JP2017094750A - 印刷装置 - Google Patents

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Takashi Omiya
誉史 大宮
隆志 杉山
Takashi Sugiyama
隆志 杉山
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Abstract

【課題】ユーザを識別不能なデータに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上すること。
【解決手段】認証情報の入力を受け付ける受付部と、印刷部と、制御部と、を備え、制御部は、少なくとも受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功したことを条件に、蓄積装置に蓄積されているデータであってユーザを識別不能な識別不能データに基づく印刷を印刷部に実行させる識別不能印刷処理を実行する、印刷装置。
【選択図】図5

Description

データを印刷する技術に関する。
従来、印刷文書のセキュリティを確保するために、認証情報を付与したデータをデータ生成装置から印刷処理装置に送信し、印刷処理装置は受信したデータに付与されている認証情報と一致する認証情報が入力されるとそのデータ全てを印刷部に供給する印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−341591号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、認証情報のようなユーザを識別可能な情報が付与されているデータについて印刷文書のセキュリティを確保するものであり、ファクシミリデータのようにユーザを識別不能なデータについては印刷文書のセキュリティが考慮されていなかった。
本明細書では、ユーザを識別不能なデータに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する技術を開示する。
本明細書によって開示される印刷装置は、認証情報の入力を受け付ける受付部と、印刷部と、制御部と、を備え、前記制御部は、少なくとも前記受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功したことを条件に、蓄積装置に蓄積されているデータであってユーザを識別不能な識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させる識別不能印刷処理を実行する。
認証情報を用いた認証が成功した場合は、その認証情報を入力したユーザは信頼できるユーザである可能性が高い。上記印刷装置によると、印刷装置が備える受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功した場合に識別不能データに基づく印刷を印刷部に実行させるので、識別不能データに基づく印刷を印刷部が実行しているとき、信頼できるユーザが印刷装置の近くにいる可能性が高い。
よって上記印刷装置によると、認証が成功していない場合にも識別不能データに基づく印刷を実行させる場合に比べ、識別不能データに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
また、前記制御部は、少なくとも前記受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功したことを条件に、前記蓄積装置に蓄積されているデータであってユーザを識別可能な識別可能データのうち前記認証情報に対応するユーザと合致するユーザが識別される識別可能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させる識別可能印刷処理を実行してもよい。
上記印刷装置によると、認証が成功していない場合にも識別可能データに基づく印刷を実行させる場合に比べ、識別可能データに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
また、前記制御部は、前記蓄積装置に前記識別不能データ、及び、前記識別可能データが蓄積されている場合は、前記識別可能印刷処理、前記識別不能印刷処理の順で実行してもよい。
ユーザは識別可能データを印刷するために認証情報を入力する場合もある。上記印刷装置によると、識別可能データを先に印刷するので、識別可能データを印刷するためにユーザが認証情報を入力した場合に、識別可能データに基づいて印刷された印刷物をより早く得ることができる。
また、前記制御部は、前記蓄積装置に前記識別不能データ、及び、前記識別可能データが蓄積されている場合は、前記識別不能印刷処理、前記識別可能印刷処理の順で実行してもよい。
ユーザは識別可能データを印刷するために認証情報を入力する場合もある。上記印刷装置によると、識別不能データを先に印刷するので、識別可能データを印刷するためにユーザが認証情報を入力した場合に、識別不能データの印刷を実行しているときにも信頼できるユーザが印刷装置の近くにいることになる。このため、識別不能データに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
また、前記制御部は、前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させるか否かの設定を受け付ける設定処理と、前記設定処理で蓄積させる設定を受け付けた場合は前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させ、蓄積させない設定を受け付けた場合は前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させない蓄積処理と、を実行してもよい。
上記印刷装置によると、識別不能データを蓄積させるか否かをユーザが設定することができる。
また、前記制御部は、前記設定処理で前記識別不能データを蓄積させない設定を受け付けた場合は、前記蓄積装置に蓄積されている前記識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させてもよい。
識別不能データは削除してしまうと後で印刷物が必要になったときに同じ内容の識別不能データを再度取得することが困難な場合もある。上記印刷装置によると、識別不能データを蓄積させない設定を受け付けた場合は、蓄積装置に蓄積されている識別不能データを削除するのではなく、当該識別不能データに基づく印刷を実行させるので、ユーザは識別不能データに基づいて印刷された印刷物を得ることができる。
また、前記制御部は、前記設定処理で前記識別不能データを蓄積させない設定を受け付けた場合は、前記蓄積装置に蓄積されている前記識別不能データのうち特定種別の識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させ、前記特定種別以外の種別の識別不能データについては前記蓄積装置から削除してもよい。
上記印刷装置によると、識別不能データを蓄積させない設定を受け付けた場合は、特定種別の識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を実行させるので、ユーザは特定種別の識別不能データについては当該識別不能データに基づいて印刷された印刷物を得ることができる。また、上記印刷装置によると、特定種別以外の種別の識別不能データについては蓄積装置から削除するので、既に蓄積装置に蓄積されている特定種別以外の種別の識別不能データをそのまま蓄積させておく場合に比べてセキュリティが向上する。
また、前記制御部は、特定種別の前記識別不能データについては前記蓄積装置に蓄積させ、前記特定種別以外の種別の前記識別不能データについては前記蓄積装置に蓄積させない蓄積処理を実行してもよい。
上記印刷装置によると、特定種別以外の種別の識別不能データについては蓄積装置に蓄積しないようにすることができる。
また、前記特定種別の識別不能データはファクシミリデータであってもよい。
上記印刷装置によると、ユーザはファクシミリデータについては当該ファクシミリデータに基づいて印刷された印刷物を得ることができる。
また、前記制御部は、前記識別不能印刷処理において、前記認証が成功する前に前記蓄積装置への蓄積が完了した前記識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させ、前記認証が成功した後に前記蓄積装置への蓄積が完了した前記識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させないようにしてもよい。
認証が成功した後に蓄積装置への蓄積が完了した識別不能データについても当該識別不能データに基づく印刷を印刷部に実行させると、ユーザは予期せぬ印刷が行われて混乱する虞がある。上記印刷装置によると、認証が成功した後に蓄積装置への蓄積が完了した識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を実行させないので、そのような混乱を抑制できる。
