JP2017101503A - 凍結工法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、ボーリング内にはシースパイプが挿入されており、土壌に冷熱を伝導するため、シースパイプ内部に伝熱性能を有する流体(例えば水)を充填している。
そのため、シースパイプに充填されている伝熱性能を有する流体は、ボーリング孔の上方の領域において、冷媒の冷熱が最初に供給される。そして、シースパイプに充填されている伝熱性能を有する流体が水である場合には、ボーリング孔の上方の領域の水が冷媒の冷熱が投入されて最初に凍結し、下方の領域に向かって水の凍結が進行する。
一方、ボーリング孔の下方には凍結していない水が存在し、体積増大による圧力が作用しても、ボーリング孔下方の水を上方から圧縮することはできない。すなわち、体積増大により生じた圧力をボーリング孔下方の水で吸収することは出来ない。
冷媒用配管の流路断面積が減少すると、所定流量の冷媒を循環させることが困難となり、所定範囲の土壌を良好に凍結することが困難になる。そして、冷媒用配管が氷の圧力に耐え切れずに破壊されてしまうと、冷媒が循環されなくなり、凍土壁等を造成するべき領域の土壌を凍結することが出来なくなってしまうという問題が存在する。
しかし、係る従来技術(特許文献1参照)は凍土周辺の地中構造物に対する影響の低減を目的としており、下方の領域から上方の領域に向かって凍結が進行する様にせしめる技術ではなく、冷媒用配管の圧縮変形による各種不都合を解消するための技術でもない。
冷媒がボーリング孔(1)内の冷媒を供給する配管(LS)内を流れる際に冷媒(例えば、液相の二酸化炭素)の冷熱は断熱材(I)で遮断され、ボーリング孔(1)内を充填している伝熱性流体(W)を凍結せず、
冷媒を供給する配管(LS)の断熱材(I)で包囲されていない領域(SD)に到達した冷媒が周囲から熱(顕熱或いは潜熱)を奪い、冷媒を供給側(例えば地上側)に戻す配管(LO)内を流れ、冷媒が保有する冷熱が周辺土壌(G)に伝達され、
ボーリング孔(1)内に充填された伝熱性流体(W)が冷媒供給側から離隔した領域(AD)から凍結し、冷媒供給側(例えば上方)の領域に向かって凍結し、
凍結した伝熱性流体の体積膨張により生じた圧力は、冷媒供給側(例えば上方)の領域の伝熱性流体(W)を押圧して、ボーリング孔(1)の端部(開口部)から排出する(矢印OF)ことを特徴としている。
そして前記中空部材はシースパイプ(2)であっても良いし、或いは、地中に残存したボーリング孔掘削用ケーシングであっても良い。
また本発明において、垂直方向上方に延在するボーリング孔(1)を削孔し、中空部材の下端を蓋(3)により閉鎖し、当該蓋(3)に開閉弁(V)を設け、当該開閉弁(V)は、蓋(3)に作用する圧力が、ボーリング孔(1)上方の領域(ADU)における水Wの圧力にヘッド差(H=ρgh:ρは中空部材内に充填されている伝熱性流体の比重、gは重力加速度、hは開閉弁Vを設けた個所とボーリング孔1上方の領域ADUとの高さの差)を加えた圧力よりも大きい場合には開放し、それ以下の場合には閉鎖する機能を有しており、
冷媒を供給する配管(LS)の断熱材(I)で包囲されていない上方領域(SDU)を流れる冷媒が保有する冷熱により、伝熱性流体(W)がボーリング孔(1)上方の領域(ADU)から順次下方の領域に向かって凍結し、体積膨張して圧力が生じると、前記蓋(3)に作用する圧力が増加して前記開閉弁(V)が開放し、伝熱性流体(W)が中空部材から排出されるように構成することも可能である。
