JP2017101009A - 抗アカントアメーバ剤及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規の抗アカントアメーバ剤を提供することを課題とする。【解決手段】ルリコナゾールを有効成分として含有する、抗アカントアメーバ剤。【選択図】なし
Description
本発明は、角膜症や脳炎等のアカントアメーバを病原体とする感染症に有用な、抗アカントアメーバ剤に関する。
アカントアメーバは、アメーバ型の原虫であり、菌類を捕食し自由生活型で活動することを基本としているが、時として、角膜炎や脳炎等の感染症を引き起こす。このようなアカントアメーバによる感染症に対しては、現在のところ有効な薬剤が存在せず、重篤な場合にはこれが原因で失明したり、日和見感染によって死亡に至ることも希に存する。抗アカントアメーバ剤としては、特許文献上は、ラクトフェリンやラクトフェリシン等が報告されているが、実用的な使用状況では効果を奏しがたかった(例えば、特許文献1を参照)。アカントアメーバには、A. castellanii、A. polyapharga等幾つかの亜種が知られているが、これらのいずれもが感染症を起こす可能性を有している。特に、近年においては、コンタクトレンズに起因するアカントアメーバ症が大きな問題となっている。更には、アカントアメーバとHIV感染(例えば、非特許文献1を参照)、アカントアメーバとMRSA感染との相互作用(例えば、非特許文献2、非特許文献3を参照)も疑われ、その対策が急務となっている。
ルリコナゾールについては、既に抗真菌剤として上市されているが、トリコモナスに対する作用が存すること、幾つかの晶癖が存し、トリコモナスに対する作用が異なること等が既に知られている(例えば、特許文献2〜9を参照)。また、ルリコナゾール結晶に関しては、別の結晶系が存在すると主張する文献も存在する(例えば、特許文献10を参照)。
しかしながら、ルリコナゾールが、抗アカントアメーバ活性を有していることは全く知られておらず、且つ、該抗アカントアメーバ活性が晶癖により異なることも全く知られていない。加えて、(20−2)面、(10−2)面を特異的成長面とする晶癖を有するルリコナゾールの結晶も全く知られていない。
J. Clin. Microbiol. 2012, 50(3), 1128-31
BMJ Case Rep. 2009, pii: bcr08. 2008. 0642
Environ. Microbiol. 2006, 8(6), 1130-3
本発明は、このような状況下為されたものであり、新規の抗アカントアメーバ剤を提供することを課題とする。
このような状況に鑑みて、本発明者らは、新規の抗アカントアメーバ剤を求めて、鋭意研究努力を重ねたところ、ルリコナゾールに抗アカントアメーバ活性があることを見いだし、発明を完成させた。更に、検討を加えたところ、(20−2)面及び/又は(10−2)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶が特にその作用に優れることを見いだし、発明を更に発展させた。すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
<1> ルリコナゾールを有効成分として含有する、抗アカントアメーバ剤。
<2> 前記ルリコナゾールは、剤中に固体で存在する、<1>に記載の抗アカントアメーバ剤。
<3> 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有する、<1>または<2>に記載の抗アカントアメーバ剤。
<4> 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有する、<1>〜<3>の何れかに記載の抗アカントアメーバ剤。
<2> 前記ルリコナゾールは、剤中に固体で存在する、<1>に記載の抗アカントアメーバ剤。
<3> 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有する、<1>または<2>に記載の抗アカントアメーバ剤。
<4> 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有する、<1>〜<3>の何れかに記載の抗アカントアメーバ剤。
<5> CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I
(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有するルリコナゾールの結晶。
<6> CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。
<7> CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上であり、且つ、I(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I
