JP2006009335A - 地下水熱利用設備における地中装置 - Google Patents

地下水熱利用設備における地中装置 Download PDF

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Abstract

【課題】地中深く構築させる井戸内の地下水の熱ロスを抑制し、しかも、井戸内地下水の水位上昇を図り、更には水脈と井戸内における地下水の自然対流を促進させる又は強制的対流させることによって地下水熱の地上設備への熱移動を効率的に行なうことができる地下水熱利用設備の地中装置を提供する。
【解決手段】水脈Nが存在する地中深くケーシング1を植設せしめることにより構築される井戸Aの地下水M熱を熱源として利用する循環密閉回路式地上設備の地中装置であって、ケーシング1は、下端開口1-2の密閉筒構造で、同密閉上端を地表(GL)又は外気の影響を受けない地中深度Lまで没入させた状態で植設される。そして、ケーシング1の内部には地上設備Bの往管・還管3が挿設又は同地上設備Bに接続される循環密閉回路式熱交換器Eが同軸状に挿設されると共に、同内部を抜気せしめて抜気減圧状態又は真空状態に制御維持するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、地下水熱利用設備における地中装置に係り、例えば冷暖房設備、或いは屋上や路面その他の地上において、降雪を融かす融雪設備等の循環密閉回路式地上設備へ地下水熱を直接又は間接的に循環供給するために地中深く構築される地中装置に関する。
従来、この種の地中装置としては、天板にて上部開口部を密閉せしめる地熱収集ケーシングを地中水脈である還元層と帯水層とが存在する所定深度まで植設せしめ、該収集ケーシング内の軸芯には、天板にて上部開口部を密閉せしめる断熱ケーシングを挿設すると共に、同断熱ケーシングの下部開口部を前記収集ケーシングの閉鎖された底部近傍に開口させた二重筒構造の井戸としている。
そして、断熱ケーシングの上方から同ケーシング内に引き込まれる融雪地熱液循環パイプの下端には地熱液を当該循環パイプに圧送するポンプを設け、また、前記循環パイプの先端は前記収集ケーシングの天板を貫通して当該収集ケーシング内上部に連通させ、更に、前記収集ケーシングと断熱ケーシングとの間には還元液と地熱液との分断パッカーが張設されてなる装置が知られている(特許文献1)。
即ち、この従来装置の井戸は、特許文献1の図2に示されているように、帯水層の地下水が融雪地熱液としてポンプの稼働で地熱収集ケーシングに備えられている収集ストレーナを介して断熱ケーシングの下部開口より吸引され、ポンプを通って融雪地熱液循環配管に圧送された融雪地熱液は、融雪路面の融雪稼動を行なった後に、融雪還元液となって収集ケーシングと断熱ケーシングの間に還流され、還流された還元液は、分断パッカーによって断熱ケーシング内を流下せずに、前記収集ケーシングの還元ストレーナを介して還元層に還元されるようになっている。
しかし乍ら、地中深く植設された地熱収集ケーシング内と、このケーシング内の軸心に挿設される断熱ケーシングとは、地表(地上)に臨む上部開口部を天板により密閉せしめただけの密閉構造を採用しているにすぎないことから、両ケーシング内の地下水圧(地圧)により上昇される地下水の水面(WL)と天板との間の上部空間部は滞留空気が内在(残留)する大気圧に近い圧力下にある。即ち、大気圧1cm2−約1kgの荷重が両ケーシング内の地下水の水面(WL)に掛かった状態にある。
また、寒冷地等においては、地表(GL)から略400〜600mmが凍結深度とされ、また、地表から略4〜5mが外気影響深度とされている。
