JP2017104164A - 輸液ポンプ - Google Patents

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中田 佑希
Yuki Nakata
佑希 中田
孝二 石垣
Koji Ishigaki
孝二 石垣
保彦 藤
Yasuhiko Fuji
保彦 藤
崇史 梅田
Takashi Umeda
崇史 梅田
勇二 臼井
Yuji Usui
勇二 臼井
裕貴 竹田
Hirotaka Takeda
裕貴 竹田
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Abstract

【課題】送出し流量の脈動を抑えた輸液ポンプを提供する。
【解決手段】内壁面203aにより区画された内部空間を有し受入口203bから受け入れたチューブ50を内壁面203aに沿わせて周回させてチューブ50を延出口203cから外部に延出させる本体部材と、内部空間内の、内壁面203aの間にチューブ50を挟む位置に装入され、チューブ50を内壁面203aに押し当ててチューブ50を押し潰すリング部材220とを有する輸液ポンプ用カセットを備え、リング部材220による押潰し位置を等速回転させたときと比較してチューブ50内の液の送出し流量の脈動が低減するように、リング部材220によるチューブ50の押潰し角度に対するモータの回転速度を制御する。
【選択図】図15

Description

本発明は、液体をチューブで送るロータリ式の輸液ポンプに関する。
ロータリ式の輸液ポンプが様々な分野で利用されている。例えば患者の体内に長時間にわたって一定量の薬液や栄養分を注入する際にも、ロータリ式の輸液ポンプが好適に利用されている。
この分野で用いられるロータリ式の輸液ポンプは、チューブの一部を押し潰し、その押し潰し位置を輸液方向に移動することによってチューブ内の液体を送り出す構造を有する。
例えば、特許文献1には、複数の稜線と複数の窪み部とが中心線を取り巻く向きに交互に配列された内壁面により区画され、外部から延びる輸液用のチューブを受け入れその内壁面に沿わせて輪を描くように配置して外部に延出させる内部空間を有する本体部材を有し、その内部空間に受け入れられたチューブを内壁面の稜線に押し当ててチューブを中心線から半径方向一方向に押し潰し、モータからの回転駆動力を受けチューブの押潰し位置を中心線を取り巻く向きに移動させてチューブ内の液を送り出す液送出構造を備えた輸液ポンプ用カセットと、その輸液ポンプ用カセットを備えた輸液ポンプが提案されている。この提案によれば、低コストで小型化、軽量化された輸液ポンプが実現する。
特開2014−224514号公報
ロータリ式の輸液ポンプは、上記の通り、チューブを押し潰してその押潰し位置を輸液方向に移動することによってチューブ内の液体を送り出す構造を有する。このため、このロータリ式の輸液ポンプでは、チューブの一部分を輪を描くように丸め、その丸めた部分のうちの一部を押し潰してその押潰し位置を循回移動するという構造が採用されている。
したがって、そのチューブの丸められた部分の、チューブ内の液の送り出し方向についての最下流の部分が押しつぶされると、次には最上流の部分が押し潰されることになる。あるいは、最下流の部分と最上流の部分との双方が同時に押し潰されることになる。すなわち、チューブの最下流や最上流が押し潰される場面では、最上流から最下流に至る途中部分が押し潰される場面と比べ異なる様相を呈し、チューブ内の液体の送出し流量が脈動することになる。
このため、時間的に一定流量の液体を送り出す必要がある場合、特には、小さな流量であって一定流量の液体を送り出す必要がある場合に、一定流量の要請から外れて、大きな流量誤差を伴うおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、送出し流量の脈動を抑えた輸液ポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の輸液ポンプは、
周回方向に広がる内壁面により区画された内部空間と、外部から延びるチューブを内部空間に受け入れる受入口と、受入口に近接した位置に設けられ、チューブを内部空間から外部に向けて延出させる延出口とを有し、受入口から受け入れたチューブを内壁面に沿わせて周回させてチューブを延出口から外部に延出させる本体部材と、
内部空間内の、内壁面との間にチューブを挟む位置に装入され、周回方向1箇所以上でチューブを内壁面に押し当ててチューブを押し潰す押当部材とを有する輸液ポンプ用カセット、および
輸液ポンプ用カセットが着脱自在に装着されて装着された輸液ポンプ用カセットを保持するカセット保持部と、
カセット保持部に保持されている輸液ポンプ用カセットの押当部材によるチューブの押潰し箇所を、周回方向に循回移動させて、チューブ内の液を送り出させる駆動部と、
押当部材を等速回転させたときと比較してチューブ内の液の送出し流量の脈動が低減するように、押当部材によるチューブの押潰し箇所の周回方向の角度であるところの押潰し角度に対する駆動部による駆動速度を制御する速度制御部とを有する輸液ポンプ本体を備えたことを特徴とする。
本発明の輸液ポンプは、上記の速度制御部を備えているため、チューブ内の液の送出し流量の脈動が低減する。
ここで、本発明の輸液ポンプにおいて、輸液ポンプ本体が、押潰し角度と駆動速度との対応関係を記憶しておく対応記憶部を備え、速度制御部は、その対応記憶部に記憶されている対応関係に従って駆動速度を制御するものであることが好ましい。
上記の対応記憶部を備えていると、モータの回転速度が容易に安定的に制御される。
また、本発明の輸液ポンプが、複数種類存在する輸液ポンプ用カセットのうちのカセット保持部に保持された輸液ポンプ用カセットの種類を検出するセンサを備え、対応記憶部が、輸液ポンプ用カセットの種類に応じた複数種類の対応関係を記憶しておくものであって、速度制御部は、対応記憶部に記憶されている複数種類の対応関係のうちのカセット保持部に保持されている輸液ポンプ用カセットの種類に応じた対応関係に従って、駆動速度を制御するものであってもよい。
例えばチューブの径や材質などによって送出し流量の脈動の振る舞いが異なる場合がある。輸液ポンプ用カセットが複数種類用意されている場合、上記の構成を備えることにより、今回使用される輸液ポンプ用カセットの種類に応じた駆動速度制御が行なわれ、どの種類の輸液ポンプ用カセットを用いた場合であっても脈動が有効に抑えられる。
さらに、本発明の輸液ポンプにおいて、上記駆動部が、カセット保持部に突き出た形状を有する出力軸を備え、
上記輸液ポンプ用カセットが、上記出力軸が嵌入する出力軸嵌入部を有し、上記押当部材が、出力軸嵌入部に嵌入した出力軸の回転に応じてチューブの押潰し箇所を循回移動させるものであって、
上記出力軸が、
カセット保持部に突き出た形状を有する出力軸本体と、
出力軸本体に引込む向きに移動自在に出力軸本体から突出するキー部材と、
キー部材を突出の向きに付勢する付勢部材とを備え、
出力軸嵌入部が、突出した状態のキー部材が嵌入するキー溝を有することが好ましい。
この構成を備えると、輸液ポンプ本体のカセット保持部に輸液ポンプ用カセットを装着する際に、その時点における出力軸の回転角度に考慮を払う必要がなく、回転が開始されると出力軸の回転角度とチューブの押潰し角度とが一定の関係となり、高精度な制御が可能となる。
さらに、本発明の輸液ポンプにおいて、上記受入口と延出口は、互いの間を仕切る仕切壁を挟んで互いに隣接する位置に設けられ、チューブが、受入口と延出口とを結ぶ並び方向に、送液可能なレベルに押し潰されて受入口と延出口を通過するように、受入口と延出口が、その並び方向について、チューブの外径よりも狭幅に形成されていることが好ましい。