また、前記制御部は、前記識別不能印刷処理において、前記認証が成功する前に前記蓄積装置への蓄積が完了した識別不能データについては当該識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させ、前記蓄積装置の空き容量が第1基準容量以下である場合は、前記認証が成功した後に前記蓄積装置への蓄積が完了した識別不能データについても当該識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させてもよい。
上記印刷装置によると、蓄積装置の空き容量が第1基準容量より多い場合は、認証が成功した後に蓄積装置への蓄積が完了したデータについては当該データに基づく印刷を実行させないので、予期せぬ印刷を低減できる。また、上記印刷装置によると、蓄積装置の空き容量が第1基準容量以下であっても認証が成功した後に蓄積装置への蓄積が完了したデータについては印刷を実行させない場合に比べ、蓄積装置の空き容量をより早い時点で増やすことができる。
また、前記制御部は、前記識別不能印刷処理の実行中に認証成功状態が解除されても前記識別不能印刷処理を継続してもよい。
上記印刷装置によると、ユーザは認証成功状態が解除された後も識別不能データに基づいて印刷された印刷物を得ることができる。
また、前記制御部は、前記識別不能印刷処理を実行させるか否かの選択を受け付ける選択受付処理を実行し、前記選択受付処理で実行させない選択を受け付けた場合は前記識別不能印刷処理を実行しないようにしてもよい。
上記印刷装置によると、蓄積装置に蓄積されているデータに基づいて印刷された印刷物を直ぐに必要としない場合は印刷を実行させない選択を行うことにより、蓄積装置に蓄積
されているデータに基づく印刷が実行されないようにすることができる。
また、前記制御部は、前記条件が成立した場合に、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を前記印刷部に実行させる処理以外の他の処理に前記印刷部が利用される可能性があるか否かを判断する利用判断処理を実行し、前記利用判断処理で前記可能性があると判断した場合は、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を待機してもよい。
上記印刷装置によると、蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させる処理以外の他の処理に印刷部が利用される可能性がある場合は蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を待機するので、他の処理を実行させたいユーザは、他の処理を、蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させる処理より先に実行させることができる。
また、前記制御部は、前記利用判断処理で前記可能性があると判断したときから一定時間以内に前記他の処理を実行しなかった場合は、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を前記印刷部に実行させてもよい。
いつまでも他の処理を実行しないと、蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷が長時間に亘って待機されてしまう。上記印刷装置によると、一定時間以内に他の処理を実行しなかった場合は蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させるので、待機する時間を上述した一定時間以内にすることができる。
また、前記制御部は、前記蓄積装置の空き容量が第2基準容量以下である場合は、前記利用判断処理を実行せず、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を前記印刷部に実行させてもよい。
上記印刷装置によると、蓄積装置の空き容量が第2基準容量以下である場合は蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させるので、他の処理を実行してから蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させる場合に比べ、蓄積装置の空き容量をより早い時点で増やすことができる。
なお、本明細書によって開示される技術は、印刷システム、印刷方法、印刷制御プログラム、印刷制御プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
上記の印刷装置によると、認証を行わずに識別不能データに基づく印刷を実行させる場合に比べ、識別不能データに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
実施形態1に係る印刷システムの構成を示す模式図。 複合機の電気的構成を簡略化して示すブロック図。 ユーザ管理テーブルを示す模式図。 蓄積ジョブ管理テーブルを示す模式図。 ログイン処理のフローチャート。 識別可能印刷・識別不能印刷処理のフローチャート。 印刷ジョブ受信・蓄積処理のフローチャート。 蓄積設定処理のフローチャート。 実施形態2に係る優先順決定処理のフローチャート。 蓄積印刷実行処理のフローチャート。 実施形態3に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理のフローチャート。
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図8によって説明する。
(1)印刷システムの構成
先ず、図1を参照して、実施形態1に係る印刷システム1の構成について説明する。印刷システム1は、実施形態1に係る印刷装置としての複合機2、認証サーバ3、及び、1以上の端末装置4を備えて構成されている。
複合機2、認証サーバ3、及び、1以上の端末装置4はLAN(Local Area
Network)などの通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。また、複合機2には電話網7を介して外部のFAX装置6との間でFAXデータを送受信するための電話回線8が接続されている。FAXはファクシミリの略称である。
端末装置4はパーソナルコンピュータ(PCと記す)やモバイル端末などである。モバイル端末は所謂スマートフォンやタブレット端末などである。ユーザは端末装置4を操作して複合機2に印刷ジョブを送信することができる。
複合機2は印刷機能、画像読取機能、FAX機能、コピー機能、ダイレクトプリント機能などを有している。ダイレクトプリント機能とは、USBメモリなどのリムーバブルメモリに記憶されている画像データが表す画像を印刷する機能である。
認証サーバ3はユーザを一元的に管理するサーバである。認証サーバ3には後述するユーザ管理テーブル31(図3参照)などが記憶されている。認証サーバ3についての説明は後述する。
(2)複合機の電気的構成
次に、図2を参照して、複合機2の電気的構成について説明する。複合機2は制御部11、操作部12、印刷部13、画像読取部14、FAX部15、通信インタフェース部16、カードリーダ17、USBホストインタフェース部18、計時部19などを備えて構成されている。
制御部11はCPU11A、フラッシュメモリ11B、RAM11C、ASIC11Dなどを備えて構成されている。CPU11Aはフラッシュメモリ11Bに記憶されている制御プログラムを実行することによって複合機2の各部を制御する。フラッシュメモリ11BにはCPU11Aによって実行される制御プログラムや各種のデータなどが記憶されている。RAM11CはCPU11Aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。また、RAM11Cには後述する蓄積ジョブ管理テーブル32(図4参照)や印刷ジョブなどが記憶される。RAM11Cは蓄積装置の一例である。
操作部12は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を覆うタッチパネル、その他各種の操作ボタンなどを備えている。ユーザは操作部12を操作することによって各種の指示や情報を入力することができる。
印刷部13は印刷ジョブに格納されている印刷データが表す画像を印刷用紙などのシートに電子写真方式やインクジェット方式などで印刷する。
画像読取部14は、原稿が載置されるプラテンガラス、複数の原稿を1枚ずつ搬送するADF(Auto Document Feeder)、イメージセンサ、プラテンガラスに載置されている原稿やADFによって搬送されている原稿を照射する光源、原稿によって反射された光をイメージセンサに結像する光学系などを備えており、原稿を読み取っ
て画像データを生成する。
