JP2017089440A - 空燃比センサの異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法 - Google Patents

空燃比センサの異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法 Download PDF

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【課題】空燃比センサのポンプセルの両端がショートする異常を精度よく検出すること。【解決手段】実施形態にかかる空燃比センサの異常検出装置は、電流検出部と、端子間電圧検出部と、異常判定部とを備える。電流検出部は、ポンプセルの一端に接続される第1端子とポンプセルの他端が接続される第2端子との間に流れる電流を検出する。端子間電圧検出部は、第1端子と第2端子との間の電圧を検出する。異常判定部は、電流検出部によって検出された電流と端子間電圧検出部によって検出された電圧とに基づいて、第1端子と第2端子との間のショート状態を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、空燃比センサの異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法に関する。
車両の燃費向上などを目的として、内燃機関から排出される排気ガス中の空気と燃料の比である空燃比を目標空燃比に近づけるフィードバック制御が広く知られており、かかる空燃比は、空燃比センサ(A/Fセンサ)によって検出される。
空燃比センサとして、ポンプセルと検出セルを有するガスセンサ素子を備える空燃比センサが知られている。かかる空燃比センサでは、ポンプセルの両端がショートする異常が生じると、空燃比を正確に検出することが困難になる。そこで、ポンプセルの電圧が所定電圧になった場合にポンプセルの両端がショートする異常が生じたことを検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−291991号公報
しかしながら、上記従来技術では、ポンプセルの両端がショートする異常を精度よく検出することができないおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ポンプセルの両端がショートする異常を精度よく検出することができる空燃比センサの異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ガス検出室の酸素濃度を検出するための検出セルと前記ガス検出室への酸素の汲み入れや汲み出しを行うポンプセルとを有するガスセンサ素子を備える空燃比センサの異常検出装置であって、電流検出部と、端子間電圧検出部と、異常判定部とを備える。前記電流検出部は、前記ポンプセルの一端に接続される第1端子と前記ポンプセルの他端が接続される第2端子との間に流れる電流を検出する。前記端子間電圧検出部は、前記第1端子と前記第2端子との間の電圧を検出する。前記異常判定部は、前記電流検出部によって検出された電流と前記端子間電圧検出部によって検出された電圧とに基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する。
本発明によれば、ポンプセルの両端がショートする異常を精度よく検出することができる空燃比センサの異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空燃比センサの構成の一例を示す図である。 図2は、図1に示す空燃比センサの具体的構成例を示す図である。 図3は、図2に示すガスセンサ素子の具体的構成例を示す図である。 図4は、空燃比センサが正常時における、COM電圧、VS電圧およびIP電流の状態変化を示す図である。 図5は、ポンプセルの両端がショートしている状態における、COM電圧、VS電圧およびIP電流の状態変化を示す図である。 図6は、異常判定部によって行われる異常判定処理の一例を示す図である。 図7は、異常判定部の構成例を示す図である。 図8は、IP電流とカウンタ値との関係を示す図である。 図9は、ショート時から正常時に移行した場合のIP電流とカウンタ値との関係を示す図である。 図10は、ポンプセルの両端がショートしている場合のVS電圧の状態を示す図である。 図11は、異常判定部の他の構成例を示す図である。 図12は、異常判定部のさらに他の構成例を示す図である。 図13は、異常検出部が実行する主な処理手順を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる空燃比センサ(A/Fセンサ)の異常検出装置、空燃比センサの制御装置および異常検出方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、かかる実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[1.空燃比センサの構成]
図1は、本発明の実施形態に係る空燃比センサの構成の一例を示す図である。図1に示すように、空燃比センサ1は、ガスセンサ素子2と、制御装置3とを備える。
図1に示すガスセンサ素子2は、不図示のガス検出室への酸素の汲み入れや汲み出しを行うポンプセル4と、ガス検出室の酸素濃度を検出するための検出セル5とを備える。かかるガスセンサ素子2は、例えば、不図示の車両の内燃機関の排気管に配置され、排気ガス中の酸素濃度(空熱比)を検出する。
制御装置3は、IP端子Tip(第1端子の一例)と、COM端子Tcom(第2端子の一例)と、VS端子Tvs(第3端子の一例)と、電圧制御部10と、端子電圧検出部11と、フィードバック制御部12と、電流供給部13と、電流検出部14と、空燃比演算部15と、異常検出部18(異常検出装置の一例)とを備える。
IP端子Tipには、ポンプセル4の一端が接続され、COM端子Tcomには、ポンプセル4の他端と検出セル5の一端とが共通に接続され、VS端子Tvsには、検出セル5の他端が接続される。
電圧制御部10は、COM端子Tcomの電圧Vcom(以下、COM電圧Vcomと記載する)が一定電圧になるように電圧を出力する。端子電圧検出部11は、VS端子Tvsの電圧Vs(以下、VS電圧Vsと記載する)を検出する。
