JP2017092316A - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents

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【課題】シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止しつつ、研磨レートの低下を防ぐことができる研磨剤及び研磨方法。【解決手段】シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨剤であって、コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを含有し、前記水酸化リチウムの濃度が、前記研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満のものであることを特徴とする研磨剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、研磨剤及び研磨方法に関する。
シリコンウェーハ(以下、単にウェーハとも言う)に代表される半導体ウェーハは、図1に示すような両面研磨装置1や、図2に示すような片面研磨装置21を用いて研磨を行っている。
両面研磨は、図1に示すように、上下に相対向して設けられた上定盤2と下定盤3を備えており、上定盤2と下定盤3にはそれぞれ研磨布4は貼り付けられている。上定盤2と下定盤3の中心部にはサンギア5が、周縁部にはインターナルギア6が設けられている。シリコンウェーハWは、キャリア7に保持され、上定盤2と下定盤3の間に挟まれている。
サンギア5とインターナルギア6の各歯部には、キャリア7の外周歯が噛合しており、上定盤2と下定盤3が不図示の駆動源によって回転されるのに伴い、キャリア7は自転しつつ、サンギア5の周りを公転する。このとき、上定盤2に設けられた研磨剤供給機構8から、スラリーチューブ9を介して、上下定盤2、3に貼り付けられた研磨布4の間に研磨剤が供給され、シリコンウェーハWはキャリア7に保持された状態で両面が研磨される。
また、片面研磨は、図2に示すように、研磨布22が張り付けられた定盤23と、研磨布22上に研磨剤24を供給する研磨剤供給機構25と、シリコンウェーハWを保持する研磨ヘッド26等から構成された研磨装置を用いて行われる。研磨ヘッド26でシリコンウェーハWを保持し、研磨剤供給機構25から研磨布22上に研磨剤24を供給するとともに、定盤23と研磨ヘッド26をそれぞれ回転させてシリコンウェーハWの表面を研磨布22に摺接させることによりシリコンウェーハWを研磨する。
近年、微細化が進むにつれ、ウェーハ外周まで平らなウェーハ形状が求められるようになり、エッジ近傍を評価するフラットネス指標として、外周部のサイトフラットネスを評価するESFQR(Edge Site Front least sQuares Range)やESFQD(Edge Site Front least sQuares Deviation)、曲率の変化を評価するZDD(Z−Height Double Differentiation)といった新たな指標が用いられるようになった。
ESFQRは、扇型のセル形状、例えば、エッジから1mmの点と35mmの範囲で、角度5度の72セルの平均や最大値で評価を行っている。ESFQDは、ESFQRの仮想平面からの変位量の最大値を表し、プラスの場合は仮想平面よりも上側、マイナス場合は仮想平面よりも下側の変位量が大きいことを示す。ウェーハの品質評価にはESFQR、形状解析にはESFQDが用いられることが多い。
ところで、近年では、微細化と共に、外周部の平坦性を良くするため、両面研磨では、硬質の研磨布を用いたり、研磨中の荷重バランスを均一化する等の改善が行われ、両面研磨後では、例えば、30nm以下のESFQRレベルが得られるようになった。
特開2000−080350号公報 特開平11−080707号公報
しかし、ESFQRの改善に伴い、ウェーハ周方向の平坦性バラツキが問題視されるようになった。このように外周部の周方向の変動が重要視されるようになり、規格として設定されるESFQRの最大値に加え、ESFQRの平均値やレンジも議論されるようになった。
ウェーハ周方向でESFQRやESFQDの集計を行うと、4回対称のパターンが観察されることがある。代表的なESFQRの4回対称パターンを図3に示した。シリコンウェーハは、スライス面を<100>とした場合、ノッチと呼ばれる微小な切り込みを、例えば図4のように円周部の<011>方向に加工し、このノッチを基準に位置合わせが行われる。図3のパターンは、ノッチの位置を0°の位置にし、ノッチ位置の測定結果を除外し、平均値からの変位量を表示している。
このような図3に示すような4回対称のパターンは、両面研磨後のウェーハで確認されており、片面研磨のウェーハでは更に悪化することが分かっている。