FAX部15はNCU(Network Control Unit)、モデム、これらを制御する制御回路などを備えており、外部のFAX装置6との間で電話回線8を介してFAXデータを送受信する。
通信インタフェース部16は複合機2を通信ネットワーク5に接続するためのハードウェアである。
カードリーダ17はIDカード21に記憶されているカードIDを読み取って制御部11に出力する装置である。ユーザはカードリーダ17にIDカード21をかざすことによって非接触でカードIDを読み取らせることができる。
USBホストインタフェース部18は、USBホストコントローラ、USBメモリが接続されるジャックなどを備えて構成されている。なお、複合機2はUSBホストインタフェース部18に替えて、あるいはUSBホストインタフェース部18に加えて、各種のリムーバブルメモリの規格に応じた形状のメモリスロットを有するメモリカードリーダを備えていてもよい。
計時部19は現在時刻を計時するものである。
(3)複合機へのログイン
複合機2を使用するためには、ユーザは予め複合機2に認証情報を入力してログインする必要がある。本実施形態では一人のユーザに対して次に説明する(a1)及び(a2)の二種類の認証情報が付与されている。ユーザはそれら二種類の認証情報のうちいずれの認証情報を入力してもよい。
(a1)ユーザID、及び、パスワード
ユーザID、及び、パスワードを認証情報として用いる場合は、ユーザは複合機2の操作部12で自身のユーザID、及び、パスワードを入力する。この場合は操作部12が受付部の一例である。
(a2)カードID
カードIDを認証情報として用いる場合は、ユーザは予め配布されているIDカード21をカードリーダ17にかざしてカードIDを読み取らせる。この場合はカードリーダ17が受付部の一例である。
複合機2は、認証情報が入力されると、その認証情報を認証サーバ3に送信して認証を要求する。そして、複合機2は、認証サーバ3から認証成功を示す認証結果を受信した場合は複合機2を装置の使用許諾状態であるログイン状態にする。ログイン状態は認証成功状態の一例である。
複合機2はログイン状態になると表示装置に図示しないメニュー画面を表示させる。ユーザはメニュー画面を操作することにより、前述した画像読取機能、FAX機能、コピー機能、ダイレクトプリント機能などを使用することや、各種の設定を行うことなどが可能になる。
ここで、詳しくは後述するが、RAM11Cに印刷ジョブが蓄積されている場合は、ログイン状態になってもメニュー画面は直ぐには表示されない。RAM11Cに印刷ジョブが蓄積されている場合はログイン状態になると蓄積されている印刷ジョブの実行が開始され、その間、表示装置には「印刷中」というメッセージが表示される。そして、その実行が完了した後にメニュー画面が表示される。ただし、蓄積されている印刷ジョブの実行中
はメニュー画面を表示させることができない訳ではなく、操作ボタンを操作することによってメニュー画面を表示させることも可能である。
複合機2は、メニュー画面から呼び出される図示しないログオフ画面でユーザがログオフを指示するか、又は、操作部12で一定時間以上操作を受け付けなかった場合はログイン状態を終了する。ログイン状態を終了することは認証成功状態を解除することの一例である。
(4)認証サーバによる認証
次に、認証サーバ3による認証について説明する。認証サーバ3には図3に示すユーザ管理テーブル31が記憶されている。ユーザ管理テーブル31には、ユーザ毎に、ユーザID、パスワード、カードID、及び、管理者権限の有無が登録されている。管理者権限とは、複合機2に対して高度の設定を行うことができる権限である。以降の説明では管理者権限があるユーザのことを管理者といい、管理者権限がないユーザのことを一般ユーザという。また、両者を区別しない場合は単にユーザという。
認証サーバ3は、複合機2から認証情報としてユーザID及びパスワードを受信した場合は、受信したユーザID及びパスワードの組み合わせがユーザ管理テーブル31に登録されているか否かを判断する。そして、複合機2は、登録されている場合は認証成功を示す認証結果を複合機2に送信し、登録されていない場合は認証失敗を示す認証結果を複合機2に送信する。認証情報としてカードIDを受信した場合も同様である。
(5)印刷ジョブ
次に、複合機2が端末装置4やFAX装置6から受信する印刷ジョブについて説明する。印刷ジョブとは、印刷部13に印刷させる印刷データや各種の情報が格納されているデータである。各種の情報とは、その印刷データを印刷するときの印刷条件、その印刷ジョブを送信したユーザのユーザID、印刷ジョブの種別などである。印刷ジョブの種別についての説明は後述する。
複合機2は、印刷ジョブを実行することにより、その印刷ジョブに格納されている印刷データに基づく印刷を印刷部13に実行させる。以降の説明では印刷データが表す画像が印刷されたシートのことを印刷物という。
次に、上述した印刷ジョブの種別について説明する。ここでは印刷ジョブの種別としてPC印刷ジョブ、FAX印刷ジョブ、及び、モバイル印刷ジョブを例に説明する
(b1)PC印刷ジョブ
PC印刷ジョブはPCから受信した印刷ジョブである。PC印刷ジョブにはそのPC印刷ジョブの送信を指示したユーザのユーザIDが格納されている。ユーザIDはユーザを一意に識別するための情報である。PC印刷ジョブはユーザを識別可能な識別可能データの一例である。以降の説明ではPC印刷ジョブのことを識別可能印刷ジョブという。
(b2)FAX印刷ジョブ
FAX印刷ジョブは外部のFAX装置6から受信したFAXデータを印刷するための印刷ジョブである。ここで、FAX印刷ジョブは受信したFAXデータから生成されるものであるが、便宜上、本実施形態ではFAXデータを受信することを「FAX印刷ジョブを受信する」というものとする。一般にFAX印刷ジョブにはユーザIDは格納されない。本実施形態に係るFAX印刷ジョブもユーザIDは格納されていないものとする。
(b3)モバイル印刷ジョブ
モバイル印刷ジョブは前述したモバイル端末から受信した印刷ジョブである。モバイル印刷ジョブにユーザIDが格納されているか否かは、そのモバイル印刷ジョブを送信したモバイル端末で実行されている印刷アプリケーションプログラムに依存する。本実施形態に係る印刷アプリケーションプログラムは印刷ジョブにユーザIDを格納しないものとする。このため、本実施形態に係るモバイル印刷ジョブにはユーザIDは格納されない。
以降の説明ではFAX印刷ジョブ及びモバイル印刷ジョブを総称して識別不能印刷ジョブという。識別不能印刷ジョブはユーザを識別不能な識別不能データの一例である。
(6)識別可能印刷、及び、識別不能印刷
次に、識別可能印刷、及び、識別不能印刷について説明する。
(6−1)識別可能印刷
識別可能印刷とは、印刷ジョブを受信しても直ちには実行せずにRAM11Cに蓄積し、ユーザが認証情報を入力して認証が成功した場合に、言い換えると複合機2がログイン状態になった場合に、RAM11Cに蓄積されている印刷ジョブのうちその認証情報に対応するユーザIDと合致するユーザIDが格納されている印刷ジョブを実行することをいう。
識別可能印刷を行うためには印刷ジョブにユーザIDが格納されている必要がある。前述したようにPC印刷ジョブにはユーザIDが格納されるので、ユーザはPCから複合機2にPC印刷ジョブを送信することにより、識別可能印刷を行うことができる。
(6−2)識別不能印刷
識別不能印刷とは、識別不能印刷ジョブを受信しても直ちには実行せずにRAM11Cに蓄積し、いずれかのユーザが認証情報を入力して認証が成功した場合に、言い換えると複合機2がログイン状態になった場合に、その認証情報を入力したユーザが送信した識別不能印刷ジョブであるか否かによらず、RAM11Cに蓄積されている識別不能印刷ジョブを実行することをいう。
(7)印刷ジョブの蓄積
次に、図4を参照して、RAM11Cに記憶されている蓄積ジョブ管理テーブル32について説明する。なお、蓄積ジョブ管理テーブル32はフラッシュメモリ11Bに記憶されてもよい。
蓄積ジョブ管理テーブル32には、蓄積する印刷ジョブ毎に、ジョブ名、ユーザID、種別、及び、蓄積日時が登録される。ユーザIDには印刷ジョブに格納されているユーザIDが登録される。ただし、前述したように識別不能印刷ジョブにはユーザIDは格納されていないため、識別不能印刷ジョブの場合は蓄積ジョブ管理テーブル32のユーザIDは空欄となる。
蓄積ジョブ管理テーブル32への印刷ジョブの登録は、一部の例外を除いて、その印刷ジョブの受信が完了した後に行われる。上述した一部の例外についての説明は後述する。
ここで、本実施形態では、RAM11Cに印刷ジョブが記憶されていても、その印刷ジョブが蓄積ジョブ管理テーブル32に登録されていない場合は、その印刷ジョブはRAM11Cに蓄積されているとはいわず、単にRAM11Cに記憶されているという。例えば、後述する蓄積設定で識別不能印刷を行わない設定がされている場合は、複合機2は識別不能印刷ジョブを受信すると、その識別不能印刷ジョブをRAM11Cに記憶するものの、蓄積ジョブ管理テーブル32には登録せず、認証が成功したか否かによらず直ちに実行する。識別可能印刷の場合も同様である。
