JP2017103409A - 有機トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層およびゲート絶縁層にダメージを生じることなく、有機半導体層の配向制御を行うことで、良好な特性を示す有機トランジスタおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】平面視でチャネル領域に重なるゲート電極とゲート絶縁層との界面が、断面視で凹部と凸部を有し、平面視で前記凹部と前記凸部が各々直線状に連続する第1の凹凸形状となっており、前記ゲート絶縁層と前記チャネル領域の界面が前記第1の凹凸形状を反映した第2の凹凸形状となっており、前記第2の凹凸形状により、前記チャネル領域が配向性を有していることを特徴とする有機トランジスタとする。【選択図】図1
Description
本発明は、有機トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
薄膜トランジスタは液晶表示装置(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電子ペーパー表示装置などの表示装置やセンサーなどに広く使用されている。
薄膜トランジスタの半導体材料としては、非晶質シリコンや多結晶シリコンあるいは酸化物半導体などを用いたものが主流となっている。一般的に、これらの半導体材料を用いた薄膜トランジスタでは、真空成膜法を用いて成膜した後にフォトリソグラフィ法などによりパターニングを行うことで作製される。
近年、半導体層として有機材料を用いた有機薄膜トランジスタ(以下、有機トランジスタ)が注目を集めている。有機トランジスタにおいては、半導体材料、導電性材料および絶縁性材料などの溶液を塗布・印刷技術などのウェット成膜法を用いることにより、低温でのプラスチック基板上へのデバイス形成、および低コストでのデバイス製造の可能性があることや、印刷法は成膜とパターニングの工程を同時に行うことから、従来のフォトリソグラフィプロセスを用いる真空成膜プロセスと比較して、材料利用効率が高く、現像、エッチング工程を必要としないことから、環境負荷が少ないという点でも期待されている。
有機半導体材料はこれまでシリコン系材料や酸化物系材料と比較すると移動度が小さく、高性能な薄膜トランジスタを作製することが困難であった。しかし、有機材料は材料分子の設計の自由度が高く、近年の技術の進歩により、非晶質シリコンを超えるような移動度を有する有機トランジスタも多く報告されている。有機半導体材料は、低分子半導体および高分子半導体の2種類に大きく分類され、結晶性を有する低分子半導体材料が高い移動度を示すことが知られているが、高分子半導体材料においても、その配向性を制御することにより、高い移動度を示すことが報告されている。(非特許文献1)
特に高分子半導体材料は、低分子半導体材料と比較して、溶液として使用する際の粘度調整が容易であり、印刷法などのウェットプロセスへの適用性が高い。
H.−Rong Tseng,et.al.,Adv.Mater.,26,2993−2998(2014).
有機半導体分子の配向制御の手法としては、ラビング法が知られており、有機半導体層を直接布などで一方向に擦ってラビング処理することで、半導体分子の配向性を制御する方法や、ボトムコンタクト構造における有機半導体層と接するゲート絶縁層表面をラビング処理し、半導体分子の配向を制御する方法などが知られている。
しかしながら、ラビング法によって有機半導体層を直接擦ると、有機半導体層に物理的なダメージが生じることにより、半導体特性が劣化することが大きな問題となる。また、ゲート絶縁層にラビング処理を行い有機半導体層の配向制御を行う場合においても、ゲート絶縁層表面を物理的に擦ることによって微細な溝構造が形成されるため、薄膜トランジスタにおいて重要なゲート絶縁層と有機半導体層の界面にダメージを生じることになり、素子特性劣化が問題となる。
本発明は、以上の点を鑑み、有機半導体層およびゲート絶縁層にダメージを生じることなく、有機半導体層の配向制御を行うことで、良好な特性を示す有機トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、絶縁性基板上でゲート電極とゲート絶縁層とを介して、ソース電極およびドレイン電極に挟まれ、平面視で前記ゲート電極と重なる有機半導体層の領域をチャネル領域とする有機トランジスタであって、平面視で前記チャネル領域に重なる前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層との界面が、断面視で凹部と凸部を有し、平面視で前記凹部と前記凸部が各々直線状に連続する第1の凹凸形状となっており、前記ゲート絶縁層と前記チャネル領域の界面が前記第1の凹凸形状を反映した第2の凹凸形状となっており、前記第2の凹凸形状により、前記チャネル領域が配向性を有していることを特徴とする有機トランジスタとしたものである。ここで、反映する、とは、平面視で前記第2の凹凸形状の凹部と凸部の位置が、各々前記第1の凹凸形状の凹部と凸部の位置に略一致することを意味する。
