JP2017092433A - ケイ素含有膜除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケイ素含有膜に接触するガスの種類に関わらず、塩基性液を用いてウェット剥離を行う際のケイ素含有膜除去性が良好な、新規なケイ素含有膜除去方法を提供すること。【解決手段】基板上にケイ素含有膜を形成し、還元性成分含有するガスを上記ケイ素含有膜に接触させた後に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させ、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去するケイ素含有膜除去方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素含有膜除去方法に関する。
半導体等の製造分野においては、より高い集積度を得るために多層レジストプロセスを用いたパターンの微細化が進んでいる。この多層レジストプロセスでは、まず基板上にケイ素含有膜等の無機膜を形成した後、この無機膜上にレジスト組成物等を用い無機膜とはエッチング選択比の異なるレジスト膜を形成する。次いで露光によってマスクパターンを転写し、現像液で現像することによりレジストパターンを得る。引き続き、ドライエッチングによりこのレジストパターンを無機膜に転写し、この無機膜のパターンを最終的に基板に転写することにより所望のパターンが形成された基板が得られる。
実際の半導体等の製造工程においては、上記ケイ素含有膜や上記レジスト膜をパターニングした際に不具合が生じた場合に、再加工を行うことがある。再加工の際、無機膜がケイ素含有膜である場合、このケイ素含有膜を剥離するために、硫酸イオン及び/又はフッ素イオンを含有する酸性剥離液で処理する工程の後、アルカリ性剥離液で処理するウェット剥離方法(特開2010−139764号公報参照)や、フッ化物源とアンモニウム塩とを含むウェット剥離組成物(特表2010−515107号公報参照)、高濃度フッ化水素水を用いたウェット剥離やドライ剥離(特開2010−85912号公報参照)等が提案されている。しかしながら、上記従来のドライ剥離や酸性剥離液やフッ素イオンを含有する液を用いるウェット剥離方法においては、基板が大きなダメージを受けるという不都合があり、また、ドライエッチング後のケイ素含有膜又はその残渣はウェット剥離性が低下する傾向がある。そこで、基板に与えるダメージの大きい酸性剥離液やフッ素化合物を用いない方法として、塩基性水溶液によるケイ素含有膜の剥離(国際公開第2015−146524号参照)等が提案されている。
特開2010−139764号公報 特表2010−515107号公報 特開2010−85912号公報 国際公開第2015−146524号
しかしながら、半導体等の製造工程においては、微細化が進行するにしたがって、上記ケイ素含有膜を形成した際に不具合が生じた場合、上記レジスト膜をパターニングした際に不具合が生じた場合、上記ケイ素含有膜をエッチングした際に不具合が生じた場合等の再加工の際や、上記ケイ素含有膜のパターンをマスクとしてエッチングした際に、塩基性水溶液による上記ケイ素含有膜の除去性が十分ではないという問題があった。特に、還元性成分を含有するガスが上記ケイ素含有膜に接触させる工程の後においては、塩基性水溶液による上記ケイ素含有膜の除去性が十分ではないという問題があった。
そこで、本発明では、ケイ素含有膜に接触するガスの種類に関わらず、塩基性液を用いてウェット剥離を行う際のケイ素含有膜除去性が良好な、新規なケイ素含有膜除去方法を提供することを主目的とする。このケイ素含有膜除去方法は、半導体等の製造分野に限定されるものではなく、ケイ素含有膜除去工程が必要な分野にも適用することができる。
本願発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する工程の前に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させることで塩基性液によるウェット剥離の際に優れた上記ケイ素含有膜の除去性能を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。このケイ素含有膜除去方法は、上記ケイ素含有膜を形成した際に不具合が生じた場合、上記レジスト膜をパターニングした際に不具合が生じた場合、上記ケイ素含有膜をエッチングした際に不具合が生じた場合等の再加工の際や、上記ケイ素含有膜のパターンをマスクとしてエッチングした際に、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた上記ケイ素含有膜の除去性能を示すことを見出した。特に、還元性成分を含有するガスを用いたエッチングをした場合には、上記ケイ素含有膜の除去性が低下傾向にあるが、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する工程の前に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させることで塩基性液によるウェット剥離の際に顕著な上記ケイ素含有膜の除去性能を示すことを見出した。
即ち、本発明では、基板上にケイ素含有膜を形成した後に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させ、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去するケイ素含有膜除去方法を提供する。特に、上記ケイ素含有膜をした後に、還元性成分を含有するガスを上記ケイ素含有膜に接触させた後に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させ、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去するケイ素含有膜除去方法を提供する。
本発明によれば、塩基性液を用いて、ケイ素含有膜を除去することができるため、基板に与えるダメージが少ない。従って、当該パターン形成方法は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に適用できる。
<ケイ素含有膜除去方法>
本実施形態のケイ素含有膜除去方法は、
基板上にケイ素含有膜を形成するケイ素含有膜形成工程(1)、
還元性成分含有するガスを上記ケイ素含有膜を接触させる還元性成分接触工程(2)、
酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる酸化性成分接触工程(3)、及び
塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する除去工程(4)
を有する。
また、本実施形態の別のケイ素含有膜除去方法は、
上記ケイ素含有膜形成工程前に、有機下層膜を形成する有機下層膜形成工程(0)、基板上にケイ素含有膜を形成するケイ素含有膜形成工程(1’)、
還元性成分含有するガスを上記ケイ素含有膜を接触させる還元性成分エッチング工程(2’)、
酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる酸化性成分接触工程(3’)、及び
塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する除去工程(4’)
を有する。
さらに、上記ケイ素含有膜形成工程後かつ上記還元性成分エッチング工程(2’)の前に、
上記ケイ素含有膜上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程(1’−1)、及び
上記レジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングするエッチング工程(1’−2)
をさらに有してもよい。
当該ケイ素含有膜除去方法によれば、塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する前に、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させるので、エッチングに用いられるガスの種類に関わらず、塩基性液を用いてエッチング後のケイ素含有膜をウェット剥離することができる。以下、各工程について説明する。
<有機下層膜形成工程(0)>
本工程では、基板上に有機下層膜を形成する。上記基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜、並びに市販品であるブラックダイヤモンド(AMAT社)、シルク(ダウケミカル社)、LKD5109(JSR社)等の低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等の層間絶縁膜が挙げられる。ポリシリコンや、ポリシリコン中へ金属成分を注入したいわゆるメタルゲート膜等も含まれる。また、この基板としては、配線溝(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。
