JP2017090710A - 光学素子、それを有する光学系及び光学機器 - Google Patents

光学素子、それを有する光学系及び光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の光学要素が接合されて構成され、かつ耐環境性に優れた光学素子、それを有する光学系及び光学機器を提供すること。【解決手段】 光学素子1は、第1の光学要素11と、第1の光学要素11に接合された有機材料から成る第2の光学要素12と、第2の光学要素12に接合された有機材料から成る第3の光学要素13と、を含み、第2及び第3の光学要素の少なくとも一方について、光軸方向の厚さの最大値及び材料の硬化収縮率を各々to(mm)、soとするとき、0.001(mm)<to×so<0.45(mm)なる条件式を満足する。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の光学要素が接合された光学素子及びそれを有する光学系に関する。
近年、カメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられる光学系(撮影光学系)として、小型軽量でかつ高い光学性能を有するものが求められている。特許文献1には、無機ガラスから成る光学要素と樹脂から成る光学要素とが接合された光学素子を採用することにより、小型化を実現しつつ色収差を良好に補正することができる光学系が記載されている。
特開2010−117472号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光学素子において、無機ガラス上に樹脂を形成する場合には、樹脂の硬化収縮に伴って生じる応力により各光学要素が大きく変形して、良好な光学性能が得られなくなってしまう可能性がある。また、各光学要素の弾性限界を超える応力が生じた場合には、各光学要素に亀裂や割れ等が生じてしまう可能性がある。
本発明は、複数の光学要素が接合されて構成され、かつ耐環境性に優れた光学素子、それを有する光学系及び光学機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学素子は、第1の光学要素と、該第1の光学要素に接合された有機材料から成る第2の光学要素と、該第2の光学要素に接合された有機材料から成る第3の光学要素と、を含み、前記第2及び第3の光学要素の少なくとも一方について、光軸方向の厚さの最大値及び材料の硬化収縮率を各々to(mm)、soとするとき、0.001(mm)<to×so<0.45(mm)なる条件式を満足することを特徴とする。
本発明によれば、複数の光学要素が接合されて構成され、かつ耐環境性に優れた光学素子、それを有する光学系及び光学機器を提供することができる。
本発明の実施例1に係る光学素子の要部断面図 本発明の実施例1に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における断面図 本発明の実施例1に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における収差図 本発明の実施例2に係る光学素子の要部断面図 本発明の実施例2に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における断面図 本発明の実施例2に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における収差図 本発明の実施例3に係る光学素子の要部断面図 本発明の実施例3に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における断面図 本発明の実施例3に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における収差図 本発明の実施例4に係る光学素子の要部断面図 本発明の実施例4に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における断面図 本発明の実施例4に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における収差図 本発明の実施例5に係る光学素子の要部断面図 本発明の実施例5に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における断面図 本発明の実施例5に係る光学系の無限遠物体への合焦状態における収差図 本発明の実施形態に係る光学機器の斜視図
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る光学素子10の光軸を含む断面内における要部概略図(要部断面図)である。本実施形態に係る光学素子10は、4つの光学要素が接合(一体化)されて構成されている。具体的に、光学素子10は、第1の光学要素11と、第1の光学要素11に接合された第2の光学要素12と、第2の光学要素12に接合された第3の光学要素13と、第3の光学要素13に接合された第4の光学要素14と、を含んでいる。第2の光学要素12及び第3の光学要素13は、有機材料から成る。
そして、光学素子10は、第2及び第3の光学要素の少なくとも一方について、光軸方向の厚さの最大値及び材料の硬化収縮率を各々to(mm)、soとするとき、以下の条件式(1)を満足している。
0.001(mm)<to×so<0.45(mm) ・・・(1)
本実施形態に係る光学素子10は、上記の構成により、優れた耐環境性を実現している。光学素子10について、以下に詳細に説明する。
本実施形態における光学要素とは、ガラス等の無機材料やプラスチック(樹脂)等の有機材料などから成り、屈折作用を有する光学部材のことを示している。なお、各光学要素を接合するための接合部材(接着剤等)や、反射防止や接着性向上のための薄膜及び塗布材料など、実質的に屈折力を有さないものについては、本実施形態に係る光学要素には含まれない。図1に示した光学素子10は、4つの光学要素から成る構成を採っているが、第1乃至第3の光学要素を含む光学要素が接合された構成であれば、光学要素の数はこれに限られるものではない。
本実施形態における有機材料とは、樹脂材料を硬化させたものや、有機物に無機微粒子を分散させて硬化させたもの(有機複合物)を含む。例えば、有機材料として、アクリル、ポリカーボネート、ポリビニルカルバゾールや、それらの混合物、あるいはそれらと他の有機物もしくは無機物を混合させたものを採用することができる。なお、第2光学要素12及び第3光学要素13の夫々は、互いに異なる有機材料から成る複数の光学部材で構成されていてもよい。
本実施形態に係る光学素子10の製造方法は、第1及び第4の光学要素を形成する工程と、第1の光学要素11の光学面上に第2の光学要素12を形成する工程と、第4の光学要素14の光学面上に第3の光学要素13を形成する工程と、を有する。さらに、第2の光学要素12及び第3の光学要素13の光学面同士を接合部材15により接合する工程により光学素子10製造することができる。
ただし、光学素子10の製造方法はこれに限られるものではなく、各工程の順序の入れ替えなどを行なってもよい。例えば、予め第2の光学要素12及び第3の光学要素13の少なくとも一方を形成してから、各光学要素を接合部材15により接合してもよい。
なお、本実施形態における「光学面」とは、各光学要素において連続な曲面(曲率半径が一定の球面又は同一の定義式で定義される非球面)を有する部分を示しており、使用状態において結像に寄与する有効光線が通過する領域(有効面)に対応する。また、本実施形態において、各光学要素の光学面は全て鏡面である。すなわち、各光学要素の保持等のための鏡面ではない面や、光軸を含む断面内において光軸と直交する方向(径方向)における端面などは、光学面に含まれない非光学面である。
本実施形態における「光学要素の径」とは、光軸を含む断面内での径方向における、各光学要素の端部同士の距離(幅)、又はその端部の位置、を示している。そして、非光学面を含めた光学要素の最大径を外径、光学面の最大径を内径又は有効径と称する。また、本実施形態における「接合面」とは、各光学要素において、接合部材の有無を問わず他の光学要素に接合されている面のことを示している。
本実施形態に係る光学素子10において、各光学要素の形状や材料を適切に設定することにより、小型化及び良好な光学性能を実現することができる。しかし、一般的に、液体状態の有機材料が固体状態になる際には、硬化収縮が生じて変形及び応力が発生する。よって、有機材料から成る光学要素を他の光学要素の光学面上に形成する場合、硬化収縮によりその光学面の変形が生じ、光学特性が変化してしまう。さらに、硬化収縮により有機材料の弾性限界を超える程の応力が生じてしまうと、各光学要素において接合面の剥離や亀裂、割れ等が生じてしまう。