フィードバック制御部12は、端子電圧検出部11によって検出されるVS電圧Vsに応じた制御電圧Vcntを電流供給部13へ出力する。電流供給部13は、制御電圧Vcntに応じた電流をIP端子Tipからガスセンサ素子2のポンプセル4へ供給する。
電流検出部14は、電流供給部13によってIP端子TipとCOM端子Tcomとの間に流れる電流Ip(以下、IP電流Ipと記載する)を検出する。空燃比演算部15は、IP電流Ipに基づいて空燃比(以下、A/F値と記載する場合がある)を演算する。
異常検出部18は、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間(以下、IP−COM間と記載する場合がある)がショート状態であるか否かを検出する。かかる異常検出部18は、電流検出部51と、端子間電圧検出部52と、異常判定部53とを備える。
電流検出部51は、IP電流Ipを検出する。端子間電圧検出部52は、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間の電圧Vic(以下、端子間電圧Vicと記載する)を検出する。
異常判定部53は、電流検出部51によって検出されるIP電流Ipと端子間電圧検出部52によって検出される端子間電圧Vicとに基づいて、IP−COM間のショートの状態を判定する。これにより、IP−COM間がショートする異常、すなわち、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。
例えば、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1(所定の大きさの一例)以上であり、かつ、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1(所定の大きさの一例)以下である場合に、IP−COM間がショートしていると判定する。
IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であることのみでIP−COM間がショートしていると判定する場合、異常検出精度を向上させようとすると、空燃比センサが設けられる車両のエンジン毎に通常制御で使用するA/F値に応じて閾値Ith1の調整が必要になる。
しかし、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさに加え、端子間電圧Vicの大きさを考慮することから、閾値Ith1を固定的に設定することができる。これにより、空燃比センサ1が設けられる車両が異なる場合であっても、閾値Ith1の調整処理の手間を省きつつ、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。
[2.空燃比センサ1の具体的構成例]
次に、空燃比センサ1の具体的構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る空燃比センサ1の具体的構成例を示す図であり、図3は、ガスセンサ素子2の具体的構成例を示す図である。なお、空燃比センサ1の制御装置3は、例えば、車両に設けられたECU(Electronic Control Unit)内に設けられる。
[2.1.ガスセンサ素子2の具体的構成例]
まず、図3を参照してガスセンサ素子2の具体的構成例について説明する。図3に示すように、ガスセンサ素子2は、例えば、全領域空燃比ガスセンサ素子であり、固体電解質体81、絶縁基体85、固体電解質体87、89を順に積層した構成を有する。
固体電解質体81、87、89は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体であり、例えば、ジルコニア(ZrO2)にイットリア(Y2O3)を添加して構成される。絶縁基体85は、例えば、アルミナなどによって構成される。
絶縁基体85にはガス検出室90が形成され、かかるガス検出室90の両端には、ガス検出室90への排気ガスの流入量を規制する多孔質状の拡散律速部84が設けられる。
ポンプセル4は、固体電解質体81と、当該固体電解質体81の両面に多孔質の白金などにより形成された電極82、83とを備え、電極82、83間に供給される電流の大きさおよび方向に応じてガス検出室90への酸素の汲み入れや汲み出しを行う。電極82は、例えば、多孔質性の保護層80によって保護される。
検出セル5は、固体電解質体87と、当該固体電解質体87の両面に多孔質の白金などにより形成された電極86、88とを備える。電極86、88間に定電流Icpが供給されることにより、ガス検出室90の酸素濃度に応じた起電力が電極86、88間に発生する。
また、図3に示していないが、ガスセンサ素子2にはヒータ6(図2参照)が設けられており、かかるヒータ6の加熱によってガスセンサ素子2が活性化される。ヒータ6は、例えば、セラミックヒータであり、内部にヒータ配線が設けられる。
[2.2.制御装置3の具体的構成例]
次に、図2に示す制御装置3について説明する。制御装置3は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。なお、制御装置3は、演算処理の一部または全部をCPU(Central Processing Unit)によって実行する構成であってもよい。
図2に示すように、制御装置3は、電圧制御部10と、端子電圧検出部11と、フィードバック制御部12と、電流供給部13と、電流検出部14と、空燃比演算部15と、ヒータ制御部16と、モード制御部17と、異常検出部18(異常検出装置の一例)とを備える。
[2.2.1.電圧制御部10]
電圧制御部10は、ガスセンサ素子2の端子T2の電圧が一定の電圧Va(例えば、3.3[V])になるように電圧を出力する。かかる電圧制御部10は、オペアンプOP1と、抵抗R1、R2とを備え、抵抗R1と抵抗R2との接続点が一定電圧Vaになるように動作し、抵抗R1を介してCOM端子Tcomへ基準電圧であるCOM電圧Vcomを供給する。
[2.2.2.端子電圧検出部11]
