JP2017103262A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Teppei Akazawa
徹平 赤澤
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Abstract

【課題】電歪現象に起因するクラックの発生を抑制した積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】この発明に係る積層セラミックコンデンサ10は、複数のセラミック層40と複数の第1および第2の内部電極50a、50bとにより形成された積層体20と、第1および第2の外部電極60a、60bとを備え、積層体20は、積層方向において、第1の主面22a側に位置する第1の端部32aと、第2の主面22b側に位置する第2の端部32bと、第1の端部32aと第2の端部32bの間に挟まれた中央部34とを含み、中央部34に位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率が、第1および第2の端部32a、32bに位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率よりも低いことを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
近年、電子部品の高性能化に対する要求が高まっている。例えば、電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、小型化や大容量化などの高性能化が急速に進んでおり、これに伴って用途も拡大している。その結果、積層セラミックコンデンサには様々な特性が要求されている。積層セラミックコンデンサの一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1の積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体を有する。コンデンサ素子本体の両端部には、素子本体の内部で交互に配置された内部電極層と各々導通する一対の外部電極が形成される。
特開2013−180906号公報
特許文献1のような積層セラミックコンデンサは、セラミック材料に高誘電率系誘電体を用いた場合、電圧を印加した際に電歪現象(逆圧電現象)が生じる。図4は、積層セラミックコンデンサに電圧を印加した際に生じる電歪現象を示す模式図である。図4では、電圧を印加する前の積層セラミックコンデンサ1を実線で示し、電圧を印加した後の積層セラミックコンデンサ1を二点鎖線で示してある。すなわち、電歪現象とは、積層セラミックコンデンサ1に電圧が印加されることにより、積層体2が電界の印加方向(図4中白抜き矢印で示す方向)に膨張し、機械的変位が生じる現象である。電歪現象が生じるとき、積層体2の内部で応力が発生する。また、例えば、大容量化を図るためにセラミック層並びに第1および第2の内部電極5a、5bの積層数を増やした場合、積層セラミックコンデンサ1の全体にかかる応力が大きくなる。その結果、例えば、密着力が比較的弱いセラミック層と第1および第2の内部電極5a、5bとの間などにクラックが発生し、破壊電圧や耐電圧の低下を招いてしまうという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、電歪現象に起因するクラックの発生を抑制した積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、複数のセラミック層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されることにより直方体状に形成され、互いに相対する第1の主面および第2の主面、互いに相対する第1の側面および第2の側面、並びに互いに相対する第1の端面および第2の端面を含む積層体と、第1の端面に形成された第1の外部電極、および第2の端面に形成された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、第1の内部電極は、セラミック層の界面を平板状に延びる対向部と、第1の端面に露出する引出し部とを有し、第2の内部電極は、セラミック層を介して第1の内部電極の対向部と対向するようにセラミック層の界面を平板状に延びる対向部と、第2の端面に露出する引出し部とを有し、第1の外部電極は、第1の端面において第1の内部電極と電気的に接続され、第2の外部電極は、第2の端面において第2の内部電極と電気的に接続され、積層体は、第1の主面と第2の主面を結ぶ方向において、第1の主面側に位置する第1の端部と、第2の主面側に位置する第2の端部と、第1の端部と第2の端部の間に挟まれた中央部とを含み、中央部に位置する第1の内部電極および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率が、第1の端部および第2の端部に位置する第1の内部電極および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率よりも低いことを特徴とする。
