JP2017093392A - バイサルファイト処理された核酸増幅用dnaポリメラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】バイサルファイト処理したDNAを鋳型として1.1kb以上、特に1.5kb以上、の長いターゲット領域を増幅することができる核酸増幅用組成物を提供すること。【解決手段】バイサルファイト処理DNAを鋳型として1.1kb以上、特に1.5kb以上のターゲット領域を特異的に増幅させることができるように改変された変異型のDNAポリメラーゼを用いて核酸増幅を行うものである。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸増幅の分野に関する。さらに詳しくは、バイサルファイト処理したDNAの核酸増幅に関する。
近年、DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するエピジェネティクス分野が注目を集めている。
エピジェネティクス分野の中でも、特にDNAのメチル化は、近年、遺伝子発現の制御機構として、発生/分化や疾患などの様々な現象に大きく関わってことが知られてきており、エピジェネティクス研究において極めて重要な役割を果たしている。従来のキャピラリーシーケンサーによる解析だけでなく、次世代シーケンサー(NGS)を使用した、より長いターゲット領域を解析することが行われつつある。
DNAのメチル化を判断する方法として、バイサルファイト法が汎用的に使用されている。バイサルファイト処理は重亜硫酸ナトリウムを用いて、シトシンの脱アミノとそれに続くウラシルへの変換反応を行う処理である。メチル化されたシトシンではこの変換反応が起こらないため、バイサル処理された核酸をPCRなどで増幅後、シーケンスを確認することできる。これにより、DNAがメチル化されているかどうかを判断することができる。
バイサルファイト処理DNAを鋳型としたPCRは、500bp以下の短いターゲット領域でPCRが行われている(非特許文献1)。これはバイサルファイト処理の影響でDNAが断片化され、損傷を受けずに変換されたDNAがわずかであり、500bp以上の長いターゲット領域が増幅しにくいからである。
バイサルファイト処理したDNAに対するプライマー設計は、シトシンがウラシルに変わることおよびCpGを避けることを考慮しなくてはならないため困難であることが多い。加えて、プライマー設計できる領域が500bp以下で狭いと、よりいっそう設計が難しくなる。
Nucleic Acids Research,Vol.33,No.1(2005年発行)
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、バイサルファイト処理したDNAを鋳型として1.1kb以上、特に1.5kb以上の長いターゲット領域を増幅することができる核酸増幅用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、改変したDNAポリメラーゼを用いることにより、従来では不可能であったバイサルファイト処理したDNAを鋳型として1.1kb以上、特に1.5kb以上のターゲット領域を増幅することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
項1.バイサルファイト処理されたDNAを鋳型として、1.1kb以上のターゲット領域を特異的に増幅することができることを特徴とするDNAポリメラーゼ。
項2.ターゲット領域が1.5kb以上である項1に記載のDNAポリメラーゼ。
項3.サーモコッカス(Thermococcus)属又はパイロコッカス(Pyrococcus)属由来である項1又は2に記載のDNAポリメラーゼ。
項4.配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、第7番目、第36番目及び第93番目のアミノ酸残基の少なくとも1つが、他のアミノ酸に置換されている項1から3のいずれかに記載のDNAポリメラーゼ。
項5.項1から4のいずれかに記載のDNAポリメラーゼ、プライマー、緩衝剤及び基質を含むことを特徴とするPCR組成物。
項6.抗DNAポリメラーゼ抗体をさらに含む項5に記載のPCR組成物。
本発明によって、バイサルファイト処理DNAを鋳型としたPCRでの増幅長の範囲を、従来は増幅することが困難であった長鎖のDNAにも拡張させることができる。
バイサルファイト処理したDNAを鋳型としたPCRを評価した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施形態の一つは、バイサルファイト処理DNAを鋳型として、1.1kb以上、好ましくは1.5kb以上のターゲット領域を特異的に増幅させるDNAポリメラーゼおよびこれを用いるPCR組成物である。
本発明において、「ターゲット領域」とは、プライマーセットによって増幅される目的の核酸配列領域を意味するものである。
