JP2017101174A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シランカップリング剤とシリカとの反応率を向上させ、低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られるタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
従来から、タイヤの安全性及び低燃費性の向上を目的に、補強用充填剤としてシリカが使用されている。また、シリカだけでは充分な効果が得られないため、シリカと共に、シリカとゴム成分を結合させるシランカップリング剤が使用されている。
シランカップリング剤とシリカとが反応するためには、シランカップリング剤が有するケイ素原子に結合しているアルコキシ基等が加水分解され、シラノール基が生成する必要がある。しかし、アルコキシ基等の加水分解反応は短時間で進行しないため、ゴムの混練工程においてアルコキシ基等の加水分解反応が充分に進行していなかった。そのため、シランカップリング剤とシリカとの反応率が低くなり、シリカの性能を最大限まで引き出せていなかった。
上記問題を解決する方法として、特許文献1には、ヒドロキシ酸、イタコン酸をゴム組成物に配合することが開示されている。
国際公開第2011/062099号
シランカップリング剤とシリカとが結合するためには、シランカップリング剤の加水分解反応が生じた後、シランカップリング剤とシリカとの重縮合反応が生じることが必要である。そして、加水分解反応は、反応系を酸性にすることで促進され、重縮合反応は、反応系を塩基性にすることで促進される。特許文献1の方法のように、ヒドロキシ酸、イタコン酸を配合すると、反応系が酸性となるため、加水分解反応は促進されるが、重縮合反応を促進することはできなかった。そのため、シランカップリング剤とシリカとの反応率には、未だ向上の余地が残されている。
本発明は、前記課題を解決し、シランカップリング剤とシリカとの反応率を向上させ、低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られるタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
前記水溶性酸性物質のpKa(HO)が1〜6であることが好ましい。
前記水溶性酸性物質が、ヒドロキシ酸、アスコルビン酸及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記水に不溶な塩基性物質が、グアニジン類であることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、シランカップリング剤とシリカとの反応率が向上し、低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物を提供できる。
本発明の製造方法は、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含む。
本発明では、ベース練り工程において、シリカやシランカップリング剤とともに、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練することで、水溶性酸性物質によって加水分解反応が促進されるとともに、水に不溶な塩基性物質によって重縮合反応が促進される。これにより、シランカップリング剤とシリカとの反応を効率よく進行させることができる。また、水溶性酸性物質と水溶性塩基性物質とを併用した場合、中和反応によって各物質の反応促進作用が損なわれるおそれがあるが、本発明では、水に不溶な塩基性物質を用いることで、中和反応を生じにくくすることができる。これらの作用により、シランカップリング剤とシリカとの反応率が顕著に向上し、一般に両立が困難な低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物を提供することが可能となる。
また、上記のとおり、本発明で使用する水に不溶な塩基性物質は、水溶性酸性物質との中和反応が生じにくいため、水溶性酸性物質と同じタイミングで投入することができる。これにより、製造時間を短縮することが可能となる。
まず、本発明で使用する各成分について説明する。
(ゴム成分)
ゴム成分としては特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く得られるという理由から、SBR、BRが好ましい。SBR、BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
(シリカ)
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。50m/g未満では、充分な破壊特性が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。300m/gを超えると、ゴムへの分散が困難となり、分散不良を起こすおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。5質量部未満であると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、ゴムへの分散が困難となり、分散不良を起こすおそれがある。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、スルフィド系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤が挙げられる。なかでも、良好な破壊特性が得られるという理由から、スルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは4質量部以上、特に好ましくは6質量部以上である。0.1質量部未満では、転がり抵抗の低減(低燃費性向上)効果が充分に得られない傾向がある。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、高価なシランカップリング剤の添加量に見合った転がり抵抗の低減(低燃費性向上)効果が得られない傾向がある。
(水溶性酸性物質)
水溶性酸性物質としては、水に可溶であり、かつ酸性を示す物質であれば特に限定されないが、pKa(HO)が1〜6、溶解度(20℃)が100g/L−HO以上である物質が好ましい。
水溶性酸性物質のpKa(HO)は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上である。1未満であると、酸が強すぎて設備を痛めるおそれがある。また、該pKa(HO)は、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。6を超えると、酸が弱く、充分な効果が得られないおそれがある。
