JP2017098176A - 電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】活物質材料を金属箔に転写する工程における金属箔の破断を抑制する電極の製造方法を提供すること。【解決手段】本製造方法では,粉体材料7を搬送するBロール2と,金属箔8を搬送するCロール3とを有する製造装置100を用い,粉体材料7を金属箔8に転写する。製造装置100は,Bロール2とCロール3との間に粉体材料7が無く,且つ,Cロール3に金属箔8が巻き掛けられている状態で,Bロール2とCロール3とを同じ周速で回転させる。さらに,粉体材料7を投入し,Bロール2にて搬送させる。そして,Cロール3のモータトルクが上昇したら,Bロール2の周速を低下させる。【選択図】図1
Description
本発明は,箔の表面に,活物質を含む材料である活物質材料を転写することにより,箔と活物質材料の層とが積層された電極を製造する製造方法に関する。
従来から,例えば,リチウムイオン二次電池には,金属箔の表面に活物質層が形成されたシート状の電極が用いられている。シート状の電極を製造する製造方法として,活物質を含む活物質材料をロールにて搬送し,別のロールにて搬送される金属箔の表面に活物質材料の層を接触させて,金属箔の表面に活物質材料を転写することによる製造方法がある。
上述の電極の製造方法を開示した文献としては,例えば,特許文献1がある。特許文献1には,逆方向に回転する2つのローラの一方に被塗布物を巻き付け,2つのローラの間に塗膜材料を進入させて,塗膜材料を被塗布物に転写する方法が開示されている。特許文献1では,2つのローラの周速度を互いに異なるものとすることで,塗膜材料を塗膜状に転写できるとされている。具体的には,被塗布物を搬送するローラの周速を,塗膜材料を搬送するローラの周速以上とすることが開示されている。
しかしながら,前記した従来の技術には,次のような問題があった。すなわち,金属箔には,進行方向への搬送力に加えて,2つのローラ間に押し込まれる活物質材料による垂直負荷と,2つのローラの速度差によって活物質材料を介して進行方向とは逆方向に引っ張られる引っ張り力とが加わる。特に,2つのローラ間に活物質材料が進入する初期には,これらの力が一斉に加わる。そのため,転写の初期に金属箔に急激に大きなテンションが掛かり,金属箔が破断する場合があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,活物質材料を金属箔に転写する工程における金属箔の破断を抑制する電極の製造方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた電極の製造方法は,活物質を含む材料である活物質材料を搬送する第1ロールと,前記第1ロールに隣接して配置され,箔を搬送する第2ロールと,を用い,前記第1ロールと前記第2ロールとを互いに逆方向に回転させ,前記活物質材料を前記箔に転写することによって,前記箔の表面に前記活物質材料の層を形成する電極の製造方法であって,前記第1ロールと前記第2ロールとの間に前記活物質材料が無く,且つ,前記第2ロールに前記箔が巻き掛けられている状態で,前記第1ロールと前記第2ロールとを同じ周速で回転させ,前記第1ロール上に前記活物質材料を投入し,前記第1ロールと前記第2ロールとの間の位置へ向けて,前記第1ロールに前記活物質材料を搬送させる投入開始工程と,前記投入開始工程にて前記活物質材料の投入を開始した後,前記第2ロールを回転させるモータのトルクが上昇したら,前記第1ロールの周速を低下させる減速工程と,を含むことを特徴としている。
上記態様における電極の製造方法では,第1ロールと第2ロールとの間に活物質材料が無い状態で,両ロールを同じ周速で回転させ,第1ロール上に活物質材料を投入する。つまり,金属箔と活物質材料の先端部とが,同じ進行速度で進行しつつ接触する。従って,活物質材料がロール間に進入する初期には,速度差による引っ張り力の影響は小さい。そして,活物質材料の投入後,第2ロールのモータのトルクが上昇したら,活物質材料がロール間に進入して,第2ロールに活物質材料による垂直負荷が加わったと推定される。そこで,活物質材料の金属箔への転写を促進するため,第1ロールの周速を低下させる。つまり,本製造方法では,第2ロールのモータのトルクが上昇した後,第1ロールの周速を低下させるので,垂直負荷が加わるタイミングと速度差による引っ張り力が加わるタイミングとが異なるタイミングとなり,金属箔に一斉に力が加わることは抑制される。そのため,急激なテンションの増加による金属箔の破断の抑制が期待できる。