図3に示すようなパターンは、両面研磨装置の機種や、研磨条件によって発生率に差がある。例えば、キャリア内の荷重分布が均一で、偏荷重がかかり難い条件の場合、フラットネスレベルは良くなるが、4回対称のパターンの発生率が高くなることが分かっている。これは、キャリア内でウェーハの回転が停止した場合、再度回転を開始するための回転力が少ないためと考えられる。逆に、荷重バランスが悪い条件では、フラットネスレベルは若干悪化するが、4回対称のパターンの発生は少ない。これは、ウェーハの回転が停止しても、再度回転を開始するのに十分な回転力が、偏荷重により得られるためと考えられる。
ところで、一般的な研磨剤(以下、スラリーともいう)には、ベースアルカリとして、水酸化カリウムに代表される無機アルカリが用いられている。無機アルカリによるエッチングレートは、結晶方位に依存しており、<110>方向と<111>方向では、<111>方向の研磨レートが遅いことが知られている。
このため、キャリア内でウェーハの回転が阻害された場合、スラリー中に含まれる無機アルカリのエッチングレートの結晶方位依存性により、4回対称のパターンが発生すると考えられる。
このような4回対称のパターンが生じると、研磨後のウェーハの周方向の平坦性バラツキが大きくなってしまう。そのため、このようなパターンのないウェーハが望まれていた。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止しつつ、研磨レートの低下を防ぐことができる研磨剤及び研磨方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨剤であって、
コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを含有し、
前記水酸化リチウムの濃度が、前記研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満のものであることを特徴とする研磨剤を提供する。
このような研磨剤であれば、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができる。さらに、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができる。
また本発明によれば、定盤に貼り付けられた研磨布に研磨剤を供給しながら、前記研磨布にシリコンウェーハを摺接させることによりシリコンウェーハの研磨を行う方法であって、
前記研磨剤として、コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを用いたものを使用し、
前記水酸化リチウムの濃度を、前記研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満とすることを特徴とするシリコンウェーハの研磨方法を提供する。
このような研磨方法であれば、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができる。さらに、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができる。
本発明の研磨剤及び研磨方法であれば、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができる。さらに、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができる。
一般的な両面研磨装置を示した概略図である。 一般的な片面研磨装置を示した概略図である。 代表的なESFQRの周方向のパターンを示したグラフである。 スライス面が<100>のシリコンウェーハの結晶方位を示した概略図である。 図3に示したESFQRの周方向のパターンをレーダーチャートで示したグラフである。 研磨レートの調査方法を示した概略図である。 スラリーA又はスラリーBを使用した場合における研磨レート差を示したグラフである。 スラリーA又はスラリーBを使用した場合における研磨レートを示したグラフである。 添加するアルカリの種類及び濃度を変化させた場合における研磨レート差を示したグラフである。 添加するアルカリの種類及び濃度を変化させた場合における研磨レートを示したグラフである。 水酸化リチウムの濃度が0.04wt%の研磨剤を用いた場合のESFQRの周方向分布のレーダーチャートを示したグラフである。 水酸化リチウムの濃度が0.10wt%の研磨剤を用いた場合のESFQRの周方向分布のレーダーチャートを示したグラフである。 使用する研磨剤を変化させた場合のESFQRの周方向のレンジを比較した結果を示したグラフである。
前述したように、従来、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキが発生していた。
図4に結晶方位と一般的なノッチ位置を示す。また、図5に、図3のデータをレーダーチャートにした結果を示す。図5の結果より、ノッチ位置から45°方向のESFQRの値が大きく、ノッチ位置から90°方向のESFQRの値が小さいことが分かる。研磨面である<100>面から見て、ESFQRの値が悪い方向は<110>面方向であり、ESFQRの値が良い方向は<111>方向となる。したがって、エッチング力が遅い場合、研磨レートも遅くなるため、<111>方向は取代が少なく、形状変化が少ないと考えられる。