本発明におけるバイサルファイト処理されたDNAとは、DNAを重亜硫酸塩処理に供することにより得られる。当該処理により、非メチル化シトシンが重亜硫酸塩によりスルホン化され、さらに加水分解により脱アミノ化され、さらに、アルカリ存在下での脱スルホン化により、ウラシルに変換される。これに対して、メチル化されたシトシンは、重亜硫酸塩処理してもウラシルに変換されない。このため、CpG含有DNAの塩基配列中のシトシンがメチル化されているか否かを、重亜硫酸塩処理により、ウラシルに変換されているかどうかで区別する。なお、市販の重亜硫酸塩処理用のキット(例えば、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN製))を使用して、当該キットのマニュアルに準じて、DNAを重亜硫酸塩処理に供することができる。
本発明のDNAポリメラーゼは、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼの変異体であることが好ましい。本発明においてファミリーBに属するDNAポリメラーゼとは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有し、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有さないDNAポリメラーゼをいう。好ましくは古細菌(Archea)由来のDNAポリメラーゼである。
ファミリーBに属する古細菌由来のDNAポリメラーゼとしては、パイロコッカス(Pyrococcus)属及びサーモコッカス(Thermococcus)属の細菌から単離されるDNAポリメラーゼが挙げられる。パイロコッカス属由来のDNAポリメラーゼとしては、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus sp.GB−D、Pyrococcus Woesei、Pyrococcus abyssi、Pyrococcus horikoshiiから単離されたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない。サーモコッカス属に由来するDNAポリメラーゼとしては、Thermococcus kodakaraensis、Thermococcus gorgonarius、Thermococcus litoralis、Thermococcus sp.JDF−3、Thermococcus sp.9degrees North−7(Thermococcus sp.9°N−7)、Thermococcus sp.KS−1、Thermococcus celer、又はThermococcus siculiから単離されたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない。
本発明のDNAポリメラーゼは、前記DNAポリメラーゼに、3‘−5’エキソヌクレアーゼ領域の改変、及び/又は、減少した塩基類似体検出活性を有するような改変を施した変異体を用いても良い。ファミリーBに属するDNAポリメラーゼは、減少した塩基類似体検出活性を有する変異体でもよい。塩基類似体とはアデニンやシトシン、グアニン、チミン以外の塩基を示し、ウラシルやイノシンなどが挙げられる。通常、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼは、塩基類似体であるウラシルやイノシンを検出すると強く結合し、DNAポリメラーゼ機能を阻害する。塩基類似体検出活性とは、塩基類似体と強く結合し、DNAポリメラーゼ機能を阻害する活性を示す。減少した塩基類似体検出活性を有するファミリーBに属するDNAポリメラーゼ変異体とは、ウラシルやイノシンへの結合能力が低いことを特徴とするファミリーBに属するDNAポリメラーゼ変異体である。このような変異体は、ウラシルの結合に関するアミノ酸配列(ウラシル結合ポケット)の少なくとも1か所に改変を加えることにより作製できる。
具体的には、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、第7番目、第36番目及び第93番目のアミノ酸残基の少なくとも1つが、他のアミノ酸に置換されている配列を有するDNAポリメラーゼが挙げられる。
第7番目のチロシン残基は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン又はシステインに置換されることが好ましい。第36番目のプロリン残基は、ヒスチジン、リジン又はアルギニンに置換されることが好ましい。第93番目のバリン残基は、リジン、ヒスヒジン又はアルギニンに置換されることが好ましい。
上述した改変型DNAポリメラーゼは、例えば国際公開第2014/051031号パンフレットに開示されている方法により得ることができるが、特に限定はされない。
本発明別の態様として、上記のようなDNAポリメラーゼを含有するPCR組成物が挙げられる。
本発明におけるPCR組成物のその他の構成は特に限定されないが、耐熱性DNAポリメラーゼ、鋳型となる核酸、1種以上のオリゴヌクレオチドプライマー、1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又は、デオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体、緩衝剤、及び塩よりなる群のうち少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明において、鋳型となる核酸はバイサルファイト処理されたDNAである。