本発明によれば,活物質材料を金属箔に転写する工程における金属箔の破断を抑制する電極の製造方法が実現される。
以下,本発明を具体化した形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,リチウムイオン二次電池用の電極の製造に用いる製造装置に,本発明を適用したものである。
本形態の製造装置100の概略構成を,図1に示す。本形態の製造装置100は,金属箔の表面に電極活物質を含む活物質層を形成した積層シートを製造する装置である。例えば,リチウムイオン二次電池として,捲回型の電極体と電解液とがケースに封入されて構成されているものがある。捲回型の電極体は,例えば,アルミ箔に正極活物質層を形成したシート状の正極電極と,銅箔に負極活物質層を形成したシート状の負極電極とを,間にセパレータを挟んで捲回することにより製造される。本形態の製造装置100は,このような二次電池用の電極となる積層シートを製造するものである。
本形態の製造装置100は,図1に示すように,Aロール1と,Bロール2と,Cロール3と,を備え,これらがフレーム4に回転可能に取り付けられている。Bロール2は,第1ロールの一例であり,Cロール3は,第2ロールの一例である。各ロール1,2,3には,それぞれ回転駆動させるためのモータが連結されている。具体的に,Aロール1は,Aモータ11によって回転駆動される。Bロール2は,Bモータ12によって回転駆動される。Cロール3は,Cモータ13によって回転駆動される。
Aロール1とBロール2とCロール3とは,図1に示すように,互いに平行であって,この順に並べて配置されている。各ロールの径は,Aロール1が最も小さく,Cロール3が最も大きい。また,Aロール1とBロール2とは,例えば,60〜100μmの隙間を空けて隣接している。また,Bロール2とCロール3とは,例えば,10〜20μmの隙間を空けて隣接している。Aロール1とCロール3とは,隣接していない。
また,本形態の製造装置100は,Bロール2の図1中で上方に設けられた掻き取りブレード5を有している。掻き取りブレード5は,略長方形の板状部材であり,長辺の一辺をBロール2の外周に接触させて,Bロール2に平行に配置されている。掻き取りブレード5の位置は,製造時におけるBロール2の回転方向(図3参照)について,Cロール3との対向箇所よりも下流で,Aロール1との対向箇所よりも上流の位置である。掻き取りブレード5は,Bロール2の外周から活物質材料等を掻き取るためのものである。掻き取りブレード5には,集塵機と連結するための配管穴51,51が形成されている。
また,Aロール1とBロール2との間で,各ローラの軸方向の両端部には,それぞれ仕切り板6が設けられている。そして,積層シートの製造時には,両側の仕切り板6の間に,電極活物質を含む材料である粉体材料7(図3参照)が供給される。なお,各ロールの軸方向の長さは,それぞれが搬送する部材の幅より大きければよい。例えば,Aロール1の軸方向の長さ,Bロール2の軸方向の長さは,いずれも,仕切り板6の間隔よりも長い。また,Cロール3の軸方向の長さは,後述する金属箔8(図3参照)の幅以上である。そして,金属箔8の幅は,仕切り板6の間隔以上である。
続いて,本形態の製造装置100の電気的構成について,図2のブロック図を参照して説明する。製造装置100は,Aモータ11とBモータ12とCモータ13とを制御する制御部21を有する。また,Cモータ13には,モータトルクに応じた信号を出力するトルクメータ22が取り付けられている。そして,制御部21は,トルクメータ22の出力信号に基づいて,各モータ11,12,13を制御する。
続いて,製造装置100によって積層シートを製造する方法について,図3を参照して説明する。図3は,図1のA−A断面図である。積層シートの製造時には,製造装置100は,図3中に矢印で示す回転方向に,各ロール1,2,3を回転させる。各ロールの回転方向は,2つのロールの対向位置では互いに順方向の回転となるように定められている。つまり,Aロール1とCロール3とは同じ回転方向に回転され,Bロール2は,Aロール1やCロール3とは逆方向に回転される。
