JP2017100491A - テザークリップおよびピラーガーニッシュ取付構造 - Google Patents

テザークリップおよびピラーガーニッシュ取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】撓み量が小の領域での弾性片反力が従来に比べて高いテザークリップとピラーガーニッシュ取付構造の提供。
【解決手段】テザークリップ10およびピラーガーニッシュ取付構造2はぐらつき抑制弾性片60を有する。ぐらつき抑制弾性片60は、座部12への接続部66から該接続部66とクリップ軸方向に対向する位置にある相手パネル90への接地点68に向かって直線状または湾曲状に延びる軸方向部62を有する。ぐらつき抑制弾性片60は長方形の座部12の四隅に配置される。ぐらつき抑制弾性片60は、接続部66と反対側の先端部に曲がり部64を有してもよい。軸方向部62が圧縮主体で反力を発生するので、撓み量が小の領域での弾性片反力が従来に比べて高く、テザークリップ10とピラーガーニッシュ70のピラー90に対するぐらつきが抑制される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、テザークリップと、それを用いたピラーガーニッシュ取付構造に関する。
以下において、ピラーガーニッシュ取付構造を「ピラーガーニッシュ取付装置」ともいう。
特許文献1、または、図9−図11に示す比較テザークリップ110は、座部112と、座部112から離れる方向に延びる脚114と、一端が脚114に結合されクリップ中心軸線110aに接近、離反可能な係止爪116と、座部112の脚114が接続される側の座面と反対側の座面に接続され座部112と直交する一面に沿って延びるテザー120と、座部112の脚114が接続される側の座面に接続され座部112から離れる方向にかつクリップ中心軸線110aから離れる方向に、座部112に対して斜めに延びる吸盤状のぐらつき抑制弾性片(「弾性片」ともいう)160と、をもつテザークリップ110を開示している。テザークリップ110がピラー190(ボデー)に取り付けられてピラー190のクリップ取付孔192の周縁部が係止爪116と弾性片160との間に挟まれた時、弾性片160の弾性撓みによりテザークリップ110とピラー190間のガタが吸収され、テザークリップ110のピラー190に対するぐらつき(揺動)が抑制される。しかし、弾性片110が外側に傾斜しているので、ピラー190のクリップ取付座の必要平面が広くなる。上記で、比較テザークリップ110は従来公知ではない。比較テザークリップ110を基準テザークリップといってもよい。
特許文献2は、座部のクリップ中心軸線から離れた座部部位にクリップ軸方向に対応する弾性片部位から、座部から離れる方向にクリップ中心軸線に向かって座部に対して斜めに延びる傾斜部を有するぐらつき抑制弾性片を有するテザークリップを開示している。弾性片が内側に傾斜しているので、弾性片が変形しても内側に変形し、ピラーのクリップ取付座の必要平面を狭くできる。
特開2013−113419号公報 特開2015−132274号公報
しかし、特許文献1のテザークリップまたは図9−図11の比較テザークリップにはつぎの問題がある。
(a)クリップ取付座の必要平面を狭くすると、クリップ軸方向の弾性片撓み代を大きくできなくなる。その結果、反力/撓み特性が図7の一点鎖線Bのようになり、弾性片撓み量の変化によって弾性片反力が大きく変化するため、ピラーが薄板の場合に対応する、弾性片撓み量が小さい領域(図7のセット時領域の、撓み量が小の領域D1)で弾性片反力が小さくなり、テザークリップがピラーに対して容易に傾いてしまい、十分なぐらつき抑制ができなくなる。
(b)逆に、ピラーが厚板の場合に対応する、図7の一点鎖線Bのセット時領域の撓み量が大の領域およびそれを少し越えた領域D2では、弾性片反力の変化が大きくなり過ぎ、ピラーのクリップ取付孔へのテザークリップの挿入時における挿入節度感によって、係止爪のクリップ取付孔縁部への未嵌合や半嵌合が生じたか否かを判断するのが難しくなる。
ここで、「未嵌合」とは一対の係止爪の両方の爪がクリップ取付孔縁部に係合していない状態をいい、「半嵌合」とは一対の係止爪の一方の爪のみがクリップ取付孔縁部に係合している状態をいう。
また、特許文献2にはつぎの問題がある。
弾性片が内側に傾斜する傾斜部を有しているので、テザークリップをボデーに取り付けた時に弾性片は主に曲げ変形して反力を出す。そのため、反力/撓み特性は、図7に示した本発明の実線Aの特性に近づく。しかし、弾性片が内側に傾斜するので、クリップ中心軸線から弾性片のピラーパネルへの接地点までの距離が後述する本発明の場合よりも小さくなり、ぐらつきを抑える効果が本発明の場合よりも低減する。すなわち、特許文献1および比較テザークリップの上記(a)の問題に類似する問題が生じる。