(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有するルリコナゾールの結晶。
<6> CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。
<7> CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上であり、且つ、I(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。
<8> ルリコナゾールを、極性溶媒を含有してもよいアセトニトリルで再結晶することを含む、<5>〜<7>の何れかに記載のルリコナゾール結晶の製造法。
<9> 前記極性溶剤は、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドから選択される、<8>に記載の製造法。
<10> ルリコナゾールを、非プロトン性極性溶媒及びプロトン性極性溶媒の混合溶媒で再結晶することを含む、<5>〜<7>の何れかに記載のルリコナゾール結晶の製造法。
<11> ノルマルヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルから選択される溶媒を貧溶媒として用いる、<8>〜<10>のいずれかに記載の製造法。
<9> 前記極性溶剤は、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドから選択される、<8>に記載の製造法。
<10> ルリコナゾールを、非プロトン性極性溶媒及びプロトン性極性溶媒の混合溶媒で再結晶することを含む、<5>〜<7>の何れかに記載のルリコナゾール結晶の製造法。
<11> ノルマルヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルから選択される溶媒を貧溶媒として用いる、<8>〜<10>のいずれかに記載の製造法。
本発明によれば、新規の抗アカントアメーバ剤を提供できる。
(1)有効成分
本発明の抗アカントアメーバ剤は、ルリコナゾールを有効成分として含有することを特徴とする。ルリコナゾールは下記に示す構造を有しており、既に抗真菌剤として市場で流通され、使用されている。
本発明の抗アカントアメーバ剤は、ルリコナゾールを有効成分として含有することを特徴とする。ルリコナゾールは下記に示す構造を有しており、既に抗真菌剤として市場で流通され、使用されている。
かかるルリコナゾールは、例えば、特開昭60−218387号に記載されている方法に従って合成することができる。即ち、1−シアノメチルイミダゾールと二硫化炭素とを反応させ、(III)の化合物を得、これと脱離基を有する一般式(II)の化合物と反応させることにより、かかる一般式(1)に表される化合物を得ることができる。反応後、常法の再結晶法により、精製をしてもよい。
下記式中、R及びXは、水素原子又はハロゲン原子を表す。この一般式(1)に表される化合物の内、R=X=Clに相当するものがルリコナゾールである。かかる脱離基Y及びY’としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子等が好適に例示できる(下記のスキームを参照。)。
このような工程で作成されたルリコナゾールを、極性溶媒を含んでもよいアルコールで再結晶し、精製すると、単斜晶で、空間群P21、格子定数a=9.0171(9)Å、b=8.167(1)Å、c=10.878(1)Å、β=95.917(9)°の結晶が得られる。
下記式中、R及びXは、水素原子又はハロゲン原子を表す。この一般式(1)に表される化合物の内、R=X=Clに相当するものがルリコナゾールである。かかる脱離基Y及びY’としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子等が好適に例示できる(下記のスキームを参照。)。
このような工程で作成されたルリコナゾールを、極性溶媒を含んでもよいアルコールで再結晶し、精製すると、単斜晶で、空間群P21、格子定数a=9.0171(9)Å、b=8.167(1)Å、c=10.878(1)Å、β=95.917(9)°の結晶が得られる。
(2)ルリコナゾール結晶
ルリコナゾールは優れた抗アカントアメーバ活性を示す。本発明の抗アカントアメーバ剤は、アカントアメーバに分類され、角膜炎等の疾患の原因微生物となるものに対して特段の限定なく適用でき、本発明の抗アカントアメーバ剤はその生育を良く阻害する。アカントアメーバに対しては、ルリコナゾールは固体、すなわち結晶そのものでも抗アカントアメーバ活性が得られるし、溶液の状態でも同様の効果が得られる。ルリコナゾールは水性担体に溶けにくく、一様に溶解させて、患部へ局所投与するためには、エタノール、ベンジルアルコール、N−アルキルピロリドン、アジピン酸ジイソプロピル等の溶剤が必要になる。角膜炎への適用を考えた場合には、このような溶剤の使用は角膜を損傷する危険があるので好ましくない。従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を局所投与する場合には、固体での投与が好ましい。かかる疾病に投与するための、このような固体を投与するための製剤、すなわち、ルリコナゾールが剤中に固体(すなわち結晶)で存在する製剤(以下、固体製剤とも言う。)としては、原体粉末を角膜障害性の少ない水性媒体中に均一に分散させた分散液製剤や、ワセリン等の軟膏基剤に一様に分散させた眼軟膏製剤が好ましい。このような固体での局所投与を行うための固体製剤においては、(20−2)面及び/又は(10−2)面を特異的成長面とする結晶を用いることが好ましい。