そして,本形態の製造方法では,仕切り板6の間に粉体材料7が供給される。粉体材料7は,電極活物質を含む粉体に少量の水を加え,湿り気を帯びた材料としたものである。従来のペースト状とした材料に比較して,水分含有量が少なく,乾燥に掛かる所要時間が短い。粉体材料7は,活物質材料の一例である。
供給された粉体材料7は,Aロール1とBロール2との回転により,Aロール1とBロール2との間の隙間から,図3中で下向きに押し出される。粉体材料7は,Aロール1とBロール2との対向位置から押し出され,ロールの軸方向について仕切り板6同士の間隔によって規定される幅と,Aロール1とBロール2との間の隙間の大きさ(図3中のdB)によって規定される厚さの連続した膜状となる。そして,Bロール2上に,粉体材料7の膜が形成される。さらに,膜状となった粉体材料7は,Bロール2の回転によって,Cロール3側へ向かって搬送される。
Cロール3には,図3に示すように,金属箔8が巻き掛けられる。金属箔8は,供給ロール等の供給元から引き出され,Cロール3の搬送方向について,Bロール2との対向箇所よりも上流側の位置から,Cロール3に巻きつけられる。金属箔8は,Bロール2との対向箇所を含む45度程度の範囲で,Cロール3の外周に接触している。そして,金属箔8は,Cロール3の回転によって,Bロール2との対向箇所を通り,図3中で上方へ向かって搬送される。なお,金属箔8は,正極の電極を製造する際にはアルミ箔,負極の電極を製造する際には銅箔である。
図3に示すように,Aロール1の外周とBロール2の外周との間の隙間dBは,Bロール2の外周とCロール3の外周との間の隙間dCよりも大きい。具体的には,隙間dBは,60〜100μmであり,隙間dCは,10〜20μmである。そのため,粉体材料7は,まずAロール1とBロール2との間で隙間dBの厚さに圧縮され,Bロール2にて搬送されて,Bロール2とCロール3との間で厚さ方向にさらに圧縮される。そして,Bロール2にて搬送されている粉体材料7と,Cロール3にて搬送されている金属箔8とが接触し,粉体材料7と金属箔8とがともに,Bロール2とCロール3との間の隙間に押し込まれる。
本形態の製造装置100では,Cロール3にて搬送されている金属箔8に粉体材料7が適切に転写されるためには,少なくとも,各ロール1,2,3の回転速度が以下の式1の関係を満たすことが必要である。
Aロール1の周速 < Bロール2の周速 < Cロール3の周速 … 式1
つまり,Aロール1の周速を最も遅く,Cロール3の周速を最も速くする。
Aロール1の周速 < Bロール2の周速 < Cロール3の周速 … 式1
つまり,Aロール1の周速を最も遅く,Cロール3の周速を最も速くする。
具体的には,各ロール1,2,3の周速は,以下の式2,式3の範囲内であることが好ましい。本形態の製造装置100では,これらの式2,式3をともに満たすように,各ロール1,2,3の目標の周速が決定されている。
Aロール1の周速 / Bロール2の周速 = 1/2 〜 1/10 … 式2
Bロール2の周速 / Cロール3の周速 = 1/3 〜 1/5 … 式3
Aロール1の周速 / Bロール2の周速 = 1/2 〜 1/10 … 式2
Bロール2の周速 / Cロール3の周速 = 1/3 〜 1/5 … 式3
もし,この速度関係を保って各ロール1,2,3を回転させている状態で粉体材料7を投入すると,粉体材料7の先端部71がBロール2とCロール3との間に到達した際に,図4に白抜きの矢印P,Qで示すように,金属箔8には急激なテンションが加わる。図4は,従来の製造方法によって金属箔8に加わる各種の力を示す図である。
具体的に,Bロール2とCロール3との隣接箇所では,金属箔8はCロール3によって図4中で上方へ向かう搬送力を受けており,粉体材料7はBロール2によるほぼ同じ向きの搬送力を受けている。粉体材料7と金属箔8とが接触することにより,金属箔8は,粉体材料7を介して,Bロール2による搬送力も受ける。しかし,式3に示したように,Bロール2とCロール3とで周速の差があることにより,Bロール2による搬送力は,Cロール3の周速で進行する金属箔8に対するブレーキとなる。つまり,金属箔8は,粉体材料7の先端部71と接触した際に,粉体材料7を介して搬送方向の逆向きの引っ張り力Pを受ける。