請求項2に記載の発明は、前記第1の凹凸形状となっている領域の前記ゲート絶縁層の膜厚が、5nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタとしたものである。
請求項3に記載の発明は、前記ゲート絶縁層が自己組織化膜からなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の有機トランジスタとしたものである。
請求項4に記載の発明は、前記ゲート絶縁層が前記自己組織化膜を2層以上積層してなることを特徴とする請求項3に記載の有機トランジスタとしたものである。
請求項5に記載の発明は、平面視で、前記第1の凹凸形状が直線的に連続する方向が、前記ソース電極と前記ドレイン電極の対向する方向に対して垂直であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機トランジスタとしたものである。
請求項6に記載の発明は、平面視で、前記第1の凹凸形状が直線的に連続する方向が、前記ソース電極と前記ドレイン電極の対向する方向に対して平行であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機トランジスタとしたものである。
請求項7に記載の発明は、絶縁性基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極表面に凹凸形状を形成する工程と、ゲート絶縁層、ソース電極およびドレイン電極、有機半導体層を順次形成する工程と、を含むことを特徴とする有機トランジスタの製造方法としたものである。
請求項8に記載の発明は、絶縁性基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極表面に凹凸形状を形成する工程と、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソース電極およびドレイン電極を順次形成する工程と、を含むことを特徴とする有機トランジスタの製造方法としたものである。
本発明によれば、有機半導体層およびゲート絶縁層にダメージを生じることなく、有機半導体層の配向制御を行うことができ、良好な特性を示す有機トランジスタおよびその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお実施の形態において、同一の構成要素については同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は本発明の実施の形態に係る有機トランジスタを示す概略断面図である。
本発明の有機トランジスタ10は、絶縁性の基板1の上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上に離間して形成されたソース電極4、およびドレイン電極5と、ソース電極4およびドレイン電極5に接続された有機半導体層6とを少なくとも備え、ソース電極4およびドレイン電極5に挟まれ、平面視でゲート電極2と重なる有機半導体層6の領域はチャネル領域6aとなっている。
さらに本発明の有機トランジスタ10では、平面視でチャネル領域6aに重なるゲート電極2とゲート絶縁層3との界面が断面視で凹部と凸部を有し、平面視で前記凹部と前期凸部が各々直線状に連続する第1の凹凸形状7となっている。また、ゲート絶縁層3とチャネル領域6aの界面は第1の凹凸形状7を反映した第2の凹凸形状8となっている。ここで、反映する、とは、平面視で第2の凹凸形状8の凹部と凸部の位置が、各々第1の凹凸形状7の凹部と凸部の位置に略一致していることを意味する。
前記の結果、チャネル領域6aは第2の凹凸形状8に沿って配向されるので、ゲート絶縁層表面を直接ラビング処理するのと同様に、チャネル領域6aのキャリア移動度が向上し、高性能な有機トランジスタ10を得ることが可能となる。
本発明では凹凸形状の原型となる加工をゲート電極2表面に対して行うので、従来技術のように有機半導体層やゲート絶縁層にダメージが生じることはない。