端子電圧検出部11は、ボルテージフォロア41と、定電流源42と、スイッチ43とを備える。ボルテージフォロア41は、VS端子Tvsの電圧であるVS電圧Vsを検出する。定電流源42とスイッチ43とは、VS端子TvsとグランドGNDとの間に直列に接続されて配置される。
スイッチ43がオンになると、検出セル5のアドミタンスYsの状態を測定するための定電流Id(以下、測定用電流Idと記載する)が定電流源42から検出セル5へ供給される。
[2.2.3.フィードバック制御部12]
フィードバック制御部12は、端子電圧検出部11によって検出されるVS電圧Vsに応じた制御電圧Vcntを電流供給部13へ出力する。
フィードバック制御部12は、例えばPI(比例積分)制御またはPID(比例積分微分)制御によって、VS電圧Vsと予め定められた基準電圧値Vref(例えば、0.45[V])との差に応じた方向および大きさのIP電流Ipが電流供給部13からガスセンサ素子2の端子T1へ供給されるように、電流供給部13へ制御電圧Vcntを出力する。
[2.2.4.電流供給部13]
電流供給部13は、抵抗R3〜R7と、オペアンプOP2とを備え、フィードバック制御部12から出力される制御電圧Vcntと基準電圧Vbとの差に応じた方向および大きさの電流IpをIP端子Tipからガスセンサ素子2のポンプセル4へ供給する。
なお、電流供給部13は図2に示す回路に限定されるものではなく、フィードバック制御部12の制御に応じたIP電流Ipを端子T1へ供給することができる構成であればよい。
[2.2.5.電流検出部14]
電流検出部14は、ボルテージフォロア45を備え、オペアンプOP1の出力電圧からIP電流Ipを検出する。なお、電流検出部14は、電圧制御部10の抵抗R1の両端電圧や抵抗R2の両端電圧に基づいてIP電流Ipを検出する構成であってもよい。
図2に示す電流検出部14で検出されるIP電流Ipの値は、電圧Vaの値を正負の基準とするものであり、空燃比演算部15は、電流検出部14によって検出されたIP電流Ipを例えばゼロを正負の基準とした値に換算されて使用する。
また、図2に示していないが、定電流Icpを流すための定電流源がVS端子TvsとCOM端子Tcomとにそれぞれ設けられており、これにより、電流検出部14は、定電流Icpを除くIP電流Ipを検出することができる。なお、VS端子Tvsのみに定電流源が配置される場合、電流検出部14は、COM電流Icomから定電流Icpを減算した値をIP電流Ipとして検出してもよい。
[2.2.6.空燃比演算部15]
空燃比演算部15は、電流検出部14によって検出されたIP電流Ipに基づいて空燃比(A/F値)を演算する。
[2.2.7.ヒータ制御部16]
ヒータ制御部16は、ガスセンサ素子2に設けられたヒータ6のヒータ配線に接続され、バッテリーBATからヒータ6へ供給する電力量を制御する。これによりヒータ6の温度が制御される。かかるヒータ制御部16は、ヒータ6へ供給する電力量に応じたデューティ比Dでヒータ6にバッテリーBATから電流が流れるようにPWM制御を行う。
[2.2.8.モード制御部17]
モード制御部17は、端子電圧検出部11によって検出されるVs電圧Vsに基づいて、ガスセンサ素子2の活性状態を判定する。ガスセンサ素子2の活性状態には、ガスセンサ素子2が活性化していない状態とガスセンサ素子2が活性化している状態とがある。後述するセンサ非活性領域は、ガスセンサ素子2が活性化していない期間であり、センサ活性領域は、ガスセンサ素子2が活性化している期間である。
モード制御部17は、判定したガスセンサ素子2の活性化状態に基づいて、動作モードを設定する。動作モードには、ガスセンサ素子2を活性化させる第1モードと、A/F値を検出する第2モードとが含まれる。以下、制御装置3がガスセンサ素子2に対する制御を開始してからのCOM電圧Vcom、VS電圧VsおよびIP電流Ipの状態変化について説明する。
[2.2.9.異常検出部18]
異常検出部18は、IP電流Ipと端子間電圧Vicに基づいて、IP−COM間がショート状態であるか否かを検出する。以下においては、異常検出部18による異常検出処理についての理解を容易にするために、空燃比センサ1の動作を説明した後、異常検出部18の構成および動作を詳細に説明する。
[2.2.10.1.空燃比センサ1の動作]
図4は、空燃比センサ1が正常時における、COM電圧Vcom、VS電圧VsおよびIP電流Ipの状態変化を示す図である。なお、以下においては、Va=3.3[V]、Vref=0.45であるものとして説明するが、VaおよびVrefはかかる電圧値に限定されるものではない。
図4に示すように、制御装置3がガスセンサ素子2に対する制御を開始した場合(時刻t0)、制御装置3は、第1モードの実行を開始する。電圧制御部10は、COM電圧Vcomが略一定電圧Vaになるように電圧を出力する。
また、モード制御部17は、ヒータ制御部16を制御し、バッテリーBATからヒータ6へ電力を供給させてガスセンサ素子2を加熱すると共に、ガスセンサ素子2の活性化判定を行う。かかる活性化判定は、ヒータ6の加熱によってガスセンサ素子2が活性状態になったか否かの判定である。
ガスセンサ素子2の温度Tsが高いほど検出セル5のアドミタンスYsが大きくなることから、モード制御部17は、アドミタンスYsが閾値Yth1以上である場合に、ガスセンサ素子2が活性化されている状態であると判定する。なお、閾値Yth1は、ガスセンサ素子2が活性化する温度Tth1以上である場合の検出セル5のアドミタンスYsである。
活性化判定処理において、モード制御部17は、端子電圧検出部11のスイッチ43を断続的にオンにして端子電圧検出部11から測定用電流Idを検出セル5に供給させる。モード制御部17は、測定用電流Idが検出セル5に供給されている状態において、端子電圧検出部11によって検出されるVS電圧Vsの変化量ΔVsから検出セル5のアドミタンスYs(=Id/ΔVs)を求める。
モード制御部17は、アドミタンスYsが閾値Yth1以上になった場合(図4に示す時刻t1)に、ガスセンサ素子2が活性したと判定し、動作モードを第2モードへ移行する。フィードバック制御部12は、第2モードへ移行すると、フィードバック制御を開始し、VS電圧Vsに応じた制御電圧Vcntを電流供給部13へ出力する。
