JP2017090246A - 付着物検出装置及び付着物検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮像部4による撮像画像における当該撮像画像全体に占める遮光用フード2又は2αの開口部2aの比率を設定し、撮像画像の各画素の蛍光強度を撮像画像全体について積算して蛍光強度積算値を演算し、設定した比率と演算した蛍光強度積算値とから、検出対象領域の、撮像画像全体に対応した領域に相当する撮像画像当たりの蛍光強度の総和を推測する。そして、予め設定した撮像画像当たりの蛍光強度の総和と検出対象物の量との対応を表す特性と、推測された蛍光強度の総和とから、検出対象領域の、撮像画像全体に対応した領域に存在する検出対象物の量を検出する。
【選択図】 図7
Description
製造設備等を洗浄した後の、薬剤残留度合いを定量評価する方法として、例えば、洗浄後の製造設備等の表面に紫外波長励起光を照射することで薬剤主原料が蛍光し、この蛍光画像を取得して蛍光強度を検出し、この蛍光強度から薬剤残留度合いを検出する方法(例えば、非特許文献1)が提案されている。
しかしながら、例えば直方体の容器の底面と側面とがなす角部や、容器の四隅等の測定を行う場合等には、角部等に開口部全体を接触させることは困難であり、隙間から遮光用フード内に外部の光が侵入する。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、測定対象の形状に関わらず遮光用フード内に外部光が侵入することを低減し、検出精度の低下を防止することの可能な付着物検出装置及び付着物検出方法を提供することを目的としている。
なお、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかであろう。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本発明を適用した残留物検出装置1は、図1に示すように、遮光用フード2と、光照射部3と、撮像部4と、演算処理部5と、を備える。
光照射部3は、照射部本体3aと、フィルタ(第一フィルタ)3bと、超高圧水銀ランプ等の光源3cと、光源3cと照射部本体3aとを接続する光ファイバ3dと、を備える。
このフィルタ3bにより、光源3cとしての超高圧水銀ランプの発光する基線から最適な波長選択を行うようにしている。超高圧水銀ランプの基線としては、例えば紫外波長として313nmや、365nm等の波長を単独や混合として使用することができる。
また、紫外線LEDは、昨今、光強度他の性能改善が見られ、波長365nmや375nmでの発光強度も向上しているため、光ファイバ3dでの導光無しに、直接遮光用フード2に光源3cを内蔵するようにしてもよい。このようにすることによって、可搬性、ハンドリング性が改善され、残留量測定作業をさらに効率化することができる。
フィルタ3bが設けられた照射部本体3aは、遮光用フード2又は2αの4つの側面のうちの一つの面である取り付け面2bに設けられ、少なくとも照射部本体3aの照射面が遮光用フード2、2α内に位置するように設けられる。また、照射光が開口部2aを通して、残留物の検出対象領域に照射されるように配置される。
撮像部本体4aは、撮像素子等から形成される。撮像素子としては、微弱蛍光検出に好適な高感度素子を用いる必要があり、素子数としては、電子倍増機能を持つ2000画素以上の2次元EMCCD(Electron Multiplying CCD)や、高感度な次世代イメージセンサを備えたs−CMOS(scientific CMOS)カメラなどを適用することができる。
撮像処理部4bは、例えば中空の直方体状の収容部4dに、撮像部本体4aが収容部4dよりもはみ出るように配置される。この状態で遮光用フード2、2αを、撮像部本体4aを覆うように収容部4dに取り付けることによって、検出対象領域に生じた蛍光が開口部2aを通して、遮光用フード2内の撮像部本体4aにフィルタ4cを介して入射されるように位置決めされる。
また、例えばグリップ4eには、図示しない起動スイッチ、照射スイッチ、及び撮像スイッチ等が設けられている。
照射スイッチを操作することにより、照射部本体3aから光照射が行われる。撮像スイッチを操作することにより、撮像部4による撮像が行われる。
演算処理部5は、入力した撮像画像から残留物量を検出する。
ここで、検出対象領域の、撮像画像に相当する領域における薬剤残留量と、撮像画像における蛍光強度の総和との関係を表す蛍光強度特性は、図4に示すように略比例関係となる。なお、図4において、横軸は薬剤残留量、縦軸は蛍光強度の総和である。
予め、図4に示す蛍光強度特性を設定しておく。図4に示す蛍光強度特性は、例えば次の手順で取得する。
まず、遮光用フード2を取り付けた状態で、全体に残留物が存在する領域に対して光照射及び撮像を行うことにより撮像画像を得る。この撮像画像の蛍光強度の総和を演算し、撮像画像に相当する領域に存在する残留物の量を計測する。これにより、蛍光強度の総和と残留物量との比例係数が求まる。この比例係数を求めたときの、光照射における光強度を励起光強度とする。そして、求めた比例係数を有する比例特性を蛍光強度特性とし、励起光強度を、残留物検出時の照射光の強度として所定の記憶領域に記憶しておく。光照射部3では、照射光強度を励起光強度として照射を行う。
