JP2017089538A - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子状物質捕集フィルタを再生する際に、該捕集フィルタの温度を上昇させるために行われる昇温運転において、一部気筒の燃料カット運転及び休筒運転(減筒運転)を組み合わせて、粒子状物質捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減すること。【解決手段】粒子状物質の捕集フィルタ41と、捕集フィルタ41の再生処理を実施する再生運転制御手段45と、を備え、再生運転制御手段45は、ポスト燃料噴射を含む通常昇温運転部63と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部65と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに吸気弁及び排気弁を閉弁状態に維持する休筒運転部67と、を有し、捕集フィルタ41の温度及びPM堆積量に基づいて、通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65による運転と休筒運転部67による運転を組み合わせて再生処理を実施する。【選択図】図1
Description
本開示は、内燃機関の排ガス浄化装置に関し、特に、排気通路に設けられ、排ガス中の粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集フィルタの再生装置に関する。
大気のクリーン化が求められる中、ディーゼルエンジンの排気通路には、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集フィルタが設けられている。この粒子状物質捕集フィルタに所定量以上の粒子状物質が捕集されると、粒子状物質捕集フィルタの捕集性能の低下及び排ガス圧損が増加してエンジン性能に悪影響を及ぼすため、捕集した粒子状物質を強制的に燃焼除去する強制再生処理が行われる。
この強制再生処理としては、燃焼室内に噴射する燃料の噴射タイミングを制御して、燃焼に直接寄与しないタイミングで噴射するポスト燃料噴射、または排気通路内に燃料を噴射することで、排気温度を上昇させて、捕集フィルタに堆積された粒子状物質を燃焼させて捕集フィルタの再生を行っている。
しかし、ポスト燃料噴射、または排気通路内に燃料を噴射することで、排気温度を上昇させて捕集フィルタに堆積された粒子状物質を燃焼させているが、この捕集フィルタ後においてもHC、CO等の還元ガスが検出されており、温度上昇のために噴射した燃料の一部は、燃焼しておらずに排出されているため、燃料消費の悪化を招く問題がある。
一方、内燃機関の燃料消費量を低減する方法として、減筒運転や燃料カット運転を行うことが知られている。
粒子状物質捕集フィルタの強制再生処理において、減筒運転や燃料カット運転を行う先行技術としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特許文献1には、全筒運転時と減筒運転時とで異なる再生方法を用いて、粒子状物質捕集フィルタの強制再生処理のための燃料消費量を低減することが示されている。排気通路に、粒子状物質捕集フィルタとその上流側に酸化触媒を配置して、該酸化触媒を介して粒子状物質捕集フィルタに排ガスを導入する低温排ガス流路と、該酸化触媒を介さずに粒子状物質捕集フィルタに排ガスを直接導入する高温排ガス流路とを備えて、全筒運転時には、排ガスを低温排ガス流路に導き、減筒運転時には、排ガスを高温排ガス流路に導く構成が示されている。
粒子状物質捕集フィルタの強制再生処理において、減筒運転や燃料カット運転を行う先行技術としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特許文献1には、全筒運転時と減筒運転時とで異なる再生方法を用いて、粒子状物質捕集フィルタの強制再生処理のための燃料消費量を低減することが示されている。排気通路に、粒子状物質捕集フィルタとその上流側に酸化触媒を配置して、該酸化触媒を介して粒子状物質捕集フィルタに排ガスを導入する低温排ガス流路と、該酸化触媒を介さずに粒子状物質捕集フィルタに排ガスを直接導入する高温排ガス流路とを備えて、全筒運転時には、排ガスを低温排ガス流路に導き、減筒運転時には、排ガスを高温排ガス流路に導く構成が示されている。
また、特許文献2には、排気浄化手段の再生処理の際に排気温度を上昇させるために、内燃機関の一部の気筒について吸排気弁の少なくとも一方を閉弁停止状態にすると共に、燃料供給を停止する減筒制御を実施し、内燃機関を搭載された車両の減速時には、内燃機関の各気筒への燃料の供給を停止する燃料カットを実施する多気筒内燃機関において、再生処理実施中に上記燃料カットを実施する時には、上記一部の気筒の吸気弁及び排気弁の一方が開閉動作状態になり、他方が開閉動作状態または開弁状態になるようにして、再生処理中に排気浄化手段が過昇温されるのを抑制している。
前述のように特許文献1には、粒子状物質捕集フィルタの温度上昇のために供給する燃料の消費量の低減対策として、減筒運転を行うことが示されている。しかし、全筒運転時と減筒運転時とで、前段酸化触媒を介する排ガス流路と、前段酸化触媒を介さない排ガス流路とを形成することが必要であると共に、排ガス流の切換え機構が必要のため、排ガス流路構造が複雑化する。
また、特許文献2においては、排気温度を上昇させるために行う減筒運転及び燃料カット運転を行うものであり、さらに燃料カットを実施する時には、一部の気筒の吸気弁及び排気弁の一方を開閉動作状態にして、他方を開閉動作状態または開弁状態になるようにして再生処理中の際に排気浄化手段が過昇温されるのを抑制するものである。排気浄化手段の温度上昇のために供給する燃料の消費量の低減対策を目的とする減筒運転や燃料カット運転についての開示はない。