第1の凹凸形状7は、断面視で、凹凸の高さ、幅が規則性を持つ構造でも良いし、規則性を持たないランダムな凹凸形状であっても良い。図2には、第1の凹凸形状が、凹部は3角形、凸部は台形の場合を例示しているが、凹部、凸部ともに3角形、台形のいずれであってもよい。高さ(図2のh)、幅(図2のw1、w2)は、いずれも1nm〜100nm程度で形成することが好ましい。
(尚、図2ではゲート電極2の表面部以外、およびその他の層、電極の図示を省略している)。
(尚、図2ではゲート電極2の表面部以外、およびその他の層、電極の図示を省略している)。
図2には、第1の凹凸形状が、凹部は3角形、凸部は台形の形状として例示しているが、本発明におけるゲート電極2の凹凸形状は、これらに限定されるものではなく、直線上に連続していれば任意の形状であってよい。
ゲート電極2表面の凹凸形状の形成方法については、ゲート電極2を薬液やプラズマなどを用いて表面処理(部分的エッチング)を行っても良いし、ダイヤモンドラッピングフィルムなどによる研磨のような方法を用いてもよく、公知の方法を用いることができる。
本発明の有機トランジスタ10では、第1の凹凸形状7となっている領域のゲート絶縁層3の膜厚が、5nm以上400nm以下であることが好ましい。(尚、第2の凹凸形状8は第1の凹凸形状7を反映しているので、前記領域のゲート絶縁層3は、両面の凹部、凸部の位置が、平面視で各々略一致している)。前記領域のゲート絶縁層3の膜厚をなるべく薄くすることにより、ゲート電極2表面に形成した凹凸形状を第2の凹凸形状8およびチャネル領域6aの配向に反映することが容易になる。
本発明の有機トランジスタ10では、ゲート絶縁層3として、自己組織化膜(自己集積化膜)を用いてもよい。自己組織化膜を用いることで、薄く、かつ緻密な絶縁層が形成でき、ゲート電極2表面に形成した凹凸形状を、より高度に第2の凹凸形状8およびチャネル領域6aの配向に反映することが可能となる。また、ゲート絶縁層3の薄膜化により、ゲート電圧によって生じる静電容量を増加させることができ、有機トランジスタの低電圧駆動が可能となるという効果も得られる。
ゲート絶縁層3に自己組織化膜を用いる場合は、異なる自己組織化材料を積層する多層膜構造とすることで、ゲート絶縁層3の誘電率や絶縁性を制御することが可能である。さらに、自己組織化した多層膜を繰り返し構造とすることで、絶縁性を高めることも可能である。また、ゲート絶縁層3表面に形成される有機半導体層6の種類に合わせて表面の官能基を選択し、表面エネルギーを制御することで、有機トランジスタ10の性能を向上することも可能である。
本発明の有機トランジスタ10では、上述のように、第1の凹凸形状7、第2の凹凸形状8を形成するが、これらの凹部と凸部は、平面視で各々略一致し、直線状に連続して伸びている。本発明の有機トランジスタ10では、前記直線状に連続して伸びる方向については、使用する有機半導体層6の特性に応じて任意の方向でよいが、ソース電極とドレイン電極の対向する方向に対して、平面視で垂直であるか、平行であることが望ましい。図2(a)には垂直、図2(b)には平行である場合を示す。
本発明の有機トランジスタの製造方法では、絶縁性基板上にゲート電極を形成する工程と、ゲート電極表面に凹凸形状を形成する工程と、ゲート絶縁層、ソース電極およびドレイン電極、有機半導体層を形成する工程と、を含むが、有機半導体層6よりもソース電極4およびドレイン電極5を先に形成するボトムコンタクト構造としても良いし、有機半導体層6の形成後にソース電極4およびドレイン電極5を形成するトップコンタクト構造としても良い。
ボトムコンタクト構造を適用する場合においては、ソース電極4およびドレイン電極5は、有機半導体層6との電気的接続における接触抵抗を低下させるために、表面処理などを行うことができる。
以下、本発明の有機トランジスタの各構成要素について、より詳しく説明する。
本発明の実施の形態に係る基板1としては、ポリカーボネート、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルフルオライドフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、耐候性ポリエチレンテレフタレート、耐候性ポリプロピレン、ガラス繊維強化アクリル樹脂フィルム、ガラス繊維強化ポリカーボネート、ポリイミド、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ガラス、石英ガラスなどを使用することができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。これらは単独で使用してもよいが、二種以上を積層した複合の基板1として使用することもできる。