発明者は、図4に示すような電歪現象が生じる際、積層体2の内部において、第1の内部電極5aと第2の内部電極5bとが対向する有効部3(図4中一点鎖線で囲まれた部分)は電界が印加されて膨張するのに対し、第1の内部電極5aと第2の内部電極5bとが対向しないギャップ部4などは電界が印加されず膨張しないため、有効部3とギャップ部4の境界部分およびその近傍で応力が大きくなることに着目した。さらに、積層体2の積層方向における中央部(特に、ギャップ部4の積層方向における中央部)になるほど、他の層からの歪みの影響を受けることにより当該応力が集中して蓄積されるため、クラックの発生が懸念されるという課題を見出した。そして、発明者は、鋭意検討した結果、積層体2の積層方向における中央部に位置する第1および第2の内部電極5a、5bのセラミック層に対する被覆率を、積層体2の積層方向における第1および第2の端部に位置する第1および第2の内部電極5a、5bのセラミック層に対する被覆率よりも低くすることに想到した。この発明に係る積層セラミックコンデンサは、前述した構成を有することにより、電歪現象に起因した応力が集中して蓄積される積層体の積層方向における中央部(特に、ギャップ部の積層方向における中央部)において、当該応力を小さくすることができるため、クラックの発生を抑制することができる。
この発明によれば、電歪現象に起因するクラックの発生を抑制した積層セラミックコンデンサを提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II断面図である。 この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行ったシミュレーション結果を示すグラフである。 積層セラミックコンデンサに電圧を印加した際に生じる電歪現象を示す模式図である。
1.積層セラミックコンデンサ
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図である。図2は、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II断面図である。
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、積層体20と、積層体20の表面に形成された第1の外部電極60aおよび第2の外部電極60bとを備える。
(積層体20)
積層体20は、複数のセラミック層30と、複数の第1の内部電極50aと、複数の第2の内部電極50bとが積層されることにより直方体状に形成される。すなわち、積層体20は、積層方向(T方向)において相対する第1の主面22aおよび第2の主面22bと、T方向に直交する幅方向(W方向)において相対する第1の側面24aおよび第2の側面24bと、T方向およびW方向に直交する長さ方向(L方向)において相対する第1の端面26aおよび第2の端面26bとを含む。積層体20は、その角部および稜部に丸みを形成されることが好ましい。また、第1および第2の主面22a、22b、第1および第2の側面24a、24b並びに第1および第2の端面26a、26bの一部または全部に凹凸などが形成されてもよい。
積層体20は、第1および第2の内部電極50a、50bがセラミック層40を介して互いに対向する有効部36(図2中一点鎖線で囲まれた部分)と、第1および第2の内部電極50a、50bが対向しない第1および第2のLギャップ部38a、38b、並びに第1および第2のWギャップ部(図示せず)とを有する。
積層体20は、T方向(第1の主面22aと第2の主面22bを結ぶ方向)において、第1の主面22a側に位置する第1の端部32aと、第2の主面22b側に位置する第2の端部32bと、第1の端部32aと第2の端部32bの間に挟まれた中央部34とを含む。
(セラミック層40)
セラミック層40は、第1の内部電極50aと第2の内部電極50bとの間に挟まれてT方向に積層される。セラミック層40のセラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加してもよい。なお、セラミック層40の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
(第1および第2の内部電極50a、50b)
第1および第2の内部電極50a、50bは、積層体20の内部に配置される。第1の内部電極50aは、セラミック層40の界面を平板状に延び、その端部が積層体20の第1の端面26aに露出する。一方、第2の内部電極50bは、セラミック層40を介して第1の内部電極50aと対向するようにセラミック層40の界面を平板状に延び、その端部が積層体20の第2の端面26bに露出する。したがって、第1および第2の内部電極50a、50bは、セラミック層40を介して互いに対向する対向部と、第1および第2の端面26a、26bに引き出された引出し部とを有する。第1および第2の内部電極50a、50bがセラミック層40を介して互いに対向することにより有効部36が形成され、静電容量が発生する。
第1の内部電極50aは、その引出し部と相対する側のL方向における端辺が、積層体20の第2の端面26bと第2のLギャップ部38bを介して相対する。同様に、第2の内部電極50bは、その引出し部と相対する側のL方向における端辺が、積層体20の第1の端面26aと第1のLギャップ部38aを介して相対する。また、第1および第2の内部電極50a、50bのそれぞれは、積層体20の第1の側面24aと第1のWギャップ部(図示せず)を介して相対し、且つ積層体20の第2の側面24bと第2のWギャップ部(図示せず)を介して相対する。
第1および第2の内部電極50a、50bのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。第1および第2の内部電極50a、50bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の少なくとも一種を含む合金(例えば、Ag−Pd合金)などの適宜の導電材料により構成することができる。
