JP2017100112A - 陰イオン交換樹脂の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内としつつ、さらにコストを低減した実用的な水の精製用の陰イオン交換樹脂の再生方法を実現する。【解決手段】再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いる。【選択図】なし
Description
本発明は陰イオン交換樹脂の再生方法に関する。
原水から硝酸性イオン及び硫酸性イオンを除去するのに用いられる陰イオン交換樹脂の再生液として、溶媒に対する溶質の割合が1〜10重量%の塩化ナトリウム水溶液が使用されている。しかし、塩化ナトリウム水溶液を再生液として使用する再生方法では、再生された陰イオン交換樹脂を使用して原水から硝酸性イオン及び硫酸性イオンを除去して得られる処理液のpHが低下する。
ところで、陰イオン交換樹脂の再生方法としては、水の精製に関する技術ではないが、天然ガス等のガス精製工程等において酸成分を吸収したアミン液の二次再生に用いられるイオン交換樹脂の再生に関し、炭酸ガス、SOX、NOXおよび他の酸成分を吸着した陰イオン交換樹脂を再生する方法として、再生液として炭酸塩及び/又は重炭酸塩を含む水溶液を用いる方法が知られている(特許文献1)。
また、排煙脱硫排水中に含まれる有機物成分を吸着した陰イオン交換樹脂の再生方法として、塩化ナトリウム水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を加えた再生液を使用する方法が知られている(特許文献2)。
また、熱的に再生可能な両性イオン交換樹脂を使用して、重炭酸イオン又は重亜硫酸イオンを含む塩水溶液を脱イオン処理する技術に関し、重炭酸イオン又は重亜硫酸イオンが熱的手段による両性イオン交換樹脂の再生を低減させるという問題を解決するために、重炭酸イオン等を含む脱イオンプロセスからの生成物として得られる塩水溶液を再生液として用い、脱イオン処理下にある塩水溶液よりもpHで約2、より酸性の再生液で処理することが知られている(特許文献3)。
しかしながら、前述した従来技術はいずれも水の精製に関する技術ではなく、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内としつつ、さらにコストを低減した実用的な水の精製用の陰イオン交換樹脂の再生方法としては用いることはできない。
すなわち、特許文献1に記載の方法では再生効率が低く、多量の再生剤が必要となるため、コスト高になるなどの問題がある。また、再生効率を上げるために、過剰量の炭酸塩及び/又は重炭酸塩を用いると、処理液のpHが増加し、水道水質基準を逸脱する問題もある。
特許文献2に記載の方法を用いれば、強塩基性化合物を添加していることから、処理液のpHが大幅に増加し、水道水質基準を逸脱する恐れがある。
また、特許文献3においては、再生対象となるイオン交換樹脂が熱的に再生可能な両性イオン交換樹脂であり、重炭酸イオン又は重亜硫酸イオンによる熱的な再生の低減の問題を解決するために、再生液は脱イオン処理下にある塩水溶液よりも酸性である必要があるため、塩酸を添加するとともに二酸化炭素を通過させている。したがって、当該方法では処理液のpH低下を抑制することができない。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内としつつ、さらにコストを低減した実用的な水の精製用の陰イオン交換樹脂の再生方法を実現することにある。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法は、上記課題を解決するために、陰イオン交換樹脂を再生液と接触させることにより再生する方法において、該再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いることを特徴としている。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法では、前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の塩基解離定数(pKb)が、1〜12であることが好ましい。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法では、前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度が、前記再生液中の水に対して、0.1重量%〜15重量%であることが好ましい。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法では、前記ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度が、前記再生液中の水に対して、1重量%〜20重量%であることが好ましい。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法では、前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩が、炭酸塩または重炭酸塩であることが好ましい。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法は、以上のように、上記課題を解決するために、陰イオン交換樹脂を再生液と接触させることにより再生する方法において、該再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いるという構成を備えているので、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内としつつ、さらにコストを低減した実用的な水の精製用の陰イオン交換樹脂の再生方法を実現することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本発明の再生方法では、再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いる。再生液中に、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩と、ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩とが混在することによって、陰イオン交換樹脂の再生率が向上するとともに、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内とすることができる。