上記有機下層膜としては、例えばレジスト下層膜用組成物を用いて形成する有機下層膜、従来公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される炭素膜等が挙げられる。レジスト下層膜形成組成物としては、従来公知のものを使用でき、例えばNFC HM8005(JSR社)等が挙げられる。レジスト下層膜の形成方法としては、基板上に塗布することにより、レジスト下層膜形成組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理、又は紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより硬化させることで形成できる。レジスト下層膜形成組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。また、加熱温度としては、通常150℃〜500℃であり、好ましくは180℃〜350℃である。加熱時間としては、通常30秒〜1,200秒であり、好ましくは45秒〜600秒である。レジスト下層膜の膜厚としては、通常50nm〜500nm程度である。
また、上記基板表面又は上記有機下層膜上には、この有機下層膜とは異なる他の下層膜が形成されていてもよい。この他の下層膜は、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性等が付与された膜である。この他の下層膜としては、例えばNFC HM8005(JSR社製)等の市販品を使用して形成することができる。
なお、有機下層膜形成工程は、本実施形態に係るケイ素含有膜除去方法では必須の工程ではなく、例えば、予め有機下層膜が形成された基板等を用いてもよい。
<ケイ素含有膜形成工程(1)>
本工程では、上記基板の上側にケイ素含有膜を形成する。ケイ素含有膜は、例えばケイ素含有膜形成組成物等を上記有機下層膜上に塗布することにより形成される。ケイ素含有膜形成用組成物については後述する。ケイ素含有膜形成用組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。また、形成される塗膜の加熱温度は、通常、50〜450℃である。なお、形成されるケイ素含有膜の膜厚としては、通常10nm〜1,000nmであり、10nm〜500nmが好ましく、10nm〜300nmがより好ましい。
<ケイ素含有膜形成工程(1’)>
本工程では、上記有機下層膜形成工程(0)で形成した上記有機下層膜の上側にケイ素含有膜を形成する。ケイ素含有膜は、例えばケイ素含有膜形成組成物等を上記有機下層膜上に塗布することにより形成される。ケイ素含有膜形成用組成物については後述する。ケイ素含有膜形成用組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。また、形成される塗膜の加熱温度は、通常、50〜450℃である。なお、形成されるケイ素含有膜の膜厚としては、通常10nm〜1,000nmであり、10nm〜500nmが好ましく、10nm〜300nmがより好ましい。
<ケイ素含有膜形成用組成物>
ケイ素含有膜形成組成物は、少なくとも、(A)ポリシロキサン及び(B)有機溶媒を含有する。また、その他の成分を含有していてもよい。ケイ素含有膜形成組成物は、硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する成分を含有することが好ましく、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホニル基(−SO−)、スルファニル基(−SH)及びカルボニル基から選ばれる少なくとも一種を有することが好ましい。硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する成分としては、特に限定されるものではないが、硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する(A)ポリシロキサン、硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物(但し、(A)成分を除く。)等が挙げられる。以下、詳細に説明する。
<(A)ポリシロキサン>
(A)ポリシロキサンは、従来公知のポリシロキサンを用いることができるが、本実施形態では特に、硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有することが好ましい。このような(A)ポリシロキサンを用いることにより、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において硫黄原子及び/又はカルボニル基が酸化されることで、親水性が付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができる。
(A)ポリシロキサンは、スルフィド基、スルホキシド基、スルホニル基、及びスルファニル基及びカルボニル基から選ばれる少なくとも一種を有することが好ましい。(A)ポリシロキサンが、これらの基を有することにより、形成されるレジストパターンのパターン倒れ耐性を向上させることができる。また、還元性成分を含有するガスを用いて上記ケイ素含有膜をエッチングする工程で還元されると考えられるスルホキシド基、スルホニル基又はカルボニル基は、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において酸化されることで、親水性が再度付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができると推察される。また、スルフィド基又はスルファニル基は、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において酸化されることで、親水性が付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができると推察される。これらの中でも、スルホニル基及びカルボニル基から選ばれる少なくとも一種を有することがより好ましく、スルホニル基を有することが特に好ましい。
スルホニル基を有するポリシロキサンとしてはスルホ基及びスルホン酸エステル基から選ばれる少なくとも一種を有するポリシロキサンが好ましく、具体的には、(A)ポリシロキサンは、下記一般式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。

(式(1)中、L,−SO−O−*及びXが環を構成しない場合、Lは単結合又は2価の有機基であり、Xは水素原子又は1価の有機基である。L,−SO−O−*及びXが環を構成する場合、Lは3価の有機基であり、Xは2価の有機基である。(なお、*はOとXとの結合位置を示す。))
本実施形態において、単結合とは、連結する置換基同士を直接結合するものである。
Lの2価の有機基としては、例えば、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と炭素原子及び水素原子以外の原子を含む連結基とを組み合わせてなる基、又は、これらの基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。
Xの1価の有機基とは、少なくとも1つの炭素原子を含む基であり、例えば、シアノ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のシアノアルキル基若しくはアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基等が挙げられる。なお、これらの基に含まれる水素原子の一部または全部はフッ素原子に置換されていてもよい。
3価の有機基としては、例えば、3価の炭化水素基、3価の炭化水素基と炭素原子及び水素原子以外の原子を含む連結基とを組み合わせてなる基、又は、これらの基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基等であって、X及び隣接する−SO−O−*と共に環を構成する基が挙げられる。
2価の有機基とは、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と炭素原子及び水素原子以外の原子を含む連結基とを組み合わせてなる基、又は、これらの基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基等であって、L及び隣接する−SO−O−*と共に環を構成する基が挙げられる。
より具体的には、前記(A)ポリシロキサンとしては、少なくとも、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物から誘導される構造単位(I)を有するポリシロキサンを用いることができる。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物から誘導される。

(式(2)及び(3)中、pは1以上の整数であり、Rは単結合又は(p+1)価の基である。R及びRは各々独立して水素原子、フッ素原子又は1価の有機基であり、R及びRは同一でも異なっていてもよい。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、lは0〜2の整数であり、m+l+nは4である。