これにより、図4に示すように、Vs=VrefとなるようにIP電流Ipが電流供給部13からポンプセル4へ供給され、空燃比演算部15において、IP電流Ipに応じた空燃比(A/F値)の演算が実行される。なお、第2モードにおいて、ヒータ制御部16によってガスセンサ素子2の活性状態が維持される。
次に、ポンプセル4の両端がショートしている状態において、制御装置3がガスセンサ素子2に対する制御を開始してからのCOM電圧Vcom、VS電圧VsおよびIP電流Ipの状態変化について説明する。図5は、ポンプセル4の両端がショートしている状態における、COM電圧Vcom、VS電圧VsおよびIP電流Ipの状態変化を示す図である。
図5に示すように、IP−COM間がショートしている状態において、モード制御部17が第1モードから第2モードへ移行した場合、ポンプセル4にIP電流Ipがほとんど流れない、または、全く流れない。
そのため、ガス検出室90(図3参照)の酸素濃度が制御装置3によって制御できず、VS電圧Vsは、ガスセンサ素子2が配置される空間の酸素濃度(雰囲気)に応じた電圧になり、一定電圧にならない。
例えば、空燃比がリッチである場合、VS電圧Vsは、3.75[V]よりも高くなり、かかる状態が継続すると、IP電流Ipが電圧制御部10の最少電流−I1になる。一方、空燃比がリーンである場合、VS電圧Vsは、3.75[V]よりも低くなり、かかる状態が継続すると、IP電流Ipが電圧制御部10の最大電流+I1になる。そのため、空燃比演算部15においてA/F値を正常に求めることができない。そこで、異常検出部18は、以下のようにIP−COMショート異常を検出する。
[2.2.10.2.異常検出部18の構成および動作]
図2に示すように、異常検出部18は、電流検出部51と、端子間電圧検出部52と、異常判定部53とを備える。
電流検出部51は、電圧制御部10の抵抗R2の両端電圧Vr2を検出し、抵抗R2(例えば、R2=200Ω)の両端電圧Vr2からポンプセル4に流れるIP電流Ip(=Vr2/R2)を検出する。なお、電流検出部51は、電流検出部14と同様の構成であってもよい。また、電流検出部51を設けずに、電流検出部14によって検出されたIP電流Ipを異常判定部53で用いる構成であってもよい。これにより、電流検出部を空燃比演算用と異常検出用とで共用化することができる。
端子間電圧検出部52は、ポンプセル4の両端の電圧として、IP−COM間の電圧である端子間電圧Vicを検出する。なお、端子間電圧検出部52は、IP端子Tipの電圧Vip(以下、IP電圧Vipと記載する)とCOM電圧Vcomとをそれぞれ検出し、IP電圧VipとCOM電圧Vcomとの差を端子間電圧Vicとして検出することができる。
異常判定部53は、IP電流Ipおよび端子間電圧Vicに基づき、IP−COM間がショート状態であるか否かを検出する。かかる異常判定部53は、動作モードを第1モードから第2モードへ切り換えてから所定期間TA(図5参照)が経過してから、IP−COM間がショート状態であるか否かを検出するための異常判定処理を行う。これは、動作モードの移行直後においては空燃比センサ1の動作が安定していないためであり、所定期間TAを設けることにより、異常判定部53による異常の誤判定を防止することができる。
ここで、異常判定部53によって行われる異常判定処理について説明する。図6は、異常判定部53によって行われる異常判定処理の一例を示す図であり、空燃比の状態が、リーン、ストイキ、リッチの順に変化した場合のIP電流Ipおよび端子間電圧Vicの状態と異常判定の閾値Ith1、Vth1との関係を示す。
以下、図6を参照し、IP−COM間、すなわち、ポンプセル4の両端がショートしている状態である場合(以下、ショート時と記載する)と、ポンプセル4の両端がショートしていない状態である場合(以下、正常時と記載する)とについて説明する。
図6に示すように、ショート時において、空燃比の状態がリッチである場合(時刻t0≦t<t3)や空燃比の状態がリーンである場合(時刻t4≦t<t7)に、IP電流Ipの大きさは閾値Ith1以上(|Ip|≧Ith1)になる。
一方で、上述したように、空燃比センサが設けられる車両のエンジン毎に通常制御で使用するA/F値が異なることから、閾値Ith1を固定した場合、図6に示すように、正常時であっても、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上になることがある。
そこで、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であるか否かを判定する仮判定処理を実行した後、端子間電圧Vicに基づいて、IP−COM間がショートしているか否かの最終判定処理を行う。
異常判定部53は、仮判定処理において、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であると判定すると、最終判定処理において、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であるか否かを判定する。かかる処理において、異常判定部53は、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定すると、IP−COM間がショートしていると判定する。
図6に示すように、ショート時において、空燃比の状態がリッチやリーンである場合(時刻t0≦t<t3、時刻t4≦t<t7)、端子間電圧Vicの大きさは閾値Vth1以下(−Vth1≦Vic≦+Vth1)になる。
一方、正常時において、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上である範囲(時刻t0≦t<t1、時刻t6<t≦t7)では、端子間電圧Vicの大きさは閾値Vth1を超える(−Vth1>Vic、Vic>+Vth1)。
したがって、予め閾値Ith1と閾値Vth1とを適切に設定することにより、空燃比センサ1が設けられる車両が異なる場合であっても、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。また、閾値Ith1の調整処理の手間を省くことができる。