受入口と延出口を並び方向に押し潰してでも受入口と延出口を近づけると、このことによっても脈動がさらに低減する。
以上の本発明によれば、送出し流量の脈動を抑えた輸液ポンプが実現する。
本発明の一実施形態としての輸液ポンプの全体構成を示す外観斜視図である。 輸液ポンプの分解斜視図である。 輸液ポンプ用カセットの分解斜視図である。 輸液ポンプの断面図である。 輸液ポンプの断面図である。 出力軸の先端部分の斜視図である。 出力軸先端部分の拡大断面図である。 カセット着脱ユニットの構造を示した斜視図である。 カセット着脱ユニットの、輸液ポンプ用カセット取外し時の動作説明図である。 操作伝達部材に設けられている遊び部を示した図である。 輸液ポンプ用カセットと係止爪との関係を示した模式図である。 輸液ポンプ用カセットに備えられている偏芯部材の外観斜視図である。 偏芯部材の動きを示した輸液ポンプ用カセットの断面図である。 リング部材とプランジャの変形例を示した斜視図である。 本実施形態における、チューブの押潰し構造を示した図である。 比較例としてのチューブ押潰し構造を示した図である。 脈流抑制処理の説明図である。 流れの脈動低減のための処理回路を示したブロック図である。 経過時間に対する吐出量を示した図である。 経過時間に対する流量を示した図である。 輸液ポンプ用カセットの種類検出構造を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態としての輸液ポンプの全体構成を示す外観斜視図である。
この輸液ポンプ1は、輸液ポンプ本体10と輸液ポンプ用カセット20とを有する。
輸液ポンプ用カセット20には、チューブ50が入り込み、カセットカバー200内を一周して輸液ポンプ用カセット20から延出している。チューブ50は、ここに示したよりも長く延びているが、ここでは、チューブ50の、輸液ポンプ用カセット20の近傍の部分のみを示している。輸液ポンプ用カセット20のカセットカバー200内には後述する円環形状のリング部材220(図3参照)が装入されている。そしてそのリング部材220がチューブ50をカセットカバー200の内壁に押し当て、回転駆動力を受けて押当て位置を循回移動させる。すると、チューブ50内の液が輸液ポンプ用カセット20から送り出される。
輸液ポンプ本体のケース100は、下ケース101と上ケース102とから構成されている。そして、この輸液ポンプ本体10には、カセット保持部11が設けられている。輸液ポンプ用カセット20は、このカセット保持部11に着脱自在に装着されて、そのカセット保持部11に保持される。また、このカセット保持部11の中央には、そのカセット保持部11に突き出た形状の出力軸112を有する。この出力軸112は、輸液ポンプ本体10に内蔵されているモータ(不図示)からの回転駆動力を、カセット保持部11に保持されている輸液ポンプ用カセット20に伝達する役割を担っている。輸液ポンプ用カセット20は、その出力軸112から回転駆動力の伝達を受けて、チューブ50内の液を送り出す。
また、カセット保持部11には、カセット外しレバー151が備えられている。このカセット外しレバー151を操作すると、カセット保持部11に保持されている輸液ポンプ用カセット20がそのカセット保持部11から取り外される。さらに、このカセット保持部11には、センサユニット130が配置されている。このセンサユニット130には、気泡検出センサと圧力センサ(不図示、センサについては後で説明する)が備えられている。
また、この輸液ポンプ本体10には、液晶表示パネル171と操作パネル173とを含むUI(ユーザインタフェース)170が備えられている。液晶表示パネル171上には、この輸液ポンプ1の操作方法や動作状態等の情報が表示される。また、操作パネル173には、複数の押ボタンスイッチ173aが備えられている。これらの押ボタンスイッチ173aは、動作の開始や停止、流量設定等の各種の操作を行なうためのものである。
図2は、図1に示す輸液ポンプの分解斜視図である。この図2には、分解された状態の輸液ポンプ本体が示されており、輸液ポンプ用カセット20については、組み立てられた状態のまま示されている。輸液ポンプ用カセット20の内部構造については後述する。
この輸液ポンプ本体10のケース100内、すなわち、下ケース101と上ケース102とに囲まれた内部空間には、駆動ユニット110、センサユニット130、マグネットリング141と2つのホール素子142、回路基板143、カセット着脱ユニット150、および、液晶表示パネル171とパネルカバー172が備えられている。
駆動ユニット110は、ギアボックス111内に不図示のモータやギアを備え、また、そのギアボックス111から突出した出力軸112を備えている。この駆動ユニットは駆動部の一例に相当する。この駆動ユニット110では、操作パネル173における押ボタン操作に応じてモータが回転し、そのモータの回転駆動力がギアを介して出力軸12に伝えられて出力軸112が回転する。この出力軸112の回転が、輸液ポンプ用カセット20に伝えられる。
センサユニット130には、2本の溝131が設けられている。この2本の溝131にはチューブ50の、輸液ポンプ用カセット20への入力側の部分と出力側の部分がそれぞれ配置される。このセンサユニット130内には、気泡検出センサと圧力センサ(いずれも不図示)が備えられている。気泡検出センサは、チューブ50内を流れる液に混入している気泡を検出するセンサである。この気泡検出センサで液中の気泡が検出されると、不図示のブザーから警告音が発せられるとともに、液晶表示パネル171の表示画面171a上に気泡混入の警告表示がなされる。また、圧力センサは、チューブ50内の液の圧力をチューブ50の膨張によって検出して流路の閉塞を監視するセンサである。流路の閉塞が認められると、気泡検出センサで気泡が検出されたときと同様、不図示のブザーから警告音が発せられるとともに、液晶表示パネル171の表示画面171a上に圧力上昇(チューブ50の閉塞)の警告表示がなされる。なお、ここでは、警告音と警告表示との双方で警告を発しているが、いずれか一方で警告してもよい。
また、マグネットリング141と2つのホール素子142は、出力軸112の回転速度および回転角度検出用である。マグネットリング141は出力軸112の根元部分に固定されて出力軸112と一体に回転する。2つのホール素子142は回路基板143に搭載される。回路基板143は駆動ユニット110のギアボックス111の上面に固定されて不動となっている。出力軸112が回転するとマグネットリング141も一体に回転し、2つのホール素子142によりその回転速度が検出される。また、これら2つのホール素子142は、位相が回転方向に互いに90°ずれた位置に配置されている。これにより、出力軸112の現在の回転角度を知ることができる。回路基板143上には、MPU(Micro Prcessing Unit)等からなる制御回路(不図示)が搭載されている。この制御回路は、後述する回転速度制御等を含む、この輸液ポンプ1の全体の制御を担っている。
カセット脱着ユニット150は、カセット保持部11への輸液ポンプ用カセット20の着脱を担っている。詳細は後述するが、輸液ポンプ用カセット20が係止爪152に係止されることにより、その輸液ポンプ用カセット20がカセット保持部11に保持される。そして、カセット外しレバー151を操作すると、その係止が解消され、イジェクトピン153により、輸液ポンプ用カセット20がカセット保持部11から少し跳ね上げられる。
液晶表示パネル171は、図1に示すUI170を構成しており、その表示画面171a上に各種の情報を表示する役割を担っている。この液晶表示パネル171の表示画面171aには透明なパネルカバー172が重ねられる。
