JP2017096203A - エンジン回転数の算出装置 - Google Patents

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【課題】カムと欠歯区間との位置関係が設計からずれている場合に、エンジン回転数を高めに誤算出することを防止することができるエンジン回転数の算出装置を提供する。【解決手段】車両のエンジン回転数の算出装置であって、カム角センサと、クランク角センサと、エンジン始動時にカム角信号の所定の変化パターンから所定のカム角を検出し、当該カム角から最初の欠歯区間の終端までのクランク角の位相分を予測する予測部と、当該位相分を同じ変化分と予測され、最後の位相区間が欠歯区間を含むと予測される複数の位相区間に区分して、最後の位相区間に要した第1の時間と直前の位相区間に要した第2の時間とに基づいて、第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当するか否かを判定する判定部と、判定部が第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当すると判定した場合には第1の時間を第2の時間に等しいとする補正を行ってエンジン回転数を算出する算出部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジン回転数の算出制御に関する。
エンジンの早期始動を実現するために、例えば特許文献1のように、エンジン始動時のクランク角の確定を、クランク角センサによる欠歯位置が検出されるよりも前にカム角センサによって検出されたカム角に基づいて行う技術が提案されている。
特開2011−132935号公報
エンジン始動時にクランク角をカム角に基づいて確定した場合に、エンジンECUは、クランク角の確定時からクランク角信号上に最初に欠歯区間の波形パターンが出現するまでに入力されると予測される所定数のクランクパルスを計数する。これにより、エンジンECUは、クランク角の確定時から欠歯区間が検出されるまでの期間の長さを算出し、当該期間の長さの逆数に基づいてエンジン回転数を算出する。
しかしながら、カムとクランクロータ上の欠歯区間との相対的な位置関係が、カムシャフト、ベルト、チェーンなどの組付け公差などに起因して、車両ごとにばらつく可能性がある。当該位置関係が設計値からずれていると、クランク角の確定時から欠歯区間が検出されるまでの時間の長さにずれが生じる。
例えば、カム位置と欠歯区間の位置との位相差が、欠歯区間が本来よりも遅れた位相で出現する方向に設計値からずれている場合に、予測されるクランク角に達しても欠歯区間が出現しないこととなる。この場合に、エンジンECUは、予測した所定数のクランクパルスを計数し終えた時点で欠歯区間が検出されたと誤判定し、欠歯区間よりも狭い最後に検出したクランクパルスパルス間隔に欠歯区間が含まれているものとして処理する。したがって、所定数のクランクパルスが入力された期間の長さを正常時よりも短い値に算出することとなる。したがって当該期間の長さの逆数に基づいて算出されるエンジン回転数が正常時よりも高い値に算出され、エンジン始動時に誤ったエンジン制御を行ってしまうという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑み、カム位置と欠歯区間との位置関係が設計からずれている場合に、エンジン回転数を高めに誤算出することを防止することができるエンジン回転数の算出装置を提供するものである。
本発明は、車両のエンジン回転数の算出装置であって、カム角信号を出力するカム角センサと、クランク角信号を出力するクランク角センサと、エンジン始動時に、前記カム角信号が示す所定の変化パターンから所定のカム角を検出し、前記所定のカム角から、前記クランク角信号に含まれる最初の欠歯区間の終端までの、クランク角の位相分を予測する予測部と、前記位相分を、互いに同じ変化分と予測される複数の位相区間であって最後の位相区間が欠歯区間を含むと予測される複数の位相区間に区分して、クランク角が前記最後の位相区間を経るのに要した第1の時間と、クランク角が前記最後の位相区間の直前の位相区間を経るのに要した第2の時間とに基づいて、前記第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当するか否かを判定する判定部と、前記第1の時間を用いてエンジン回転数を算出する算出部であって、前記判定部が前記第1の時間が前記欠歯区間が欠落した時間に相当すると判定した場合には、前記第1の時間が前記第2の時間に等しいとする補正を行う算出部とを備えている。