本発明の実施の形態に係る基板1が有機物フィルムである場合は、有機トランジスタの耐久性を向上させるために透明のガスバリア層(図示せず)を形成することもできる。ガスバリア層としては酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)、炭化珪素(SiCx)およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられるが本発明ではこれらに限定されるものではない。またこれらのガスバリア層は2層以上積層して使用することもできる。ガスバリア層は有機物フィルムを用いた基板の片面だけに形成してもよいし、両面に形成しても構わない。ガスバリア層は真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ホットワイヤーCVD法およびゾル−ゲル法などを用いて形成することができるが本発明ではこれらに限定されるものではない。
また、基板1上に形成されるゲート電極2の基板1との密着性を向上させるために密着層を設けることもでき、基板1表面に表面処理などを施しても良い。
本発明の実施の形態に係るゲート電極2、ソース電極4およびドレイン電極5は、電極部分と配線部分は明確に分かれている必要はなく、本発明では特に各有機トランジスタの構成要素としてはまとめて電極と呼称している。
本発明の実施の形態に係るゲート電極2は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、マンガン(Mn)などの金属材料や、酸化インジウム(InO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの導電性金属酸化物材料(組成比の添字を省略)を用いることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。これらの材料は単層で用いてもよく、積層または合金として用いても構わない。
ゲート電極2は、真空蒸着法、スパッタリング法などの真空成膜法や、導電性材料の前駆体などを使用するゾル−ゲル法やナノ粒子を使用する方法、それらをインク化して、スクリーン印刷、凸版印刷、インクジェット法などのウェット成膜法で形成する方法などが使用できるが、これらに限定されず、公知の方法を用いることができる。パターニングは、例えばフォトリソグラフィ法を用いてパターン形成部分をレジストなどにより保護し、エッチングによって不要部分を除去して行うこともできるし、印刷法などを用いて直接パターニングすることもできるが、これらの方法に限定されず、公知のパターニング方法を用いることができる。
ゲート絶縁層3は、少なくともゲート電極2を覆うように形成する。
本発明の実施の形態に係るゲート絶縁層3は酸化珪素(SiOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化イットリウム(YOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ハフニウム(HfOx)などの酸化物系絶縁材料、または窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiON)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、もしくは自己組織化膜等の材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらは単層または2層以上積層してもよいし、成長方向に向けて組成を傾斜したものでも構わない。
ゲート絶縁層3は、有機トランジスタのゲートリーク電流を抑えるために、その抵抗率が1.0x1011Ωcm以上、より好ましくは1.0x1014Ωcm以上であることが望ましい。
本発明の実施の形態に係るソース電極4およびドレイン電極5は、先に示したゲート電極2と同様の材料および方法によって形成することができる。
本発明の実施の形態に係る有機半導体層6としては、ポリチオフェン、ポリアリルアミン、フルオレンビチオフェン共重合体、およびそれらの誘導体のような有機半導体材料を用いることができるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
有機半導体層6は、有機半導体材料を溶解または分散させた溶液をインクとして用いる凸版印刷、スクリーン印刷、インクジェット法、ノズルプリンティングなどのウェット成膜方法で形成することができるが、これらに限定されるものではなく、公知の方法を使用することも可能である。
本発明の実施の形態における有機トランジスタは、外部の影響から有機半導体層6を保護するための保護層などを好適に設けることが可能である。