また、雰囲気(空気等)の温度が常温に対して大きく変化した高温環境下又は低温環境下に光学素子10が配置された場合や、雰囲気の温度に急激な変化が生じた場合にも、有機材料の膨張又は収縮により応力が生じ、上述したような問題が生じてしまう。
ここで、有機材料の硬化時の収縮量(硬化収縮量)は、形成される光学要素の厚さが増加するほど大きくなる。また、有機材料から成る光学要素の厚さが増加すると、有機材料を均一に硬化させることが困難となり、かつ雰囲気に曝される面積が大きくなって環境変動の影響を大きく受けてしまう。よって、有機材料からなる光学要素の厚さを十分に薄くすることが望ましい。
このとき、有機材料からなる光学要素を単独で形成して、他の光学要素の光学面とは接合せずに構成することで、硬化収縮による変形及び応力の影響を低減する方法も考えられる。しかし、有機材料は無機ガラス等と比較して機械強度が弱いため、有機材料から成る光学要素を単独で十分に薄く構成することは困難である。
そこで、本実施形態に係る光学素子10は、有機材料から成る光学要素が有する2つの光学面(入射面及び出射面)の両方を、他の光学要素の光学面に接合した構成を採っている。これにより、有機材料から成る光学要素の機械強度を保ちつつ、その各光学面が雰囲気中に曝されることを防いで環境変動による変形を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、有機材料から成る光学要素を、第2の光学要素12及び第3の光学要素13の2つに分けて形成している。これにより、有機材料から成る光学要素の厚さを、第2の光学要素12及び第3の光学要素13の夫々で分担することができるため、有機材料から成る各光学要素の硬化収縮量を低減し、光学要素の割れ等の発生を抑制することが可能になる。
そして、本実施形態に係る光学素子10は、上記の条件式(1)を満足するように、有機材料から成る光学要素の硬化収縮率及び形状を好適に選択することで、耐環境性の向上を可能にしている。
具体的には、光学素子10において、有機材料から成る光学要素の光軸方向の厚さの最大値と硬化収縮率との積、すなわち硬化収縮量を小さくすることで、硬化収縮により生じる光学要素の応力を小さくし、形状変形を抑制することができる。これにより、有機材料から成る光学要素と接合されていない光学面(雰囲気に曝されている光学面)の形状変化を低減し、光学要素同士の接合面の剥離、亀裂や割れの発生を抑制することが可能になる。
条件式(1)の下限を下回ると、有機材料から成る光学要素の屈折力が小さくなり過ぎてしまい、光学素子10を光学系に組み込んだ際に、小型化や色収差の低減等の効果を得ることが困難になる。条件式(1)の上限を上回ると、硬化収縮に伴って生じる形状変形及び応力が大きくなり、光学性能の低下や、光学要素同士の剥離、割れ等が生じてしまう恐れがある。
本実施形態に係る光学素子10においては、第2及び第3の光学要素の両方が上記の条件式(1)を満たしている。すなわち、第2及び第3の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t2(mm)、t3(mm)とし、第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率を各々s2、s3とするとき、以下の条件式(2a)及び(2b)を満足している。
0.001(mm)<t2×s2<0.45(mm) ・・・(2a)
0.001(mm)<t3×s3<0.45(mm) ・・・(2b)
なお、第2及び第3の光学要素の少なくとも一方の光学要素が条件式(1)を満たしていれば、すなわち条件式(2a)及び(2b)の少なくとも一方を満たしていれば、本発明の効果を得ることができる。ただし、第2及び第3の光学要素の両方が条件式(1)を満たしていること、すなわち条件式(2a)及び(2b)の両方を満たしていることがより好ましい。また、第2の光学要素12及び第3の光学要素13及び接合部材15の各光学面は雰囲気に曝されておらず、各界面での屈折率差は小さいため、夫々の形状変化が光学性能に与える影響は小さくなる。
さらに、以下の条件式(1a)〜(1d)を順に満たしていくことがより好ましい。
0.002(mm)<to×so<0.35(mm) ・・・(1a)
0.005(mm)<to×so<0.30(mm) ・・・(1b)
0.010(mm)<to×so<0.25(mm) ・・・(1c)
0.015(mm)<to×so<0.20(mm) ・・・(1d)
第2及び第3の光学要素の硬化収縮及び温度変化により生じる応力は、特に、各光学要素の剛性に依存する。光学要素の剛性は、光軸方向の厚さ、偏肉比、曲率半径、直径、形状、機械特性等と相関があり、その中でも特に、光軸方向の厚さが光学要素の剛性に大きく影響する。具体的には、第2及び第3の光学要素と接合される第1及び第4の光学要素の光軸方向の最大厚さが薄くなるほど、各光学要素の剛性は弱くなり、第2及び第3の光学要素を形成する際の硬化収縮による形状変形量が大きくなる。そのため、形状変形に伴って生じる応力が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態に係る光学素子10は、第1及び第4の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t1(mm)、t4(mm)とするとき、耐環境性をより高めるために、以下の条件式(3)及び(4)を満足することが望ましい。
0.0001<t2×s2/t1<0.25 ・・・(3)
0.0001<t3×s3/t4<0.25 ・・・(4)
条件式(3)及び(4)の下限を下回る場合、第2及び第3の光学要素の屈折力が小さくなり過ぎてしまい、上述したような小型化や色収差の低減等の効果を得ることが困難になる。条件式(3)及び(4)の上限を上回ると、第1及び第4の光学要素の剛性が弱くなり過ぎてしまい、硬化収縮に伴って生じる形状変形及び応力が大きくなり、光学性能の低下や、光学要素同士の剥離、割れ等が生じてしまう恐れがある。
なお、条件式(3)及び(4)の少なくとも一方を満足すれば、本発明の効果を得ることができる。さらに、以下の条件式(3a)及び(4a)〜(3d)及び(4d)を順に満たしていくことがより好ましい。
0.0002<t2×s2/t1<0.20 ・・・(3a)
0.0002<t3×s3/t4<0.20 ・・・(4a)
0.0004<t2×s2/t1<0.15 ・・・(3b)
0.0004<t3×s3/t4<0.15 ・・・(4b)
0.0008<t2×s2/t1<0.10 ・・・(3c)
0.0008<t3×s3/t4<0.10 ・・・(4c)
0.0012<t2×s2/t1<0.05 ・・・(3d)
0.0012<t3×s3/t4<0.05 ・・・(4d)
また、第2及び第3の光学要素の硬化収縮及び温度変化により生じる応力は、各光学要素の機械特性、特に各光学要素のヤング率にも依存する。第2及び第3の光学要素のヤング率が大きくなるほど、第2及び第3の光学要素を形成する際の硬化収縮により生じる応力は大きくなり、接合面の剥離や亀裂、割れ等が生じる可能性が大きくなる。また、第1及び第4の光学要素のヤング率が小さくなるほど、第2及び第3の光学要素を形成する際の硬化収縮により生じる形状変形が大きくなり、その結果、応力も大きくなってしまう。
そこで、本実施形態に係る光学素子10は、第1乃至第4の光学要素のヤング率を各々E1、E2、E3、E4とするとき、耐環境性をより高めるために、以下の条件式(5)及び(6)を満足することが望ましい。
−0.2<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.0002 ・・・(5)
−0.2<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.0002 ・・・(6)
条件式(5)及び(6)の下限を下回る場合、第2及び第3の光学要素の剛性が弱くなり過ぎてしまい、温度変化等による光学要素の変形増大や、各接合面の剥離、接合部材の裂け等が生じる可能性がある。条件式(5)及び(6)の上限を上回る場合、相対的に第2及び第3の光学要素の剛性が強くなりすぎてしまい、硬化収縮に伴って生じる形状変形及び応力が大きくなり、光学性能に影響を及ぼす程の形状変形や、光学要素同士の剥離や割れ等が生じる恐れがある。
なお、条件式(5)及び(6)の少なくとも一方を満足すれば、本発明の効果を得ることができる。さらに、以下の条件式(5a)及び(6a)〜(5d)及び(6d)を順に満たしていくことがより好ましい。
