JP2017093997A - 心電図測定方法および心電図測定用衣服 - Google Patents
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Abstract
Description
人体前面の胸骨の中心線と、左前腋窩線と、第五肋骨上端および第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第1センサーを当接させ、
人体前面の胸骨の中心線と、右前腋窩線と、第五肋骨上端および第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第2センサーを当接させ、
第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線の中点から、第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線に対して垂線を人体の頭部方向へ引いたときの垂線上のいずれかの位置に第3センサーを当接させて心電図を測定することを特徴とする心電図測定方法である。
第1センサー〜第3センサーを備えた衣服を着用者に着用させて心電図を測定することも好ましい。
人体前面の肋骨の中心線と、左前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第1センサーが当接し、
人体前面の肋骨の中心線と、右前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第2センサーが当接し、
第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線の中点から、第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線に対して垂線を人体の頭部方向へ引いたときの垂線上のいずれかの位置に第3センサーが当接するように、
衣服の裏側に第1〜第3センサーを固着したことを特徴とする心電図測定用衣服である。
本発明は、心電図の測定方法に関する。心電図とは、心臓の活動に伴い生じる電位の変化を、生体表面の電極を介して検出して波形として記録可能な情報をさし、一般的には横軸に時間を、縦軸に電位差をプロットした波形として記録される。心拍1回ごとに心電図に現れる波形は、P波、Q波、R波、S波、T波の代表的な5つの波により主に構成され、この他にU波が存在し、また、Q波の始めからS波の終わりまでをQRS波と称する場合がある。これらの波のうちで、少なくともR波を検知可能な電極を備えることが好ましい。R波は左右両心室の興奮を示し、電極位置によっては最も電位差の大きな波となる。また、R波の頂点と次のR波の頂点までの時間を一般にR−R時間と称するが、(心拍数)=60/(R−R時間(秒))の式を用いて、1分間当りの心拍数を計算することができる。つまり、R波を検知可能な電極を備えてR波を検知することにより、心拍数を知ることができる。本発明においては特に注釈のない限り、QRS波もR波に含まれるものである。
なお、以下の説明では、頭部と足部を結ぶ方向を上下方向、腹部と背部とを結ぶ方向を前後方向(腹側が前)とする。
本発明において電極は、生体の電気的情報を検知可能な導電性層を含み、さらに絶縁層を含むことが好ましい。また、被測定者の運動動作に追従できるように伸縮性を有することが好ましい。例えば、基材繊維に導電性高分子が含浸等により被覆されてなる導電性高分子を含む繊維状電極や、金属粉等の導電性フィラーと伸縮性を含有する樹脂を含有する導電性組成物から形成されたシート状電極とすることにより、伸縮性を有する電極とすることができる。これらのうち、前記導電性組成物から形成されたシート状電極は、金属粉等の導電性が高い構成成分を用いることができるので、導電性高分子を使用する場合よりも低い電気抵抗値を得ることができ、微弱な電気信号を検知することができるので好ましい。
以下、本発明の好適な様態である、電極と配線が一体化したシート(伸縮性配線シート)を同一材料から作製する例について述べる。
本発明においては、衣服の裏側に、第一絶縁層が形成されていることが好ましい。第一絶縁層は、電極および配線シートを衣服に積層する際の接着面であり、衣服を着用したときに衣服の外側からの水分が生地を通して導電層に達することを防ぐ。また、本発明における後述の導電層は良好な伸長性を有するものであるが、衣服が導電層の伸長性を超えた伸び性に富む素材である場合、衣服に追随して導電層が伸ばされ、その結果クラックが発生することも考えられる。第一絶縁層は、衣服の伸びを抑制し、導電層が過度に伸長されるのを防ぐ伸び止めの役割も担っている。
本発明においては、前記第一絶縁層の上に、導電層が形成されていることが好ましい。この導電層により導通が確保される。導電層は、導電性フィラーと樹脂とを含有することが好ましい。
割合が多すぎると、樹脂中で凝集し易くなることがあり、また一般に上述のような粒子径の小さい金属ナノ粒子は高価であることからも、上記範囲に使用量を抑えることが望ましい。
本発明においては、配線部分における前記導電層の上に、第二絶縁層が形成されている。これにより、例えば、伸縮性配線シートを用いて作製した心電図測定用衣服を着用した際に、雨や汗などの水分が配線の導電層に触れるのを防ぐ。なお、電極部分には第二絶縁層は不要である。
本発明の心電図測定用衣服は、着用者が着用することで、第1〜第3センサー(電極)が、着用者の上記した特定位置に当接するように構成されている。配線が衣服の内側(身体側)だけでなく、衣服の外側にも配されるよう用いてもよい。第1〜第3センサー(電極)心電図を計測する手段と、計測した情報を解析する機構との間は配線で繋がれる。計測した情報を解析する機構としては、目的に応じた従来公知の分析装置(心拍計、心電計、筋電計等)を採用すればよく、外部の分析装置に情報を伝送する手段を含む。