さらに,金属箔8と粉体材料7とがともにBロール2とCロール3との隙間に進入する際には,例えば,厚さ60〜100μmの粉体材料7を厚さ10〜20μmまで圧縮することになるため,金属箔8の厚さ方向には,およそ1tの垂直負荷Pが加わる。つまり,各ロール1,2,3を目標の周速で回転して粉体材料7を投入した場合,粉体材料7の先端部71がBロール2とCロール3との間に到達した際に,金属箔8には引っ張り力Pと垂直負荷Qとが立て続けに加わる。これにより,金属箔8に加わるテンションが急激に増大し,金属箔8が破断する可能性がある。
これに対し,本形態の製造方法を,図5の工程図を参照して説明する。本形態の製造方法では,まず,Cロール3に金属箔8を巻き掛ける(金属箔セット工程)。図示しない搬送ロール等によって,金属箔8には,適切に搬送されるためのテンションが加えられる。
そして,各モータ11,12,13によって,各ロール1,2,3を,以下の式4の関係を満たす周速となるように回転させる。つまり,Bロール2とCロール3とを,等しい周速で回転させる(等速回転工程)。
Aロール1の周速 < Bロール2の周速 = Cロール3の周速 … 式4
Aロール1の周速 < Bロール2の周速 = Cロール3の周速 … 式4
等速回転工程では,Aロール1の周速とBロール2の周速とを,前述の式2の関係を満たす速度とする。従って,式2と式3とをともに満たす速度と比較すると,式4を満たす状態では,Aロール1の周速もBロール2の周速も目標の周速より速い。なお,金属箔セット工程と,等速回転工程とは,逆順でもよい。
次に,図3に示したように,粉体材料7をAロール1とBロール2の間の図中で上方から,仕切り板6の間に投入する(材料投入工程)。つまり,本形態の製造方法では,式4の関係を満たして各ロール1,2,3が回転しており,かつ,Cロール3に金属箔8が巻き掛けられている状態で,粉体材料7が投入される。金属箔セット工程と等速回転工程と材料投入工程とが,投入開始工程に相当する。
この状態では,金属箔8はCロール3の周速で進行している。また,投入された粉体材料7は,図3に示したように,Aロール1とBロール2の間から図中で下方へ押し出される。さらに,Aロール1よりもBロール2の方が周速が速いため,粉体材料7は,Bロール2にて搬送される。
その後,粉体材料7の先端部71が金属箔8に接触する。この時点では,Bロール2の周速とCロール3の周速とが等しいことから,金属箔8が受ける搬送方向の逆向きの引っ張り力は,図4に示した従来の引っ張り力Pよりも小さい。そして,金属箔8と粉体材料7とがともにBロール2とCロール3との間の隙間に進入することで,前述したように,金属箔8の厚さ方向に垂直負荷が加わる。金属箔8に加わる垂直負荷は,図4に示した従来の垂直負荷Qとほぼ同等である。つまり,金属箔8に加わるテンションは,進入前に比較して,ある程度増大するものの破断が生じるほどにはなり難い。
式4の周速の関係は,式1に示した関係を満たしていないため,図6に示すように,転写不良が発生する可能性が高い。つまり,Cロール3の周速が,Bロール2の周速に比較して3倍未満の速度である場合には,Bロール2にて搬送している粉体材料7が,完全には金属箔8へ移動せず,Bロール2に残ってしまうのである。
本形態の製造装置100は,図6に示すように,掻き取りブレード5を有しているので,転写不良によってBロール2に残った粉体材料7は,掻き取りブレード5によって掻き取られる。さらに,掻き取りブレード5の配管穴51には,集塵機52が取り付けられる。集塵機52は,掻き取りブレード5にて掻き取られた粉体材料7を吸い込んで,Bロール2から取り除く。これにより,転写不良によって残った粉体材料7が,次の転写時に転写不良の原因となる可能性は低い。
そして,本形態の製造方法では,粉体材料7が金属箔8に接触して,ともにBロール2とCロール3との間の隙間に進入した後,Aロール1とBロール2とを徐々に減速し,目標の周速に近づける(減速工程)。減速によって,金属箔8に加わる引っ張り力は増大するが,徐々に減速するので,テンションの急激な増加は抑制されており,金属箔8が破断する可能性は低い。