−0.15<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.0005 ・・(5a)
−0.15<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.0005 ・・(6a)
−0.12<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.001 ・・(5b)
−0.12<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.001 ・・(6b)
−0.08<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.0015 ・・(5c)
−0.08<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.0015 ・・(6c)
−0.05<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.0018 ・・(5d)
−0.05<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.0018 ・・(6d)
本実施形態に係る光学素子10において、環境温度の変化により各光学要素が膨張又は収縮した場合、各光学要素の線膨張係数が異なるため光学要素内部に応力が生じる。環境温度の変化によって生じる応力が大きくなると、各光学要素の大きな形状変形や、各光学要素同士の剥離や割れ等が生じてしまう。そこで、本実施形態に係る光学素子10は、第1乃至第4の光学要素を構成する材料の線膨張係数を各々α1、α2、α3、α4とするとき、耐環境性をより高めるために、以下の条件式(7)及び(8)を満足することが望ましい。
0.01<t2×α2/(t1×α1)<15 ・・・(7)
0.01<t3×α3/(t4×α4)<15 ・・・(8)
条件式(7)及び(8)の下限を下回る場合、第2及び第3の光学要素の屈折力が小さくなり過ぎてしまい、上述したような小型化や色収差の低減等の効果を得ることが困難になる。条件式(7)及び(8)の上限を上回る場合、環境温度変化に伴って生じる形状変形及び応力が大きくなり、光学性能の低下や、光学要素同士の剥離、割れ等が生じてしまう恐れがある。
さらに、以下の条件式(7a)及び(8a)〜(7d)及び(8d)を順に満たしていくことがより好ましい。
0.04<t2×α2/(t1×α1)<12 ・・・(7a)
0.04<t3×α3/(t4×α4)<12 ・・・(8a)
0.10<t2×α2/(t1×α1)<10 ・・・(7b)
0.10<t3×α3/(t4×α4)<10 ・・・(8b)
0.15<t2×α2/(t1×α1)<7 ・・・(7c)
0.15<t3×α3/(t4×α4)<7 ・・・(8c)
0.20<t2×α2/(t1×α1)<4 ・・・(7d)
0.20<t3×α3/(t4×α4)<4 ・・・(8d)
第2及び第3の光学要素を形成する際に生じる硬化収縮は、第1及び第4の光学要素と接合されていない光学面の曲率中心の方向に生じる。つまり、第2及び第3の光学要素において、第1及び第4の光学要素と接合されていない光学面の曲率半径が小さくなるにつれて、硬化収縮により生じる応力は、光軸方向の成分よりも光軸に垂直な方向の成分の方が相対的に大きくなる。よって、第2及び第3の光学要素における第1及び第4の光学要素と接合されていない光学面の曲率半径が小さくなると、各接合面におけるせん断応力が大きくなり、各光学要素の形成時や環境温度の変動時に、各接合面の剥離や接合部材との裂け等が生じる。そこで、光学素子10は、第2及び第3の光学要素における、第1及び第4の光学要素と接合されていない光学面の、曲率半径及び光軸からの最大高さを各々r2、h2、r3、h3とするとき、以下の条件式(9)及び(10)を満足することが望ましい。
0≦h2/|r2|<0.9 ・・・(9)
0≦h3/|r3|<0.9 ・・・(10)
条件式(9)及び(10)の上限を上回る場合、第2及び第3の光学要素の接合界面の曲率半径が小さくなり過ぎてしまい、各接合面におけるせん断応力が大きくなり、上述したような問題が生じる恐れがある。さらに、以下の条件式(9a)及び(10a)〜(9d)及び(10d)を順に満たしていくことがより好ましい。
0≦h2/|r2|<0.8 ・・・(9a)
0≦h3/|r3|<0.8 ・・・(10a)
0≦h2/|r2|<0.7 ・・・(9b)
0≦h3/|r3|<0.7 ・・・(10b)
0≦h2/|r2|<0.6 ・・・(9c)
0≦h3/|r3|<0.6 ・・・(10c)
0≦h2/|r2|<0.5 ・・・(9d)
0≦h3/|r3|<0.5 ・・・(10d)
第2及び第3の光学要素の光軸方向における厚さの最小値に対する最大値の比(偏肉比)が大きい場合、第2及び第3の光学要素を形成する際の有機材料の硬化収縮量が領域毎に大きく変化する。このとき、有機材料は、硬化収縮量が小さい領域から大きい領域へと流動しながら硬化する。そのため、光軸に垂直な方向に応力が生じ、各光学要素同士のせん断応力が大きくなってしまう。そこで、本実施形態に係る光学素子10は、第2及び第3の光学要素の光軸方向の厚さの最小値を各々tmin2、tmin3とするとき、耐環境性をより高めるために、以下の条件式(11)及び(12)を満足することが望ましい。
1.6<t2/tmin2<100 ・・・(11)
1.6<t3/tmin3<100 ・・・(12)
条件式(11)及び(12)の下限を下回る場合、第2及び第3の光学要素の屈折力が小さくなり過ぎてしまい、上述したような小型化や色収差の低減等の効果を得ることが困難になる。条件式(11)及び(12)の上限を上回る場合、第2及び第3の光学要素の偏肉比が大きくなって各光学要素同士のせん断応力が大きくなり、各光学要素の形成時や環境温度の変動時に、各接合面の剥離や接合部材との裂け等が生じてしまう恐れがある。さらに、以下の条件式(11a)及び(12a)〜(11d)及び(12d)を順に満たしていくことがより好ましい。
2.5<t2/tmin2<90 ・・・(11a)
2.5<t3/tmin3<90 ・・・(12a)
4.0<t2/tmin2<80 ・・・(11b)
4.0<t3/tmin3<80 ・・・(12b)
5.5<t2/tmin2<70 ・・・(11c)
5.5<t3/tmin3<70 ・・・(12c)
7.0<t2/tmin2<60 ・・・(11d)
7.0<t3/tmin3<60 ・・・(12d)
本実施形態に係る光学素子10において、環境温度が変化した場合には、線膨張係数が異なる光学要素同士の界面で形状変化が生じる。そこで、本実施形態では、第2及び第3の光学要素を接合部材15により接合している。これにより、第2及び第3の光学要素の界面で、夫々の膨張及び収縮による影響を接合部材15により緩和することができ、光学性能の変化を抑制することが可能になる。
具体的には、接合部材15のヤング率を適切に設定することで、第2及び第3の光学要素に生じる応力を低減することができる。本実施形態に係る光学素子10は、接合部材15のヤング率をEcとするとき、耐環境性をより高めるために、以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
−1<Log(E2×E3/Ec)<10 ・・・(13)
条件式(13)の下限を下回ると、接合部材15による形状変形を吸収する効果を十分に得ることができなくなる。これにより、第1及び第4の光学要素における第2の光学要素12及び第3の光学要素13と接合されていない光学面の形状変化を低減する効果が十分に得られなくなる。また、条件式(13)の上限を上回ると接合部材15の形状変形が大きくなり過ぎてしまい、各光学要素の自重による変形や、各接合面の剥離、接合部材15の裂け等が発生してしまう可能性が生じる。
さらに、以下の条件式(13a)〜(13d)を順に満たしていくことがより好ましい。
0<Log(E2×E3/Ec)<9 ・・・(13a)
0.4<Log(E2×E3/Ec)<8 ・・・(13b)
0.8<Log(E2×E3/Ec)<7 ・・・(13c)
1.2<Log(E2×E3/Ec)<6.5 ・・・(13d)
以上、本実施形態に係る光学素子10によれば、優れた耐環境性を実現することができる。次に、光学素子10の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る光学素子10及びそれを有する光学系1について詳細に説明する。本実施例に係る光学素子10の構成は、上述した実施形態に係る構成と同様である。
