JP2017095042A - 揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法 - Google Patents

揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】船首部にランプウェイを備えた揚陸用の船舶において、船首外板の一部または全部を構成するランプウェイに衝突した波が前方に押し戻される反作用で生じる波浪中抵抗増加を低減することができる揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法を提供する。
【解決手段】船首部にランプウェイ5を備え、接岸またはビーチングしてランプウェイ5を前側に転倒することで、ランプウェイ5を船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶1において、船首外板3の一部または全部をランプウェイ5で構成し、ランプウェイ5の外側の船舶1の計画喫水DWLよりも高い位置に波落とし部材7を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、船首部にランプウェイを備えた揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法に関し、より詳細には、船首外板の一部または全部がランプウェイで構成される船首部に波が衝突して前方に押し戻されることで生じる波浪中抵抗増加を低減することができる揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法に関する。
従来、貨物を積んだトラックや自動車を輸送する貨物船として、自動車運搬船やカーフェリーやRORO船が知られている。このRORO船は、船舶から岸壁や海岸に架け渡すことで船体と陸地を結ぶ出入路となるランプウェイを備えており、このランプウェイを通じて自動車や貨物を積んだトラック等が自走で乗下船することができる。このように、ランプウェイを備えることで迅速な荷役が可能となるため、ランプウェイは貨物輸送を目的とした多くの船舶に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、このランプウェイは、船首部あるいは船尾部に設けることが多い。船首部にランプウェイを設ける場合には、岸壁や海岸に船首側から接岸し、船首部からランプウェイを陸地(岸壁や海岸)に架け渡して荷役を行えるので、船尾部にランプウェイを備る場合に比して、接岸する際の船体操縦が容易であり、より迅速な荷役ができる利点がある。
例えば、ランプドアとも呼ばれる可働ブリッジ(ランプウェイ)が船首部の一部を形成して、この可働ブリッジを船首部の前に転倒して陸地に架け渡せるように、船首部の船首外板を可働ブリッジで構成する構造の船舶が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この船舶では、可働ブリッジを船首部の船首外板として利用しているので、船舶の甲板上にランプウェイを搭載する場合に比して船舶の重量を軽量化することができる。また、可働ブリッジを架け渡した際に、可働ブリッジの搬送口(出入口)が船体内の船倉(車両甲板)と直結した状態になるので、荷役作業の効率化や迅速化という面では優れた構造であると言える。
しかしながら、ランプウェイによって船首外板の一部または全部を構成する構造では、図7に示すように、ランプウェイで構成される船首外板部分が平面形状になる。そのため、船首形状が曲面で形成されている船舶と比べると波浪中抵抗増加が大きい船型となる。
つまり、船首形状が平面であると、衝突した波の力を船側側に逃がすことができないため、船首外板の平面部分に衝突した波は平面部分に沿って上昇した後に前方に押し戻され、この前方に押し戻された波の反作用によって大きな波浪中抵抗増加が生じる。この波浪中抵抗増加が大きいと、船速が低下し、所定の航海速力を維持するためには機関出力を増加させる必要が生じるので、船舶の波浪中抵抗増加を少なくすることが、機関の小型化と船舶の小型化の面で、また、省エネルギー対策の面でも重要となる。
特表2011−521836号公報 特開2002−114191号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、船首部にランプウェイを備えた揚陸用の船舶において、船首外板の一部または全部を構成するランプウェイに衝突した波が前方に押し戻される反作用で生じる波浪中抵抗増加を低減することができる揚陸用の船舶および揚陸用の船舶の設計方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の揚陸用の船舶は、船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、船首外板の一部または全部を前記ランプウェイで構成し、前記ランプウェイの外側の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けていることを特徴として構成される。
