁弁と、
    前記液圧源、前記切替電磁弁、及び前記遮断電磁弁を駆動するためのコントロールユニットと
    を一体的に備える
    ブレーキ装置。
  4. 運転者のブレーキ操作によってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから流出したブレーキ液が流入し、ブレーキ操作部材の擬似操作反力を生成し、背圧室にブリーダーバルブが設けられたストロークシミュレータと、
    車輪に設けられたホイルシリンダに作動液圧を発生させ、前記背圧室と接続される液圧源と
    を備えるブレーキ装置の制御方法であって、
    前記ブリーダーバルブを開いた状態で、前記液圧源からのブレーキ液を前記背圧室へ供給する
    ブレーキ装置の制御方法。
  5. 請求項4に記載のブレーキ装置の制御方法において、
    前記ブリーダーバルブを閉じた状態で、前記液圧源からのブレーキ液を前記背圧室へ供給すると共に、前記液圧源と前記背圧室との間の液路の圧力を検知することを特徴とするブレーキ装置の制御方法。
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