式(2)中、Yは水素原子又は1価の有機基である。
式(3)中、q及びrは各々独立して0〜3の整数である。)
前記一般式(2)中、Yは特に限定されないが、アルキル基とすることができる。
また、前記(A)ポリシロキサン中の前記構造単位(I)の割合も特に限定されないが、原料モノマー基準で、1〜60mol%とすることもできる。
一般式(2)及び(3)のpは1以上の整数であり、pは1〜2の整数であることが好ましく、p=1であることがより好ましい。
また、一般式(2)及び(3)のnは1〜3の整数であり、n=1であることが好ましい。
なお、一般式(2)及び(3)におけるRの主鎖結合に関与しない部位は置換されていてもよい。
一般式(2)及び(3)において、p=1である場合、Rは2価の基であり、2価の基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の2価の炭化水素基、−CO−、−OCO−、−CS−、−SO−、−SO−若しくは−NR−(R;水素原子又は炭素数1〜30の1価の炭化水素基)、又は、これらを組み合わせた2価の基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、又は、これらの基を組み合わせた基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサレン基等の直鎖状アルキレン基;1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の分岐状アルキレン基等が挙げられる。
前記炭素数3〜30の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等の炭素数3〜30の単環型シクロアルキレン基;1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環型シクロアルキレン基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、アントリレン基等のアリーレン基等が挙げられる。
−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状若しくは分岐状の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基、又は、これらを組み合わせた基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の直鎖状若しくは分岐状の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられる。
前記炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜30のアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基等の炭素数3〜30のシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜30のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、ナフチルメトキシ基等の炭素数7〜30のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の1価のスルファニル炭化水素基としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基等の炭素数1〜30のアルキルスルファニル基;シクロペンチルスルファニル基等の炭素数3〜30のシクロアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基、ナフチルスルファニル基等の炭素数6〜30のアリールスルファニル基;ベンジルスルファニル基等の炭素数7〜30のアラルキルスルファニル基等が挙げられる。
一般式(2)及び(3)において、pが2〜5の整数である場合、Rは(p+1)価の基であり、(p+1)価の基としては、例えば、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基、又は、これらと、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−CS−、−SO−、−SO−若しくは−NR−(R;水素原子又は炭素数1〜30の1価の炭化水素基)とを組み合わせた、例えば、主鎖の一部に硫黄原子を含む(p+1)価の基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状の(p+1)価の炭化水素基、炭素数3〜30の(p+1)価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の(p+1)価の芳香族炭化水素基、又は、これらの基を組み合わせた基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状の(p+1)価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ビニル基、エチニル基等に由来する(p+1)価の基等が挙げられる。
前記炭素数3〜30の(p+1)価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等に由来する(p+1)価の基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の(p+1)価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレン基、コロネン基等に由来する(p+1)価の基等が挙げられる。
−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
また、前述の通り、一般式(1)におけるRの主鎖結合に関与しない部位は置換されていてもよい。
の主鎖結合に関与しない部位を置換する置換基は特に限定されないが、ハロゲン原子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基が好ましい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
前記炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
また、前記炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
なお、これらのアルキル基やアルコキシ基は、置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
本実施形態において、一般式(1)及び(2)中のRは、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基である。一般式(1)及び(2)のmは1〜3の整数であり、m=3であることが好ましい。
の1価の有機基としては、前述のXの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
本実施形態において、一般式(2)及び(3)中のRは、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基である。一般式(2)及び(3)のlは0〜2の整数であり、l=0であることが好ましい。
の1価の有機基としては、前述のRの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
本実施形態において、一般式(2)中のYは、水素原子又は1価の有機基である。
Yの1価の有機基としては、前述のXの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
この中でも特に、保存安定性を向上させる観点から、一般式(2)中のYとしては、アルキル基であることが好ましく、メチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記一般式(2)で表される構造単位(I)の具体例としては、例えば、下記化学式(I−1−1)〜(I−1−9)で表される化合物から誘導される構造単位等が挙げられる。
前記一般式(3)で表される構造単位(I)の具体例としては、例えば、下記化学式(I−2−1)〜(I−2−4)で表される化合物から誘導される構造単位等が挙げられる。
なお、(A)ポリシロキサンは、構造単位(I)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上組み合わせて含有していてもよい。
一方、カルボニル基を有するポリシロキサンとしては、具体的には、下記一般式(4)で表される部分構造を有するポリシロキサンが好ましい。

(式(4)中、Zは水素原子又は1価の有機基である。)
より具体的には、前記(A)ポリシロキサンとしては、少なくとも下記一般式(5)で表される化合物から誘導される構造単位(II)を有するポリシロキサンを用いることができる。