有機半導体層6を保護するための保護層を設ける場合は、少なくとも有機半導体層6のチャネル領域を覆うように形成することが好ましい。
本発明の実施例として、以下のように、図1に示す有機トランジスタを作製した。
基板1として厚さ0.7mmの無アルカリガラスを使用した。ガラス基板上に、DCマグネトロンスパッタを用いてアルミニウム(Al)を400nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングを行った。その後、粒度0.1μmのダイヤモンドラッピングフィルムを用いて、ソース電極とドレイン電極の対向する方向に対して直交する方向に沿って研磨を行い、ゲート電極表面に直線状の凹凸を形成し、本発明の実施例に係るゲート電極2とした。このときに形成した凹凸形状の高さおよび幅は1nmから100nm程度がランダムに存在している。
ゲート電極2を形成した基板を十分に洗浄し、酸素プラズマ処理を施した後に、濃度を5mMに調整したテトラデシルホスホン酸のイソプロピルアルコール溶液に浸漬し、イソプロピルアルコールで洗浄、乾燥を行った後、120℃で焼成し、テトラデシルホスホン酸の自己集積化膜を形成することでゲート絶縁層3とした。今回作製したゲート絶縁層3の膜厚は、ゲート電極2表面の酸化膜を含めて約6nmである。
続いて、有機半導体材料としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)を0.1重量%濃度で溶解させたメシチレン溶液をインクジェット法によりパターニングし、有機半導体層6を形成した。
その後、銀ナノ粒子を分散させた溶液をインクとして、インクジェット法を用いて所望の形状にパターニングし、150℃で1時間焼成し、ソース電極4およびドレイン電極5を形成した。ソース電極4およびドレイン電極5の膜厚は約100nmとした。
<比較例1>
比較例1として、以下のように、図3に示す有機トランジスタを作製した。
比較例1として、以下のように、図3に示す有機トランジスタを作製した。
基板11として厚さ0.7mmの無アルカリガラスを使用した。ガラス基板上に、DCマグネトロンスパッタを用いてAlを400nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングを行い、比較例1に係るゲート電極12を形成した。
ゲート電極12を形成した基板を十分に洗浄し、酸素プラズマ処理を施した後に、5mMの濃度に調整したテトラデシルホスホン酸のイソプロピルアルコール溶液に浸漬した。さらにイソプロピルアルコールで洗浄し乾燥を行った後、120℃で焼成し、テトラデシルホスホン酸の自己集積化膜を形成することでゲート絶縁層13とした。
続いて、有機半導体材料としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)を0.1重量%濃度で溶解させたメシチレン溶液をインクジェット法によりパターニングし、有機半導体層16を形成した。
その後、銀ナノ粒子を分散させた溶液をインクとして、インクジェット法を用いて所望の形状にパターニングし、150℃で1時間焼成し、ソース電極14およびドレイン電極15とした。ソース電極14およびドレイン電極15の膜厚は約100nmとした。
<比較例2>
比較例2として、以下のように、図4に示す有機トランジスタを作製した。
比較例2として、以下のように、図4に示す有機トランジスタを作製した。
基板21として厚さ0.7mmの無アルカリガラスを使用した。ガラス基板上に、DCマグネトロンスパッタを用いてAlを400nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングを行い、比較例2に係るゲート電極22を形成した。
ゲート電極22を形成した基板上に、ゲート絶縁層23としてダイコート法を用いてアクリル樹脂を塗布し、230℃で焼成した。ゲート絶縁層23の膜厚は1μmとした。
続いて、有機半導体材料としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)を0.1重量%濃度で溶解させたメシチレン溶液をインクジェット法によりパターニングし、有機半導体層26を形成した。
その後、銀ナノ粒子を分散させた溶液をインクとして、インクジェット法を用いて所望の形状にパターニングし、150℃で1時間焼成し、ソース電極24およびドレイン電極25とした。ソース電極24およびドレイン電極25の膜厚は約100nmとした。
