JP2017088936A - 蒸着マスク、マスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置 - Google Patents

蒸着マスク、マスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的な強度を高めることができる蒸着マスク、マスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置を提供する。【解決手段】メタルマスク10は、第1面11aと第1面11aとは反対側の第2面11bとを含み、第1面11aと第2面11bとの間を貫通する貫通孔11cであって内周面11dによって区画された複数の貫通孔11cを有した金属製のマスク基材11と、複数の貫通孔11cは、複数の第1貫通孔11c1と、少なくとも1つの第2貫通孔11c2であって、第1貫通孔11c1よりも容積が大きい第2貫通孔11c2とから構成され、第2貫通孔11c2を区画する内周面11dの少なくとも一部に位置する樹脂製の補修部12と、を備える。第2貫通孔11c2と補修部12とが補修孔11c3を構成し、補修部12は、補修孔11c3における内周面11d1の形状を第1貫通孔11c1における内周面11dの形状に適合させる形状を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、蒸着法による成膜に用いられる蒸着マスク、蒸着マスクが備えるマスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置に関する。
スマートフォンやタブレットなどが備える表示装置として、有機ELディスプレイが広く用いられている。有機ELディスプレイは、赤色、緑色、および、青色などの色を有した光を発する複数の有機EL素子を備えている。各有機EL素子は、有機材料製の層として、正孔輸送層、発光層、および、電子輸送層を含んでいる。有機材料製の各層は、蒸着法を用いて複数の有機EL素子を支持する基板の上に形成される。各層が蒸着法によって形成されるときには、基板における所定の位置に対して所定の形状を有した層を形成するために、蒸着用のマスクである蒸着マスクが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−209710号公報
ところで、上述した基板に対する蒸着は、温度の変化や圧力の変化を蒸着マスクに強いる成膜方法であり、1つの蒸着マスクは、通常、こうした成膜方法に繰り返し用いられる。そのため、蒸着マスクには機械的な強度が高いことが求められている。
本発明は、機械的な強度を高めることができる蒸着マスク、マスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔であって内周面によって区画された複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、前記複数の貫通孔は、複数の第1貫通孔と、少なくとも1つの第2貫通孔であって、前記第1貫通孔よりも容積が大きい前記第2貫通孔とから構成され、前記第2貫通孔を区画する前記内周面の少なくとも一部に位置する樹脂製の補修部と、を備える。前記第2貫通孔と前記補修部とが補修孔を構成し、前記補修部は、前記補修孔における内周面の形状を前記第1貫通孔における前記内周面の形状に適合させる形状を有する。
上記構成によれば、貫通孔の内周面に補修部が位置するため、蒸着マスクの機械的な強度が高められる。また、補修部が、補修孔における内周面の形状を第1貫通孔における内周面の形状に適合させる形状を有するため、基板に付着する成膜材料の形状における精度が高まる。
上記蒸着マスクにおいて、前記マスク基材は、インバー材であり、前記補修部が有する熱膨張係数は、64ppm/℃以下であることが好ましい。
上記構成によれば、マスク基材と補修部との間の熱膨張係数の差が、蒸着マスクが加熱されたときに、マスク基材から補修部が剥がれにくくなる程度に小さくなる。
上記蒸着マスクにおいて、前記補修部の形成材料は、ポリイミドまたはポリアミック酸であることが好ましい。
上記構成によれば、蒸着マスクが加熱されたときに、蒸着マスクから補修部が剥がれることを抑える確実性が高まる。