本発明のPCR組成物において使用する1種以上のオリゴヌクレオチドプライマーとは、増幅されるべき核酸の各核酸鎖に相補的なオリゴヌクレオチドであり、2種またはそれ以上のプライマーを使用することが好ましい。該プライマーは、2本鎖核酸の配列の異なる各鎖と実質的に相補的であって、一方のプライマーから合成された伸長生成物がその相補体から分離された場合に、その伸長生成物が他方のプライマーの伸長生成物の合成のための鋳型として機能することができるように選択される。
1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又はデオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体は、PCR反応において基質として使用される。この基質として、4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTPs;dATP、dCTP、dTTPおよびdGTPの混合物)溶液などを含んでいてもよい。
PCR組成物には、さらに緩衝剤を含むことが好ましい。前記緩衝剤として、例えば、トリス(TRIS)、トリシン(TRICINE)、ビス−トリシン(BIS−TRICINE)、へペス(HEPES)、モプス(MOPS)、テス(TES)、タプス(TAPS)、ピペス(PIPES)、及びキャプス(CAPS)などが挙げられるが、特に限定されない。緩衝剤の濃度としては、10〜200mM程度が好ましく、20〜100mM程度がより好ましい。pHとしては、7.0〜9.5程度の範囲が好ましく、7.5〜9.0程度の範囲がより好ましい。また、前記緩衝液中には、1〜5mMの濃度でMg2+を含むことが好ましく、1.5〜2.5mMの濃度で含むことがより好ましい。更には、KClを含んでいてもよい。
さらに、PCR組成物中には、アルブミン、グリセロール、ヘパリン、トレハロース、ベタイン等を含んでいてもよい。これらの添加割合は、PCR反応を阻害しない範囲で添加すればよい。
本発明においては、一本鎖結合タンパク質、二本鎖結合タンパク質あるいはミスマッチ結合タンパク質の共存下、核酸増幅反応を行ってもよい。
さらには、耐熱性DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性及び/又は3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を抑制する活性を有する抗DNAポリメラーゼ抗体を用いても良い。前記抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体などが挙げられる。本反応組成は、PCRの感度上昇、非特異的な増幅の軽減に特に有効である。
<DNAポリメラーゼ活性測定法>
酵素活性が強い場合には、保存緩衝液(50mM Tris−HCl(pH8.0),
50mM KCl,1mM ジチオスレイトール,0.1% Tween20,0.1%
Nonidet P40,50% グリセリン)でサンプルを希釈して測定を行う。(
1)下記のA液25μl、B液5μl、C液5μl、滅菌水10μl、及び酵素溶液5μ
lをマイクロチューブに加えて75℃にて10分間反応する。(2)その後氷冷し、E液
50μl、D液100μlを加えて、攪拌後更に10分間氷冷する。(3)この液をガラ
スフィルター(ワットマン製GF/Cフィルター)で濾過し、0.1N 塩酸およびエタ
ノールで十分洗浄する。(4)フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンター
(パッカード製)で計測し、鋳型DNAのヌクレオチドの取り込みを測定する。酵素活性
の1単位はこの条件で30分当りの10nmolのヌクレオチドを酸不溶性画分(即ち、
D液を添加したときに不溶化する画分)に取り込む酵素量とする。
A:40mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)16mM 塩化マグネシウム15
mM ジチオスレイトール100μg/ml BSA(牛血清アルブミン)
B:1.5μg/μl 活性化仔牛胸腺DNA
C:1.5mM dNTP(250cpm/pmol [3H]dTTP)
D:20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)
E:1mg/ml仔牛胸腺DNA
<バイサルファイト処理されたDNAを用いたPCRの評価方法>
バイサルファイト処理されたDNAに関して、Epitect(商標登録)fast bisulfite kit(QIAGEN製)を用いて、Human Methylated DNA Control、Jurkat(Biochain製)1μgをバイサルファイト処理する。鋳型DNA1μgを取扱説明書に準じて調製を行い、Nanodrop1000にて定量を行う。