水道水の精製用に用いられる陰イオン交換樹脂の再生液としては、通常、塩化ナトリウム水溶液が使用されている。しかし、前述したように、塩化ナトリウム水溶液を再生液として使用する再生方法では、再生された陰イオン交換樹脂を使用して原水から硝酸性イオン及び硫酸性イオンを除去して得られる処理液のpHが低下する。そのため、pHが水道水質基準の下限である5.8となるまで、陰イオン交換樹脂再生後の初期の処理液を流出させたのち、又は、塔出口にpH調整装置を取り付け、苛性ソーダにて中和したのち、処理液を採水することが通常行われており、初期の処理水を捨てずに、又は中和作業を無くして採水しようとする発想はなかった。
本発明者らは、陰イオン交換樹脂再生後、初期の処理水を捨てずに、又は中和せずに採水しようとする新しい発想の下、陰イオン交換樹脂再生後の初期から、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内とすることができないかと考えた。そして、再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いることにより、かかる課題を解決でできることを見出した。すなわち、上記構成によれば、塩化ナトリウム水溶液を再生液として使用する再生方法において起こる処理液のpH低下を回避することができ、陰イオン交換樹脂再生後の初期から、処理液のpHを水道水の水質基準である、5.8〜8.6の範囲内とすることができる。
なお、本発明において、「再生液」とは、陰イオン交換樹脂と接触させることにより陰イオン交換樹脂を再生するための液を指し、本発明では水溶液である。また、本発明において「再生剤」とは、再生液に含まれる、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる1種類以上の塩、及び、ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる1種類以上塩を指すものとする。
また、本発明において、「原水」とは、陰イオン交換樹脂による脱イオン処理に供される液を意味し、「処理液」とは、原水を陰イオン交換樹脂と接触させて、脱イオン処理した結果得られる液を意味する。
また、本発明において、「弱酸」とは、pKa(酸解離定数)が0よりも大きい化合物のことを指す。
本発明において、弱酸由来の陰イオンとしては、これに限定されるものではないが、より好ましくは、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン等を挙げることができる。また、アルカリ金属イオンとしては、特に限定されるものではないが、Li+、Na+、K+であることが好ましい。また、アルカリ土類金属イオンとしては、特に限定されるものではないが、Mg2+、Ca2+であることが好ましい。また、ハロゲン化物イオンとしては、特に限定されるものではないが、Cl−であることが好ましい。
本発明で使用する弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩としては、特に限定されるものではないが、より好ましい例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の重炭酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩を挙げることができ、中でも、安価で入手し易いことから、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムがより好適に使用される。これらは、一種または複数種を混合して使用することができる。
本発明で使用する弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩は、塩基解離定数(pKb)が1〜12の化合物であることが好ましく、pKbが1〜8の化合物であることがより好ましく、pKbが1〜4の化合物であることがさらに好ましい。塩基解離定数(pKb)が12以下であれば、処理液のpHが低くなりすぎないため好ましい。また、塩基解離定数(pKb)が1以上であれば、処理液のpHが高くなりすぎないため好ましい。
本発明で使用するハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩としても、特に限定されるものではないが、より好ましい例としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等を挙げることができ、中でも、安価で入手しやすい塩化ナトリウムがより好適に使用される。これらは、一種または複数種を混合して使用することができる。
前記再生液に用いる溶媒は通常は水である。
前記再生液中の前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度は、前記再生液中の水に対して、通常、0.1重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、さらに好ましくは3重量%〜6重量%である。また、前記再生液中の前記ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度は、前記再生液中の水に対して、通常、1重量%〜20重量%、より好ましくは、1重量%〜10重量%、さらに好ましくは5重量%〜10重量%である。塩の使用量が少な過ぎると陰イオン交換樹脂を十分に再生することができず、多過ぎてもそれ以上の再生効果は望めず、工業的に不利である。
再生液中に含まれる、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の量と、ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の量との比率((弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の量)/(ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の量))は、重量比で、1/100〜1/1が好ましい。
なお、前記塩の濃度、及び塩の量は、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩が複数種類含まれる場合はその合計量であり、同様に、ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩が複数種類含まれる場合はその合計量を意味する。
再生液は、水に、前述した再生剤を溶解することにより調製することができる。かかる場合、各再生剤は再生液の調製時にそれぞれ水に溶解してもよいし、予め混合して保存しておき再生液の調製時に混合物を水に溶解してもよい。
なお、本発明において、再生液に用いる溶媒としての水とは、水道水、工業用水、農業用水、河川水、井戸水、地下水、イオン交換水などが挙げられる。