上記蒸着マスクにおいて、前記第2貫通孔は、前記第1面に開口する第1孔と、前記第2面に開口する第2孔であって前記マスク基材の厚さ方向において前記第1孔と連なる前記第2孔とから構成されてもよい。そして、前記第1孔において、前記厚さ方向と直交する断面での面積は、前記第1面において最大であり、かつ、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って小さくなってもよい。また、前記第2孔において、前記厚さ方向と直交する断面での面積は、前記第2面において最大であり、かつ、前記第2面から第1面に向かう方向に沿って小さくなってもよい。前記補修部は、前記内周面の中で、前記第1孔を区画する面、および、前記第2孔を区画する面の少なくとも一方に位置してもよい。
上記構成によれば、第1孔と第2孔とが繋がる位置が接続部であり、第1孔が接続部から第1面に向けて拡がり、かつ、第2孔が接続部から第2面に向けて拡がる形状を有する。そのため、第1孔と第2孔とが接続部から拡がりを有する分だけ、マスク基材は、厚さの薄い部分、すなわち、剛性が低い部分を有する。それゆえに、貫通孔が拡がりを有しない構成と比べて、第2貫通孔に位置する補修部が、蒸着マスクの機械的な強度を高める効果がより顕著になる。
上記蒸着マスクにおいて、前記第1面において前記第1孔の占める面積は、前記第2面において前記第2孔の占める面積よりも大きく、前記補修部は、前記第2孔を区画する前記内周面の一部にのみ位置してもよい。
上記構成によれば、補修部は第2孔を区画する面の一部にのみ位置するため、補修部を有しない構成と比べて、基板のうち、第2貫通孔を通って基板に付着する成膜材料が基板に対して過度に拡がることが抑えられる。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する複数の貫通孔であって、前記複数の貫通孔は、規則的に並ぶ複数の貫通孔と、前記規則的に並ぶ複数の貫通孔以外の貫通孔であるピンホールであって、前記ピンホール以外の他の前記貫通孔よりも容積が小さい前記ピンホールとから構成される複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、前記ピンホールの開口を塞ぐ樹脂製の補修部と、を備える。
上記構成によれば、蒸着マスクの機械的な強度が高められるとともに、ピンホールを通じて成膜対象に蒸着材料が付着することも抑えられる。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔であって内周面によって区画された複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、少なくとも1つの前記貫通孔が補強対象であり、前記補強対象を区画する前記内周面の少なくとも一部に位置する樹脂製の補強部と、を備える。
上記構成によれば、貫通孔の内周面に補強部が位置するため、蒸着マスクの機械的な強度が高められる。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する複数の貫通孔を有し、かつ、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方が段差面であり、前記段差面に少なくとも1つの窪みを有するマスク基材と、少なくとも1つの前記窪みが補強対象であり、前記補強対象に位置する樹脂製の補強部と、を備える。
上記構成によれば、補強対象に補強部が位置するため、蒸着マスクの機械的な強度が高められる。
上記課題を解決するためのマスク基材の補修方法は、マスク基材において補修の対象となる部分である凹部を検出することと、前記凹部に硬化性を有する樹脂を塗布することと、前記凹部に塗布された前記樹脂を硬化させることと、を備える。
上記構成によれば、マスク基材の凹部に硬化した樹脂が位置するため、蒸着マスクの機械的な強度を高めることができる。
上記マスク基材の補修方法において、前記凹部にて硬化した前記樹脂のうち、設計寸法で定められた前記凹部からはみ出す部分をトリミングすること、をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、加工後のマスク基材の構造を設計寸法に近付けることができるため、蒸着マスクの製造における歩留まりが高まる。
上記課題を解決するためのマスク基材の補修装置は、マスク基材において補修の対象となる部分である凹部を検出する検出部と、前記マスク基材における前記凹部に硬化性を有する樹脂を塗布する塗布部と、前記凹部に塗布された前記樹脂を硬化させる硬化部と、前記凹部にて硬化した樹脂のうち、設計寸法で定められた前記凹部からはみ出す部分をトリミングするトリミング部と、を備える。
上記構成によれば、マスク基材の凹部に硬化した樹脂を位置させることができるため、蒸着マスクの機械的な強度を高めることができる。