樹脂(日本ゼオン社製ニトリル基含有ゴム「Nipol(登録商標)1042」アクリロニトリル含量33.3質量%)をジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて、この溶液に銀粒子(DOWAエレクトロニクス社製「凝集銀粉G−35」、平均粒径5.9μm)を分散させ(樹脂70体積%、銀粒子30体積%)、これを3本ロールミルにて混練し、導電性ペーストとした。
ポリウレタンシートは、下記のものを用いた。
・ホットメルト付きポリウレタンシート:日清紡社製「モビロン(登録商標)MF−103F」
・ポリウレタンホットメルトシート:日清紡社製「モビロン(登録商標)MOB100」
上記導電性ペーストを離型シートの上に塗布し、120℃の熱風乾燥オーブンで30分以上乾燥することにより、シート状の離型シート付き導電層を作製した。
次に、離型シート付き導電層の上に、ポリウレタンホットメルトシート(モビロンMOB100)を、ホットプレス機を用いて、圧力0.5kgf/cm2、温度130℃、プレス時間20秒の条件で、積層(貼り合わせ)した。ポリウレタンホットメルトシート(モビロンMOB100)を貼り合わせた後、離型フィルムを剥がし、ポリウレタンホットメルト付き導電シートを得た。その後、ホットメルト付きポリウレタンシート(モビロンMF−103F)の領域の上に、直径30mmの電極と、表1に示すそれぞれの電極位置からシャツの裾までの長さを有する幅5mmの配線の寸法に切り取ったポリウレタンホットメルト付き導電シートを上記ホットプレス機の積層条件で貼り合わせ、第一絶縁層と導電層(電極)とを備えたパーツを形成した。次に、2−Wayトリコット生地(グンセン(株)製「KNZ2740」、ナイロンヤーン:ウレタンヤーン=63%:37%(混率)、目付け194g/m2)からなるシャツの裏側に第一絶縁層と導電層を備えたパーツを積層した。
次に、上記形成した第一絶縁層と導電層を備えたパーツの配線部を覆う領域に上記第一絶縁層を形成したものと同じホットメル付きポリウレタントシートを積層することにより、配線部の導電層の上に第二絶縁層を形成し、第一絶縁層/導電層の構成の電極と、第一絶縁層/導電層/第二絶縁層の構成の配線が一体化した心電図測定用のシャツを作製した。
上記心電図測定用のシャツを被験者(健常成人男性1名、23歳)に着用させて、表1に記載の方法で心電図を測定した。なお、電極の配置は、図3(a)が比較例1、図3(b)が比較例2、図3(c)が実施例1である。円形状の電極に配線が一体化した例である。心電図の測定結果を図4〜7に示した。なお、比較例2では、計測後、デジタルフィルタで商用電源ノイズを除去した。図4〜7から、実施例1では走行16km/hでもノイズがなく、きれいに心電図が測定できた。比較例1では走行8km/hまでは心電図が測定できたが、比較例2では、安静立位の場合しか心電図が測定できなかった。
Claims (7)
- 人体の心電図を測定する方法であって、
人体前面の胸骨の中心線と、左前腋窩線と、第五肋骨上端および第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第1センサーを当接させ、
人体前面の胸骨の中心線と、右前腋窩線と、第五肋骨上端および第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第2センサーを当接させ、
第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線の中点から、第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線に対して垂線を人体の頭部方向へ引いたときの垂線上のいずれかの位置に第3センサーを当接させて心電図を測定することを特徴とする心電図測定方法。 - 第3センサーを、人体前面の左右の第二肋骨と胸骨が接する部位に当接させる請求項1に記載の心電図測定方法。
- 第1センサーと胸骨の中心線との距離よりも第1センサーと右前腋窩線との距離を短くし、第2センサーと胸骨の中心線との距離よりも第2センサーと左前腋窩線との距離を短くする請求項1または2に記載の心電図測定方法。
- 第1センサー〜第3センサーの面積が1cm2以上である請求項1〜3のいずれかに記載の心電図測定方法。
- 第1センサー〜第3センサーとして配線を有する電極を使用し、この配線と電極の導電層が同じ導電性組成物から形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の心電図測定方法。
- 第1センサー〜第3センサーを備えた衣服を着用者に着用させて心電図を測定する請求項1〜5のいずれかに記載の心電図測定方法。
- 心電図測定用衣服であって、着用者がこの衣服を着用したときに、
人体前面の肋骨の中心線と、左前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第1センサーが当接し、
人体前面の肋骨の中心線と、右前腋窩線と、第五肋骨上端、第八肋骨下端に囲まれた領域内のいずれかの位置に第2センサーが当接し、
第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線の中点から、第1センサー中心と第2センサー中心とを結ぶ線に対して垂線を人体の頭部方向へ引いたときの垂線上のいずれかの位置に第3センサーが当接するように、
衣服の裏側に第1〜第3センサーを固着したことを特徴とする心電図測定用衣服。
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