そこで、これら技術的課題に鑑み、本発明の少なくとも一つの実施形態は、粒子状物質捕集フィルタを再生する際に、該粒子状物質捕集フィルタの温度を上昇させるために行われる昇温運転において、一部気筒の燃料カット運転及び休筒運転(減筒運転)を組み合わせて、粒子状物質捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の排ガス浄化装置は、多気筒の内燃機関の排ガス通路に設けられ排ガス中の粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集フィルタと、前記粒子状物質捕集フィルタの浄化性能を回復すべく排ガス温度の昇温を伴う再生処理を実施する再生運転制御手段と、を備え、
前記再生運転制御手段は、排ガス温度を上昇させるために前記内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射を含む通常昇温運転部と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にする休筒運転部と、を有し、
前記再生運転制御手段は、前記再生処理の実施中に、前記粒子状物質捕集フィルタの温度及び前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて、前記通常昇温運転部による運転に対して、前記燃料カット運転部と前記休筒運転部とによる運転を組み合わせて再生処理を行うことを特徴とする。
前記再生運転制御手段は、排ガス温度を上昇させるために前記内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射を含む通常昇温運転部と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にする休筒運転部と、を有し、
前記再生運転制御手段は、前記再生処理の実施中に、前記粒子状物質捕集フィルタの温度及び前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて、前記通常昇温運転部による運転に対して、前記燃料カット運転部と前記休筒運転部とによる運転を組み合わせて再生処理を行うことを特徴とする。
前記構成(1)によれば、排ガス温度を上昇させるために内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射を含む通常昇温運転部によって、捕集フィルタの温度若しくは、捕集フィルタに到達する排ガス温度を、再生に必要な再生目標温度に達するように上昇させて堆積された粒子状物質の燃焼除去を開始する。
その後、捕集フィルタの温度及び捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部による運転と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にする休筒運転部による運転と、を組み合わせて実施して所定の堆積量まで低減させる。
従って、捕集フィルタの温度及び捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて一部の気筒での燃料カット運転と、一部の気筒での休筒運転とを組み合わせて捕集フィルタの再生処理を行うため、捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減できる。
その後、捕集フィルタの温度及び捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部による運転と、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にする休筒運転部による運転と、を組み合わせて実施して所定の堆積量まで低減させる。
従って、捕集フィルタの温度及び捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて一部の気筒での燃料カット運転と、一部の気筒での休筒運転とを組み合わせて捕集フィルタの再生処理を行うため、捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減できる。
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、前記再生運転制御手段は、前記通常昇温運転部による運転に対して、前記燃料カット運転部による運転を実施し、該燃料カット運転部による運転に引き続いて前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする。
前記構成(2)によれば、通常昇温手段による運転に対して、一部気筒では燃料カット運転部による運転が実施されるため、すなわち、燃料カット運転は、燃料供給を停止するとともに、通常の吸気弁及び排気弁を開閉動作状態にするため、内燃機関の回転数に応じた吸気空気が排出される。このため、排ガス通路内への酸素供給量を増やすことができる。
この酸素供給量の増加によって、排ガス温度を上昇させるために通常昇温運転部が行う内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射の燃料に対して排ガス通路内で効率よく燃焼させることが可能になる。従って、燃料消費を低減でき、効率よく排ガスを昇温できる。
この酸素供給量の増加によって、排ガス温度を上昇させるために通常昇温運転部が行う内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射の燃料に対して排ガス通路内で効率よく燃焼させることが可能になる。従って、燃料消費を低減でき、効率よく排ガスを昇温できる。
また、休筒運転部による運転では、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にするため、燃料カット運転のように排ガス通路への酸素供給量の増大効果は得られず、排ガスの昇温効果は燃料カット運転部による運転ほど期待できない。
