JP2017094923A - 乗員拘束装置 - Google Patents

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JP2017094923A JP2015228960A JP2015228960A JP2017094923A JP 2017094923 A JP2017094923 A JP 2017094923A JP 2015228960 A JP2015228960 A JP 2015228960A JP 2015228960 A JP2015228960 A JP 2015228960A JP 2017094923 A JP2017094923 A JP 2017094923A
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大野 光由
Mitsuyoshi Ono
光由 大野
修 深渡瀬
Osamu Fukawatase
修 深渡瀬
根崎 琢也
Takuya Nezaki
琢也 根崎
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Abstract

【課題】乗員の視界が狭められるのを抑制しつつ、車両の通常走行時に車両用シートの見栄えを良好に維持することができる乗員拘束装置を得る。
【解決手段】乗員拘束装置10は、車両用シート12に着座した乗員Dの前方を車両幅方向外側に位置する一方側の肩部SLから車両幅方向内側に位置する他方側の腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルト22Sを備えたシートベルト装置20と、車両幅方向内側に位置する他方側の肩部SRのシート後方かつシート上方に配置されて乗員Dの頭部Hを支持するヘッドレスト16の一部を構成すると共に、車両の衝突が不可避であると判断された際に、下部に対して上部がシート前方へ回動されて他方側の肩部SRに押し当てられる肩拘束部18と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗員拘束装置に関する。
乗員の肩部を拘束する装置として、特許文献1には、乗員が着座した際に左右両側に設けた肩保持アームを下げて両肩を拘束し、車両の衝突時に肩保持アームから肩部へ向けてエアバッグを膨出させる乗員拘束装置が開示されている。一方、特許文献2には、シートベルト(ショルダベルト)が掛けられた一方の肩部を側方から拘束する側部サポート部材と、他方の肩部を上方から拘束する上部サポート部材とを備えた乗員保護装置が開示されている。また、側部サポート部材及び上部サポート部材は、複数の指を備えた多関節機構によって構成されており、車両のロールオーバー時や側面衝突時に各指の関節が折り曲げられることで乗員の肩部を拘束している。
特開2009−056836号公報 特開2004−034837号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、運転時に乗員の頭部の両側方に肩保持アームが配置されるため、乗員の視界が狭められる可能性がある。一方、特許文献2に記載の技術では、側部サポート部材及び上部サポート部材がシートバックから常時突出された状態であるため、車両の通常走行時に車両用シートの見栄えを良好に維持する観点から改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、乗員の視界が狭められるのを抑制しつつ、車両の通常走行時に車両用シートの見栄えを良好に維持することができる乗員拘束装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、車両用シートに着座した乗員の前方を車両幅方向外側に位置する一方側の肩部から車両幅方向内側に位置する他方側の腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルトを備えたシートベルト装置と、車両幅方向内側に位置する他方側の肩部のシート後方かつシート上方に配置されて乗員の頭部を支持するヘッドレストの一部を構成すると共に、車両の衝突が不可避であると判断された際に、下部に対して上部がシート前方へ回動されて前記他方側の肩部に押し当てられる肩拘束部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、シートベルト装置を構成するショルダベルトによって車両用シートに着座した乗員の車両幅方向外側に位置する一方側の肩部が拘束される。また、車両幅方向内側に位置する他方側の肩部のシート後方かつシート上方には、肩拘束部が配置されている。そして、この肩拘束部は、車両の衝突が不可避であると判断された際に、下部に対して上部がシート前方へ回動されることで、ショルダベルトが掛けられていない他方側の肩部に押し当てられる。これにより、ショルダベルトで一方側の肩部が拘束され、肩拘束部で他方側の肩部が拘束されることとなり、車両の衝突時に乗員の上体がショルダベルトから抜けてシート前方やシート幅方向へ慣性移動するのを抑制することができる。また、車両の通常走行時には肩拘束部がシート前方へ回動されていないため、肩拘束部によって乗員の視界が狭められるのを抑制することができる。