図7(a)は、異常判定部53の構成の一例を示す図であり、図7(b)は、異常判定部53の構成の他の例を示す図である。図7(a)に示す異常判定部53は、第1判定部60と、第2判定部61と、カウンタ62と、比較部63とを備える。
第1判定部60は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であるか否かを判定する。第2判定部61は、第1判定部60によってIP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であると判定された場合に、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であるか否かを判定する。
カウンタ62は、第2判定部61が端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定する毎にカウンタ値Cdをインクリメントする。比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上になった場合に、IP−COM間がショートしていると判定し、ショート異常が発生したことを検出する。一方、比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth未満である場合、IP−COM間がショートしていないと判定する。
このように、異常判定部53は、累積カウンタによって異常判定を行うことから、A/F値の状態変化で一時的に異常状態と判定される場合であっても、過検出を行うことなく、精度よく異常を検出することができる。
図7(b)に示す異常判定部53は、第1判定部60と、第2判定部61と、カウンタ62と、比較部63とを備える。第2判定部61は、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であるか否かを判定する。第1判定部60は、第2判定部61によって端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定された場合に、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であるか否かを判定する。
カウンタ62は、第1判定部60がIP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であると判定する毎にカウンタ値Cdをインクリメントする。比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上になった場合に、IP−COM間がショートしていると判定し、ショート異常が発生したことを検出する。一方、比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth未満である場合、IP−COM間がショートしていないと判定する。
なお、図7に示す例では、第1判定部60および第2判定部61が順次判定処理を行う構成であるため、正常時の処理負荷を軽減することができるが、異常判定部53の構成は、図7に示す例に限定されない。
例えば、異常判定部53は、第1判定部60および第2判定部61が並列で判定処理を行い、カウンタ62は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であり、かつ、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下である場合に、カウンタ値Cdをインクリメントする構成であってもよい。これにより、処理速度を高めることができる。
ところで、図7(a)に示すカウンタ62は、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1を超える期間が所定期間Tth以上継続した場合、カウンタ値Cdを初期値C0(例えば、C0=0)に設定して初期化する。また、図7(b)に示すカウンタ62は、閾値Ith1の大きさが閾値Ith1未満の期間が所定期間Tth以上継続した場合、カウンタ値Cdを初期値C0に設定して初期化する。
ここで、所定期間Tthについて説明する。図8は、IP電流Ipとカウンタ値Cdとの関係を示す図である。
図8に示すように、空燃比がストイキである場合、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1未満である。IP電流Ipの大きさが閾値Ith1未満になった場合に、カウンタ値Cdを初期化すると、カウンタ62のカウンタ値Cdは、図8に示す「Cd2」のようになる。そのため、図8に示すように、空燃比がストイキを経由してリーンとリッチを繰り返す場合、異常の検出を精度よく検出することが難しい。
一方、所定期間Tthを用いてカウンタ値Cdの初期化を行う場合、カウンタ62のカウンタ値Cdは、図8に示す「Cd1」のようになる。そのため、空燃比がストイキを経由してリーンとリッチを繰り返す場合、異常の検出を精度よく検出することができる。
図9は、ショート時から正常時に移行した場合のIP電流Ipとカウンタ値Cdとの関係を示す図である。図9に示すように、カウンタ62は、カウンタ値Cdが所定期間TB継続してインクリメントされない場合、カウンタ値Cdを初期化する。これにより、ポンプセル4の両端のショート状態がすぐに解消した場合に異常として検出されることを抑制することができる。
なお、カウンタ62は、カウンタ値Cdが所定期間TB継続してインクリメントされない場合、カウンタ値Cdをディクリメントすることもできる。これによっても、ポンプセル4の両端のショート状態がすぐに解消した場合に異常として検出されることを抑制することができる。
ところで、VS電圧Vsは、フィードバック制御部12によって、Vs=Vcom+Vrefとなるように制御されるが、ポンプセル4がショートしている場合、図10に示すように、VS電圧Vsは、空燃比に応じた電圧になる。図10は、ポンプセル4の両端がショートしている場合のVS電圧Vsの状態を示す図である。
したがって、ポンプセル4の電流および電圧に加え、さらに、検出セル5の電圧であるVS電圧Vsをモニタすることによって異常検出を行うことで、より精度よくポンプセル4の両端のショート状態を検出することができることが分かる。