そこで、まず、本発明者は、市販されている水酸化カリウムベースのスラリーを用いて、結晶方向による研磨レートに差があるのか調査を行った。調査方法として、図2に示すような片面研磨装置21を用い、研磨ヘッド26に直径300mmのシリコンウェーハWを固定し、研磨ヘッド26の回転と定盤23の揺動を停止し、定盤23の回転のみで研磨を行った。研磨荷重は15kPa、定盤回転数は20rpmとした。
研磨ヘッド26は同じ研磨ヘッド26を使用し、シリコンウェーハWの固定位置は、図6に示すように、定盤回転方向に<111>方向を合わせた場合と、<110>方向を合わせた場合の2つの条件(条件1、条件2)で行い、この2つの条件の結晶方向の差の平均値を研磨レート差とした。
測定には、コベルコ技研のフラットネス測定機LSW−3010FEを用い、<111>方向と<110>方向の外周部の約5mm□の厚さデータを抽出し、研磨前後の厚さの差から取代を計算した。
スラリーA(株式会社フジミインコーポレーテッド製)と、スラリーB(ニッタ・ハース株式会社製)の市販の2種類のスラリーで調査を行った結果を図7に示す。図7に示すように、どちらのスラリーも、ノッチの固定位置に関わらず、<110>方向の取代が<111>方向の取代よりも多く、スラリーによって、結晶方向によるレート差が異なることがわかった。
尚、通常の研磨方法でウェーハ面内の平均取代から研磨レートを比較したところ、研磨レートは、図8に示すように、スラリーAの方が速く、研磨レートが速いスラリーの方が結晶方向によるレート差が大きい結果であった。スラリーによるレート差は、同じ水酸化カリウムベースのスラリーでも、濃度や含有する添加剤が異なるためと考えられる。
特許文献1には、無機アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアが記載されている。特許文献2には、塩基性化合物として、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが記載されている。
また、水酸化カリウムや水酸化テトラメチルアンモニウムは、異方性エッチング液として広く用いられていることが知られている。
そこで、さらに、本発明者は、ベースアルカリとして一般的に用いられる水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)と、異方性エッチング液として広く用いられている水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の4種類を用いて、濃度を振って、結晶方向による研磨レート差に差があるのか調査を行った。調査方法は、前述の市販のスラリーA、Bの評価方法と同じ方法で行った。
スラリーは、一次粒子径35nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 商品名:クォートロンPL−3)を用い、シリカ濃度が1.0wt%、アルカリ濃度が0.04wt%と0.10wt%になるように調整した。また、市販のスラリーにはキレート剤等が添加されているが、今回は添加せずに、評価を行った。
<110>方向と<111>方向の研磨レート差と研磨レートを図9、図10に示す。図9に示すように、アルカリ種によって、研磨レート差が異なり、アルカリの濃度を増やすと、研磨レート差も大きくなる傾向であった。
水酸化ナトリウムと水酸化カリウムは、ほとんど同じような傾向であったが、水酸化カリウムの方が、研磨レート差が若干少なく、研磨レートが速い結果であった。
異方性エッチング液として広く用いられている水酸化テトラメチルアンモニウムは、研磨レート差が最も大きく(図9)、研磨レートも最も速い結果となった(図10)。
これに対し、水酸化リチウムは、濃度による研磨レート差の変化は最も大きかったが、レート差自体は小さく、0.10wt%添加時でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの濃度0.04wt%よりも研磨レート差が少ない結果であった。また、研磨レートは、水酸化リチウムの濃度0.04wt%の研磨レートが、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの濃度0.10wt%よりも速い結果であった。
この結果から、本発明者は、ベースアルカリとして、水酸化リチウムのみを用いることで、高い研磨レートを維持したまま、ウェーハ外周部の変動を抑えることができると考えた。
そこで、一次粒子径35nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製 商品名:クォートロンPL−3)を用い、シリカ濃度を1.0wt%、水酸化リチウム濃度を0.04wt%と0.10wt%に調整したスラリーに、キレート剤としてDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)を0.05mol/Lとなるように添加したスラリーを用い、直径300mmのウェーハの両面研磨を行って調査を実施した。両面研磨の条件は、図3に示すような4回対称のパターンが発生した条件とし、研磨取代が同じになるように研磨時間を調整した。なお、図3では上記したスラリーAを用いた場合である。