本発明によれば、蒸着マスクの機械的な強度が高まる。また、本発明によれば、蒸着マスクの機械的な強度を高めることができるマスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置を提供することができる。
実施形態におけるメタルマスクの第2面と対向する平面視における平面構造を示す平面図である。 図1のI−I線に沿う断面構造を拡大して示す拡大断面図である。 メタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 メタルマスクの断面構造の一部を設計寸法に従う仮想的な構造とともに拡大して示す部分拡大断面図である。 メタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 マスク基材の補修装置の概略構成を示すブロック図である。 マスク基材の補修方法における検出工程を示す工程図である。 マスク基材の補修方法における塗布工程を示す工程図である。 マスク基材の補修方法における硬化工程を示す工程図である。 マスク基材の補修方法におけるトリミング工程を示す工程図である。 変形例におけるメタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形例におけるメタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形例におけるメタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形例におけるメタルマスクの第1面と対向する平面視における平面構造の一部を拡大して示す部分拡大平面図である。 図14のII−II線に沿う断面構造であって、ピンホールが補修された後の断面構造を拡大して示す拡大断面図である。 変形例におけるメタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形例におけるメタルマスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 変形例における蒸着マスクの断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
図1から図10を参照して、蒸着マスク、マスク基材の補修方法、および、マスク基材の補修装置を具体化した1つの実施形態を説明する。本実施形態における蒸着マスクは、金属製のメタルマスクであり、また、有機EL素子の製造工程において、成膜対象であるガラス基板に対して有機EL素子を構成する有機材料を蒸着するときに用いられるマスクである。以下では、メタルマスクの構成、メタルマスクの形成材料、マスク基材の補修装置の構成、および、マスク基材の補修方法を順番に説明する。
[メタルマスクの構成]
図1から図5を参照してメタルマスクの構成を説明する。なお、図1は、説明の便宜上から、マスク基材の第2面と対向する平面視でのメタルマスクの平面構造を示している。
図1が示すように、メタルマスク10は、金属製のマスク基材11と、少なくとも1つの樹脂製の補修部12とを備えている。マスク基材11は、第1面と、第1面とは反対側の第2面11bとを含み、第1面と第2面11bとの間を貫通する複数の貫通孔11cを有している。
貫通孔11cは、第2面11bと対向する平面視において、矩形状の領域を区画し、1つの方向および1つの方向と直交する方向に沿って等間隔で規則的に並んでいる。マスク基材11は、第2面11bと対向する平面視において矩形状を有し、メタルマスク10は、マスク基材11の周りを取り囲む枠形状を有したマスク枠13に貼り付けられた状態で用いられることが好ましい。
図2が示すように、各貫通孔11cは第1面11aと第2面11bとの間を貫通し、各貫通孔11cは内周面11dによって区画されている。複数の貫通孔11cは、複数の第1貫通孔11c1と、少なくとも1つの第2貫通孔11c2とから構成されている。第2貫通孔11c2は、第1貫通孔11c1よりも容積が大きい貫通孔11cであり、補修部12は、第2貫通孔11c2を区画する内周面11dの一部に位置している。
第2貫通孔11c2と補修部12とが補修孔11c3を構成し、補修部12は補修孔11c3における内周面11d1の形状を第1貫通孔11c1における内周面11dの形状に適合させる形状を有している。
図3が示すように、第2貫通孔11c2は、第1面11aに開口する第1開口a1と、第2面11bに開口する第2開口a2とを有している。補修部12は、これら2つの開口のうち、第2開口a2の開口幅を狭めている。