本発明の目的は、(i)セット時領域における弾性片撓み量に対する弾性片反力の変化が少なく、(ii)セット時領域の撓み量が小の領域での弾性片反力が従来に比べて高いテザークリップと、該テザークリップを用いてピラーガーニッシュをピラーに取り付けたピラーガーニッシュ取付構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のテザークリップおよびピラーガーニッシュ取付構造は、つぎの態様をとることができる。なお、括弧付きの符号は、図面に現れる部材番号に対応する。
本発明の第1の態様では、テザークリップ(10)は、クリップ中心軸線(10a)に直交する座部(12)と、テザークリップ(10)が取り付けられる相手パネル(90)に対向する座面に、クリップ中心軸線(10a)と直角方向にクリップ中心軸線(10a)から離れた部位で、一体に接続されるぐらつき抑制弾性片(60)を有する。
ぐらつき抑制弾性片(60)は、ぐらつき抑制弾性片(60)の自由状態で、座部(12)への接続部(66)から該接続部(66)とクリップ軸方向に対向する位置にある相手パネル(90)への接地点(68)に向かって直線状または湾曲状に延びる軸方向部(62)を有している。
本発明の第2の態様では、第1の態様において、テザークリップ(10)は、座部(12)のぐらつき抑制弾性片(60)が接続される側の座面と反対側の座面に、該座面に直交する面に沿って延びるテザー長手方向を有するテザー(20)を有し、ぐらつき抑制弾性片(60)は、テザー長手方向(L)を含む面を間にしてテザー長手方向(L)を含む面の両側に配置され、かつ、テザー長手方向(L)を含む面から該面と直角方向に間隔をおいて配置されている。
本発明の第3の態様では、第1または第2の態様において、ぐらつき抑制弾性片(60)は、軸方向部(62)の座部(12)への接続部(66)と反対側の端部に、軸方向部(62)から湾曲されてぐらつき抑制弾性片(60)の自由状態で座部(12)と平行に延びる端部をもつ曲がり部(64)を有している。
本発明の第4の態様では、第1−第3の態様の何れか1つにおいて、座部(12)の座面はクリップ中心軸線(10a)と直交する面に沿う方向に長方形状に形成されており、ぐらつき抑制弾性片(60)は長方形状の座面の四隅に配置されている。
本発明の第5の態様では、第3または第4の態様において、軸方向部(62)が直線状に延びており、軸方向部(62)は、ぐらつき抑制弾性片(62)の自由状態で、テザー長手方向が沿う面と直交方向に視た時に、座部(12)の座面に完全に垂直か、または、
座部(12)の座面に完全に垂直な方向から±15度の範囲にある所定角度で傾けられており、曲がり部(64)がぐらつき抑制弾性片(60)の自由状態で軸方向部(62)からクリップ中央側に曲げられている。
本発明の第6の態様では、第1または第2の態様において、ぐらつき抑制弾性片(60)は、座部(12)への接続部(66)と反対側の端部に曲がり部をもたず、軸方向部のままとされている。
本発明の第7の態様では、ピラーガーニッシュ取付構造(2)は、ピラーガーニッシュ(70)と、相手パネル(90)であるピラーパネルと、第1の態様−第6の態様の何れか1つのテザークリップ(10)からなるテザークリップと、を備え、
座部(12)の座面は長方形状に形成されており、
ぐらつき抑制弾性片(60)は、座部(12)の座面の四隅に配置されている。
第1の態様によれば、つぎの効果が得られる。 ぐらつき抑制弾性片の軸方向部が直線状の場合の効果はつぎのとおりである。
相手パネルが薄板のときには、ぐらつき抑制弾性片は軸圧縮が主体になり、弾性片の小さな撓みでも大きな反力が得られる。また、相手パネルが厚板のときには、ぐらつき抑制弾性片は曲げ変形が主体になり、弾性片の大きな撓みに対しても反力増加を抑制できる。
これによって、反力/撓み特性が図7の実線Aのようになり、従来または比較例の一点鎖線Bに比べてセット時領域で撓み量小の領域で高い反力が得られる。その結果、相手パネルが薄板でもテザークリップの相手パネルに対するぐらつきが抑制される。また、特性Aは、特性Bに比べて撓み量変化に対する反力変化が少なくフラットになり、セット時領域の撓み量大の領域で弾性片の反力を小さくできる。その結果、相手パネルが厚板でも弾性片反力を適当に小さくでき、テザークリップのパネルへの組付時の節度感が得られ、未嵌合や半嵌合の発生を抑制できる。
軸方向部が湾曲状の場合の効果はつぎのとおりである。
ぐらつき抑制弾性片の軸方向部が直線状の場合では、上記のように、薄板パネルへの取付けにおいて薄板パネルの反力は大きいが、厚板パネルへの取付けにおいてぐらつき抑制弾性片の相手パネルへの接地点のクリップ中心軸線からの距離が変化して若干小さくなる。これに対し、ぐらつき抑制弾性片の軸方向部が湾曲状の場合には、薄板パネルへの取付けにおいて薄板パネルの反力は若干小さくなるが、厚板パネルへの取付けにおいてぐらつき抑制弾性片の相手パネルへの接地点のクリップ中心軸線からの距離がほぼ一定に保たれる。その結果、ぐらつき抑制弾性片の軸方向部が湾曲状の場合でも直線状の場合でも、ほぼ同程度のぐらつき抑制効果が得られる。