上ケース102には、カセット保持部11の中央に出力軸112の挿通用の孔103、その周囲には、係止爪152の挿通用の孔104やイジェクトピン挿通用の孔105が設けられている。この上ケース102にはさらに、カセット外しレバー151の回転軸挿通用の孔106、センサユニット130の挿通用の孔107、および液晶表示パネル171の表示画面視認用の開口108が形成されている。
また、上ケース102の上面には、操作パネル173が置かれている。この操作パネル173には、透明カバーが貼り付けられた窓173bが形成されている。液晶表示パネル171の表示画面171a上に表示された画像は、パネルカバー172を介し、また、上ケース102の開口108を挟んで配置された操作パネル173の窓173bを介して視認される。
図3は、輸液ポンプ用カセットの分解斜視図である。
この輸液ポンプ用カセット20は、カセットカバー200内、すなわち、そのカセットカバー200を構成する下カバー201と上カバー202とに挟まれた内部空間内に偏芯部材210、リング部材220、およびチューブ50が配置されている。図1,図2と同様、チューブ50は、ここに示されている部分よりもずっと長尺であるが、ここでは、チューブ50については、この輸液ポンプ用カセット20内に関連する一部分のみ図示されている。また、ここでは、チューブ50は、この輸液ポンプ用カセット20内を通過する形状に示されている。
カセットカバー200は、本体部材の一例であり、チューブ50の、輪を描くように一周する周回部分51を収容する内部空間を形成する円形部203と、チューブ50の、直線状に延びた第1部分52と第2部分53を通過させるチューブ保持部204とを有する。カセットカバー200の円形部203の内壁面は周回方向にほぼ一周するように広がっていて、その円形部203の内側には、その内壁面で区画された内部空間が広がっている。チューブ50の周回部分51は、カセットカバー200の円形部203の内壁面に沿って配置される。また、チューブ保持部204では、チューブ50が移動しないようにそこを通過する第1部分52と第2部分53が保持される。このチューブ保持部204は、図1,図2に示すセンサユニット130と対応した位置にあり、センサユニット130では、チューブ50の、このチューブ保持部204に保持された部分における気泡検出および圧力検出が行われる。
また、カセットカバー200の円形部203の外壁面には、その左右に1つずつ、合計2つの係止凹部208が設けられている。これらの係止凹部208は、図2に示すカセット着脱ユニット150の係止爪152(図2参照)に係止される。この係止により、輸液ポンプ用カセット20がカセット保持部11(図1参照)に保持される。
また、リング部材220は、カセットカバー200の円形部203の内壁面に囲まれた内部空間内の、その内壁面との間にチューブ50の周回部分51を挟む位置、すなわち、チューブ50の周回部分51の輪の中に装入される。このリング部材220は、押当部材あるいは円環部材の一例である。
偏芯部材210は、偏芯ピン211と、プランジャ212と、コイルスプリング213とから構成されている。偏芯ピン211、プランジャ212、コイルスプリング213は、それぞれ、基部、突出部、付勢部材の各一例に相当する。プランジャ212は、偏芯ピン211に対し半径方向一方向に移動自在であって、コイルスプリング213により偏芯ピン211から突き出る向きに付勢されている。この偏芯部材210は、リング部材220の環の内側を通過する位置に配置されている。プランジャ212は、コイルスプリング213に押されて、リング部材220を、その環の内側から半径方向一方向に押す。リング部材220はその径方向には移動自在となっており、プランジャ212による押圧を受けない状態においては、チューブ50の周回部分51に押されてほぼ中央に位置している。このリング部材220は、その環の内側からプランジャ212により押されてその押された方向に移動し、チューブ50を、カセットカバー200の円形部203の内壁面に押し当てるようにしてチューブ50を押し潰す。するとチューブ50内の液は、流れることができないロック状態となる。偏芯部材210には、輸液ポンプ本体10のカセット保持部11から突き出た出力軸112(図1,図2参照)が嵌入し、偏芯部材210は、出力軸112の回転に伴って回転する。するとプランジャ212は、リング部材220の内面の、押す位置を周回方向に循回移動させる。リング部材220は、それに伴って、チューブ50の押潰し位置を周回方向に循回移動させる。これにより、チューブ50内の液がその出力軸112および偏芯部材210の回転速度に応じた流速で送り出される。
カセットカバー200を構成している下カバー201の中央には、出力軸112を通過させる孔205が形成されている。また、上カバー202の中央にも孔206が形成されている。この孔206は、偏芯部材210の偏芯ピン211が通る孔である。詳細は後述するが、この偏芯部材210は軸方向に移動し、上記の、チューブ50を押し潰したロック状態と、チューブ50を押し潰しから解放しチューブ50内を液が自由に流れることができるフリーフロー状態とを切り替えている。
図4,図5は、輸液ポンプの断面図である。これら図4,図5には、輸液ポンプ本体10のカセット保持部近傍の断面と、輸液ポンプ用カセット20の断面が示されている。ここで、図4は、輸液ポンプ用カセット20が輸液ポンプ本体10のカセット保持部11に装着される直前の状態を示しており、図5は装着された後の状態を示している。
図4,図5に示す輸液ポンプ用カセット20では、偏芯部材210のプランジャ212が、コイルバネ213により付勢されて、リング部材220を輪の内側から押している。これにより、チューブ50の周回部分51(図3参照)が一方向(図4,図5では、図4,図5における左方向)に押されてカセットカバー200の円形部203(図3参照)の内壁面203aに押し当てられ、チューブ50のその部分が押し潰されている。偏芯部材210の偏芯ピン211の下部には、輸液ポンプ本体10のカセット保持部11の中央に突き出た出力軸112が嵌入する出力軸嵌入部211aが設けられている。この出力軸嵌入部211aには、出力軸112のキー部材112b(図6,図7参照)が嵌り込むキー溝211bが設けられている。
また、偏芯部材210のプランジャ212で押されるリング部材220には、その下部に、太径に形成された太径部221が設けられている。また、カセットカバー200を構成する下カバー201の上面には、その太径部221に繋がる凹部201aが形成されている。
偏芯部材210は、図4,図5に示す輸液位置と、図4,図5に示す輸液位置よりも下方に移動した開放位置との間で移動自在となっている。偏芯部材210が図4,図5に示す輸液位置にあるときは、プランジャ212がリング部材220を押し、内壁面203aとの間に挟まれたチューブ50が押し潰される。したがって、この輸液位置にあるときはチューブ50内の液はその流れが阻止されるロック状態となる。この偏芯部材210が出力軸112から回転駆動力を受け取って回転すると、リング部材220によるチューブ50の押し潰し位置が周回方向に循回移動し、これによりチューブ50内の液が送り出される。
一方、この偏芯部材210が開放位置に移動すると、プランジャ212が、リング部材220の太径部221および下カバー201の上面の凹部201aに入り込む。すると、リング部材220はプランジャ212による押圧から解放され、チューブ50の弾性力により中央に寄った位置に移動する。すると、チューブ50の周回部分51は、その全周にわたって液の通路が確保され、チューブ50内の液が自由に流れることが可能なフリーフロー状態となる。この輸液位置と解放位置との間での移動に関する構造については、さらに後述する。