本発明によれば、エンジン始動時に、検出した所定のカム角から最初の欠歯区間の終端まで及ぶクランク角の位相分を予測する。そして、予測した当該位相分を互いに同じ変化分と予測される複数の位相区間に区分し、実際に、クランク角が最後の位相区間を経るのに要した第1の時間と、最後の位相区間の直前の位相区間を経るのに要した第2時間とに基づいて、第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当するか否かを判定する。第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当する場合に、第1の時間が第2の時間に等しいとする補正を行ってエンジン回転数を算出する。
したがって、カムと欠歯区間との位置関係が設計からずれている場合に、欠歯区間が欠落した時間に相当する第1の時間を用いてエンジン回転数を高い値に誤算出することを防ぐことができる。
本発明によれば、カムと欠歯区間との位置関係が設計からずれている場合に、エンジン回転数を高めに誤算出することを防止することができるエンジン回転数の算出装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るエンジン回転数の算出装置の構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るクランク角信号とカム角信号との位相関係を示す図 本発明の実施形態に係るエンジン回転数の算出装置の計数動作を説明する図 本発明の実施形態に係るエンジン回転数の算出装置の動作手順を説明するフローチャート
以下、図面を参照しながら、実施の形態について詳細に説明する。
[概要]
本実施形態に係るエンジン回転数の算出装置は、エンジン始動時に、検出した所定のカム角から最初の欠歯区間の終端までに及ぶクランク角の位相分を予測する。そして、予測した当該位相分を互いに同じ変化分と予測される複数の位相区間に区分し、実際に、クランク角が最後の位相区間を経るのに要した第1の時間と、最後の位相区間の直前の位相区間を経るのに要した第2時間とに基づいて、第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当するか否かを判定する。第1の時間が当該欠歯区間が欠落した時間に相当する場合に、第1の時間が第2の時間に等しいとする補正を行ってエンジン回転数を算出する。これにより、カムと欠歯区間との位置関係が設計からずれている場合に、欠歯区間が欠落した時間に相当する第1の時間を用いてエンジン回転数を高い値に誤算出することを防ぐ。
[エンジン回転数の算出装置の構成]
図1に、本実施形態に係るエンジン回転数の算出装置である算出装置10の構成を示す。算出装置10は、エンジンECU1、カム角センサ2、および、クランク角センサ3を備えている。
[センサの構成]
カム角センサ2は、検出位置を通過するカムロータ20の外周面に設けられた凹凸パターンを検出し、カムロータ20の位相を示すカム角信号jを生成する。カム角信号jは、エンジンECU1の後述するパターン検出部11aに入力される。当該凹凸パターンは、カムロータ20の一周分に相当する720CAを、気筒数に合せた数の交互に繰り返された凹凸領域で分割したパターンをなす。
クランク角センサ3は、検出位置を通過するクランクロータ30の外周面に設けられた歯30aを検出する。歯30aは、欠歯区間rv以外では所定単位角度のピッチで設けられている。欠歯区間rvは、クランクロータ30の一周分に相当する360CAにおける基準位置として1つ以上の歯30aが間引かれた領域である。クランク角センサ3は、歯30aが検出位置を通過するたびにクランクパルスを発生させることによりクランク角信号kを生成する。クランク角信号kは、エンジンECU1の後述する計数部11bに入力される。
図2に、カム角信号jおよびクランク角信号kの一例を示す。横軸は位相を示し、縦軸は信号の変化を示す。クランク角信号kは、例えば所定単位角度を10CAとし、欠歯区間rvは連続する2つの歯30aが間引かれた20CA分の領域、すなわち欠歯数が2である領域をなす。ここでは、クランク角信号kをクランクパルスの入力タイミングを決定する立ち上がりエッジのみを示した。カム角信号jはクランク角信号kに同期しており、例えば、順に並んで前記凹凸領域をなす、60CA分の領域X(+)、120CA分の領域Y(−)、120CA分の領域Y(+)、60CA分の領域X(−)、180CA分の領域Z(+)、および、180CA分の領域Z(−)の各領域境界が検出位置を通過するタイミングでレベル反転する2値波形をなしている。反転タイミングは、カムロータ20の特定の位相を示す。