次に、図1に示すように、遮光用フード2の開口部側面が照射光の通過を妨げず、得られた撮像画像全体が、検出対象領域の蛍光状態を反映した有効領域である場合の、残留物量の検出方法を説明する。
そして、図4に示す蛍光強度特性から、得られた蛍光強度の総和に対応する薬剤残留量を取得する。これにより、撮像画像に対応する検出対象領域当たりの残留物量が得られる。
まず、得られた撮像画像について、蛍光強度積算値を求める。つまり、撮像画像に含まれる画素毎の蛍光強度を積算し、撮像画像当たりの蛍光強度積算値を求める。
まず、光照射を行わない状態で撮像を行い、そのときの撮像画像について、画素毎にその蛍光強度を積算し、撮像画像当たりの蛍光強度積算値(非照射時の蛍光強度積算値という。)を演算する。
このように、非照射時の蛍光強度積算値と、照射時の蛍光強度積算値との差分を取ることで、撮像画像当たりの蛍光強度積算値の検出精度をより向上させることができる。
撮像画像全体における有効領域の占める比率は、例えば、予め遮光用フード2、2α毎に検出し、所定の記憶領域に記憶しておき、遮光用フード2及び2αのいずれを用いるかを、利用者がピン設定、又は入力操作等を、演算処理部5で行うこと等により行えばよいが、ここでは、次の手順で行う。
ここで、このようにして得られた初期設定用の撮像画像は、遮光用フード2が取り付けられている場合には、撮像画像全体が周囲の明るさに応じた光強度を有する画像となる。
したがって、撮像画像を二値化することで、光強度の高い領域は周囲の明るさに応じた光強度を有する有効領域、光強度の低い領域は開口部側面により照射光の一部の通過が妨げられた非有効領域とみなすことができる。
次に、本発明の動作を、図6に示す、演算処理部5の処理手順の一例を示すフローチャートを伴って説明する。
得られた初期設定用の撮像画像は、撮像処理部4bから演算処理部5に送信される。
演算処理部5では、撮像処理部4bから初期設定用の撮像画像を取得すると(ステップS2)、二値化する(ステップS4)。そして、撮像画像全体の画素数と、二値化により蛍光強度の高い領域に分類された領域の画素数とを検出する。そして、これらの比を撮像画像全体における有効領域の占める比率とし、所定の記憶領域に記憶する(ステップS6、比率設定部)。
一方、図2に示すように、開口部側面によって照射光の一部の通過が妨げられる場合には、得られた撮像画像は図5に示すように、一部が光強度の高い領域となり、他の部分は光強度の低い領域となる。そのため、比率は、「光強度の高い領域の画素数/撮像画像全体の画素数」となる。
図7は、ステップS8で実行される残留物の検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
例えば、遮光用フード2が取り付けられた残留物検出装置1を用いて図1に示すように平坦な検出対象領域に対して残留物の検出を行う場合には、利用者は、検出対象領域に対して正方形の開口部2a全体が接触するようにし、光照射を行わずに撮像スイッチを操作して非照射時の撮像画像を得る。次に、開口部2aの位置はそのままで、照射スイッチを操作して光照射を行った後、撮像スイッチを操作して照射時の撮像画像を得る。
演算処理部5では、非照射時及び照射時の撮像画像を入力すると(ステップS12)、入力された非照射時及び照射時の撮像画像それぞれについて、非照射時の蛍光強度積算値及び照射時の蛍光強度積算値を演算し、これらの差分をとる。この差分値を撮像画像当たりの蛍光強度積算値とする(ステップS14、積算値演算部)。
そして、得られた撮像画像全体の蛍光強度の総和の推測値と、所定の記憶領域に記憶している蛍光強度特性とから、残留物量を推測する(ステップS18、検出対象物量検出部)。そして、得られた残留物量を、例えば図示しない表示装置に表示する等の処理を行う。図7の処理を、撮像画像が入力される都度行う。
そして、再度起動スイッチをオン状態として携帯部の各部を起動させる。
そして、再度、初期設定操作を行い、初期設定用の撮像画像を撮像する。
次に、利用者は、図2に示すように、細長い開口部2aを角部に沿わせ、開口部2aが角部のできるだけ奥に位置するようにし、光照射を行わずに撮像スイッチを操作して非照射時の撮像画像を得た後、開口部2aの位置はそのままで、照射スイッチを操作し光照射を行った後、撮像スイッチを操作して照射時の撮像画像を得る。
遮光用フード2αが取り付けられている場合、二値化処理後の初期設定用の撮像画像は、光強度の高い領域a1と、光強度の低い領域a2とが混在するため、比率は、「光強度の高い領域の画素数/撮像画像全体の画素数」となる。
ここで、正方形の開口部2aを有する遮光用フード2を用いて、角部の検出を行った場合、開口部2aと検出対象との間に隙間が生じ、外部光が撮像部4に入射されるため、得られる撮像画像は、残留物の蛍光による蛍光成分と外部光の成分との和となり、誤差を含むため、残留物の量の検出精度が低下する可能性がある。