このように、本発明の揚陸用の船舶では、ランプウェイで構成された平面形状の船首外板の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けることにより、波浪中に平面形状の船首外板に衝突して上昇した後に前方に押し戻されていた波を、波落とし部材によって下方へ落とすことができる。このことにより、従来、反射して船体前方へと押し戻されていた波の反作用を低減することができるため、船舶の波浪中抵抗増加を低減することができる。また、さらに、波が平面形状の船首外板に衝突して上昇し、飛沫が前方視界を妨げるのを防止することができる。
なお、見方を変えると、前方に押し戻されていた波が波落とし部材に衝突することで、波落とし部材を船体前方に押すので、この力が船体への推力として働くことになる。そのため、波浪中抵抗増加の低減効果が生じる。
上記の揚陸用の船舶において、前記波落とし部材が、船体幅方向に関して、前記ランプウェイの最大幅の10%以上で、かつ、100%以下に亘って突設された板状部材で構成されている構成にすると、平面形状の船首外板において波落とし部材が、船首部の全面の全幅に対して、多くの部分に延在して配置された状態になるので、平面形状の船首外板に衝突する波がより上方に上昇し難くなり、波の前方への押し戻しが減少する。そのため、船舶の波浪中抵抗増加を低減するのに有利になる。なお、この波落とし部材の幅が10%よりも小さいと、船舶の波浪中抵抗増加を低減する効果が小さくなり、100%より大きいとランプウェイからはみ出し邪魔になる。
上記の揚陸用の船舶において、前記波落とし部材と前記船首外板との接続位置の最下位置から前記計画喫水までの鉛直距離が、2.0m以上で、かつ、4.0m以下である構成にすると、波落とし部材の高さ位置が日本近海の波浪中の波を下方に落とすのに適した高さとなる。つまり、船舶が日本近海を航行する際に波浪中抵抗増加を低減するのに最も適した構成となる。
言い換えると、日本近海では98%の発生頻度で波高は4.0m以下であるが、波落とし部材と船首外板との接続位置から計画喫水までの鉛直距離が、2.0mより小さくなると、波落とし部材の高さ位置を超える波の割合が大きくなり、波落とし部材によって下方に落とすことができる波の割合が小さくなるため、波落とし部材を設けることによる船舶の波浪中抵抗増加の低減効果が小さくなる。一方、波落とし部材と船首外板との接続位置から計画喫水までの鉛直距離が、4.0mより大きくなると、平面形状の船首外板に衝突して跳ね上がり、波落とし部材に衝突する波が少なくなるため、波落とし部材を設けることによる船舶の波浪中抵抗増加の低減効果が小さくなる。
上記の揚陸用の船舶において、前記波落とし部材と前記船首外板との接続位置から、前記波落とし部材の先端までの平均突出長さが、0.5m以上で、かつ、1.5m以下である構成にすると、波落とし部材の突出長さが、波浪中に平面形状の船首外板に衝突して跳ね上がり前方に押し戻される波を下方に落とすのに有利な構成となる。
言い換えると、波落とし部材の突出長さが、0.5mより小さいと波落とし部材の先端よりも前方に波が跳ね上がる可能性が生じるため、波落とし部材を設ける効果が低くなる。一方、波落とし部材の突出長さが、1.5mより大きいと波落とし部材が必要以上に過大になるため、波落とし部材及びこれを固定するための構造の重量が重くなる。
上記の揚陸用の船舶において、前記波落とし部材を前記船首外板に対して折り畳み可能又は引き込み可能に構成していると、荒天時等で波が大きく、波の高さが波落とし部材を超えるような場合には、波落とし部材によって波を下方に落とすことが難くなる。そのため、このような場合には、波落とし部材を船首外板部に沿わせるように角度を変更して波落とし部材を折り畳んだ状態や引き込んだ状態にすることで、大きな波力によって波落とし部材が損傷するリスクを低減することができる。
さらに、ランプウェイを陸地に架け渡す際に、波落とし部材を船首外板部に沿わせるように角度を変更して波落とし部材を折り畳んだ状態や引き込んだ状態にすることで、波落とし部材だけでランプウェイ及びランプウェイを通過する車両の重量を支える状態になることを回避して、波落とし部材の損傷を防止することができる。
上記の揚陸用の船舶において、船体正面視で前記波落とし部材をV字形状に形成すると共に、このV字形状の開き角度を90度以上で、かつ、180度未満とする構成にすると、波を横方向(船体幅方向)上方へ散らすことができ、飛沫が前方視界を妨げるのをより効果的に防止することができる。また、波落とし部材に作用する波の力を低減することができるので、波落とし部材のランプウェイへの接続強度を小さくすることができる。なお、V字形状の開き角度を90度未満で、船体正面視で平板部と計画喫水とのなす屈曲角度が、45度より大きくなると、波落とし部材によって波を下方に落とすことが難しくなるため、波落とし部材を設けることによる船舶の波浪中抵抗増加の低減効果が小さくなる。
