JP2017098448A - 窒化物半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体装置の製造方法 Download PDF

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耕一郎 藤田
順一郎 小山
Junichiro Koyama
順一郎 小山
福見 公孝
Kimitaka Fukumi
公孝 福見
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Abstract

【課題】高温高電圧ストレス試験においてもオン抵抗が増加しない窒化物半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物半導体装置の製造方法は、第1窒化物半導体層(103)と、第1窒化物半導体層(103)とは組成が異なる第2窒化物半導体層(104)とのヘテロ界面に2次元電子ガスを発生する窒化物半導体積層体(105)を形成する工程と、窒化物半導体積層体(105)の表面上に、酸素プラズマ処理を行う工程と、酸素プラズマ処理を行った窒化物半導体積層体(105)の熱処理を行う工程と、酸素プラズマ処理と熱処理を行った窒化物半導体積層体(105)の表面上に、SiHガス,NHガスおよびNガスを流す工程と、上記SiHガス,NHガスおよびNガスを流す工程の後、その工程に引き続いて、窒化物半導体積層体(105)の表面上に、窒化シリコンから成る絶縁膜(108)を形成する工程とを有する。
【選択図】図11

Description

この発明は、窒化物半導体装置、特に電界効果トランジスタの製造方法に関する。
従来、組成の異なる複数の層からなる窒化物半導体積層構造のヘテロ界面に発生する2次元電子ガス(2DEG)を利用した電界効果トランジスタでは、電圧印加時にオン抵抗が変動する電流コラプスと呼ばれる現象が発生することが知られている。この電流コラプスを改善するために、これまでに様々な提案がなされている。
例えば、特開2007−27276号公報(特許文献1)に開示された半導体素子の製造方法がある。この特許文献1に開示された半導体素子の製造方法においては、AlGaN/GaNのヘテロ構造層の上側表面に対してOプラズマ照射することにより、表面クリーニングを行うことによって、上記電流コラプス抑制効果を高めることができるとされている。
また、特開2010−232452号公報(特許文献2)に開示された化合物半導体装置の製造方法がある。この特許文献2に開示された化合物半導体装置の製造方法においては、化合物半導体積層構造上に第1の絶縁膜を形成し、上記第1の絶縁膜の表面に、酸素原子または窒素原子の少なくとも一方を上記第1の絶縁膜よりも多く含む第2の絶縁膜を形成することによって、電流コラプスを引き起こす電子のトラップを低減することができるとされている。
さらに、上記特許文献2には、上記第2の絶縁膜を形成する方法として、上記第1の絶縁膜の表面を酸素プラズマまたは窒素プラズマに曝す工程が開示されている。
特開2007−27276号公報 特開2010−232452号公報
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2に開示された従来の半導体装置においては、以下のような問題があることがわかった。
すなわち、上述したように窒化物半導体積層構造の表面上にOプラズマ照射を行ったり、SiN膜を成膜した後に窒素プラズマに曝す工程を行ったりしても、150℃の環境温度の下、600Vの電圧を100時間印加するような高温高電圧ストレス試験を実施すると、オン抵抗が増加するという問題が確認された。
そこで、この発明の課題は、高温高電圧ストレス試験においてもオン抵抗が増加しない窒化物半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の窒化物半導体装置の製造方法は、
第1窒化物半導体層と、上記第1窒化物半導体層とは組成が異なる第2窒化物半導体層とを含み、上記第1窒化物半導体層と上記第2窒化物半導体層とのヘテロ界面に2次元電子ガスを発生する窒化物半導体積層体を形成する工程と、
上記窒化物半導体積層体の表面上に、酸素プラズマ処理を行う工程と、
上記酸素プラズマ処理を行った上記窒化物半導体積層体の熱処理を行う工程と、
上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流す工程と、
上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程の後、その工程に引き続いて、上記窒化物半導体積層体の表面上に、窒化シリコンから成る絶縁膜を形成する工程と
