JP2941988B2 - 原水中の硝酸イオンの除去方法 - Google Patents

原水中の硝酸イオンの除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原水中の硝酸イオンを
除去して飲料に適した水とする方法に関し、特に、陰イ
オン交換樹脂を充填した硝酸イオン除去塔を使用する原
水中の硝酸イオンの除去方法において、該陰イオン交換
樹脂の再生を新規な手段で行うことを特徴とする方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】飲料水中の硝酸性窒素(硝酸イオン)
は、乳児の体内で亜硝酸に変化し、この亜硝酸の作用に
よりヘモグロビンがメトヘモグロビンになり、乳児がチ
アノーゼ症状を示す原因となる。また、かかる亜硝酸
が、アミン類と結合して発癌性の有るニトロソアミンに
変化する。人の健康に対する硝酸性窒素の上記のような
影響を配慮して、飲料水中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒
素濃度は、水質基準に関する省令(昭和53年8月31日厚
生省令第56号)によると10mg/l以下であることとされて
いる。
【0003】近年、急激な都市化に伴う家庭雑排水の地
下への浸透の増加、畑等に施す窒素肥料の影響等の原因
により、地下水中の硝酸イオン量が増加していることが
判ってきた。従って、地下水等を飲料水とする場合、上
記の水質基準を満足させるための処理を必要とする場合
が多くなってきた。
【0004】硝酸イオンは、原水の煮沸や活性炭による
吸着によっては原水中から除去できない。最も効果的な
のは、陰イオン交換樹脂によって原水中の硝酸イオンを
他のイオン、例えば塩化物イオンと交換し、除去するこ
とである。
【0005】陰イオン交換樹脂は、交換基の末端を陰イ
オン、特に純水を作る場合はOHイオンとして使用する
が、飲料水の場合にOH形陰イオン交換樹脂を使用する
と、OHイオンが処理水中に増加し、pHが上昇し、飲料
水の水質基準に関する前記省令のpH上限である8.6 を
オーバーしてしまう。そこで、陰イオン交換樹脂を用い
て硝酸イオンを除去する場合は、一般的には陰イオン交
換樹脂の末端を炭酸水素イオン(HCO3 - )や塩化物イオ
ン(Cl- )にして使用し、塩基の増加に伴うpHの変化
を無くしている。再生剤としては、炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3)や塩化ナトリウム(NaCl)が代表的である。
特に、価格の面から塩化ナトリウムが有利に用いられ
る。
【0006】次ぎに、代表的な硝酸イオン除去装置を、
添付図面を参照しつつ説明する。
【0007】図3及び図4は、いづれも中型から大型の
硝酸イオン除去装置を示すもので、硝酸イオン除去塔1
(以下、「硝酸除去塔」と言う)の下方には樹脂を支持
分離するための目板等の支持機構2の上に陰イオン交換
樹脂3が充填されている。なお、上記両図においては、
対応部材には両図共通の参照符号を付している。
【0008】図3の硝酸イオン除去装置の場合は、水道
原水は入口弁WI から流入し、出口弁WO から流出する
過程で処理され、陰イオン交換樹脂が硝酸イオンの破過
点を越えた時点で、例えば、塩化ナトリウムを水に溶解
した塩化ナトリウム水溶液(5〜10重量%)を再生剤と
して再生剤流入弁GI を経由して陰イオン交換樹脂3の
下方より上方へ通液させ、硝酸イオン等の陰イオンを塩
化物イオンとイオン交換し(樹脂再生し)、上方の再生
剤廃液出口弁GO を経由して再生剤廃液を排出する。こ
の方式は、上向きに再生剤を流して樹脂再生を行うの
で、上向(上昇)流再生と言う。上記の操作により陰イ
オン交換樹脂は再生されるので、その後、原水を硝酸イ
オン除去装置に通水すれば、原水からの硝酸イオン除去
を行うことができる。
【0009】図4の硝酸イオン除去装置の場合、原水は
入口弁WI から流入し、出口弁WO から流出する過程で