従来原水から硝酸性イオン及び硫酸性イオンを除去するのに用いられる陰イオン交換樹脂の再生液に使用されている塩化ナトリウムは長期保存すると固結するため取扱い性に劣るが、本発明では、再生剤を予め混合して長期保存しても固結が抑制され、保存期間に関係なく再生液を容易に作製することができるというさらなる効果も得られる。
陰イオン交換樹脂と再生液との接触温度は、再生対象となる陰イオン交換樹脂の初期イオン交換容量、吸着している陽イオンの種類等の諸条件を勘案して適宜決定すればよいが、陰イオン交換樹脂の再生は、室温にて実施することが好ましい。なお、本明細書において室温とは、15℃〜30℃の範囲をいう。
また、陰イオン交換樹脂を再生液と接触させる方法も、特に限定されるものではなく、浸漬法、流動接触法等のバッチ処理、カラム通液式等を採用することができる。
カラム通液式による陰イオン交換樹脂の再生の場合、カラムに充填した陰イオン交換樹脂容量に対し1〜20倍容量の再生液を、通液SVが1〜60となるように通液することがより好ましい。ここで通液SVとは、通液の空間速度(SV:space velocity)を意味し、空間速度とは、1時間当たりの通液倍量(BV:bed volume)である。陰イオン交換樹脂の再生に用いる再生液量が少な過ぎると陰イオン交換樹脂を十分に再生することができず、多過ぎてもそれ以上の再生効果は望めず、徒に再生液量、再生時間が増加して不利である。また、通液速度が速過ぎると陰イオン交換樹脂と再生液との接触が十分でないことにより良好な再生効果が得られず、通液速度が過度に遅いと再生に長時間を要し、工業的に不利である。
再生後の陰イオン交換樹脂の洗浄においては、再生液の溶媒と同一のもの、すなわち水を用いることが好ましい。
カラム通液式による陰イオン交換樹脂の再生後の洗浄の場合、カラムに充填した陰イオン交換樹脂量の容量に対し、1〜40倍量(1〜40BV)の洗浄液を、通液SVが5〜300となるように通液することが好ましい。陰イオン交換樹脂の再生後の洗浄に用いる洗浄液の量が少な過ぎると陰イオン交換樹脂を十分に洗浄することができず、多過ぎてもそれ以上の洗浄効果は望めず、徒に洗浄液量、再生時間が増加して不利である。
本発明において使用する陰イオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系、アクリル系又はフェノール系の架橋共重合体からなる樹脂母体に、下記一般式(A)で示される4級アンモニウム塩基が結合した陰イオン交換樹脂を挙げることができる。
−A−N+(R1R2R3)X− (A)
一般式(A)において、Aは、炭素数0〜8の直鎖状アルキレン基を表す。R1は、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2及びR3は、炭素数1〜4の炭化水素基を表す。X−は、アンモニウム基に配位した対イオンを表す。
一般式(A)において、Aは、炭素数0〜8の直鎖状アルキレン基を表す。R1は、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、R2及びR3は、炭素数1〜4の炭化水素基を表す。X−は、アンモニウム基に配位した対イオンを表す。
Aの直鎖状アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。R1、R2及びR3の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
X−としては、例えば、Cl−、Br−、I−等のハロゲンイオン;硫酸イオン、NO3−、OH−、p−トルエンスルホン酸イオン等の陰イオンが挙げられる。ここで、陰イオンが硫酸イオン等の2価である場合、一般式(A)で表される構造単位2個に対して、陰イオン1個が結合する。
一般式(A)において、Aは、炭素数が1のアルキレン基が好ましく、R2及びR3は、メチル基であることがより好ましい。さらに、4級アンモニウム塩基としては、R1が、メチル基であるトリメチルアンモニウム塩基(I型強塩基性陰イオン交換樹脂)、またはR1が、ヒドロキシエチル基であるジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩基(II型強塩基性陰イオン交換樹脂)がより好ましい。
本発明において使用する陰イオン交換樹脂のより具体的な一例としては、例えば、ダウ・ケミカル社のデュオライト(登録商標)A109D、A113MB、A113LF、A116、A116LF、A161JCL、A162LF、IMACHP555;アンバーライト(登録商標)IRA400J、IRA402BL、IRA900J、IRA458RF、IRA910CT、IRA958、IRA410;ダウエックス(登録商標)MARATHON A、MARATHON MSA、550A、22、MSA−2、MARATHON A2;三菱化学株式会社のダイヤイオン(登録商標)SA10A、SA11A、SA12A、SA20A、PA312、SA316、SA318L、PA412、PA418;ランクセス社のレバチット(登録商標)MonoPlusM500、MonoPlusM800、MonoPlusMP800、MonoPlusM600、MonoPlusMP600;ピュロライト社のピュロライト(登録商標)A200、A300、A400、A500、A600、A520E等を挙げることができる。
前記陰イオン交換樹脂の形状も粒子状であれば特に限定されるものではないが、例えば、球形、破砕状等である。また、平均粒子径も特に限定されるものではないが、例えば、0.1mm〜2mmの陰イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
本発明に使用する陰イオン交換樹脂は、上述したような市販の換樹脂を用いてもよいし、従来公知の陰イオン交換樹脂の製造方法により製造してもよい。例えば、スチレン系樹脂を樹脂母体とする強塩基性陰イオン交換樹脂は、樹脂母体に例えばクロロメチル基等のハロアルキル基を導入し、これに公知の方法で3級アミンを反応させる方法により製造することができる。
本発明の再生方法は、水の精製用に用いられる陰イオン交換樹脂に好適に用いることができる。ここで、水の精製には、水道水、湧水、工業用水、農業用水、河川水、井戸水、地下水の精製が含まれる。本発明の再生方法によれば、再生された陰イオン交換樹脂を用いて水の精製を行ったときに、陰イオン交換樹脂再生後の初期から、処理液のpHを、水道水の水質基準である5.8〜8.6の範囲内、さらには6〜8の範囲内に調整することができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)陰イオン交換樹脂のコンディショニング
スチレン系の陰イオン交換樹脂であるA116LF(販売元:住化ケムテックス株式会社)をカラムに充填した。カラムに充填した陰イオン交換樹脂の容量は50mlであった。この陰イオン交換樹脂に、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mLを約45分通液後、イオン交換水500mlで約15分洗浄を行った。その後、5%塩化ナトリウム水溶液500mlを約1.5時間通液し、イオン交換水500mlで約30分洗浄を行った。