なお、上記実施形態においては、開口部2aの形状の異なる2つの遮光用フードを設けた場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、開口部2aが遮光用フード2の開口部2aよりも小さく、例えば直方体の容器の四隅部分の奥まで開口部2aを押し込むことの可能な形状を有する遮光用フード等を備えていてもよく、検出対象の形状に合った形状の遮光用フードを設けても良い。
また、上記実施形態においては、撮像画像の全体領域に占める有効領域の比率を求め、撮像画像当たりの蛍光強度積算値と比率とから、撮像画像当たりの蛍光強度の総和を推測する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、初期設定用の撮像画像から、有効領域を抽出し、有効領域についてのみ蛍光強度積算値を求め、有効領域当たりの蛍光強度積算値と比率とから、撮像画像当たりの蛍光強度積算値を演算するようにしてもよい。有効領域は、例えば、初期設定用の撮像画像を二値化処理し、エッジ検出を行うことにより光強度の高い領域を抽出し、これを有効領域とすればよい。
2、2α 遮光用フード
2a 開口部
3 光照射部
3a 照射部本体
3b フィルタ(第一フィルタ)
4 撮像部
4a 撮像部本体
4c フィルタ(第二フィルタ)
4e グリップ
5 演算処理部
Claims (7)
- 検出対象物を蛍光させる励起波長を含む波長域の光を照射する光照射部と、
前記検出対象物の蛍光の蛍光波長を含む可視波長領域の蛍光を撮像可能な撮像部と、
開口部を有し、前記光照射部からの照射光が前記開口部を通して照射されると共に、前記光照射部による照射により励起された前記検出対象物の蛍光が前記開口部を通して前記撮像部に入射されるように配置される遮光用フードと、
前記撮像部による撮像画像に基づき検出対象領域に存在する前記検出対象物を検出する演算処理部と、を備えた付着物検出装置において、
前記演算処理部は、
前記撮像画像における当該撮像画像全体に占める前記開口部の比率を設定する比率設定部と、
前記撮像画像の各画素の蛍光強度を当該撮像画像全体について積算して蛍光強度積算値を演算する積算値演算部と、
前記比率設定部で設定した比率と前記積算値演算部で演算した蛍光強度積算値とから、前記検出対象領域の、前記撮像画像全体に対応した領域に相当する撮像画像当たりの蛍光強度の総和を推測する総和推測部と、
予め設定した撮像画像当たりの蛍光強度の総和と前記検出対象物の量との対応を表す特性と、前記総和推測部で推測された蛍光強度の総和とから、前記検出対象領域の、前記撮像画像全体に対応した領域に存在する前記検出対象物の量を検出する検出対象物量検出部と、を備えることを特徴とする付着物検出装置。 - 前記遮光用フードは交換可能である又は前記遮光用フードの開口部は形状可変であることを特徴とする請求項1に記載の付着物検出装置。
- 前記積算値演算部は、
前記光照射部から光照射を行って得た前記撮像画像の各画素の蛍光強度の積算値と前記光照射部から照射を行わずに得た前記撮像画像の各画素の蛍光強度の積算値との差分を、前記蛍光強度積算値として演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の付着物検出装置。 - 前記比率設定部は、
前記開口部を開放した状態で撮像した撮像画像において各画素の蛍光強度を二値化し、
蛍光状態を表す蛍光強度を有する画素数と、前記撮像画像の全画素数との比を前記比率として設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の付着物検出装置。 - 前記光照射部に設けられ、前記励起波長の光のみを通過させる第一フィルタと、
前記撮像部に設けられ、前記蛍光波長の光のみを通過させる第二フィルタと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の付着物検出装置。 - 前記検出対象物は、製薬工程で利用される設備及び機器を洗浄した後の残留物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の付着物検出装置。
- 検出対象物を蛍光させる励起波長を含む波長域の光を、遮光用フードが有する開口部を通して照射すると共に、前記検出対象物の蛍光の蛍光波長を含む可視波長領域の蛍光を撮像可能な撮像部に、前記照射により励起された前記検出対象物の蛍光を、前記開口部を通して入射し、
前記撮像部による撮像画像に基づき検出対象領域に存在する前記検出対象物を検出するようにした付着物検出方法であって、
前記撮像画像における当該撮像画像全体に占める前記開口部の比率を設定するステップと、
前記撮像画像の各画素の蛍光強度を当該撮像画像全体について積算して蛍光強度積算値を演算するステップと、
前記比率と前記蛍光強度積算値とから、前記検出対象領域の、前記撮像画像全体に対応した領域に相当する撮像画像当たりの蛍光強度の総和を推測するステップと、
予め設定した撮像画像当たりの蛍光強度の総和と前記検出対象物の量との対応を表す特性と、前記蛍光強度の総和とから、前記検出対象領域の、前記撮像画像全体に対応した領域に存在する前記検出対象物の量を検出するステップと、を備えることを特徴とする付着物検出方法。
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