そのため、冷媒がボーリング孔(1)内の冷媒を供給する配管(LS)内を流れても、冷媒の冷熱は断熱材(I)で遮断されるので、ボーリング孔(1)内を充填している伝熱性流体(W:例えば水)は凍結しない。そして、供給側(例えば地上側)に戻る配管(冷媒戻り配管LO)の断熱材(I)で包囲されていない箇所(土壌G中の凍結するべき領域に対応する箇所)では、冷媒は周囲から熱(顕熱及び/又は潜熱)を奪い、気化して、気相或いは気液二相流となって、供給側(例えば地上側)に戻る配管(LO)内を流れる。その際、冷媒が保有する冷熱は、伝熱性流体(W)、周辺土壌(G)に伝達され、ボーリング孔(1)周辺の土壌(G)を凍結する。そして、気相或いは気液二相流となって冷媒が供給側(例えば地上側)に戻る配管(LO)内を地上側に向かって流れ、周囲から熱(顕熱及び/又は潜熱)を奪うことにより、凍結するべき土壌を冷媒供給側から離隔した領域(AD)から冷媒供給側(例えば地上側)の領域に向かって凍結するので、本発明によれば下方の領域から上方の領域に向かって凍結することが出来る。
ここで、本発明では、冷媒用配管(LS、LO)内では、冷媒は地中側に向かってのみ流れるか(冷媒供給側)、或いは、地上側に向かってのみ流れるか(冷媒戻り側)の何れかである凍結工法が対象となる。
その際に、ボーリング孔(1)内の伝熱性流体(W)が凍結する領域よりも冷媒供給側(上方)の領域では、冷媒を供給する配管(LS)を流れる冷媒の冷熱は断熱材(I)で遮断されているので、伝熱性流体(W)は凍結していない(ボーリング孔1の上方の領域は氷で閉鎖されてはいない)。そのため、ボーリング孔1内部の領域の伝熱性流体(W)が冷媒供給側から離隔した側(例えば下方)の領域(AD)より凍結し、体積膨張して圧力が発生しても、当該圧力はボーリング孔内(1)の冷媒供給側(例えば上方の)領域の伝熱性流体(W)を押し上げ、ボーリング孔(1)の冷媒供給側開口部から溢れ出て、排出させる(矢印OF)のみである。すなわち、冷媒用配管(LS、LO)を圧縮することはない。
したがって、冷媒用配管(LS、LO)が圧縮されず、流路は変形せず、流路断面積が減少することがなく、冷媒用配管(LS、LO)が破損することもないので、本発明によれば、冷媒の循環は適正に行われ、周辺土壌Gを凍結することが出来る。
シースパイプ(2)内の伝熱性流体(W)が開閉弁(V)から下方に流出することにより、ボーリング孔(1)上方の領域(ADU)の伝熱性流体(W)が凍結して体積膨張することにより発生した圧力は逃がされ、冷媒用配管(LO、LS)を圧縮しない。そのため、冷媒の循環は適正に行われる。
図示の実施形態では冷媒として二酸化炭素(CO2)を採用した場合を説明している。しかし、冷媒は二酸化炭素に限定される訳ではなく、土壌を凍結できるだけの冷熱を供給する能力がある冷媒であれば、全て適用することが可能である。
最初に図1、図2を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態では、垂直方向下方に延在するボーリング孔1を掘削して、その周辺土壌Gを凍結している。また、伝熱性能を有する流体として、水を選択している。
ここで、図示しない掘削用ケーシングを地中に残存した状態でシースパイプ2を挿入し、その後、掘削用ケーシングを地上側に引き抜く場合が存在する。
また、図示の実施形態ではシースパイプ2の底部は閉塞しているが、シースパイプ2の底部が閉塞していない場合が存在する。そして、シースパイプ2の底部が閉塞していない場合には、ボーリング孔1の掘削用ケーシング(図示せず)を地中に残存して、シースパイプ2を使用しない場合、すなわち、シースパイプ2に代えて、地中に残存しているボーリング孔1の掘削用ケーシング(図示せず)を用いる場合が存在する。
シースパイプ2は伝熱性に優れた鋼管等を使用するが、可撓性を有する材料製であっても良い。可撓性を有する材料でシースパイプ2を構成した場合には、シースパイプ2内に伝熱性能を有する流体である水Wを充填した際に、水圧により、シースパイプ2が半径方向外方に膨張して、ボーリング孔1内壁にシースパイプ2が密着する。その結果、冷媒の冷熱が凍結するべき土壌Gに効果的に伝導される。