従って、上記した従来の地中装置では、天板により閉鎖されている両ケーシング共に地表面から地上に露出していることから、外気温の影響を受け易く、しかも、この外気温の影響は地上に露出している上部開口部側のみならず、地表から略4〜5mに位置するケーシング部分においても受け易いことから、両ケーシング内地下水熱の熱ロスが激しく、地下水熱を有効に利用できる装置とは言えないものである。
つまり、ケーシング内には滞留空気が残留していることで、外気の影響を受けてケーシング内に温度の低下が伝導し、少なくともその内部空間部で熱交換が起きて地下熱・地下水熱も放熱を起して熱ロスが発生する容易となり、有効な装置とは言えない。
また、従来の地中装置では、融雪路面の融雪稼動を行なった後に、収集ケーシングと断熱ケーシングの間に還流される融雪還元液によって収集ケーシング内の地下水熱が、ケーシング壁面を介して奪われることとなり、地下水熱を有効に利用できる装置とは言えないものである。
更に、従来の地中装置では、汲み上げた地下水を融雪地熱液循環配管における熱交換後において、前述の還元層に還流させる場合には大きな圧力を持って行なわなければならない。
即ち、ポンプによる汲み上げは分断パッカーに仕切られた帯水層側で行なわれる一方で、融雪稼働後の還元液の還元は分断パッカーによって帯水層と仕切られた水圧変化が全く無い還元層側で無理やり行なわれる。つまり、汲み上げた水量の地下水を、汲み上げた元に層(水脈)に戻すことにおいては然程大きな圧力を必要としないものの、地層(断層)によって分離されて全く繋がりがない別の還元層側に戻すことは困難に近く、同還元層の水圧(地圧)より大きな能力を有する大型ポンプを必要とする等の実用性に欠ける数々の問題が残されていた。
特公平7−49650号公報
本発明が解決しようとする課題は、地中深く構築させる井戸内の地下水の熱ロスを抑制し、しかも、井戸内地下水の水位上昇を図り、更には水脈と井戸内における地下水の自然対流を促進させる又は強制的対流させることによって地下水熱の地上設備への熱移動を効率的に行なうことができる地下水熱利用設備における地中装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、請求項1では、水脈が存在する地中の所定深度に達するようにケーシングを植設せしめることにより構築される井戸の地下水熱を熱源として利用する循環密閉回路式地上設備における地中装置であって、
上記ケーシングは、下端開口の密閉筒構造と成し、同密閉上端を地表又は外気の影響を受けない地中深度まで没入させた状態で地中に植設され、当該ケーシング内には上記地上設備に亘り接続される往管・還管が挿設又は同地上設備に亘り接続される循環密閉回路式熱交換器が同軸状に挿設されると共に、同内部から地下水以外の滞留空気を抜気又は同内部を真空状態まで抜気せしめてなることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置にある。
ここで、ケーシング内部とは、水脈ドームの水圧(地圧)によりケーシング内に上昇する地下水の水面と閉鎖されたケーシングの閉鎖上端との間に存在する上部空間部である。
そして、上記ケーシングの密閉上端の地中への没入深度としては、例えば外気の影響を受けて凍結を起こす恐れがあるとされている地表(GL)から略400〜600mmの凍結深度以上の没入深度とすることが好適なものとなる。
請求項2では、請求項1記載のケーシング内部から滞留空気を抜気又は真空状態まで抜気せしめると共に、同内部を抜気減圧状態又は所定の真空度に制御維持するための抜気装置が具備されていることを特徴とするものであり、前記真空度は、−1〜−700mmHgの範囲に設定することが好適なものとなり、特に好ましい範囲は−300〜−600mmHgである(請求項3)。
また、請求項4では、請求項1〜3何れか1項に記載のケーシング内に挿設させる循環密閉回路式地上設備の往管・還管の還管口側が、ケーシングの下端開口部が開口臨む水脈ドームの底部近傍で開口されて、地上設備との熱交換が成された地下水が水脈ドームに還元されるようにしたことにある。