図4に示すように、輸液ポンプ用カセットには、カセットカバー200の下面(下カバー201の下面)に突出した位置決めピン207が備えられている。この位置決めピン207は、輸液ポンプ本体10のカセット保持部11に設けられている位置決め穴(不図示)に嵌り込み、カセット保持部11に対する輸液ポンプ用カセット20の位置決めがなされる。ただし、カセット保持部11への輸液ポンプ用カセット20の着脱を容易にするため、位置決めピン207とその位置決めピンを受け入れる位置決め穴との間には遊びがある。このため、この位置決めピン207と位置決め穴との嵌合のみでは、出力軸112の回転中心軸と、偏芯部材210の回転中心軸とが完全には一致しないおそれがある。そこで、本実施形態では、後述する着脱機構を採用して、それらの回転中心軸を一致させている。
また、この輸液ポンプ用カセット20のカセットカバー200の外周面には、輸液ポンプ本体10のカセット着脱ユニット150(図2を合わせて参照)の係止爪152が嵌り込む係止凹部208が、図4,図5の左右2箇所に設けられている。この係止凹部208は、被係止部の一例に相当し、係止爪152は、係止部材の一例に相当する。
輸液ポンプ本体10に備えられている出力軸112は、駆動ユニット110(図2参照)を構成しており、ギアボックス111内の不図示モータの回転駆動力の伝達を受けて回転する。この出力軸112は、その下部と上部がボールベアリング113で回転自在に支持されている。この出力軸112の、下側のボールベアリング113の直ぐ上の部分には、円盤形状に太径となったギア部112dが設けられている。ギアボックス111内のモータの回転駆動力は、不図示の他のギアを介して出力軸112のギア部112dに伝えられ、出力軸112がボールベアリング113に支持されながら回転する。このギア部112dには、マグネットリング141(図2を合わせて参照)が、溝内に埋め込まれるようにして固定されている。ホール素子142は、回路基板143の、マグネットリング141と対面する位置に搭載されている。
図6は、出力軸の先端部分の斜視図である。
また図7は、出力軸先端部分の拡大断面図である。
この出力軸112は、出力軸本体112aにキー部材112bがコイルバネ112cにより付勢されている構造を備えている。出力軸本体112aは、カセット保持部11(図1参照)に突き出ていて、不図示のモータにより回転駆動される部材である。また、キー部材112bは、出力軸本体112aに引っ込む向きに移動自在に、その出力軸本体112aから突出している。コイルバネ112cは、キー部材112bを突出の向きに付勢している。
図4,図5に示すように、輸液ポンプ用カセット20を構成している偏芯部材210の偏芯ピン211には、出力軸112が嵌入する出力軸嵌入部211aが設けられていて、その出力軸嵌入部211aにはキー溝211bが形成されている。出力軸112が出力軸嵌入部211aに嵌入されて回転を開始すると、図6,図7に示すキー部材112bは、出力軸嵌入部211aのキー溝211bに入り込む。これにより、出力軸112の回転角度と、偏芯部材210の回転角度が一意に定まる。偏芯部材210の角度は、リング部材220によるチューブ50の押潰しの、周回方向の角度(押潰し角度)に対応している。すなわち、出力軸112のキー部材112bが出力軸嵌入部211aのキー溝211bに入り込むことにより、出力軸112の回転角度とチューブ50の押潰し角度とが一意に対応づけられることになる。
ここで、キー部材112bは、出力軸本体112aに引っ込む向きに移動自在であるため、出力軸112が偏芯ピン211の出力軸嵌入部211aに入り込む際には、出力軸112と偏芯ピン211の回転角度は、別々であってもよい。出力軸112が出力軸嵌入部211aに入り込んだ後、回転を開始し、出力軸112のキー部材112bが、出力軸嵌入部211aのキー溝211bに一致する角度まで回転すると、キー部材112bが、コイルバネ112cに押されてキー溝211bに入り込む。それ以降は、出力軸112bと偏芯部材210が互いの回転角度を一致させた状態を維持しながら回転する。
(カセット構造)
図2には、カセット着脱ユニット150が示されている。以下では、このカセット着脱ユニット150による輸液ポンプ用カセット20の着脱の動作について説明する。
図8は、カセット着脱ユニット150の構造を示した斜視図である。この図8には、カセット保持部11(図1参照)への輸液ポンプ用カセット20の装着前の姿勢のカセット着脱ユニット150が示されている。ただし、カセット保持部11に輸液ポンプ用カセット20が装着された状態におけるカセット着脱ユニット150の姿勢も、この図8に示す装着前の姿勢と同一である。
このカセット着脱ユニット150には、図2を参照して説明したカセット外しレバー151、係止爪152、およびイジェクトピン153が備えられている。係止爪152は、周回方向に互いに180°異なる位置に2つ設けられている。これらの係止爪152は、輸液ポンプ用カセット20がカセット保持部11に保持されたときの回転中心線に接離する向きにスライドして、輸液ポンプ用カセット20の外周面に設けられている2つの係止凹部208を解除自在に係止する。
また、イジェクトピン153は、周回方向に45°ずつ異なる位置に4つ設けられている。これらのイジェクトピン153は、コイルバネ154により、突き出る向きに付勢されている。これらのイジェクトピン153は、カセット保持部11(図1参照)に装着されてきた輸液ポンプ用カセット20に押されて引っ込む向きに移動し、輸液ポンプ用カセット20は、イジェクトピン153が引っ込んだ状態のまま係止爪152に係止されてカセット保持部11に保持される。すなわち、輸液ポンプ用カセット20はイジェクトピン153により持ち上げられる向きに付勢された状態で係止される。このため、輸液ポンプ用カセット20は、上下方向のガタつきがなく、係止爪152により確実に係止される。
この図8に示すカセット着脱ユニット150には、さらに、駆動リング155とリンク部材156が備えられている。駆動リング155は、上記の回転中心線の回りに回動自在となっている。この駆動リング155は回動部材の一例に相当する。
リンク部材156は、駆動リング155と2つの係止爪152のそれぞれとを連結し、駆動リング155の回動の向きに応じて、2つの係止爪152に、輸液ポンプ用カセット20に形成されている2つの係止凹部208を同時に係止させ、およびその係止を同時に解除させる。このように、駆動リング155およびリンク部材156は、2つの係止爪152を同時に移動させて、輸液ポンプ用カセット20を、その偏芯部材210の回転中心線が出力軸112の回転中心線と高精度に一致する位置に保持する。
駆動リング155は、コイルバネ157により、矢印Aの向きに付勢されている。このコイルバネ157による駆動リング155の付勢により、係止爪152が係止凹部208を係止する位置に留まっている。すなわち、このコイルバネ157により、係止爪152は、リンク部材156を介して矢印Bの向きに付勢される。このコイルバネ157は、第1の付勢部材の一例である。
輸液ポンプ用カセット20がカセット保持部11に装着されてくると、輸液ポンプ用カセット20の外壁面によって係止爪152が、一旦、矢印Bの向きとは逆向きに押される。このとき、駆動リング155は、リンク部材156を介して、矢印Aの向きとは逆向きに少し回動する。ただし、後述する操作伝達部材158に遊び部158aが設けられていることから、このときの駆動リング155の回動はカセット外しレバー151には伝わらず、カセット外しレバー151は、不動のままとなる。