図11は、異常判定部53の他の構成例を示す図である。図11に示す異常判定部53は、第1判定部60と、第2判定部61と、第3判定部64と、カウンタ62と、比較部63とを備える。なお、第1判定部60、第2判定部61および比較部63は図7に示す構成と同様の構成である。
第3判定部64は、第2判定部61が端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定した場合、端子電圧検出部11によって検出されたVS電圧Vsが閾値Vth2から閾値Vth3までの範囲(以下、所定範囲Sと記載する)であるか否かを判定する。カウンタ62は、第3判定部64によってVS電圧Vsが所定範囲S外であると判定される毎にカウンタ値Cdをインクリメントする。
比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上になった場合に、IP−COM間がショートしていると判定し、ショート異常が発生したことを検出する。一方、比較部63は、カウンタ値Cdが閾値Cth未満である場合、IP−COM間がショートしていないと判定する。これにより、精度よくポンプセル4の両端のショート状態を検出することができることが分かる。
なお、図11に示す例では、図7(a)に示す異常判定部53の第2判定部61とカウンタ62との間に第3判定部64を設ける構成であるが、図7(b)に示す異常判定部53の第1判定部60とカウンタ62との間に第3判定部64を設ける構成であってもよい。
また、第1判定部60の判定処理、第2判定部61の判定処理および第3判定部64の判定処理を並列して行い、これらの判定処理の結果に基づいて、カウンタ値Cdをインクリメントする構成であってもよい。この場合、カウンタ62は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であり、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であり、かつ、VS電圧Vsの大きさが所定範囲S外である場合に、カウンタ値Cdをインクリメントする。これにより、処理速度を高めることができる。
また、異常判定部53は、IP電流Ipおよび端子間電圧Vicによって求められるポンプセル4のインピーダンスZpが閾値Zth1以下であるか否かを判定する構成であってもよい。図12は、異常判定部53のさらに他の構成例を示す図である。
図12に示す異常判定部53は、算出部70と、判定部71とを備える。判定部71は、比較部72と、カウンタ73と、比較部74とを備える。算出部70は、IP電流Ipと端子間電圧Vicとに基づいて、ポンプセル4のインピーダンスZp(=Vic/Ip)を算出する。
比較部72は、所定の判定周期で、インピーダンスZpが閾値Zth1以下であるか否かを判定する。カウンタ73は、比較部72によってインピーダンスZpが閾値Zth1以下であると判定される毎にカウンタ値Cdをインクリメントする。比較部74は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上になった場合に、IP−COM間がショートしていると判定し、ショート異常が発生したことを検出する。
このように、異常判定部53は、インピーダンスZpが閾値Zth1以下である場合に、IP−COM間がショートしていると判定することもできる。かかる構成では、空燃比センサ1が設けられる車両が異なる場合であっても、異常判定部53が異常判定で用いる閾値Zth1の調整処理の手間を省きつつ、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。
なお、空燃比がストイキである場合、IP電流Ipがゼロになるため、インピーダンスZpが無限大になり、算出値がオーバーフローして、カウンタ値Cdが誤ってインクリメントされる可能性がある。そこで、カウンタ62は、IP電流Ipがゼロである場合には、カウンタ値Cdをインクリメントしないようにしている。これにより、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。
また、ポンプセル4のインピーダンスZpとポンプセル4のアドミタンスYpとは逆数の関係にあり、インピーダンスZpが閾値Zth1以下であるか否かの判定は、アドミタンスYpが閾値Yth(=1/Zth1)以上であるか否かの判定と同じである。したがって、異常判定部53の算出部70が、ポンプセル4のアドミタンスYpを算出し、異常判定部53の判定部71が、アドミタンスYpが閾値Yth以下である場合に、IP−COM間がショートしていると判定する構成であってもよい。
なお、上述した実施形態では、制御装置3内に異常判定部53(異常判定装置の一例)を設ける例を説明したが、制御装置3の異常判定部53は外部に設けることができる。この場合、電流検出部51は、例えば、IP端子Tipと端子T1との間に流れる電流をIP電流Ipとして検出し、端子間電圧検出部52は、例えば、端子T1と端子T2との間の電圧を端子間電圧Vicとして検出する。
また、上述した実施形態では、IP電流Ipが正極性であるか負極性であるかに関わらず、閾値Ith1の大きさを同じとしたが、IP電流Ipが正極性であるか負極性であるかによって閾値Ith1の大きさ変えることもできる。例えば、+Ith11≦Ipおよび−Ith12≧Ipであるか否かを判定することもできる。+Ith11および−Ith12は、閾値Ith1の一例である。
同様に、端子間電圧Vicが正極性であるか負極性であるかに関わらず、閾値Vth1の大きさを同じとしたが、端子間電圧Vicが正極性であるか負極性であるかによって閾値Vth1の大きさを変えることもできる。例えば、Vth11≦Vic≦Vth12であるか否かを判定することもできる。Vth11およびVth12は、閾値Vth1の一例である。
[3.異常検出部18の異常判定処理フロー]
次に、フローチャートを用いて、異常検出部18の異常判定処理の流れの一例を説明する。図13は、異常検出部18が実行する主な処理手順を示すフローチャートであり、繰り返し実行される処理である。