上記のような目的を達成するための本発明の揚陸用の船舶の設計方法は、船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶の設計方法において、船首外板の一部または全部を前記ランプウェイで構成し、前記ランプウェイの外側の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けることを特徴とする設計方法である。この方法によれば、上記の揚陸用の船舶と同様な効果を発揮することができる。
本発明の揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶の設計方法によれば、ランプウェイで構成された平面形状の船首外板の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けることにより、波浪中に平面形状の船首外板に衝突して上昇した後に前方に押し戻される波を波落とし部材によって下方へ落とすことができる。このことにより、従来技術では、船体前方へと押し戻されていた波の反作用を低減することができるため、船舶の波浪中抵抗増加を低減することができる。
本発明に係る第1の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す側断面図である。 図1の船舶のランプウェイ付近を拡大した図である。 図1の船舶の構成を模式的に示す正面図である。 図1の船舶の平板部を折り畳んだ状態にした状況を模式的に示す側断面図である。 図1の船舶のランプウェイを海岸に架け渡した状況を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の船舶の構成を模式的に示す正面図である。 船首部にランプウェイを備えた従来技術の船舶の構成を模式的に示す側断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の揚陸用の船舶を図面を参照しながら説明する。この本発明に係る実施の形態の揚陸用の船舶は、海岸や川岸等の陸地に対して接岸した状態、または、船首側から乗り上げるようにしてビーチング(揚陸)し、船首部が海岸や川岸に乗り上げた状態で、ランプウェイで搭乗員および/または搭載車両を揚陸させる揚陸艇や揚陸艦、揚陸船等にする場合において採用することができる。
図1〜図5に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の揚陸用の船舶1(以下、船舶1)は、船首部2にランプウェイ(バウランプ)5を備えており、このランプウェイ5によって船首外板3の一部が形成されている。つまり、船首外板3は、ランプウェイ5で構成される平面形状の船首外板3aとランプウェイ5以外で構成される船形形状(曲面形状)の船首外板3bとで構成されている。
図2に示すように、船舶1の航行中はランプウェイ5は閉じられた状態になることで、船首外板3の一部(船首外板3a)として機能する。そして、図5に示すように、ランプウェイ5を荷役設備として利用する際には、船舶1が岸壁や海岸Bに船首2側から接岸またはビーチングして、ランプウェイ5の下端部に配置されているランプ用ヒンジ部6を回転軸にしてランプウェイ5を前側に転倒させ、ランプウェイ5を船首部2と陸地(岸壁や海岸B)との間に架け渡す。
これにより、ランプウェイ5の搬送口(出入口)が開口し、ランプウェイ5の搬送口(出入口)と、船体内の車両甲板(船倉)4とは直結した状態になって、両甲板4に搭載されている自動車や貨物を積んだトラック等の車両20は、ランプウェイ5を通じて自走で乗下船できるようになり、ランプウェイ5は船体と陸地とを結ぶ出入路として機能する。
図2および図3に示すように、本発明の船舶1は、ランプウェイ5の外側の船舶1の計画喫水DWLよりも高い位置に波落とし部材7を備えている。この波落とし部材7は、波浪中にランプウェイ5で構成される平面形状の船首外板3aに衝突して上昇した後に前方に押し返されていた波RWを下方へ落とす部材である。
本発明の船舶1では、このように、波落とし部材7によって、波浪中に平面形状の船首外板3aに衝突して上昇した後に前方に押し戻されて反射していた波RWを下方へ落とすことで、従来、船体前方へと押し出されていた波RWの反作用を低減する。そして、これにより、船舶1の波浪中抵抗増加を低減する。