更に、請求項5では、請求項1〜3何れか1項に記載のケーシング内に、地下水の強制対流装置を熱交換器と共に挿設せしめてなり、
前記強制対流装置が、ケーシング内における循環密閉回路式熱交換器が挿設される部位において吸込み口を開口させ、吐出し口を水脈ドームの底部近傍において開口させるように配管されるパイプラインと、このラインに備えられるポンプとで構成され、ケーシング内に地下水の上下対流を強制的に起こさせるようにしたことにある。
上記ポンプは、パイプラインの一部を地上に露出させて、同露出ラインに接続具備せしめる地上設置型のラインポンプ(循環ポンプ)とするも良いが、ケーシング内で開口させるラインの吸込み口に接続具備せしめる水中ポンプとすることが好適なものとなる。
本発明の地中装置は、叙上の如く構成してなることから下記の作用効果を奏する。
請求項1記載によれば、井戸内部の滞留空気を抜気又は同内部を真空状態まで抜気せしめてなる。即ち、井戸内に水脈・水脈ドームの水圧(地圧)により上昇流入される地下水の水面と同井戸の閉鎖上端との間に存在する井戸内の上部空間部は抜気状態又は真空状態にあることで、同内部には断熱効果が期待できる。
つまり、外気の影響を受けるとされている地表(GL)から地下略4〜5mの外気影響深度において前記空間部(井戸の上部側)が位置していても同空間部内に熱を伝達・交換する気体(滞留空気層)が少ない又は気体が全く無い抜気減圧状態又は真空状態にあることで、井戸内の温度低下を招く熱ロスを抑制する断熱効果が期待できる。加えて、ケーシングが鉄製である場合、熱交換器を挿設した場合には酸化鉄が生成される等の腐蝕防止効果が期待できる。
また、この様に井戸内部が抜気減圧状態又は真空状態にあることで、水脈・水脈ドーム内、そして井戸内に挿設されている往管・還管、更には循環密閉回路式地上設備とが連通状態になり密閉回路を構成することで、気密性が保たれる。それにより、垂直荷重の配管抵抗が無くなり、水平方向の配管抵抗だけになることから、圧力損失が軽減される。よって、循環に用いられる循環ポンプの能力も小さく且つ小型化できる。
しかも、水脈・水脈ドームの水圧(地圧)により上昇する地下水の井戸内における水位上昇が期待できる。つまり、井戸の上部空間部を真空状態することで、井戸内は上部側も下部側も水脈・水脈ドームの水圧と同圧になることで、従来装置のような滞留空気が内在する大気圧状態に比べて地下水の水位上昇が期待でき、ひいては、井戸の密閉上端近くに達する水位の上昇が期待できる。
従って、例えば井戸内部に配管挿設される循環密閉回路式地上設備の往管・還管の井戸内部へ配管長さが短くて済む。換言すれば、短い循環パイプラインにて井戸内の地下水を地上設備へと送り込むことができる。それにより、地下水を前記地上設備に効率的に送り込むことができる。
更に、パイプラインが短くなった分、ラインの配管費用が軽減され、更にはライン上における熱ロスを抑え、そして、循環に用いられる循環ポンプにおいても省電力の小型で済む等から、経済的に有利な地中装置となる。
また、井戸内部が真空状態にあることで、井戸内に挿設される熱交換器には大気圧が掛からない分、浮力が作用することとなり、熱交換器の荷重負担が軽減される。
そして、熱交換器との熱交換により温度差(水温差)ができ、温度が低くなった部分は高い所から低い所へ移動する地下水の自然対流速度が、大気圧が掛からない分、2〜3倍速以上に促進されることが期待できる。
つまり、従来装置のような大気圧下回路から循環密閉回路に変わり、水頭圧の垂直荷重が水平方向の配管抵抗だけになる分、井戸内における地下水の自然対流速度が、2〜3倍速以上に促進されることが期待できる。これによって、熱交換器との熱交換が効率的に行なわれることで、地下水熱を地上設備に効率的に送り込むことができる。