さらに、肩拘束部は、シート前方へ回動される前の状態では、乗員の頭部を支持するヘッドレストの一部を構成している。これにより、車両の通常走行時に肩拘束部によって車両用シートの見栄えが悪化するのを抑制することができる。
請求項2に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、請求項1の構成において、前記肩拘束部は、シート前方へ回動された傾倒位置でシート幅方向から見てシート上方側に湾曲されると共に後端部がヘッドレスト本体又はシートバックに回動可能に連結された円弧状の骨格部材と、前記傾倒位置における前記骨格部材の下方に設けられて前記他方側の肩部に押し潰される弾性体と、を含んで構成されている。
請求項2に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、肩拘束部が傾倒位置へ回動された状態において、弾性体が円弧状の骨格部材と肩部との間で押し潰される。これにより、他方側の肩部が弾性体から反力を受けて、この他方側の肩部の拘束状態を良好に維持することができる。
請求項3に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、請求項2の構成において、前記傾倒位置において、前記骨格部材の前端部と前記弾性体との間には、前記他方側の肩部からの荷重を受けて変形するエネルギ吸収部材が設けられている。
請求項3に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、車両の前面衝突などの衝突時に乗員の上体がシート前方へ慣性移動した場合に、他方側の肩部から肩拘束部へ入力された荷重を受けてエネルギ吸収部材が変形される。これにより、肩拘束部へ入力された荷重の少なくとも一部をエネルギ吸収部材によって吸収することができる。
請求項4に記載の本発明に係る乗員拘束装置は、請求項1〜3の何れか1項の構成において、シート前方へ回動される前の起立位置の前記肩拘束部における前記頭部とシート幅方向に対向する部位は、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ傾斜又は湾曲されている。
請求項4に記載の本発明に係る乗員拘束装置では、肩拘束部の回動時に、乗員の頭部が肩拘束部の回動軌道上に位置している場合であっても、回動途中の肩拘束部の傾斜又は湾曲された部位が頭部に当接し、頭部をシート幅方向内側へ押し戻しながら回動する。これにより、肩拘束部の回動が乗員の頭部に妨げられるのを抑制することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る乗員拘束装置によれば、乗員の視界が狭められるのを抑制しつつ、車両の通常走行時に車両用シートの見栄えを良好に維持することができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の本発明に係る乗員拘束装置によれば、エアバッグなどを用いることなく、簡易な構成で肩部を拘束することができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の本発明に係る乗員拘束装置によれば、乗員がシート前方へ慣性移動する衝突形態において、乗員の保護性能を高めることができるという優れた効果を奏する。
請求項4に記載の本発明に係る乗員拘束装置によれば、乗員の頭部が肩拘束部の回動軌道上に位置している場合であっても、肩拘束部の回動が妨げられることなく、肩部を拘束することができるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る乗員拘束装置が適用された車両用シートの上部を示す正面図であり、肩拘束部が起立位置に位置している状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置が適用された車両用シートの上部を示す正面図であり、肩拘束部が傾倒位置に位置している状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置を一部破断して示す、車両用シートの側面図であり、肩拘束部が起立位置に位置している状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置を一部破断して示す、車両用シートの側面図であり、肩拘束部が傾倒位置に位置している状態を示す図である。 実施形態に係る乗員拘束装置を一部破断して示す、車両用シートの平面図であり、肩拘束部が起立位置に位置している状態を示す図である。