本実施例において、第1の光学要素11及び第4の光学要素14は、無機ガラスから成り、互いに符号が異なる屈折力を有する光学要素である。第1の光学要素11は、株式会社オハラのS−TIH1から成る、物体側に凹面を向けた負のメニスカス形状の光学要素である。第4の光学要素14は、株式会社オハラのS−LAL14から成り、正の屈折力を有する両凸形状の光学要素である。第1の光学要素11及び第4の光学要素14の夫々について、片側の光学面は雰囲気に曝されている。
第2の光学要素12及び第3の光学要素13は、PMMA(アクリル樹脂)にITO(Indium−Tin−Oxide)微粒子を体積比15%で分散させた混合体から成る光学要素である。第2の光学要素12は負の屈折力を有する両凹形状の光学要素であり、第3の光学要素13は物体側に凸面を向けた負のメニスカス形状の光学要素である。第2の光学要素12及び第3の光学要素13の光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって増加している。また、接合部材15は、エポキシ樹脂系の接着剤であるセメダイン株式会社のEP−001Kから成る。
第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率s2、s3は各々0.1、0.1であり、光軸方向の厚さの最大値t2、t3は各々0.393mm、0.802mmであり、第2及び第3の光学要素の両方が前述した条件式(1)を満足している。これにより、有機材料の硬化収縮や環境温度変化に伴って、光学素子10に発生する応力を抑制することが可能になる。なお、必要に応じて、第2の光学要素12と第3の光学要素13の光学要素同士の境界面に回折格子を形成してもよい。
図2は、本実施例に係る光学素子10を有する光学系1の要部断面図である。図2において、IPは像面を示し、OAは光軸を示し、SPは開口絞りを示し、矢印は、無限遠から近距離へのフォーカシングの際の、各レンズユニット及び開口絞りSPの光軸方向の移動軌跡を示している。図3は、光学系1が無限遠物体に合焦したときの収差図であり、図3において、Fnoは光学系2のFナンバーを示し、ωは光学系2の画角を示している。また、d、g、C、Fの夫々は、d線、g線、C線、F線についての各収差を示し、S、Mの夫々は、d線のサジタル光線及びメリディオナル光線についての非点収差を示している。
本実施例に係る光学系1は、物体側から像側へ順に配置される、正の屈折力の第1レンズユニット(レンズ群)L1、正の屈折力の第2レンズユニットL2、正の屈折力の第3レンズユニットL3、から構成される。第3レンズユニットL3は、光学素子10を含んでいる。光学系1において、隣り合うレンズユニット同士の間隔は、フォーカシングに際して変化する。
光学素子10において、PMMAとITO微粒子の混合体から成る第2の光学要素12及び第3の光学要素13は異常部分分散性を有しており、そのg線及びF線に関する部分分散比θgFは一般的なガラス材料と比較して小さい。光学系1は、このような異常部分分散性を有する光学素子10を採用することにより、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正している。
光学素子10において、第4の光学要素14の最大径は、その他の光学要素の最大径よりも大きい。よって、光学系1において、鏡筒等の保持手段により光学素子10を保持(固定)する際に、第4の光学要素14のみを介して保持することができるため、温度変化により各光学要素が膨張及び収縮した際の光学面のひずみの発生を抑制することが可能になる。ただし、第1の光学要素11及び第4の光学要素14の少なくとも一方を介して光学素子10を保持する構成であれば、これに限られるものではない。
なお、本実施例に係る光学系1は、各光学面の曲率中心及び像面の中心位置が光軸上に配置された共軸系であるが、必要に応じて光学系1を非共軸系としてもよい。また、本実施例に係る光学系1は、光学素子10を1つのみ有する構成を採っているが、これに限らず、光学素子10を複数有する構成を採ってもよい。このとき、少なくとも条件式(1)を満足する光学素子であれば、光学素子10の代わりにそれを採用してもよい。
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係る光学素子20の要部断面図である。本実施例に係る光学素子20は、実施例1に係る光学素子10と同様に4つの光学要素が接合されて構成されているが、各光学要素及び接合部材の材料及び形状は光学素子10とは異なる。
本実施例において、第1の光学要素21は正の屈折力を有し、第4の光学要素24は負の屈折力を有している。第2の光学要素22及び第3の光学要素23は、(メタ)アクリル化合物1から成る正のメニスカス形状の光学要素であり、第2の光学要素22及び第3の光学要素23の光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって減少している。また、第2の光学要素22と第3の光学要素23とを接合する接合部材25は、エポキシ樹脂系の接着剤であるセメダイン株式会社のEP−001Kから成る。
第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率s2、s3は各々0.07、0.07であり、光軸方向の厚さの最大値t2、t3は各々0.49mm、0.49mmであり、第2及び第3の光学要素の両方が前述した条件式(1)を満足している。これにより、有機材料の硬化収縮や環境温度変化に伴って発生する光学素子20の応力を抑制することが可能になる。
図5は、本実施例に係る光学素子20を有する光学系2の要部断面図であり、図6は、光学系2が無限遠物体に合焦したときの収差図である。本実施例に係る光学系2において、実施例1に係る光学系1と同等の構成については、説明を省略する。
本実施例に係る光学系2は、物体側から像側へ順に配置される、正の屈折力の第1レンズユニットL1、正の屈折力の第2レンズユニットL2、正の屈折力の第3レンズユニットL3、から構成される。第2レンズユニットL2は、光学素子20を含んでいる。光学系2において、隣り合うレンズユニット同士の間隔は、フォーカシングに際して変化する。
光学素子20において、(メタ)アクリル化合物1から成る第2の光学要素22及び第3の光学要素23は異常部分分散性を有しており、そのg線及びF線に関する部分分散比θgFは一般的なガラス材料と比較して大きい。光学系2は、このような異常部分分散性を有する光学素子20を採用することにより、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正している。
[実施例3]
図7は、本発明の実施例3に係る光学素子30の要部断面図である。本実施例に係る光学素子30は、実施例1に係る光学素子10及び実施例2に係る光学素子20と同様に4つの光学要素が接合されて構成されているが、各光学要素及び接合部材の材料及び形状は光学素子10及び光学素子20とは異なる。
本実施例において、第1の光学要素31は負のメニスカス形状の光学要素であり、第4の光学要素34は正の屈折力を有する両凸形状の光学要素である。第2の光学要素32は、(メタ)アクリル化合物1から成る、物体側に凸面を向けた正のメニスカス形状の光学要素であり、その光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって減少している。第3の光学要素33は、PMMAにITO微粒子を体積比10%で分散させた混合体から成る、物体側に凸面を向けた負のメニスカス形状の光学要素であり、その光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって増加している。また、第2の光学要素32と第3の光学要素33とを接合する接合部材35は、光硬化型の接着剤である東亞合成株式会社のLCR0628Aから成る。
第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率s2、s3は各々0.07、0.1であり、光軸方向の厚さの最大値t2、t3は各々0.930mm、0.493mmであり、第2及び第3の光学要素の両方が前述した条件式(1)を満足している。これにより、有機材料の硬化収縮や環境温度変化に伴って、光学素子30に発生する応力を抑制することが可能になる。
図8は、本実施例に係る光学素子30を有する光学系3の広角端における要部断面図である。図8において、FCはフレアカット絞りを示し、矢印は、広角端から望遠端へのズーミングの際の、各レンズユニットの光軸方向の移動軌跡を示している。図9(a)、(b)、(c)の各々は、光学系3に係る広角端、中間のズーム位置、望遠端、の各々での収差図である。本実施例に係る光学系3において、実施例1及び2に係る光学系1及び2と同等の構成については、説明を省略する。
