JP2017095572A - エチレン−α−オレフィン共重合体及びその製造方法、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、並びにシラン架橋ポリエチレンパイプ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
エチレンと、炭素数が3以上6以下のα−オレフィンと、の共重合体であって、
密度が、905kg/m3以上950kg/m3以下であり、
190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが、0.5g/10min以上15g/10min以下であり、
ゲル浸透クロマトグラフィーから求められる、重量平均分子量及び数平均分子量に基づく分子量分布が、3.0以上5.0以下であり、
ゲル浸透クロマトグラフィー及びFT−IRから求められ、下記式(1)で表される短鎖分岐分布が、0.1以上2.0以下である、エチレン−α−オレフィン共重合体。
短鎖分岐分布=(logMが5.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数)−(logMが4.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数) (1)
(式(1)中、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィーにおける分子量を示し、logMは、10を底とするMの対数を示す。)
[2]
ゲル浸透クロマトグラフィー及びFT−IRから求められる、logMが3.5以上5.5以下の範囲における短鎖分岐数の平均値が、2.0以上20以下である、[1]に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体。
[3]
ゲル浸透クロマトグラフィーから求められる、logMが6.0以上の高分子量成分が、0.50質量%未満である、[1]又は[2]に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン−α−オレフィン共重合体と、該エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下の有機過酸化物と、0.1質量部以上1.5質量部以下の有機不飽和シラン化合物と、を含む、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物。
[5]
酸化防止剤として機能する物質の含有量が、前記シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物に対して、100質量ppm以下である、[4]に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物。
[6]
[4]又は[5]に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物の架橋生成物を含む、シラン架橋ポリエチレンパイプ。
[7]
ゲル分率が、75%以上である、[6]に記載のシラン架橋ポリエチレンパイプ。
[8]
担持型幾何拘束型メタロセン触媒の存在下で重合し、[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン−α−オレフィン共重合体を得る工程を有する、エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法。
[9]
[4]又は[5]に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を成形及び架橋する工程を有する、シラン架橋ポリエチレンパイプの製造方法。
短鎖分岐分布=(logMが5.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数)−(logMが4.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数) (1)
式(1)中、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィーにおける分子量を示し、logMは、10を底とするMの対数を示す。
H2C=CHR2
式中、R2は、直鎖状又は分岐状である、炭素数1〜4のアルキル基を示す。
短鎖分岐分布=(logMが5.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数)−(logMが4.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数) (1)
式(1)中、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィーにおける分子量を示し、logMは、10を底とするMの対数を示す。本明細書では、図1に示すように分子量Mに対して短鎖分岐数をプロットしたものを「短鎖分岐数の分布」とよび、logMが5.0の時の短鎖分岐数からlogMが4.0の時の短鎖分岐数を減じた差を「短鎖分岐分布」という。
本実施形態のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法は、下記の担持型幾何拘束型メタロセン触媒の存在下で、エチレンと炭素数が3以上6以下のα−オレフィンとを共重合し、上述したエチレン−α−オレフィン共重合体を得る工程を有する。
本実施形態の担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、特に限定されないが、少なくとも(ア)担体物質(以下、「成分(ア)」、「(ア)」ともいう。)、(イ)有機アルミニウム化合物(以下、「成分(イ)」、「(イ)」ともいう。)、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(以下、「成分(ウ)」、「(ウ)」ともいう。)、及び(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、「成分(エ)」、「(エ)」ともいう。)から調製された担持型幾何拘束型メタロセン触媒であることが好ましい。
LlMXpX’q‥‥(1)
[L−H]d+[MmQp]d- ‥‥(7)
[L−H]d+[MmQn(Gq(T−H)r)z]d- ‥‥(8)
[L−H]+[BQ3Q1]- ‥‥(9)
AlRnX3-n ‥‥(13)
本実施形態のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体と、該エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下の有機過酸化物と、0.1質量部以上1.5質量部以下の有機不飽和シラン化合物とを含む。
本実施形態の有機過酸化物は、押出工程でラジカルに分解し、有機不飽和シラン化合物をエチレン−α−オレフィン共重合体にグラフト変性させることができる。有機過酸化物は、エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下である。有機過酸化物の含有量が0.05質量部以上であることで、エチレン−α−オレフィン共重合体と有機不飽和シラン化合物とのグラフト変性反応が効率的に進行する。また、有機過酸化物の含有量が1.0質量部以下であることで、経済的に優れる。
本実施形態の有機不飽和シラン化合物は、エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.1質量部以上1.5質量部以下である。有機不飽和シラン化合物の含有量が0.1質量部以上であることにより、シラングラフト変性ポリエチレンのシラン架橋が十分に進行する。また、有機不飽和シラン化合物の含有量が1.5質量部以下であることにより、目ヤニ及びパイプ押し出し時の負荷の上昇等が発生して、パイプの押出成形性が不良となることや、成形時に臭気が発生することを抑制することができる。また、有機不飽和シラン化合物は高価であるため、経済的にも好ましい。