積層体20のT方向における中央部34に位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率は、積層体20のT方向における第1および第2の端部32a、32bに位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率よりも低い。
(第1および第2の外部電極60a、60b)
第1の外部電極60aは、第1の内部電極50aと電気的に接続されるように積層体20の第1の端面26aに形成される。第1の外部電極60aは、積層体20の第1の端面26aから、第1および第2の主面22a、22bそれぞれの一部並びに第1および第2の側面24a、24bそれぞれの一部まで形成されることが好ましい。なお、第1の外部電極60aは、積層体20の第1の端面26aにのみ形成されてもよい。第2の外部電極60bは、第2の内部電極50bと電気的に接続されるように積層体20の第2の端面26bに形成される。第2の外部電極60bは、積層体20の第2の端面26bから、第1および第2の主面22a、22bそれぞれの一部並びに第1および第2の側面24a、24bそれぞれの一部まで形成されることが好ましい。なお、第2の外部電極60bは、積層体20の第2の端面26bにのみ形成されてもよい。
第1および第2の外部電極60a、60bは、下地電極層と、下地電極層の表面に形成されためっき層とを含む。
下地電極層は、焼付け層、樹脂層および薄膜層などから選ばれる少なくとも1層を含む。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体20に塗布して焼き付けることにより形成される。焼付け層は、第1および第2の内部電極50a、50bと同時に焼成することで形成されてもよいし、第1および第2の内部電極50a、50bを焼成した後に焼き付けることで形成されてもよい。焼付け層の最も厚い部分の厚みは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。なお、焼付け層は複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む。焼付け層の金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどから選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層のガラスは、例えば、B、Si、Ba、Mg、Al、Liなどを含む。樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂を含んでもよい。樹脂層の最も厚い部分の厚みは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。なお、樹脂層は複数層であってもよい。また、樹脂層は、例えば焼付け層が形成されない場合、積層体20の表面に直接形成されてもよい。薄膜層は、スパッタ法または蒸着法などの薄膜形成法により形成される金属粒子が堆積した層である。薄膜層の厚みは、1μm以下であることが好ましい。
めっき層は、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAuなどから選ばれる少なくとも1つを含む。めっき層は、NiめっきおよびSnめっきを含む2層構造であることが好ましい。下地電極層を覆うようにNiめっきを形成することにより、はんだバリア性を向上させることができる。また、Niめっきの表面にSnめっきを形成することにより、はんだ濡れ性を向上させることができ、これにより実装を容易にすることができる。なお、めっき層は単層構造であってもよいし、3層以上の複数層構造であってもよい。めっき層一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
(効果)
この実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、積層体20のT方向における中央部34に位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率が、積層体20のT方向における第1および第2の端部32a、32bに位置する第1および第2の内部電極50a、50bのセラミック層40に対する被覆率よりも低い。これにより、電歪現象に起因した応力が集中して蓄積される積層体20の中央部34(特に、第1および第2のLギャップ部38a、38b、並びに第1および第2のWギャップ部(図示せず)のそれぞれのT方向における中央部)において、当該応力を小さくすることができるため、クラックの発生を抑制することができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法について、上記した実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を例にして説明する。
まず、セラミックシートと、内部電極用の導電性ペーストとを準備する。セラミックシートおよび内部電極用の導電性ペーストは、公知の有機バインダなどのバインダと、有機溶剤などの溶剤とを含む。
次に、セラミックシートの表面に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで内部電極用の導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。このようにして、内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを作製する。なお、内部電極用の導電性ペーストの塗布厚を薄くしたり、内部電極用の導電性ペーストに含有されるNiを減らしたりすることにより、積層体のT方向における中央部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率を、積層体のT方向における第1および第2の端部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率よりも低くする。