(式(5)中、pは1以上の整数であり、Rは単結合又は(p+1)価の基である。R及びRは各々独立して水素原子、フッ素原子又は1価の有機基であり、R及びRは同一でも異なっていてもよい。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、lは0〜2の整数であり、m+l+nは4である。Zは水素原子又は1価の有機基である。)
前記一般式(5)中、前記Zも特に限定されないが、アルキル基とすることができる。
また、前記Zは1価の酸解離性基とすることもできる。
加えて、前記(A)ポリシロキサン中の前記構造単位(II)の割合も特に限定されないが、原料モノマー基準で、5〜30mol%とすることもできる。
一般式(5)中のRは、単結合又は(p+1)価の基であり、硫黄原子又は硫黄原子を含む基とすることができる。一般式(5)のpは1以上の整数であり、pは1〜2の整数であることが好ましく、p=1であることがより好ましい。
また、一般式(5)のnは1〜3の整数であり、n=1であることが好ましい。
なお、一般式(5)におけるRの主鎖結合に関与しない部位は置換されていてもよい。
一般式(5)において、p=1である場合、Rは2価の基であり、2価の基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の2価の炭化水素基、−CO−、−OCO−、−CS−、−SO−、−SO−若しくは−NR−(R;水素原子又は炭素数1〜30の1価の炭化水素基)、又は、これらを組み合わせた、例えば、硫黄原子を含む2価の基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の2価の炭化水素基としては、前述のRの説明において例示した炭素数1〜30の2価の炭化水素基を挙げることができる。
−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、前述のRの説明において例示した−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基を挙げることができる。
また、前記硫黄原子を含む2価の基としては、例えば、下記化学式(R−1)〜(R−11)で表される構造に由来する2価の基等が挙げられる。*は、一般式(2)中のカルボニル炭素又はSi原子との結合部位を示す。
一般式(5)において、pが2〜5の整数である場合、Rは(p+1)価の基であり、(p+1)価の基としては、例えば、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基、又は、これらと、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−CS−、−SO−、−SO−若しくは−NR−(R;水素原子又は炭素数1〜30の1価の炭化水素基)とを組み合わせた、例えば、硫黄原子を含む(p+1)価の基等が挙げられる。
前記炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基としては、前述のRの説明において例示した炭素数1〜30の(p+1)価の炭化水素基を挙げることができる。
−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、前述のRの説明において例示した−NR−のRで表される前記炭素数1〜30の1価の炭化水素基を挙げることができる。
また、前述の通り、一般式(5)におけるRの主鎖結合に関与しない部位は置換されていてもよい。
の主鎖結合に関与しない部位を置換する置換基は前述のRの説明において例示した主鎖結合に関与しない部位を置換する置換基を挙げることができる。
本実施形態において、レジストとの密着性を高める観点から、一般式(5)中のRとしては、単結合、硫黄原子又は硫黄原子を含む基であることが好ましく、硫黄原子を含む基の中でも、より好ましくは、前記化学式(R−1)又は(R−2)で表される構造に由来する2価の基である。
本実施形態において、一般式(5)中のRは、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基である。一般式(5)のmは1〜3の整数であり、m=3であることが好ましい。
の1価の有機基としては、少なくとも1つの炭素原子を含む基であり、例えば、シアノ基、アルキル基、炭素数2〜6のシアノアルキル基若しくはアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基等が挙げられる。
なお、これらの基に含まれる水素原子の一部又は全部はフッ素原子に置換されていてもよい。
この中でも特に、反応性、物質の取り扱い容易性の観点から、一般式(5)中のRとしては、アルキル基であることが好ましい。
本実施形態において、一般式(5)中のRは、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基である。一般式(5)のlは0〜2の整数であり、l=0であることが好ましい。
の1価の有機基としては、前述のRの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
本実施形態において、前記Zは、水素原子又は1価の有機基である。
Xの1価の有機基としては、前述のRの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
本実施形態において、物質の取り扱い容易性の観点から、前記Zとしては、アルキル基であることが好ましい。
また、本実施形態において、反応性の観点から、前記Zとしては、1価の酸解離性基であることが特に好ましい。なお、本実施形態において、「酸解離性基」とは、カルボキシ基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。
Zの酸解離性基としては、例えば、下記一般式(Z−1)で表される基等が挙げられる。

(式(Z−1)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体であるか、或いは何れか2つのRが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体を形成し、残りのRが炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体である。)
前記炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、及び何れか2つのRが相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子と共に形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン、又はシクロアルケン類に由来する基;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等の脂環式炭化水素類に由来する基等が挙げられる。
前記1価又は2価の脂環式炭化水素基の置換誘導体における置換基としては、前述のRの説明において例示した主鎖結合に関与しない部位を置換する置換基が挙げられる。
これらの置換基は、各置換誘導体中に1個以上、或いは1種以上存在していてもよい。
前記一般式(Z−1)で表される基としては、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、2−エチル−2−ブチル基、3−メチル−3−ペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基等のアルキル基;1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−n−プロピルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−n−プロピルシクロヘキシル基等の1−アルキルシクロアルキル基;
この中でも特に、剥離性を向上させる観点から、前記Zは、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
構造単位(II)の具体例としては、例えば、下記化学式(II−1)〜(II−5)で表される化合物から誘導される構造単位等が挙げられる。
なお、(A)ポリシロキサンは、構造単位(II)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
[構造単位(III)]
また、(A)ポリシロキサンは、耐酸素アッシング性の観点から、構造単位(I)及び(II)以外に、テトラアルコキシシラン由来の構造単位(III)を含有していてもよい。
前記構造単位(III)を与えるテトラアルコキシシランにおいて、Si原子に結合する4つのアルコキシ基は、全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
前記アルコキシ基は、炭素数1〜8のアルコキシ基であることが好ましい。
また、前記アルコキシ基は、直鎖状のものに限られず、分岐状若しくは環状であってもよい。
構造単位(III)を与えるテトラアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン等が挙げられる。