本実施形態の酸化防止剤として機能する物質(以下、単に「酸化防止剤」ともいう。)の含有量は、好ましくは100質量ppm以下であり、より好ましくは70質量ppm以下であり、さらに好ましくは50質量ppm以下である。含有量が100質量ppm以下であることにより、酸化防止剤及び有機過酸化物が反応することでラジカルが失活してしまうことを抑制し、シラングラフト変性反応時に多量の有機過酸化物が必要とならず、臭いの問題を抑制する傾向にある。また、有機過酸化物が多量に必要とならならいことで、エチレン−α−オレフィン共重合体の分解、架橋反応等の副反応を抑制し、シラングラフト変性効率の低下を抑制することができる。したがって、酸化防止剤の含有量は100質量ppm以下とすることが好ましいが、シラングラフト変性時の副反応を防止する観点からは、酸化防止剤は全く含有しないことがよりさらに好ましい。
本実施形態のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂の製造方法は、特に限定されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。即ち、変性前のエチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に、0.05質量部以上1.0質量部以下の有機過酸化物及び0.1質量部以上1.5質量部以下の有機不飽和シラン化合物を加え、例えばヘンシェルミキサー等の適当な混合機により混合し、押出機、バンバリーミキサー等により140〜250℃に加熱、混練して加熱グラフトさせる方法である。
本実施形態のシラン架橋ポリエチレンパイプは、上述したシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物の架橋生成物を含む。架橋生成物を製造する方法は、下記の通りである。
本実施形態のシラン架橋ポリエチレン成型体の製造方法は、上述したシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を成形及び架橋する工程を有する。該工程の具体例として、例えば、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物にシラノール縮合触媒を添加し、押出機で溶融混合し成形し、得られた成型体を温水又は水蒸気存在下でシラン基を架橋する工程である。
本実施形態のシラノール縮合触媒は、温水又は水蒸気の存在下で、エチレン−α−オレフィン共重合体にグラフトした有機不飽和シラン化合物を架橋させることができる。シラノール縮合触媒としては、特に限定されないが、例えば、既に公知のジブチルスズジラウリレート、酢酸第一スズ、カプリル酸第一スズ、ナフテン酸スズ、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブチルエステル、エチルアミン、ジブチルアミン、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジアセテート、及びジブチルオクテートが挙げられる。これらシラノール縮合触媒の添加方法は、特に限定されない。
実施例及び比較例で得られた各エチレン−α−オレフィン共重合体パウダーについて、JIS K6760に準拠し、密度勾配管法により、密度を測定した。
実施例及び比較例で得られた各エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー及び各シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物について、ASTM−D−1238に従い、190℃、荷重2.16kgで、メルトフローレートを測定した。また、測定して得られた、各エチレン−α−オレフィン共重合体パウダーのMFR、及び、各シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物のMFRから、シラングラフト変性時のMFR低下率を求めた。
実施例及び比較例で得られたエチレン−α−オレフィン共重合体パウダー又はシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物20mgにo−ジクロロベンゼン15mLを導入して、150℃で1時間撹拌することで試料溶液を調製し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。別途、市販の標準ポリスチレンのMwに係数0.43を乗じてポリエチレン換算分子量とし、溶出時間とポリエチレン換算分子量のプロットから1次校正直線を作成した。GPCの測定結果及び上記検量線に基づいて、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)、並びにエチレン−α−オレフィン共重合体パウダーについてはlogMが6.0以上である高分子量成分の含有率を求めた。なお、測定に用いた装置及び条件は以下のとおりであった。
装置:Waters社製150−C ALC/GPC
検出器:RI検出器
移動相:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
流量:1.0mL/分
カラム:昭和電工(株)製AT−807Sを1本と東ソー(株)製TSK−gelGMH−H6を2本連結したものを用いた。
カラム温度:140℃
実施例及び比較例で得られた各エチレン−α−オレフィン共重合体パウダーについて、GPC(Waters社製「Alliance GPCV 2000」)にオンラインで検出器としてFT−IR(パーキンエルマー(株)社製「FT−IR 1760X」)を接続し、GPC測定と同時にFT−IR測定を行った。1000炭素あたりの短鎖分岐数は、メチレン基に帰属される吸光度I(−CH2−)(吸収波数;2,925cm-1)とメチル基に帰属される吸光度I(−CH3)(吸収波数;2,960cm-1)との比であるI(−CH3)/I(−CH2−)を測定した。別途、13C−NMR測定により短鎖分岐数が既知であるポリエチレンのI(−CH3)/I(−CH2−)を測定し、短鎖分岐数とI(−CH3)/I(−CH2−)とのプロットから検量線を作成した。I(−CH3)/I(−CH2−)の測定結果及び該検量線に基づき、試料のlogMが3.5〜5.5における短鎖分岐数の平均値、logMが5.0における短鎖分岐数、及びlogMが4.0における短鎖分岐数を算出した。また、短鎖分岐分布は、logMが5.0における短鎖分岐数からlogMが4.0における短鎖分岐数を減じた値とした。
下記の方法で製造したシラン架橋ポリエチレンシートのオルゼン剛性を測定し、下記基準により柔軟性を評価した。ここで、オルゼン剛性の小さいものは柔軟性に優れ、オルゼン剛性の大きいものは柔軟性に劣る。
○:オルゼン剛性が450MPa未満
△:オルゼン剛性が450MPa以上550MPa未満
×:オルゼン剛性が550MPa以上
実施例及び比較例におけるシラン架橋ポリエチレンパイプ成形時の押出し負荷を、下記基準により評価した。
○:押出し時の負荷が小さく、製造上全く問題なかった。
△:押出し時の負荷が若干あるが、製造上は問題なかった。
×:押出し時の負荷が大きく、パイプを成型できなかった。
実施例及び比較例で得られた各シラン架橋ポリエチレンパイプの外観を、下記基準により評価した。
○:表面に傷及び内面に規則的な縞模様が存在せず、かつ平滑であった。
△:表面に傷又は内面に規則的な縞模様が存在するか、内面が平滑でないか、のいずれかであった。
×:表面に傷及び/又は内面に規則的な縞模様が存在し、かつ平滑でなかった。
実施例及び比較例で得られた各シラン架橋ポリエチレンパイプ10gを切削し、キシレン溶媒を用いてソックスレー抽出器で10時間抽出し、抽出残量を測定し、下記式によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=抽出残量(g)/10(g)×100
〔担持型幾何拘束型メタロセン触媒[I−a]の調製〕