を有することを特徴とする。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程の前に、上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体の表面上に、NHプラズマ処理、Nプラズマ処理、またはNHガスとNガスの混合プラズマ処理を行う工程を有することを特徴とする。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程において、次の上記窒化シリコンから成る絶縁膜を形成する工程と同じガスを流すことを特徴とする。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記窒化物半導体積層体の熱処理を行う工程において、上記熱処理の温度が、500℃以上かつ850℃以下であることを特徴とする。
以上より明らかなように、この発明によれば、高温高電圧ストレス試験においてもオン抵抗が増加しない窒化物半導体装置の製造方法を実現することができる。
上記窒化物半導体装置の製造方法を用いた半導体素子に対して高温高電圧ストレス試験を行った場合に、試験後のオン抵抗を試験前のオン抵抗の1.2倍以下にすることができる。
この発明の第1実施形態である窒化物半導体HFETの製造工程における断面図である。 図1に続く工程における断面図である。 図2に続く工程における断面図である。 図3に続く工程における断面図である。 図4に続く工程における断面図である。 図5に続く工程における断面図である。 図6に続く工程における断面図である。 図7に続く工程における断面図である。 図8に続く工程における断面図である。 図9に続く工程における断面図である。 図10に続く工程における断面図である。 この発明の製造方法を適用した窒化物半導体HFETの高電圧短時間ストレス試験によるオン抵抗変動率を示す図である。 この発明の製造方法を適用した窒化物半導体HFETの高温高電圧ストレス試験によるオン抵抗変動率を示す図である。 この発明の第2実施形態である窒化物半導体HFETの製造工程における断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。尚、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の図面上の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために実際の尺度から適宜変更されており、実際の相対寸法を表してはいない。
〔第1実施形態〕
この発明の第1実施形態の窒化物半導体装置の製造方法の一例としての窒化物半導体HFET(Hetero-junction Field Effect Transistor;ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の製造方法を、図1〜図11に従って説明する。
先ず、図1に示すように、Siからなる基板101上に、MOCVD(有機金属気相成長)法を用いて、アンドープAlGaNからなるバッファ層102と、アンドープGaNからなるチャネル層103と、アンドープAlGa1−xN(0<x<1)からなるバリア層104とを、この順序で積層して形成する。
上記チャネル層103は、第1窒化物半導体層の一例であり、バリア層104は、第1窒化物半導体層と組成の異なる第2窒化物半導体層の一例である。
尚、AlGa1−xNにおけるAl混晶比xは、この第1実施形態においては、x=0.17としている。さらに、この第1実施形態においては、チャネル層103とバリア層104とで窒化物半導体積層体105を構成し、バリア層104の層厚を30nmとしている。チャネル層103とバリア層104とのヘテロ界面に、2DEG(2次元電子ガス)106が発生する。
このとき、チャネル層103とバリア層104との間に、例えばAlNからなるヘテロ改善層を形成してもよい。また、GaNチャネル層103に替えて、AlGaNバリア層104よりもバンドギャップの小さい組成を有するAlGaN層を用いてもよい。さらに、AlGaNバリア層104上に、キャップ層として、例えばGaNからなる約1nmの厚さの層を設けてもよい。キャップ層を設けた場合、窒化物半導体積層体105は、チャネル層103、バリア層104およびキャップ層から構成される。
次に、図2に示すように、第1工程として、窒化物半導体積層体105の表面上に、酸素プラズマ処理を行う。この第1実施形態においては、バレル式のアッシング装置を用いて、RFパワー1000W、圧力800mTorr、酸素流量900sccmにて4分間の酸素プラズマ処理を行った。この第1工程により、窒化物半導体積層体105の表面が薄い酸化層107に改質される。
次に、図示しないが、第2工程として、酸素プラズマ処理を行った窒化物半導体HFETの熱処理(アニール)を行う。この第1実施形態においては、拡散炉を用い、窒素雰囲気中にて、温度750℃にて10分間行った。
上記第2工程の熱処理温度は、500℃以上かつ850℃以下が望ましい。500℃未満では、後に述べる高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を抑制する効果が小さく、また850℃を超えると、高電圧ストレス時のリーク電流が増加するためである。