第2の態様によれば、ぐらつき抑制弾性片が、テザー長手方向を含む面を間にしてテザー長手方向を含む面の両側に配置され、かつ、テザー長手方向を含む面から間隔をおいて配置されているので、ぐらつき抑制弾性片は、テザー長手方向を含む面に直交する面に沿う、テザークリップの相手パネルに対するぐらつきを効果的に抑制することができる。すなわち、ピラーガーニッシュ長手方向の直交面内方向の、抑えたい方向のぐらつきを効果的に抑えることができる。
第3の態様によれば、曲がり部を設けたので、曲がり部にあるぐらつき抑制弾性片の相手パネルへの接地点が、テザークリップ取付時に、相手パネルに対して容易に摺動可能となり、弾性片反力における、軸圧縮による反力から曲げ変形による反力への移行が円滑に行われる。
第4の態様によれば、ぐらつき抑制弾性片を長方形座面の四隅に配置したため、クリップ中心軸線からぐらつき抑制弾性片までの間隔(ぐらつきを抑えたい方向の間隔)を最大にすることができ、テザークリップの相手パネルに対するぐらつきを効果的に抑制できる。
第5の態様によれば、軸方向部が、座部の座面に完全に垂直か、または垂直な方向から±15度の範囲にある角度で傾けられているので、弾性片のセット時撓み領域の撓みが小さな領域での、ぐらつき抑制弾性片の反力は軸圧縮が主体になり、弾性片の小さな撓みでも大きな弾性片反力が得られるという効果が、確実に得られる。
また、ぐらつき抑制弾性片の曲がり部が内側に向けられているで、相手パネルのクリップ取付座の必要平面が広くならない。
第6の態様によれば、ぐらつき抑制弾性片に曲がり部を設けないでもよい。その場合、曲がり部によるアンダーカットを除去でき、成形型の自由度が上がる。
第7の態様によれば、ぐらつき抑制弾性片が、座部の座面の四隅に配置されているので、テザークリップのピラーに対するぐらつきを効果的に抑制することができる。
本発明の一実施例に係るテザークリップの斜視図である。 図1のテザークリップの、テザー長手方向と直角方向に見た正面図である。 図2のテザークリップの底面図である。 図2のテザークリップのぐらつき抑制弾性片とその近傍の拡大正面図である。 図2のテザークリップをピラーガーニッシュに組み付けたピラーガーニッシュ取付構造の平面図である。 図5の6−6線に沿うピラーガーニッシュ取付構造の断面図である。 ぐらつき抑制弾性片の反力対撓み量特性図である。 従来または比較例テザークリップと、本発明の実施例のテザークリップの、ぐらつきを抑えたい方向の回転モーメント図である。 比較テザークリップの、テザー長手方向と直角方向に見た正面図である。 図9の比較テザークリップの底面図である。 図9の比較テザークリップの脚をピラーに差し込んだ時の、比較テザークリップの断面図である。
本発明の一実施例に係るテザークリップ10とそれを用いたピラーガーニッシュ取付構造2とを、図1−図7を参照して説明する。テザークリップ10とピラーガーニッシュ取付構造2とは主要部が同じである。
まず、テザークリップ10とピラーガーニッシュ取付構造2の構造を説明する。
図5、図6に示すように、テザークリップ10は、ピラーガーニッシュ70をピラー90に取り付けるのに用いられる。
図1−図6に示すように、テザークリップ10は、クリップ中心軸線10aに直交する座部12と、テザークリップ10が取り付けられる相手パネル90に対向する座面に、クリップ中心軸線10aと直角方向にクリップ中心軸線10aから離れた部位で、一体に接続され、座部12から離れる方向に延びるぐらつき抑制弾性片(以下、「弾性片」ともいう)60を有する。
テザークリップ10は、さらに、座部12の、弾性片60が接続される側の座面と反対
側の座面に接続されるテザー20および係合保持部40と、テザー20の先端に接続されるアンカー50と、座部12の、弾性片60が接続される側の座面に接続されテザー20と反対側に座部12から離れる方向に延びる脚14と、脚14に設けられクリップ中心軸線10aに対して弾性的に進退可能とされた一対の係止爪16と、を有する。
テザークリップ10は可撓性を有する樹脂材からなる。樹脂材は、たとえばポリヘキサメチレンアジポアミドである。ただし、可撓性を有し必要な強度をもつ樹脂材であれば、それ以外の樹脂材であってもよい。ピラーガーニッシュ70はテザークリップ10かそれより硬質の樹脂材からなる。ピラー90は鋼板からなる。ピラーガーニッシュ70とピラー90との間には、カーテンエアバッグ(図示略、以下、CSAともいう。CSAはCurtain Shield Airbag の略である)が配置される。
図5および図6に示すように、テザークリップ10は、ピラーガーニッシュ70のテザー収納部72の底壁74に設けられた長方形のガーニッシュ孔80の部位にてピラーガーニッシュ70に組付けられる。この場合、ガーニッシュ孔80の長手方向は、ピラーガーニッシュ70の長手方向に向けられている。テザークリップ10が組付けられたピラーガーニッシュ70は、ピラーガーニッシュ70の長手方向をピラー90の長手方向に向けて、ピラー90に設けたクリップ取付孔92部位にて、ピラー90に取り付けられる。