輸液ポンプ用カセット20の外壁面に形成されている係止凹部208が係止爪152に対応する高さにまで押し下げられると、コイルバネ157の付勢力により、駆動リング155が矢印Aの向きに回動するとともに係止爪152が矢印Bの向きに移動し、係止爪152が係止凹部208に入り込み、輸液ポンプ用カセット20をその状態に保持する。このときの動作の抵抗力の変化が操作感としてユーザに伝わる。また、輸液ポンプ用カセット20の装着に伴い、イジェクトピン153が、輸液ポンプ用カセット20の底面により、そのイジェクトピン153を押し上げているコイルバネ154の付勢力に抗して押し下げられる。
図9は、カセット着脱ユニットの、輸液ポンプ用カセット取外し時の動作説明図である。
また、図10は、操作伝達部材に設けられている遊び部を示した図である。
このカセット着脱ユニット150は、カセット外しレバー151と、操作伝達部材158と、コイルバネ159とを有する係止解除機構を備えている。カセット外しレバー151、操作伝達部材158、およびコイルバネ159は、操作子、操作伝達部材、および第2の付勢部材の各一例に相当する。
コイルバネ159は、カセット外しレバー151を矢印Cとは逆向きに付勢している。カセット外しレバー151がコイルバネ159の付勢力に抗して矢印Cの向きに回動操作されると、回動軸151aを介してカセット外しレバー151と一体に設けられている操作伝達突起151bも矢印Cの向きに回動し、その操作伝達突起151bが操作伝達部材158の遊び部158aの、駆動リング155から離れた側の壁158b(図10参照)に突き当たる。そしてカセット外しレバー151が矢印Cの向きにさらに回動操作されると、その回動操作が操作伝達突起151bを介して操作伝達部材158に伝えられ、操作伝達部材158が矢印Dの向きに移動する。すると、この操作伝達部材158の移動により、駆動リング155が矢印Eの向き(図8に示す矢印Aの向きに対する逆向き)に回動する。すると、リンク部材156が矢印Fの向きに動いて、係止爪152を、駆動リング155から遠ざかる矢印Gの向きに移動させる。
係止爪152が矢印Gの向きに移動すると、係止爪152による輸液ポンプ用カセット20の係止凹部208への係止が解除される。すると、その係止解除の瞬間に、その輸液ポンプ用カセット20により押されていた4本のイジェクトピン153が、コイルバネ154の付勢力により輸液ポンプ用カセット20を下から押し上げる。すると、輸液ポンプ用カセット20が下から押されて少し飛び上がる。このように、係止解除時にイジェクトピン153で輸液ポンプ用カセット20を押し上げる構成としたため、輸液ポンプ用カセット20を輸液ポンプ本体10から容易に取り外すことができる。
上述した通り、輸液ポンプ用カセット20の装着時には、駆動リング155が図8に示す矢印Aの向きとは逆向き(図9に示す矢印Eの向き)に少しだけ回動する。このため、操作伝達部材158も、図9に示す矢印Dの向きに少しだけ移動する。この操作伝達部材158には遊び部158aが設けられており、その遊び部158aの駆動リング側の壁158cは操作伝達部材158とは干渉しない。このため、操作伝達部材158は、矢印Dの向きに移動することができる。この構造により、輸液ポンプ用カセット20の装着時にカセット外しレバー151が動いてしまうことはなく、図8の姿勢にとどまる。また、このカセット外しレバー151に不用意に触れてそのカセット外しレバー151が図9に示す矢印Cの向きに少し動かされても、その動きが遊び部158aの範囲内にとどまる限り輸液ポンプ用カセット20は、カセット保持部11に安定的に保持され続け、動作の安定性が確保される。
図11は、輸液ポンプ用カセットと係止爪との関係を示した模式図である。
図11(A)は、これまで説明してきた実施形態の構造を示している。すなわち、2つの係止爪152が設けられていて、輸液ポンプ用カセット20の円形部203が、2つの係止爪152で、その両側から挟み込まれるようにして係止される。
図11(B)は、3つの係止爪152を設けた例を示している。
図8,図9に示すカセット着脱ユニット150の構造から分かるように、3つの係止爪152と、3本のリンク部材156を設け、輸液ポンプ用カセット20にも3つの係止凹部208を形成して、この図11(B)に示すような輸液ポンプ用カセット20の円形部203を3カ所で係止するように構成することも可能である。このように3カ所で係止するように構成すると、回転中心線どうしを一層高精度に一致させることができる。
(ロック状態とフリーフロー状態との間の切替構造)
図12は、輸液ポンプ用カセットに備えられている偏芯部材の外観斜視図である。
この偏芯部材210は、偏芯ピン211と、プランジャ212と、図4,図5に示すコイルバネ213とを備えている。偏芯ピン211は、出力軸112(図2,図4,図5参照)から回転駆動力を受けて回転する部材である。また、プランジャ212は、コイルバネ213により、出力軸112の回転中心線を垂線とする平面内一方向(すなわち横方向)に、偏芯ピン211から突き出る向きに付勢されている。偏芯ピン211、プランジャ212、およびコイルバネ213は、それぞれ、基部、突出部、付勢部材の各一例である。
ここで、偏芯ピン211には、周回方向に延びる側面突起211cが設けられている。また、この偏芯ピン211の側面突起211cとは反対側の側面部分には、他の部分と比べやや小径の側面へこみ211dが形成されている。偏心部材210が輸液位置にあるときは、偏心部材210のプランジャ212は、リング部材220をその内側から押している。このため、このプランジャ212は、その反力を受け、偏心ピン211が図12に示す矢印の向きに押される。すると、偏心ピンが211が少し傾き、図13(A)に示すように、偏心ピン211の側面突起211cが上カバー202の中央に設けられた孔206の上部角部に突き当たる。これにより、この偏心部材210は、意図的な操作なしには図13(A)に示す輸液位置に留まり続けることになる。
図13は、偏芯部材の動きを示した輸液ポンプ用カセットの断面図である。
図13(A)は、図4,図5にも示す、偏芯部材210が輸液位置にあるときの断面図である。
偏芯部材210が輸液位置にあるときは、偏芯部材210のプランジャ212により、リング部材220がその内側から押され、チューブ50がリング部材220により押し潰されている。この状態のままでは、チューブ50内を液が流れることはできない。この状態はロック状態と呼ばれる。前述した通り、偏芯部材210が回転駆動力を受けて回転すると、プランジャ212によるリング部材220の押圧位置が循回移動し、したがってチューブ50の押潰し位置が循回移動し、これにより、チューブ50内の液が輸液ポンプ用カセット20から送り出される。
この図13(A)に示す、偏芯部材210が輸液位置にあるときは、図12に示した側面突起211cが、上カバー202に設けられている孔206の縁に引っ掛っている。偏芯部材210は、これにより、この図13(A)に示す輸液位置に安定的に留まっている。ただし、この偏芯ピン211が上から押されると、図13(A)に示す輸液位置から外れて、図13(C)に示す、以下に説明する開放位置に向かって軸方向に移動する。この移動を適度の力で押し操作で可能とするために、偏芯部材211の、側面突起211cとは反対側に、やや小径に形成された側面へこみ211dが形成されている。
ここで、図13(A)に示すように上に突き出ている偏芯ピン211を押し下げる操作を行なう。
前述の通り、リング部材220には、その下方に太径部221が設けられている。また、下カバー201の上面には、凹部201aが形成されている。