請求項2及び3記載によれば、抜気装置を設けて、地上設備への地下水の汲み上げ供給による井戸内水位の変位(変動)や地下水中の含有空気等によって井戸内部の真空度が、−1〜−700mmHgの範囲から外れないように制御維持するようにしてなることで、請求項1記載の作用効果を継続的に管理維持することができる。
請求項4記載によれば、往管・還管の還管口は水脈ドームの底壁近傍に位置して開口するように設定し、循環密閉回路式地上設備との熱交換後において戻される地下水が井戸内ではなく、しかも、井戸の下端開口が開口する水脈ドームの上壁よりも下方に位置する水脈ドームの底部近傍に還元されるようにしたことで、還元水により井戸内の地下水の熱容量が低下(降下)されることを抑止することができる。これによって、地下水熱を効率的に地上設備へと送り込み、そして、水脈ドームに還元することができる。
つまり、本発明では循環密閉回路式で地下水の揚水と還元とが行なわれることで、揚水から還元までの地下水の循環工程中において外部に漏水することがなく、揚水量に対して還元水量が減少することがないことで、環境破壊として問題視される井戸枯れや地盤沈下等が生じることもなく、地下水を効率的に地上設備へと送り込み、元の水脈へと還元することができる。
請求項5記載によれば、循環密閉回路式地上設備に循環パイプを介して接続される熱交換器と共に地下水の強制対流装置を井戸内に挿設せしめて、水脈・水脈ドームから井戸内全体への地下水の対流を強制的に起こさせるようにしてなることで、井戸内の上部から下部に至る全体水温を常に水脈・水脈ドームの地下水温と同温に維持することが期待できる。
これによって、熱交換器との熱交換によって熱交換器周りの温度(水温)が低下することなく、常に熱交換器の周りには水脈・水脈ドームの地下水温度と同温の地下水が満弁に対流行き渡ることで、地下水熱を熱交換器にて加温された熱媒体を介して地上設備に効率的に送り込み供給することができる。
本発明の最良の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明地中装置の実施形態の一例を示す概略図であり、Aは井戸、Bは循環密閉回路式地上設備である。
井戸Aは、地下水Mの水脈Nが存在する地中の所定深度に達するようにボーリングされた後の穴にケーシング1を植設せしめることにより地中に構築されるものである。
そして、水脈Nに達するようにケーシング1を植設せしめて地中に構築した井戸Aの上端開口1-1は、蓋体2にて密閉せしめると共に、外気の影響を受けない地中深度Lまで没入させている。本例では寒冷地において外気の影響を受けて凍結を起こす恐れがあるとされている地表(GL)から略400〜600mmの凍結深度以上まで地中に没入させている。
また、水脈Nに達するように植設せしめたケーシング1の下端には適宜の高さと広さを有する水脈ドームN-1が形成され、該ドームN-1の天井壁より突出臨ませたケーシング1の下端開口1-2側周壁には無数の通水孔4が開孔されて、水脈N・水脈ドームN-1の地下水Mが下端開口1-2と無数の通水孔1-20から井戸A内に流入されるようにしている。
循環密閉回路式地上設備Bは、降雪を融かす循環密閉回路式融雪設備B-1を示し、この融雪設備B-1に連結配管される往管・還管3の往管口3-1側を、井戸A上端の密閉蓋体2を貫通させて井戸A内に挿設開口させると共に、同往管・還管3の還管口3-2側を水脈ドームN-1のドーム底壁近傍で開口させて、井戸A内の地下水Mを往管・還管3の往管口3-1側における途中部位に設置されるラインポンプ(循環ポンプ)4により汲み上げて融雪設備B-1へと送り込み、そして、融雪設備B-1での熱交換(融雪熱源として交換)が成された後の地下水Mは往管・還管3の還管口3-2から水脈ドームN-1へと還元されるようにしている。