しかし、休筒運転によって、休止気筒のポンプ損失や各種摩耗損失を低減でき、全筒運転や燃料カット運転に比べて燃料消費の低減効果が得られる。また、休筒運転によって、排ガス流量が減少するため、粒子状物質捕集フィルタの温度低下が抑制される。
従って、通常昇温運転部による運転に対して、燃料カット運転部による運転から引き続いて休筒運転部による運転に切換えることによって、排ガスの昇温を燃料消費の低減効果を得つつ効率よく再生処理を行うことができる。
しかし、休筒運転によって、休止気筒のポンプ損失や各種摩耗損失を低減でき、全筒運転や燃料カット運転に比べて燃料消費の低減効果が得られる。また、休筒運転によって、排ガス流量が減少するため、粒子状物質捕集フィルタの温度低下が抑制される。
従って、通常昇温運転部による運転に対して、燃料カット運転部による運転から引き続いて休筒運転部による運転に切換えることによって、排ガスの昇温を燃料消費の低減効果を得つつ効率よく再生処理を行うことができる。
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(1)または(2)において、前記再生運転制御手段は、前記粒子状物質捕集フィルタの温度が第1堆積量を超えると前記通常昇温運転部の運転を実施し、前記粒子状物質捕集フィルタの温度が再生目標温度である第1温度に達し再生を開始し、その後、前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が前記第1堆積量より少ない第2堆積量に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転に切換えることを特徴とする。
前記構成(3)によれば、第1堆積量を超えると通常昇温運転部による運転を実施し、捕集フィルタの温度が再生目標温度である第1温度に達し再生を開始し、その後、粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が第1堆積量より少ない第2堆積量に減少したときに、燃料カット運転部による運転に切換えるので、すなわち、第2堆積量まで減少しているため、粒子状物質捕集フィルタを昇温させるための燃料量低減が可能になり、且つ燃料カット運転により、粒子状物質捕集フィルタに供給する酸素を増量させることで、PM燃焼が促進できる。従って、燃料消費を低減しつつ効率よく排ガスを昇温して再生処理を実施できる。
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、前記再生運転制御手段は、前記燃料カット運転部による運転後に、前記粒子状捕集フィルタの温度が前記第1温度以下の第2温度に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転から前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする。
前記構成(4)によれば、燃料カット運転部による運転後に、捕集フィルタの温度が第1温度以下の第2温度に減少したときに、燃料カット運転部による運転から休筒運転部による運転に切換えるので、さらに燃料消費を抑えながら再生処理を行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、前記再生運転制御手段は、前記燃料カット運転部による運転後に、前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が前記第2堆積量より少ない第3堆積量に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転から前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする。
前記構成(5)によれば、燃料カット運転部による運転後に、粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が前記第2堆積量より少ない第3堆積量に減少したときに、燃料カット運転部による運転から休筒運転部による運転に切換えるので、すなわち、PM堆積量が第3堆積量まで減少しているので、粒子状物質捕集フィルタの温度上昇のための燃料量低減が可能になり、燃料カット運転から休筒運転へ切換えることで、さらに燃料消費を抑えながら再生処理を行うことができる。
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(1)から(5)において、前記内燃機関は4気筒であり、前記燃料カット運転部及び前記休筒運転部による前記一部の気筒は、同一気筒であるとともに、1または2気筒であることを特徴とする。
前記構成(6)によれば、排ガスの昇温と燃料消費量低減効果を共に得ることができる。
再生処理は、粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が所定量に減少した場合に終了するため、燃料カット運転部及び休筒運転部によって燃料カット及び休筒される気筒数が多くなると、ポスト燃料噴射による噴射量が少なくなり排ガスの昇温効果が得られ難くなり再生処理の終了までの時間が長引くため、却って燃料消費量が増大するおそれがある。
そのため、排ガスの昇温効果と燃料消費量の低減効果とのバランスを考慮すると、4気筒の内燃機関の場合には、燃料カット及び休筒される気筒数は1又は2気筒が適当である。
また、燃料カット運転から休筒運転への切換えが引き続いて行われるため、同一の気筒を対象にすることで切換え制御が確実に行われる。
再生処理は、粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が所定量に減少した場合に終了するため、燃料カット運転部及び休筒運転部によって燃料カット及び休筒される気筒数が多くなると、ポスト燃料噴射による噴射量が少なくなり排ガスの昇温効果が得られ難くなり再生処理の終了までの時間が長引くため、却って燃料消費量が増大するおそれがある。