第2貫通孔11c2は、第1孔c1と、マスク基材11の厚さ方向において第1孔c1と連なる第2孔c2とから構成されている。第1孔c1は、第1面11aに開口する孔であって、第2孔c2は、第2面11bに開口する孔である。すなわち、第1孔c1は第1開口a1を有する孔であり、第2孔c2は第2開口a2を有する孔である。第1孔c1と第2孔c2とが繋がる位置が接続部c3である。
第1孔c1において、マスク基材11の厚さ方向と直交する断面での面積は、第1面11aにおいて最大であり、かつ、第1面11aから第2面11bに向かう方向に沿って小さくなる。第2孔c2において、マスク基材11の厚さ方向と直交する断面での面積は、第2面11bにおいて最大であり、かつ、第2面11bから第1面11aに向かう方向に沿って小さくなる。
このように、第1孔c1が接続部c3から第1面11aに向けて拡がり、かつ、第2孔c2が接続部c3から第2面11bに向けて拡がる形状を有する。そのため、第1孔c1と第2孔c2とが接続部c3から拡がりを有する分だけ、マスク基材11は、厚さの薄い部分、すなわち、剛性が低い部分を有する。それゆえに、貫通孔が拡がりを有しない構成と比べて、貫通孔11cに位置する補修部12が、メタルマスク10の機械的な強度を高める効果がより顕著になる。
第1面11aにおいて第1孔c1の占める面積は、第2面11bにおいて第2孔c2の占める面積よりも大きい。補修部12は、第2孔c2を区画する内周面11dの一部にのみ位置している。そのため、補修部12を有しない構成と比べて、蒸着材料がガラス基板に対して過度に拡がることが抑えられる。
なお、メタルマスク10は、通常、マスク基材11の第2面11bがガラス基板に向かい合い、かつ、マスク基材11に対するガラス基板とは反対側に蒸着源が位置する状態で、有機EL素子の形成に用いられる。そのため、ガラス基板に形成される有機材料製の層の形状は、第2面11bに開口した第2開口a2の形状に左右される。マスク基材11の厚さ方向と直交する断面において、第2面11bにおける第2孔c2の開口幅が開口幅Wである。
補修部12は、内周面11dのうち、第2孔c2を区画する面の一部にのみ位置している。これにより、第1孔c1を通って第2孔c2に向かう蒸着材料が、ガラス基板のうちで、有機材料製の層が形成されるべき部分よりも広い領域に付着することを抑え、有機材料製の層における形状の精度を高めることが可能になる。
補修部12は、マスク基材11の厚さ方向において、第2面11bから接続部c3までにわたって延び、マスク基材11の内周面11dから離れる方向に向かって張り出している。そのため、補修部12は、第2面11bにおける第2孔c2の開口幅Wを狭めることに加えて、第2孔c2の厚さ方向における全体にわたって、第2孔c2の開口幅を狭めている。これにより、補修部12は、補修孔11c3における内周面11d1の形状を第1貫通孔11c1における内周面11dの形状に適合させている。
マスク基材11の厚さ方向に沿う断面において、内周面11dのうち、第1孔c1を区画する面、および、第2孔c2を区画する面の各々は、略劣弧状を有している。内周面11dのうち、第2開口a2において補修部12が位置する部分における接線が第1接線TL1であり、第1接線TL1と第2面11bとが形成する角度が第1角度θ1である。補修部12のうち、第2開口a2において内周面11dから最も張り出した部分であって、補修孔11c3の内周面11d1における接線が第2接線TL2であり、第2接線TL2と第2面11bとが形成する角度が第2角度θ2である。
このとき、第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きい。そのため、メタルマスク10が蒸着に用いられるとき、補修対象である第2貫通孔11c2では、蒸着材料の通過する孔の接線と第2面11bとが形成する角度が、第1角度θ1から第2角度θ2に大きくなる分だけ、ガラス基板において蒸着材料の付着する領域が拡がることが抑えられる。
なお、複数の貫通孔11cのうち、第1貫通孔11c1も、上述した第2貫通孔11c2と同様、第1孔c1と第2孔c2とから構成されている。
図4を参照して、複数の貫通孔11cのうちで補修の対象である第2貫通孔11c2についてより詳しく説明する。
上述したメタルマスク10が蒸着法に用いられるとき、貫通孔11cを通ってガラス基板に付着する蒸着材料は、第1孔c1からメタルマスク10に入り、接続部c3を通って第2孔c2からメタルマスク10を出る。そのため、蒸着源から放出された蒸着材料において、ガラス基板に付着することが可能な入射角度は、接続部c3の開口幅によって規定され、また、ガラス基板に形成された有機材料製の層における形状は、第2孔c2の形状、より詳しくは第2孔c2の開口幅Wによって規定される。