本実施例に係る光学系3は、物体側から像側へ順に配置される、正の屈折力の第1レンズユニットL1、負の屈折力の第2レンズユニットL2、正の屈折力の第3レンズユニットL3、正の屈折力の第4レンズユニットL4、から構成される。第1レンズユニットL1は、光学素子30を含んでいる。光学系3において、ズーミングを行う際には、隣り合うレンズユニット同士の間隔が変化し、フォーカシングを行う際には、第4レンズユニットL4の光軸方向の位置が変化する。
光学素子30において、第2の光学要素32は(メタ)アクリル化合物1から成り、g線及びF線に関する部分分散比θgFは、一般的なガラス材料と比較して大きく、異常分散性を有している。また、第3の光学要素33はPMMA及びITO微粒子の混合体から成り、g線及びF線に関する部分分散比θgFは、一般的なガラス材料と比較して小さく、異常分散性を有している。光学系3は、このような異常分散性を有する光学素子30を採用することにより、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。
[実施例4]
図10は、本発明の実施例4に係る光学素子40の要部断面図である。本実施例に係る光学素子40は、実施例3に係る光学素子30と同様に、第2及び第3光学要素が互いに異なる有機材料で構成されているが、各光学要素及び接合部材の材料及び形状は光学素子30とは異なる。
本実施例において、第1の光学要素41は負の両凹形状の光学要素であり、第4の光学要素44は正の屈折力を有する両凸形状の光学要素である。第2の光学要素42は、(メタ)アクリル化合物2から成る、物体側に凸面を向けた負のメニスカス形状の光学要素であり、その光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって増加している。第3の光学要素43は、(メタ)アクリル化合物2にTiO微粒子を体積比25%で分散させた混合体から成る、物体側に凸面を向けた正のメニスカス形状の光学要素であり、その光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって減少している。また、第2の光学要素42と第3の光学要素43とを接合する接合部材45は、紫外線硬化型の接着剤である電気化学工業株式会社のUVX−8400から成る。
第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率s2、s3は各々0.08、0.08であり、光軸方向の厚さの最大値t2、t3は各々0.75mm、1.00mmであり、第2及び第3の光学要素の両方が前述した条件式(1)を満足している。これにより、有機材料の硬化収縮や環境温度変化に伴って発生する光学素子20の応力を抑制することが可能になる。
図11は、本実施例に係る光学素子40を有する光学系4の要部断面図であり、図12は、光学系4が無限遠物体に合焦したときの収差図である。本実施例に係る光学系4において、実施例1に係る光学系1と同等の構成については、説明を省略する。
本実施例に係る光学系4は、物体側から像側へ順に配置される、負の屈折力の第1レンズユニットL1、正の屈折力の第2レンズユニットL2、正の屈折力の第3レンズユニットL3、から構成される。第3レンズユニットL3は、光学素子40を含んでいる。光学系4において、隣り合うレンズユニット同士の間隔は、フォーカシングに際して変化する。
光学素子40において、第2の光学要素42は(メタ)アクリル化合物2から成り、g線及びF線に関する部分分散比θgFは、一般的なガラス材料と同程度であり、異常分散性を有していない。また、第3の光学要素43は(メタ)アクリル化合物2及びTiO微粒子の混合体から成り、g線及びF線に関する部分分散比θgFは、一般的なガラス材料と比較して大きく、異常分散性を有している。光学系4は、このような異常分散性を有する光学素子40を採用することにより、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。また、第2の光学要素42及び第3の光学要素43の屈折力を互いに異符号とし、かつ夫々の絶対値を同程度にすることで、屈折率変化による光学性能の影響を低減することを可能にしている。
[実施例5]
図13は、本発明の実施例5に係る光学素子50の要部断面図である。本実施例に係る光学素子50は、実施例1に係る光学素子10と同様に4つの光学要素が接合されているが、各光学要素及び接合部材の材料及び形状は光学素子10とは異なる。
本実施例において、第1の光学要素51は正の両凸形状の光学要素であり、第4の光学要素54は負の屈折力を有する両凹形状の光学要素である。第2の光学要素52及び第3の光学要素53は、(メタ)アクリル化合物1から成る、像側に凸面を向けた正のメニスカス形状の光学要素であり、その光軸方向の厚さは、光軸上から端部に向かって減少している。また、第2の光学要素52と第3の光学要素53とを接合する接合部材55は、エポキシ系の接着剤であるセメダイン株式会社のEP−160から成る。
第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率s2、s3は各々0.07、0.07であり、光軸方向の厚さの最大値t2、t3は各々0.30mm、1.70mmであり、第2及び第3の光学要素の両方が前述した条件式(1)を満足している。これにより、有機材料の硬化収縮や環境温度変化に伴って発生する光学素子20の応力を抑制することが可能になる。
図14は、本実施例に係る光学素子50を有する光学系5の要部断面図であり、図15は、光学系5が無限遠物体に合焦したときの収差図である。本実施例に係る光学系5において、実施例1に係る光学系1と同等の構成については、説明を省略する。
本実施例に係る光学系5は、物体側から像側へ順に配置される、正の屈折力の第1レンズユニットL1、正の屈折力の第2レンズユニットL2、正の屈折力の第3レンズユニットL3、から構成される。第2レンズユニットL2は、光学素子50を含んでいる。光学系5において、隣り合うレンズユニット同士の間隔は、フォーカシングに際して変化する。
光学素子50において、第2の光学要素52及び第3の光学要素53は(メタ)アクリル化合物1から成り、g線及びF線に関する部分分散比θgFは、一般的なガラス材料と比較して大きく、異常分散性を有している。光学系5は、このような異常分散性を有する光学素子50を採用することにより、軸上色収差及び倍率色収差を良好に補正することができる。
なお、上述した各実施例において、第2及び第3の光学要素の材料として、固体材料に無機酸化物(例えばTiOやITOなど)の微粒子を混合した材料を用いる場合は、無機酸化物の微粒子によって光が散乱してしまうことを抑制する必要がある。そのためには、微粒子の粒径を2nmから50nmの範囲内に設定することが好ましい。また、固体材料に無機酸化物の微粒子を混合する際の凝集を抑制するために、分散剤等を添加してもよい。
ここで、固体材料(母材)に微粒子を分散させた混合体において、波長λに対する屈折率n(λ)は、Maxwell−Garnet理論に基づく関係式から導き出すことができる。具体的に、屈折率n(λ)は、固体材料の比誘電率をεm、微粒子の比誘電率をεp、固体材料の体積に対する微粒子の総体積の分率をη、とするとき、以下の式(14)で定義される混合体の比誘電率εavに基づいて、以下の式(15)のように表される。
Figure 2017090710
Figure 2017090710
表1に、上述した各実施例に係る光学素子についての、諸数値及び条件式(1)乃至(13)の中辺の値を示す。
Figure 2017090710
表2に、各実施例に係る第2及び第3の光学要素を構成する有機材料の物性値を示す。
Figure 2017090710
表3に、各実施例に係る第2及び第3の光学要素を構成する混合体のベース材料及び混合微粒子の光学特性を示す。
Figure 2017090710
表4に、各実施例に係る第2及び第3の光学要素及び接合部材の物性値を示す。
Figure 2017090710
次に、上述した実施例1乃至5の夫々に対応する数値実施例1乃至5において、具体的な数値データを示す。ただし、各数値実施例において、mは光入射側から数えた面の番号を示し、rmは第m番目の光学面(第m面)の曲率半径を示し、dmは第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)、を示す。また、ndm及びνdmの夫々は第m番目の光学部材のd線に対する屈折率及びアッベ数を示す。ここでは、フラウンホーファー線のF線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する屈折率を各々nF、nd、nCとし、d線に関するアッベ数νdを以下の式(16)で定義する。