(8)複合機の設定
複合機2がログイン状態のとき、ユーザは前述したメニュー画面から図示しない設定画面を呼び出すことにより、複合機2に対する各種の設定を行うことができる。ここではユーザが行うことのできる設定のうち蓄積設定、及び、印刷順設定について説明する。ただし、ここでは蓄積設定は管理者のみ行うことができるものとする。このため、一般ユーザの場合は蓄積設定を行うための設定画面は表示されない。
(8−1)蓄積設定
蓄積設定とは、識別可能印刷、及び、識別不能印刷を行うか否かの設定である。本実施形態では識別可能印刷を行うか否かの設定、及び、識別不能印刷を行うか否かの設定を別々に行うことができる。複合機2は、識別可能印刷を行わない設定を受け付けた場合は、その後に識別可能印刷ジョブを受信してもその識別可能印刷ジョブを蓄積せずに直ちに実行する。識別不能印刷についても同様である。
ところで、識別可能印刷を行わない設定を受け付けたとき、その時点で既にRAM11Cに識別可能印刷ジョブが蓄積されている場合もある。複合機2は、識別可能印刷を行わない設定を受け付けたとき、その時点で既にRAM11Cに識別可能印刷ジョブが蓄積されている場合は、蓄積されている識別可能印刷ジョブを実行することなくRAM11Cから削除する。
同様に、識別不能印刷を行わない設定を受け付けたとき、その時点で既にRAM11Cに識別不能印刷ジョブが蓄積されている場合もある。複合機2は、識別不能印刷を行わない設定を受け付けたとき、その時点で既にRAM11Cに識別不能印刷ジョブが蓄積されている場合は、再度取得することが困難であるFAX印刷ジョブについては直ちに実行する一方、再度取得することが容易であるモバイル印刷ジョブについては実行することなくRAM11Cから削除する。
FAX印刷ジョブは特定種別のデータの一例であり、モバイル印刷ジョブは特定種別以外の種別のデータの一例である。また、CPU11Aが操作部12に設定画面を表示させて識別可能印刷、及び、識別不能印刷を行うか否かの設定を受け付ける処理は設定処理の一例である。
ここで、一般ユーザが蓄積設定を行うことができない理由は、一般ユーザが他人の印刷ジョブを削除してしまうことは望ましくないからである。なお、識別可能印刷を行わない設定がされている場合に、識別可能印刷を行うように設定すること、及び、識別不能印刷を行わない設定がされている場合に、識別不能印刷を行うように設定することについては、一般ユーザであっても行えるようにしてもよい。識別可能印刷を行うように設定する場合や、識別不能印刷を行うように設定する場合は、一般ユーザが他人の印刷ジョブを削除してしまうことはないからである。
本実施形態では、蓄積設定で識別可能印刷を行う設定や識別不能印刷を行う設定がされている場合であって、複合機2にログインしたユーザの識別可能印刷ジョブ、又は、識別不能印刷ジョブがRAM11Cに蓄積されている場合は、複合機2がログイン状態になっても前述したメニュー画面は直ぐには表示されず、RAM11Cに蓄積されている印刷ジョブが実行された後にメニュー画面が表示される。なお、管理者の場合はそれらの印刷の実行を待機し、先にメニュー画面を表示してもよい。そして、管理者がメニュー画面で印刷を指示した場合に、識別可能印刷や識別不能印刷を実行する構成であってもよい。なお、管理者は外部の装置から通信ネットワーク5を介して複合機2にログインして各種の設定を行うこともできる。
(8−2)印刷順設定
印刷順設定は、蓄積設定にて識別可能印刷及び識別不能印刷を両方とも行う設定がされている場合に、認証が成功したとき、言い換えるとログイン状態になったとき、識別可能印刷、及び、識別不能印刷のどちらを先に実行するかを設定するものである。例えばユーザが識別可能印刷を先に実行するという設定を行った場合は、複合機2は識別可能印刷ジョブ、識別不能印刷ジョブの順で実行する。また、ユーザが識別不能印刷を先に実行するという設定を行った場合は、複合機2は識別不能印刷ジョブ、識別可能印刷ジョブの順で実行する。
(9)複合機によって実行される処理
次に、複合機2によって実行される処理について説明する。複合機2は種々の処理を実行するものであるが、ここではログイン処理、識別可能印刷・識別不能印刷処理、印刷ジョブ受信・蓄積処理、及び、蓄積設定処理について説明する。なお、印刷ジョブ受信・蓄積処理は前述した蓄積設定で識別不能印刷を行う設定がされている場合のみ実行される処理である。
(9−1)ログイン処理
先ず、図5を参照して、ログイン処理について説明する。本処理は複合機2がログイン状態でないときにユーザから認証情報の入力を受け付けると開始される。
S101では、CPU11Aはユーザが入力したユーザID及びパスワード、あるいはカードリーダ17から出力されたカードIDを、認証情報として認証サーバ3に送信する。
S102では、CPU11Aは認証サーバ3から受信した認証結果から認証が成功したか否かを判断し、認証が成功した場合(S102:Yes)はS103に進み、認証が失敗した場合(S102:No)はS105に進む。なお、S101で認証サーバ3に認証情報を送信したときから一定時間が経過しても認証サーバ3から認証結果を受信しなかった場合は認証に失敗したものとする。
S103では、CPU11Aは複合機2をログイン状態にする。
S104では、CPU11Aは識別可能印刷・識別不能印刷処理を別タスクとして起動する。識別可能印刷・識別不能印刷処理は、識別可能印刷及び識別不能印刷を実行する処理である。識別可能印刷・識別不能印刷処理についての説明は後述する。
S105では、CPU11Aは認証に失敗した旨のメッセージを表示装置に表示させる。
ここで、上述したようにCPU11Aはログイン状態にした後に識別可能印刷・識別不能印刷処理を別タスクとして起動するので、ユーザは識別可能印刷・識別不能印刷処理と並行して前述したログオフ画面でログオフする操作を行うことができる。CPU11Aは識別可能印刷・識別不能印刷処理の実行が終了する前にログオフされても識別可能印刷・識別不能印刷処理を継続する。
(9−2)識別可能印刷・識別不能印刷処理
次に、図6を参照して、S104で起動される識別可能印刷・識別不能印刷処理について説明する。
S201では、CPU11Aは蓄積ジョブ管理テーブル32から全ての印刷ジョブのレコードを読み出す。
S202では、CPU11Aは前述した印刷順設定で識別可能印刷を優先する設定がさ
れているか又は識別不能印刷を優先する設定がされているかを判断し、識別可能印刷を優先する設定がされている場合(S202:Yes)はS203に進み、識別不能印刷を優先する設定がされている場合(S202:No)はS207に進む。
S203では、CPU11Aは入力された認証情報に対応付けられているユーザIDと一致するユーザIDが格納されている識別可能印刷ジョブがRAM11Cに蓄積されているか否かを判断する。この判断はS201で蓄積ジョブ管理テーブル32から読み出したレコードの中に該当する識別可能印刷ジョブが含まれているか否かを判断することによって行う。CPU11Aは、該当する識別可能印刷ジョブが蓄積されている場合(S203:Yes)はS204に進み、蓄積されていない場合(S203:No)はS205に進む。
ここで、CPU11Aは該当する識別可能印刷ジョブが蓄積されているか否かをS201で読み出したレコードから判断するので、S201でレコードが読み出された後に蓄積ジョブ管理テーブル32に登録された識別可能印刷ジョブは該当する識別可能印刷ジョブに含まれない。すなわち、複合機2がログイン状態になる前に受信が完了した印刷ジョブは今回の印刷処理の印刷対象に該当し、一方複合機2がログイン状態になってから受信が完了した印刷ジョブは今回の印刷処理の印刷対象外となる。これは後述するS205、S207、S209においても同様である。
S204では、CPU11Aは該当する識別可能印刷ジョブを全て実行する。S204は識別可能印刷処理の一例である。
S205では、CPU11AはRAM11Cに識別不能印刷ジョブが蓄積されているか否かを判断する。この判断はS201で蓄積ジョブ管理テーブル32から読み出したレコードの中に識別不能印刷ジョブのレコードが含まれているか否かを判断することによって行う。CPU11Aは、該当する識別不能印刷ジョブが蓄積されている場合(S205:Yes)はS206に進み、蓄積されていない場合(S205:No)は本処理を終了する。
S206では、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている該当する識別不能印刷ジョブを全て実行する。S206は識別不能印刷処理の一例である。
S207では、CPU11AはRAM11Cに識別不能印刷ジョブが蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合(S207:Yes)はS208に進み、蓄積されていない場合(S207:No)はS209に進む。
S208では、CPU11Aは該当する識別不能印刷ジョブを全て実行する。S208は識別不能印刷処理の一例である。
