JP2017093608A - 手術室の空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】手術室1の天井11における中央部分で手術台10の上方に設けられる第1吹出口32と、手術室1における手術台10の外周部に位置する外周エリアNの上方の天井11に設けられる第2吹出口34と、を有し、手術室1からの還気RAを吸引する第1空調機2Aを備え、第1空調機2Aによって吸引した還気RAを温度調整した給気SAを第1吹出口32から手術台10に向けて吹き出す第1系統P1と、手術室1からの還気RAを吸引する第2空調機2Bを備え、第2空調機2Bによって吸引した還気RAを温度調整した給気SAを第2吹出口34から外周エリアNに向けて吹き出す第2系統P2と、を有する構成の手術室の空調システムを提供する。
【選択図】図2
Description
そして、一般的なクリーンルームでは、吹出口に高性能フィルタを設け、吹出口から清浄空気を低速で真下に向けて落とすようにして吹き出すことで、手術台周りを中心とした清浄化が行われている。そのため、吹出口は、手術台の真上に設けられている。さらに、このような従来の病院におけるクリーンルームの空調設備では、手術台上部の吹出口より空調空気の全風量を吹き出して外周部の壁面下部に設けられた還気口より還気を吸い込むことで循環させる空調システムが一般的である。
すなわち、手術室では、手術台上部に設けられた吹出口からの送風温度を変化させることにより手術室内温度を設定範囲内に保っているため、手術台周りの温度は変動し、快適性が不十分になる欠点があった。
また、手術台周りの執刀医や患者を優先した温度設定により空調運転が行われている。そのため、手術室の外周部で作業する医療スタッフのエリアでは、さらに快適性が不十分となる欠点があった。
加えて、吹出口から吹き出される冷風の風速は0.3m/s程度であり、床面まで下降した後、還気口へ向かうショートサーキット流れとなるため、手術室における外周部の空気が淀み易く、その点で改善の余地があった。
しかも、第2吹出口から給気が吹き出されることで、外周エリアにおいて空気が滞留する淀みを抑えることができる。つまり、外周エリアの空気に流れを生じさせることができることから、外周エリアの清浄度環境を改善することができる。
特に、この手術室1においてはその運用状況に応じて厳密な温湿度制御を刻々と行う必要があり、本実施形態の空調システムでは、そのような高度の温湿度制御を比較的簡易な構成で確実に実施し得るものとして構成されている。
第1系統P1では、第1空調機2Aにより温度調整した給気SAを給気ダクト35により手術室1の天井11の中央部に設置した第1吹出口32に向けて送風し、さらに第1フィルターユニット31を通過させて第1吹出口32から下方の手術台10に向けて吹き出す構成となっている。
また、第2系統P2では、2台の第2空調機2B、2Bのそれぞれにより温度調整した給気SAを給気ダクト36により手術室1の天井11に設置した第1吹出口32の外周部に配置される2箇所の第2吹出口34、34のそれぞれに送風し、さらに第2フィルターユニット33に通過させて第2吹出口34から下方の外周エリアNに向けて吹き出す構成となっている。
なお、吹出し温度センサーT1の取り付け位置は、第1吹出口32内に限定されることはなく、手術台10周りの温度を検出できるようにこの手術台10周りに設置されていてもよい。この場合、吹出し温度センサーT1は、有線であることに限らず、無線で通信可能とすることで、手術台10周りに配線されないようにすることができる。
なお、上部吸込口4は、第1空調機2A及び第2空調機2Bのそれぞれに設けられる下部吸込口23よりも上方であって、外周エリアNに面する天井11及び側壁12のうち少なくとも一部に設けられていれば良く、本実施の形態のように天井11であることに限定されることはない。
なお、以上の各要素に加えて、必要であれば手術室1に供給する外気OAの導入量に応じて手術室1から排気を行うための排気設備を設置しても良く、以上の各構成要素の全てを制御盤(図示省略)により相互に関連づけて制御するように構成すると良い。
また、外調機5を設けず、送風機のみで外気OAを第1空調機2Aに供給し、第1空調機2Aで除湿、加湿を行うことも可能である。