ルリコナゾールは優れた抗アカントアメーバ活性を示す。本発明の抗アカントアメーバ剤は、アカントアメーバに分類され、角膜炎等の疾患の原因微生物となるものに対して特段の限定なく適用でき、本発明の抗アカントアメーバ剤はその生育を良く阻害する。アカントアメーバに対しては、ルリコナゾールは固体、すなわち結晶そのものでも抗アカントアメーバ活性が得られるし、溶液の状態でも同様の効果が得られる。ルリコナゾールは水性担体に溶けにくく、一様に溶解させて、患部へ局所投与するためには、エタノール、ベンジルアルコール、N−アルキルピロリドン、アジピン酸ジイソプロピル等の溶剤が必要になる。角膜炎への適用を考えた場合には、このような溶剤の使用は角膜を損傷する危険があるので好ましくない。従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を局所投与する場合には、固体での投与が好ましい。かかる疾病に投与するための、このような固体を投与するための製剤、すなわち、ルリコナゾールが剤中に固体(すなわち結晶)で存在する製剤(以下、固体製剤とも言う。)としては、原体粉末を角膜障害性の少ない水性媒体中に均一に分散させた分散液製剤や、ワセリン等の軟膏基剤に一様に分散させた眼軟膏製剤が好ましい。このような固体での局所投与を行うための固体製剤においては、(20−2)面及び/又は(10−2)面を特異的成長面とする結晶を用いることが好ましい。
ここで、結晶の特異的成長面とは、粉末X線回折測定を行った場合、測定回折角範囲内において他の回折ピークのピーク強度の総和に比較して有意にピーク強度が大きいピークに帰属する面である。すなわち、結晶の特異的成長面は、例えば、結晶の粉末X線回折測定において特異的に回折ピークのピーク強度が高いピークとして検出することができる。
(20−2)面を特異的成長面とする結晶は、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンにおいて、2θ=24.4°付近に特異的なピークを有する。
ここで、2θの値が24.4°付近とは、例えば24.4°±0.7°、好ましくは24.4°±0.5°の範囲である。
(10−2)面を特異的成長面とする結晶は、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンにおいて、2θ=18.3°付近に特異的なピークを有する。
ここで、2θの値が18.3°付近とは、例えば18.3°±0.7°、好ましくは18.3°±0.5°の範囲である。
ここで、2θの値が24.4°付近とは、例えば24.4°±0.7°、好ましくは24.4°±0.5°の範囲である。
(10−2)面を特異的成長面とする結晶は、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンにおいて、2θ=18.3°付近に特異的なピークを有する。
ここで、2θの値が18.3°付近とは、例えば18.3°±0.7°、好ましくは18.3°±0.5°の範囲である。
(20−2)面に相当する回折ピークのピーク強度が特異的に高いとは、CuKαを線
源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、I(20−2)/[I(001)+I(100)+I(10−1)+I(011)+I(110)+I(11−1)+I(10−2)+I(11−2)+I(020)+I(021)+I(20−2)+I(121)+I(013)+I(11−3)+I(221)]×100の値が、12%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、19%以上であることが更に好ましい。上限値は現実的な結晶の性状維持から50%程度と推測される。
源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、I(20−2)/[I(001)+I(100)+I(10−1)+I(011)+I(110)+I(11−1)+I(10−2)+I(11−2)+I(020)+I(021)+I(20−2)+I(121)+I(013)+I(11−3)+I(221)]×100の値が、12%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、19%以上であることが更に好ましい。上限値は現実的な結晶の性状維持から50%程度と推測される。