本発明の実施形態に係る乗員拘束装置10について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、車両用シート12の前方向、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート前後方向の前方を向いた場合の左右を示すものとする。また、本実施形態の車両用シート12は、シート前後方向が車両の前後方向に一致され、シート上下方向が車両の上下方向に一致され、シート幅方向が車両幅方向に一致されている。そして、各図に適宜記す矢印OUTは、車両用シート12が搭載された車両における車両幅方向の外側を示している。
(乗員拘束装置10の全体構成)
図1に示されるように、本実施形態の乗員拘束装置10が適用された車両用シート12(以下、単に「シート12」と称する。)は、図示しない自動車の車体における車両幅方向中央に対して左右何れか(本実施形態では左側)にオフセットして配置されている。また、シート12は、シートバック14を備えており、このシートバック14の下端部は、図示しないシートクッションの後端部に回動可能に連結されている。また、シートバック14の上端部には、ヘッドレスト16が取り付けられている。
なお、各図では、保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)がシート12に着座した状態を図示している。ダミーは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。このダミーは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座しており、シート12は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、説明を分かり易くするために、ダミーを「乗員D」と称する。なお、乗員Dは、車両前方(シート前方)を向いて着座している。
ここで、シート12には、乗員拘束装置10が設けられている。本実施形態に係る乗員拘束装置10は、ヘッドレスト16の一部を構成する肩拘束部18と、シートベルト装置20とを含んで構成されている。本実施形態のシートベルト装置20は、3点式のシートベルトとされており、一端がセンタピラーや後方のアッパバックパネルに設けられた図示しないリトラクタに引き出し可能に巻き取られたウェビング22を備えている。
ウェビング22は、リトラクタから延びて図示しないショルダアンカに巻き掛けられている。さらに、ウェビング22は、乗員Dの前方に斜めに掛けられてショルダベルト22Sを構成している。
ショルダベルト22Sは、乗員Dの前方を車両幅方向外側に位置する左肩部SL(一方側の肩部)から右側の腰部にかけて斜めに配置されており、乗員Dの上体をシートバック14に拘束している。また、ウェビング22は、乗員Dの腰部のシート前方側でシート幅方向へ延在された図示しないラップベルトを含んで構成されており、ウェビング22の他端は、シート12の下部の図示しないアンカに固定されている。なお、本実施形態のシートベルト装置20を構成するリトラクタは、車両の衝突が予知された際に、ウェビング22を所定量巻き取って乗員Dの拘束力を高めるプリクラッシュシートベルトとされている。また、リトラクタは、車両の衝突時にウェビング22を強制的に巻き取って拘束力を高めるプリテンショナ機構を備えている。
ここで、ショルダベルト22Sが掛けられていない、車両幅方向内側に位置する右肩部SR(他方側の肩部)のシート後方かつシート上方には、肩拘束部18が配置されている。肩拘束部18は、ヘッドレスト本体24と共に乗員Dの頭部H(以下、単に「頭部H」という場合がある)を支持するヘッドレスト16を構成しており、ヘッドレスト本体24の右側に設けられている。
また、肩拘束部18は、下部に対して上部がシート前方へ回動可能に構成されており、図1に示される起立位置と図2に示される傾倒位置との間を相互に回動できるように構成されている。そして、傾倒位置で肩拘束部18が乗員Dの右肩部SRに押し当てられることで右肩部SRを拘束する。
図5には、一部が破断された肩拘束部18が起立位置に位置している状態のシート12をシート上方から見た平面図が示されている。また、図5の二点鎖線は、肩拘束部18を傾倒位置へ回動させた際における肩拘束部18の外形を示している。この図5に示されるように、ヘッドレスト16を構成するヘッドレスト本体24は、乗員Dの頭部Hの後方をシート幅方向に延在されており、このヘッドレスト本体24のシート左側の端部には、シート前方へ膨出された左膨出部24Aが形成されている。左膨出部24Aは、乗員Dの頭部Hを左側方から支持可能な形状に形成されている。また、左膨出部24Aにおける頭部Hと対向する部位には、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ湾曲された湾曲面24Bが形成されている。さらに、ヘッドレスト本体24のシート右側の端部には、膨出部が設けられておらず、肩拘束部18が配置されている。