シースパイプ2内に伝熱性能を有する流体W(水)は、冷媒用配管LO、LS内の冷媒が有する冷熱をシースパイプ2まで伝導するために充填される。ここで、水は伝熱性が良く、取り扱いが容易であり安全に取り扱うことが出来るので、図示の実施形態では、伝熱性能を有する流体としてシースパイプ2内に水を充填している。
冷媒供給配管LSを包囲する断熱材Iとしては、断熱性に優れ、水(伝熱性能がある流体)が浸入し難く、ある程度柔軟性を有する発泡スチレン等が好適である。但し、断熱材Iに要求される特性は断熱性であり、柔軟性は断熱性に比較して重要な特性ではない。
一方、冷媒戻り配管LO(冷媒が上向きにのみ流れる配管:冷媒の流れが矢印AR3で示されている)の、土壌Gの凍結するべき領域に対応する箇所は、断熱材で包囲されてはいない。
冷媒用配管LS、LOを経由して、図示しない地上側冷媒供給設備より冷媒の供給を開始すると、液相冷媒が冷媒供給配管LSに供給され(矢印AR1)、液相冷媒は比重が大きいので冷媒供給配管LS内を速やかに下降する(矢印AR2)。
上述した様に、冷媒供給配管LSは断熱材Iで包囲されているので、冷媒供給配管LSを流れる冷媒(矢印AR2で示す冷媒)の冷熱は断熱材Iに遮断され、冷媒供給配管LSの外側(半径方向外方)には供給されず、冷媒供給配管LSの外側の水Wから熱を奪うことはない。そのため、矢印AR2で示す冷媒はシースパイプ2内を充填している水Wを凍結せず、ボーリング孔1(シースパイプ2)の最下方の領域ADに到達する。
その後、気相の冷媒は比重が小さいので冷媒戻り配管LO内を直ちに上昇し、気液二相の冷媒においては気相冷媒が液相冷媒を連行して冷媒戻り配管LO内を直ちに上昇する(矢印AR3)。
そして、冷媒戻り配管LO内を上昇する間、冷媒はシースパイプ2周辺の土壌Gから熱を奪って(冷熱を周辺土壌Gに伝達して)、周辺の土壌Gを凍結する。換言すれば、冷媒戻り配管LO内を上昇する冷媒が保有する冷熱が、冷媒戻り配管LO、水W(伝熱性能を有する流体)、シースパイプ2、凍結するべき土壌Gの順に伝熱され、ボーリング孔1周辺の土壌G(凍結するべき土壌)を凍結する。そして上述の様な凍結土壌Gを相互に隣接して複数造成すれば、容易に止水壁を築造することが出来る。
冷媒戻り配管LO内を上昇した冷媒は、その後、図示しない冷媒用配管を経由して、地上側の冷媒供給設備(図示せず)に戻る(矢印AR4)。
図2において、全体が扁平な部材で構成された冷媒用配管Lは、複数(図2では10本)の矩形断面の冷媒流路Lδが設けられた構造を有している(いわゆる「マイクロチャンネル」)。そして、図2で示す冷媒用配管Lは、複数の冷媒流路Lδの全てにおいて、冷媒が流れる方向が同一となっており、冷媒供給配管LS及び/又は冷媒戻り配管LOとして用いられている。
冷媒用配管L(いわゆる「マイクロチャンネル」)はアルミニウム製であり、全体が扁平であり、複数の矩形断面の冷媒流路Lδを設けた構造を採用することにより、伝熱性能に優れた冷媒用配管となっている。
図示は省略するが、冷媒供給配管LS、冷媒戻り配管LOが多重管、例えば三重管の場合には、三重管の最内管が冷媒供給配管LSを構成し、最外方の円環状空間が(図1では2本示されている)冷媒戻り配管LOを構成し、内管と最外方円環状空間との間の円環状領域の全部或いは半径方向内包方の一部領域に冷媒供給配管LSを包囲する断熱材Iを配置或いは充填することが出来る。水Wは、当該三重管最外方の外殻部とシースパイプとの間の領域に充填される。
なお、冷媒供給配管LS、冷媒戻り配管LOを三重管(多重管)で構成する場合、当該三重管(多重管)の本数は複数本であっても良い。