図1および図6から分かるように、テザークリップ10がピラーガーニッシュ70に組付けられた状態では、テザー収納部72の底壁74のガーニッシュ孔80の縁部が係合保持部40の膨出部44と座部12との間に保持される。図4および図6から分かるように、テザークリップ10が組付けられたピラーガーニッシュ70がピラー90に取り付けられた状態では、ピラー90のクリップ取付孔92の縁部がぐらつき抑制弾性片60と脚14に設けた一対の係止爪16との間に保持される。
車両の側面衝突時やロールオーバ時にはCSAが短時間に膨張展開し、CSAからの荷重を受けてピラーガーニッシュ70がピラー90から離れる方向に移動する。この時、ガーニッシュ孔80の縁部が係合保持部40の立ち上がり部42から膨出部44側に移動し、膨出部44を弾性変形させて膨出部44を通り抜け、ピラーガーニッシュ70がアンカー50に当たるまでテザー20が伸展(伸展は「伸張」といってもよい。以下、同じ)し、ピラーガーニッシュ70とピラー90との間にCSAが膨張展開し得る隙間が形成される。また、テザークリップ10は、ピラーガーニッシュ70がアンカー50に当たった状態以上にピラーガーニッシュ70がピラー90から離れる方向に移動することを止め、ピラーガーニッシュ70の車室方向への飛散を抑制する。
図2−図6に示すように、テザー20は、座部12に接続される根本部22と、アンカー50に接続される先端部26と、根本部22および先端部26の間にわたって延びる中間部24と、を有する。テザー20は、座部22と直交する一面に沿って延びるテザー長手方向Lを有し、テザー20の全長の少なくとも一部は上記一面に沿って湾曲されている。
テザークリップ10がピラーガーニッシュ70に組付けられた状態では、テザー長手方向Lはピラーガーニッシュ70の長手方向、すなわち、ガーニッシュ孔80の長手方向に向けられている。テザー収納部72は、長方形の底壁74の4辺のうちピラーガーニッシュ70の長手方向に延びる2辺とそれと直交方向に延びる2辺のうちの1辺との3辺で、底壁74とピラーガーニッシュの意匠壁との間にわって延びる側壁76を有し、残りの1辺は側壁をもたずテザー収納部開口78とされている。テザー長手方向Lに延びるテザー20の先端部26およびアンカー50はテザー収納部開口78を挿通してテザー収納部72の外側に出ている。これによって、限られたスペースでのテザー長が確保されている。
その結果、CSA展開時にピラーガーニッシュ70とピラー90との間に十分な隙間を形成し得るテザー長が確保されている。
比較クリップ110では、テザー長を確保した場合でも、テザー120がガーニッシュ孔180内で回転可能としテザークリップ110をピラーガーニッシュ170に組み付け可能とするために、テザー120の全長にわたって、テザー120の断面の長辺長さをガーニシュ孔180の短辺長さより小さくし、一方、強度を得るためにテザー120の断面の短辺長さを大きくしていた。その結果、つぎの問題が生じるおそれがあった。CSA展開途中でのテザー120がガーニシュ孔180縁部から受ける荷重を受け流すことができず、テザー120が受ける荷重が大となって、テザー120にこじれが生じやすくなる。低温でこじれによりテザー120が脆性破断する。テザー120が伸展する時のエネルギー吸収機能が小さくなる。それによりピラーガーニッシュ170のガーニッシュ孔180縁部に対して危害を与えるおそれが増加する。本発明のテザークリップ10は、つぎの構造を有し、これらの問題を低減している。
座部12からテザー20の形状に沿って隔たった任意のテザー部位における、テザー20の接線方向と直交する面で切断して見たテザー断面の形状は、細長断面である。
また、根本部22と中間部24におけるテザー断面の形状は、先端部26におけるテザー断面の形状よりも幅広で薄厚の帯状とされている。ただし、先端部26におけるテザー断面の形状は、比較クリップ110の(テザー全長における)テザー断面の形状に等しいか、または、ほぼ等しい。
根本部22と中間部24におけるテザー断面の形状は、比較クリップ110のテザー断面の形状よりも細長の、偏平な帯状となっている。
根本部22および中間部24におけるテザー断面の長辺の長さは、ガーニッシュ孔80の短辺の長さより長い。そのため、テザー断面の長軸の延び方向をガーニッシュ孔80の短軸の延び方向に向けると、テザー20をガーニッシュ孔80内に配置できなくなる。
テザー20をガーニッシュ孔80内に配置するために、根本部22および中間部24における細長断面の長軸の延び方向は、ガーニッシュ孔80の長軸と直交する方向(ガーニッシュ孔80の短軸が延びる方向)から所定角度(40度±20度の範囲にある角度)だけ傾けられている。したがって、テザー20は、テザー20の断面の中心まわりに捩じられている。テザー20は、テザー20が沿って延びる平面と平行な方向に湾曲されると共に、テザー20の断面中心まわりに捩じられている。すなわち、テザー20には曲げと捩じりがある。これに対し、比較クリップ110のテザー120は、テザー120の断面中心まわりに捩じられていない。すなわち、比較クリップ110のテザー120には曲げのみしかない。
図1−図3に示すように、根本部22および中間部24の少なくとも一部はテザー20に沿って緩やかに湾曲されており、それ以外の部分(根本部22の座部12に近い部分および中間部24の先端部26に近い部分)で直線状に延びていてもよい。