処理されることは図1の場合と同じであるが、再生工程
の再生剤の流れの方向が異なる。即ち、再生剤は硝酸除
去塔の上部に設けられた再生剤流入弁GI から流入さ
せ、陰イオン交換樹脂3の上部から下方に再生剤の通液
を行い、再生剤廃液出口弁GOから再生剤廃液を排出す
る。この方式は、下向きに再生剤を流して樹脂再生を行
うので、下向(下降)流再生と言う。
【0010】その他、小型の硝酸イオン除去装置として
は、目板等の支持機構を設けずに陰イオン交換樹脂を充
填した硝酸除去塔の中に、インナーパイプを挿入し、イ
ンナーパイプの下端に設けた集水用ストレーナー(スク
リーン)を通して、処理水の外部への排水及び再生剤廃
液の排出を行うタイプも有る。
【0011】陰イオン交換樹脂を用いて硝酸イオン含有
水を処理する場合の陰イオン交換樹脂の一特性としての
陰イオン選択性は、HCO3 - <Cl- < NO3 - < SO4 2-の順
である。原水中の硝酸イオン除去方法の代表的なものと
して、塩化ナトリウムで再生した塩化物イオン形の陰イ
オン交換樹脂(以後、Cl形陰イオン交換樹脂と称する)
を用いる方式が有るが、これは、かかる陰イオン選択性
に基づく陰イオン交換樹脂との各種イオンの親和性(選
択係数)の差を利用したものである。
【0012】上記のように、原水中の硫酸イオン(SO4
2- )や硝酸イオン( NO3 - )等は、塩化物イオン(Cl
- )より陰イオン交換樹脂に対する親和力が強く、これ
らが吸着されて、代わりに塩化物イオンが放出される反
応が進行し、処理水が前記水質基準を満たすことが可能
となる。
【0013】一方、原水中の炭酸水素イオンは、硫酸イ
オンや硝酸イオン等と比べ陰イオン交換樹脂に対する親
和力が弱いが、陰イオン交換樹脂が再生された直後、即
ちCl形の存在比率が高くHCO3形の存在比率が低い時に限
り、Cl形の陰イオン交換樹脂とイオン交換し、処理水中
より減少する。
【0014】しかし、炭酸水素イオンは陰イオン交換樹
脂に対する親和力が弱いため、HCO3形樹脂の存在比率ガ
増加すると間もなく陰イオン交換樹脂は炭酸水素イオン
を吸着しなくなるので、処理水中の炭酸水素イオンの濃
度は原水のそれと殆ど同じとなり、処理水のpHは該原
水のpH値に近くなる。
【0015】一般的な水(炭酸水素イオンと二酸化炭素
が共存する場合)のpHは、下記式の如く水中に存在す
る炭酸水素イオンと二酸化炭素(CO2 )との比率に依存
している。 pH = 6.35 + log ・HCO3 - / CO2 HCO3 - / CO2の比が10の時はpH=7.35、1の時はpH
=6.35、0.1 の時はpH=5.35となり、該比率が1/10
に減少する毎にpHは1ずつ減少する。
【0016】そこで、塩化ナトリウムを用いて再生した
直後の陰イオン交換樹脂に硝酸イオン含有原水を通水す
ると、該原水中の炭酸水素イオンが陰イオン交換樹脂の
塩化物イオンとイオン交換され、処理水中の炭酸水素イ
オンの量が急速に減少し、一方二酸化炭素の量はイオン
交換され無いので変わらず、処理水のHCO3 - / CO2の比
が小さくなり〔処理水中の炭酸水素イオン(アルカリ度
に寄与する)と遊離炭酸の平衡がくずれる〕、pHが前
記省令の水質基準のpH基準範囲の下限5.8 以下にな
り、飲料水として不適となる。
【0017】
【発明が解決しようとする問題点】そこで、従来このよ
うなCl形陰イオン交換樹脂を用いて硝酸イオンを除去す
る方法において、原水の通水初期の処理水のpH低下を
何らかの手段で相殺し、通水初期の処理水のpHも飲料
水の基準範囲内に収める方法の例としては、処理水槽を
大きくして、pH上昇後の後半処理水と低pHの前半処
理水とを同一処理水槽内で混合して飲料水のpH基準範
囲内に収める方法や、硝酸除去塔を複数として各塔にお
ける処理の時間帯を移動し、各塔の処理水を混合して使
用する方法(特開昭第63-72392号公報)等が有るが、設
備コストが大幅に上昇する等の欠点が有る。
【0018】本発明は、かかる状況に鑑みて成されたも