次に、図3に示すように、第3工程として、酸素プラズマ処理と熱処理を行った窒化物半導体積層体105の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流す。この第3工程は、プラズマCVD(化学的気相成長)装置内で行う。この第1実施形態においては、SiHガス(15sccm)、NHガス(50sccm)、およびNガス(370sccm)を30秒間流した。このとき、圧力は0.9Torr、温度は225℃としたが、この後に続いて行う絶縁膜の成膜圧力、および成膜温度と同じ温度とすればよい。
続いて、図4に示すように、上記第3工程において設定したガス流量、圧力、温度の状態のままで、RFプラズマを立てて、SiN(窒化シリコン)からなる第1絶縁膜108を、プラズマCVD法によって成膜する。この第1実施形態においては、RFパワーを50Wとし、上記第1絶縁膜108として、Si‐H結合量が2×1021cm−3であり、N−H結合量が4×1021cm−3であり、屈折率が1.91であり、比誘電率が7.2であるSiN膜を成膜した。また、第1絶縁膜108の厚みを10nmとした。この第1絶縁膜108は、Si‐H結合量を6×1021cm−3以下にすることによって、高温高電圧ストレス試験によるリーク電流の増加を抑制できる。
尚、上記第1絶縁膜108の屈折率は、同じ条件で成膜した単層膜をエリプソメトリでかつ波長633nmで測定することによって得られた値である。また、比誘電率は、同じ条件で成膜した単層膜をメタルで挟んで作成した構造体を、100kHzの周波数で測定した容量値から算出した値である。後述する実施の形態において用いる第2絶縁膜および第3絶縁膜の屈折率および比誘電率の場合も同様にして求めている。
また、上記第1絶縁膜108のSi−H結合量とN−H結合量は、同じ条件で成膜した単層膜をFT−IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy;フーリエ変換赤外分光光度計)によって測定し、ピーク面積と参考文献1に記載の変換式から算出することによって得られた値である。後述する実施の形態において用いる第2絶縁膜および第3絶縁膜のSi−H結合量およびN−H結合量の場合も同様にして求めている。
〔参考文献1〕ダブル・エー・ランフォード(W.A.Lanford)、エム・ジェイ・ランド(M.J.Rand) 共著、「プラズマ蒸着された窒化ケイ素の水素含有量(The hydrogen content of plasma-deposited silicon nitride)」、応用物理学会誌(J.Appl.Phys.)、第49巻(Vol.49)、第4号(No.4)、1978年4月(April 1978)、p2473-p2477
続いて、図5に示すように、第2絶縁膜109となるSiN(窒化シリコン)膜を、プラズマCVD法によって成膜する。この第1実施形態においては、上記第2絶縁膜109として、Si‐H結合量が6×1021cm−3であり、N−H結合量が1×1021cm−3であり、屈折率が1.99であり、比誘電率が7.8であるSiN膜を用いている。また、第2絶縁膜109の厚みを20nmとしている。
このように、上記第1絶縁膜108上を、この第1絶縁膜108よりもSi‐H結合量の多い第2絶縁膜109で覆うことによって、この後のフォトリソグラフィ工程にて行われるレジスト剥離の際における薬液処理やプラズマ処理によって第1絶縁膜108が改質することを防止することができる。
次に、図5に示す状態において、800℃で60分のアニール(熱処理)を窒素雰囲気中で行う。このアニール処理によって、第1絶縁膜108中の水素が脱離して、Si‐H結合量が低下し、第1絶縁膜108のSi‐H結合量が2×1021cm−3となる。
なお、このアニール温度は、一例として800℃としたが、第1絶縁膜108のSi−H結合量を6×1021cm−3以下とするためには600℃以上であればよい。しかし、第1絶縁膜108を800℃以上でアニールすることによって、後述する高電圧短時間ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくする効果も得られる。
次に、図6に示すように、上記第2絶縁膜109上に、一般的に用いられるフォトリソグラフィ工程によるレジストパターン形成を行った後に、例えばバッファード弗酸(BHF)を用いたウェットエッチングによって、第1絶縁膜108および第2絶縁膜109に第1開口部110を形成する。
次に、図7に示すように、上記第2絶縁膜109上に、第3絶縁膜111となるSiN膜を、プラズマCVD法によって成膜する。この第1実施形態においては、上記第3絶縁膜111として、Si‐H結合量が2×1021cm−3であり、N−H結合量が1.3×1022cm−3であり、屈折率が1.87であり、比誘電率が6.8であるSiN(窒化シリコン)膜を用いている。また、第3絶縁膜111の厚みを150nmとしている。第3絶縁膜111の成長温度は、一例として225℃としているが、100℃〜400℃の範囲内で他の温度に設定してもよい。