それゆえに、接続部c3の開口幅と、第2孔c2の開口幅Wとには高い精度が要求され、特に、有機材料製の層における形状の精度を高める上で、第2孔c2の開口幅Wには高い精度が要求されている。第2孔c2の開口幅Wの設計値は、例えば30μmであり、開口幅Wの設計値には、±3μmの精度が、すなわち設計値の誤差が±3μm以内であることが要求されている。なお、開口幅Wの設計寸法は、設計値と誤差とから構成されている。
本実施形態において、第2貫通孔11c2は、第2孔c2の開口幅Wが設計値よりも大きく、かつ、要求される精度を満たさない貫通孔11c、すなわち、設計寸法よりも大きい貫通孔11cである。そして、補修部12によれば、第2孔c2の開口幅Wを狭めることで、開口幅Wに要求される精度を満たすことが可能にもなる。
図4では、説明の便宜上から、貫通孔11cの設計寸法に従うマスク基材11の仮想的な構造である設計構造のうち、第1孔c1に対応する部分である第1基準孔、および、第2孔c2に対応する部分である第2基準孔が二点鎖線で示されている。図4には、設計寸法のうちで、誤差が最大であるときの第1基準孔および第2基準孔が、設計寸法の一例として示されている。なお、図4に示される貫通孔11cのうち、第1孔c1は、第1基準孔と略同一の形状を有している。また、図4では、第2基準孔を二点鎖線で示す都合上、補修部12にドットが付されている。
図4が示すように、第2面11bにおける第2孔c2の開口幅Wは、第2面11bにおける第2基準孔c2sの開口幅である基準開口幅Wsよりも大きい。第2孔c2は、例えばレジストを用いたウェットエッチングによってマスク基材11に形成される。そのため、レジストにおいて、レジストの一部が欠けたり、マスク基材11から剥がれたりすることで、第2孔c2を形成するための孔が、第2基準孔c2sよりも大きくなる場合がある。こうした場合には、第2孔c2における開口幅Wが、第2基準孔c2sにおける基準開口幅Wsよりも大きくなる。
またあるいは、マスク基材11の第2面11bには、窪みが形成されている場合がある。第2面11bに位置する窪みが、マスク基材11のうち、第2孔c2の形成される部分の近傍に位置しているときには、マスク基材11のエッチング工程において、マスク基材11のうちでエッチングされた部分が窪みと繋がることによって、マスク基材11が過度にエッチングされる場合がある。こうした場合にも、第2孔c2における開口幅Wが、第2基準孔c2sにおける基準開口幅Wsよりも大きくなる。
なお、ネガ型レジストを用いたときに、マスク基材11の第2面11bの中で、レジストのうち紫外線を照射する部分に接する部位に異物が位置している場合もある。この場合には、レジストの現像時、あるいは、マスク基材11のエッチング時において、レジストのうち、異物と接する部分が、マスク基材11から剥がれる場合がある。こうした場合にも、マスク基材11が過度にエッチングされて、第2孔c2における開口幅Wが、第2基準孔c2sにおける基準開口幅Wsよりも大きくなる。
上述したように、開口幅Wの大きさには、高い精度が要求されている。この点で、補修部12によれば、開口幅Wを狭めることによって、開口幅Wを基準開口幅Wsに近付けることができる。すなわち、補修部12によれば、ガラス基板に付着する有機材料製の層における形状の精度が高まる。また、補修部12によれば、マスク基材11に形成された複数の貫通孔11cの少なくとも一部を補修することができ、メタルマスク10の製造における歩留まりが高まる。
第2孔c2において、第2基準孔c2sよりも大きい形状を有する部分が、例えば、第2孔c2のうち、第2孔c2の延びる方向の一部に位置している。そのため、補修部12は、第2孔c2のうち、第2基準孔c2sよりも大きい形状を有する部分を埋めるように、第2孔c2の厚さ方向における全体にわたって第2孔c2の内周面11dから張り出し、かつ、第2孔c2の延びる方向の一部に位置している。これにより、補修部12は、補修孔11c3の内周面11dのうち、第2孔c2を区画する面の形状を第2基準孔c2sの形状に適合させている。
なお、第2孔c2において、第2基準孔c2sよりも大きい形状を有する部分が、第2孔c2の延びる方向の全体にわたっているときには、補修部12は、第2孔c2のうち、第2孔c2の延びる方向の全体にわたって位置していることが好ましい。
図5では、説明の便宜上から、マスク基材11の厚さ方向に沿う断面において、第1孔c1を区画する円弧の一部であって、第1孔c1の底部を含む部分が二点鎖線によって仮想的に示されている。また、第2孔c2を区画する円弧の一部であって、第2孔c2の底部を含む部分が二点鎖線によって仮想的に示されている。