[エンジンECUの構成]
エンジンECU1は、欠歯位置予測部(予測部)1a、判定部1b、および、回転数算出部(算出部)1cを備えている。また、欠歯位置予測部1aは、パターン検出部11a、欠歯区間検出部11b、および、パルス数決定部11cを備えている。
欠歯位置予測部1aにおいて、パターン検出部11aは、カム角センサ2から入力されるカム角信号jの所定の変化パターンを検出する。所定の変化パターンは、領域X(+)から領域Y(−)への変化、領域Y(−)から領域Y(+)への変化といった、各反転タイミングと、当該反転タイミングの前後の領域がカム角センサ2によるカムロータ20の検出位置を通過する期間の長さとにより特定される変化パターンである。パターン検出部11aは、比較基準となる所定の変化パターンのデータを予め内部に保有している。パターン検出部11aは、カム角信号jに所定の変化パターンが含まれていることを検出したことと、含まれている所定の変化パターンを特定するパターン情報Pを、パルス数決定部11cに入力する。
また、欠歯区間検出部11bは、クランク角センサ3から入力されるクランク角信号kに含まれるクランクパルスのパルス間隔から、欠歯区間を検出する。クランクパルスのパルス間隔は、図示しないカウンタおよびタイマの出力値に基づいて検出される。欠歯区間検出部11bは、欠歯区間を検出したことを示す欠歯区間情報Dをパルス数決定部11cに入力する。
また、パルス数決定部11cは、エンジン始動時に、パターン検出部11aから入力されたパターン情報Pと、欠歯区間検出部11bから入力される欠歯区間情報Dとに基づいて、カム角信号jが示す所定の変化パターンがクランク角信号kに含まれる欠歯区間rvよりも先に出現した場合に、以下の処理を行う。なお、パルス数決定部11cが、カム角信号jが示す所定の変化パターンと欠歯区間rvとのいずれが先に出現したかの情報を、エンジンECU1内で行うクランク角の確定処理に用いてもよい。
パルス数決定部11cは、カム角信号jの所定の変化パターンのが先に出現した場合に、当該所定の変化パターンが示す所定のカム角から最初に出現すると予測される欠歯区間tvの終端までにクランク角信号kに含まれるクランクパルス数Nを決定する。クランクパルス数Nのクランクパルスは、所定のカム角から最初に出現すると予測される欠歯区間rvの終端までの、クランク角の位相分を占める。当該クランクパルス数Nは、カムと欠歯区間rvとの設計上の位置関係に基づき決定される。このように、パルス数決定部11cは、エンジン始動時に、所定のカム角から最初に出現する欠歯区間rvの終端までの、クランク角の位相分を予測する。
クランクパルス数Nの予測について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、横軸を位相とするクランク角信号kと、カウンタによるクランクパルスの計数値Mの変化とを示す。計数値Mの変化を、カムと欠歯区間rvとの位置関係が設計値通りである場合における第1の計数値変化と、カムが欠歯区間rvに対して設計値から位相差θdだけ位相が進む方向に位置ずれしている場合における第2の計数値変化との2通りに示した。
図3において、カム角信号jが所定の変化パターンを示した時点、すなわち所定のカム角が検出された時点で、計数値Mは0にリセットされる。設計通りの場合には、例えば計数値M=6となった状態で欠歯区間rvが出現することになる。パルス数決定部11cは、所定のカム角から最初に出現すると予測される欠歯区間rvの終端のクランク角peまでにクランク角信号kに含まれるクランクパルス数Nが6であると決定する。パルス数決定部11cは、決定したクランクパルス数N(ここでは6)の情報を判定部1bに入力する。
カウンタは、クランクパルス数Nの最後(N番目)のクランクパルスを計数してから次のクランクパルスを計数するときには、当該次のクランクパルスの数である1と、欠歯区間rvの欠歯数とを加算した数だけ計数値Mを増加させる。例えばN=6の場合には、図3に示すように、6個のクランクパルスのうちの最後のクランクパルスが計数されることにより計数値M=6となった後に、次のクランクパルスが計数されると、計数値Mは、当該次のクランクパルスの計数分である1に欠歯数である2を加算した3だけ増加して9となる。