上記第3絶縁膜111は、第2絶縁膜109よりもSi‐H結合量が少ないため、絶縁性が高く、ゲート電極115(図9に示す)からのリーク電流を低減する機能を有している。
次に、図8に示すように、上記第3絶縁膜111上に、一般的に用いられるフォトリソグラフィ工程によるレジストパターン形成を行った後、例えば上記BHFを用いたウェットエッチングによって、第3絶縁膜111上における第1開口部110の個所に第2開口部112を形成する。
その場合、上記第3絶縁膜111のウェットエッチングレートが、アニールされた第2絶縁膜109のウェットエッチングレートよりも速いため、第2開口部112内には、第1開口部110の縁で成る段差形状113が形成される。
次に、図8に示す状態において、680℃で60分のアニール(熱処理)を窒素雰囲気中で行う。このアニール処理によって、SiN膜中の水素が脱離して、Si‐H結合量が低下し、第3絶縁膜111のSi‐H結合量が2×1021cm−3となるのである。
次に、図9に示すように、上記第3絶縁膜111上および第1,第2開口部110,112内にSiNからなるゲート絶縁膜114をプラズマCVD法によって成膜し、続いて、WNをスパッタリングし、一般的に用いられるフォトリソグラフィ工程によるレジストパターン形成を行った後、ドライエッチングを用いてゲート電極115を形成する。この第1実施形態においては、一例として、ゲート絶縁膜114の抵抗率が、4×10Ωcmであり、ゲート絶縁膜114の膜厚が20nmである。
このようなゲート絶縁膜114を窒化物半導体積層体105とゲート電極115との間に設けることによって、耐圧の向上とゲートリーク電流の低減が可能である。ゲート絶縁膜114の抵抗率が、1×1011Ωcmを超えると、耐圧が急減する。また、ゲート絶縁膜114の抵抗率が、1×10Ωcmを下回ると、ゲートリーク電流が増大する。よって、ゲート絶縁膜114の抵抗率は、10Ωcmから1011Ωcmである半絶縁膜とすることが望ましい。
ゲート絶縁膜114の膜厚が大きいと、この窒化物半導体HFETをオフするためにゲート電極115に印加する負電圧が大きくなり、そのために大きな電圧をもつ負電源が必要になる。あるいは、ゲート絶縁膜114の膜厚が大きいと、この窒化物半導体HFETをオンするためにゲート電極115の電圧をゼロにしたとき、飽和電流が大きくなり、短絡耐量が低下する。よって、ゲート絶縁膜114の膜厚は、10nmから40nmが望ましい。
次に、図10に示すように、第3絶縁膜111上およびゲート電極115上に、第4絶縁膜116となるSiO膜を、プラズマCVD法によって成膜する。その後、上記第4絶縁膜116上に、一般的に用いられるフォトリソグラフィ工程によるレジストパターン形成を行った後、例えば上記BHFを用いたウェットエッチングによって、第4絶縁膜116および第3絶縁膜111に開口部を形成する。引き続き、同じレジストパターンを用いて、第2絶縁膜109、第1絶縁膜108およびアンドープAlGaNバリア層104と、アンドープGaNチャネル層103の一部とを、ドライエッチングにより除去して第3開口部117,118を形成する。尚、第4絶縁膜116にはSiN膜を用いてもよく、第4絶縁膜116および第3絶縁膜111に、上記ウェットエッチングに替えてドライエッチングによって上記開口部を形成してもよい。
次に、図11に示すように、上記第4絶縁膜116上および第3開口部117,118内に、スパッタリングによってTi、Al、TiNを順に積層することにより、Ti/Al/TiN積層金属膜を形成する。ここで、TiN層は、後工程からTi/Al層を保護するためのキャップ層である。尚、上記スパッタリングに替えて、Ti、Alを蒸着してもよい。この後、例えば400℃以上且つ500℃以下で10分間以上アニールすることによって、2DEG106と上記Ti/Al/TiN積層金属膜との間にオーミックコンタクトが得られる。その後、一般的に用いられるフォトリソグラフィ工程によるレジストパターン形成を行った後、ドライエッチングによってソース電極119およびドレイン電極120を形成する。こうして、本窒化物半導体HFETが完成する。
発明者等は、上記窒化物半導体積層体105の表面処理方法、および上記窒化物半導体積層体105上に形成する第1絶縁膜108の成膜方法について、種々検討を行った。その結果、上記第1工程の酸素プラズマ処理、上記第2工程の熱処理、および上記第3工程の成膜前処理を用いることによって、高温高電圧ストレス試験によるオン抵抗の増大を抑制できることを見出した。