この中でも特に、反応性、物質の取り扱い容易性の観点から、構造単位(III)を与えるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシランであることが好ましく、テトラエトキシシランであることがより好ましい。
なお、(A)ポリシロキサンは、構造単位(III)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
[構造単位(IV)]
また、(A)ポリシロキサンは、下記一般式(6)で表される化合物由来の構造単位(IV)を含有していてもよい。

(式(6)中、Rは、吸光性基であり、R及びR10は、1価の有機基である。aは1〜3の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは0〜2の整数であり、a+b+cは4である。)
一般式(6)中のRの吸光性基としては、芳香環を有する基、カルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(6)において、bが2又は3の場合、2又は3つのRは、全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
一般式(6)中のR及びR10は、1価の有機基である。
及びR10の1価の有機基としては、前述のXの説明において例示した1価の有機基を挙げることができる。
この中でも特に、一般式(6)のRとしては、メチル基、エチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
なお、一般式(6)において、aが2又は3の場合、酸素原子に結合する2又は3つのRは、全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
また、一般式(6)において、cが2の場合、2つのR10は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
構造単位(IV)を与えるシランモノマーの具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、4−エチルフェニルトリメトキシシラン、4−(n−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(iso−プロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(n−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(2−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(1−メチルプロピル)フェニルトリメトキシシラン、4−(tert−ブチル)フェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−メチルベンジルトリメトキシシラン等が挙げられる。フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシランであることが好ましく、フェニルトリメトキシシランであることがより好ましい。
なお、(A)ポリシロキサンは、構造単位(IV)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
(A)ポリシロキサンにおいて、各構造単位の割合は、原料モノマー基準で、構造単位(I)及び(II)の合計含有割合が、1〜60mol%であることが好ましく、2〜25mol%であることがより好ましく、5〜20mol%であることが更に好ましい。この含有割合が、1mol%未満である場合、本発明の効果が十分に発現しないおそれがあり、30mol%を超えると、保存安定性の悪化のおそれがあるからである。なお、(A)ポリシロキサンにおいて、構造単位(I)及び(II)は、いずれか一方を含んでもよく、両方含まれていてもよい。
また、構造単位(III)の含有割合は、原料モノマー基準で、55〜85mol%であることが好ましく、60〜80mol%であることがより好ましい。この含有割合が、55〜85mol%である場合、耐酸素アッシング性に優れたケイ素含有膜が形成でき、耐酸素アッシング性に優れた組成物を得ることができるからである。
更に、構造単位(IV)の含有割合は、原料モノマー基準で、1〜40mol%であることが好ましく、5〜30mol%であることがより好ましく、10〜20mol%であることが更に好ましい。この含有割合が、10〜40mol%である場合、反射防止機能に優れた組成物を得ることができるからである。
なお、本明細書における「原料モノマー基準」とは、共重合体製造の際に用いられる原料モノマー全量に対する、該当する構造単位を得るための原料モノマーの割合のことを指す。
このような各構造単位の含有割合は、例えば、29Si−NMRスペクトルの解析結果から推定することができる。
また、(A)ポリシロキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は、1000〜15000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましく、1500〜6000であることが更に好ましい。前記Mwが1000〜15000である場合には、塗布性及び保存安定性が良好であるからである。
本実施形態において、(A)ポリシロキサンは公知の方法により製造することができる。
なお、(A)ポリシロキサンは、本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物に、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
<(B)有機溶媒>
本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物は、(A)ポリシロキサン以外に、本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物を得るため、(A)ポリシロキサンを溶解又は分散させる目的で、(B)有機溶媒を含有していてもよい。
(B)有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、2−n−ブトキシエタノール、2−n−ヘキソキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−(2−エチルブトキシ)エタノール、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、1−n−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;
ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。
この中でも特に、(B)有機溶媒としては、エーテル系溶媒、エステル系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒及びエステル系溶媒の中でも、より好ましくは、成膜性に優れるため、グリコール系溶媒である。
グリコール系溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
なお、これらの(B)有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素含有膜形成用材料における(B)有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。上記含有量の上限としては、99.8質量%が好ましく、99質量%がより好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物は、(A)ポリシロキサン以外に、本実施形態の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としは、硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物、界面活性剤、水等が挙げられる。
[硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物]
上記ケイ素含有膜形成用組成物が硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物を含有することが好ましい。上記ケイ素含有膜形成用組成物が硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物を含有することにより、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において硫黄原子及び/又はカルボニル基が酸化されることで、親水性が付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができると推察される。