図示の実施形態では、冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いており、上述した様に、液相冷媒(供給された冷媒)は冷媒供給配管LS内を落下(下降)し、周囲から熱(顕熱或いは潜熱)を奪って気化すると、気相の二酸化炭素と液相の二酸化炭素の比重の差により、気相冷媒は直ちに上昇し、気液二相の冷媒は気相冷媒が液相冷媒を連行して冷媒戻り配管LO内を直ちに上昇する。そのため、冷媒が二酸化炭素であり、且つ冷媒用配管が多重管であれば、ボーリング孔1の最下方において、冷媒供給配管LSから出た冷媒を、冷媒戻り配管LO内の流路を上昇させるための機構は不要である。
そして冷媒が冷媒戻り配管LOに到達すると、冷媒戻り配管LOにおける土壌中の凍結するべき領域に対応する箇所は断熱材Iで包囲されていないので、当該箇所において、冷媒は周囲から熱(顕熱或いは潜熱)を奪い、気化して、気液二相流となる。気液二相流となった冷媒は冷媒戻り配管LO内を供給側である地上側に向かって上昇する。
その際(冷媒が冷媒戻り配管LOを流れる際)、冷媒の冷熱が、冷媒用配管、水W(伝熱性能を有する流体)、シースパイプ2、凍結するべき周辺土壌Gの順に伝熱され、ボーリング孔1の周辺土壌G(凍結するべき土壌)を凍結する。
この場合、凍結が上方(冷媒供給側)に向かって進行するので、凍結が進行する間においては、シースパイプ2内(ボーリング孔1)の水が凍結する領域よりも上方の領域には氷は存在しない(ボーリング孔1内の凍結する領域の上方の領域は氷で閉鎖されてはいない)。ボーリング孔1内部の領域の水Wが下方の領域ADより順次シースパイプ2内の上方の領域に向かって凍結して氷になり、体積膨張して圧力が発生しても、当該圧力はボーリング孔1内の上方の領域の水Wを押し上げる(押圧する)作用をするだけである。そして押し上げられた水は、ボーリング孔1の上端開口部から溢れ出て、排出される(矢印OF)。
換言すれば、ボーリング孔1(シースパイプ2)内の水(下方の領域ADから上方に向かって順次凍結する水)が凍結して体積膨張して発生した圧力は、その上方の水をボーリング孔1(の上端開口部)から溢れださせる(矢印OF)ことにより「逃げる」ため、冷媒用配管LS、LOを圧縮変形しないのである。
したがって、冷媒用配管LS、LOが圧縮されず、流路は変形せず、流路断面積が減少することがなく、冷媒用配管LS、LOが破損することもないので、冷媒の循環は適正に行われる。
第2実施形態では、垂直方向上方に向けてボーリング孔1を掘削して、その周辺土壌Gを凍結している。
以下、主として図1、図2の第2実施形態とは相違する点について説明する。
さらに、シースパイプ2内(の冷媒供給配管LS及び冷媒戻り配管LO以外の領域)に伝熱性能を有する流体として水Wを充填する。
一方、冷媒戻り配管LO(冷媒が下向きにのみ流れる配管:冷媒の流れを矢印AR6で示す)の、土壌Gの凍結するべき領域に対応する箇所は、断熱材で包囲されていない。
蓋3には開閉弁Vが設けられている。開閉弁Vは、蓋3(開閉弁Vを設けた個所)に作用する圧力が、ボーリング孔1上方の領域ADUにおける水Wの圧力にヘッド差Hを加えた圧力よりも大きい場合には開放するが、それ以下の場合には閉鎖する。
ここで、前記ヘッド差Hは、蓋3(開閉弁Vを設けた個所)とボーリング孔1上方の領域ADUとの高さの差を符号「h」で示すと、 ヘッド差H=ρgh なる式で示される(ρはシースパイプ内に充填されている水の比重、gは重力加速度)。
ここで、上述の開閉弁Vの開閉制御に際しては、例えば従来公知の図示しない制御装置(例えば制御盤やPC等)を使用して、蓋3に作用する圧力、領域ADUにおける水Wの圧力、前記ヘッド差Hを演算して行う。
上述した様に、冷媒供給配管LSは断熱材Iで包囲されているので、冷媒供給配管LSを流れる冷媒の冷熱は、冷媒供給配管LSの外側(半径方向外方)には供給されず、シースパイプ2内を充填している水Wを凍結することなく、上方領域ADUに到達する。