テザー20に荷重がかかっていないテザー20の自由状態において、テザー20の、根本部22、および中間部24の根本部22への接続部からアンカー50から最も遠い中間部部位24aまでは、テザー断面の長軸の延び方向端に、アンカー50から遠い側の第1の稜線28aとアンカー50に近い側の第2の稜線28bを有しており、第1の稜線28aと第2の稜線28bのアンカー50からの遠近の関係は第1の稜線28aと第2の稜線28bの全長にわたって維持され反転しない。
テザー20の、中間部24のアンカー50から最も遠い中間部部位24aから中間部24の先端部26への接続部までは、テザー断面の長軸の延び方向端に、座部12から遠い側の第3の稜線28cと座部12に近い側の第4の稜線28dを有しており、第3の稜線28cと第4の稜線28dの座部12からの遠近の関係は第3の稜線28cと第4の稜線28dの全長にわたって維持され反転しない。
第1の稜線28aと第3の稜線28cは滑らかに(段差無く)接続しており、第2の稜線28bと第4の稜線28dは滑らかに(段差無く)接続している。
第1の稜線28aの長さと第3の稜線28cの長さの和は、第2の稜線28bの長さと第4の稜線28dの長さの和に近づけられており、互いに等しいかまたはほぼ等しい。テザー20には、中間部24の根本部22に近い側の部分に上方(座部12から離れる方向)に向かって凸状に湾曲する上方湾曲部が形成され、ついで中間部24の先端部26に近い側の部分に下方(座部12の延長面に近づく方向)に向かって凸状に湾曲する下方湾曲部が形成されている。上方湾曲部の外周縁部は下方湾曲部の内周縁部に接続され、上方湾曲部の内周縁部は上方湾曲部の外周縁部に接続されている。これによって、第1の稜線28aの長さと第3の稜線28cの長さの和が、第2の稜線28bの長さと第4の稜線28dの長さの和にほぼ等しくなっている。
テザー20の先端部26におけるテザー断面の長辺の長さは、ガーニッシュ孔80の短辺の長さより短い。これによって、テザークリップ10のピラーガーニッシュ70への組み付けが可能になる。組み付けにおいては、アンカー50の長手方向をガーニッシュ孔80の長軸の延び方向に向け、アンカー50をガーニッシュ孔80に挿通させ、アンカー50をテザー収納部72内に入れると共にテザー20の先端部26をガーニッシュ孔80内に位置させる。この状態ではテザー20の先端部26はガーニッシュ孔80内で先端部26の軸芯まわりに回転可能であるから、アンカー50を90度回転させる。ついで、テザー20をテザー収納部72内に挿入していき、係合保持部40にガーニッシュ孔80の縁部を保持させた状態で組み付けが完了する。この状態では、アンカー50がテザー収納部開口78からテザー収納部72の外側に出ている。
テザー20の中間部24の、テザー先端部26側の端部には、アンカー50の延び方向(アンカー50の長手方向)に平行な方向と直交する方向に突出する一対お案内板38が設けられている。一対の案内板38が、テザー20の中間部24を挟んで、ほぼ対称に設けられている。
アンカー50は、テザー長手方向Lと直交し座部12と平行な方向に延びるアンカー本体52と、アンカー本体52からテザー先端部26を間においてテザー先端部26の両側空間に延びる一対のアンカー弾性片54とを有する。アンカー本体52はアンカー長手方向に延び、アンカー弾性片54はアンカー長手方向と直交方向に延びる。アンカー弾性片54はテザー20の案内板38と同じ平面に沿って延びる。アンカー弾性片54と案内板38とは、互いに離れているが、互いに対向している。
テザー20の断面が根本部22と中間部24で細長断面(偏平帯状断面)とされているため、テザー断面の長軸の延び方向の稜線がガーニッシュ孔の長辺の縁部に当たるまでは、テザー20はテザー断面の中心まわりに弾性的に曲げ変形と捩じり変形をしやすい。しかし、案内板38が設けられているテザー部分では曲げ剛性と捩じり剛性が高いので、曲げ変形と捩じり変形が抑制される。また、アンカー弾性片54と案内板38とが互いに対向しているため、CSA展開時にガーニッシュ孔80の縁部がテザー20に摺動しながら座部12から離れる方向に移動していく時に、ガーニッシュ孔80の縁部は案内板38からアンカー弾性片54へとひっかからずに移行できる。これによって、アンカー弾性片5
4は確実にガーニッシュ孔80内に突入してアンカー50がガーニッシュ孔80の縁部に係合でき、アンカー弾性片54によりアンカー50のガーニッシュ孔80に対する回転が阻止される。その結果、アンカー50の長手方向とガーニッシュ孔80の長軸の延び方向が一致した時に起こるガーニッシュ孔80の縁部のアンカー50通り抜けとピラーガーニッシュ70の飛散が抑制される。
ぐらつき抑制弾性片60は、テザークリップ10の脚14をピラー90のクリップ取付孔92に挿入してテザークリップ10がピラー90に取り付けられた時に、ピラー90のクリップ取付孔92の縁部を脚14の係止爪16と弾性片60とで弾性的に挟み込んで、テザークリップ10のピラー90に対するぐらつきを抑制するものである。