上記硫黄原子を有する化合物はスルフィド基、スルホキシド基、スルホニル基、スルファニル基及びカルボニル基から選ばれる少なくとも一種を有することがさらに好ましい。また、スルホニル基を有する基としては、スルホ基、スルホン酸エステル基が好ましい。これらの基を有することにより、形成されるレジストパターンのパターン倒れ耐性を向上させることができる。
また、還元性成分を含有するガスを上記ケイ素含有膜に接触させる工程で還元されると考えられるスルホキシド基、スルホニル基又はカルボニル基は、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において酸化されることで、親水性が再度付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができると推察される。また、スルフィド基又はスルファニル基は、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる工程において硫黄原子が酸化され、親水性が付与され、塩基性液によるウェット剥離の際に優れた塩基性液剥離性能を示し、より効果的に上記ケイ素含有膜除去することができると推察される。これらの中でも、スルホニル基がより好ましい。スルホニル基を有する基としては、スルホン酸基、スルホン酸エステル基が特に好ましい。
スルホニル基を有する化合物としてはスルホ基及びスルホン酸エステル基から選ばれる少なくとも一種を有する化合物が好ましく、具体的には、下記一般式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。

(式(1)中、L,−SO−O−*及びXが環を構成しない場合、Lは単結合又は2価の有機基であり、Xは水素原子又は1価の有機基である。L,−SO−O−*及びXが環を構成する場合、Lは3価の有機基であり、Xは2価の有機基である。(なお、*はOとXとの結合位置を示す。))
硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物の具体例としては、例えば、下記化学式(1a)〜(1h)で表される化合物等が挙げられる。
本実施形態において、当該ケイ素含有膜形成用組成物における硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物の含有率としては、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.2質量%〜15質量%がさらに好ましい。
なお、これらの硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[界面活性剤]
本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物は、塗布性、ストリエーション等を改良する目的で、界面活性剤を含有していてもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名として、KP341〔信越化学工業社製〕、ポリフローNo.75、同No.95〔以上、共栄社化学社製〕、エフトップEF301、同EF303、同EF352〔以上、トーケムプロダクツ社製〕、メガファックF171、同F173〔以上、大日本インキ化学工業社製〕、フロラードFC430、同FC431〔以上、住友スリーエム社製〕、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106〔以上、旭硝子社製〕等が挙げられる。
なお、これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、界面活性剤の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
[水]
本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物は、水を含有してもよい。水を含有すると、(A)ポリシロキサンが水和されるため、当該ケイ素含有膜形成用組成物の保存安定性が向上する。また、水を含有すると、ケイ素含有膜の成膜時の硬化が促進され、緻密な膜を得ることができる。当該ケイ素含有膜形成用組成物における水の含有率としては、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.2質量%〜15質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記上限を超えると、当該ポリシロキサン組成物の保存安定性が低下し、また塗布膜の均一性が低下する場合がある。
<ケイ素含有膜形成用組成物の調製方法>
本実施形態に係るケイ素含有膜形成用組成物の調製方法は特に限定されず、例えば、(A)ポリシロキサンと、(B)溶媒と、その他の成分と、を所定の割合で混合することにより調製することができる。上記ケイ素含有膜形成組成物の固形分濃度としては、通常、0.5質量%〜20質量%であり、1質量%〜15質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
上記ケイ素含有膜の純水に対する接触角の下限は、40°が好ましく、45°が特に好ましい。上限は80°が好ましく、75°が特に好ましい。なお、本明細書においては特に断りのない限り、接触角は25℃における測定値を指す。ケイ素含有膜の接触角を上記範囲とすることにより、後述するケイ素含有膜除去工程における塩基性液の濡れ広がり性や、通常、ケイ素含有膜上に形成されるレジストパターンの密着性を良好にすることができる。
上記ケイ素含有膜形成組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PB温度としては、上記組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常50℃〜450℃程度である。また、PB時間としては、通常5秒〜600秒程度である。
<レジストパターン形成工程(1’−1)>
本工程では、[ケイ素含有膜形成工程]で形成したケイ素含有膜上にレジストパターンを形成する。本工程において、レジストパターンを形成する方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法、ナノインプリントリソグラフィー法を用いる方法等の従来公知の方法で形成することができる。
<エッチング工程(1’−2)>
本工程では、上記レジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングして、ケイ素含有膜にパターンを形成する。
このエッチングは、例えば、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされるケイ素含有膜の元素組成等により、適宜選択することができ、例えば、CHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガス等が用いられ、これらのガスは混合して用いることもできる。ケイ素含有膜のドライエッチングには、通常、フッ素系ガスが用いられ、これに酸素系ガスと不活性ガスとを混合したものが好適に用いられる。
<還元性成分接触工程(2)>
本工程では、還元性成分を含有するガスを上記ケイ素含有膜に接触させる。例えば、エッチング工程(1’−2)において、還元性成分を含有するガスを用いてケイ素含有膜をドライエッチングすれば、還元性成分を含有するガスがケイ素含有膜と接触する。還元性成分を含有するガスとしては、H、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、CO、NO、NH、BCl等が挙げられる。これらの中でもHを含むガスが好適に用いられる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。より具体的には、N/H混合ガスが挙げられる。
なお、還元性成分接触工程は、複数回の異なるガスにより、行ってもよい。
<還元性成分エッチング工程(2’)>
エッチング工程(1’−2)で得られた上記ケイ素含有膜パターンをマスクとして、還元性成分を含有するガスを用いて有機下層膜をドライエッチングして、有機下層膜にパターンを形成する。この際、還元性成分を含有するガスは、ケイ素含有膜パターンと接触する。その後、後述のケイ素含有膜除去工程においてケイ素含有膜が除去されるので、パターニングされた有機下層膜を有する基板が得ることができ、これを用い、基板にパターンを形成することができる。このドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用する還元性成分を含有するエッチングガスとしては、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等が挙げられる。これらの中でもHを含むガスが好適に用いられる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。より具体的には、N/H混合ガスが挙げられる。複数回の異なるエッチングガスにより、エッチングを行ってもよい。