充分に水洗し乾燥された触媒担体用シリカを、窒素雰囲気下、600℃で5時間焼成し、脱水し、脱水シリカを得た。脱水シリカの表面水酸基の量は1.85mmol/gであった。容量1.8Lのオートクレーブ中にて、この脱水シリカ40gをヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下20℃に保ちながら、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を80mL加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、シリカの表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[a]のヘキサンスラリーを得た。
チタニウム錯体を[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエンに替えた以外は、担持型幾何拘束型メタロセン触媒[I−a]の調製に準じて調整し、担持型幾何拘束型メタロセン触媒[I−b](表中、単に「I−b」と示す。)を得た。
チタニウム錯体を[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジ
エニル)ジメチルシラン]チタニウムジクロライドに替えた以外は、担持型幾何拘束型メタロセン触媒[I−a]の調製に準じて調整し、担持型幾何拘束型メタロセン触媒[I−c](表中、単に「I−c」と示す。)を得た。
(1)担体の合成
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながらAlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムは8.31mmolであった。
上記担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1.0mol/LのAlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、固体触媒成分[II](表中、単に「II」と示す。)を調製した。
(1)変性粘土化合物の調製
水350mLにエタノール150mLと37%濃塩酸8.3mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチルオクタデシルアミン29.7g(0.1mol)を添加し、60℃に加熱することによって、N,N−ジメチルオクタデシルアミン塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト100gを加えた。この懸濁液を60℃で3時間撹拌し、上澄み液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃で24時間真空乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性粘土化合物を得た。
上記の変性粘土化合物(2.00g)にヘキサン(10mL)を加え、室温で30分撹拌を行った。一方、実施例1で合成したジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド(44.5mg、101mmol)のヘキサン溶液(22.3mL)にトリエチルアルミニウム(1.2mol/L、11.2mL)を加え、室温で1時間撹拌を行った後、この溶液20mLを変性ヘクトライトのヘキサン溶液にゆっくり加えた。60℃で3時間撹拌し、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサン2回洗浄後、5質量%トリメチルアルミニウムのヘキサン溶液で希釈することで触媒懸濁液を得た。さらに触媒懸濁液をヘキサンで希釈することで、担持型メタロセン触媒[III](表中、単に「III」と示す。)を調製した。
200℃で3時間乾燥したシリカ8.5kgを33Lのトルエンで懸濁状にした後、メチルアルミノキサン溶液(Al=1.42 mol/L)82.7Lを30分かけて滴下した。次いで1.5時間かけて115℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。得られた固体触媒成分をトルエンで3回洗浄した後、トルエンで再懸濁化してシリカの表面水酸基がトリメチルアルミノキサンによりキャッピングされている成分のトルエンスラリーを得た。
以下に示す連続式スラリー重合法によりエチレン−α−オレフィン共重合体を得た。具体的には、攪拌装置を備えたベッセル型340L重合反応器を用い、重合温度60℃、重合圧力0.8MPa、平均滞留時間1.8時間の条件で連続重合を行った。溶媒として脱水ノルマルヘキサン80L/時間、触媒として上記の担持型メタロセン触媒[I−a]をTi原子換算で1.4mmol/時間、トリイソブチルアルミニウムを20mmol/時間で供給した。また、分子量調整のための水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.37mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して2.10mol%になるように供給することで、エチレン及び1−ブテンを共重合させた。尚、触媒は重合器の液面付近から供給し、エチレンおよび1−ブテンは重合器の底部から供給した。重合反応器内の重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように圧力0.05MPa、温度70℃のフラッシュタンクに導き、未反応のエチレン、1−ブテン、水素を分離した。次に、圧力0.30MPa、温度70℃のバッファータンクに平均滞留時間1.0時間の条件で導き、その後、連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等とを分離した。分離されたエチレン−α−オレフィン共重合体パウダーは、85℃で窒素ブローしながら乾燥した。得られたエチレン−α−オレフィン共重合体の密度、MFR、分子量分布、短鎖分岐数、短鎖分岐分布の測定結果を表1に示す。
重合温度80℃、重合圧力0.92MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−a]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.34mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して1.05mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度80℃、重合圧力0.98MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.19mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.25mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を150質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度80℃、重合圧力0.99MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.25mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.37mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度80℃、重合圧力0.96MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.31mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.30mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度77℃、重合圧力1.0MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.18mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.79mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度70℃、重合圧力0.90MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.23mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して1.10mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を50質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度57℃、重合圧力0.93MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.16mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して2.30mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を200質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度60℃、重合圧力0.92MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.43mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して1.35mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を10質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度60℃、重合圧力0.93MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.17mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して1.40mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を80質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度60℃、重合圧力0.92MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−a]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.26mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して2.60mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を110質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度80℃、重合圧力1.0MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.39mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.30mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を120質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度77℃、重合圧力0.90MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して0.22mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.68mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を50質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表1に示す。
重合温度83℃、重合圧力0.95MPaの条件で、上記のチーグラー・ナッタ触媒[II]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して38.28mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して4.16mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。短鎖分岐分布が負の値となった。また、柔軟性が悪かった。更に、分子量分布が広く、ゲル分率が低かった。
重合温度83℃、重合圧力0.80MPaの条件で、上記のチーグラー・ナッタ触媒[II]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して44.33mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.64mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を300質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。短鎖分岐分布が負の値となった。また、密度が高い為、柔軟性が悪かった。更に、分子量分布が広く、ゲル分率が低かった。
重合温度80℃、重合圧力0.98MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.41mol%、1−ブテンはフィードせず、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。α−オレフィンを含有していないポリエチレン単独重合体であるため、密度が高く、柔軟性が悪かった。このためシラングラフト変性が効率的に進行せず、ゲル分率が低くなった。
重合温度80℃、重合圧力0.98MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−b]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.53mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.17mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、及びシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。短鎖分岐が少ないと短鎖分岐分布が負の値になることがわかった。また、シラングラフト変性後のMFRが高すぎるためシラン架橋ポリエチレンパイプは成形できなかった。また、密度が高い為、柔軟性も悪かった。
重合温度80℃、重合圧力0.90MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.09mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して0.27mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を150質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、及びシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。しかし、元々のMFRが低すぎるため、シラングラフト変性後のMFRが低く、押出負荷によりシラン架橋ポリエチレンパイプは成形できなかった。