弾性片60は、座部12の、テザークリップ10が取り付けられる相手パネル(ピラー)90に対向する座面(図2の座部12の下側座面)の、クリップ中心軸線10aから離れた部位で、座部12に一体に接続されている。弾性片60は、弾性片60の自由状態(弾性片60に荷重がかかっていない状態)で、座部12への接続部66から、該接続部66とクリップ軸方向に対向する位置にある相手パネル90(ピラー)への接地点68に向かって、直線状または湾曲状に延びる軸方向部62を有している。弾性片60の自由状態で、接地点68は、接続部66を通りクリップ中心軸線10aとほぼ平行な線上で接続部66から隔たった位置にある。図示例は、軸方向部62が直線状の場合を示しているが、ピラー90への接地点68が直線状の場合と変わらなければ直線状を湾曲状としてもよい。
弾性片60によってピラー90に対するテザークリップ10のぐらつきを抑制したい方向は、とくにテザー長手方向Lと直交する面に沿う方向の回転である。ぐらつきを抑制したい方向のテザークリップ10のぐらつきを抑えるために、弾性片60は、テザー長手方向Lを含む面を間にしてテザー長手方向Lを含む面の両側に配置され、かつ、テザー長手方向Lを含む面から該面と直角方向に間隔をおいて配置されている。
弾性片60は、軸方向部62の座部12への接続部66と反対側の先端部に、テザー長手方向を含む面と直交方向に視た時に軸方向部62から湾曲されて弾性片60の自由状態で座部12と平行に延びる曲がり部64を有している。ただし、弾性片60は、座部12への接続部66と反対側の端部に曲がり部をもたず、軸方向部のままとしてもよい。
座部12の下側座面はクリップ中心軸線10aと直交する面に沿う方向に長方形状に形成されている。座部12の下側座面の長方形の一辺はテザー長手方向Lに向けられている。弾性片60は長方形状の座面の四隅に配置されている。
図1−図6では、軸方向部62は直線状に延びている。軸方向部62は、弾性片62の自由状態で、テザー長手方向が沿う面と直交方向に視た時に、座部12の座面に完全に垂直か、または、座部12の座面に完全に垂直な方向から接続部66を中心にして±15度の範囲にある所定角度で傾けられている。接地点68の接続部66へのクリップ軸方向における対向は、座部12の座面に完全に垂直な方向から±15度の範囲にある所定角度での傾きにおける対向を含む。
曲がり部64は弾性片60の自由状態で軸方向部62からクリップ中央側に曲げられている。
脚14は、座部12のテザー20が接続される座面と反対側の座面に接続され、テザー20と反対側に座部12から離れる方向に延びる。一対の係止爪16は、係止爪16の一端にある結合部で脚14に結合され、結合部を除いて逆U字状のスリットで脚14から切り離されている。これによって、係止爪16は結合部まわりにクリップ中心軸線10aに
接近、離反する方向に揺動可能である。係止爪16の先端部には、クリップ中心軸線10aに対して直交方向に、かつ、クリップ中心軸線10aから離れる方向に延びる爪操作部18が設けられている。
テザークリップ10が組付けられたピラーガーニッシュ70をピラー90に組み付ける時には、テザークリップ10の脚14をピラー90側に向け、脚14をクリップ取付孔92に押し込む。この時、一対の係止爪16がクリップ取付孔92の縁部によってクリップ中心軸線10a側に押され、係止爪16がクリップ取付孔92を挿通し、挿通直後に一対の係止爪16が元の位置に弾性復帰して、係止爪16と弾性片60との間にクリップ取付孔92の縁部を挟む。
係合保持部40が一対設けられる場合、テザークリップ10の根本部22は一対の係合保持部40の中間に設けられる。一対の係合保持部40の中間にある一対の係合保持部40の中心は、脚50の中心軸線からテザー長手方向Lにかつ座部12と平行な方向に、アンカー50から遠ざかる側にオフセットされている。
テザークリップ10がピラーガーニッシュ70に取り付けられる時には、一対の係合保持部40は、一対の係合保持部40の対向方向をガーニッシュ孔80の長軸の延び方向に向けてガーニッシュ孔80に挿入される。この時、一対の係合保持部40の中心は、ガーニッシュ孔80の中心にある。
脚14はピラー90のクリップ取付孔92に押し込まれるので、一対の係合保持部40の中心、および、ガーニッシュ孔80の長軸の延び方向の中心は、クリップ取付孔92の中心軸線(クリップ中心軸線10a)に対し、テザー長手方向Lに、かつ、テザー20の湾曲と反対側に(すなわちテザー収納部開口78から遠ざかる方向に)オフセットされている。
テザー収納部72の底壁74は、一対の係合保持部40が挿通されるガーニッシュ孔80と、ガーニッシュ孔80のテザー湾曲方向端(テザー長手方向Lでかつテザー収納部開口78側端)に位置しテザー長手方向Lに延びる対向縁部(ガーニッシュ孔80の長辺縁部)間にさし渡されたブリッジ部74aを有する。ブリッジ部74aは底壁74の一部を構成する。一対の係合保持部40の中心が、クリップ取付孔92の中心軸線に対し、テザー長手方向Lに、かつ、テザー20の湾曲と反対側にオフセットされているので、オフセットされない場合よりも、ブリッジ部74aの幅(テザー長手方向Lに沿う面で切断した時のブリッジ部74aの両側面間距離)Wが大きくなる(図6)。そのため、ブリッジ部74aの断面積が大きくなって、強度上有利である他、成形時のブリッジ部74aでの湯流れがよくなってウエルド(欠陥)の形成が抑制される。これによって、CSA展開時におけるブリッジ部74aでの破断が確実に抑制される。