ここで、上記高温高電圧ストレス試験とは、本窒化物半導体HFETが通常用いられる温度よりも高い温度に保持した状態で、且つスイッチング動作のオフ状態において、本窒化物半導体HFETが通常用いられるオフ電圧よりも高いオフ電圧によって一定時間継続させた後に、オン抵抗の増加を評価する加速試験である。本窒化物半導体HFETをスイッチングデバイスとして使用する際には、上記試験後のオン抵抗が試験前のオン抵抗の1.2倍以下に抑制されることにより、オン抵抗増大による効率の低下や、電力損失の増加によって生じる発熱量の増大が発生しないことが、必須とされている。
最初に、室温にて行った高電圧短時間ストレス試験の結果について述べる。この試験は、本窒化物半導体HFETをオフの状態になるようゲート電圧を設定し、室温の下、ドレイン電極120に600Vの電圧を9分間印加して行った。この試験前後においてHFETのオン抵抗を測定している。この試験は、後に述べる高温高電圧ストレス試験と比較して、弱いストレス条件となっている。
図12は記第1工程、第2工程、第3工程を適用した場合と適用しなかった場合の窒化物半導体HFETのオン抵抗変動率[倍]を示している。
図12から分かるように、上記第1工程、第2工程、第3工程を全て適用した場合と、上記第1工程、第2工程のみ適用した場合に、上記高電圧短時間ストレス試験後のオン抵抗を試験前のオン抵抗の1.2倍以下に抑制することができることが確認できる。
次に、高温高電圧ストレス試験の結果について述べる。この試験は、本窒化物半導体HFETをオフの状態になるようゲート電圧を設定し、150℃の環境温度の下、ドレイン電極120に600Vの電圧を100時間印加して行った。この試験前後においてHFETのオン抵抗を測定している。
図13は上記第1工程、第2工程、第3工程を適用した場合と上記第1工程、第2工程のみ適用した場合の、窒化物半導体HFETの上記高温高電圧ストレス試験によるオン抵抗変動率[倍]を示している。
図13から分かるように、上記第1工程、第2工程、第3工程を全て適用した場合に、上記高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗を試験前のオン抵抗の1.2倍以下に抑制することができ、スイッチングデバイスとして使用可能であることが確認できる。
上記第1工程、第2工程、第3工程を全て適用した場合と、上記第1工程、第2工程のみ適用した場合に、上記高電圧短時間ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできたのは、熱処理された上記窒化物半導体積層体表面の薄い酸化層のためと考えられる。詳細なメカニズムは不明であるが、オン抵抗変動の原因となる電子トラップが減少した等が考えられる。
さらに、上記第1工程、第2工程、第3工程を全て適用した場合に、上記高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできたのは、上記第3工程とSiNからなる上記第1絶縁膜の成膜を連続して行うことにより、上記第1絶縁膜の窒化物半導体積層体界面側に、第1絶縁膜よりもSi組成が少ない層が生じることを防止することができたためと考えられる。これについても詳細なメカニズムは不明であるが、オン抵抗変動の原因となる電子トラップがさらに減少した等が考えられる。
〔第2実施形態〕
この発明の第2実施形態における窒化物半導体HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の製造方法を、図2〜図4および図14に従って説明する。
図14は上記第2実施形態である窒化物半導体HFETの製造工程における断面図を示しており、上記第1実施形態の場合と重複する箇所には、上記第1実施形態の場合と同じ番号を付けて説明は省略し、この第2実施形態の特徴について説明を行う。
この第2実施形態である窒化物半導体HFETは、図2に示すように、窒化物半導体積層体105の表面上に、酸素プラズマ処理を行い、窒化物半導体積層体105の表面を薄い酸化層107に改質する。その後、酸素プラズマ処理を行った窒化物半導体HFETの熱処理(アニール)を行う工程までは、上記第1実施形態と同様である。
次に、図14に示すように、酸素プラズマ処理と熱処理を行った窒化物半導体積層体105の表面上に、NHプラズマ処理を行う。この工程は、プラズマCVD(化学的気相成長)装置内で行う。この第2実施形態においては、RFパワーを50Wとし、NHガス(50sccm)およびNガス(370sccm)を15秒間流した。このとき、圧力は0.9Torr、温度は225℃としたが、この後に続いて行う絶縁膜の成膜圧力、および成膜温度と同じ温度とすればよい。また、この第2実施形態においては、NHガスとNガスの両方を使用したが、NHガスのみ、あるいはNガスのみでも同様の効果が得られる。
次に、上記第1実施形態と同様に、図3に示すように、酸素プラズマ処理と熱処理を行った窒化物半導体積層体105の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流し、続いて、図4に示すように、SiNからなる第1絶縁膜108を、プラズマCVD法によって成膜する。上記第1絶縁膜108の成膜工程以降は、上記第1実施形態と同様である。