また、(10−2)面に相当する回折ピークのピーク強度が特異的に高いとは、I(10−2)/[I(001)+I(100)+I(10−1)+I(011)+I(110)+I(11−1)+I(10−2)+I(11−2)+I(020)+I(021)+I(20−2)+I(121)+I(013)+I(11−3)+I(221)]×100の値が、20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。上限値は現実的な結晶の性状維持から50%程度と推測される。
アカントアメーバに対する生育阻止作用は、これらのピーク強度比が高くなるに従って、強くなる。特に好ましい形態は、(20−2)面と(10−2)面が特異的に成長した晶癖性を併せ持つ結晶である。
このような晶癖を有する結晶を得るためには、前記の方法等で得られたルリコナゾールの単斜晶の結晶を、極性溶媒を含んでもよいアセトニトリルを用いて再結晶すればよい。再結晶は、溶媒の選択以外常法通り行うことができ、例えば、ルリコナゾールの結晶を溶媒に加温下(通常40〜80℃、好ましくは40〜60℃)で溶解させて、溶媒に結晶を完全に溶解させた後、攪拌下冷却(通常5℃〜室温)し、結晶を濾別し、室温〜40℃程度の低温で送風乾燥することによって行えばよい。また、溶媒に結晶を完全に溶解させた後、溶媒を蒸散させて行うことも可能である。前記極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が好適に例示でき、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドから選択されるものがより好ましい。
前記製造法において、アセトニトリルに極性溶媒を含有させる場合には、極性溶媒の添加量は、アセトニトリルの質量に対して、通常5〜95質量%であり、7〜75質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。
前記製造法において、アセトニトリルに極性溶媒を含有させる場合には、極性溶媒の添加量は、アセトニトリルの質量に対して、通常5〜95質量%であり、7〜75質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。
また、ルリコナゾールの結晶を、非プロトン性極性溶媒及びプロトン性極性溶媒の混合溶媒で再結晶する方法も、(20−2)面及び/又は(10−2)面を特異的成長面とする結晶の製造法として使用できる。非プロトン性極性溶媒としては、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が好適に例示できる。プロトン性極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール等が好適に例示できる。非プロトン性極性溶媒とプロトン性極性溶媒との混合比(質量比)は、結晶の溶解性、溶媒の沸点等を考慮し、選択可能であるが、通常9:1〜1:9、好ましくは7:3〜3:7、より好ましくは3:2〜2:3、さらに好ましくは4:3〜3:4である。再結晶の工程は、上記アセトニトリルを用いた再結晶と同様にして、行うことができる。
結晶析出を促すために、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の無極性
溶媒を貧溶媒として加えることも可能である。この場合、貧溶媒の添加量は、他の溶媒の総和に対して、通常5〜60質量%であることが適当であり、7〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
溶媒を貧溶媒として加えることも可能である。この場合、貧溶媒の添加量は、他の溶媒の総和に対して、通常5〜60質量%であることが適当であり、7〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
本発明に用いる結晶の好ましい平均粒径は10〜500μmであり、より好ましくは50〜400μmであり、更に好ましくは150〜300μmである。これは、細かすぎると晶癖が小さくなり好ましくない場合が存し、大きすぎると投与に支障を来す場合が存するからである。このような平均粒径を満たす結晶は、例えば、上記のような方法で得られる。
ここで、ルリコナゾールの平均粒径は、個数平均粒子径として測定して得ることができる。個数平均粒子径は顕微鏡画像の解析により、粒子の平均径として測定して得ることができる。例えば、以下の手順で測定する。まず、倒立顕微鏡として、株式会社ニコン社製Diaphot倒立顕微鏡を用いて、ルリコナゾールの粉体を観察する。次いで、任意の粒子を選択し、その粒子径を測定する。このとき、100個以上の粒子について測定する。また、ルリコナゾールの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定して得られる平均粒径として得ることができる。