νd=(nd−1)/(nF−nC) ・・・(16)
また、g線とF線に関する部分分散比θgF、g線とd線に関する部分分散比θgdを夫々以下の式(11)及び(12)で定義する。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC) ・・・(17)
θgd=(ng−nd)/(nF−nC) ・・・(18)
なお、各数値実施例において、非球面形状の光学面については、面番号の後に*(アスタリスク)の符号を付加している。また、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。光学面の非球面形状は、光軸方向における面頂点からの変位量をX、光軸方向に垂直な方向における光軸からの高さをh、近軸曲率半径をr、円錐定数をk、非球面係数をB、C、D、E…、とするとき、以下の式(19)により表される。
Figure 2017090710
(数値実施例1)
面番号 r d nd vd 有効径 外径 内径
1 55.052 1.39 1.58313 59.4 50.01
2* 25.148 13.72 42.43
3 -106.406 2.03 1.51633 64.1 42.15
4 50.816 3.68 40.61
5 113.354 6.23 1.91082 35.3 40.84
6 -89.012 7.06 40.67
7 -44.957 2.03 1.69895 30.1 37.21
8 -336.413 0.17 37.42
9 69.607 8.37 1.59522 67.7 37.45
10 -50.652 (可変) 37.87
11 43.189 5.19 2.00100 29.1 35.47
12 1039.705 0.14 34.67
13 78.829 5.45 1.59522 67.7 32.75
14 -62.807 1.54 1.85026 32.3 31.29
15 28.545 (可変) 27.07
16(絞り) ∞ 7.24 26.47
17 -20.859 1.40 1.71736 29.5 25.81 31.50 26.90
18 -526.799 0.03 1.54402 19.6 28.62 31.50
19 1026.423 0.01 1.56000 35.0 28.79 31.50
20 1026.423 0.03 1.54402 19.6 28.80 33.00
21 150.060 5.37 1.69680 55.5 29.14 35.00
22 -49.018 0.15 30.22 35.00
23 122.455 6.57 1.65160 58.5 31.49
24 -37.407 0.19 32.51
25* -82.464 3.70 1.85400 40.4 33.21
26 -40.578 (可変) 34.32
像面 ∞
非球面データ
第2面
k = 0.00000e+000 B=-1.17609e-006 C=-3.67097e-009 D= 4.77220e-012 E=-1.15057e-014
第25面
k = 0.00000e+000 B 4=-6.57816e-006 C=-1.77654e-010 D=-5.21093e-012 E= 4.55629e-015
各種データ
焦点距離 34.29
Fナンバー 1.45
画角 32.25
像高 21.64
レンズ全長 133.70
BF 38.99
物体距離 無限遠 1750 300
d10 7.10 6.36 0.80
d15 5.92 5.92 5.92
d26 38.99 39.73 45.29
入射瞳位置 36.86
射出瞳位置 -36.53
前側主点位置 55.58
後側主点位置 4.70
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 185.01 44.67 86.61 92.68
2 11 594.71 12.33 -126.75 -110.20
3 16 44.64 24.68 22.33 8.15
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -80.78
2 3 -66.32
3 5 55.56
4 7 -74.46
5 9 50.57
6 11 44.90
7 13 59.58
8 14 -22.90
9 17 -30.31
10 18 -639.91
11 19 5.241e+8
12 20 -323.07
13 21 53.62
14 23 44.70
15 25 89.89
(数値実施例2)
面番号 r d nd vd 有効径 外径 内径
1 72.080 2.65 1.58313 59.4 50.00
2* 25.512 13.45 41.33
3 -96.609 2.50 1.48749 70.2 40.75
4 66.944 3.13 39.59
5 175.419 5.63 1.91082 35.3 39.68
6 -77.862 3.86 39.55
7 -44.606 2.30 1.69895 30.1 38.11
8 -178.782 0.15 38.34
9 62.257 8.11 1.59522 67.7 38.01
10 -59.637 (可変) 37.40
11 48.797 4.61 2.00100 29.1 35.03
12 9939.838 1.32 34.40
13 333.607 4.76 1.60311 60.6 32.67 38.0
14 -61.478 0.49 1.63556 22.7 31.18 35.8
15 -52.417 0.02 1.55000 35.0 31.10 35.0
16 -52.417 0.49 1.63556 22.7 31.08 35.0
17 -45.844 1.59 1.72825 28.5 30.99 35.0
18 32.360 (可変) 27.20 35.0 28.40
19(絞り) ∞ 7.17 26.60
20 -21.286 1.40 1.69895 30.1 25.93
21 177.619 4.21 1.59522 67.7 28.93
22 -52.749 0.15 29.69
23 97.355 7.19 1.59522 67.7 31.36
24 -35.549 0.15 32.12
25* -158.409 4.26 1.85400 40.4 33.44
26 -43.693 (可変) 34.50
像面 ∞
非球面データ
第2面
k = 0.00000e+000 B=-1.26283e-006 C=-4.27073e-009 D= 5.04254e-012 E=-1.12945e-014
第25面
k = 0.00000e+000 B=-6.35905e-006 C=-4.47403e-010 D=-4.21764e-012 E= 2.36025e-015
各種データ
焦点距離 34.30
Fナンバー 1.45
画角 32.24
像高 21.64
レンズ全長 131.15
BF 38.99
物体距離 無限遠 1750 300
d10 7.06 6.32 0.80
d18 5.50 5.50 5.50
d26 38.99 39.74 45.26
入射瞳位置 35.71
射出瞳位置 -37.10
前側主点位置 54.55
後側主点位置 4.69
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 170.03 41.79 78.71 82.50
2 11 782.33 13.28 -152.04 -134.10
3 19 44.42 24.52 22.40 8.09
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -69.17
2 3 -80.71
3 5 59.84
4 7 -85.64
5 9 52.48
6 11 48.98
7 13 86.47
8 14 548.03
9 15 703913.81
10 16 559.06
11 17 -25.83
12 20 -27.12
13 21 68.80
14 23 44.65
15 25 69.46
(数値実施例3)
面番号 r d nd vd 有効径 外径
1 64.220 1.75 1.84666 23.8 32.00 32.50
2 29.865 0.93 1.63556 22.8 29.84 30.90