そのため、排ガスの昇温効果と燃料消費量の低減効果とのバランスを考慮すると、4気筒の内燃機関の場合には、燃料カット及び休筒される気筒数は1又は2気筒が適当である。
また、燃料カット運転から休筒運転への切換えが引き続いて行われるため、同一の気筒を対象にすることで切換え制御が確実に行われる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、粒子状物質捕集フィルタを再生する際に、該粒子状物質捕集フィルタの温度を上昇させるために行われる昇温運転において、一部気筒の燃料カット運転及び休筒運転(減筒運転)を組み合わせることで、粒子状物質捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の幾つかの実施形態に係る排ガス浄化装置1は、図1に示すような全体構成を有し、エンジン(内燃機関)3は、多気筒(例えば4気筒)のディーゼルエンジンから構成されている。また、エンジン3は、車両に搭載されて走行駆動源となるエンジンを例として説明するが、発電用のエンジンとして用いるものであってもよい。
エンジン3の各気筒の燃焼室5に連通する吸気ポート7、吸気マニホールドを介して接続された吸気通路9、排気ポート11、排気マニホールドを介して接続された排ガス通路13が気筒毎に設けられている。また、燃焼室5と吸気ポート7との連通を開閉する吸気弁15、燃焼室5と排気ポート11との連通を開閉する排気弁17が、それぞれシリンダヘッド19内に設けられている。
吸気弁15は、開閉タイミング及び開閉量を可変制御可能なように吸気弁可変機構(吸気VVT機構)21によって駆動され、同様に、排気弁17も、開閉タイミング及び開閉量が可変制御可能なように排気弁可変機構(排気VVT機構)23によって駆動されるようになっている。
吸気弁15は、開閉タイミング及び開閉量を可変制御可能なように吸気弁可変機構(吸気VVT機構)21によって駆動され、同様に、排気弁17も、開閉タイミング及び開閉量が可変制御可能なように排気弁可変機構(排気VVT機構)23によって駆動されるようになっている。
燃焼室5は、シリンダブロック25のシリンダ27の内周に摺動自在に嵌合されたピストン29の上面と、シリンダヘッド19の内面と、シリンダ27の内周面によって形成されており、燃焼室5のほぼ中央のシリンダヘッド19には燃焼室5内に燃料を噴射する燃料噴射弁31が設けられている。該燃料噴射弁31への高圧燃料の供給を行う燃料供給装置33が設けられている。また、燃焼室5内のピストン29はコネクチングロッド35を介してクランクシャフト37に連結されている。
排ガス通路13には、排ガスの流れ方向に沿って上流側に、酸化触媒(DOC)39が設置され、該酸化触媒39の下流側に排ガス中の粒子状物質(PM)を捕集する粒子状物質捕集フィルタ(以下単に捕集フィルタという)41が設置されている。また、酸化触媒39の上流側に図示していない排気過給機のタービンを設置してもよい。
酸化触媒39は、貴金属のプラチナ(Pt)やパラジュウム(Pd)を主成分とする触媒成分を担持させたコート層を担体の表面に備えて形成され、排ガス中の一酸化窒(NO)を酸化してNO2を生成すると共に、炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)を酸化して水(H2O)と二酸化炭素(CO2)を生成する。
また、捕集フィルタ41は、セルの入口と出口とを交互に閉鎖された、所謂ウオールフロー型と呼ばれる構造を有し、排ガス中の粒子状物質を隣接するセル間の壁面に捕集するようになっている。
また、捕集フィルタ41は、セルの入口と出口とを交互に閉鎖された、所謂ウオールフロー型と呼ばれる構造を有し、排ガス中の粒子状物質を隣接するセル間の壁面に捕集するようになっている。
また、エンジン3の運転制御及び捕集フィルタ41の再生制御行う制御装置43が設けられている。制御装置43には、図示しない信号入力部、信号出力部、記憶部、演算部等が設けられ、図1に示すように制御装置43は、主に捕集フィルタの再生制御を行う再生運転制御手段45と、エンジン3への燃料供給の制御を行う燃料噴射制御手段47と、エンジン3の吸気弁15の開閉制御と、排気弁17の開閉制御を行う吸・排気弁制御手段49とを有している。
信号入力部には、クランク角センサ51からのエンジン回転数の信号、アクセルペダルのアクセル開度等を検知する負荷センサ53からのエンジン負荷の信号、捕集フィルタ41の前後差圧を検出する差圧センサ55からの差圧信号、捕集フィルタ41の温度を検出する温度センサ57からの温度信号が入力されている。そして、信号出力部からは、燃料供給装置33への制御信号、吸気弁可変機構(吸気VVT機構)21及び排気弁可変機構(排気VVT機構)23への制御信号を出力する。
次に、図2を参照して、制御装置43の詳細な構成について説明する。
制御装置43には、PM堆積量推定部59、再生運転制御手段45、燃料噴射制御手段47、吸・排気弁制御手段49が設けられている。
制御装置43には、PM堆積量推定部59、再生運転制御手段45、燃料噴射制御手段47、吸・排気弁制御手段49が設けられている。
PM堆積量推定部59は、クランク角センサ51からのエンジン回転数信号、負荷センサ53からのエンジン負荷信号、差圧センサ55からの捕集フィルタ41の前後の排ガス圧力の差圧信号、を基に、予め設定された運転状態に対するPM堆積量のマップまたは算式を用いて捕集フィルタ41のPM堆積量を推定する。
再生運転制御手段45には、再生運転切換制御部61、通常昇温運転部63、燃料カット運転部65、休筒運転部67が設けられている。
再生運転切換制御部61には、PM堆積量推定部59からの堆積量推定値を基に堆積量が所定の閾値に達したか否かを判定する堆積量判定部69と、温度センサ57からの信号を基に捕集フィルタ41の温度が所定の閾値に達したか否かを判定する温度判定部71とが設けられて、これら判定部69、71による判定結果を基に再生運転において、通常昇温運転と燃料カット運転と休筒運転との切換制御が行われる。