ここで、ヘッドレスト本体24は、シートバック14に対してシート幅方向中央部分よりもシート左側へオフセットした位置に設けられている。そして、ヘッドレスト本体24と肩拘束部18とを含むヘッドレスト16全体のシート幅方向中央部分が、シートバック14のシート幅方向中央部分と一致するように構成されている。また、肩拘束部18には、乗員Dの頭部Hを右側方から支持可能な右膨出部18Aが形成されている。右膨出部18Aは、左膨出部24Aと左右対称となる形状に形成されている。そして、右膨出部18Aにおける頭部Hとシート幅方向に対向する部位には、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ湾曲された湾曲面18Bが形成されている。
次に、肩拘束部18の詳細な構成について説明する。なお、以下の説明において、傾倒位置における肩拘束部18のシート前方側を先端側とし、肩拘束部18のシート後方側を基端側とする。
(肩拘束部18の構成)
図3に示されるように、肩拘束部18は、骨格部材26と、弾性体としての軟質パッド28と、エネルギ吸収部材としての衝撃吸収パッド30とを含んで構成されている。また、肩拘束部18の外面は、ヘッドレスト本体24と同様の表皮によって覆われている。骨格部材26は、肩拘束部18の内部に配置されており、この肩拘束部18の骨格を構成している。また、骨格部材26は、肩拘束部18が起立位置に位置している状態で、シート幅方向から見てシート上下方向に延在されている。
ここで、骨格部材26は、図3に示される起立位置において、肩拘束部18の後部側の外形に沿ってシート後方側に湾曲された略円弧状に形成されている。このため、図4に示されるように、肩拘束部18が傾倒位置に位置している状態では、骨格部材26がシート幅方向から見てシート上方側に湾曲された略円弧状となっている。なお、ここでいう「湾曲」とは、連続する曲線によって形成された形状に限定されるものではなく、本実施形態の骨格部材26のように、直線状の部位と屈曲部とを含んで円弧状に形成された構成を含む概念である。
骨格部材26の基端部には、略円筒状の筒部26Bが形成されており、この筒部26Bには、回動軸32が挿通されている。回動軸32は、ヘッドレスト本体24に回動可能に連結されており、この回動軸32に筒部26Bが固定されている。このため、回動軸32の回動に伴って骨格部材26が回動されるように構成されている。
また、回動軸32には、図示しないトーションばねが取り付けられており、トーションばねの付勢力によって回動軸32がヘッドレスト本体24に対して傾倒位置へ回動する方向(図4の矢印Aの方向)に付勢されている。さらに、図3に示される起立位置において、回動軸32は、ロック機構によってトーションばねの付勢力による回動がロックされた状態となっている。そして、ロック機構は、制御部であるECU(Electronic Control Unit)34と電気的に接続されており、このECU34からの信号に基づいて作動されるように構成されている。
また、本実施形態の回動軸32は、周知のラチェット機構によって傾倒位置へ回動する方向とは反対の方向(図4の矢印Aとは反対方向)の回動が制限されている。このため、図4に示される傾倒位置において、乗員Dの右肩部SRに肩拘束部18が押し当てられた状態では、起立位置へ戻す方向へ回動できないように構成されている。また、乗員Dが肩拘束部18から右肩部SRを抜いた後、肩拘束部18をオーバーストロークの位置まで矢印Aの方向へ回動させることで、ラチェット機構による回動制限が解除され、肩拘束部18を図3に示される起立位置まで戻すことができるようになっている。
起立位置における骨格部材26の前方には、軟質パッド28が設けられている。軟質パッド28は、湾曲された骨格部材26の内側に配置されており、弾性変形可能に構成されている。また、軟質パッド28の先端側の端部28Aは、シート上方に突出されており、骨格部材26の上端部よりも上方まで延在されている。さらに、図4に示されるように、傾倒位置では軟質パッド28が骨格部材26の下方に位置しており、肩拘束部18が右肩部SRに押し当てられることで、軟質パッド28が押し潰されている(弾性変形されている)。
図4に示される傾倒位置において、骨格部材26の先端部26A(前端部)と軟質パッド28との間には、衝撃吸収パッド30が設けられている。衝撃吸収パッド30は、樹脂部材によって形成されており、骨格部材26の先端部26Aの右肩部SRと対向する部位に設けられている。本実施形態の衝撃吸収パッド30は、骨格部材26における右肩部SRとシート前後方向に対向する部位から骨格部材26に沿ってシート上方側かつシート後方側へ延在されている。そして、衝撃吸収パッド30は、骨格部材26及び軟質パッド28の少なくとも一方に接着剤などによって固定されている。
ここで、衝撃吸収パッド30は、肩拘束部18が右肩部SRに押し当てられた状態では変形しておらず、乗員Dの右肩部SRから荷重を受けることによって変形される。例えば、図4の状態で車両の前面衝突などによって乗員Dの上体がシート前方側へ慣性移動しようとすると、右肩部SRから衝撃吸収パッド30へ荷重が入力され、衝撃吸収パッド30が変形される。そして、右肩部SRから肩拘束部18へ入力された荷重の少なくとも一部が衝撃吸収パッド30によって吸収される。