上記第2実施形態によれば、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の増大を1.2倍以下に抑制することができる。
尚、この発明は、上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、上記基板や窒化物半導体積層体や上記各絶縁膜や各電極における素材や寸法等は、特許請求の範囲内で種々変更しても差し支えない。
〔第3実施形態〕
例えば、上記第1,第2実施形態においては、Si基板を用いた窒化物半導体HFETについて説明した。しかしながら、この発明の第3実施形態では、Si基板に限らず、サファイヤ基板やSiC基板を用いてもよい。
上記バリア層104の膜厚としては、一般的に20nm〜40nmがよく使用されるが、特に限定されるものではない。例えば、所望のシートキャリア濃度や所望の閾値電圧等を得るために、自由に設定してよい。さらに、上記第1,第2実施形態においては、バリア層104として、混晶比x=0.17のAlGa1−xNを用いている。しかしながら、上記2DEGを誘起し、トランジスタとして動作する結晶性であれば、特に限定されるものではない。
また、上記第1〜第3実施形態においては、第1工程として、バレル式のアッシング装置を用いたが、例えばRIE(反応性イオンエッチング)装置やプラズマCVD装置を用いても差し支えない。
また、上記第1〜第3実施形態においては、第2工程として、拡散炉を用いたが、例えば赤外線ランプアニール装置等の高速熱処理装置を用いても差し支えない。
また、上記第1〜第3実施形態においては、上記ゲート電極115の材料としてWNを用いているが、上記WNに限らず、例えばTiNやNi/Au等で形成しても差し支えない。
また、上記第1〜第3実施形態においては、上記Ti/Al/TiNを積層してソース電極119およびドレイン電極120としてのオーミック電極を形成したが、これに限らず上記キャップ層であるTiNは無くともよい。また、スパッタリングによってTi/Alを積層した後、その上にAu、Ag、Pt等を積層してもよい。また、上記スパッタリングに替えて、上記Ti、Alを蒸着してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第3実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の窒化物半導体装置の製造方法は、
第1窒化物半導体層103と、上記第1窒化物半導体層103とは組成が異なる第2窒化物半導体層104とを含み、上記第1窒化物半導体層103と上記第2窒化物半導体層104とのヘテロ界面に2次元電子ガスを発生する窒化物半導体積層体105を形成する工程と、
上記窒化物半導体積層体105の表面上に、酸素プラズマ処理を行う工程と、
上記酸素プラズマ処理を行った上記窒化物半導体積層体105の熱処理を行う工程と、
上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体105の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流す工程と、
上記窒化物半導体積層体105の表面上に、窒化シリコンから成る絶縁膜108を形成する工程と
を有することを特徴とする。
上記構成によれば、窒化物半導体積層体105の表面上に行った酸素プラズマ処理と、その酸素プラズマ処理を行った窒化物半導体積層体105の熱処理を行うことによって、高電圧短時間ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできる。その後、さらに窒化物半導体積層体105の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流すことによって、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできる。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記SiHガス、NHガス、およびNガスを流す工程の前に、上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体105の表面上に、NHプラズマ処理、Nプラズマ処理、またはNHガスとNガスの混合プラズマ処理を行う工程を有することを特徴とする。
上記実施形態によれば、窒化物半導体積層体105の表面上に行った酸素プラズマ処理と、その酸素プラズマ処理を行った窒化物半導体積層体105の熱処理を行うことによって、高電圧短時間ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできる。その後、さらに窒化物半導体積層体105の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流すことによって、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を小さくできる。