ので、その目的は、陰イオン交換樹脂を充填した硝酸除
去塔を使用する原水中の硝酸イオンの除去方法におい
て、通水初期の処理水のpH低下を少なくし、しかもか
かる方法における設備コストを含めた処理のトータルコ
ストを低下させることを可能とするような原水中の硝酸
イオンの除去方法を提供することである。
【0019】
【問題点を解決するための手段】本発明は、陰イオン交
換樹脂を充填した硝酸除去塔に硝酸イオン含有原水を通
水させ、前記原水中の硝酸イオンと陰イオン交換樹脂の
陰イオンを交換し、前記硝酸イオンを前記原水から除去
する原水中の硝酸イオンの除去方法において、前記陰イ
オン交換樹脂の再生を海水により行うことを特徴とする
原水中の硝酸イオンの除去方法を提供するものである。
【0020】本発明の方法は、前述した上向流再生、下
向流再生、その他の再生方式に採用でき、原水処理−樹
脂再生のサイクルを繰り返すことにより実施することが
できる。また、本発明の方法に使用する陰イオン交換樹
脂のイオン形は、少なくとも1回の再生も受けていない
状態では、特にCl形に限られることは無いが、海水で再
生された後は、必然的に海水中の陰イオン組成に基づい
たCl形を主とした一定のイオン形となる。
【0021】
【作用】本発明の方法で使用する海水は、3重量%近く
の塩化ナトリウムを含んでいるので、これを従来の再生
剤中の塩化ナトリウムの代用とすることができる。
【0022】更に、海水は炭酸水素ナトリウムを含有し
ているため、陰イオン交換樹脂を海水で再生すると、陰
イオン交換樹脂の形はR-HCO3 -及びR-Cl- (但し、R
は、陰イオン交換樹脂の末端陰イオンの対イオン)の混
合形となる。次ぎに、かかる再生後の陰イオン交換樹脂
に硝酸イオン含有原水を通水すると、陰イオン交換樹脂
の一部が既にHCO3 - で交換されているので、該原水中の
HCO3 - はそれ程イオン交換を受けない。
【0023】つまり、塩化ナトリウム水溶液により再生
した陰イオン交換樹脂の場合は、原水の通水初期の処理
水のpHの低下が見られたが、海水で再生した陰イオン
交換樹脂の場合は、通水初期から処理水中に炭酸水素イ
オンが存在し、そのためHCO3 - / CO2の比がそれ程小さ
くならないためにpH低下は大幅で無く、たとえpHが
低下してもその処理水は通水初期から水質基準のpH基
準範囲内となる。
【0024】
【実施例】次ぎに、添付図面を参照しつつ、比較例と対
比して、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発
明が実施例に限定されるもので無いことは言うまでも無
い。
【0025】実施例1及び比較例1 本実施例に使用した実験装置の概略のフローチャートを
図5に示す。この装置は、合成水を貯留する原水タンク
21、イオン交換反応を行わせるイオン交換樹脂カラム
22、海水を貯留する再生剤タンク23、オートサンプ
ラー24、モニター用のセンサー25、変換器26、コ
ンピューター27、原水ポンプP1、再生剤ポンプP
2、更に各単位装置を結ぶチューブ等より構成されてい
る。
【0026】内径1.4cm 、断面積1.54cm2 の透明アクリ
ルカラムに強塩基性陰イオン交換樹脂アンバーライト
(登録商標)IRA−400(ローム・アンド・ハース
社製)を樹脂層高80cm、容量で123ml 充填し、イオン交
換樹脂カラム22とする。
【0027】実験の一通水サイクルの手順は、次の通り
である。原水タンク21に原水としての合成水を張り込
み、原水ポンプP1を用いて下向流通水(通水量LV:
65m/h )を行った。処理水側に硝酸イオンがリークし、
イオン交換樹脂カラム22の入口側と出口側の硝酸イオ
ン濃度比(以下、単に「硝酸イオン濃度比」と言う)が
0.5 に達する時点を目安として通水を停止し(実際は、
この硝酸イオン濃度比が0.5 を越え、1に近づいた時点
で、通水停止の場合もある)、次いで再生剤タンク23
から再生剤を再生剤ポンプP2を用いてイオン交換樹脂
カラム22に送り込み、上向流再生(通水量LV:2m/