図13に示すように、異常検出部18は、動作モードが第1モードから第2モードへ移行してから所定期間TAが経過しているか否かを判定する(ステップS1)。所定期間TAが経過していると判定すると(ステップS1;Yes)、異常検出部18は、IP電流Ip、端子間電圧VicおよびVS電圧Vsを検出する(ステップS2)。かかるIP電流Ipが閾値Ith1以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
次に、異常検出部18は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であると判定すると(ステップS3;Yes)、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であるか否かを判定する(ステップS4)。
端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定すると(ステップS4;Yes)、異常検出部18は、VS電圧Vsが所定範囲S(閾値Vth2から閾値Vth3までの範囲)外であるか否かを判定する(ステップS5)。VS電圧Vsが所定範囲S外であると判定した場合(ステップS5;Yes)、異常検出部18は、カウンタ値Cdをインクリメントする(ステップS6)。
ステップS6の処理が終了すると、異常検出部18は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上であるか否かを判定する(ステップS7)。異常検出部18は、カウンタ値Cdが閾値Cth以上であると判定すると(ステップS7;Yes)、IP−COM間がショートしていることを判定し、異常の発生を検出する(ステップS8)。
異常検出部18は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上ではないと判定した場合(ステップS3;No)、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下ではないと判定した場合(ステップS4:No)、VS電圧Vsが所定範囲S外ではないと判定した場合(ステップS5;No)、処理をステップS9へ移行する。
ステップS9において、異常検出部18は、カウンタ値Cdを最後にインクリメントしてから所定期間TBが経過したか否かを判定する。所定期間TBが経過したと判定すると(ステップS9;Yes)、異常検出部18は、カウンタ値Cdを初期化する(ステップS10)。
ステップS8、S10の処理が終了した場合、カウンタ値Cdが閾値Cth以上ではないと判定した場合(ステップS7;No)、所定期間TBが経過していないと判定した場合(ステップS9;No)、異常検出部18は、次の異常判定処理周期に到達するまで待つ。
以上のように実施形態にかかる空燃比センサ1は、ガス検出室90の酸素濃度を検出するための検出セル5とガス検出室90への酸素の汲み入れや汲み出しを行うポンプセル4とを有するガスセンサ素子2(センサ素子の一例)を備える。かかる空燃比センサ1の異常検出部18(異常検出装置の一例)は、IP電流Ip(第1端子と第2端子との間に流れる電流の一例)と端子間電圧Vic(第1端子と第2端子との間の電圧の一例)とに基づいて、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間のショート状態を判定する異常判定部53を備える。閾値の調整処理の手間を省きつつ、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく検出することができる。
また、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1(所定の大きさの一例)以上であり、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1(所定の大きさの一例)以上である場合に、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間がショートしていると判定する。これにより、ポンプセル4の両端がショートする異常を精度よく且つ簡易に検出することができる。
また、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であると判定した場合に、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間のショート状態を判定する。これにより、ポンプセル4の両端間のショートが発生していない場合に、判定処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、異常判定部53は、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以下であると判定した場合に、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間のショート状態を判定する。これにより、ポンプセル4の両端間のショートが発生していない場合に、判定処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、異常判定部53は、IP電流Ipの大きさが閾値Ith1以上であり、端子間電圧Vicの大きさが閾値Vth1以上である状態が所定期間以上継続する場合に、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間がショートしていると判定する。これにより、誤判定を抑制し、ポンプセル4の両端がショートする異常をさらに精度よく検出することができる。
また、異常判定部53は、算出部70(算出部の一例)と、判定部71とを備える。算出部70は、IP電流Ipと端子間電圧Vicとに基づいて、ポンプセル4のインピーダンスZpを算出する。判定部71は、算出部70によって算出されたインピーダンスZpに基づいて、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間のショート状態を判定する。これにより、ポンプセル4の両端がショートする異常をより精度よく検出することができる。