偏芯ピン211が押し下げられると、偏芯部材210は、図13(B)の状態を経由して、図13(C)に示す開放位置に移動する。
偏芯部材210がこの図13(C)に示す開放位置に移動すると、プランジャ212は、リング部材220の太径部221と、下カバー201の凹部201aとに跨った位置に入り込む。すると、チューブ50は、プランジャ212による、リング部材220を介しての押圧から解放される。ただし、リング部材220が中央に位置するときのリング部材220の外壁面とカセットカバー200の内壁面203aとに挟まれた隙間がチューブ50の直径よりもやや狭い寸法となるように、その寸法が定められている。したがって、偏芯部材210が図13(C)に示す開放位置にあるときには、リング部材220がチューブ50によって偏芯部材210の回転中心線が通る中央寄りに押される。このため、偏芯部材210が図13(C)に示す開放位置にあるときには、チューブ50の周回部分51は、その全周にわたって、横向きにやや潰れた形状となる。ただし、この潰れ方は、チューブ50内を液が流れるには差し支えない程度の潰れ方である。したがって、偏芯部材210が図13(C)に示す開放位置にあるときには、チューブ50内を液が自由に流れることができる。この状態は、フリーフロー状態と称される。
ここで、プランジャ212は、一方向にのみ突き出ている。このため、偏芯部材210が図13(C)に示す開放位置にあるときには、下カバー201の凹部201aの、プランジャ212が入り込んでいる部分を除く、周回方向大部分の領域は、空いたままとなっている。ただし、リング部材220の太径部221は、一周に渡って、下カバー201の凹部201aの周囲に支持されていて、リング部材220が傾いて凹部201aに入り込むことはなく、リング部材220は所期の位置および姿勢にとどまる。これにより、リング部材220の傾きによる動作不良の発生が防止される。なお、偏芯部材210が図13(A)に示す輸液位置にあるときは、リング部材220はプランジャ212に押されて横に寄った位置にある。このときは、リング部材220のプランジャ212で押されている側とは反対側が下カバー201の凹部201aの上に位置する。ただし、このリング部材の周回方向大部分の領域は、凹部201aの上ではなく、下カバー201に支持される位置にあり、この輸液位置においても、リング部材220の傾きは防止されている。すなわち、この下カバー201の凹部201aの周縁部分は、支持部の一例として作用している。
次に、偏芯部材210を、図13(C)に示す開放位置から図13(A)に示す輸液位置に移動させる場面について説明する。この移動は、偏芯部材210を下から押し上げる操作により行なわれる。あるいは、偏芯ピン211を開放位置に置いたまま、その輸液ポンプ用カセット20を輸液ポンプ本体10のカセット保持部11に装着すると、偏芯部材210が下から押されて、図13(A)に示す輸液位置に移動する。
プランジャ212とリング部材220の太径部221には、偏芯部材210が開放位置(図13(C))から輸液位置(図13(A))に移動する際に互いに摺接する、各斜面212a,222が形成されている。この斜面212a,222が形成されていることにより、図13(C)に示す開放位置にある偏芯部材210は、下から押されると、図13(B)に示す途中位置を経由して、図13(A)に示す輸液位置へと円滑に移動することができる。
図14は、リング部材とプランジャの変形例を示した斜視図である。
図14(A)に示すリング部材220には、上記の斜面222に、プランジャ212の斜面212aに向かって突き出て斜面222を昇り降りする方向に延びるリブ223が周回方向に等間隔に複数本設けられている。また、これと同様に、プランジャ212の斜面212aにも、リング部材220の斜面222に向かって突き出て斜面212aを昇り降りする方向に延びるリブ212bが複数本設けられている。これらリング部材220とプランジャ212の一方もしくは双方に、このようなリブ223,212bを設けると、斜面222,212aどうしの摺動抵抗が下がり、偏芯部材210の、開放位置(図13(C))から輸液位置(図13(A))への移動が一層円滑となる。
(チューブ潰し構造)
チューブ50は、輸液ポンプ用カセット20内を通過する部分において、複数箇所で押し潰される。
図15は、本実施形態における、チューブの押潰し構造を示した図である。
ここで、図15(A),(B)は、プランジャ212の向きの相違である。
本実施形態の輸液ポンプ用カセット20の円形部203の内壁面203aは、この図15に示すように、周回方向に凹凸を繰り返す面となっている。このため、プランジャ212の押圧によってリング部材220を介してチューブ50が押されると、チューブ50は、凹凸をくりかえしている内壁面203aのうちの凸部に当たるため、その凸部との間で強く押し潰される。
この輸液ポンプ用カセット20には、円形部203の内壁面203aに取り囲まれた円形の内部空間が形成されている。そして、ここには、外部から延びるチューブ50をその内部空間に受け入れる受入口203bと、チューブ50を内部空間から外部に向けて延出させる延出部203cとが形成されている。これら受入口203bと延出口203cは、互いの間を仕切る薄い仕切壁203dを挟んで互いに隣接する位置に設けられている。チューブ50は、内部空間内においてプランジャ212の押圧によりリング部材220を介して押し潰されるほか、受入口203bおよび延出口203cにおいても送液可能なレベルに押し潰されている。図15(A−1)は、その受入口203bおよび延出口203cにおける、チューブ50の押潰し形状を示した図である。すなわち、受入口203bと延出口203cでは、チューブ50が、それら受入口203bと延出口203cとを結ぶ並び方向に送液可能なレベルに押し潰されて受入口203bと延出口203cを通過するように、受入口203bと延出口203cが、その並び方向について、チューブ50の外径よりも狭幅に形成されている。
内壁面203aに囲まれた内部空間を周回するチューブ50の押し潰され方は、図15(A)に示す、受入口203bと延出口203cの部分と、図15(B)に示す、受入口203bから受け入れたチューブ50が延出口203cに向かって輪を描いている途中部分とでは、その振る舞いが異なっている。
そこで、ここでは、チューブ50を幅方向に少し潰してでも受入口203bと延出口203cとを近づけ、プランジャ212がその部分を通過するときにも確実にチューブ50が押し潰されるようにしている。
図16は、比較例としてのチューブ押潰し構造を示した図である。
図16に示す比較例の場合、受入口203bと延出口203cにおいて特別な工夫は施されておらず、受入口203bと延出口203cが互いに離れ、かつその部分でチューブ50を押し潰すことなく、内部空間に受け入れ、また内部空間から延出させている。この場合、図16(A)に示す、プランジャ212が受入口203bと延出口203cの中間位置を向いている状態では、チューブ50は、十分には押し潰されていない。図16(B)に示す、受入口203bと延出口203cとの中間の位置では、図15(B)と同様、チューブ50は押し潰される。このため、この図16に示す比較例の場合、チューブ50内を流れる液の流量の脈動が大きくなる。これに対し、本実施形態では、図15に示すように、受入口203bと延出口203cを、チューブ50を少し潰して近づけることにより、チューブ50を押し潰しきれないタイミングが発生するのを避けている。