本発明の効果が良好に得られるという理由から、水溶性酸性物質の溶解度(20℃)は、好ましくは100g/L−HO以上、より好ましくは200g/L−HO以上、更に好ましくは300g/L−HO以上である。上限は特に限定されない。
水溶性酸性物質としては、融点が低く、ゴムの混練中に溶解してよく分散するという理由から、ヒドロキシ酸、アスコルビン酸及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドロキシ酸がより好ましい。
なお、ヒドロキシ酸、アスコルビン酸、イタコン酸は、酸性を示すものであれば、塩形態であってもよい。
本発明におけるヒドロキシ酸とは、ヒドロキシ基を有するカルボン酸(すなわち、ヒドロキシ基とカルボキシル基を有する化合物)である。ヒドロキシ酸としては、例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、セレブロン酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、グリコール酸、パントイン酸等の脂肪族ヒドロキシ酸や、サリチル酸、ベンジル酸等の芳香族ヒドロキシ酸等が挙げられる。なかでも、環境に優しいという理由から、脂肪族ヒドロキシ酸が好ましく、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸がより好ましく、リンゴ酸、クエン酸が更に好ましい。
ゴム組成物の混練工程において、水溶性酸性物質は、粉体を使用することが好ましい。これにより、ゴム組成物を低コストで効率良く製造することができる。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、水溶性酸性物質の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満では、シランカップリング剤とシリカとの反応率向上効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。10質量部を超えると、ゴム中の異物が多くなり、転がり抵抗が上昇し、低燃費性が低下するおそれがある。
(水に不溶な塩基性物質)
本発明における水に不溶な塩基性物質は、水に不溶であり、かつ塩基性を示す物質であれば特に限定されない。
水に不溶な塩基性物質としては、重縮合反応の促進効果が大きいという理由から、グアニジン類が好ましい。グアニジン類は、加硫促進剤としても使用される物質であり、その具体例としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、反応性が高く、重縮合反応の促進効果が特に大きいという理由から、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドが好ましく、1,3−ジフェニルグアニジンがより好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、水に不溶な塩基性物質の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。0.1質量部未満では、シランカップリング剤とシリカとの反応率向上効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。15質量部を超えると、ゴム中の異物が多くなり、転がり抵抗が上昇し、低燃費性が低下するおそれがある。
なお、ここに記載した水に不溶な塩基性物質の含有量は、ベース練り工程で投入する水に不溶な塩基性物質の含有量を意味しており、仕上げ練り工程で投入する加硫促進剤等、他の工程で投入する水に不溶な塩基性物質の量は含まれない。
(加硫系材料)
加硫系材料としては、例えば、硫黄、加硫促進剤等を使用することができる。
硫黄としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できるが、粉末硫黄が好ましい。
低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
加硫促進剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できるが例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、グアニジン類と他の加硫促進剤とを併用することが好ましく、グアニジン類とスルフェンアミド類とを併用することがより好ましい。グアニジン類の例示等は、水に不溶な塩基性物質で説明したものと同様である。
低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く得られるという理由から、本発明の製造方法により得られるゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。
なお、ここに記載した加硫促進剤の含有量は、全工程で使用する加硫促進剤の合計量であり、水に不溶な塩基性物質としてグアニジン類等の加硫促進剤を使用する場合、その量も含まれる。
(その他の成分)
本発明の製造方法により得られるゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、オイル、ワックス、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等を適宜配合することができる。
なお、ステアリン酸は、水に不溶であり、水溶性酸性物質には含まれない。
次に、本発明の製造方法における各混練工程について説明する。
(ベース練り工程)
ベース練り工程では、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練する。混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練機を用いることができる。また、混練時間(ベース練り全工程の混練時間)は、4〜30分が好ましく、混練温度は、130〜160℃が好ましい。
ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質は、全量を一度に投入してもよいし、分割して投入してもよいが、シリカとシランカップリング剤との反応を効率よく進行させることができるという理由から、ゴム成分、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質は、全量を一度に投入することが好ましく、シリカ、シランカップリング剤は、分割して投入することが好ましい。シリカ、シランカップリング剤を分割して投入する場合、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練する最初の段階で全量の50〜80%を投入して混練した後、残部を一度に投入することが好ましい。