S209では、CPU11Aは受け付けた認証情報に対応付けられているユーザIDと一致するユーザIDが格納されている識別可能印刷ジョブがRAM11Cに蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合(S209:Yes)はS210に進み、蓄積されていない場合(S209:No)は本処理を終了する。
S210では、CPU11Aは該当する識別可能印刷ジョブを全て実行する。S210は識別可能印刷処理の一例である。
なお、CPU11Aはログイン状態にした際に、RAM11Cに該当する識別可能印刷ジョブも識別不能印刷ジョブも蓄積されていない場合(S203:No及びS205:No、S207:No及びS209:No)、または、該当する識別可能印刷ジョブと識別不能印刷ジョブの印刷が完了した場合(S206、S201)は、ユーザがログオフしない限り、前述したメニュー画面を表示させる。それによって、ユーザが他の処理や設定な
どを行うことができる。
(9−3)印刷ジョブ受信・蓄積処理
次に、印刷ジョブ受信・蓄積処理について説明する。ここでは端末装置4やFAX装置6は印刷ジョブを複数の部分印刷ジョブに分割して複合機2に送信するものとする。そして、複合機2は、一部の例外を除いて、一つの印刷ジョブを構成している全ての部分印刷ジョブの受信が完了した後にその印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録するものとする。一部の例外とは、具体的にはRAM11Cの空き容量が少ない場合である。
以下、図7を参照して、印刷ジョブ受信・蓄積処理の流れについて説明する。本処理は端末装置4や外部のFAX装置6から印刷ジョブが送信されると開始される。
S301では、CPU11Aは部分印刷ジョブを受信する。
S302では、CPU11Aは受信した部分印刷ジョブをRAM11Cに記憶する。
S303では、CPU11Aは一つの印刷ジョブの受信が完了したか否かを判断し、完了した場合(S303:Yes)はS304に進み、完了していない場合(S303:No)はS305に進む。
S304では、CPU11Aは受信が完了した印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録する。
S305では、CPU11AはRAM11Cの空き容量が第1基準容量以下であるか否かを判断する。第1基準容量はRAM11Cの空き容量が少ないか否かを判断するための閾値であり、具体的にはRAM11Cの全記憶容量の5%〜20%などである。なお、第1基準容量はこれに限られるものではなく、適宜に決定することができる。CPU11Aは、RAM11Cの空き容量が第1基準容量以下である場合(S305:Yes)はS306に進み、第1基準容量より多い場合(S305:No)はS301に戻って処理を繰り返す。
S306では、CPU11Aは受信中の印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録する。つまり、RAM11Cの空き容量が少ない場合は、受信中の印刷ジョブについても蓄積ジョブ管理テーブル32に登録される。
S307では、CPU11Aは複合機2がログイン状態であるか否かを判断する。この判断を行う理由を以下に説明する。
前述した識別可能印刷・識別不能印刷処理はログイン状態になったときに一度しか起動されないので、受信中の印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録したとき、複合機2がログイン状態であったとしても、既に識別可能印刷・識別不能印刷処理の実行が終了してしまっている場合もある。その場合は、受信中の印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録しても直ぐには実行されない。そこで、CPU11Aは、ユーザがログイン中である場合は識別可能印刷・識別不能印刷処理を再起動するために、複合機2がログイン状態であるか否かをS307で判断する。
CPU11Aは、複合機2がログイン状態である場合(S307:Yes)はS308に進み、ログイン状態でない場合(S307:No)はS309に進む。
S308では、CPU11Aは識別可能印刷・識別不能印刷処理を別タスクとして起動する。ここで、CPU11Aは、受信中の印刷ジョブを実行する場合は、後述するS311で印刷ジョブの受信が完了したと判断された後にその印刷ジョブを実行するものとする。つまり、CPU11Aは受信中の印刷ジョブも蓄積ジョブ管理テーブル32に登録するが、その印刷ジョブを実行するのは受信が完了した後である。
ここで、S307でログイン状態であると判断した場合は、受信中の印刷ジョブの受信が完了するのは認証が成功した後であることになる。つまり、CPU11Aは、RAM11Cの空き容量が第1基準容量以下である場合は、認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブも実行することになる。
S309では、CPU11Aは部分印刷ジョブを受信する。
S310では、CPU11Aは受信した部分印刷ジョブをRAM11Cに記憶する。
S311では、CPU11Aは一つの印刷ジョブの受信が完了したか否かを判断し、完了した場合(S311:Yes)は本処理を終了し、完了していない場合(S311:No)は完了するまでS309に戻って処理を繰り返す。
(9−4)蓄積設定処理
次に、図8を参照して、蓄積設定処理について説明する。本処理は前述した蓄積設定で識別不能印刷を行わない設定を受け付けると開始される。
S401では、CPU11Aは蓄積ジョブ管理テーブル32を参照して、RAM11Cに識別不能印刷ジョブが蓄積されているか否かを判断し、蓄積されている場合(S401:Yes)はS402に進み、蓄積されていない場合(S401:No)はS408に進む。
S402では、CPU11AはRAM11Cに記憶されている識別不能印刷ジョブを一つ選択する。
S403では、CPU11AはS402で選択した識別不能印刷ジョブがFAX印刷ジョブであるか否かを判断し、FAX印刷ジョブである場合(S403:Yes)はS404に進み、FAX印刷ジョブではない場合、すなわちモバイル印刷ジョブである場合(S403:No)はS405に進む。
S404では、CPU11AはS402で選択した識別不能印刷ジョブ、すなわちFAX印刷ジョブを直ちに実行する。
S405では、CPU11AはS402で選択した識別不能印刷ジョブ、すなわちモバイル印刷ジョブを削除するか否かの選択をユーザから受け付けるための選択画面を表示装置に表示させてユーザから選択を受け付ける。CPU11Aは、ユーザが削除する選択をした場合(S405:Yes)はS406に進み、削除しない選択をした場合(S405:No)はS407に進む。
S406では、CPU11AはS402で選択した識別不能印刷ジョブ、すなわちモバイル印刷ジョブをRAM11Cから削除する。
S407では、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている識別不能印刷ジョブを全て選択したか否かを判断し、全て選択した場合(S407:Yes)はS408に進み、未だ選択していない識別不能印刷ジョブがある場合(S407:No)はS402に戻って処理を繰り返す。
S408では、CPU11Aは設定を反映する。具体的には例えば、CPU11Aは識別不能印刷を実行するか否かを示すフラグをオフにする。このフラグがオフである間は、複合機2は識別不能印刷ジョブを受信してもRAM11Cに蓄積せず、複合機2がログイン状態であるか否かによらず直ちに実行する。
(10)実施形態の効果
認証情報を用いた認証が成功した場合は、その認証情報を入力したユーザは信頼できる
ユーザである可能性が高い。複合機2によると、識別不能印刷ジョブを受信するとその識別不能印刷ジョブを直ぐには実行せずにRAM11Cに蓄積し、複合機2が備える操作部12やカードリーダ17で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功した場合にその識別不能印刷ジョブを実行するので、識別不能印刷ジョブを実行しているとき、信頼できるユーザが複合機2の近くにいる可能性が高い。よって複合機2によると、認証せずに識別不能印刷ジョブを実行する場合に比べ、識別不能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
更に、複合機2によると、識別可能印刷ジョブをRAM11Cに蓄積し、複合機2が備える操作部12やカードリーダ17で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功した場合に識別可能印刷ジョブを実行するので、識別可能印刷ジョブを実行しているとき、信頼できるユーザが複合機2の近くにいる可能性が高い。よって複合機2によると、認証せずに識別可能印刷ジョブを実行する場合に比べ、識別可能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