以上の工程により、本発明の実施例、および比較例1、2に係る有機トランジスタを作製した。実施例、および比較例1においては、ゲート絶縁層3、13の膜厚が非常に薄く、ゲート電圧によって誘起される容量が大きくなることにより、比較例2よりも低電圧で高いオン電流を得ることができた。また実施例と比較例1を比べると、実施例1では、ゲート電極2とゲート絶縁層との界面の第1の凹凸形状を反映して、ゲート絶縁層3とチャネル領域の界面に第2の凹凸形状が形成されているので、有機半導体層6のチャネル領域6aの配向性が向上することにより、トランジスタ特性が、移動度として約10倍以上に劇的に向上し、良好な特性を示す有機トランジスタを得ることができた。
以上説明したように、本発明によれば、有機半導体層およびゲート絶縁層にダメージを生じることなく、有機半導体層の配向制御を行うことで、良好な特性を示す有機トランジスタを提供することができる。
本発明は、有機トランジスタに有用であり、本発明を用いた有機トランジスタは各種表示デバイスや各種センサーなどに好適に利用可能である。
1、11、21・・・基板
2、12、22・・・ゲート電極
2a・・・ゲート電極の表面部(チャネル領域下)
3、13、23・・・ゲート絶縁層
4、14、24・・・ソース電極
5、15、25・・・ドレイン電極
6、16、26・・・有機半導体層
6a、16a、26a・・・有機半導体層のチャネル領域
7・・・第1の凹凸形状
8・・・第2の凹凸形状
10、20、30・・・有機トランジスタ
2、12、22・・・ゲート電極
2a・・・ゲート電極の表面部(チャネル領域下)
3、13、23・・・ゲート絶縁層
4、14、24・・・ソース電極
5、15、25・・・ドレイン電極
6、16、26・・・有機半導体層
6a、16a、26a・・・有機半導体層のチャネル領域
7・・・第1の凹凸形状
8・・・第2の凹凸形状
10、20、30・・・有機トランジスタ
Claims (8)
- 絶縁性基板上でゲート電極とゲート絶縁層とを介して、ソース電極およびドレイン電極に挟まれ、平面視で前記ゲート電極と重なる有機半導体層の領域をチャネル領域とする有機トランジスタであって、
平面視で前記チャネル領域に重なる前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層との界面が、断面視で凹部と凸部を有し、平面視で前記凹部と前記凸部が各々直線状に連続する第1の凹凸形状となっており、
前記ゲート絶縁層と前記チャネル領域の界面が前記第1の凹凸形状を反映した第2の凹凸形状となっており、
前記第2の凹凸形状により、前記チャネル領域が配向性を有していることを特徴とする有機トランジスタ。
ここで、反映する、とは、平面視で前記第2の凹凸形状の凹部と凸部の位置が、各々前記第1の凹凸形状の凹部と凸部の位置に略一致することを意味する。 - 前記第1の凹凸形状となっている領域の前記ゲート絶縁層の膜厚が、5nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層が自己組織化膜からなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層が前記自己組織化膜を2層以上積層してなることを特徴とする請求項3に記載の有機トランジスタ。
- 平面視で、前記第1の凹凸形状が直線的に連続する方向が、前記ソース電極と前記ドレイン電極の対向する方向に対して垂直であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 平面視で、前記第1の凹凸形状が直線的に連続する方向が、前記ソース電極と前記ドレイン電極の対向する方向に対して平行であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 絶縁性基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極表面に凹凸形状を形成する工程と、ゲート絶縁層、ソース電極およびドレイン電極、有機半導体層を順次形成する工程と、を含むことを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
- 絶縁性基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極表面に凹凸形状を形成する工程と、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソース電極およびドレイン電極を順次形成する工程と、を含むことを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
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