h)を行った。再生剤廃液は、イオン交換カラム22の
上方の右方に延びる再生剤廃液排出ライン(逆洗ライ
ン)を通じて排出される。なお、オートサンプラー24
により定期的に処理水を採取し、JIS−K−0101
に基づいて処理水中の硝酸イオン濃度を求め、同様に求
めた合成水中の硝酸イオン濃度との比を計算して硝酸イ
オン濃度比を求めた。
【0028】次ぎに、合成水及び海水の組成を表にす
る。
【0029】
【表1】 合成水の水質 合成水 pH 電気伝導度 酸消費量 塩化物 硝酸 硫酸 イオン イオン イオン (試料) μS/cm *2 mgCl/l mgN/l mgSO4/l 1 6.81 340 17 25 11.25 7.61 0.34 0.78 0.80 0.16 *1 2 7.12 300 36 43.0 11.0 9.06 0.72 1.211 0.78 0.19 *1 3 7.88 442 39.0 46.8 11.57 11.74 0.78 1.295 0.82 0.244 *1 4 7.42 368 36.0 39.0 10.05 9.77 0.72 1.098 0.71 0.203 *1 *1: 下段は meq/l *2: mgCaCO3/l 合成水の水質(つづき) 合成水 全陽イオン 硫酸イオン カルシウム マグネシウム /硝酸イオン イオン イオン (試料) *2 SO4/N mgCaCO3/l mgCaCO3/l 1 100 0.20 50 54.0 2 1.00 1.08 *1 2 145 0.243 40.0 46.0 2.91 0.96 0.92 *1 3 157 0.262 57.0 55.0 3.14 1.14 1.10 *1 4 136 0.285 77.0 47.7 2.73 0.88 0.96 *1 *1: 下段は meq/l *2: mgCaCO3/l
【0030】
【表2】 海水水質分析値 試験項目 試験結果 pH(25℃) 7.79 (25) 炭酸水素イオン 112 mgCaCO3/l 硝酸イオン 0.3 mgN/l以下 硫酸イオン 2.58 gSO4/l 塩化物イオン 17.8 gCl/l カルシウムイオン 780 mgCaCO3/l マグネシウムイオン 25.4 mgCaCO3/l ナトリウムイオン 21.7 gCaCO3/l カリウムイオン 260 mgK/l 全陽イオン 27.8 gCaCO3/l
【0031】合成水は、硝酸イオン濃度を12mg/lに設定
することを目標に、また硫酸イオンと硝酸イオンとの比
を0.25に設定することを目標に調整した。この様にして
調整した合成水の実際の分析値が表1に挙げられている
数字である。
【0032】海水の塩化物イオン濃度は17.8g/l であっ
た。塩化ナトリウムに換算すると2.97gNaCl/l である。
【0033】上記一通水サイクルの手順に従い、次の様
な通水実験を行った。まず合成水1をイオン交換樹脂カ
ラム22に通水し、前記硝酸イオン濃度比を目安に通水
停止後、塩化ナトリウム 250g/l-樹脂を濃度5重量%の
塩化ナトリウム水溶液として通液し、陰イオン交換樹脂
を再生した。次ぎに、合成水2をイオン交換樹脂カラム
22に通水し、この通水時のデータを基にして図2の漏
出曲線を描き、陰イオン交換樹脂の塩化ナトリウム再生
の結果とした。
【0034】続いて、合成水3をイオン交換樹脂カラム
22に通水し、前記硝酸イオン濃度比を目安に通水停止
後、海水8.5 l/l-樹脂(塩化ナトリウム 252g/l-樹脂に
相当する)で陰イオン交換樹脂を再生した。続いて、合
成水4をイオン交換樹脂カラム22に通水し、この通水
時のデータを基にして図1の漏出曲線を描き、陰イオン
交換樹脂の海水再生の結果とした。
【0035】図1と図2から、次のようなことが分か
る。両図において、白丸印の付された曲線はpH曲線で
あり、黒丸印の付された曲線は酸消費量曲線であり、×
印の付された曲線は硝酸イオン量曲線である。
【0036】陰イオン交換樹脂の塩化ナトリウム再生の
場合、前記硝酸イオン濃度比を目安とする通水倍量は 1