再生運転切換制御部61には、PM堆積量推定部59からの堆積量推定値を基に堆積量が所定の閾値に達したか否かを判定する堆積量判定部69と、温度センサ57からの信号を基に捕集フィルタ41の温度が所定の閾値に達したか否かを判定する温度判定部71とが設けられて、これら判定部69、71による判定結果を基に再生運転において、通常昇温運転と燃料カット運転と休筒運転との切換制御が行われる。
通常昇温運転部63は、捕集フィルタ41の再生運転に際して、多気筒のエンジン3の全気筒に対して、燃焼室5への主燃料噴射である主噴射と、該主噴射後に燃焼室5内での燃焼に直接寄与しない噴射タイミングで噴射するポスト燃料噴射を行い、該ポスト燃料噴射の燃料を排ガス通路13側へ供給して、排ガス通路13内で燃焼させて排ガス温度を上昇させて、捕集フィルタ41でのPMを燃焼除去させるように運転を制御している。
燃料カット運転部65は、多気筒の一部気筒への、主燃料噴射及びポスト燃料噴射の燃料供給を停止するとともに、吸気弁15及び排気弁17を通常の開閉動作状態にして運転する制御部である。この通常の開閉動作状態とは、前述した通常昇温運転部63によって捕集フィルタ41の再生を行う際に設定される吸気弁15と排気弁17の開閉動作状態をそのまま維持していることである。
休筒運転部67は、多気筒の一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁15及び排気弁17を閉弁状態に維持するように運転を制御している。
燃料カット運転部65は、多気筒の一部気筒への、主燃料噴射及びポスト燃料噴射の燃料供給を停止するとともに、吸気弁15及び排気弁17を通常の開閉動作状態にして運転する制御部である。この通常の開閉動作状態とは、前述した通常昇温運転部63によって捕集フィルタ41の再生を行う際に設定される吸気弁15と排気弁17の開閉動作状態をそのまま維持していることである。
休筒運転部67は、多気筒の一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁15及び排気弁17を閉弁状態に維持するように運転を制御している。
また、燃料噴射制御手段47は、燃料供給装置33へ燃料噴射タイミングの制御信号を出力する噴射タイミング制御部73と、燃料噴射量の制御信号を出力する噴射量制御部75とを有し、燃料噴射弁31から燃焼室5に噴射される主燃料噴射及びポスト燃料噴射の噴射タイミングと噴射量とを制御する。
また、吸・排気弁制御手段49は、吸気弁可変機構(吸気VVT機構)21へ吸気弁15の開閉制御信号を出力する吸気弁制御部77と、排気弁可変機構(排気VVT機構)23へ排気弁17の開閉制御信号を出力する排気弁制御部79とを有し、通常昇温運転時、燃料カット運転時、及び休筒運転時のそれぞれにおける吸気弁15及び排気弁17の開閉を制御する。
また、吸・排気弁制御手段49は、吸気弁可変機構(吸気VVT機構)21へ吸気弁15の開閉制御信号を出力する吸気弁制御部77と、排気弁可変機構(排気VVT機構)23へ排気弁17の開閉制御信号を出力する排気弁制御部79とを有し、通常昇温運転時、燃料カット運転時、及び休筒運転時のそれぞれにおける吸気弁15及び排気弁17の開閉を制御する。
以上説明した制御装置43の構成によって、再生処理の実施中に、温度センサ57からの捕集フィルタ41の温度、及び差圧センサ55からの捕集フィルタ41のPM(粒子状物質)堆積量に基づいて、再生運転切換制御部61は、通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65と休筒運転部67による運転とを組み合わせて再生処理を行う。
従って、多気筒の一部の気筒での燃料カット運転と、一部の気筒での休筒運転とを組み合わせて捕集フィルタ41の再生処理を行うため、捕集フィルタ41の再生のための燃料噴射量を低減できる。
従って、多気筒の一部の気筒での燃料カット運転と、一部の気筒での休筒運転とを組み合わせて捕集フィルタ41の再生処理を行うため、捕集フィルタ41の再生のための燃料噴射量を低減できる。
例えば、通常昇温運転部63による運転に対して、まず、燃料カット運転部65による運転を実施し、その後引き続いて休筒運転部67による運転に切換える。
通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65による運転が実施されるため、すなわち、燃料カット運転は、一部の気筒に対して燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常昇温運転部63における開閉動作状態にし、残りの気筒においては、通常昇温運転部63による運転がなされる。このため、燃料カットされた気筒では、内燃機関の回転数に応じた吸気空気が排ガス通路13に排出される。従って、排ガス通路13内への酸素供給量を増やすことができ、燃料カットされていない残りの気筒で供給されるポスト燃料噴射の燃料に対して十分な空気を供給できるため、排ガス通路13内で燃料を無駄なく燃焼させることが可能になり、燃料消費を低減でき、効率よい排ガス昇温を行うことができる。すなわち、燃料カットによって低減された燃料に対して効率よい燃焼がなされて、燃料消費を低減でき、効率よく排ガスを昇温可能となる。
通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65による運転が実施されるため、すなわち、燃料カット運転は、一部の気筒に対して燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常昇温運転部63における開閉動作状態にし、残りの気筒においては、通常昇温運転部63による運転がなされる。このため、燃料カットされた気筒では、内燃機関の回転数に応じた吸気空気が排ガス通路13に排出される。従って、排ガス通路13内への酸素供給量を増やすことができ、燃料カットされていない残りの気筒で供給されるポスト燃料噴射の燃料に対して十分な空気を供給できるため、排ガス通路13内で燃料を無駄なく燃焼させることが可能になり、燃料消費を低減でき、効率よい排ガス昇温を行うことができる。すなわち、燃料カットによって低減された燃料に対して効率よい燃焼がなされて、燃料消費を低減でき、効率よく排ガスを昇温可能となる。