図3及び図4に示されるように、ECU34は、プリクラッシュセンサなどの衝突予知センサ36と電気的に接続されている。また、ECU34は、衝突予知センサ36からの信号に基づいて、自動車に対する各種形態の衝突(の発生又は不可避であること)を予測可能とされている。そして、ECU34は、衝突予知センサ36からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された際に、骨格部材26の回動軸32をロックしているロック機構を制御して、回動軸32のロック状態を解除させる。これにより、トーションばねの付勢力によって回動軸32が傾倒位置へ回動され、この回動軸32と共に骨格部材26が図4の矢印Aの方向に回動される。このようにして、肩拘束部18が起立位置から傾倒位置へ回動される。また、衝突予知センサ36からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された際には、シートベルト装置20のリトラクタに設けられたモータ等によってウェビング22が所定量巻き取られる。
なお、衝突予知センサ36は、例えばウインドシールドガラスの上部における車幅方向中央付近に設けられた図示しないステレオカメラを含んで構成される。そして、このステレオカメラによって車両の前方側を撮影し、車両への衝突体を検出するようになっている。また、ステレオカメラによって検出された衝突体までの距離や車両と衝突体との相対速度などを測定し、測定データをECU34へ出力するようになっている。そして、ECU34は、ステレオカメラからの測定データに基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。なお、衝突予知センサ36をミリ波レーダなどによって構成してもよい。
また、ECU34は、衝突センサ38と電気的に接続されている。そして、ECU34は、衝突センサ38からの信号に基づいて車両の衝突を検知すると、図示しないリトラクタのプリテンショナ機構を作動させる。これにより、ウェビング22が強制的に巻き取られて乗員Dの拘束力が高められる。また、衝突センサ38からの信号に基づいてシート12に収納された図示しないエアバッグなどの乗員保護装置が作動(膨張展開)されて乗員を保護する。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態に係る乗員拘束装置10の作用並びに効果について説明する。
本実施形態では、図1に示されるように、車両の通常走行時には、ショルダベルト22Sによって乗員Dの左肩部SLが拘束されている。また、肩拘束部18は、ヘッドレスト16の一部として機能しており、乗員Dの頭部Hを右側方から支持可能とされている。このようにして、肩拘束部18は、シート前方へ回動される前の起立位置に位置している状態でヘッドレスト16の一部を構成しているため、車両の通常走行時に肩拘束部18によってシート12の見栄えが悪化するのを抑制することができる。また、肩拘束部18によって乗員Dの視界が狭められるのを抑制することができる。この結果、乗員Dの視界が狭められるのを抑制しつつ、車両の通常走行時にシート12の見栄えを良好に維持することができる。
さらに、本実施形態では、図2に示されるように、車両の衝突が不可避であると判断された際に、肩拘束部18が起立位置から傾倒位置へ回動されて乗員Dの右肩部SRに押し当てられる。これにより、乗員Dの左肩部SLがショルダベルト22Sによって拘束されると共に、右肩部SRが肩拘束部18によって拘束される。この結果、車両の衝突時に乗員Dの上体がショルダベルト22Sから抜けてシート前方やシート幅方向へ慣性移動するのを抑制することができる。
さらにまた、本実施形態では、図4に示されるように、肩拘束部18が傾倒位置へ回動された状態において、軟質パッド28が骨格部材26と右肩部SRとの間で押し潰されている。これにより、右肩部SRが軟質パッド28から反力を受けることで、右肩部SRの拘束状態を良好に維持することができる。また、エアバッグなどを用いて右肩部SRを拘束する構成と比較して、簡易な構成で右肩部SRを拘束することができる。
また、本実施形態では、傾倒位置における骨格部材26の先端部26Aの右肩部SRと対向する部位に衝撃吸収パッド30が設けられている。これにより、車両の前面衝突などの衝突時に乗員Dの上体がシート前方へ慣性移動した場合であっても、右肩部SRからの荷重を衝撃吸収パッド30によって吸収することができ、乗員の保護性能を高めることができる。
さらに、本実施形態では、図5に示されるように、シート前方へ回動される前の起立位置における肩拘束部18の頭部Hとシート幅方向に対向する部位に湾曲面18Bが形成されている。これにより、車両の衝突が不可避であると判断された際に、頭部Hが肩拘束部18の回動軌道上に位置している場合であっても、回動途中の肩拘束部18の湾曲面18Bによって頭部Hがシート幅方向内側へ押し戻される。この結果、肩拘束部18の回動が頭部Hに妨げられることなく、肩拘束部18を傾倒位置まで回動させて右肩部SRを拘束することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において実施することが可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態では、肩拘束部18を構成する骨格部材26は、回動軸32を介してヘッドレスト本体24に回動可能に連結されていたが、これに限定されず、骨格部材26をシートバック14の上端部に回動可能に連結してもよい。