判定部1bは、パルス数決定部11cから入力されたクランクパルス数Nの情報に基づき、計数値MがNだけ増加した後に、次のクランクパルス(すなわち、計数値Mを3だけ増加させることとなる1つのクランクパルス)を計数するまでに欠歯区間rvが欠落しているか否かを判定する。具体的には、クランクパルス数Nで表されるクランク角の位相分を、互いに同じ変化分と予測される位相区間であって、先行位相側からi(iは0≦i≦N/3を満たす整数)が小さい順に連続する複数の位相区間Ph(i)に区分する。図3には、N=6であって、当該変化分を3つのクランクパルスが占める30CAとした場合の位相区間Ph(0)、Ph(1)、およびPh(2)が示されている。最後の位相区間Ph(N/3)(図3では位相区間Ph(2))は、欠歯区間rvを含むと予測される位相区間である。
判定部1bは、クランク角が位相区間Ph(N/3)を経るのに要した時間T(N/3)(第1の時間)と、クランク角が位相区間Ph(N/3)の直前の位相区間Ph(N/3−1)(図3では位相区間Ph(1))を経るのに要した時間T(N/3−1)(第2の時間)とに基づいて、次の式(1)が成立するか否かを判定する。
│3×T(N/3)−T(N/3−1)│<κ (κは定数)・・・(1)
ここで、定数κは、エンジン回転数が一定であると仮定した場合に、クランク角が欠歯区間rv以外でのクランクパルス間隔の1つ分を経るのに要する時間の3倍が、クランク角が1つの位相区間Ph(i)を経るのに要する時間に近似しているとみなせるように適宜定めた許容誤差を表す。この定数κの定義は、エンジン始動時は、一般にエンジン回転数が安定するまでの変化途上にあるが、隣接する位相区間Ph(i)どうしではエンジン回転数が一定範囲内で近似しているとみなせることに基づく。
式(1)が成立することは、クランクパルス数Nを計数したときのN番目のクランクパルスの後に、欠歯区間rv以外におけるクランクパルス間隔を置いて次のクランクパルスが出現したこと、すなわち、時間T(N/3)が欠歯区間rvが欠落した時間に相当することを示す。カムと欠歯区間rvとの位置関係が設計通りであるならば、式(1)は成立しない。上記の位置ずれがある場合には、式(1)が成立する。エンジン回転数は、時間T(N/3)の逆数を用いて算出されるので、式(1)が成立する場合は、時間T(N/3)の逆数が設計通りの場合における値のほぼ3倍となり、エンジン回転数を高い値に誤算出することとなる。判定部1bは、式(1)が成立する場合に、回転数算出部1cに式(1)が成立したか否かを示す判定情報Fを入力する。
回転数算出部1cは、時間T(N/3)の値を用いてエンジン回転数を算出する。回転数算出部1cは、判定部1bから式(1)が成立しないことを示す判定情報Fが入力された場合には、クランク角が位相区間Ph(N/3)を経るのに要した時間T(N/3)の値をそのまま用いてエンジン回転数を算出する。また、回転数算出部1cは、判定部1bから式(1)が成立することの判定情報Fが入力されると、時間T(N/3)を時間T(N/3−1)に等しいとする補正を行って、エンジン回転数を算出する。なお、回転数算出部1cは、欠歯区間rvがカム角信号jが示す所定の変化パターンよりも先に出現した場合には、別途定められた処理に従って、回転数算出部1cまたはエンジンECU1のその他の算出部(不図示)によりエンジン回転数が算出される。
[エンジン回転数の算出装置の動作]
次に、図4のフローチャートを参照して、算出装置10が備えるエンジンECU1が行う処理の手順を説明する。当該フローは、エンジンECU1が備えるコンピュータに含まれるプロセッサが、エンジンECU1の内部または外部の記憶媒体に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実行される。
当該フローはスタータモータの始動により開始される。ステップS101において、欠歯位置予測部1aのパルス数決定部11cは、パターン検出部11aからパターン情報Pが入力されるタイミングと、欠歯区間検出部11bから欠歯区間情報Dが入力されるタイミングとに基づいて、カム角信号jが示す所定の変化パターンが欠歯区間rvよりも先に出現したか否かを判定する。ステップS101において、パルス数決定部11cがカム角信号jが示す所定の変化パターンが欠歯区間rvよりも先に出現したと判定する場合にはステップS102へ進み、パルス数決定部11cがカム角信号jが示す所定の変化パターンが欠歯区間rvよりも先に出現しなかったと判定する場合にはステップS106へ進む。
ステップS102において、パルス数決定部11cは、所定のカム角から最初に出現すると予測される欠歯区間rvの終端までにクランク角信号kに含まれるクランクパルス数Nを決定する。ステップS102の次はステップS103へ進む。