そして、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックシートを所定枚数積層し、その表面に内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを順次積層し、その表面に外層用のセラミックシートを所定枚数積層し、積層シートを作製する。
さらに、積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスし、積層ブロックを作製する。
次に、積層ブロックを所定のサイズにカットすることで、積層チップを作製する。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜部に丸みを形成してもよい。
そして、積層チップを焼成することにより積層体を作製する。焼成温度は、誘電体や内部電極の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
最後に、積層体の両端面に外部電極用の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、外部電極の焼き付け層を形成する。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。また、必要に応じて、焼付け層の表面にめっき電極を形成する。
なお、焼付け層を形成せず、積層体の表面に直接めっき電極を形成してもよい。このようにする場合、まず、めっき処理を施すことにより、内部電極の引出し部上に下地めっき膜を形成する。めっき処理を施すにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよい。なお、無電解めっきは、めっき析出速度を向上させるために触媒などによる前処理が必要であるため、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。なお、表面導体を形成する場合、あらかじめ最外層のセラミックグリーンシートの表面に表面導体パターンを印刷し、積層チップと同時焼成してもよい。また、積層体(焼成後の積層チップ)の主面に表面導体を印刷してから焼き付けてもよい。さらに、必要に応じて、めっき電極の表面にめっき層を形成する。
上記のようにして、この発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを製造する。
3.実験例
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例について説明する。実験例では、上記した製造方法にしたがって、実施例1および2並びに比較例1の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製し、クラックの発生数を確認した。
(実施例および比較例)
実施例1および2の試料は、積層体のT方向における中央部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率が、積層体のT方向における第1および第2の端部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率よりも低くなるように作製した。一方、比較例1の試料は、当該中央部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率が、当該第1および第2の端部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率と同じまたはほぼ同じであるように作製した。
具体的には、内部電極のセラミック層に対する被覆率を100%としたものを比較例1とし、比較例1から積層体のT方向における中央部の10層分に当たる内部電極11枚分のセラミック層に対する被覆率を50%としたものを実施例1とし、比較例1から積層体のT方向における中央部の50層分に当たる内部電極51枚分のセラミック層に対する被覆率を50%としたものを実施例2とした。
実施例1および2並びに比較例1の試料(積層セラミックコンデンサ)のスペックは以下の通りである。
・サイズ(設計値)L×W×T:3.2mm×2.5mm×2.5mm
・定格電圧:50V
・外部電極を除いたT寸法:2465μm
・外部電極を除いたW寸法:2.45mm
・外部電極を除いたL寸法:3.15mm
・Lギャップ部の厚み:800μm
・Wギャップ部の厚み:200μm
・セラミック層の厚み:4μm
・内部電極の厚み:1μm
・内部電極の積層枚数:451枚
・外層の厚み:107μm
・セラミック層のセラミック材料:BaTiO3
・内部電極:Ni
・外部電極の構造
下地電極層(焼付け層):Cu
めっき層:NiめっきおよびSnめっきの2層構造
(測定方法)
積層体のT方向における中央部に位置する第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率についての測定方法は次の通りである。まず、積層体のT方向における中央部に位置する内部電極とセラミック層とを電界剥離などにより引き剥がす。次に、露出した内部電極の中央部(W方向の1/2且つL方向の1/2の位置)付近を、顕微鏡を用いて倍率100倍程度で観察する。そして、得られた画像を解析することにより、露出した部分において内部電極が占める面積の割合を求めた。試料数は5個とし、5個それぞれの当該割合の平均を内部電極のセラミック層に対する被覆率とした。