本実施の形態では、図2に示すように、第1系統P1において下部吸込口23で吸引した手術室1の還気RAを第1空調機2Aで適温に温度調整し、その温度調整された給気SAを第1吹出口32から手術台10に向けて吹き出すことができる。これにより、手術台10及び手術台10周りの執刀医などは快適な温度で作業を行うことができる。一方、第1系統P1とは別で設けられる第2系統P2により下部吸込口23で吸引した手術室1の還気RAを第2空調機2Bで適温に温度調整し、その温度調整された給気SAを、第2吹出口34から手術台10の外側に位置する外周エリアNに向けて吹き出すことができる。
しかも、第2吹出口34から給気SAが吹き出されることで、外周エリアNにおいて空気が滞留する淀みを抑えることができる。つまり、外周エリアNの空気に流れを生じさせることができることから、外周エリアNの清浄度環境を改善することができる。
また、第2空調機2Bの第2吹出口34は、外周壁面上部に設けることも可能である。
この場合、下部吸込口23で吸引した手術室1の還気RAを第1空調機2Aで適温に温度調整し、その温度調整された給気SAを第1吹出口32から手術台10に向けて吹き出すことができる。そして、上部吸込口4から外周エリアNの還気が吸引されるので、この外周エリアNにおける空気の淀みを防ぐことができる。つまり、外周エリアNの空気に流れを生じさせることができることから、外周エリアNの清浄度環境を向上させることができる。
2 空調機
2A 第1空調機
2B 第2空調機
4 上部吸込口(第2吸込口)
5 外調機
10 手術台
11 天井
12 側壁
20 ケーシング
23 下部吸込口(第1吸込口)
24 吹出部
25 送風機
31 第1フィルターユニット
32 第1吹出口
33 第2フィルターユニット
34 第2吹出口
P1 第1系統
P2 第2系統
N 外周エリア
T1 吹出し温度センサー(第1温度センサー)
T2 壁面温度センサー(第2温度センサー)
RA 還気
SA 給気
Claims (5)
- 医療施設における手術台を有する手術室に適用される空調システムであって、
前記手術室の天井における中央部分で前記手術台の上方に設けられる第1吹出口と、前記手術室における前記手術台の外周部に位置する外周エリアの上方の天井に設けられる第2吹出口と、を有し、
前記手術室からの還気を吸引する第1空調機を備え、該第1空調機によって吸引した前記還気を温度調整した給気を前記第1吹出口から前記手術台に向けて吹き出す第1系統と、
前記手術室からの還気を吸引する第2空調機を備え、該第2空調機によって吸引した前記還気を温度調整した給気を前記第2吹出口から前記外周エリアに向けて吹き出す第2系統と、
を有することを特徴とする手術室の空調システム。 - 前記手術室のうち前記第1空調機及び前記第2空調機に設けられる第1吸込口よりも上方で、前記外周エリアに面する天井及び壁面のうち少なくとも一部において、前記手術室の還気を吸引する第2吸込口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手術室の空調システム。
- 前記第2吸込口は、循環ファンを介して前記第1吹出口に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の手術室の空調システム。
- 前記手術台の周囲又は前記第1吹出口の周囲に第1温度センサーが設けられ、
前記外周エリアに第2温度センサーが設けられ、
前記第1空調機において、前記第1温度センサーの検出値に対応する温度に調整され、
前記第2空調機において、前記第2温度センサーの検出値に対応する温度に調整されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手術室の空調システム。 - 医療施設における手術台を有する手術室に適用される空調システムであって、
前記手術室の天井における中央部分で前記手術台の上方に第1吹出口が設けられ、
前記手術室からの還気を吸引する第1吸込口を有し、該第1吸込口から吸引した前記還気を温度調整した給気を前記第1吹出口から前記手術台に向けて吹き出す第1空調機が設けられ、
前記手術室のうち前記第1吸込口よりも上方で、前記手術台の外周部に位置する外周エリアに面する前記手術室の天井及び壁面のうち少なくとも一部において、前記手術室の還気を吸引する第2吸込口が設けられていることを特徴とする手術室の空調システム。
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