更に、複合機2によると、識別不能印刷を行うか否かの設定を受け付けるので、識別不能データを蓄積させるか否かをユーザが設定することができる。
更に、複合機2によると、蓄積設定で識別不能印刷を行わない設定を受け付けた場合は、RAM11Cに蓄積されている識別不能印刷ジョブのうちFAX印刷ジョブについては直ちに実行する。一般にFAX印刷ジョブはそのFAX印刷ジョブの送信者と印刷物を利用するユーザとが異なる。このため、FAX印刷ジョブを削除してしまうと、印刷物を利用するユーザは後で印刷物が必要になったときに送信者に同じ内容のFAX印刷ジョブの送信を依頼することが容易でない場合もある。FAX印刷ジョブについては削除せずに実行するようにすると、後で印刷物が必要になったときに同じ内容のFAX印刷ジョブの送信を依頼しなくてもよいようにすることができる。
一方、複合機2によると、FAX印刷ジョブ以外の印刷ジョブ、すなわちモバイル印刷ジョブについては実行せずにRAM11Cから削除する。一般にモバイル印刷ジョブはそのモバイル印刷ジョブを送信したユーザとそのモバイル印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を利用するユーザとが同じである。このため、モバイル印刷ジョブを削除しても、その印刷物を利用するユーザは同じ内容のモバイル印刷ジョブを自身で送信し直せばよい。このように後で同じ内容のモバイル印刷ジョブを受信することが容易である場合は、既に蓄積されているモバイル印刷ジョブを削除することにより、既にRAM11Cに蓄積されているモバイル印刷ジョブをそのまま蓄積させておく場合に比べてセキュリティが向上する。
更に、複合機2によると、RAM11Cの空き容量が第1基準容量より多い場合は、認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブについては実行しない。認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブについても実行すると、ユーザは予期せぬ印刷が行われて混乱する虞がある。複合機2によると、認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブについては実行しないので、予期せぬ印刷を低減できる。
更に、複合機2によると、RAM11Cの空き容量が第1基準容量以下である場合は、認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブについても実行するので、RAM11Cの空き容量が第1基準容量以下であっても認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した印刷ジョブについては実行しない場合に比べ、RAM11Cの空き容量をより早い時点で増やすことができる。
更に、複合機2によると、識別可能印刷・識別不能印刷処理の実行中にログオフされても識別可能印刷・識別不能印刷処理を継続するので、ユーザは認証成功状態が解除された後も識別不能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を得ることができる。言い換えると、ユーザは識別可能印刷・識別不能印刷処理が終わる前にログオフできる。
<実施形態2>
次に、実施形態2を図9ないし図10によって説明する。
前述した実施形態1ではログイン処理のS102で認証に成功するとS104において識別可能印刷・識別不能印刷処理を起動する場合を説明した。しかしながら、ユーザは必ずしも識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行させるために認証情報を入力するとは限らず、印刷部13を他の処理に利用するために認証情報を入力する場合もある。他の処理とは、前述したコピー機能を実行するコピー処理やダイレクトプリント機能を実行するダイレクトプリント処理などである。識別可能印刷・識別不能印刷処理は、蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を印刷部に実行させる処理の一例である。
ユーザが印刷部13を他の処理に利用するために認証情報を入力した場合、識別可能印刷・識別不能印刷処理を他の処理より先に実行すると、ユーザが実行させたいと考えている他の処理が後回しになってしまう。
そこで、実施形態2に係る複合機2は、ログイン状態になると、印刷部13が他の処理に利用される可能性があるか否かを判断し、他の処理に利用される可能性がある場合は、他の処理を識別可能印刷・識別不能印刷処理より先に実行する。
(1)印刷部が他の処理に利用される可能性があるか否かの判断
CPU11Aは、以下に示す(c1)〜(c3)の場合は、印刷部13が他の処理に利用される可能性があると判断する。
(c1)ADFやプラテンガラスに原稿がセットされている場合
画像読取部14のADFやプラテンガラスに原稿がセットされている場合はコピー処理を実行する可能性がある。そこで、複合機2は、画像読取部14のADFやプラテンガラスに原稿がセットされている場合は印刷部13が他の処理に利用される可能性があると判断する。
(c2)USBホストインタフェースにUSBメモリが装着されている場合
USBホストインタフェースにUSBメモリが装着されている場合は、ダイレクトプリント処理を実行する可能性がある。そこで、複合機2は、USBホストインタフェース部18にUSBメモリが装着されている場合は印刷部13が他の処理に利用される可能性があると判断する。
(c3)識別可能印刷ジョブを蓄積してから一定時間以上が経過している場合
識別可能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を直ぐに必要としているユーザは、識別可能印刷ジョブを送信してから2〜3分などの短時間のうちに複合機2に認証情報を入力する傾向がある。逆にいうと、識別可能印刷ジョブを送信してから短時間のうちにユーザが複合機2に認証情報を入力しなかった場合は、そのユーザは印刷物を直ぐには必要としていないと推測される。
短時間のうちに認証情報を入力しなかったユーザがその後に複合機2に認証情報を入力した場合は、そのユーザは識別可能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を直ちには必要としていないと推測されるので、印刷部13を他の処理に利用するために認証情報を入力した可能性を否定できない。
そこで、CPU11Aは、識別可能印刷ジョブを送信してから2〜3分などの短時間の
うちに認証情報を入力しなかったユーザがその後に認証情報を入力した場合は、印刷部13が他の処理に利用される可能性があると判断する。
(2)他の処理を識別可能印刷・識別不能印刷処理より先に実行させる場合の例外
RAM11Cの空き容量が少ない場合は、RAM11Cの空き容量を早い時点で増やすために、RAM11Cに蓄積されている印刷ジョブを早く実行することが望ましい。また、識別可能印刷ジョブや識別不能印刷ジョブが蓄積された時から1日などの長時間が経過してもその印刷ジョブが実行されなかった場合は、他の印刷ジョブを記憶するための空き容量が少なくなってしまうので、その印刷ジョブを早く実行することが望ましい。
そこで、CPU11Aは、RAM11Cの空き容量が少ない場合や、蓄積されてから1日などの長時間が経過している識別可能印刷ジョブや識別不能印刷ジョブがある場合は、例外として、印刷部13が他の処理に利用される可能性があるか否かの判断は行わず、識別可能印刷・識別不能印刷処理を他の処理より先に実行する。
(3)優先順決定処理
次に、図9を参照して、他の処理を先に実行するか又は識別可能印刷・識別不能印刷処理を先に実行するかを決定する優先順決定処理について説明する。実施形態2に係る複合機2は、図5に示すログイン処理のS104において、識別可能印刷・識別不能印刷処理ではなく優先順決定処理を別タスクとして起動する。実施形態2に係るログイン処理はその他の点において実施形態1に係るログイン処理と実質的に同一であり、複合機2がログイン状態になってから(S103)、当該優先順決定処理が起動される。
S501では、CPU11AはRAM11Cの空き容量が第2基準容量以下であるか否かを判断する。第2基準容量はRAM11Cの空き容量が少ないか否かを判断するための閾値であり、具体的にはRAM11Cの全記憶容量の5%〜20%などである。なお、第2基準容量はこれに限られるものではなく、適宜に決定することができる。
CPU11Aは、RAM11Cの空き容量が第2基準容量以下である場合(S501:Yes)は例外としてS506に進み、識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する。一方、第2基準容量より多い場合(S501:No)は、CPU11AはS502に進む。