図5が示すように、第2孔c2の底部c2bと第2面11bとの間の距離が、第2孔c2の深さDである。蒸着材料製の層における形状の精度を高める上では、第2孔c2の深さDは、小さいほど好ましい。これにより、蒸着材料製の層において、位置の精度、および、層の厚さにおける均一性が高まる。
マスク基材11の厚さ方向に沿う断面において、第1孔c1の底部c1bにおける第1孔c1の接線が第3接線TL3であり、第1孔c1の底部c1bと、第1開口a1の縁とを通る直線が第1直線SL1である。第3接線TL3と第1直線SL1とが形成する角度が第3角度θ3であり、第3角度θ3は、60°以下であることが好ましく、45°以下であることがより好ましい。
第1面11aの法線方向と、蒸着材料の飛行方向とが形成する角度が入射角度である。第3角度θ3が60°以下であれば、入射角度が±30°以上である蒸着材料は、第2貫通孔11c2を通ってガラス基板に付着することができる。そのため、蒸着材料製の層における厚さの均一性を高めつつ、ガラス基板において、蒸着材料の付着する領域が過度に狭まることが抑えられる。
なお、以上では、図5を参照して第2貫通孔11c2について述べたが、第2孔c2の深さDに関する事項、および、第3角度θ3関する事項は、第1貫通孔11c1にも当てはまる。
[メタルマスクの形成材料]
マスク基材11の形成材料は、鉄とニッケルとを主成分とする合金であることが好ましく、例えば、36質量%のニッケルを含む合金であってもよいし、23質量%のニッケルと、5質量%のコバルトを含む合金であってもよい。
これらのうち、マスク基材11の形成材料は、36質量%のニッケルを含む合金、すなわちインバーであることがより好ましい。言い換えれば、マスク基材11は、インバー材であることが好ましい。インバーの熱膨張係数は、1.2×10−6/℃(1.2ppm/℃)程度である。マスク基材11の厚さは、例えば、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
マスク基材11が、インバー材であれば、ガラス基板の熱膨張係数とインバー材の熱膨張係数とが同じ程度である。そのため、メタルマスク10をガラス基板に対する成膜に適用すること、すなわち、形状の精度が高められたメタルマスク10をガラス基板に対する成膜に適用することが可能である。
補修部12が有する熱膨張係数は、64ppm/℃以下であることが好ましい。すなわち、補修部12の形成材料は、64ppm/℃以下の熱膨張係数を有する樹脂であることが好ましい。
マスク基材11がインバー材であり、かつ、補修部12が有する熱膨張係数が64ppm/℃以下であれば、マスク基材11と補修部12との間の熱膨張係数の差が、メタルマスク10が加熱されたときに、マスク基材11から補修部12が剥がれにくくなる程度に小さくなる。
補修部12の形成材料は、ポリイミドまたはポリアミック酸であることが好ましい。これにより、メタルマスク10が加熱されたときに、メタルマスク10から補修部12が剥がれることを抑える確実性が高まる。
ポリイミドは、ポリイミド骨格を有し、かつ、64ppm/℃以下の熱膨張係数を有していれば、側鎖に対して例えばアルコキシシラン基などの置換基を有してもよい。また同様に、ポリアミック酸も、ポリアミック酸の骨格を有し、かつ、64ppm/℃以下の熱膨張係数を有していれば、側鎖に対して例えばアルコキシシラン基などの置換基を有してもよい。
なお、マスク基材11と補修部12との間の密着性は、補修部12の有する熱膨張係数によって大きく支配される。補修部12の熱膨張係数が、上述したように64ppm/℃以下であれば、マスク基材11と補修部12との間の密着性は、メタルマスク10を蒸着用のマスクとして用いたときに、補修部12がマスク基材11から剥がれない程度に高まる。
[マスク基材の補修装置]
図6を参照してマスク基材11の補修装置の構成を説明する。
図6が示すように、補修装置20は、制御部21、撮像部22、塗布部23、硬化部24、および、トリミング部25を備えている。補修装置20はさらに、補修の対象であるマスク基材11が載置されるステージ26を備えている。
制御部21は、撮像部22、塗布部23、硬化部24、および、トリミング部25の各々と電気的に接続され、撮像部22、塗布部23、硬化部24、および、トリミング部25の各々の駆動を制御する。
撮像部22は、制御部21とともに検出部を構成し、検出部は、マスク基材11において補修の対象となる部分である凹部の位置を検出する。本実施形態において、検出部は、凹部の位置として第2貫通孔11c2の位置を検出する。