Aロール1とBロール2とが目標の周速となったら,その速度での各ロール1,2,3の回転状態を維持しつつ,粉体材料7をさらに搬送させる。これにより,図3に示したように,粉体材料7が金属箔8に適切に転写され,金属箔8に粉体材料7が積層された積層シート9が製造される。製造された積層シート9は,Cロール3によって搬送され,次工程へと送られる。
次に,本形態の製造装置100に,前述した減速工程を適切なタイミングで開始させる動作を実行させるための回転制御処理の手順について,図7のフローチャートを参照して説明する。この回転制御処理は,本形態の製造装置100にて電極を製造する際に,制御部21にて実行される。
回転制御処理では,まず,各ロール1,2,3の周速が前述した式4を満たすように予め決定した速度で,各モータ11,12,13の回転を開始する(S101)。さらに,トルクメータ22の出力信号に基づいて,Cモータ13のトルクの測定を開始する(S102)。
そして,制御部21は,Cモータ13のトルク値が,所定の閾値を超えたか否かを判断する(S103)。超えていないと判断した場合(S103:NO),各モータ11,12,13をそのままの速度で回転させる。粉体材料7と金属箔8とがBロール2とCロール3との間に進入すると,金属箔8に加わる垂直負荷により,Cモータ13のモータトルクが増加する。つまり,Cモータ13のモータトルクが増加したら,粉体材料7が金属箔8に接触したと推定できる。
Cモータ13のトルク値が,所定の閾値を超えたと判断した場合(S103:YES),Aモータ11とBモータ12との減速を開始する(S104)。これにより,金属箔8に加わる引っ張り力は次第に大きくなる。また,粉体材料7の金属箔8への転写性は,次第に向上する。
なお,S104では,制御部21は,Aロール1の周速とBロール2の周速とが前述の式2の関係を維持するように,Aモータ11とBモータ12とをともに減速させる。また,S104では,金属箔8に加わるテンションの急激な増加を招かない程度に,ゆっくりと減速させる。
そして,制御部21は,Aモータ11の回転速度とBモータ12の回転速度とが所定の目標速度となったか否かを判断する(S105)。所定の目標速度は,各ロール1,2,3の周速が式2と式3とをともに満たす速度である。目標速度に到達していないと判断した場合(S105:NO),Aモータ11とBモータ12とをさらに減速させる。
そして,目標速度に到達したと判断した場合(S105:YES),各モータ11,12,13の速度を目標速度に保って定常回転に移行し(S106),回転制御処理を終了する。つまり,制御部21は,各モータ11,12,13の速度が所定の目標速度となった後は,その速度を維持するように各モータ11,12,13の回転を制御する。
以上詳細に説明したように本形態の電極の製造方法によれば,製造装置100は,粉体材料7を搬送するBロール2と,金属箔8を搬送するCロール3とを有する。そして,製造装置100は,粉体材料7の投入前にBロール2とCロール3とを同じ周速で回転させる。そして,その回転状態で粉体材料7が投入されると,Bロール2にて搬送される粉体材料7とCロール3にて搬送される金属箔8とが接触し,ともにBロール2とCロール3との間に進入する。これにより,Cモータ13のモータトルクが上昇したら,Bロール2を減速する。従って,金属箔8に加わるテンションが急激に増加することはないので,粉体材料7を金属箔8に適切に転写することができ,金属箔の破断の抑制が期待できる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本発明は,金属板に活物質を含む材料による層を形成してシート状の電極を製造する製造方法であれば,リチウムイオン二次電池用の電極に限らず,各種の電池の電極の製造方法に適用可能である。
また,製造装置100の構成は,実施の形態にて図示した例に限らない。例えば,各ロール1,2,3の配置やロール径,ロール間の隙間の大きさは,図示の例に限らない。例えば,同径のロールを用いてもよい。また,粉体材料7の投入方法は,Aロール1とBロール2の間に投入するものに限らない。つまり,Aロール1は無くてもよい。