また、図15に示すように、この輸液ポンプ用カセット20には、チューブ保持部204(図3を合わせて参照)が設けられている。このチューブ保持部204には、外部から受入口203bに向かう第1の部分52を通過させる第1の通路204aと、チューブ50の、延出口203cから外部に向かう第2の部分53を通過させる第2の通路204bとが設けられている。そしてこのチューブ保持部204には、第1の通路204aと第2の通路204bの双方における、チューブ50の延びる方向の3箇所に、リブ209が形成されている。これらのリブ209は、第1の通路204aあるいは第2の通路204bに突き出て、その通路を通過するチューブ50を周回する向きに一周に渡って延在している。そこを通過するチューブ50は、それらのリブ209により、図15(A−2)に示すように、その径が一周に渡って押し縮められている。
プランジャ212が回転してチューブ50の押潰し位置が循回移動すると、チューブ50内の液体が送り出されるだけでなく、チューブ50自体にも、そのチューブ50を長手方向に移動させる力が作用する。これをそのままにしておくと、チューブ50が徐々に移動してしまうことになる。
そこで、ここでは、第1の通路204aおよび第2の通路204bに上記のリブ209を設けることによってチューブ50の移動を阻止している。
なお、ここではリブ209は、一周に渡って連続しているが、このリブ209は、チューブ50を一周する向きに断続的に延びていてもよい。また、ここでは第1の通路204aと第2の通路204bとの双方にリブ209が設けられているが、第1の通路204aと第2の通路204bとのうちのいずれか一方の通路にのみ、リブ209を設けてもよい。さらには、ここでは、第1の通路204aと第2の通路204bのそれぞれにおいてチューブの長手方向の異なる3箇所にリブ209を設けているが、そのリブ209の数を問うものではなく、例えば1箇所のみに、リブ209を設けてもよい。
(流量の脈動補正)
図15を参照して説明したように、本実施形態では、チューブ50を図15(A−1)のように押し潰して受入口203bと延出口203cとを近づけたことにより、チューブ50の、輪を描くように一周する周回部分51の全周がリング部材220により押し潰される。しかしながら、受入口203bおよび延出口203cの部分はやはり特異点として残り、偏芯部材210の回転角度に同期した脈流が生じる。そこで、本実施形態では、以下のようにしてその脈流を抑制している。
図17は、脈流抑制処理の説明図である。図17(A),(B)には、モータの動作速度と流量の時間変化を表わしている。2本の縦線は、プランジャ210の回転の一周期を表わしている。また、図17(A)は、脈流抑制処理前、図17(B)は脈流抑制処理後を表わしている。
図17(A)では、モータの動作速度が一定に保たれている。すなわち、このときは、図15に示す偏芯部材210も一定速度で回転する。このとき、チューブ50内を流れる液の流量は、プランジャ212の回転に同期して脈動している。
これに対し、図17(B)では、流量は時間的に一定である。これを実現するために、モータの回転速度を周期的に変化させている。
図18は、流れの脈動低減のための処理を行なう回路を示すブロック図である。
ここには対応記憶部41と回転速度制御部42とが備えられている。これら対応記憶部41および回転速度制御部42は、図2,図4,図5に示す回路基板143に搭載されている、MPU等からなる制御回路(不図示)に組み込まれている。
対応記憶部41には、プランジャ210による、リング部材220を介してのチューブ50の押潰し角度とモータの回転速度との対応関係が記憶されている。そして、回転速度制御部42は、対応記憶部41に記憶されている対応関係に従って、プランジャ210を等速回転させたときと比較してチューブ50内の液の送出し流量の脈動が低減するように、チューブ50の押潰し角度に対するモータの回転速度を制御する。本実施形態の輸液ポンプ1では、この脈動低減処理が行なわれ、脈動の少ない液流を実現している。
本実施形態では、対応記憶部41に記憶させておく対応関係を以下の演算により算出している。
(1)押潰し角度が5度変化するごとに、今回の吐出量から前回の吐出量を引き算することにより、今回の5度の間の吐出量[ml]を算出する。
(2)今回の5度の間の吐出量が1回転全体にわたって続いたとした場合の、1回転あたりの吐出量を算出する。
1回転あたりの吐出量=今回の5度の間の吐出量×360/5
(3)1回転あたりの吐出量から流量を算出する。
算出流量[ml/h]=1回転あたりの吐出量[ml]×モータの回転速度[rpm]×60[min]/(ギア比)
(4)補正係数の算出
補正係数=基準流量[ml/h]/算出流量[ml/h]
以上の演算により、一周にわたる、5度ごとの補正係数を算出し、それらの補正係数を押潰し角度とモータの回転速度との対応関係として対応記憶部41に記憶しておく。そして、回転速度制御部42では、その対応記憶部41に記憶されている補正係数を押潰し角度5度ごとに読み出し、基準速度にその補正係数を掛け算した速度でモータを回転させる。こうすることにより、脈動が低減された流れが実現する。
次に、補正なしの場合と補正ありの場合とについての実測結果を例示する。補正なしとは、モータを等速回転させた場合を指している。また、補正ありは、上記の演算により算出された補正係数による補正を行なった場合を指している。
なお、ホール素子142では、チューブ50の押潰し角度、すなわち出力軸112の回転角度とともに、その出力軸112の回転速度が検出される。ここでは、チューブ50の押潰し角度とモータの回転速度との対応関係を記憶しておく旨、説明しているが、それに代えて、チューブ50の押潰し角度(すなわち出力軸112の回転角度)と出力軸112の回転速度との対応関係を記憶しておき、その対応関係を満たすようにモータの回転速度を制御してもよい。
図19は、経過時間に対する吐出量の変化を示した図である。
補正なしのときには、吐出量が少なくなって傾きがほぼゼロになる領域が存在するが、補正によりその領域がほぼなくなり、ほぼ一定の傾きの吐出量が得られている。
図20は、経過時間に対する流量の変化を示した図である。
補正なしのときは流量が大きくばらついているが、補正を行なうことで、ほとんどの領域で流量がほぼ一定となり、流量が少ない領域が短縮化されている。
本実施形態では、このようなモータ回転制御を行なうことで、流量を一定に近づけ、流量誤差を抑えている。
図21は、輸液ポンプ用カセットの種類検出構造を示した図である。
ここでは、複数種類の輸液ポンプ用カセットの中から、今回の使用目的に適合した輸液ポンプ用カセットを輸液ポンプ本体に装着して、輸液を行なう構成について考察する。この場合、チューブ50の材質、太さや肉厚、その他輸液ポンプ用カセットの構造などによって脈動の振る舞いが異なり、異なる補正係数を用いて脈動を抑える必要を生じる場合がある。ここでは、輸液ポンプ用カセット20を、その種類に応じて、20A,20B,20Cなる符号を付して示している。図21(A)には輸液ポンプ用カセット20Aの底部が示されている。この輸液ポンプ用カセット20Aの底部には、2つの凹み43,44が設けられている。また、図21(B)に示す、輸液ポンプ用カセット20Bの底部には、一方の凹み43は形成されているが、図21(A)に示すもう一方の凹み44は形成されていない。また、図21(C)に示す輸液ポンプ用カセット20Cには、いずれの凹み43,44も形成されていない。
一方、これらの輸液ポンプ用カセット20A,20B,20Cのいずれもが装着され得る輸液ポンプ本体10の、輸液ポンプ用カセット20A,20B,20Cの装着部には、スイッチ基板61の上に搭載された2つのスイッチ62,63を備え、さらに、輸液ポンプ用カセット20A等の凹み43,44に入り込むように突き出た押し子64,65と、それらの押し子64,65を突き出る向きに付勢するスプリング66,67を備えている。スイッチ62,63では、押し子64,65の接触、非接触が検出される。