ここで、ルリコナゾールの平均粒径は、個数平均粒子径として測定して得ることができる。個数平均粒子径は顕微鏡画像の解析により、粒子の平均径として測定して得ることができる。例えば、以下の手順で測定する。まず、倒立顕微鏡として、株式会社ニコン社製Diaphot倒立顕微鏡を用いて、ルリコナゾールの粉体を観察する。次いで、任意の粒子を選択し、その粒子径を測定する。このとき、100個以上の粒子について測定する。また、ルリコナゾールの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定して得られる平均粒径として得ることができる。
結晶の平均粒径を調整するためには、例えば、再結晶などで得たルリコナゾールの結晶を、湿式乃至は乾式で常法により粉砕すればよく、粉砕に用いられる機器としては、例えば、ジェットミル、ダイノミル、コボルミル、擂壊機、ボールミルなどが好ましく例示できる。ジェットミルで乾式粉砕を行う場合には、予め、スピードミル等で粗粉砕を行い、処理を行うことが好ましく、この場合、澱粉やセルロースなどの賦形剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤などを加えて処理することもできる。ダイノミルやコボルミルなどの媒体ミルで湿式粉砕を行う場合は、アルコールなどを含んでもよい水性媒体を用いて、ジルコニアやチタンの媒体で壊砕を行い、しかる後に固体粉砕媒体を濾過などで除いた後、液性媒体を減圧留去等で除くことが好ましい。場合によっては、界面活性剤を添加し、液性媒体に対するルリコナゾールの濡れ性を向上させることもできる。又、擂壊機は瑪瑙の乳鉢と乳棒を設置して行うことが好ましい。勿論、手作業で乳鉢、乳棒により粉砕することも可能である。ボールミルは湿式粉砕に用いてもよいし、乾式粉砕に用いてもよい。
(3)抗アカントアメーバ剤
本発明の抗アカントアメーバ剤は、ルリコナゾールのみを含む形態でもよく、さらに本発明の効果を妨げない限り、通常製剤化に使用される任意成分等を含有する形態でもよい。本発明の抗アカントアメーバ剤の好ましい一形態としては、ルリコナゾールが剤中に固体で存在する製剤(固体製剤)が挙げられる。固体製剤としては、例えば、錠剤やカプセル剤、粉末剤等の固形製剤、軟膏剤やクリーム剤等の半固形製剤、水性媒体に固体を分散させた固体分散液製剤等が挙げられる。本発明の抗アカントアメーバ剤は、賦形剤、崩壊剤、結合剤、矯味矯臭剤、分散剤、乳化剤、水性媒体等の任意成分とともに、錠剤やカプセル剤等の経口投与剤、軟膏剤やクリーム剤、固体分散液製剤等の外用剤、増量剤等の任意成分とともに粉末剤等へと製剤化することが好ましく例示できる。特に好ましいものは、眼内に直接投与する粉末剤、水性媒体分散製剤ないしは軟膏形態の眼軟膏が例示できる。
本発明の抗アカントアメーバ剤を、医薬等の抗アカントアメーバ用組成物に加工する場合、有効成分であるルリコナゾールの含有量は、製剤全量に対して、通常0.1〜50質量%であり、0.5〜15質量%が好ましい。
本発明の抗アカントアメーバ剤は、アカントアメーバに起因する感染症、例えば角膜炎の予防及び治療用途に使用できる。本発明の抗アカントアメーバ剤の投与形態は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、有効成分が1日当たりが1〜100mgになるように製剤を投与するのが好ましい。前記投与は1日1
回ないし2回行うのが好ましい。
本発明の抗アカントアメーバ剤は、ルリコナゾールのみを含む形態でもよく、さらに本発明の効果を妨げない限り、通常製剤化に使用される任意成分等を含有する形態でもよい。本発明の抗アカントアメーバ剤の好ましい一形態としては、ルリコナゾールが剤中に固体で存在する製剤(固体製剤)が挙げられる。固体製剤としては、例えば、錠剤やカプセル剤、粉末剤等の固形製剤、軟膏剤やクリーム剤等の半固形製剤、水性媒体に固体を分散させた固体分散液製剤等が挙げられる。本発明の抗アカントアメーバ剤は、賦形剤、崩壊剤、結合剤、矯味矯臭剤、分散剤、乳化剤、水性媒体等の任意成分とともに、錠剤やカプセル剤等の経口投与剤、軟膏剤やクリーム剤、固体分散液製剤等の外用剤、増量剤等の任意成分とともに粉末剤等へと製剤化することが好ましく例示できる。特に好ましいものは、眼内に直接投与する粉末剤、水性媒体分散製剤ないしは軟膏形態の眼軟膏が例示できる。
本発明の抗アカントアメーバ剤を、医薬等の抗アカントアメーバ用組成物に加工する場合、有効成分であるルリコナゾールの含有量は、製剤全量に対して、通常0.1〜50質量%であり、0.5〜15質量%が好ましい。
本発明の抗アカントアメーバ剤は、アカントアメーバに起因する感染症、例えば角膜炎の予防及び治療用途に使用できる。本発明の抗アカントアメーバ剤の投与形態は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、有効成分が1日当たりが1〜100mgになるように製剤を投与するのが好ましい。前記投与は1日1
回ないし2回行うのが好ましい。
以下に実施例を示して、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ATCC712培地(以下、単に培地という)でアカントアメーバ・ポリファーガ(A.