上記窒化物半導体積層体の表面は、MOCVD法による窒化物半導体の成長条件や、バリア層の厚さ、Al組成比によって大きく変わり、場合によっては表面にN空孔(N原子の欠乏)ができるが、このような場合であっても、この実施形態によれば、上述の効果を奏することができる。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程において、次の上記窒化シリコンから成る絶縁膜108を形成する工程と同じガスを流すことを特徴とする。
上記実施形態によれば、上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程において、次工程の窒化シリコンから成る絶縁膜を形成するときと同じガスを流すことによって、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動率をより小さくすることができる。
なお、このときのガス流量、圧力、温度については、上記絶縁膜を成膜するときと同じであることが望ましい。
また、一実施形態の窒化物半導体装置の製造方法では、
上記窒化物半導体積層体105の熱処理を行う工程において、上記熱処理の温度が、500℃以上かつ850℃以下であることを特徴とする。
上記実施形態によれば、窒化物半導体積層体105の熱処理の温度を500℃以上かつ850℃以下とすることによって、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を抑制できると共に、高電圧ストレス時のリーク電流を低減できる。一方、窒化物半導体積層体105の熱処理の温度が500℃未満では、高温高電圧ストレス試験後のオン抵抗の変動を抑制する効果が小さくなり、850℃を超えると、高電圧ストレス時のリーク電流が増加する。
101…基板
102…バッファ層
103…チャネル層
104…バリア層
105…窒化物半導体積層体
106…2DEG
107…酸化層
108…第1絶縁膜
109…第2絶縁膜
110…第1開口部
111…第3絶縁膜
112…第2開口部
113…段差形状
114…ゲート絶縁膜
115…ゲート電極
116…第4絶縁膜
117,118…第3開口部
119…ソース電極
120…ドレイン電極

Claims (4)

  1. 第1窒化物半導体層と、上記第1窒化物半導体層とは組成が異なる第2窒化物半導体層とを含み、上記第1窒化物半導体層と上記第2窒化物半導体層とのヘテロ界面に2次元電子ガスを発生する窒化物半導体積層体を形成する工程と、
    上記窒化物半導体積層体の表面上に、酸素プラズマ処理を行う工程と、
    上記酸素プラズマ処理を行った上記窒化物半導体積層体の熱処理を行う工程と、
    上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体の表面上に、SiHガス、NHガス、およびNガスを流す工程と、
    上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程の後、その工程に引き続いて、上記窒化物半導体積層体の表面上に、窒化シリコンから成る絶縁膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の窒化物半導体装置の製造方法において、
    上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程の前に、上記酸素プラズマ処理と上記熱処理を行った上記窒化物半導体積層体の表面上に、NHプラズマ処理、Nプラズマ処理、またはNHガスとNガスの混合プラズマ処理を行う工程を有することを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の窒化物半導体装置の製造方法において、
    上記SiHガス、上記NHガス、および上記Nガスを流す工程において、次の上記窒化シリコンから成る絶縁膜を形成する工程と同じガスを流すことを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の窒化物半導体装置の製造方法において、
    上記窒化物半導体積層体の熱処理を行う工程において、上記熱処理の温度が、500℃以上かつ850℃以下であることを特徴とする窒化物半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019121785A (ja) * 2017-12-27 2019-07-22 ローム株式会社 半導体装置およびその製造方法

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