さらに、休筒運転部67による運転では、一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁15及び排気弁17を閉弁状態に維持するため、燃料カット運転のように排ガス通路13への酸素供給量の増大効果は得られず、排ガスの昇温効果は燃料カット運転ほど期待できない。しかし、休筒運転によって、休止気筒のポンプ損失や各種摩耗損失を低減でき、全筒運転や燃料カット運転に比べて燃料消費の低減効果が得られる。また、休筒運転によって、排ガス流量が減少するため、粒子状物質捕集フィルタの温度低下が抑制される。
従って、通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65による運転から引き続いて休筒運転部67による運転に切換えることによって、排ガスの昇温を燃料消費の低減効果を得つつ効率よく再生処理を行うことができる。
従って、通常昇温運転部63による運転に対して、燃料カット運転部65による運転から引き続いて休筒運転部67による運転に切換えることによって、排ガスの昇温を燃料消費の低減効果を得つつ効率よく再生処理を行うことができる。
本発明の幾つかの実施形態では、再生運転制御手段45は、図3のフローチャート、及び図6のタイムチャートに示す再生運転制御を行う。
図3において、まず、ステップS1において、捕集フィルタ41のPM堆積量が、再生を開始する必要があると判定する閾値である第1堆積量Q1に達しているか否かを判定する。第1堆積量Q1に達している場合には、ステップS2に進み再生制御を開始する(図6の時間t0)。
この再生制御の開始においては、通常昇温運転部63によって、燃焼室5への主燃料噴射である主噴射と、該主噴射後に燃焼室5内での燃焼に直接寄与しない噴射タイミングで噴射するポスト燃料噴射を行い、排ガス通路に導かれたポスト燃料噴射の燃料成分は、酸化触媒39の酸化熱によって上昇されて排ガス通路13内において燃焼して排ガス温度を上昇させて、捕集フィルタ41に導入される排ガス、さらには捕集フィルタ41を、PMが連続的に燃焼可能な温度に昇温させる(例えば600℃〜700℃)。
再生運転の制御開始によって、排ガス温度の上昇に伴ってPM堆積量は第1堆積量Q1から減少を開始し、排ガス温度の上昇によって捕集フィルタ41の温度が再生目標温度である第1温度T1(600〜700℃)に達するとPMの連続的な燃焼が開始されて再生が継続される(図6の時間t1)。
図3において、まず、ステップS1において、捕集フィルタ41のPM堆積量が、再生を開始する必要があると判定する閾値である第1堆積量Q1に達しているか否かを判定する。第1堆積量Q1に達している場合には、ステップS2に進み再生制御を開始する(図6の時間t0)。
この再生制御の開始においては、通常昇温運転部63によって、燃焼室5への主燃料噴射である主噴射と、該主噴射後に燃焼室5内での燃焼に直接寄与しない噴射タイミングで噴射するポスト燃料噴射を行い、排ガス通路に導かれたポスト燃料噴射の燃料成分は、酸化触媒39の酸化熱によって上昇されて排ガス通路13内において燃焼して排ガス温度を上昇させて、捕集フィルタ41に導入される排ガス、さらには捕集フィルタ41を、PMが連続的に燃焼可能な温度に昇温させる(例えば600℃〜700℃)。
再生運転の制御開始によって、排ガス温度の上昇に伴ってPM堆積量は第1堆積量Q1から減少を開始し、排ガス温度の上昇によって捕集フィルタ41の温度が再生目標温度である第1温度T1(600〜700℃)に達するとPMの連続的な燃焼が開始されて再生が継続される(図6の時間t1)。
次に、ステップS3に進んで、捕集フィルタ41のPM堆積量が、第1堆積量Q1より少ない第2堆積量Q2まで減少したか否かを判定する。ステップS3でNOの場合には、ステップS2に戻って通常昇温運転部63による昇温運転が行われる。ステップS3でYesの場合には、ステップS4に進んで、一部気筒の燃料カット運転が開始される(図6の時間t2)。このステップS4の燃料カット運転は、燃料カット運転部65によって行われる。
次に、ステップS5に進んで、捕集フィルタ41のPM堆積量が、第2堆積量Q2より少ない第3堆積量Q3まで減少したか否かを判定する。ステップS5でNOの場合には、ステップS4に戻って燃料カット運転部65による燃料カット運転が行われる。ステップS5でYesの場合には、ステップS6に進んで、一部気筒の休筒運転が開始される(図6の時間t3)。このステップS6の休筒運転は、休筒運転部67によって行われる。
次に、ステップS7に進んで、捕集フィルタ41のPM堆積量が、第3堆積量Q3より少ない第4堆積量Q4まで減少したか否かを判定する。ステップS7でNOの場合には、ステップS6に戻って休筒運転部67による休筒運転が行われる。ステップS7でYesの場合には、再生制御が終了する(図6のt4)。
なお、図6は、通常昇温運転部63、燃料カット運転部65、休筒運転部67の切換え状態を示すタイムチャートである。図6(A)は、横軸に再生制御開始からの時間tを、縦軸に捕集フィルタ41の温度Tの変化状態を示す。図6(B)は、横軸に再生制御開始からの時間tを、縦軸に捕集フィルタ41のPM堆積量Qの変化状態を示す。
以上の一実施形態によれば、第1堆積量Q1を超えると再生制御を開始して通常昇温運転部63による昇温を実施し、捕集フィルタ41の温度が再生目標温度である第1温度T1に達し連続的にPMが燃焼除去されて再生が開始し、その後、捕集フィルタ41のPM堆積量が第1堆積量Q1より少ない第2堆積量Q2に減少したときに、燃料カット運転部65による運転に切換えるので、第2堆積量Q2に減少した後においても、燃料消費を低減しつつ効率よく排ガスを昇温を維持して再生処理を続行できる。