また、上記実施形態の肩拘束部18は、車体における車両幅方向中央に対して左側にオフセットして配置された助手席のシート12に適用されており、ショルダベルト22Sが乗員Dの左肩部SLから右側の腰部にかけて斜めに配置されていたが、これに限定されない。例えば、車体における車両幅方向中央に対して右側にオフセットして配置された運転席のシート12に適用してもよい。この場合、ショルダベルト22Sが乗員Dの右肩部SRから左側の腰部にかけて斜めに配置されることとなる。そして、肩拘束部をヘッドレスト本体の左側に設けて乗員Dの左肩部SLを拘束する構成とすれば、乗員Dの右肩部SRをショルダベルト22Sで拘束しつつ、左肩部SLを肩拘束部で拘束することができる。
さらに、上記実施形態では、骨格部材26と軟質パッド28との間の空間の一部に衝撃吸収パッド30を設けたが、これに限定されない。例えば、衝撃吸収パッド30を骨格部材26の先端部26Aから基端部の筒部26Bまで連続して配置してもよい。この場合、車両の後面衝突などの衝突時に乗員Dの右肩部SRからシート後方側へ作用する荷重の少なくとも一部を衝撃吸収パッド30によって吸収することができる。
さらにまた、上記実施形態の軟質パッド28及び衝撃吸収パッド30の形状や材質については特に限定されない。例えば、軟質パッド28は、傾倒位置で右肩部SRに押し潰される弾性体であればよく、ゴムを含むパッドなどによって構成してもよい。また、衝撃吸収パッド30は、乗員Dの右肩部SRからの荷重を受けた際に変形して荷重を吸収できる部材であればよく、発泡樹脂などによって構成してもよい。
また、上記実施形態の肩拘束部18には、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ湾曲された湾曲面18Bが形成されていたが、これに限定されない。例えば、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ傾斜された傾斜面を形成してもよい。この場合も上記実施形態と同様の効果を有する。すなわち、肩拘束部18の回動軌道上に頭部Hが位置している場合であっても、回動途中の肩拘束部18に形成された傾斜面が頭部Hに当接し、この傾斜面によって頭部Hをシート幅方向内側へ押し戻すことで、右肩部SRを拘束することができる。
さらに、上記実施形態では、図示しないトーションばねの付勢力によって回動軸32を介して肩拘束部18を回動させる構成としたが、これに限定されず、他の方法で肩拘束部18を回動させてもよい。例えば、回動軸32にモータを接続し、モータを駆動させることで回動軸32を介して肩拘束部18を回動させる構成としてもよい。
10 乗員拘束装置
12 車両用シート
16 ヘッドレスト
18 肩拘束部
20 シートベルト装置
22S ショルダベルト
24 ヘッドレスト本体
26 骨格部材
28 軟質パッド(弾性体)
30 衝撃吸収パッド(エネルギ吸収部材)
D 乗員
H 頭部
SL 左肩部(一方側の肩部)
SR 右肩部(他方側の肩部)

Claims (4)

  1. 車両用シートに着座した乗員の前方を車両幅方向外側に位置する一方側の肩部から車両幅方向内側に位置する他方側の腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルトを備えたシートベルト装置と、
    車両幅方向内側に位置する他方側の肩部のシート後方かつシート上方に配置されて乗員の頭部を支持するヘッドレストの一部を構成すると共に、車両の衝突が不可避であると判断された際に、下部に対して上部がシート前方へ回動されて前記他方側の肩部に押し当てられる肩拘束部と、
    を有する乗員拘束装置。
  2. 前記肩拘束部は、シート前方へ回動された傾倒位置でシート幅方向から見てシート上方側に湾曲されると共に後端部がヘッドレスト本体又はシートバックに回動可能に連結された円弧状の骨格部材と、前記傾倒位置における前記骨格部材の下方に設けられて前記他方側の肩部に押し潰される弾性体と、を含んで構成されている請求項1に記載の乗員拘束装置。
  3. 前記傾倒位置において、前記骨格部材の前端部と前記弾性体との間には、前記他方側の肩部からの荷重を受けて変形するエネルギ吸収部材が設けられている請求項2に記載の乗員拘束装置。
  4. シート前方へ回動される前の起立位置の前記肩拘束部における前記頭部とシート幅方向に対向する部位は、シート上方から見てシート後方からシート前方へ向かうにつれてシート幅方向外側へ傾斜又は湾曲されている請求項1〜3の何れか1項に記載の乗員拘束装置。
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