重合温度65℃、重合圧力1.0MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[III]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.21mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して2.05mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、及びシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。短鎖分岐分布が負の値となり、シラングラフト変性時のMFR低下が大きかった。シラングラフト変性後のMFRが低すぎるためシラン架橋ポリエチレンパイプは成形できなかった。
重合温度57℃、重合圧力0.92MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−a]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.15mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して3.10mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を10質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、及びシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。密度が低く短鎖分岐数が多いため、シラングラフト変性後のMFRが低くなりすぎ、シラン架橋ポリエチレンパイプは成形できなかった。
バッファータンクを使用しなかったこと以外は、実施例6と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。バッファータンクを使用しなかったことにより、短鎖分岐分布が負の値となった。柔軟性はあり、ゲル分率も良好だが、パイプ外観が悪かった。
重合温度80℃、重合圧力0.91MPaの条件で、上記のチーグラー・ナッタ触媒[II]を使用して、水素をエチレンと1−ブテンの気相濃度に対して31.45mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して9.44mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を200質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。チーグラー・ナッタ触媒により製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、短鎖分岐分布が負の値となり、シラングラフト変性時のMFR低下が大きかった。また、分子量分布が狭く、ゲル分率が低かった。
重合温度77℃、重合圧力1.0MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[IV]を使用して、水素をエチレンと1−ヘキセンの濃度に対して0.27mol%、1−ヘキセンをエチレンの気相濃度に対して0.82mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を500質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物、及びシラン架橋ポリエチレンパイプを得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。短鎖分岐分布が負の値となり、シラングラフト変性時のMFR低下が大きかった。また、柔軟性はあり、ゲル分率も良好だが、パイプ外観が悪かった。
重合温度60℃、重合圧力0.80MPaの条件で、上記の担持型メタロセン触媒[I−c]を使用して、水素をエチレンの気相濃度に対して0.16mol%、1−ブテンをエチレンの気相濃度に対して3.89mol%、酸化防止剤としてペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を100質量ppmとなるようにした以外は、実施例1と同様の操作により、エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー、及びシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を得た。測定結果及び評価結果を表2に示す。密度が低く、短鎖分岐数が多く、短鎖分岐分布が高いため、シラングラフト変性後のMFRが低くなりすぎ、シラン架橋ポリエチレンパイプは成形できなかった。
Claims (9)
- エチレンと、炭素数が3以上6以下のα−オレフィンと、の共重合体であって、
密度が、905kg/m3以上950kg/m3以下であり、
190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが、0.5g/10min以上15g/10min以下であり、
ゲル浸透クロマトグラフィーから求められる、重量平均分子量及び数平均分子量に基づく分子量分布が、3.0以上5.0以下であり、
ゲル浸透クロマトグラフィー及びFT−IRから求められ、下記式(1)で表される短鎖分岐分布が、0.1以上2.0以下である、エチレン−α−オレフィン共重合体。
短鎖分岐分布=(logMが5.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数)−(logMが4.0における炭素1000個あたりの短鎖分岐数) (1)
(式(1)中、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィーにおける分子量を示し、logMは、10を底とするMの対数を示す。) - ゲル浸透クロマトグラフィー及びFT−IRから求められる、logMが3.5以上5.5以下の範囲における短鎖分岐数の平均値が、2.0以上20以下である、請求項1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体。
- ゲル浸透クロマトグラフィーから求められる、logMが6.0以上の高分子量成分が、0.50質量%未満である、請求項1又は2に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体と、該エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下の有機過酸化物と、0.1質量部以上1.5質量部以下の有機不飽和シラン化合物と、を含む、シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物。
- 酸化防止剤として機能する物質の含有量が、前記シラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物に対して、100質量ppm以下である、請求項4に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物。
- 請求項4又は5に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物の架橋生成物を含む、シラン架橋ポリエチレンパイプ。
- ゲル分率が、75%以上である、請求項6に記載のシラン架橋ポリエチレンパイプ。
- 担持型幾何拘束型メタロセン触媒の存在下で重合し、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体を得る工程を有する、エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法。
- 請求項4又は5に記載のシラングラフト変性ポリエチレン樹脂組成物を成形及び架橋する工程を有する、シラン架橋ポリエチレンパイプの製造方法。
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-
2015
- 2015-11-20 JP JP2015228133A patent/JP6654872B2/ja active Active
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