水酸化リチウム濃度0.04wt%の代表例を図11に、水酸化リチウム濃度0.10wt%の代表例を図12に示した。その結果、スラリーAを用いた場合(図3)に比べて、水酸化リチウム濃度0.10wt%の場合(図12)ではスラリーも4回対称のパターンが改善されることが分かった。さらに、水酸化リチウム濃度0.04wt%の場合(図11)では、図12に比べてさらに4回対称のパターンが改善され、4回対称のパターンはほとんど発生しなかった。
また、上記の図3、図11、12で使用した3枚のESFQRの周方向のレンジを比較した結果を図13に示した。図13に示すように、4回対称パターンが発生するスラリーAに比べ、水酸化リチウムを用いたスラリーは、水酸化リチウム濃度0.10wt%の場合では、約30%の改善が見られた。一方、水酸化リチウム濃度0.04wt%では平均で約40%の改善が見られ、水酸化リチウム濃度0.10wt%の場合よりも大きく改善した。特に、水酸化リチウム濃度を0.05wt%未満とすれば、ESFQRの周方向変位量を3nm以下にすることができることが分かった。
以上の調査結果を踏まえ、本発明者は、ベースアルカリとして、コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを含有し、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.05wt%未満のものであれば、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができることを見出した。また、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上のものであれば、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができることを見出した。
まず、本発明の研磨剤について説明する。本発明のシリコンウェーハの研磨に用いられ研磨剤は、コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを含有し、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満のものである。
このように、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.05wt%未満のものであるので、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができる。さらに、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上のものであるので、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができる。
また、キレート剤などの添加剤は、研磨レート差への影響が小さいため、必要に応じて研磨剤にキレート剤等を添加しても良い。
また、コロイダルシリカの濃度は特に限定しないが、原理的に、コロイダルシリカの濃度は高い方がメカニカル研磨の要素が強くなるため、研磨レート差には優位とすることができる。例えば、コロイダルシリカの濃度が0.2wt%以上であれば、研磨レート差に影響なく、且つ市販のKOHベースのスラリーと同等以上の研磨レートが得られるため、0.2wt%以上であることが好ましく、また、スラリーコストを考慮すれば、1.0wt%以下であることが好ましい。
コロイダルシリカの一次粒子径は、大きい方が若干研磨レートは速くなるが、ベースアルカリの濃度に比べると研磨レートへの寄与度が非常に少ない。また、研磨レート差への影響は小さいため、目的とする表面状態に合わせてコロイダルシリカの一次粒子径を選定すれば良い。表面粗さを低く抑えた方が、仕上げ研磨の負荷を低減できるため、15nm〜70nm程度の一次粒子径のコロイダルシリカであることが好ましい。
次に、本発明の研磨方法の一例として、図2に示すような片面研磨装置21を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、研磨を行う対象であるシリコンウェーハWを準備する。
そして、図2に示すような研磨装置21において、研磨ヘッド26でシリコンウェーハWを保持し、研磨剤供給機構25から研磨布22上に、上述したような本発明の研磨剤24を供給するとともに、定盤23と研磨ヘッド26をそれぞれ回転させて、シリコンウェーハWの表面を研磨布22に押圧、摺接させることにより、シリコンウェーハWの研磨を行うことができる。
このようにすれば、上述したように、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.05wt%未満のものであるので、シリコンウェーハの研磨において、シリコンウェーハの結晶方位に依存する外周平坦性バラツキの発生を防止することができる。さらに、水酸化リチウムの濃度が、研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上のものであるので、研磨レートを従来の研磨剤を用いた場合と同等以上とすることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1−7、比較例1−11)