尚、図示例では還管3-2を水脈Nの上流・下流双方に向けているが、水脈Nの下流側方向に向けて開口させることが好適なものとなる。
そして、本例では、蓋体2にて密閉された井戸A内の地下水Mの水面(WL)と蓋体2との間の上部空間部5を、後述する抜気装置Cより減圧真空引きせしめて真空状態とすると共に、同真空状態を所定範囲の真空度に制御維持し得るようにしている。
上記真空度は、−1〜−700mmHgの範囲に設定することが本発明を成立させる上で重要である。
その理由は、真空度が−1mmHg以下では、−1mmHg=−13.1mmH2Oで、少なくとも大気圧と飽和状態ではなく、既に真空に至らなくても抜気中の状態で真空を目指す状態で、既に負圧状態になって密閉状態に入るので、それ以下では密閉・気密ができなくなるからであり、−700mmHgを越えると、殆んど絶対真空に近い状態になるが、密閉度が増すために、それらを維持する装置のシールパッキン等の気密維持部品が既に絶対真空状態での形成維持が困難であることから、装置があまりにも大掛かりになることと、それらの装置又は地中装置自体が真空破壊・変形を引き起こす恐れがあるからである。
従って、本発明においては井戸Aの上部空間部5の真空度を−1〜−700mmHgの範囲に設定することが本発明を成立させるものであり、好ましいは−300〜−600mmHgである。
抜気装置Cは、ボーリング後に植設されるケーシング1内に、密閉蓋体2を貫通させて往管・還管3が配管挿通されることで地中深くに構築される井戸Aの設置が完了した後に、井戸Aの上部空間部5から気体(滞留空気層)を抜気せしめて同空間部5を抜気減圧状態に制御維持する役目と、同空管部5を−300〜−600mmHgの真空状態まで抜気(吸引)せしめると共に、融雪設備B-1が稼働することによって汲み上げられる地下水Mの水位(WL)の上下変位(変動)や地下水M中の含有空気等の影響によって上部空間部5の真空度が、−300〜−600mmHgの範囲から外れないように制御維持する役目を成す。
この抜気装置Cは、密閉蓋体2を貫通させた抜気パイプライン6を介して上部空間部5と連絡する抜気ポンプ7と、抜気パイプライン6の途中部位に配管接続した圧力スイッチ8とで構成され、該圧力スイッチ8による上部空間部5の圧力監視により抜気ポンプ7をON/OFF動作させることによって、上部空間部5の真空度が、前記−300〜−600mmHgの設定範囲に制御維持されるようにしている。
図中9は、上記抜気パイプライン6に接続配置されている逆止弁であり、図中10,11は、同パイプライン6の途中部位から分岐させた分岐ライン6-1に接続配置されているバキュームブレーカーと圧力計である。そして、図中12は、抜気ポンプ7に接続されている抜気ラインであり、抜気ポンプ7による井戸A内部からの滞留空気が外部(大気中)に抜気されるようにしている。
また、本例では図示のように、循環密閉回路式融雪設備B-1との熱交換後において往管・還管3の還管口3-2から水脈ドームN-1に戻される冷やされた地下水Mが、そのまま下端開口1-2から井戸A内に流入するのを阻止するための遮断装置Dを前記還管口3-2の近傍に配備せしめている。
この遮断装置Dは、往管・還管3の還管口3-2側に適宜の取付手段により定着される中心部材13の周囲に、拡開し得るように複数枚の遮断羽14を設けて、還管口3-2側が水脈ドームN-1まで挿入された時点で、図2の(a)に二点鎖線で示したように、複数枚の遮断羽14が大きく開くようにしている。それによって、還管口3-2と井戸Aの下端開口1-2との間を遮断せしめて、水脈ドームN-1に戻された直後の温度の低い地下水Mが、周りの地下水Mと共に井戸A内に上昇して流入されるのを阻止するようにしている。
而して、以上の如く構成された本例の地中装置によれば、井戸A内に水脈N・水脈ドームN-1の水圧(地圧)により流入上昇される地下水Mの水面(WL)と同井戸Aの閉鎖上端との間に存在する上部空間部5は抜気減圧状態又は−300〜−600mmHg範囲の真空状態に制御維持されることで、同空間部5には断熱効果が期待できる。