なお、積層体のT方向における第1および第2の端部に位置する内部電極のセラミック層に対する被覆率につても同様に測定した。
(評価方法)
実施例1および2並びに比較例1それぞれについて、電歪現象に起因した応力をシミュレーションにより求めて比較した。シミュレーションでは、積層セラミックコンデンサの1/2Lの長さ位置における、複数の内部電極の縁端と第1および第2の側面との間のWギャップ部分における応力を測定した。シミュレーションの条件は次の通りである。
シミュレーションソフト:Femtet Version 2015.0.1.51846(有限要素法によるシミュレーションソフト(ムラタソフトウェア株式会社))
電場/圧電解析定数 比誘電率:2000
電歪定数Q11[m4/C2]:0.11
電歪定数Q12[m4/C2]:−0.045
圧電d33定数[pC/N]:191
圧電d31定数[pC/N]:−79
(評価結果)
図3は、この発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を確かめるために発明者らが行ったシミュレーション結果を示すグラフである。図3に示すように、比較例1は、積層体のT方向における第1および第2の端部それぞれから中央部になるほど応力が大きくなっていき、当該中央部で応力が最大になった。一方、実施例1および2は、積層体のT方向における第1および第2の端部それぞれから中央部になるほど応力が大きくなっていくが、当該中央部およびその近傍において、その周辺部よりも応力が小さくなった。すなわち、実施例1および2は、積層体の第1および第2の内部電極のセラミック層に対する被覆率を50%とした部分が、その周辺部に比べて応力が小さくなった。
上記の通りであるため、積層体のT方向における中央部に位置する内部電極のセラミック層に対する被覆率が、積層体のT方向における第1および第2の端部に位置する内部電極のセラミック層に対する被覆率よりも低いことにより、電歪現象に起因した応力が集中して蓄積される積層体のT方向における中央部において、当該応力を小さくできることが確認できた。したがって、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、電歪現象に起因したクラックを抑制することができる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
10 積層セラミックコンデンサ
20 積層体
22a 第1の主面
22b 第2の主面
24a 第1の側面
24b 第2の側面
26a 第1の端面
26b 第2の端面
32a 第1の端部
32b 第2の端部
36 有効部
38a 第1のLギャップ部
38b 第2のLギャップ部
34 中央部
40 セラミック層
50a 第1の内部電極
50b 第2の内部電極
60a 第1の外部電極
60b 第2の外部電極

Claims (1)

  1. 複数のセラミック層と、複数の第1の内部電極と、複数の第2の内部電極とが積層されることにより直方体状に形成され、互いに相対する第1の主面および第2の主面、互いに相対する第1の側面および第2の側面、並びに互いに相対する第1の端面および第2の端面を含む積層体と、
    前記第1の端面に形成された第1の外部電極、および前記第2の端面に形成された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記第1の内部電極は、前記セラミック層の界面を平板状に延びる対向部と、前記第1の端面に露出する引出し部とを有し、
    前記第2の内部電極は、前記セラミック層を介して前記第1の内部電極の対向部と対向するように前記セラミック層の界面を平板状に延びる対向部と、前記第2の端面に露出する引出し部とを有し、
    前記第1の外部電極は、前記第1の端面において前記第1の内部電極と電気的に接続され、
    前記第2の外部電極は、前記第2の端面において前記第2の内部電極と電気的に接続され、
    前記積層体は、
    前記第1の主面と前記第2の主面を結ぶ方向において、前記第1の主面側に位置する第1の端部と、前記第2の主面側に位置する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部の間に挟まれた中央部とを含み、
    前記中央部に位置する前記第1の内部電極および前記第2の内部電極の前記セラミック層に対する被覆率が、前記第1の端部および前記第2の端部に位置する前記第1の内部電極および前記第2の内部電極の前記セラミック層に対する被覆率よりも低いことを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
JP2015232577A 2015-11-30 2015-11-30 積層セラミックコンデンサ Pending JP2017103262A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019083254A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 Tdk株式会社 電子部品
JP7468498B2 (ja) 2021-12-13 2024-04-16 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ

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