S502では、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている識別可能印刷ジョブのうち認証情報に対応付けられているユーザIDが格納されている識別可能印刷ジョブの中に、RAM11Cに蓄積された蓄積日時と現在時刻との時間差が第1基準時間以上である識別可能印刷ジョブがあるか否か、及び、RAM11Cに蓄積されている識別不能印刷ジョブの中に、RAM11Cに記憶された蓄積日時と現在時刻との時間差が第1基準時間以上である識別不能印刷ジョブがあるか否かを判断する。第1基準時間は1日などの長時間である。
CPU11Aは、第1基準時間以上である印刷ジョブが一つでもある場合(S502:Yes)は例外としてS506に進み、識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する。一方、第1基準時間以上である印刷ジョブがない場合(S502:No)は、CPU11AはS503に進む。
S503では、CPU11AはADF及びプラテンガラスの少なくとも一方に原稿がセットされているか否かを判断し、セットされていない場合(S503:No)はS504に進み、セットされている場合(S503:Yes)はS507に進む。S503は利用判断処理の一例である。
S504では、CPU11AはUSBホストインタフェース部18にUSBメモリが装着されているか否かを判断し、装着されていない場合(S504:No)はS505に進
み、装着されている場合(S504:Yes)はS507に進む。S504は利用判断処理の一例である。
S505では、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている識別可能印刷ジョブのうち認証情報に対応付けられているユーザIDと一致するユーザIDが格納されている識別可能印刷ジョブの中に、RAM11Cに蓄積された蓄積日時と現在時刻との時間差が第2基準時間以内である識別可能印刷ジョブがあるか否かを判断する。第2基準時間は2〜3分などの短時間である。
CPU11Aは、第2基準時間以内である印刷ジョブがある場合(S505:Yes)は、ユーザは識別可能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を直ぐに必要としているとしてS506に進み、ない場合(S505:No)はその印刷物を直ぐには必要としていないとしてS507に進む。
S506では、CPU11Aは識別可能印刷・識別不能印刷処理を別タスクとして起動する。
S507では、CPU11Aは蓄積印刷実行処理を起動する。蓄積印刷実行処理は、他の処理の後に識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する処理である。蓄積印刷実行処理についての説明は後述する。
(4)蓄積印刷実行処理
次に、図10を参照して、S507で実行される蓄積印刷実行処理について説明する。
S601では、CPU11Aは一定時間待機する。具体的には、前述した実施形態1では、識別可能印刷及び識別不能印刷のいずれか少なくとも一方を行う設定がされている場合は、ログインしたユーザの識別可能印刷ジョブまたは識別不能印刷ジョブが蓄積されていれば、複合機2がログイン状態になったとき、前述したメニュー画面が表示されず、該ユーザの識別可能印刷ジョブまたは識別不能印刷ジョブの印刷が実行される。それに対して、実施形態2では、S503:Yes、S504:YesまたはS505:Noの場合、複合機2がログイン状態になったとき、複合機2にログインしたユーザの識別可能印刷ジョブ、又は、識別不能印刷ジョブがRAM11Cに蓄積されていても、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている印刷ジョブの実行を開始せず、前述したメニュー画面を表示させる。そして、複合機2は、ユーザがメニュー画面から画像読取機能、FAX機能、コピー機能、ダイレクトプリント機能などの他の処理を選択することを待つ。
S602では、CPU11Aは他の処理を実行したか否かを判断し、他の処理を実行した場合(S602:Yes)はS603に進み、実行していない場合(S602:No)はS606に進む。
S603では、CPU11AはRAM11Cに蓄積されている印刷ジョブを実行するか否かの選択をユーザから受け付けるための選択画面を表示装置に表示させてユーザから選択を受け付ける。S603は選択受付処理の一例である。
S604では、CPU11AはS603でユーザが実行する選択をしたか否かを判断し、実行する選択をした場合(S604:Yes)はS605に進み、実行しない選択をした場合(S604:No)はS602に戻って処理を繰り返す。なお、識別不能印刷ジョブについてのみ実行を開始するか否かの選択を受け付け、識別可能印刷ジョブについてはこの選択は受け付けずにS605に進んで常に実行するようにしてもよい。
S605では、CPU11Aは識別可能印刷・識別不能印刷処理を別タスクとして起動
する。
S606では、CPU11Aは、認証に成功したとき、又は、最後に実行した他の処理の実行が終了したときから一定時間が経過したか否かを判断し、一定時間が経過した場合(S606:Yes)はS605に進み、経過していない場合(S606:No)はS607に進む。
S607では、CPU11Aはログオフしたか否か、すなわち認証成功状態を解除したか否かを判断し、認証成功状態を解除した場合(S607:Yes)は本処理を終了して優先順決定処理に戻り、解除していない場合(S607:No)はS602に戻って処理を繰り返す。
(5)実施形態の効果
以上説明した複合機2によると、印刷部13が他の処理に利用される可能性がある場合は識別可能印刷・識別不能印刷処理の実行を待機するので、他の処理を実行させたいユーザは他の処理を識別可能印刷・識別不能印刷処理より先に実行させることができる。
更に、複合機2によると、印刷部13が他の処理に利用される可能性があると判断したときから一定時間以内に他の処理を実行しなかった場合(S606:Yes)は識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する。いつまでも他の処理を実行しないと、識別可能印刷・識別不能印刷処理が長時間に亘って待機されてしまう。複合機2によると、一定時間以内に他の処理を実行しなかった場合は識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行するので、待機する時間を上述した一定時間以内にすることができる。
更に、複合機2によると、RAM11Cの空き容量が第2基準容量以下である場合(S501:Yes)は利用判断処理(S503、S504)を実行せず、識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する(S506)ので、他の処理を実行してから識別可能印刷・識別不能印刷処理を実行する場合に比べ、RAM11Cの空き容量をより早い時点で増やすことができる。
更に、複合機2によると、蓄積されている印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物を直ぐに必要としない場合は、S603において実行させない選択を行うことにより、蓄積されている印刷ジョブに基づく印刷が実行されないようにすることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3を図11によって説明する。
前述した実施形態1では、識別不能印刷を行う設定を受け付けた場合は、印刷ジョブ受信・蓄積処理において、受信した識別不能印刷ジョブがFAX印刷ジョブであるかモバイル印刷ジョブであるかによらずその識別不能印刷ジョブをRAM11Cに蓄積する場合を例に説明した。これに対し、実施形態3では、識別不能印刷ジョブのうちFAX印刷ジョブのみを蓄積し、モバイル印刷ジョブについては蓄積しない。
図11を参照して、実施形態3に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理について説明する。ここでは実施形態1に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理と実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。また、図11では実施形態1に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理のS305〜S311を省略して示している。
実施形態3に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理は、実施形態1に係る印刷ジョブ受信・蓄積処理に加えてS701及びS702が実行される。
S701では、CPU11Aは受信した印刷ジョブが識別可能印刷ジョブであるか識別不能印刷ジョブであるかを判断し、識別可能印刷ジョブの場合(S701:Yes)はS
304に進み、識別不能印刷ジョブの場合(S701:No)はS702に進む。