3 35.779 0.03 1.50000 40.0 29.78 30.90
4 35.779 0.04 1.52651 24.8 29.78 31.50
5 32.261 5.30 1.48749 70.2 29.66 32.50
6 -1189.473 0.10 29.22 32.50
7 32.482 3.23 1.77250 49.6 28.20
8 140.080 (可変) 27.86
9 51.133 0.90 1.88300 40.8 16.81
10 8.275 3.81 12.93
11 -38.963 0.75 1.60738 56.8 12.89
12 21.403 1.00 12.75
13 15.132 1.84 1.92286 18.9 13.20
14 36.354 (可変) 12.92
15(絞り) ∞ (可変) 6.29
16* 7.801 2.27 1.55880 62.5 7.38
17 268.502 2.06 7.12
18 20.932 0.70 1.80610 33.3 6.94
19 7.517 0.62 6.71
20 34.492 1.46 1.56873 63.1 6.71
21 -61.306 (可変) 6.99
22 ∞ (可変) 7.85
23 16.816 2.59 1.72916 54.7 9.33
24 -10.631 0.80 1.73800 32.3 9.16
25 1995.188 (可変) 9.00
像面 ∞
非球面データ
第16面
k=-4.19230e-001 B=-5.01477e-005 C=-1.48975e-006 D= 1.05713e-007 E=-3.27034e-009
各種データ
ズーム比 11.59
広角 中間 望遠
焦点距離 6.15 20.45 71.27
Fナンバー 2.88 3.62 3.44
画角 30.09 9.89 2.86
像高 3.56 3.56 3.56
レンズ全長 81.87 85.95 87.02
BF 12.65 16.24 11.72
d 8 1.68 18.58 31.68
d14 26.21 12.62 1.42
d15 7.07 2.00 2.00
d21 1.10 2.77 4.09
d22 2.99 3.56 5.93
d25 12.65 16.24 11.72
入射瞳位置 22.71 77.54 230.29
射出瞳位置 -52.67 -30.52 -57.78
前側主点位置 28.28 89.02 226.75
後側主点位置 6.49 -4.34 -61.16
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 48.76 11.38 3.73 -3.42
2 9 -10.49 8.29 0.64 -6.09
3 16 25.04 7.12 -3.78 -8.31
4 23 23.67 3.39 -0.05 -2.00
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -67.51
2 2 267.93
3 3 256022.06
4 4 -625.73
5 5 64.52
6 7 54.03
7 9 -11.29
8 11 -22.64
9 13 26.97
10 16 14.33
11 18 -14.90
12 20 39.03
13 23 9.30
14 24 -14.33
(数値実施例4)
面番号 r d nd vd 有効径 外径 内径
1 1274.371 2.82 1.71736 29.5 55.85
2 36.328 4.71 47.96
3 63.837 2.34 1.49700 81.5 47.95
4 42.300 5.87 46.68
5 113.743 4.48 2.00100 29.1 47.00
6 -322.238 0.15 46.90
7 156.309 3.45 1.58313 59.4 46.00
8* 48.427 7.01 44.08
9 74.237 5.00 1.91082 35.3 43.04
10 -596.403 (可変) 42.50
11 37.194 6.12 1.83481 42.7 34.53
12 -3299.180 1.54 33.69
13 89.971 3.14 1.49700 81.5 31.00
14 -200.781 1.55 1.73800 32.3 30.12
15 30.397 (可変) 27.04
16(絞り) ∞ 7.28 25.38
17 -19.689 1.50 1.85478 24.8 24.48 30.00 26.90
18 82.154 0.10 1.52415 51.6 28.29 26.90
19 55.049 0.02 1.50000 40.0 28.91 26.90
20 55.049 1.00 1.69934 26.4 28.93 31.50
21 93.042 5.20 1.88300 40.8 29.06 33.50
22 -52.409 0.20 30.01 33.50
23 102.600 7.05 1.59522 67.7 31.57
24 -35.254 0.15 32.01
25* -140.019 4.45 1.85400 40.4 33.14
26 -42.611 (可変) 34.37
像面 ∞
非球面データ
第8面
k = 0.00000e+000 B=-2.94695e-006 C=-1.29543e-009 D=-6.54449e-012 E= 1.02371e-014 A12=-7.29028e-018
第25面
k = 0.00000e+000 B=-7.48498e-006 C=-4.31890e-010 D=-8.24539e-012 E= 6.44646e-015
各種データ
焦点距離 34.30
Fナンバー 1.45
画角 32.24
像高 21.64
レンズ全長 129.49
BF 39.05
物体距離 無限遠 1750 300
d10 6.53 6.08 2.35
d15 8.74 8.45 6.63
d26 39.05 39.08 45.35
入射瞳位置 34.63
射出瞳位置 -45.51
前側主点位置 55.01
後側主点位置 4.75
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 7348.38 35.84 2213.37 3127.60
2 11 143.55 12.35 -24.35 -27.48
3 16 42.84 26.96 24.37 11.03
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -52.18
2 3 -261.73
3 5 84.42
4 7 -121.76
5 9 72.74
6 11 44.09
7 13 125.46
8 14 -35.67
9 17 -18.46
10 18 -318.69
11 19 909119.88
12 20 190.71
13 21 38.61
14 23 44.94
15 25 70.24
(数値実施例5)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 69.189 2.65 1.58313 59.4 51.30
2* 26.294 13.16 42.65
3 -93.503 2.50 1.49700 81.5 42.40
4 55.863 4.61 40.93
5 160.299 6.27 1.91082 35.3 41.22
6 -73.865 3.33 41.12
7 -47.629 2.30 1.71736 29.5 39.81
8 -202.799 0.15 39.99
9 58.308 8.96 1.53775 74.7 39.58
10 -59.570 (可変) 38.90
11 46.306 5.20 2.00100 29.1 35.72
12 -16333.012 0.67 34.92
13 225.916 4.73 1.53775 74.7 33.50
14 -82.598 1.70 1.63556 22.8 31.63
15 -42.518 0.02 1.55000 35.0 31.50
16 -42.518 0.30 1.63556 22.8 31.49
17 -39.572 1.80 1.76182 26.5 31.44
18 31.307 (可変) 27.26
19(絞り) ∞ 6.63 26.80
20 -23.788 1.40 1.69895 30.1 26.30
21 140.541 4.81 1.59522 67.7 28.87
22 -57.224 0.15 29.85
23 96.500 6.56 1.59522 67.7 31.28