制御部21は、所定のデータを記憶する記憶部21mを含み、記憶部21mの記憶するデータには、マスク基材11がステージ26における所定の位置に位置決めされたときの各貫通孔11cの位置を示すデータが含まれている。
加えて、記憶部21mの記憶するデータには、設計構造に関するデータが記憶されている。設計構造に関するデータは、第1面11aあるいは第2面11bと対向する方向からマスク基材11を見たときの貫通孔11cの開口における縁の形状を示すデータ、第1面11aあるいは第2面11bにおける貫通孔11c以外の部分の形状を示すデータを含んでいる。設計構造を示すデータは、さらに、第2面11bにおける第2孔c2の開口幅Wを示すデータを含んでいる。なお、設計構造を示すデータは、設計上の貫通孔11cの形状に従うデータであり、貫通孔11cの設計値と、設計値に対して許容される誤差の範囲とを含む設計寸法に従うデータである。
撮像部22は、制御部21から入力される制御信号に応じて、各貫通孔11cを撮像する。撮像部22は、複数の貫通孔11cを1つずつ撮像してもよいし、一度の撮像において2つ以上の貫通孔11cを撮像してもよい。撮像部22は、制御部21から入力される制御信号に応じて、各貫通孔11cに対応する撮像データを生成し、生成した撮像データを制御部21へ出力する。
制御部21は、撮像部22の出力した撮像データと、貫通孔11cの形状を示すデータとに基づき、複数の貫通孔11cの中から、第2貫通孔11c2の位置を検出する。制御部21は、複数の貫通孔11cのうち、設計構造に関するデータによって特定される形状よりも大きい形状を有する貫通孔11cを補修の対象である第2貫通孔11c2として検出する。
制御部21は、例えば、複数の貫通孔11cのうち、縁の一部が、形状を示すデータによって特定される縁からはみ出す形状を有する貫通孔11cを第2貫通孔11c2として検出する。制御部21は、また例えば、設計構造に関するデータによって特定される開口幅Wよりも開口幅Wが大きい貫通孔11cを第2貫通孔11c2として検出する。
制御部21は、検出された貫通孔11cが、塗布部23の処理する位置や、硬化部24の処理する位置へ到達するように、ステージ26を移動させる。
塗布部23は、制御部21から入力される制御信号に応じて、補修の対象として検出された第2貫通孔11c2に硬化性を有する樹脂を塗布する。塗布部23が第2貫通孔11c2に塗布する樹脂は、硬化性を有していればよく、熱硬化性樹脂であってもよいし、紫外線硬化性樹脂であってもよい。樹脂には、樹脂の粘度を調整する調整剤が含まれてもよい。塗布部23は、例えば、第2孔c2を補修するとき、第2孔c2の全体に充填される量の樹脂を第2貫通孔11c2に塗布する。
塗布部23は、第2貫通孔11c2に樹脂を塗布するための機構として、例えば、塗布針、マイクロディスペンサー、インクジェット式のノズル、および、金属プローブを備えるマニピュレーターなどのいずれかを備えていればよい。
硬化部24は、制御部21から入力される制御信号に応じて駆動して、貫通孔11cに塗布された樹脂を硬化させる。第2貫通孔11c2に塗布された樹脂が熱硬化性樹脂であるとき、硬化部24は、例えば赤外線ヒータであればよく、硬化部24は、マスク基材11のうち、樹脂の塗布された部分を含むマスク基材11の一部のみを加熱することのできる構成でもよいし、マスク基材11の全体を一度に加熱する構成であってもよい。
貫通孔11cに塗布された樹脂が紫外線硬化性樹脂であるとき、硬化部24は、例えば紫外線ランプであればよく、硬化部24は、マスク基材11のうち、樹脂の塗布された部分を含むマスク基材11の一部のみに紫外線を照射することのできる構成でもよいし、マスク基材11の全体に一度に紫外線を照射することのできる構成でもよい。
トリミング部25は、制御部21から入力される制御信号に応じて、貫通孔11cにて硬化した樹脂のうち、設計寸法で定められた貫通孔からはみ出す部分をトリミングする。これにより、トリミング部25は、補修孔11c3における内周面11d1の形状を第1貫通孔11c1の内周面11dの形状に適合させる形状を有するように補修部12を形成する。トリミング部25は、例えばレーザーであればよく、樹脂の塗布された第2貫通孔11c2ごとにレーザー光を照射する。
[マスク基材の補修方法]
図7から図10を参照して、マスク基材11の補修方法を説明する。なお、以下では、貫通孔11cのうち、第2孔c2を補修する方法を補修方法の一例として説明する。また、以下では、上述した補修装置20を用いた方法をマスク基材11の補修方法の一例として説明する。また、図7から図10では、図示の便宜上から、マスク基材11には、補修の対象である第2貫通孔11c2が1つのみ図示されている。