(1)陰イオン交換樹脂のコンディショニング
スチレン系の陰イオン交換樹脂であるA116LF(販売元:住化ケムテックス株式会社)をカラムに充填した。カラムに充填した陰イオン交換樹脂の容量は50mlであった。この陰イオン交換樹脂に、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mLを約45分通液後、イオン交換水500mlで約15分洗浄を行った。その後、5%塩化ナトリウム水溶液500mlを約1.5時間通液し、イオン交換水500mlで約30分洗浄を行った。
(2)陰イオン交換樹脂の再生
イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び7.5gの炭酸ナトリウムを溶解させ、(1)にてコンディショニングを行った陰イオン交換樹脂に、30分通液させた。その後、約250mlのイオン交換水で洗浄を行った。
イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び7.5gの炭酸ナトリウムを溶解させ、(1)にてコンディショニングを行った陰イオン交換樹脂に、30分通液させた。その後、約250mlのイオン交換水で洗浄を行った。
(3)標準液の作製
15Lのイオン交換水に、塩化カルシウム0.7g、硫酸ナトリウム0.7g、炭酸水素ナトリウム0.6g、硝酸ナトリウム0.5gを溶解させた。作製した標準液のpHは7.3であった。
15Lのイオン交換水に、塩化カルシウム0.7g、硫酸ナトリウム0.7g、炭酸水素ナトリウム0.6g、硝酸ナトリウム0.5gを溶解させた。作製した標準液のpHは7.3であった。
(4)通液試験
標準液を(2)にて再生を行った陰イオン交換樹脂に空間速度(SV)13で通液した。一定時間毎に通液した処理液のpHを測定した。なお、pHの測定は、堀場製作所製のHORIBA F−54を用いて行った。得られた結果を表1に示す。
標準液を(2)にて再生を行った陰イオン交換樹脂に空間速度(SV)13で通液した。一定時間毎に通液した処理液のpHを測定した。なお、pHの測定は、堀場製作所製のHORIBA F−54を用いて行った。得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〕
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び1.5gの炭酸ナトリウムを溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び1.5gの炭酸ナトリウムを溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
〔実施例3〕
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び0.15gの炭酸ナトリウムを溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウム及び0.15gの炭酸ナトリウムを溶解させたこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例1〕
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウムのみを溶解させ、炭酸ナトリウムを加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの塩化ナトリウムのみを溶解させ、炭酸ナトリウムを加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例2〕
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの炭酸ナトリウムのみを溶解させ、塩化ナトリウムを加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
「(2)陰イオン交換樹脂の再生」の工程で、イオン交換水150mlに15gの炭酸ナトリウムのみを溶解させ、塩化ナトリウムを加えなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、一連の操作を行い、通液試験を実施した。得られた結果を表1に示す。
本発明に係る陰イオン交換樹脂の再生方法によれば、再生された陰イオン交換樹脂を使用して水を処理して得られる処理液のpHを6.0〜8.0の範囲内に制御することができる。それゆえに、水の精製において、通液初期から採水が可能となり、単位樹脂量当たりの採水量を増加することができる。また、排水の処理にかかる費用も減らすことができることから、コスト的に非常に有用である。また、再生剤を長期保存しても固結が抑制され、保存期間に関係なく再生液を容易に作製することができる。
Claims (5)
- 陰イオン交換樹脂を再生液と接触させることにより再生する方法において、該再生液として、弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含み、且つハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩を1種類以上含む水溶液を用いることを特徴とする陰イオン交換樹脂の再生方法。
- 前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の塩基解離定数(pKb)が、1〜12であることを特徴とする、請求項1に記載の陰イオン交換樹脂の再生方法。
- 前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度が、前記再生液中の水に対して、0.1重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の陰イオン交換樹脂の再生方法。
- 前記ハロゲン化物イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩の濃度が、前記再生液中の水に対して、1重量%〜20重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の陰イオン交換樹脂の再生方法。
- 前記弱酸由来の陰イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとからなる塩が、炭酸塩または重炭酸塩であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の陰イオン交換樹脂の再生方法。
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