24 -38.797 0.15 31.54
25* -223.605 4.33 1.85400 40.4 32.92
26 -46.867 (可変) 33.96
像面 ∞
非球面データ
第2面
K= 0.00000e+000 B=-1.34482e-006 C=-4.11077e-009 D= 4.27805e-012 E=-9.52747e-015
第25面
k= 0.00000e+000 B=-5.75147e-006 C= 4.25253e-010 D=-4.59764e-012 E= 3.27658e-015
各種データ
焦点距離 34.30
Fナンバー 1.45
画角 32.24
像高 21.64
レンズ全長 134.14
BF 39.00
物体距離 無限遠 1750 300
d10 7.14 6.39 0.80
d18 5.62 5.62 5.62
d26 39.00 39.74 45.33
入射瞳位置 36.81
射出瞳位置 -34.39
前側主点位置 55.08
後側主点位置 4.70
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 179.39 43.92 84.84 92.05
2 11 1671.23 14.42 -389.28 -322.71
3 19 43.58 24.04 21.23 7.00
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -74.42
2 3 -69.97
3 5 56.23
4 7 -87.32
5 9 56.29
6 11 46.14
7 13 113.08
8 14 135.63
9 15 463145.32
10 16 864.46
11 17 -22.69
12 20 -29.01
13 21 68.95
14 23 47.35
15 25 68.66
[光学機器]
図16は、本発明の実施形態に係る光学機器としての撮像装置(デジタルスチルカメラ)の要部概略図である。本実施形態に係る撮像装置は、カメラ本体90と、上述した各実施例のいずれかに係る光学素子を有する撮影光学系91と、撮影光学系91からの光を受光し、撮影光学系91によって形成される被写体像を光電変換する受光素子(撮像素子)92と、を備える。撮影光学系91は、鏡筒(筐体)により保持され、カメラ本体90に接続されている。
本実施形態に係る撮像装置によれば、上述した各実施例のいずれかに係る光学素子を採用することにより、高い光学性能を得ることができ、高画質な画像を取得することが可能になる。なお、受光素子92としては、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(電子撮像素子)を用いることができる。このとき、受光素子92により取得された画像の歪曲収差や色収差等の諸収差を電気的に補正することにより、出力画像を高画質化することが可能になる。
なお、上述した各実施例に係る光学素子は、図16に示したデジタルスチルカメラに限らず、銀塩フィルム用カメラやビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、デジタル複写機等の種々の光学機器に適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
1 光学素子
11 第1の光学要素
12 第2の光学要素
13 第3の光学要素

Claims (15)

  1. 第1の光学要素と、該第1の光学要素に接合された有機材料から成る第2の光学要素と、該第2の光学要素に接合された有機材料から成る第3の光学要素と、を含み、
    前記第2及び第3の光学要素の少なくとも一方について、光軸方向の厚さの最大値及び材料の硬化収縮率を各々to(mm)、soとするとき、
    0.001(mm)<to×so<0.45(mm)
    なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
  2. 前記第2及び第3の光学要素の両方が、
    0.001(mm)<to×so<0.45(mm)
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2及び第3の光学要素は、接合部材を介して互いに接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記第3の光学要素に接合された第4の光学要素を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記第1乃至第4の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t1(mm)、t2(mm)、t3(mm)、t4(mm)とし、前記第2及び第3光学要素を構成する材料の硬化収縮率を各々s2、s3とするとき、
    0.0001<t2×s2/t1<0.25
    0.0001<t3×s3/t4<0.25
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記第1乃至第4の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t1(mm)、t2(mm)、t3(mm)、t4(mm)とし、前記第2及び第3の光学要素を構成する材料の硬化収縮率を各々s2、s3とし、前記第1乃至第4の光学要素のヤング率を各々E1、E2、E3、E4とするとき、
    −0.2<t2×s2/t1×Log(E2/E1)<−0.0002
    −0.2<t3×s3/t4×Log(E3/E4)<−0.0002
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子。
  7. 前記第1乃至第4の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t1(mm)、t2(mm)、t3(mm)、t4(mm)とし、前記第1乃至第4の光学要素を構成する材料の線膨張係数を各々α1、α2、α3、α4とするとき、
    0.01<t2×α2/(t1×α1)<15
    0.01<t3×α3/(t4×α4)<15
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の光学素子。
  8. 前記第2及び第3の光学要素における、前記第1及び第4の光学要素と接合されていない光学面の、曲率半径及び光軸からの最大高さを各々r2、h2、r3、h3とするとき、
    0≦h2/|r2|<0.9
    0≦h3/|r3|<0.9
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 前記第1及び第4の光学要素は、無機ガラスから成ることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 前記第2及び3の光学要素の光軸方向の厚さの最大値を各々t2(mm)、t3(mm)とし、前記第2及び第3の光学要素の光軸方向の厚さの最小値を各々tmin2、tmin3とするとき、
    1.6<t2/tmin2<100
    1.6<t3/tmin3<100
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学素子。
  11. 前記第2及び第3の光学要素とは接合部材を介して互いに接合されており、前記第2及び第3の光学要素及び前記接合部材のヤング率を各々E2、E3、Ecとするとき、
    −1<Log(E2×E3/Ec)<10
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学素子。
  12. 前記第2及び第3の光学要素は、樹脂材料から成ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光学素子。
  13. 前記第2及び第3の光学要素の少なくとも一方は、樹脂材料及び該樹脂材料の中に分散された無機微粒子を含む混合体から成ることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光学素子。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光学素子と、該光学素子の物体側又は像側に配置される開口絞りと、を有することを特徴とする光学系。
  15. 請求項14に記載の光学系と、該光学系を保持する鏡筒と、を有することを特徴とする光学機器。
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