また、燃料カット運転部65による運転後に、捕集フィルタ41のPM堆積量が第2堆積量Q2より少ない第3堆積量Q3に減少したときに、燃料カット運転部65による燃料カット運転から休筒運転部67による休筒運転に切換えるので、燃料消費をさらに抑えながら再生処理を終了させることができる。
本発明の幾つかの実施形態では、再生運転制御手段45は、図4のフローチャート、及び図6のタイムチャートに示す再生運転制御を行う。
図4では、図3のステップS5に対応する判定を、ステップS15に置き換えたものである。
図3のステップS5では、捕集フィルタ41のPM堆積量が第3堆積量Q3まで減少したか否かの判定している。これに代えて、図4のステップS15のように、捕集フィルタ41の温度が再生目標温度である第1温度T1より低下した第2温度T2に低下したか否かを判定(図6のt3)して、判定結果がNOの場合には、ステップS4と同様に、一部気筒の燃料カット運転を行い、判定結果がYesの場合には、ステップS6と同様に、一部気筒の休筒運転を行う。その他のステップは、図3のフローチャートと同様である。
図4では、図3のステップS5に対応する判定を、ステップS15に置き換えたものである。
図3のステップS5では、捕集フィルタ41のPM堆積量が第3堆積量Q3まで減少したか否かの判定している。これに代えて、図4のステップS15のように、捕集フィルタ41の温度が再生目標温度である第1温度T1より低下した第2温度T2に低下したか否かを判定(図6のt3)して、判定結果がNOの場合には、ステップS4と同様に、一部気筒の燃料カット運転を行い、判定結果がYesの場合には、ステップS6と同様に、一部気筒の休筒運転を行う。その他のステップは、図3のフローチャートと同様である。
以上の一実施形態によれば、燃料カット運転部65による運転後に、捕集フィルタ41の温度が第1温度T1より低い第2温度T2に低下したときに、燃料カット運転部65による運転から休筒運転部67による運転に切換えるので、燃料消費を抑えながら再生処理を終了に向かわせることができる。
第2温度T2まで低下した場合には、捕集フィルタ41に堆積されていたPMの除去が進み、堆積量が少なくなっているため、その状況で、燃料カット運転のように、吸排気弁を通常運転状態のように開閉作動させるよりも、全閉状態とした休筒とした方が、休止気筒のポンプ損失や各種摩耗損失を低減でき、燃料カット運転に比べて燃料消費の低減効果が得られる。また、休筒により、排ガス流量が減少し、粒子状物質捕集フィルタ41の温度低下が抑制される。
このため、再生制御の終盤において、このような休筒運転の制御を行うことで、より燃料消費の低減効果を得ることができる。
このため、再生制御の終盤において、このような休筒運転の制御を行うことで、より燃料消費の低減効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、燃料カット運転部65の運転から、休筒運転部67への切換えを捕集フィルタ41の温度を基に判定している。捕集フィルタ41のPM堆積量を推定して堆積量を基に切換えするよりも、推定を行わないため迅速な制御が可能である。
また、捕集フィルタ41の温度とPM堆積量との両方を基に燃料カット運転部65の運転から、休筒運転部67への切換えを判定してもよい。より精度良い判定が可能になる。
また、捕集フィルタ41の温度とPM堆積量との両方を基に燃料カット運転部65の運転から、休筒運転部67への切換えを判定してもよい。より精度良い判定が可能になる。
本発明の幾つかの実施形態では、再生運転制御手段45は、図5のフローチャート、及び図6のタイムチャートに示す再生運転制御を行う。
図5では、図3のステップS4の「一部気筒の燃料カット運転を行う」の前に、ステップS21の「エンジン運転状態が一定の負荷以下であるか」を追加し、図3のステップS6の「一部気筒の休筒運転を行う」の前にも、ステップS22の「エンジン運転状態が一定の負荷以下であるか」を追加したものである。追加部分は、図5のA部及びB部で示すステップである。なお、一定の負荷以下とは、中、低負荷域の所定の負荷であり、減速時やアイドリング状態のようにエンジンに負荷が掛かっていない状態も含むものとする。
図5では、図3のステップS4の「一部気筒の燃料カット運転を行う」の前に、ステップS21の「エンジン運転状態が一定の負荷以下であるか」を追加し、図3のステップS6の「一部気筒の休筒運転を行う」の前にも、ステップS22の「エンジン運転状態が一定の負荷以下であるか」を追加したものである。追加部分は、図5のA部及びB部で示すステップである。なお、一定の負荷以下とは、中、低負荷域の所定の負荷であり、減速時やアイドリング状態のようにエンジンに負荷が掛かっていない状態も含むものとする。
以上の一実施形態によれば、一部気筒を燃料カット運転、または休筒運転を行っても要求負荷へ対応可能である場合にのみ燃料カット運転、または休筒運転を行うようにしたため、車載用として適用するエンジンにおいても車両の走行に悪影響を与えずに、捕集フィルタ41の再生処理を実行させることができる。
本発明の幾つかの実施形態では、エンジン3は4気筒のディーゼルエンジンであり、燃料カット運転部65及び休筒運転部67による燃料カット及び休筒の気筒は同一気筒であるとともに、1または2気筒である。
再生処理は、捕集フィルタ41のPM堆積量が所定量に減少した場合に終了するため、燃料カット運転部65及び休筒運転部67によって燃料カット及び休筒される気筒数が多くなると、ポスト燃料噴射の燃料量が少なくなり排ガスの昇温効果が得られ難くなり再生処理の終了までの時間が長引くため、却って燃料消費量が増大するおそれがある。
そのため、排ガスの昇温効果と燃料消費量の低減効果とのバランスを考慮すると、4気筒の内燃機関の場合には、燃料カット及び休筒される気筒数は1又は2気筒が適当である。
また、燃料カット運転から休筒運転への切換えが引き続いて行われるため、同一の気筒を対象にすることで切換え制御が迅速にかつ確実に行われる。