シースパイプ2内の水Wが開閉弁Vから下方に流出(排出)することにより、ボーリング孔1上方の領域ADUの水Wが凍結して体積膨張することにより発生した圧力は逃がされ、冷媒用配管LO、LSを圧縮しない。
なお、開放した開閉弁Vから一定量の水が排出されシースパイプ2内の圧力が低下すると、開閉弁Vを設けた個所に作用する圧力は、領域ADUにおける水の圧力にヘッド差H(ρgh)を加えた圧力以下となり、開閉弁Vは閉鎖する。
図3の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1、図2の実施形態と同様である。
図4の分配・集合装置4において、地上側の冷媒供給設備から凍結管に冷媒を供給(分配)する場合は、冷媒供給設備からの冷媒は供給側流出入口4Aから分配・集合装置4に流入し(矢印AR71)、凍結管側流出入口4B(複数設けられる)より凍結管側に分配(供給)される(矢印AR72)。また、凍結管から図示しない冷媒供給設備に冷媒を戻す(集合させる)場合は、凍結管側からの冷媒は凍結管側流出入口4Bから分配・集合装置4に流入し(矢印AR81)、供給側流出入口4Aより冷媒供給設備に戻る(矢印AR82)。
図4において、符号5(点線で表示)は、分配・集合装置4と凍結管を連通する中間配管である。
また、図4の分配・集合装置4を用いれば、従来技術におけるヘッダ(図示せず)を使用する必要がないので、設備全体をコンパクトにして、省スペース化が図れる。
2・・・シースパイプ
3・・・蓋
4・・・分配・集合装置
4A・・・供給側流出入口
4B・・・凍結管側流出入口
5・・・中間配管
G・・・土壌(凍結すべき土壌)
I・・・断熱材
L・・・冷媒用配管
LS・・・冷媒供給配管
LO・・・冷媒戻り配管
W・・・水(伝熱性能を有する流体)
V・・・開閉弁
Claims (5)
- ボーリング孔内に断熱材で包囲されており冷媒を供給する配管及び断熱材で包囲されておらず冷媒を供給側に戻す配管が挿入され且つ伝熱性流体が充填されており、冷媒を供給する配管及び冷媒が地上側に戻る配管内では冷媒が一方向のみに流れ、
冷媒がボーリング孔内の冷媒を供給する配管内を流れる際に冷媒の冷熱は断熱材で遮断され、ボーリング孔内を充填している伝熱性流体を凍結せず、
冷媒を供給する配管の断熱材で包囲されていない領域に到達した冷媒が周囲から熱を奪い、冷媒を供給側に戻す配管内を流れ、冷媒が保有する冷熱が周辺土壌に伝達され、
ボーリング孔内に充填された伝熱性流体が冷媒供給側から離隔した領域から凍結し、冷媒供給側領域に向かって凍結し、
凍結した伝熱性流体の体積膨張により生じた圧力は、冷媒供給側領域の伝熱性流体を押圧して、ボーリング孔の端部から排出することを特徴とする凍結工法。 - ボーリング孔内に中空部材を挿入し、中空部材の内部空間内に、断熱材で包囲されており冷媒を供給する配管と断熱材で包囲されておらず冷媒を供給側に戻す配管が挿入される請求項1の凍結工法。
- 前記中空部材がシースパイプである請求項2の凍結工法。
- 前記中空部材が地中に残存したボーリング孔掘削用ケーシングである請求項2の凍結工法。
- 垂直方向上方に延在するボーリング孔を削孔し、中空部材の下端を蓋により閉鎖し、当該蓋に開閉弁を設け、当該開閉弁は、蓋に作用する圧力がボーリング孔上方の領域における伝熱性流体の圧力にヘッド差を加えた圧力よりも大きい場合には開放し、それ以下の場合には閉鎖する機能を有しており、
冷媒を供給する配管の断熱材で包囲されていない上方領域を流れる冷媒が保有する冷熱により、伝熱性流体がボーリング孔上方の領域から順次下方の領域に向かって凍結し、体積膨張して圧力が生じると、前記蓋に作用する圧力が増加して前記開閉弁が開放し、伝熱性流体が中空部材から排出される請求項2〜4の何れか1項の凍結工法。
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