ブリッジ部74aにおける応力に余裕があり、かつ、ウエルドの形成をより一層抑制することが望まれる場合には、図6に示すように、ブリッジ部74aに凹部74bを形成し、ウエルドが発生しやすい厚肉部位を除去してもよい。
ピラーガーニッシュ取付構造2は、上記のテザークリップ10と、テザー長手方向Lをピラーガーニッシュ長手方向に向けてテザークリップ10が組付けられるピラーガーニッシュ70と、テザークリップ10が組付けられたピラーガーニッシュ70がテザークリップ10を用いて取り付けられるピラー90と、を有する。
テザークリップ10は、ピラーガーニッシュ70のテザー収納部72の底壁74に、ガーニッシュ孔80の部位にて、組付けられる。組み付け後には、テザー20がガーニッシ
ュ孔80を挿通しており、アンカー50はテザー収納部開口78からテザー収納部72の外側に出ている。
テザークリップ10がピラーガーニッシュ70に組付けられた状態で、テザー20の根本部22および中間部24におけるテザーの細長断面の長軸の延び方向は、長方形のガーニッシュ孔80の長軸と直交する方向から傾けられている。また、テザー20はテザー長手方向Lに延びる面に沿って湾曲している。したがって、テザー20はテザー長手方向Lに延びる面に沿って湾曲していると共に、テザー20の根本部22および中間部24における位置におけるテザー断面は、該テザー断面の中心まわりに捩じられている。
テザークリップ10がピラーガーニッシュ70に組付けられ、ついでテザークリップ10がピラー90に取り付けられた状態で、弾性片60は、テザー長手方向Lを含む面と直交する方向に見た時に、接続部66を中心にして内側に倒れており、弾性片60が自由状態にある時よりも、接地点68はクリップ中心軸線10a側に近寄っている。
つぎに、テザークリップ10とピラーガーニッシュ取付構造2の作用、効果を説明する。
弾性片60の軸方向部62が直線状の場合の効果はつぎのとおりである。相手パネル(ピラー)90が薄板のときには、弾性片60は自由状態に近い姿勢をとるため、弾性片60にかかる荷重は軸圧縮が主体になり、弾性片60の小さな撓みでも大きな反力が得られる。また、相手パネル(ピラー)が厚板のときには、弾性片60は図4に示す倒れ姿勢をとるため、弾性片60は曲げ変形が主体になり、弾性片60の大きな撓みに対しても反力増加を抑制できる。
これによって、反力/撓み特性が図7の実線Aのようになり、従来または比較例のクリップ110の一点鎖線Bに比べてセット時領域DRで撓み量小の領域D3(比較例クリップの領域D1と該D1より撓み量小側に拡張された領域)で高い反力が得られる。その結果、相手パネル90が薄板でもテザークリップ10の相手パネル90に対するぐらつきが抑制される。また、特性Aは、特性Bに比べて撓み量変化に対する反力変化が少なく、反力/撓み特性がフラットになり、セット時領域DRの撓み量大の領域(比較例クリップの領域D2とほぼ同じ)で弾性片60の反力を小さくできる。その結果、相手パネル90が厚板でも弾性片反力を適当に小さくでき、テザークリップ10の相手パネル90への組付時に節度感が得られ、未嵌合や半嵌合の発生を抑制できる。
軸方向部62が湾曲状の場合の効果は、直線状の場合の効果に比べて、つぎのとおりである。弾性片60の軸方向部62が直線状の場合では、上記のように、薄板相手パネル90への取付けにおいて弾性片60の反力は大きいが、厚板相手パネルへの取付けにおいて弾性片60の相手パネル90への接地点68のクリップ中心軸線10aからの距離が変化して小さくなる(図4)。これに対し、弾性片60の軸方向部62が湾曲状の場合には、薄板相手パネル90への取付けにおいて、弾性片60に曲げ変形が生じるため、弾性片60の反力は若干小さくなるが、厚板相手パネル90への取付けにおいて弾性片60の相手パネル90への接地点68のクリップ中心軸線10aからの距離がほぼ一定に保たれる。その結果、弾性片90の軸方向部が湾曲状の場合でも直線状の場合でも、ほぼ同程度の大きさのぐらつき抑制モーメント(弾性片反力×接地点のクリップ中心軸線からの距離)が得られ、同程度のぐらつき抑制効果が得られる。
弾性片60が、テザー長手方向Lを含む面を間にしてテザー長手方向Lを含む面の両側に配置され、かつ、テザー長手方向Lを含む面から間隔をおいて配置されているので、弾性片60は、テザー長手方向Lを含む面に直交する面に沿う、テザークリップ10の相手
パネル90に対するぐらつきを効果的に抑制することができる。すなわち、ピラーガーニッシュ長手方向と直交する面内方向の、抑えたい方向のぐらつきを効果的に抑えることができる。