ステップS103において、判定部1bは、クランクパルス数Nで表されるクランク角の位相分を複数の位相区間Ph(i)(iは0≦i≦N/3を満たす整数)に区分して、クランク角が各iについて位相区間Ph(i)を経る時間T(i)を取得し、前出の式(1)が満たされているか否かを判定する。ステップS103において、判定部1bが式(1)が満たされていると判定する場合にはステップS104へ進み、判定部1bが式(1)が満たされていないと判定する場合にはステップS105へ進む。
ステップS104において、回転数算出部1cは、時間T(N/3)を時間T(N/3−1)に等しいとする補正を行う。ステップS104の次はステップS105へ進む。
ステップS105において、回転数算出部1cは、エンジン回転数を算出する。ステップS103から直接にステップS105に進んだ場合には、回転数算出部1cは、時間T(N/3)の値をそのまま用いてエンジン回転数を算出する。ステップS103からステップS104を経てステップS105に進んだ場合には、回転数算出部1cは、時間T(N/3)の補正値を用いて、すなわち、時間T(N/3−1)の値に置き換えられた時間T(N/3)を用いてエンジン回転数を算出する。ステップS105の処理が終了すると当該フローは終了する。
ステップS106において、エンジンECU1は、別途定められた処理に従ってエンジン回転数を算出する。ステップS106の処理が終了すると当該フローは終了する。
なお、時間T(N/3)を補正した場合に、実際に最初の欠歯区間rvが出現したときに、前述の所定のカム角から当該実際に出現した最初の欠歯区間rvまでのクランク角の位相分が取得できる。したがって、当該位相分を記憶しておくことにより、その後のエンジン始動では記憶した位相分を用いて欠歯位置を正確に予測することができる。このように、カムと欠歯区間との位置ずれをエンジン始動時に学習することができる。
[実施の形態の効果等]
以上のように、本実施形態のエンジン回転数の算出装置である算出装置10によれば、エンジン始動時に、検出した所定のカム角から最初の欠歯区間rvの終端(クランク角pe)まで及ぶクランク角の位相分を予測する。そして、予測した当該位相分を互いに同じ変化分と予測される複数の位相区間Ph(i)(iは0≦i≦N/3を満たす整数)に区分し、実際に、クランク角が最後の位相区間Ph(N/3)を経るのに要した時間T(N/3)と、最後の位相区間Ph(N/3)の直前の位相区間Ph(N/3−1)を経るのに要した第2時間とに基づいて、時間T(N/3)が欠歯区間rvが欠落した時間に相当するか否かを判定する。時間T(N/3)が欠歯区間が欠落した時間に相当する場合に、時間T(N/3)が時間T(N/3−1)に等しいとする補正を行ってエンジン回転数を算出する。
したがって、カムと欠歯区間rvとの位置関係が設計からずれている場合に、欠歯区間rvが欠落した時間に相当する時間T(N/3)を用いてエンジン回転数を高い値に誤算出することを防ぐことができる。
本発明は、エンジン搭載車両一般に適用可能である。
1 エンジンECU
1a 欠歯位置予測部
1b 判定部
1c 回転数算出部
2 カム角センサ
3 クランク角センサ
10 算出装置
11a パターン検出部
11b 欠歯区間検出部
11c パルス数決定部
20 カムロータ
30 クランクロータ
Ph(0)、Ph(1)、Ph(2) 位相区間
T(N/3)、T(N/3−1) 時間
κ 定数
θd 位相差
D 欠歯区間情報
P パターン情報
F 判定情報
j カム角信号
k クランク角信号
M 計数値
N クランクパルス数

Claims (1)

  1. 車両のエンジン回転数の算出装置であって、
    カム角信号を出力するカム角センサと、
    クランク角信号を出力するクランク角センサと、
    エンジン始動時に、前記カム角信号が示す所定の変化パターンから所定のカム角を検出し、前記所定のカム角から、前記クランク角信号に含まれる最初の欠歯区間の終端までの、クランク角の位相分を予測する予測部と、
    前記位相分を、互いに同じ変化分と予測される複数の位相区間であって最後の位相区間が欠歯区間を含むと予測される複数の位相区間に区分して、クランク角が前記最後の位相区間を経るのに要した第1の時間と、クランク角が前記最後の位相区間の直前の位相区間を経るのに要した第2の時間とに基づいて、前記第1の時間が欠歯区間が欠落した時間に相当するか否かを判定する判定部と、
    前記第1の時間を用いてエンジン回転数を算出する算出部であって、前記判定部が前記第1の時間が前記欠歯区間が欠落した時間に相当すると判定した場合には、前記第1の時間を前記第2の時間に等しいとする補正を行う算出部とを備えている、エンジン回転数の算出装置。
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