ベース練り工程では、少なくとも、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練すればよいが、これらとともに、オイル、ワックス、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等を混練してもよい。
ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、酸化亜鉛は、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練して所定の時間(好ましくは0.5〜10分、より好ましくは0.5〜3分)混練した後に投入することが好ましい。
(仕上げ練り工程)
仕上げ練り工程では、ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する。混練方法としては特に限定されず、例えば、オープンロール等の公知の混練機を用いることができる。また、混練時間は、3〜15分が好ましく、混練温度は、40〜80℃が好ましい。
(その他の工程)
仕上げ練り工程で得られた混練物(未加硫ゴム組成物)を、トレッドなどの部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造することができる。製造されたタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol NS210(S−SBR)
BR:宇部興産(株)製のBR150B
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX140(アロマオイル)
クエン酸:東京化成工業(株)製の精製クエン酸(無水、pKa(HO):3.1、溶解度(20℃):730g/L−HO)
リンゴ酸:和光純薬工業(株)製のリンゴ酸(DL−リンゴ酸、pKa(HO):3.4、溶解度(20℃):558g/L−HO)
アスコルビン酸:東京化成工業(株)製のアスコルビン酸(pKa(HO):4.2、溶解度(20℃):330g/L−HO)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸「椿」
硫黄:鶴見化学(株)製の硫黄200メッシュ
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例及び比較例
(ベース練り工程)
1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表1中のベース練りの項目に記載の材料を混練し混練物を得た。表1中、X−1、X−2、Yは、この順に、各材料を項目毎に投入して混練したことを意味している。各項目の混練温度、混練時間は以下のとおりである。
X−1 混練温度:150℃、混練時間:5分
X−2 混練温度:150℃、混練時間:5分
Y 混練温度:150℃、混練時間:5分
(仕上げ練り工程)
オープンロールを用いて、ベース練り工程で得られた混練物に、表1中の仕上げ練りの項目に記載の材料を投入して70℃で8分間混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
(加硫工程)
仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(破壊エネルギー指数)
JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じ、上記加硫ゴム組成物から形成した厚さ2mmのシート状試験片からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張り試験を実施し、破壊エネルギー(破断強度(MPa)×破断伸び(%))を測定した。結果は、下記計算式に基いて指数表示した。破壊エネルギー指数が大きいほど、破壊特性に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
(転がり抵抗指数)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各加硫ゴム組成物のtanδを測定した。結果は、下記計算式に基いて指数表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(加工性指数(ムーニー粘度))
JIS K6300に準じ、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を130℃で測定した。結果は、下記計算式に基いて指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(加工性指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
Figure 2017101174
表1より、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質(クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸)及び水に不溶な塩基性物質(加硫促進剤DPG)を混練するベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含む製造方法で得られた実施例は、低燃費性、破壊特性及び加工性がバランス良く改善されることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、水溶性酸性物質及び水に不溶な塩基性物質を混練するベース練り工程と、
    前記ベース練り工程で得られた混練物に、加硫系材料を投入して混練する仕上げ練り工程とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記水溶性酸性物質のpKa(HO)が1〜6である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記水溶性酸性物質が、ヒドロキシ酸、アスコルビン酸及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記水に不溶な塩基性物質が、グアニジン類である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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