本工程では、上記有機下層膜パターンをマスクとして、基板をさらにドライエッチングする工程を有してもよい。このドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされる有機下層膜及び基板の元素組成等により、適宜選択することができ、例えば、CHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガス等が用いられる。複数回の異なるエッチングガスにより、エッチングを行ってもよい。なお、上記有機下層パターンの上側にケイ素含有膜が残留している場合には、後述のケイ素含有膜除去工程においてケイ素含有膜を除去することができる。
<酸化性成分接触工程(3)及び(3’)>
本工程では、酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる。酸化性の気体としては、Oが挙げられる。
酸化性の液体の接触方法としては、例えば、酸化性の液体が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に酸化性の液体を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、基板表面に酸化性の液体を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で酸化性の液体塗出ノズルをスキャンしながら酸化性の液体を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
浸漬時間としては、通常1秒〜1時間であり、10秒〜30分が好ましい。その後、純水リンス等を行い、使用した酸化性の液体を除去する。酸化性の液体には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
酸化性の液体としては、過酸化水素と水を含有する液が挙げられる。過酸化水素水の場合、過酸化水素の水に対する含有割合の下限は、1%以上が好ましく、3%以上がさらに好ましく、5%以上がさらに好ましい。過酸化水素の水に対する含有割合の上限は、安全性の観点から、40%以下が好ましく、30%以下がさらに好ましい。本工程は、100℃未満で行われることが好ましい。酸化性の気体又は液体の温度の下限は、20℃以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上が特に好ましい。上限は、100℃以下が好ましく、90℃以下がさらに好ましく、80℃以下が特に好ましい。
<除去工程(4)及び(4’)>
本工程では、塩基性液を用い、上記ケイ素含有膜を除去する。上記除去工程は100℃未満で行われることが好ましい。本工程のケイ素含有膜の除去は、例えば加温した塩基性液にケイ素含有膜が形成された基板を浸漬させて処理することにより行うことができる。塩基性液の温度としては、通常30℃〜100℃であり、40℃〜95℃が好ましく、50℃〜90℃がより好ましい。浸漬時間としては、通常1秒〜1時間であり、10秒〜30分が好ましい。その後、純水リンス等を行い、使用した塩基性液を除去する。
上記塩基性液としては、アンモニア、有機アミン及びテトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の窒素化合物を含有する液が好ましい。
有機アミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
テトラアルキルアンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。上記塩基性液は、上記窒素化合物の水溶液であることが好ましい。
アンモニア水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が特に好ましい。
ここで、上記塩基性液における水の含有量としては、通常40質量%以上であり、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
これらの塩基性液の濃度としては、通常0.1質量%〜40質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記塩基性液は、ケイ素含有膜の除去性がさらに向上するため、更に過酸化水素を含有することが好ましい。より具体的には、アンモニア及び過酸化水素の混合水溶液(SC1)が特に好ましい。
過酸化水素の含有割合としては、塩基性液中の窒素化合物に対する質量比で、窒素化合物:過酸化水素=1:1/500〜1:500が好ましい。
本工程は、工程(1’)の後に行うことで、適正に塗布されなかったケイ素含有膜を剥離することができ、ケイ素含有膜を再度形成する等の再加工が可能となる。工程(1’−1)の後に行うことで、適正にパターニングされなかったレジスト膜を、ケイ素含有膜を除去することでケイ素含有膜と共に剥離することができ、ケイ素含有膜とレジスト膜とを再度形成する等の再加工が可能となる。また、本工程は、工程(1’−2)でケイ素含有膜にパターンを形成した後に行うこともできる。これにより、適正にパターニングされなかったケイ素含有膜等を、上述のケイ素含有膜除去工程によって剥離できるため、ケイ素含有膜とレジスト膜とを再度形成する等の再加工が可能となる。さらに、本工程は、工程(2’)で、レジスト下層膜にパターンを形成した後に行うこともでき、基板にパターンを形成した後に行うこともできる。
以下、実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本実施例における固形分の含有割合の決定、及び重量平均分子量(Mw)の測定は下記の方法により行った。
[固形分の含有割合の決定]
樹脂溶液0.5gを30分間250℃で焼成することで、樹脂溶液0.5gに対する固形分の重量を測定し、固形分の含有割合を決定した。
[重量平均分子量(Mw)の測定]
GPCカラム〔東ソー社製〕(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
1.(A)ポリシロキサンの合成
後述する各合成例においては、下記化学式(M−1)〜(M−7)に示す化合物を単量体として用いて、(A)ポリシロキサンの合成を行った。
<合成例1:(A−1)ポリシロキサン>
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、化学式(M−1)に示す化合物10.65g、化学式(M−2)に示す化合物0.99g、化学式(M−4)に示す化合物4.74g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液45.4gを得た。この樹脂溶液中における固形分を(A−1)ポリシロキサンとした。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.0%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は2,000であった。
<合成例2:(A−2)ポリシロキサン>
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、化学式(M−1)に示す化合物10.80g、化学式(M−2)に示す化合物0.50g、化学式(M−3)に示す化合物2.03g、化学式(M−4)に示す化合物2.37g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液45.4gを得た。この樹脂溶液中における固形分を(A−2)ポリシロキサンとした。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.5%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は2,000であった。
<合成例3:(A−3)ポリシロキサン>
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、化学式(M−1)に示す化合物10.65g、化学式(M−3)に示す化合物1.35、化学式(M−5)に示す化合物3.44g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液45.4gを得た。この樹脂溶液中における固形分を(A−3)ポリシロキサンとした。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.0%であ
った。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は2,000であった。
<合成例4:(A−4)ポリシロキサン>
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、化学式(M−1)に示す化合物10.65g、化学式(M−3)に示す化合物1.35、化学式(M−6)に示す化合物3.33g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液45.4gを得た。この樹脂溶液中における固形分を(A−4)ポリシロキサンとした。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.0%であ