S702では、CPU11Aは受信した識別不能印刷ジョブがFAX印刷ジョブであるか否かを判断し、FAX印刷ジョブである場合(S702:Yes)はS304に進み、FAX印刷ジョブではない場合(S702:No)は、RAM11から該受信した印刷ジョブを削除して本処理を終了する。なお、FAX印刷ジョブではない場合は、削除するのではなく直ちに実行してもよい。
ここで、CPU11Aは、S303で受信が完了していないと判断した場合(S303:No)は図7に示すS305に進み、S305で第1基準容量以下であると判断した場合(S305:Yes)はS306において受信中の印刷ジョブを蓄積ジョブ管理テーブル32に登録する。しかしながら、この場合も、受信中の印刷ジョブが識別可能印刷ジョブ及びFAX印刷ジョブ以外の印刷ジョブである場合は蓄積ジョブ管理テーブル32に登録せずに処理を終了するものとする。
また、上述したように実施形態3ではFAX印刷ジョブ以外の識別不能印刷ジョブはRAM11Cに蓄積されないので、実施形態3に係る蓄積設定処理では図8に示すS403の判断は不要であり、常にS404に進んでFAX印刷ジョブを実行することになる。
以上説明した複合機2によると、FAX印刷ジョブ以外の印刷ジョブについてはRAM11Cに蓄積しないようにすることができる。
<他の実施形態>
上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では識別不能印刷ジョブとしてFAX印刷ジョブ、及び、モバイル印刷ジョブを例に説明した。しかしながら、識別不能印刷ジョブはこれらに限られるものではなく、ユーザを識別不能な印刷ジョブであれば他の印刷ジョブであってもよい。
(2)上記実施形態では、ユーザを識別不能なデータとして識別不能印刷ジョブを例に説明した。しかしながら、ユーザを識別不能なデータは識別不能印刷ジョブに限られない。例えば印刷ジョブにユーザIDが格納されていても複合機2がその印刷ジョブを解析できず、それによりユーザIDを取得できない場合は、その印刷ジョブもユーザを識別不能なデータである。
また、上記実施形態ではユーザを識別可能なデータとしてPC印刷ジョブを例に説明した。しかしながら、ユーザを識別可能なデータはPC印刷ジョブに限られない。例えば複合機2は電子メールによって印刷データを受信し、その印刷データを印刷するための印刷ジョブを生成してもよい。その場合に、電子メールの送信元アドレスをユーザIDとして印刷ジョブに格納してもよい。
(3)上記実施形態では認証サーバ3によって認証を行う場合を例に説明した。これに対し、複合機2にユーザ管理テーブル31を記憶し、複合機2自体が認証を行ってもよい。
(4)上記実施形態では蓄積装置としてRAM11Cを例に説明した。しかしながら、蓄積装置はRAM11Cに限られるものではなく、例えばフラッシュメモリやハードディスクであってもよい。
また、複合機2と通信可能に接続されている外部の装置を蓄積装置として用いてもよい。その場合、蓄積ジョブ管理テーブル32も外部の装置に記憶し、外部の装置が蓄積ジョ
ブ管理テーブル32に印刷ジョブを登録してもよい。つまりこの場合は外部の装置によって蓄積処理が実行される。
(5)上記実施形態ではユーザから印刷順設定を受け付ける場合を例に説明した。しかしながら、ユーザから印刷順設定を受け付けず、常に固定の印刷順で実行してもよい。
例えば、ユーザは識別可能印刷ジョブを印刷するために認証情報を入力する場合もある。このため、識別可能印刷ジョブ、識別不能印刷ジョブの順で実行すると、識別可能印刷ジョブを印刷するためにユーザが認証情報を入力した場合に、識別可能印刷ジョブに基づいて印刷された印刷物をより早く得ることができる。
また、識別不能印刷ジョブ、識別可能印刷ジョブの順で実行すると、識別可能データを印刷するためにユーザが認証情報を入力した場合に、識別不能データの印刷を実行しているときにも信頼できるユーザが印刷装置の近くにいることになる。このため、識別不能データに基づいて印刷された印刷物のセキュリティが向上する。
(6)上記実施形態では、蓄積設定処理において、識別不能印刷ジョブのうちFAX印刷ジョブについては実行し、それ以外の識別不能印刷ジョブについては実行せずに削除する場合を例に説明した。これに対し、識別不能印刷ジョブを蓄積しない設定を受け付けた場合はFAX印刷ジョブについても実行せずに削除するようにしてもよいし、FAX印刷ジョブ以外の識別不能印刷ジョブについても実行するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、蓄積設定処理において、識別不能印刷ジョブのうちFAX印刷ジョブについては実行し、それ以外の識別不能印刷ジョブについては実行せずに削除する場合を例に説明した。これに対し、S402で選択した識別不能印刷ジョブを実行するか削除するかの選択をユーザから受け付け、印刷する選択を受け付けた場合はその識別不能印刷ジョブを実行し、削除する選択を受け付けた場合はその識別不能印刷ジョブを削除してもよい。
(8)上記実施形態ではRAM11Cの空き容量が第1基準容量以下である場合(S305:Yes)は受信中の識別不能印刷ジョブも実行する場合を例に説明した。これに対し、受信中の識別不能印刷ジョブ、すなわち認証が成功した後にRAM11Cへの蓄積が完了した識別不能印刷ジョブについてはRAM11Cの空き容量によらず実行しないようにしてもよい。これにより、予期せぬ印刷が行われてユーザが混乱する虞を低減できる。
(9)上記実施形態では認証情報としてユーザIDとパスワードとの組み合わせ、及び、カードIDを例に説明した。しかしながら、認証情報はこれらに限られるものではなく、例えば指紋などの生体情報であってもよいし、その他の情報であってもよい。
(10)上記実施形態では印刷装置として複合機2を例に説明した。これに対し、印刷装置は単機能のプリンタであってもよい。
(11)上記実施形態ではCPU11Aによって各処理が実行される場合を例に説明した。これに対し、これらの処理の一部はASIC11Dによって実行されてもよい。また、制御部11はASIC11Dを備えていなくてもよい。また、制御部11は複数のCPUを備え、上述した処理を複数のCPUによって分担して実行してもよい。
1・・・印刷システム、2・・・複合機、3・・・認証サーバ、4・・・端末装置、11・・・制御部、11A・・・CPU、11C・・・RAM、12・・・操作部、13・・・印刷部、17・・・カードリーダ

Claims (4)

  1. 認証情報の入力を受け付ける受付部と、
    印刷部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    少なくとも前記受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功したことを条件に、蓄積装置に蓄積されているデータであってユーザを識別不能な識別不能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させる識別不能印刷処理と、
    少なくとも前記受付部で受け付けられた認証情報を用いた認証が成功したことを条件に、前記蓄積装置に蓄積されているデータであってユーザを識別可能な識別可能データのうち前記認証情報に対応するユーザと合致するユーザが識別される識別可能データに基づく印刷を前記印刷部に実行させる識別可能印刷処理と、
    を実行し、
    前記制御部は、前記蓄積装置に前記識別不能データ、及び、前記識別可能データが蓄積されている場合は、前記識別可能印刷処理、前記識別不能印刷処理の順で実行する、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させるか否かの設定を受け付ける設定処理と、
    前記設定処理で蓄積させる設定を受け付けた場合は前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させ、蓄積させない設定を受け付けた場合は前記蓄積装置に前記識別不能データを蓄積させない蓄積処理と、
    を実行する、印刷装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記識別不能印刷処理を実行させるか否かの選択を受け付ける選択受付処理を実行し、
    前記選択受付処理で実行させない選択を受け付けた場合は前記識別不能印刷処理を実行しない、印刷装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記条件が成立した場合に、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を前記印刷部に実行させる処理以外の他の処理に前記印刷部が利用される可能性があるか否かを判断する利用判断処理を実行し、
    前記利用判断処理で前記可能性があると判断した場合は、前記蓄積装置に蓄積されているデータに基づく印刷を待機する、印刷装置。
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