polyphaga;臨床分離株)を25℃で1週間培養し、個体数が100,000個/mLになるように培地を加えて調整し、前培養液とした。4.3mLの培地、検体200μL及び前培養液500μLを加え、コントロール及びサンプルを調製した。72時間、25℃で培養し、ノイバウアー血球計数盤でアメーバの数を計数した。
検体に用いるルリコナゾールは次のようにして得た。特開昭60−218387号に記載された方法に従って化合物を合成し、酢酸エチル・ノルマルヘキサン混合液(5:1)を加え、60℃で加温し、攪拌下溶解させた。5℃の冷却水で攪拌しながら、結晶を析出させ、濾取し、40℃で48時間送風乾燥し、結晶を得た。
検体はメタノールを溶媒として用い、ルリコナゾールの終濃度が0、5、10、20、40μg/mLとなるように調製した。ルリコナゾールの終濃度が0μg/mLのものをコントロールとした。
[(コントロールの個体数―各サンプルの個体数)/コントロールの個体数]×100、で生育抑制率を求めた。この生育抑制率より、MICとIC50を常法により算出した。生育抑制率は表1に示す。MICは40μg/mLであり、IC50は20μg/mLであった。
ATCC712培地(以下、単に培地という)でアカントアメーバ・ポリファーガ(A.
polyphaga;臨床分離株)を25℃で1週間培養し、個体数が100,000個/mLになるように培地を加えて調整し、前培養液とした。4.3mLの培地、検体200μL及び前培養液500μLを加え、コントロール及びサンプルを調製した。72時間、25℃で培養し、ノイバウアー血球計数盤でアメーバの数を計数した。
検体に用いるルリコナゾールは次のようにして得た。特開昭60−218387号に記載された方法に従って化合物を合成し、酢酸エチル・ノルマルヘキサン混合液(5:1)を加え、60℃で加温し、攪拌下溶解させた。5℃の冷却水で攪拌しながら、結晶を析出させ、濾取し、40℃で48時間送風乾燥し、結晶を得た。
検体はメタノールを溶媒として用い、ルリコナゾールの終濃度が0、5、10、20、40μg/mLとなるように調製した。ルリコナゾールの終濃度が0μg/mLのものをコントロールとした。
[(コントロールの個体数―各サンプルの個体数)/コントロールの個体数]×100、で生育抑制率を求めた。この生育抑制率より、MICとIC50を常法により算出した。生育抑制率は表1に示す。MICは40μg/mLであり、IC50は20μg/mLであった。
<実施例2>
固体製剤を作製するために、晶癖を有する結晶を以下の条件で作製した。
(溶媒)アセトニトリル
(結晶化方法)蒸発法(50℃でルリコナゾールを溶解し、室温まで冷却後、残余の結晶がある場合は取り除き、室温で1日溶媒を蒸発させて再結晶し、濾取して風乾した。)
得られた結晶を粉末X線回折測定したところ(装置機種名:XRD‐DSCII、製造会社名:リガク、条件:X線源:CuKα、測定温度:室温、管電圧:40kV、管電流:40mA、2θ:5〜35°、ステップ角:0.05°)、下記表2のような回折パターンを示すことが判明した。また、粉末X線回折測定の結果を図1に示す。このものは本発明のルリコナゾール結晶であることがわかる。尚、各回折ピークに相当する結晶面の同定は、単結晶X線構造解析(装置機種名:RU−H2R、製造会社名:リガク、条件:X線源:CuKα、測定温度:26℃、管電圧:50kV、管電流:180mA、2θmax:150.0°構造解析法:直接法(SHELX86))のデータと照らし合わせて行った。単結晶X線構造解析から得られた諸データは以下及び図2に示す。これらのデータを元に、粉末X線回折測定データとの比較を行い、回折ピーク強度の比率から特異的に成長している結晶面を特定した。結果は表2に示した。
なお、ピーク強度比は、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度の総和に対する比率である。
固体製剤を作製するために、晶癖を有する結晶を以下の条件で作製した。
(溶媒)アセトニトリル
(結晶化方法)蒸発法(50℃でルリコナゾールを溶解し、室温まで冷却後、残余の結晶がある場合は取り除き、室温で1日溶媒を蒸発させて再結晶し、濾取して風乾した。)
得られた結晶を粉末X線回折測定したところ(装置機種名:XRD‐DSCII、製造会社名:リガク、条件:X線源:CuKα、測定温度:室温、管電圧:40kV、管電流:40mA、2θ:5〜35°、ステップ角:0.05°)、下記表2のような回折パターンを示すことが判明した。また、粉末X線回折測定の結果を図1に示す。このものは本発明のルリコナゾール結晶であることがわかる。尚、各回折ピークに相当する結晶面の同定は、単結晶X線構造解析(装置機種名:RU−H2R、製造会社名:リガク、条件:X線源:CuKα、測定温度:26℃、管電圧:50kV、管電流:180mA、2θmax:150.0°構造解析法:直接法(SHELX86))のデータと照らし合わせて行った。単結晶X線構造解析から得られた諸データは以下及び図2に示す。これらのデータを元に、粉末X線回折測定データとの比較を行い、回折ピーク強度の比率から特異的に成長している結晶面を特定した。結果は表2に示した。