000 l/l-樹脂、硝酸イオン交換容量は 800meg/l-樹脂で
あった。一方、陰イオン交換樹脂の海水再生の場合、前
記硝酸イオン濃度比を目安とする通水倍量は864 l/l-樹
脂、硝酸イオン交換容量は 613meg/l-樹脂であった。
【0037】陰イオン交換樹脂の塩化ナトリウム再生の
場合、通水初期にpH値が7.79から5.56まで低下したの
に対し、陰イオン交換樹脂の海水再生の場合、通水初期
のpH値低下は7.84から6.13に落ちたのに留まり、通水
初期pH低下の挙動は海水再生の場合の方が緩やかであ
った。
【0038】また、陰イオン交換樹脂の塩化ナトリウム
再生の場合、初期の通水が通水倍量80に達するまでは、
飲料水の水質基準に規定されるpH基準下限5.8 を下回
った。これに対し、陰イオン交換樹脂の海水再生の場合
は、通水初期にpH低下が有るものの飲料水の水質基準
のpH基準範囲内でのpH変動であった。
【0039】なお、塩化ナトリウム再生、海水再生のい
づれの場合も、硝酸イオンのコンスタントリークは、0.
1mgN/l以下であった。
【0040】また、いづれの場合も、硫酸イオンは硝酸
の漏出曲線に見られる破過点に対応する通水倍量に達す
るまでは漏出してこなかった。
【0041】pHと酸消費量は、通水初期に低下した
後、急速に上昇し、その後なだらかに上昇する傾向を示
した。ここで酸消費量とは、pH4.8 で変色する指示薬
(メチルレッド混合指示薬)を用い、1/50規定の希硫酸
で処理水を滴定した場合の硫酸消費量をmgCaCO3/l に換
算した値で、炭酸水素イオン量を示すものである。
【0042】
【効果】本発明の方法により陰イオン交換樹脂の再生を
海水を用いて行えば、処理水のpHが飲料水の水質基準
のpH基準値範囲下限を下回る程に低下すること無く、
原水を硝酸除去塔に通水した場合において、その通水初
期から飲料水として使える処理水を得ることができる。
【0043】塩化ナトリウムを溶解するための附帯設備
が不要であるとともに、陰イオン交換樹脂の再生剤とし
て海水を使用するので、原水の処理トータルコストが極
めて低い。特に日本は、海に囲まれており、海岸線が長
く、また島が多いことも海水の入手を容易にし、本発明
の方法が有利に利用できる状況となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による実施例1において、海水に
よる陰イオン交換樹脂の再生後、イオン交換樹脂カラム
に原水を通水した時の漏出曲線を示す図である。
【図2】比較例1において、塩化ナトリウム水溶液によ
る陰イオン交換樹脂の再生後、イオン交換樹脂カラムに
原水を通水した時の漏出曲線を示す図である。
【図3】上向流再生方式の硝酸除去塔の説明図である。
【図4】下向流再生方式の硝酸除去塔の説明図である。
【図5】実施例1及び比較例1において使用した実験装
置の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 硝酸除去塔 2 支持機構 3 陰イオン交換樹脂 21 原水タンク 22 イオン交換樹脂カラム 23 再生剤タンク 24 オートサンプラー 25 センサー 26 変換器 27 コンピューター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/42 B01J 49/00 C02F 1/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン交換樹脂を充填した硝酸イオン
    除去塔に硝酸イオン含有原水を通水させ、前記原水中の
    硝酸イオンと陰イオン交換樹脂の陰イオンを交換し、前
    記硝酸イオンを前記原水から除去する原水中の硝酸イオ
    ンの除去方法において、前記陰イオン交換樹脂の再生を
    海水により行うことを特徴とする原水中の硝酸イオンの
    除去方法。
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