図8で、比較例を含む「従来」と「本発明」におけるぐらつき抑制モーメントを比較すると、「従来」では、弾性片反力Fnが小さく、かつ、反力が働く位置までの距離lnが変化する分布荷重となり、Σln×Fnで求まるモーメントMが小さくなる。これに対し、「本発明」では、弾性片反力Fが大きくなり、かつ、反力が働く位置までの距離lpが大きいため(分布荷重でないため)、lp×Fで求まるモーメントMが大きくなる。したがって、モーメントMが「従来」のモーメントMよりも大きくなって、テザークリップ10のぐらつき(揺動)を従来よりも効果的に抑えることができる。
弾性片60の座部12への接続部66と反対側の端部に曲がり部64を設けたので、曲がり部64にある弾性片60の相手パネル90への接地点68が、テザークリップ取付時に、相手パネル90に対して容易に摺動可能となり、弾性片反力における、軸圧縮による反力から曲げ変形による反力への移行が円滑に行われる。
また、弾性片60を長方形座面の四隅に配置したため、クリップ中心軸線10aから弾性片60までの間隔(ぐらつきを抑えたい方向の間隔)を最大にすることができ、テザークリップ10の相手パネル90に対するぐらつきを効果的に抑制できる。
軸方向部62が、座部12の座面に完全に垂直か、または垂直な方向から傾けられたとしてもその傾きが座面に完全に垂直な方向から±15度の範囲にある角度に抑えられている。そのため、弾性片60のセット時撓み領域DRの撓みが小さな領域での、弾性片反力は軸圧縮が主体になり、弾性片60の小さな撓みでも大きな弾性片反力が得られるという効果が、確実に得られる。
弾性片60の曲がり部64が内側(クリップ中心軸線10aに近づく側)に向けられているで、相手パネル90のクリップ取付座の必要平面が広くならない。
弾性片60に曲がり部64を設けない場合は、曲がり部によるアンダーカットを除去でき、成形型の設計、製作自由度が上がる。
また、ピラーガーニッシュ取付構造2によれば、テザークリップ10を含むので、上記のテザークリップ10の効果のすべてが得られる。また、それに加えて、テザークリップ10のピラー90に対するぐらつきが抑えられるので、ピラーガーニッシュ70のピラー90に対するピラーガーニッシュの長手方向に延びる回転軸芯まわりのぐらつきも効果的に抑制される。
2 ピラーガーニッシュ取付構造
10 クリップ(テザークリップ)
10a クリップ中心軸線
12 座部
20 テザー
50 アンカー
60 ぐらつき抑制弾性片(弾性片)
62 軸方向部
64 曲がり部
66 接続部
68 接地点
70 ピラーガーニッシュ
80 ガーニッシュ孔
90 相手パネル(ピラー)
L テザー長手方向

Claims (7)

  1. クリップ中心軸線に直交する座部と、テザークリップが取り付けられる相手パネルに対向する座部の座面に、クリップ中心軸線と直角方向にクリップ中心軸線から離れた座面部位で、一体に接続されるぐらつき抑制弾性片を有するテザークリップであって、
    ぐらつき抑制弾性片が、ぐらつき抑制弾性片の自由状態で、座部の座面への接続部から該接続部とクリップ軸方向に対向する位置にある相手パネルへの接地点に向かって直線状または湾曲状に延びる軸方向部を有しているテザークリップ。
  2. テザークリップは、座部のぐらつき抑制弾性片が接続される側の座面と反対側の座面に、該座面に直交する面に沿って延びるテザー長手方向を有するテザーを有し、ぐらつき抑制弾性片は、テザー長手方向を含む面を間にしてテザー長手方向を含む面の両側に配置され、かつ、テザー長手方向を含む面から該面と直角方向に間隔をおいて配置されている請求項1記載のテザークリップ
  3. ぐらつき抑制弾性片は、軸方向部の座部への接続部と反対側の端部に、軸方向部から湾曲されてぐらつき抑制弾性片の自由状態で座部と平行に延びる端部をもつ曲がり部を有している請求項1または請求項2記載のテザークリップ。
  4. 座部の座面はクリップ中心軸線と直交する面に沿う方向に長方形状に形成されており、ぐらつき抑制弾性片は長方形状の座面の四隅に配置されている請求項1−請求項3の何れか1項に記載のテザークリップ。
  5. 軸方向部が直線状に延びており、軸方向部は、ぐらつき抑制弾性片の自由状態で、テザー長手方向が沿う面と直交方向に視た時に、座部の座面に完全に垂直か、または、座部の座面に完全に垂直な方向から±15度の範囲にある所定角度で傾けられており、曲がり部がぐらつき抑制弾性片の自由状態で軸方向部からクリップ中央側に曲げられている、請求項3または請求項4記載のテザークリップ。
  6. ぐらつき抑制弾性片は、座部への接続部と反対側の端部に曲がり部をもたず、軸方向部のままとされている請求項1または請求項2記載のテザークリップ。
  7. ピラーガーニッシュと、
    相手パネルであるピラーパネルと、
    請求項1−請求項6の何れか1項に記載のテザークリップと、を備え、
    座部の座面は長方形状に形成されており、
    ぐらつき抑制弾性片は、座部の座面の四隅に配置されている、ピラーガーニッシュ取付構造。
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