なお、ピーク強度比は、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度の総和に対する比率である。
結晶系:単斜晶
空間群:P21
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9)°
R因子
R=0.046
Rw=0.047
空間群:P21
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9)°
R因子
R=0.046
Rw=0.047
<実施例3>
酢酸エチル・ノルマルヘキサン混合液(4:3)を再結晶溶媒とし、リフラックス下2時間溶解し、残余を濾過で取り除き、攪拌下氷冷して再結晶を行い、濾取して4時間風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
酢酸エチル・ノルマルヘキサン混合液(4:3)を再結晶溶媒とし、リフラックス下2時間溶解し、残余を濾過で取り除き、攪拌下氷冷して再結晶を行い、濾取して4時間風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
<実施例4>
メタノール・ジメチルスルホキシド混合液(1:1)を再結晶溶媒とし、50℃で溶解後、残余の結晶がある場合は取り除き、5℃で冷却して再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
メタノール・ジメチルスルホキシド混合液(1:1)を再結晶溶媒とし、50℃で溶解後、残余の結晶がある場合は取り除き、5℃で冷却して再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
<実施例5>
アセトニトリルを再結晶溶媒とし、50℃で溶解後、残余の結晶がある場合は取り除き
、室温で冷却して再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
アセトニトリルを再結晶溶媒とし、50℃で溶解後、残余の結晶がある場合は取り除き
、室温で冷却して再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
<実施例6>
メタノールを再結晶溶媒とし、50℃で溶解し25℃まで冷却後、残余の結晶がある場合は取り除き、その後、ノルマルヘキサンを貧溶媒として加え、攪拌下25℃で再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
メタノールを再結晶溶媒とし、50℃で溶解し25℃まで冷却後、残余の結晶がある場合は取り除き、その後、ノルマルヘキサンを貧溶媒として加え、攪拌下25℃で再結晶を行い、濾取して風乾し、本発明の抗アカントアメーバ剤である結晶を得た。実施例2と同様に粉末X線解析を行った。このものの粉末X線回折データは次に示すとおりである。
<実施例7>
実施例2〜6の結晶について、実施例1の方法に基づいて、抗アカントアメーバ活性を調べた。すなわち、ATCC712培地4.5mLに対し、50,000個のアカントアメーバ・ポリファーガ(A. polyphaga)を500μLの培地に分散させて播種し、25℃で48時間予備培養した。これに実施例2〜6の結晶をそれぞれ1mg加え、コントロール及びサンプルを調製した。更に25℃で72時間培養を続け、培養液中のアメーバの数をノイバウアー血球計測盤で計測した。なお、コントロールは何も加えず、アメーバを培養したものを用いた。
計数した値より、[(コントロールの個体数−各サンプルの個体数)/コントロールの個体数]×100、の式に従って、生育抑制率を算出した。この結果を表7に示す。
また、実施例2〜6の結晶について、倒立顕微鏡を用いて、平均粒径を計測した。すなわち、実施例の結晶について、それぞれ3つサンプリングした。株式会社ニコン社製Diaphot倒立顕微鏡(40倍)を用いて、各サンプルについて、10視野で粒径をスライドグラスのメジャーで実測し、平均粒径を測定した。さらに3つのサンプルで粒径を平均し、平均粒径とした。結果を表7に示す。実施例2〜6の結晶の顕微鏡写真を図3に示す。
実施例2〜6の結晶について、実施例1の方法に基づいて、抗アカントアメーバ活性を調べた。すなわち、ATCC712培地4.5mLに対し、50,000個のアカントアメーバ・ポリファーガ(A. polyphaga)を500μLの培地に分散させて播種し、25℃で48時間予備培養した。これに実施例2〜6の結晶をそれぞれ1mg加え、コントロール及びサンプルを調製した。更に25℃で72時間培養を続け、培養液中のアメーバの数をノイバウアー血球計測盤で計測した。なお、コントロールは何も加えず、アメーバを培養したものを用いた。
計数した値より、[(コントロールの個体数−各サンプルの個体数)/コントロールの個体数]×100、の式に従って、生育抑制率を算出した。この結果を表7に示す。
また、実施例2〜6の結晶について、倒立顕微鏡を用いて、平均粒径を計測した。すなわち、実施例の結晶について、それぞれ3つサンプリングした。株式会社ニコン社製Diaphot倒立顕微鏡(40倍)を用いて、各サンプルについて、10視野で粒径をスライドグラスのメジャーで実測し、平均粒径を測定した。さらに3つのサンプルで粒径を平均し、平均粒径とした。結果を表7に示す。実施例2〜6の結晶の顕微鏡写真を図3に示す。