PCRは、KOD −Plus−ver.2(Toyobo製)添付のBuffer用い、1×PCR Buffer、1.5mM MgSO、0.2mM dNTPs、各15pmolのプライマー(配列番号2、3)、バイサルファイト処理したDNA55ng、および1Uの改変型KOD(Y7A/V93K)を含む50μlの反応液を調製する。反応は98℃、2分の前反応の後、98℃、10秒→60℃、30秒→68℃、1分30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでPCR system GeneAmp(商標登録)9700(Applied Biosystem)を用いて行う。
反応終了後、5μlの反応液について1%アガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色し、紫外線照射下、増幅DNA断片の増幅量を確認する。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例により、特に限定されるものではない。
実施例1:KOD Y7A/V93K変異体の作製
サーモコッカス・コダカラエンシスKOD1株由来の改変型DNAポリメラーゼ遺伝子を含有するプラスミド、pKOD Y7A(配列番号4の19〜21番目のTACをGCCに、配列番号11の277〜279番目のGTCをAAAに置換した改変型DNAポリメラーゼ遺伝子を持つプラスミド)を作製した。変異導入に使用されるDNA鋳型は、pBluescriptにクローニングされたサーモコッカス・コダカラエンシスKOD1株由来の改変型DNAポリメラーゼ遺伝子(配列番号11)(pKOD Y7A)を用いた。変異導入にはKOD −Plus− Mutaagenesis Kit(Toyobo製)を用いて、方法は取扱い説明書に準じて行った。変異作製用プライマーとしては、配列番号5および6に記載されるプライマーを使用した。なお、変異体の確認は塩基配列の解読で行った。得られたプラスミドによりエシェリシア・コリJM109を形質転換し、酵素調製に用いた。
実施例2:改変型DNAポリメラーゼ(KOD Y7A/V93K)の作製
以下の工程により実施例1で得られた菌体の培養を行った。
まず、製造例1で得られたエシェリシア・コリJM109(プラスミド形質転換株)を100μg/mlのアンピシリンを含有する3mlのLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム;ギブコ製)で37℃、16時間培養した。次に、滅菌処理した100μg/mlのアンピシリンを含有するTB培地(Molecular cloning 2nd edition、p.A.2)80mLを500mL坂口フラスコに分注した。その後、当該TB培地に、上記で培養したエシェリシア・コリJM109(プラスミド形質転換株)(試験管使用)を接種し、37℃にて16時間通気培養した。
上記工程により培養した菌体から以下の工程により精製改変型DNAポリメラーゼを取得した。培養液より菌体を遠心分離により回収し、50mlの破砕緩衝液(30mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、30mM NaCl、0.1mM EDTA)に懸濁し、ソニケーション処理により菌体を破砕し、細胞破砕液を得た。次に細胞破砕液を80℃にて15分間処理した後、遠心分離にて不溶性画分を除去した。更に、ポリエチレンイミンを用いた除核酸処理、硫安塩析、ヘパリンセファロースクロマトグラフィーを行い、最後に保存緩衝液(50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)、50mM 塩化カリウム、1mM ジチオスレイトール、0.1% Tween20、0.1%ノニデットP40、50%グリセリン)に置換し、改変型DNAポリメラーゼ(KOD Y7A/V93K)を得た。
上記精製工程のDNAポリメラーゼ活性測定は以下の操作で行った。また、酵素活性が
高い場合はサンプルを希釈して測定を行った。
(試薬)
A液: 40mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)、16mM 塩化マグネシウ
ム、15mM ジチオスレイトール、100μg/ml BSA
B液: 1.5μg/μl 活性化仔牛胸腺DNA
C液: 1.5mM dNTP(250cpm/pmol [3H]dTTP)
D液: 20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)
E液: 1mg/ml仔牛胸腺DNA
(方法)
A液25μl、B液5μl、C液5μl及び滅菌水10μlをマイクロチューブに加え
て攪拌混合後、上記精製酵素希釈液5μlを加えて75℃で10分間反応する。その後冷
却し、E液50μl、D液100μlを加えて、攪拌後更に10分間氷冷する。この液を
ガラスフィルター(ワットマン製GF/Cフィルター)で濾過し、0.1N塩酸及びエタ
ノールで十分洗浄し、フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカ
ード製)を用いて計測し、鋳型DNAへのヌクレオチドの取り込みを測定した。酵素活性
の1単位はこの条件下で30分当り10nmolのヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込
む酵素量とした。
実施例3:DNAのバイサルファイト処理
以下のようにして、バイサルファイト処理されたDNAの調製を行った。