つまり、外気の影響を受けるとされている地表(GL)から地下略4〜5mの外気影響深度L1において前記空間部5が存在する井戸Aの上部側が位置していても同空間部5内に熱を伝達する気体(滞留空気層)が全くない無い抜気減圧状態又は真空状態にある。
従って、井戸A内の温度低下を招く熱ロスを抑制する断熱効果が期待でき、また、ケーシング1が鉄製である場合には酸化鉄が生成される等の腐蝕防止効果が期待できる。
また、井戸Aの上部空間部5が真空状態に継続的に制御維持されることで、井戸A内は上部側も下部側も水脈N・水脈ドームN-1の水圧(地圧)と同圧になることで、水脈N・水脈ドームN-1の水圧により上昇流入される地下水Mの井戸A内における水位上昇が大気圧状態に比べて期待できる。
尚、図示を省略しているが、循環密閉回路式融雪設備B-1の往管・還管3に必要に応じて同じ水量計を夫々接続備えることで、地下水Mの揚水と還元水量を目視又は電気的に監視し得るようにするも可能であり、任意である。
図3は、実施例1詳述の井戸A内に循環密閉回路式熱交換器Eを挿設した本発明地中装置の他の実施形態を示し、斯かる実施例2は、井戸内に循環密閉回路式熱交換器Eを同軸状に挿設せしめて、循環密閉回路式融雪設備B-1への地下水M熱の供給を、熱交換器Eを介して行うように構成した以外の構成部分においては前述実施例1と基本的に同じことから、同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
循環密閉回路式熱交換器Eは、図示したように、井戸A内に挿設される程度の外径にて螺旋状に形成された熱交換部E-1を備えて、循環密閉回路式で配管接続される地上の融雪装置B-1に熱交換により加温された熱媒体を循環ポンプ15により循環供給するようにしている。
また、本例では、地下水Mの強制対流装 置Fを井戸A内から水脈ドームN-1へ挿設せしめて、井戸A内に地下水Mの上下対流(移動)を強制的に起こさせるようにしている。
強制対流装置Fは、井戸A内における熱交換器Eが挿設される部位において吸込み口16を開口させ、吐出し口17を水脈ドームN-1の底部近傍において開口させるように配管されるパイプライン18と、このパイプライン16に備えられる。図示では前記吸込み口14に備えられる水中ポンプ19とで構成され、水脈ドームN-1から井戸A内に地下水Mの上下対流を強制的に起こさせることで、井戸A内の上部から下部に至る全体水温が常に水脈N・水脈ドームN-1の地下水Mの温度と同温に維持されるようにしている。
尚、図示例では吐出し口17を水脈Nの上流・下流双方に向けているが、水脈Nの下流側方向に向けて開口させることが好適なものとなる。
而して、強制対流装置Fによって、熱交換器Eの周りには水脈N・水脈ドームN-1の地下水Mの温度と同温の地下水Mが満弁に行き渡ることから、熱交換器E周りの水温が低下することなく熱媒体の加温が効果的に行なわれ、それによって、地下水M熱を、熱媒体を介して融雪設備B-1に効率的に送り込むことができる。
尚、前述実施例1,2では、循環密閉回路式地上設備Bの一例として、循環密閉回路式融雪設備B-1を挙げたが、その他の設備として例えば冷暖房設備等の循環密閉回路式空調設備等が挙げられる。
また、図示を省略しているが、抜気装置Cのパイプライン6に、井戸A内上部空間部5の滞留空気の有無を機械的又は電気的に検出する検出手段、例えば前述実施例1,2のような圧力スイッチ8を配管接続せしめて、地下水M等からの滞留空気によって空間部5が満たされた場合には抜気ポンプ7を作動させて滞留空気を抜気せしめて抜気減圧状態に制御維持するようにするも良い。