った。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は2,000であった。
<合成例5:(A−5)ポリシロキサン>
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、化学式(M−1)に示す化合物10.65g、化学式(M−3)に示す化合物1.35、化学式(M−7)に示す化合物2.05g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液45.4gを得た。この樹脂溶液中における固形分を(A−5)ポリシロキサンとした。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、7.0%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は2,000であった。
<結果>
合成例1〜5において得られた樹脂溶液における単量体の使用量、固形分濃度、及び固形分の重量平均分子量(Mw)について、表1に示す。
なお、表1には、各単量体の使用量により求められる樹脂組成(理論値、単位:mol%)を併記した。
2.ケイ素含有膜形成用組成物の調製
前述の各合成例で得られた(A−1)〜(A−5)のポリシロキサン及び(B)溶媒を用いて、以下に示すように、合成例1〜5のケイ素含有膜形成用組成物を調製した。
なお、本実施例において、「部」とあるのは、全て質量部を示す。また、本実施例では、溶媒の一例として、プロピレングリコールモノエチルエーテル(B−1)を用いた。
<調製例1>
表2に示すように、合成例1で得られた(A−1)ポリシロキサン1.2部を(B)溶媒98.8部に溶解させた後、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、調製例1のケイ素含有膜形成用組成物を得た。
<調製例2〜5>
表2に示す割合で各成分を用いる以外は、調製例1と同様の手法により、調製例2〜5のケイ素含有膜形成用組成物(J−1)〜(J−5)を調製した。
3.評価
前述のようにして得られた調製例1〜5のケイ素含有膜形成用組成物(J−1)〜(J−5)を用いてケイ素含有膜付き基板を形成し、以下の各種評価を行った。
基板の形成方法について、以下に示す。
前述のようにして得られた各ケイ素含有膜形成用組成物(J−1)〜(J−5)をシリコンウェハ(基板)上に、スピンコート法により塗布した。
その後、大気雰囲気下にて、温度220℃及び時間60sのベーク条件でベークし、膜厚30nmのケイ素含有膜を形成し、基板上にケイ素含有膜が形成された「ケイ素含有膜付き基板」を得た。
[溶媒耐性]
上記で得られた基板を、シクロヘキサノン(室温)10秒間浸漬した。
浸漬前後の膜厚を分光エリプソメーターUV1280E(KLA−TENCOR製)を用いて測定し、測定値から膜厚変化率を算出した。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「〇」(良好)と、1%以上の場合は「×」(不良)と評価した。
[TMAH現像液耐性]
上記で得られた基板を、2.38%TMAH現像液(室温)に60秒間浸漬した。
浸漬前後の膜厚を、分光エリプソメーターUV1280E(KLA−TENCOR製)を用いて測定し、測定値から膜厚変化率を算出した。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「〇」(良好)と、1%以上の場合は「×」(不良)と評価した。
[エッチング耐性]
上記で得られた基板を、エッチング装置(東京エレクトロン社の「TACTRAS」)を用いて、還元性成分を含有するガスの一例としてN/H混合ガスを用い、N/H=250/150sccm、PRESS.=30mT、HF RF=350W、LF RF=50W、DCS=−10V、RDC=70%、60sec条件にて処理し、処理前後の平均膜厚からエッチングレート(nm/分)を算出した。エッチング耐性はエッチングレート(nm/分)が10未満の場合は「〇」(良好)と、10以上の場合は「×」(不良)と評価した。
[酸化性物質耐性]
前述のエッチング後の基板を、酸化性物質の一例として9%過酸化水素水(65℃)に10分間浸漬した。
浸漬前後の膜厚を、分光エリプソメーターUV1280Eを用いて測定し、測定値から膜厚変化率を算出した。酸化性物質耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「〇」(良好)と、1%以上の場合は「×」(不良)と評価した。
溶媒耐性、TMAH現像液耐性、エッチング耐性及び酸化性物質耐性の結果を、下記表3に示す。
表3に示す通り、各ケイ素含有膜形成用組成物(J−1)〜(J−5)を用いて形成したケイ素含有膜の溶媒耐性、TMAH現像液耐性、エッチング耐性及び酸化性物質耐性は、全て良好であった。
[塩基性液剥離性]
上記酸化性物質耐性の評価前の基板(過酸化水素水処理無し)を比較例1〜5とし、上記酸化性物質耐性の評価後の基板(過酸化水素水処理有り)を実施例1〜5として、65℃に加温した塩基性液(25%アンモニア水溶液/30%過酸化水素水溶液/水=1/1/5混合水溶液)に5分間浸漬した。浸漬後の膜厚を分光エリプソメーターUV1280E(KLA−TENCOR製)を用いて測定し、2分以内で剥離可能な場合「○」、2〜3分間で剥離可能場合「△」、3分以上で剥離可能な場合「×」と評価した。
塩基性液剥離性の結果を、下記表4に示す。
表4に示す通りケイ素含有膜に対して還元性成分を含有するガスを接触させた場合においても、塩基性液を用いた上記ケイ素含有膜の除去工程の直前に酸化性成分接触工程を行うことにより、塩基性液を用いた上記ケイ素含有膜除去性が良好であることが分かる。

Claims (11)

  1. 基板上にケイ素含有膜を形成するケイ素含有膜形成工程(1)、
    還元性成分を含有するガスを上記ケイ素含有膜に接触させる還元性成分接触工程(2)、
    酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる酸化性成分接触工程(3)、及び
    塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する除去工程(4)
    を有するケイ素含有膜除去方法。
  2. 基板上に有機下層膜を形成する有機下層膜形成工程(0)、
    上記有機下層膜上にケイ素含有膜を形成するケイ素含有膜形成工程(1’)、
    還元性成分を含有するガスを用いて上記有機下層膜をエッチングする還元性成分エッチング工程(2’)、
    酸化性の気体又は液体を上記ケイ素含有膜に接触させる酸化性成分接触工程(3’)、及び
    塩基性液を用いて上記ケイ素含有膜を除去する除去工程(4’)
    を有するケイ素含有膜除去方法。
  3. 上記塩基性液が、アンモニア、有機アミン及びテトラアルキルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の窒素化合物を含有する液である請求項1又は2に記載のケイ素含有膜除去方法。
  4. 上記酸化性の気体又は液体が、過酸化水素を含む液体である請求項1から3のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
  5. 上記酸化性成分接触工程は100℃未満で行われる、請求項1から4のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
  6. 上記除去工程は100℃未満で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
  7. 上記還元性成分として水素を含有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
  8. 上記ケイ素含有膜が、ポリシロキサン、及び有機溶媒を含有するケイ素含有膜形成用組成物により形成される請求項1から7のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
  9. 上記ケイ素含有膜形成用組成物が硫黄原子及びカルボニル基の少なくともいずれかを有する成分を含有することを特徴とする、請求項8に記載のケイ素含有膜除去方法。
  10. 上記ケイ素含有膜形成用組成物がスルフィド基、スルホキシド基、スルホニル基、スルファニル基及びカルボニル基から選ばれる少なくとも一種を有する成分を含有することを特徴とする、請求項9に記載のケイ素含有膜除去方法。
  11. 上記ケイ素含有膜形成工程(1’)後かつ上記還元性成分エッチング工程(2’)前に、
    上記ケイ素含有膜上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程(1’−1)、及び
    上記レジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングするエッチング工程(1’−2)
    をさらに有する請求項2から10のいずれか一項に記載のケイ素含有膜除去方法。
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