Epitect(商標登録)fast bisulfite kit(QIAGEN製)を用いて、Human Methylated DNA Control、Jurkat(Biochain製)1μgをバイサルファイト処理した。鋳型DNA1μgを取扱説明書に準じて調製を行った。Nanodrop1000にて定量を行い、67.8ng/μlであった。
実施例4:バイサルファイト処理DNAをテンプレートとしたPCR
実施例1においてバイサルファイト処理したDNAを鋳型として、様々なバッファー組成で改変型KOD(Y7A/V93K)と既存のバイサルファイト処理DNA用PCR試薬との増幅量について比較を実施した。比較には1Uあたり1μgの抗KOD DNAポリメラーゼ抗体と混合した改変型KOD(Y7A/V93K)を使用した。
PCRは、KOD −Plus−ver.2(Toyobo製)添付のBuffer用い、1×PCR Buffer、1.5mM MgSO、0.2mM dNTPs、各15pmolのプライマー(配列番号2、3)、バイサルファイト処理したDNA67.8ng、および1Uの改変型KODを含む50μlの反応液を調製した。反応は98℃、2分の前反応の後、98℃、10秒→60℃、30秒→68℃、1分30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、PCR system GeneAmp(商標登録)9700(Applied Biosystem)を用いて行った。
反応終了後、5μlの反応液について1%アガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色し、紫外線照射下、増幅DNA断片の増幅量を確認した。
PCRは、KOD FX Neo(Toyobo製)添付のBufferを用い、1×PCR Buffer、0.2mM dNTPs、各15pmolのプライマー(配列番号2、3)、バイサルファイト処理したDNA67.8ng、および1Uの改変型KODを含む50μlの反応液を調製した。反応は98℃、10秒→55℃、30秒→72℃、1分30秒を40サイクル繰り返すスケジュールで、PCR system GeneAmp(商標登録)9700(Applied Biosystem)を用いて行った。
反応終了後、5μlの反応液について1%アガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色し、紫外線照射下、増幅DNA断片の増幅量を確認した。
PCRは、TaKaRa EpiTaq HS(for bisulfite−treated DNA)(TaKaRa製)添付のBufferを用い、1×PCR Buffer、2.5mM MgCl、0.3mM dNTPs、各15pmolのプライマー(配列番号2、3)、バイサルファイト処理したDNA67.8ng、および1.25UのTaKaRa EpiTaq HSを含む50μlの反応液を調製した。反応は98℃、2分の前反応の後、98℃、10秒→60℃、30秒→68℃、1分30秒を40サイクル繰り返すスケジュールでPCR system GeneAmp(商標登録)9700(Applied Biosystem)を用いて行った。
反応終了後、5μlの反応液について1%アガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色し、紫外線照射下、増幅DNA断片の増幅量を確認した。
結果を図1に示す。改変型KODは他のDNAポリメラーゼでは困難であった1.5kbのターゲットの増幅も増幅することができた。
本発明により、バイサルファイト処理DNAを増幅でき、バイサルファイトシーケンスの前処理に適している。さらに、本発明はこれまでにない長鎖のターゲット領域の増幅を可能にした。そのため、遺伝子診断等の分野において、広く利用することができる。

Claims (6)

  1. バイサルファイト処理されたDNAを鋳型として、1.1kb以上のターゲット領域を特異的に増幅することができることを特徴とするDNAポリメラーゼ。
  2. ターゲット領域が1.5kb以上である請求項1に記載のDNAポリメラーゼ。
  3. サーモコッカス(Thermococcus)属又はパイロコッカス(Pyrococcus)属由来である請求項1又は2に記載のDNAポリメラーゼ。
  4. 配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、第7番目、第36番目及び第93番目のアミノ酸残基の少なくとも1つが、他のアミノ酸に置換されている請求項1から3のいずれかに記載のDNAポリメラーゼ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のDNAポリメラーゼ、プライマー、緩衝剤及び基質を含むことを特徴とするPCR組成物。
  6. 抗DNAポリメラーゼ抗体をさらに含む請求項5に記載のPCR組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014051031A1 (ja) * 2012-09-28 2014-04-03 東洋紡株式会社 改変型dnaポリメラーゼ
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