上記の結果より、(10−2)面のピーク強度比率(%)と生育阻害率(%)の関係、及び(20−2)面のピーク面積比率(%)と生育阻害率(%)の関係を調べたところ、前者は相関係数0.89で、また、後者は0.90で良好な相関関係を有することが判明した。すなわち、本発明の抗アカントアメーバ剤に用いる結晶として、(20−2)面のピーク面積比率が、12%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、19%以上であることが更に好ましいことがわかる。また、(10−2)面のピーク面積比率が20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましいことがわかる。また、この両条件を充足することが更に好ましいことがわかる。
<実施例8>
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて眼軟膏を作製した。即ち、処方成分を無菌下、ニーダーで混練りし、眼軟膏を得た(単位は質量部)。
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて眼軟膏を作製した。即ち、処方成分を無菌下、ニーダーで混練りし、眼軟膏を得た(単位は質量部)。
<実施例9>
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて眼用散剤を作製した。即ち、処方成分を無菌下、ニーダーで混練りし、眼用散剤を得た(単位は質量部)。
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて眼用散剤を作製した。即ち、処方成分を無菌下、ニーダーで混練りし、眼用散剤を得た(単位は質量部)。
<実施例10>
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて、水性媒体分散剤形の医薬組成物を作製した。即ち、処方成分を攪拌し、均一分散製剤とし、これを分注、密封後オートクレーブで滅菌(120℃、15分)し、本発明の水性外用製剤を得た(単位は質量%)。
下記の処方に従って、本発明の抗アカントアメーバ剤を用いて、水性媒体分散剤形の医薬組成物を作製した。即ち、処方成分を攪拌し、均一分散製剤とし、これを分注、密封後オートクレーブで滅菌(120℃、15分)し、本発明の水性外用製剤を得た(単位は質量%)。
本発明は医薬に応用できる。
Claims (11)
- ルリコナゾールを有効成分として含有する、抗アカントアメーバ剤。
- 前記ルリコナゾールは、剤中に固体で存在する、請求項1に記載の抗アカントアメーバ剤。
- 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有する、請求項1または2に記載の抗アカントアメーバ剤。 - 前記ルリコナゾールは、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の抗アカントアメーバ剤。 - CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上である晶癖を有するルリコナゾールの結晶。 - CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。 - CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、
(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークのピーク強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、I(221)としたときに、
I(001)、I(100)、I(10−1)、I(011)、I(110)、I(11−1)、I(10−2)、I(11−2)、I(020)、I(021)、I(20−2)、I(121)、I(013)、I(11−3)、及びI(221)の総和に対するI(20−2)の比率が12%以上であり、且つ、I(10−2)の比率が20%以上である晶癖を有するルリコナゾール結晶。 - ルリコナゾールを、極性溶媒を含有してもよいアセトニトリルで再結晶することを含む、請求項5〜7の何れか1項に記載のルリコナゾール結晶の製造法。
- 前記極性溶剤は、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドから選択される、請求項8に記載の製造法。
- ルリコナゾールを、非プロトン性極性溶媒及びプロトン性極性溶媒の混合溶媒で再結晶することを含む、請求項5〜7の何れか1項に記載のルリコナゾール結晶の製造法。
- ノルマルヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテルから選択される溶媒を貧溶媒として用いる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造法。
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