また,等速回転工程では,Bロール2の周速とCロール3の周速とが,厳密に等しくなくてもよい。例えば,Bロール2にて搬送される粉体材料7の外周面の周速と,Cロール3にて搬送される金属箔8の外周面の周速とが等しくなるように,各ロール1,2,3の周速を決定してもよい。ただし,粉体材料7や金属箔8の厚さは微小なものであり,誤差範囲内であると推定される。また,金属箔8に加わるテンションが大きすぎない範囲で,Bロール2の周速をCロール3の周速より小さくしてもよい。
また,図7のS103での判断は,トルク値の測定値と所定の閾値との比較によるものに限らない。例えば,粉体材料7の投入前に取得したCモータ13のトルク値からのトルク値の増加量,時間あたりのトルク値の変化量と,所定の閾値とを比較してもよい。また,一度でも閾値を超えたらS103にてYESと判断するとしてもよいし,所定回数以上超えたらYESと判断するとしてもよいし,トルク値の測定値の所定時間中での平均値に基づいて判断するとしてもよい。
また,トルクの上昇に基づく制御に限らず,粉体材料7の投入開始からの経過時間や粉体材料7の進行速度に基づいて,Aロール1とBロール2との減速開始のタイミングを決定してもよい。
また,例えば,Bロール2を減速する代わりに,Bロール2とCロール3との間の隙間を次第に小さくしてもよい。例えば,Bロール2とCロール3との間の隙間の大きさを,Aロール1とBロール2との間の隙間の大きさ以上とした状態で各ロール1,2,3を目標の回転速度で回転するとしてもよい。この場合,Bロール2とCロール3との間の隙間が,Bロール2にて搬送される粉体材料7の厚さ以上であるので,粉体材料7を厚さ方向に圧縮する垂直負荷は,ほとんど掛からない。つまり,金属箔8に粉体材料7が接触した際に加わるテンションは,粉体材料7を介してBロール2から受ける引っ張り力のみであり,金属箔8の破損が生じるほどとはなり難い。その後,Cロール3を次第にBロール2に近づけることで,適切に粉体材料7を圧縮して積層シートとすることができる。
また,例えば,Aロール1とBロール2とを減速する代わりに,Cロール3を加速してもよい。つまり,Aロール1とBロール2とを所定の目標速度で回転させ,Cロール3の周速を,Bロール2と等しい周速として,粉体材料7を投入する。Cロール3のモータトルクが大きくなったら,Cロール3を次第に加速するとしてもよい。
2 Bロール
3 Cロール
7 粉体材料
8 金属箔
13 Cモータ
22 トルクメータ
3 Cロール
7 粉体材料
8 金属箔
13 Cモータ
22 トルクメータ
Claims (1)
- 活物質を含む材料である活物質材料を搬送する第1ロールと,前記第1ロールに隣接して配置され,箔を搬送する第2ロールと,を用い,前記第1ロールと前記第2ロールとを互いに逆方向に回転させ,前記活物質材料を前記箔に転写することによって,前記箔の表面に前記活物質材料の層を形成する電極の製造方法であって,
前記第1ロールと前記第2ロールとの間に前記活物質材料が無く,且つ,前記第2ロールに前記箔が巻き掛けられている状態で,前記第1ロールと前記第2ロールとを同じ周速で回転させ,前記第1ロール上に前記活物質材料を投入し,前記第1ロールと前記第2ロールとの間の位置へ向けて,前記第1ロールに前記活物質材料を搬送させる投入開始工程と,
前記投入開始工程にて前記活物質材料の投入を開始した後,前記第2ロールを回転させるモータのトルクが上昇したら,前記第1ロールの周速を低下させる減速工程と,
を含むことを特徴とする電極の製造方法。
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Cited By (1)
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2015
- 2015-11-27 JP JP2015231513A patent/JP2017098176A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107799720A (zh) * | 2017-11-20 | 2018-03-13 | 惠州市多科达科技有限公司 | 一种锂电池正极连续成型机 |
CN107799720B (zh) * | 2017-11-20 | 2024-01-30 | 惠州市多科达科技有限公司 | 一种锂电池正极连续成型机 |
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