この波落とし部材7は、ランプウェイ5の外面に沿って下方から上がってくる波を前方に反射させなければよいので、図2に示すように、計画喫水DWLに対する前方下向きの角度αを有する平板の板状部材で形成してもよく、また、板状部材の他にも例えば、楔形状の部材や、より下方に波を落とし易い側面視の断面形状が円弧形状や楕円形状の下側に凹部を持つ、より下方に波を落とし易い形状の細長い部材で形成してもよい。さらに、形状の異なる部材を組み合わせた構成にしてもよい。
この波落とし角度αの最適な角度は、航行海域における波の高さや船舶1の船速等の条件によって異なるが、航行中の波落とし部材7の波落とし角度αは例えば、20度以上で、かつ、45度以下に設定するとよい。波落とし角度αを45度以下に設定すると、平面形状の船首外板3aに衝突して上昇してくる波RWが波落とし部材7に対してほぼ直角に衝突するようになるので、波RWを効果的に下方に落とすことができ、前方に押し戻さないようにすることができる。そのため、船舶1の波浪中抵抗増加を低減するのに有利になる。
さらに、20度以上に設定して、波落とし部材7を計画喫水DWL(水面)に対して下方に傾斜させることで、波落とし部材7に下方から衝突する波RWの力の一部を船体前方への力に変えることができる。即ち、平面形状の船首外板3aに衝突して上昇してくる波RWを波落とし部材7に衝突させ、この波RWの力を波落とし部材7で船体前方に押す力として利用することで、波RWの力を船体の推力として利用することができる。
また、図3では、波落とし部材7は、船体幅方向に関して、ランプウェイ5で構成される平面形状の船首外板3aの最大幅Wmaxの100%に亘って突設された板状部材で構成されている。より具体的には、船体幅方向に関して、ランプウェイ5の最大幅Wmaxと同じ幅Wを有する板状部材を、船体正面視で計画喫水DWLと略平行であり、船首外板3aから船体前方に突き出た状態になるように船首外板3aに接続することで、波落とし部材7を構成している。
波落とし部材7の船体幅方向の幅Wは、この実施の形態のように、100%でなくてもよいが、ランプウェイ5の最大幅の10%以上で、かつ、100%以下の幅にすることが好ましい。
波落とし部材7の船体幅方向の幅Wが上記の範囲内である構成にすると、平面形状の船首外板3aにおいて波落とし部材6が、船首部の全面の全幅に対して、多くの部分に延在して配置された状態になるので、平面形状の船首外板3aに衝突した波RWがより上昇し難くなり、波RWの前方への押し戻しが減少する範囲が広がる。そのため、船舶1の波浪中抵抗増加を低減するのに有利になる。また、上昇した波RWの飛沫による前方視界の悪化を防止できる範囲が広がる。
つまり、この波落とし部材7の船体幅方向の幅Wがランプウェイ5の最大幅の10%よりも小さいと、船舶1の波浪中抵抗増加を低減する効果と前方視界確保の効果が小さくなり、100%より大きいとランプウェイ5からはみ出し邪魔になる。
なお、ここで言う波落とし部材7の船体幅方向の幅Wとは、船体幅方向に関して、波落とし部材7が延在する合計の長さを示している。即ち、例えば、波落とし部材7を複数の板状部材で構成し、隣接する板状部材同士の間にすき間をあけて配置する構成にした場合には、波落とし部材7を構成する全ての板状部材の船体幅方向の長さを合計した長さがここでいう波落とし部材7の船体幅方向の幅Wとなる。
また、図2に示すような、波落とし部材7と船首外板3aとの接続位置から、波落とし部材7の先端までの平均突出長さLは、0.5m以上で、かつ、1.5m以下に設定するとよい。
突出長さLの平均を上記の範囲にすると、波落とし部材7の突出長さLが、波浪中に平面形状の船首外板3aに衝突して上昇する波RWを下方に落とすのに適した構成となるため、船舶1の波浪中抵抗増加を低減するのに有利になる。
言い換えると、波落とし部材7の突出長さLが、0.5mより小さいと波落とし部材7の先端よりも前方に波RWが上昇する可能性が生じるため、波落とし部材7を設ける効果が低くなる。一方、波落とし部材7の突出長さLが、1.5mより大きいと波落とし部材7が必要以上に過大になるため、波落とし部材7及びこれを固定するための構造の重量が重くなる。
さらに、波落とし部材7を船首外板3aに対して回動可能に接続し、波落とし角度αを任意の角度に変更して固定できる構成にすると、船舶1が航行する海域の波の状況に合わせて、波落とし部材7の波落とし角度αを波RWを下方に落とすのに有利な傾斜角度に適宜設定することができる。そのため、船舶1の波浪中抵抗増加を低減するのにさらに有利になる。
例えば、この波落とし部材7(板状部材)は、船首外板3aに波落とし部材用ヒンジ部8を介して回動可能に接続されて構成される。即ち、波落とし部材7を波落とし部材用ヒンジ部8周りに回動させることで、波落とし部材7の計画喫水DWLに対する角度α(以下、波落とし角度α)を任意の角度に変更して固定することができ、図4および図5に示すように、波落とし部材7を船首外板3aに対して折り畳むこともできる構成とする。