再生処理は、捕集フィルタ41のPM堆積量が所定量に減少した場合に終了するため、燃料カット運転部65及び休筒運転部67によって燃料カット及び休筒される気筒数が多くなると、ポスト燃料噴射の燃料量が少なくなり排ガスの昇温効果が得られ難くなり再生処理の終了までの時間が長引くため、却って燃料消費量が増大するおそれがある。
そのため、排ガスの昇温効果と燃料消費量の低減効果とのバランスを考慮すると、4気筒の内燃機関の場合には、燃料カット及び休筒される気筒数は1又は2気筒が適当である。
また、燃料カット運転から休筒運転への切換えが引き続いて行われるため、同一の気筒を対象にすることで切換え制御が迅速にかつ確実に行われる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、粒子状物質捕集フィルタを再生する際に、該捕集フィルタの温度を上昇させるために行われる昇温運転において、一部気筒の燃料カット運転及び休筒運転(減筒運転)を組み合わせることで、粒子状物質捕集フィルタの再生のための燃料噴射量を低減することができるので、ディーゼルエンジンの排気浄化装置への適用に適している。
1 内燃機関の排ガス浄化装置
3 エンジン(内燃機関)
5 燃焼室
13 排ガス通路
15 吸気弁
17 排気弁
21 吸気弁可変機構(吸気VVT機構)
23 排気弁可変機構(排気VVT機構)
31 燃料噴射弁
33 燃料供給装置
39 酸化触媒
41 捕集フィルタ(粒子状物質捕集フィルタ)
43 制御装置
45 再生運転制御手段
47 燃料噴射制御手段
49 吸・排気弁制御手段
51 クランク角センサ
53 負荷センサ
55 差圧センサ
57 温度センサ
59 PM堆積量推定部
61 再生運転切換制御部
63 通常昇温運転部
65 燃料カット運転部
67 休筒運転部
Q1 第1堆積量
Q2 第2堆積量
Q3 第3堆積量
Q4 第4堆積量
T1 第1温度
T2 第2温度
3 エンジン(内燃機関)
5 燃焼室
13 排ガス通路
15 吸気弁
17 排気弁
21 吸気弁可変機構(吸気VVT機構)
23 排気弁可変機構(排気VVT機構)
31 燃料噴射弁
33 燃料供給装置
39 酸化触媒
41 捕集フィルタ(粒子状物質捕集フィルタ)
43 制御装置
45 再生運転制御手段
47 燃料噴射制御手段
49 吸・排気弁制御手段
51 クランク角センサ
53 負荷センサ
55 差圧センサ
57 温度センサ
59 PM堆積量推定部
61 再生運転切換制御部
63 通常昇温運転部
65 燃料カット運転部
67 休筒運転部
Q1 第1堆積量
Q2 第2堆積量
Q3 第3堆積量
Q4 第4堆積量
T1 第1温度
T2 第2温度
Claims (6)
- 多気筒の内燃機関の排ガス通路に設けられ排ガス中の粒子状物質を捕集する粒子状物質捕集フィルタと、
前記粒子状物質捕集フィルタの浄化性能を回復すべく排ガス温度の昇温を伴う再生処理を実施する再生運転制御手段と、を備え、
前記再生運転制御手段は、
排ガス温度を上昇させるために前記内燃機関の気筒へのポスト燃料噴射を含む通常昇温運転部と、
一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を通常の開閉動作状態にする燃料カット運転部と、
一部気筒への燃料供給を停止するとともに、吸気弁及び排気弁を閉弁状態にする休筒運転部と、を有し、
前記再生運転制御手段は、前記再生処理の実施中に、前記粒子状物質捕集フィルタの温度及び前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量に基づいて、前記通常昇温運転部による運転に対して、前記燃料カット運転部と前記休筒運転部とによる運転を組み合わせて再生処理を行うことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記再生運転制御手段は、前記通常昇温運転部による運転に対して、前記燃料カット運転部による運転を実施し、該燃料カット運転部による運転に引き続いて前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記再生運転制御手段は、前記粒子状物質捕集フィルタの温度が第1堆積量を超えると前記通常昇温運転部の運転を実施し、前記粒子状物質捕集フィルタの温度が再生目標温度である第1温度に達し再生を開始し、その後、前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が前記第1堆積量より少ない第2堆積量に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転に切換えることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記再生運転制御手段は、前記燃料カット運転部による運転後に、前記粒子状捕集フィルタの温度が前記第1温度以下の第2温度に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転から前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記再生運転制御手段は、前記燃料カット運転部による運転後に、前記粒子状物質捕集フィルタの粒子状物質の堆積量が前記第2堆積量より少ない第3堆積量に減少したときに、前記燃料カット運転部による運転から前記休筒運転部による運転に切換えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記内燃機関は4気筒であり、前記燃料カット運転部及び前記休筒運転部による前記一部の気筒は、同一気筒であるとともに、1または2気筒であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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2015
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