また、図示を省略しているが、井戸A内部の上部空間部5から滞留空気を抜気せしめて同空間部5を真空状態するための他の仕法を挙げるならば、例えばケーシング1の上端開口1-1を蓋体2にて密閉せしめると共に、実施例1,2詳述の循環密閉回路式融雪設備B-1等の地上設備Bの往管・還管3を井戸A内部に配管挿設せしめた後に、同地上設備Bから適宜の水圧と流量の水を、井戸A内部の水位(WL)が密閉上端に至る満水状態まで送り込み、この水位上昇による内部加圧によって抜気装置Cの抜気パイプライン6を通し、同パイプライン6の途中部位に外部開放状に分岐配管される不図示の滞留空気抜き弁を備える抜気ラインから井戸A内部の滞留空気を外部に抜気することも可能である。
この場合、抜気ラインのパイプライン6への接続位置は、逆止弁9よりも下流側(ポンプ6側)にて行い。外部滞留空気が井戸A内部へ流入するのを逆止弁9によって防ぐようにしている。
尚、本発明の具体的な実施例にあっては、前述の各実施例1〜2構成に限定されるものではなく、請求項1〜5記載の要旨を免脱しない範囲で種々変更して行うことができるものである。
本発明地中装置の実施形態の一例を示す概略図 水脈ドームに配備される遮断装置の一例を示し、(a)は水脈ドームに向けてケーシング内を通している状態の正面図、(b)は水脈ドームまで挿入されて大きく開いた状態の平面図 本発明地中装置の他の実施形態を示す概略図
符号の説明
A:井戸 1:ケーシング
1-1:上端開口 1-2:下端開口
2:蓋体 3:往管・還管
3-1:往管口 3-2:還管口
4:循環ポンプ 5:空間部
B:地上設備 C:抜気装置
D:遮断装置 E:熱交換器
F:強制対流装置

Claims (5)

  1. 水脈が存在する地中の所定深度に達するようにケーシングを植設せしめることにより構築される井戸の地下水熱を熱源として利用する循環密閉回路式地上設備における地中装置であって、
    上記ケーシングは、下端開口の密閉筒構造と成し、同密閉上端を地表又は地中所定深度まで没入させた状態で地中に植設され、当該ケーシング内には上記地上設備の往管・還管が挿設又は同地上設備に接続される循環密閉回路式熱交換器が同軸状に挿設されると共に、同内部から地下水以外の滞留空気を抜気又は同内部を真空状態まで抜気せしめてなることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置。
  2. 請求項1のケーシング内部から滞留空気を抜気又は真空状態まで抜気せしめると共に、同内部を抜気減圧状態又は所定の真空度に制御維持するための抜気装置が具備されていることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置。
  3. 請求項1又は2記載のケーシング内部の真空度は、−1〜−700mmHgの範囲に設定されていることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置。
  4. 請求項1〜3何れか1項に記載のケーシング内に挿設される循環密閉回路式地上設備の往管・還管の還管口側は、ケーシングの下端開口部が開口臨む水脈ドームの底部近傍で開口されていることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置。
  5. 請求項1〜3何れか1項に記載のケーシング内に、地下水の強制対流装置を熱交換器と共に挿設させてなり、
    前記強制対流装置は、循環密閉回路式熱交換器が挿設されるケーシングの上部側途中部位において吸込み口側を開口させ、吐出し口側を、ケーシングの下端開口部が開口臨む水脈ドームの底部近傍で開口させるように配管されるポンプを備えたパイプラインにて構成されていることを特徴とする地下水熱利用設備における地中装置。
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