そして、図4に示すように、荒天時等で波が大きく、波の高さが波落とし部材7を超えるような場合には、波落とし部材7によって船首外板3aに衝突する波RWを下方に落とすことが難くなる。そのため、このような場合には、波落とし部材7を船首外板3aに沿わせるように波落とし部材7を折り畳んだ状態にすることで、大きな波力によって波落とし部材7が損傷するリスクを低減する。
さらに、図5に示すように、ランプウェイ5を陸地に架け渡す際には、波落とし部材7を船首外板3aに沿わせるように波落とし部材7を折り畳んだ状態にすることで、波落とし部材7だけでランプウェイ5及びランプウェイ5を通過する車両20の重量を支える状態になることを回避して、波落とし部材7の損傷を防止することができる。
なお、この実施の形態では、波落とし部材7を折り畳むことができる構成にしているが、波落とし部材7を船首外板3aに引き込んだ状態にできる構成にすることで、波落とし部材7を折り畳む場合と同様の効果を得ることもできる。
具体的には、例えば、波落とし部材7を船首外板3aに対して伸縮するテレスコピック構造で形成することで、航行中には波落とし部材7を船首外板3aに対して伸ばした状態にし、荒天時等や荷役時には、波落とし部材7を船首外板3aに対して縮めた状態、あるいは収納した状態にすることができる構成にすれば、波落とし部材7の損傷を防止することができる。
そして、船首外板3aに対して波落とし部材7を接続する高さ(波落とし部材用ヒンジ部8の高さ)は、波落とし部材7と船首外板3aとの接続位置の最下位置(波落とし部材用ヒンジ部8の最下端)から計画喫水DWLまでの鉛直距離Hが、2.0m以上で、かつ、4.0m以下になるように設定することが好ましい。
鉛直距離Hを上記の範囲に設定すると、波落とし部材7の高さ位置が日本近海の波浪中の波RWを下方に落とすのに適した高さとなる。つまり、船舶1が日本近海を航行する際に、波浪中抵抗増加を低減するのに最も適した構成となる。
言い換えると、日本近海では98%の発生頻度で波高は4.0m以下であるが、波落とし部材7と船首外板3aとの接続位置から計画喫水DWLまでの鉛直距離Hが、2.0mより小さくなると、波落とし部材7の高さ位置を超える波の割合が大きくなり、波落とし部材7によって下方に落とすことができる波RWの割合が小さくなるため、波落とし部材7を設けることによる船舶1の波浪中抵抗増加の低減効果と飛沫による前方視界の悪化防止の効果が小さくなる。一方、波落とし部材7と船首外板3aとの接続位置から計画喫水DWLまでの鉛直距離Hが、4.0mより大きくなると、平面形状の船首外板3aに衝突して上昇し、波落とし部材7に衝突する波RWが少なくなるため、波落とし部材7を設けることによる船舶1の波浪中抵抗増加の低減効果と前方見通し確保の効果が小さくなる。
上記のような構成の船舶1では、波落とし部材7をランプウェイ5で構成される平面形状の船首外板3aの船舶1の計画喫水DWLよりも高い位置に設けることにより、波浪中に平面形状の船首外板3aに衝突して上昇した後に前方に押し戻されていた波RWを波落とし部材7によって下方へ落とすことが可能になる。これにより、従来、船体前方へと押し戻されていた波RWの反作用を低減することができるため、船舶1の波浪中抵抗増加を低減することができる。また、上昇した波の飛沫による前方視界の悪化を防止して良好な前方視界を確保できる。
見方を変えると、前方に反射する波RWを波落とし部材7に衝突させることで、反射する波RWの力を波落とし部材7を船体前方に押す力として利用し、この力を船体への推力として働かせることにより、波浪中抵抗増加の一部を相殺することができる。
つまり、図7に示す従来の船舶1Xのように、波落とし部材7を設けない場合には、波浪中に平面形状の船首外板3aに衝突した波RWは上昇した後に船体前方に押し戻されるため、この波RWを船体前方へ移動させる力の反作用の力によって船舶1Xには大きな波浪中抵抗増加が生じるが、本発明の船舶1では、図2に示すように、波落とし部材7によって平面形状の船首外板3aに衝突した波RWが上昇し難くなり、この波RWが船体前方に押し戻されることなく、下側に落とされるため、波RWの前方への反射による反作用の力が抑制される。そのため、船舶1の波浪中抵抗増加は小さくなる。
また、この波落とし部材7は、図6に示すような構成にすることもできる。この実施の形態の船舶1Aでは、船体正面視で波落とし部材7をV字形状に形成すると共に、このV字形状の開き角度βを90度以上で、かつ、180度未満である構成にしている。より具体的には、2枚の板状部材を、両者のなす角度βが90度以上で、かつ、180度未満になるように、船首外板3aから船体前方に突き出た状態で設置することにより波落とし部材7を構成している。