また、異常検出部18は、IP電流Ipと端子間電圧Vicとに加え、VS電圧Vs(一端がポンプセル4の一端に接続される検出セル5の他端の電圧の一例)に基づいて、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間のショート状態を判定する。これにより、ポンプセル4の両端がショートする異常をさらに精度よく検出することができる。
また、異常判定部53は、第1モードから第2モード(ガスセンサ素子2が活性化して空燃比センサが空燃比を測定する動作モードの一例)へ移行してから所定期間TAが経過した後に、IP端子TipとCOM端子Tcomとの間がショート状態であるか否かの判定を開始する。これにより、モード移行直後の不安定な状態の期間においての異常判定を抑制することができることから、誤判定を抑制することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 空燃比センサ
2 ガスセンサ素子
3 制御装置
4 ポンプセル
5 検出セル
6 ヒータ
10 電圧制御部
11 端子電圧検出部
12 フィードバック制御部
13 電流供給部
14 電流検出部
15 空燃比演算部
16 ヒータ制御部
17 モード制御部
18 異常検出部
51 電流検出部
52 端子間電圧検出部
53 異常判定部

Claims (10)

  1. ガス検出室の酸素濃度を検出するための検出セルと前記ガス検出室への酸素の汲み入れや汲み出しを行うポンプセルとを有するガスセンサ素子を備える空燃比センサの異常検出装置であって、
    前記ポンプセルの一端に接続される第1端子と前記ポンプセルの他端が接続される第2端子との間に流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記第1端子と前記第2端子との間の電圧を検出する端子間電圧検出部と、
    前記電流検出部によって検出された電流と前記端子間電圧検出部によって検出された電圧とに基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する異常判定部と、を備える
    ことを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記異常判定部は、
    前記電流検出部によって検出された電流が所定の大きさ以上であり、かつ、前記端子間電圧検出部によって検出された電圧が所定の大きさ以下である場合に、前記第1端子と前記第2端子との間がショートしていると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記異常判定部は、
    前記電流検出部によって検出された電流が所定の大きさ以上であると判定した場合に、前記端子間電圧検出部によって検出された電圧が所定の大きさ以下であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
  4. 前記異常判定部は、
    前記端子間電圧検出部によって検出された電圧が所定の大きさ以下であると判定した場合に、前記電流検出部によって検出された電流が所定の大きさ以上であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
  5. 前記異常判定部は、
    前記ガスセンサ素子が活性化して前記空燃比センサが空燃比を測定する動作モードへ移行してから所定期間が経過した後に、前記第1端子と前記第2端子との間がショート状態であるか否かの判定を開始する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の異常検出装置。
  6. 前記異常判定部は、
    前記電流検出部によって検出された電流と前記端子間電圧検出部によって検出された電圧とに基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のインピーダンスまたはアドミタンスを算出する算出部と
    前記算出部によって算出された前記インピーダンスまたは前記アドミタンスに基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する判定部と、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  7. 一端が前記ポンプセルの一端に接続される前記検出セルの他端の電圧を検出する端子電圧検出部を備え、
    前記異常判定部は、
    前記電流検出部によって検出された電流と前記端子間電圧検出部によって検出された電圧とに加え、前記端子電圧検出部によって検出された電圧に基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の異常検出装置。
  8. 前記異常判定部は、
    前記電流検出部によって検出された電流が所定の大きさ以上であり、かつ、前記端子間電圧検出部によって検出された電圧が所定の大きさ以下である状態が所定期間継続する場合に、前記第1端子と前記第2端子がショートしていると判定する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の異常検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の異常検出装置を有する
    ことを特徴とする空燃比センサの制御装置。
  10. ガス検出室の酸素濃度を検出するための検出セルと、前記ガス検出室への酸素の汲み入れや汲み出しを行うポンプセルとを備えるガスセンサ素子を有する空燃比センサの異常検出方法であって、
    前記ポンプセルの一端に接続される第1端子と前記ポンプセルの他端が接続される第2端子との間に流れる電流を検出する電流検出工程と、
    前記第1端子と前記第2端子との間の電圧を検出する端子間電圧検出工程と、
    前記電流検出工程によって検出された電流と前記端子間電圧検出工程によって検出された電圧とに基づいて、前記第1端子と前記第2端子との間のショート状態を判定する異常判定工程と、を含む
    ことを特徴とする異常検出方法。
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