図21(A)に示す、輸液ポンプ用カセット20Aが装着されたときは、2つの押し子64,65が2つの凹み43,44にそれぞれ入り込み、2つのスイッチ62,63はいずれもオフとなる。
図21(B)に示す、輸液ポンプ用カセット20Bが装着されたときは、2つの押し子64,65のうちの1つの押し子64は凹み43に入り込む。したがって、それに対応したスイッチ62はオフとなる。これに対し、もう1つの押し子65は、輸液ポンプ用カセット20Bの底に押されて、スイッチ63をオンさせる。
図21(C)に示す、輸液ポンプ用カセット20Cが装着されたときは、2つの押し子64,65の双方が押されて、2つのスイッチ62,63の双方がオンとなる。
複数種類の輸液ポンプ用カセット20A,20B,20Cのいずれもが装着可能な構成のときは、例えばこの図21に示すようにして、装着された輸液ポンプ用カセットの種類を認識する。
一方、使用される可能性のある複数種類の輸液ポンプ用カセット20A,20B,20Cのそれぞれに応じた対応関係(補正係数)をあらかじめ算出して、図18に示す対応記憶部41に記憶させておく。
それら複数種類の輸液ポンプ用カセット20A,20B,20Cのうちのいずれかの種類の輸液ポンプ用カセットが装着されると、例えば図21を参照して説明したようにして、その装着された輸液ポンプ用カセットの種類が認識される。そして、輸液にあたり、回転速度制御部42は、対応記憶部41に記憶されている複数種類の対応関係(補正係数)のうちの、装着されている輸液ポンプ用カセットの種類に応じた対応関係(補正係数)に従って、モータの回転速度を制御する。こうすることで、輸液ポンプ用カセットの種類によらず、脈動が補正される。
なお、ここでは、円形部の内壁面に複数の凹凸が形成された輸液ポンプ用カセットについて説明したが、凹凸が形成されていない滑らかな内壁面を有する輸液ポンプ用カセットに適用した場合にも同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、2つのホール素子142で出力軸112の現在の回転角度を検出しているが、別の方法であってもよい。例えば、モータの電流値が偏芯部材210の角度で変化する性質を利用して回転角度を検出してもよい。
さらに、本実施形態においては、スイッチ基板61の上に搭載された2つのスイッチ62,63のON/OFFの組み合わせにより、4種類の輸液ポンプ用カセットを判別することが可能となっているが、スイッチの数は1つであっても、3つ以上であってもよい。
1 輸液ポンプ
10 輸液ポンプ本体
100 輸液ポンプ本体のケース
101 下ケース
102 上ケース
110 駆動ユニット
111 ギアボックス
112 出力軸
130 センサユニット
141 マグネットリング
142 ホール素子
143 回路基板
150 カセット着脱ユニット
151 カセット外しレバー
152 係止爪
153 イジェクトピン
154 コイルバネ
155 駆動リング
156 リンク部材
157 コイルバネ
158 操作伝達部材
159 コイルバネ
170 UI(ユーザインタフェース)
171 液晶表示パネル
172 パネルカバー
173 操作パネル
20 輸液ポンプ用カセット
200 カセットカバー
201 下カバー
202 上カバー
203 円形部
203a 内壁面
203b 受入口
203c 延出口
204 チューブ保持部
204a 第1の通路
204b 第2の通路
207 位置決めピン
208 係止凹部
210 偏芯部材
211 偏芯ピン
212 プランジャ
213 コイルスプリング
220 リング部材
221 太径部
41 対応記憶部
42 回転速度制御部
50 チューブ
51 周回部分
52 第1部分
53 第2部分
61 スイッチ基板
62,63 スイッチ
64,65 押し子
66,67 スプリング

Claims (5)

  1. 周回方向に広がる内壁面により区画された内部空間と、外部から延びるチューブを該内部空間に受け入れる受入口と、該受入口に近接した位置に設けられ、該チューブを該内部空間から外部に向けて延出させる延出口とを有し、該受入口から受け入れたチューブを該内壁面に沿わせて周回させて該チューブを該延出口から外部に延出させる本体部材と、
    前記内部空間内の、前記内壁面との間に前記チューブを挟む位置に装入され、前記周回方向1箇所以上で該チューブを該内壁面に押し当てて該チューブを押し潰す押当部材とを有する輸液ポンプ用カセット、および
    前記輸液ポンプ用カセットが着脱自在に装着されて装着された該輸液ポンプ用カセットを保持するカセット保持部と、
    前記カセット保持部に保持されている前記輸液ポンプ用カセットの前記押当部材による前記チューブの押潰し箇所を、前記周回方向に循回移動させて、該チューブ内の液を送り出させる駆動部と、
    前記押当部材を等速回転させたときと比較して前記チューブ内の液の送出し流量の脈動が低減するように、前記押当部材による前記チューブの押潰し箇所の前記周回方向の角度であるところの押潰し角度に対する前記駆動部による駆動速度を制御する速度制御部とを有する輸液ポンプ本体を備えたことを特徴とする輸液ポンプ。
  2. 前記輸液ポンプ本体が、前記押潰し角度と前記駆動速度との対応関係を記憶しておく対応記憶部を備え、
    前記速度制御部は、前記対応記憶部に記憶されている対応関係に従って前記駆動速度を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の輸液ポンプ。
  3. 前記輸液ポンプが、複数種類存在する前記輸液ポンプ用カセットのうちの前記カセット保持部に保持された輸液ポンプ用カセットの種類を検出するセンサを備え、
    前記対応記憶部が、前記輸液ポンプ用カセットの種類に応じた複数種類の対応関係を記憶しておくものであって、
    前記速度制御部は、前記対応記憶部に記憶されている複数種類の対応関係のうちの前記カセット保持部に保持されている前記輸液ポンプ用カセットの種類に応じた対応関係に従って、前記駆動速度を制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の輸液ポンプ。
  4. 前記駆動部が、前記カセット保持部に突き出た形状を有する出力軸を備え、
    前記輸液ポンプ用カセットが、前記出力軸が嵌入する出力軸嵌入部を有し、前記押当部材が、前記出力軸嵌入部に嵌入した前記出力軸の回転に応じて前記チューブの押潰し箇所を循回移動させるものであって、
    前記出力軸が、
    前記カセット保持部に突き出た形状を有する出力軸本体と、
    前記出力軸本体に引込む向きに移動自在に該出力軸本体から突出するキー部材と、
    前記キー部材を突出の向きに付勢する付勢部材とを備え、
    前記出力軸嵌入部が、突出した状態の前記キー部材が嵌入するキー溝を有することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の輸液ポンプ。
  5. 前記受入口と前記延出口は、互いの間を仕切る仕切壁を挟んで互いに隣接する位置に設けられ、前記チューブが、該受入口と該延出口とを結ぶ並び方向に、送液可能なレベルに押し潰されて該受入口と該延出口を通過するように、該受入口と該延出口が、該並び方向について該チューブの外径よりも狭幅に形成されていることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の輸液ポンプ。
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