このように、船体正面視で波落とし部材7をV字形状に形成すると、波落とし部材7によって波RWを下方に落とすとともに、波RWを横方向(船体幅方向)上方へ散らすことができる。そのため、波落とし部材7に作用する波の力を低減することができるので、波落とし部材7のランプウェイへの接続強度を小さくすることができる。また、飛沫による前方視界の悪化防止効果がより大きくなる。なお、V字形状の開き角度βを90度未満で、船体正面視で波落とし部材7と計画喫水DWLとのなす屈曲角度γが、45度より大きくなると、波落とし部材7によって波RWを下方に落とすことが難しくなるため、波落とし部材7を設けることによる船舶1Aの波浪中抵抗増加の低減効果が小さくなる。
この実施の形態の船舶1Aにおいても、波落とし部材7と船首外板3aとの接続位置の最下位置から計画喫水DWLまでの鉛直距離H、波落とし部材7の船体幅方向の長さL、および、波落とし部材7の先端までの平均突出長さLは、図1〜図5に示した実施形態で示した数値範囲と同様の条件に設定することで図1〜図5に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、この実施の形態の船舶1Aでは、波落とし部材7をV字形状に形成しているが、他にも例えば、波落とし部材7をW字形状やU字形状等に形成することで、波RWを下方に落とすとともに、波RWを横方向(船体幅方向)上方へ散らすことが可能な構成にすることもできる。
次に、本発明に係る実施の形態の船舶1、1Aの設計方法について説明する。この船舶1、1Aの設計方法は、船首部にランプウェイ5を備え、接岸またはビーチングしてランプウェイ5を前側に転倒することで、ランプウェイ5を船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶1、1Aの設計方法において、船首外板3の一部または全部をランプウェイ5で構成し、ランプウェイ5の外側の船舶1、1Aの計画喫水DWLよりも高い位置に波落とし部材7を設けることにより、図1〜図5に示したような船舶1や図6に示したような船舶1Aを設計する。この方法によれば、上記の船舶1や船舶1Aと同様な効果を発揮することができる。
1、1A 船舶(揚陸用の船舶)
1X 従来の船舶(揚陸用の船舶)
2 船首部
3 船首外板
3a 平面形状の船首外板(ランプウェイで構成されている外板部分)
3b 曲面形状の船首外板
4 車両甲板(船倉)
5 ランプウェイ
6 ランプ用ヒンジ部
7 波落とし部材
8 波落とし部材用ヒンジ部
20 車両(トラック)
DWL 計画喫水
B 海岸
RW (平面形状の船首外板に衝突した)波

Claims (7)

  1. 船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、
    船首外板の一部または全部を前記ランプウェイで構成し、
    前記ランプウェイの外側の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けていることを特徴とする揚陸用の船舶。
  2. 前記波落とし部材が、船体幅方向に関して、前記ランプウェイの最大幅の10%以上で、かつ、100%以下に亘って突設された板状部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揚陸用の船舶。
  3. 前記波落とし部材と前記船首外板との接続位置の最下位置から前記計画喫水までの鉛直距離が、2.0m以上で、かつ、4.0m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の揚陸用の船舶。
  4. 前記波落とし部材と前記船首外板との接続位置から、前記波落とし部材の先端までの平均突出長さが、0.5m以上で、かつ、1.5m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の揚陸用の船舶。
  5. 前記波落とし部材を前記船首外板に対して折り畳み可能又は引き込み可能に構成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の揚陸用の船舶。
  6. 船体正面視で前記波落とし部材をV字形状に形成すると共に、このV字形状の開き角度を90度以上で、かつ、180度未満とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の揚陸用の船舶。
  7. 船首部にランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを前側に転倒することで、前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶の設計方法において、
    船首外板の一部または全部を前記ランプウェイで構成し、
    前記ランプウェイの外側の当該船舶の計画喫水よりも高い位置に波落とし部材を設けることを特徴とする揚陸用の船舶の設計方法。
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