上述したような、ベースアルカリとして、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を用いて行った調査の結果(比較例1−8)に加え、水酸化リチウムをベースアルカリとし、一次粒子径、シリカ濃度を振って、片面研磨機を用いて研磨を行った。このとき、水酸化リチウムの濃度を0.02wt%以上0.05wt%未満の範囲で変化させた場合を実施例1−7とし、水酸化リチウムの濃度を0.10wt%の場合を比較例9−10とした。また、水酸化リチウムの濃度を0.01wt%の場合を比較例11とした。そして、実施例及び比較例における研磨剤の条件と、研磨レート差と研磨レートを測定した結果をまとめたものを表1に示した。
研磨レート差は、<110>方向と<111>方向の研磨レート差が3%以下の場合◎、5%以下の場合を○、6%以下を△、6%を超える場合は×と判定した。研磨レートは、5nm/sec以下を×、10nm/sec以下を△、15nm/sec以下を○、15nm/secを超える場合は◎とした。
Figure 2017092316
表1に示したように、LiOH以外のアルカリを用いた比較例1−8は、研磨レート差が6%を超えたものとなり、外周ばらつきが発生した。一方、比較例9−10では、比較例1−8と比較して研磨レート差は改善したが、依然として、研磨レート差が大きかった。また、比較例11では、研磨レート差は実施例と同等の水準であったが、研磨レートは非常に低かった。研磨レートが低いと、生産性が低下するため好ましくない。
一方、実施例1−7では、研磨レート差が3%以下であり、比較例1−10と比較して大きく改善した。また、実施例1−7における研磨レートは、比較例8のような市販のスラリーと比較しても、同等以上の水準であった。
コロイダルシリカの濃度や、水酸化リチウムの濃度を下げると、研磨レートは低下するが、研磨レート差には影響は見られなかった。また、コロイダルシリカの一次粒子径も、研磨レートに若干の影響が見られたが、研磨レート差には影響が見られなかった。
以上のことから、水酸化リチウムをベースアルカリとしたスラリーは、水酸化リチウムの濃度を0.05wt%未満とすることにより、研磨レート差を3%以下に抑えることができることが分かった。また、水酸化リチウムの濃度が0.02wt%以上であれば、市販のKOHベースのスラリーと同等以上(今回の研磨条件であれば5nm/sec)の研磨レートを確保できることが分かった。
また、キレート剤などの添加剤は、研磨レート差に影響しないため、必要に応じて研磨剤にキレート剤等を添加しても良いことが分かった。
また、コロイダルシリカの濃度は高い方がメカニカル研磨の要素が強くなるため、研磨レート差には優位となることが考えられる。今回の結果から、コロイダルシリカの濃度が0.2wt%以上であれば、研磨レート差に影響なく、且つ市販のKOHベースのスラリーと同等以上の研磨レートが得られるため、0.2wt%以上であれば良く、スラリーコストを考慮すれば、1.0wt%以下とすることが好ましいことが分かった。
また、コロイダルシリカの一次粒子径は、大きい方が若干研磨レートは速くなるが、ベースアルカリの濃度に比べると研磨レートへの寄与度が非常に少ないことが分かった。また、研磨レート差への影響は見られなかったため、目的とする表面状態に合わせてコロイダルシリカの一次粒子径を選定すれば良い。表面粗さを低く抑えた方が、仕上げ研磨の負荷を低減できるため、15nm〜70nm程度の一次粒子径のコロイダルシリカが好ましいと考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…両面研磨装置、 2…上定盤、 3…下定盤、 4…研磨布、 5…サンギア、
6…インターナルギア、 7…キャリア、8…研磨剤供給機構、
9…スラリーチューブ、 21…片面研磨装置、 22…研磨布、 23…定盤、
24…研磨剤、 25…研磨剤供給機構、 26…研磨ヘッド、
W…シリコンウェーハ。

Claims (2)

  1. シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨剤であって、
    コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを含有し、
    前記水酸化リチウムの濃度が、前記研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満のものであることを特徴とする研磨剤。
  2. 定盤に貼り付けられた研磨布に研磨剤を供給しながら、前記研磨布にシリコンウェーハを摺接させることによりシリコンウェーハの研磨を行う方法であって、
    前記研磨剤として、コロイダルシリカを含有し、ベースアルカリとして水酸化リチウムのみを用いたものを使用し、
    前記水酸化リチウムの濃度を、前記研磨剤の全質量に対して0.02wt%以上0.05wt%未満とすることを特徴とするシリコンウェーハの研磨方法。
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