マスク基材11の補修方法は、マスク基材11において補修の対象となる部分である第2貫通孔11c2を検出すること、第2貫通孔11c2に硬化性を有する樹脂を塗布すること、および、第2貫通孔11c2に塗布された樹脂を硬化させることを備えている。メタルマスク10の補修方法は、さらに、第2貫通孔11c2で硬化した樹脂のうち、設計寸法で定められた貫通孔からはみ出す部分をトリミングすることを備えている。
図7が示すように、補修の対象となる第2貫通孔11c2を検出すること、すなわち検出工程では、制御部21が、撮像部22に各貫通孔11cを撮像させる。制御部21は、一度の検出工程で、複数の貫通孔11cの全てを撮像部22に撮像させる。そして、制御部21は、撮像部22に撮像データを生成させるとともに、生成した撮像データを制御部21へ出力させる。
次いで、図8が示すように、貫通孔11cに硬化性の樹脂12aを塗布すること、すなわち塗布工程では、制御部21が、補修の対象である第2貫通孔11c2において、第2孔c2の全体に樹脂12aが充填されるように、第2貫通孔11c2に対して塗布部23に所定量の樹脂12aを塗布させる。制御部21は、一度の塗布工程で、補修の対象である第2貫通孔11c2の全てに対して塗布部23に樹脂12aを塗布させる。
図9が示すように、第2貫通孔11c2に塗布された樹脂12aを硬化させること、すなわち硬化工程では、第2貫通孔11c2に塗布された樹脂12aが熱硬化性樹脂であるとき、制御部21は、硬化部24に樹脂12aを加熱させる。一方で、第2貫通孔11c2に塗布された樹脂12aが紫外線硬化性樹脂であるとき、制御部21は、硬化部24に樹脂12aに対して紫外線を照射させる。これにより、制御部21が、第2貫通孔11c2に塗布された樹脂12aを硬化させる。制御部21は、一度の硬化工程で、全ての樹脂12aを硬化部24に硬化させる。
図10が示すように、設計寸法で定められた貫通孔からはみ出す部分をトリミングすること、すなわち、トリミング工程では、制御部21が、トリミング部25に、樹脂12aのうちで、設計構造に関するデータに基づき、設計寸法で定められた貫通孔からはみ出す部分にレーザー光を照射させる。制御部21は、一度のトリミング工程で、樹脂12aの塗布された全ての第2貫通孔11c2をトリミング部25にトリミングさせる。
本実施形態では、第2孔c2の全体に硬化された樹脂12aが位置するため、制御部21は、接続部c3における開口を形成しつつ、かつ、第2孔c2における開口幅Wの大きさが上述した精度を満たすように、トリミング部25にトリミングさせる。
こうした補修方法によれば、マスク基材11の第2貫通孔11c2に硬化した樹脂を位置させ、かつ、トリミング工程を行うことによって、加工後のマスク基材11の構造を設計寸法に近付けることができるため、メタルマスク10の製造における歩留まりが高まる。加えて、マスク基材11が補修部12を有する分だけ、メタルマスク10の機械的な強度を高めることもできる。
[試験例]
[試験例1]
マスク基材としてインバー材を準備し、レジストを用いたウェットエッチングによって、複数の貫通孔をマスク基材に形成した。複数の貫通孔として、第1孔と第2孔とから構成される貫通孔を形成した。
そして、補修装置を用いて、複数の貫通孔のうち、補修の対象となる第2貫通孔の位置を検出した。複数の貫通孔において、貫通孔のうち、第2孔が補修の対象である第2貫通孔の位置が検出された。なお、設計構造において、第2孔の開口幅における設計値を30μmとし、開口幅において許容される誤差の範囲を±3μm以内とした。また、第2貫通孔において、第2面において第2孔の占める面積が、第2基準孔が占める面積よりも大きく、開口幅に対する誤差が+3μmよりも大きいことが認められた。
第2貫通孔に対し、塗布針を用いて第2孔の全体に充填される量の樹脂を塗布した。樹脂には、SP−042(東レ(株)製、熱膨張係数:17ppm/℃)を用いた。
そして、IRスポットヒータを用いて、5Vの電圧で3分間にわたってマスク基材の全体に赤外線を照射した。これにより、第2貫通孔に塗布された樹脂を予備乾燥させた。その後、IRスポットヒータを用いて、マスク基材の全体を30分間にわたって140℃に加熱し、次いで30分間にわたって200℃に加熱し、さらに60分間にわたって300℃に加熱した。これにより、第2貫通孔に塗布した樹脂を本乾燥させた、言い換えれば、樹脂を硬化させた。
次いで、YAGレーザーであって、266nmの波長を有した第4高調波のレーザー光を出力するレーザーを用いて、第2貫通孔に塗布された樹脂をトリミングした。このとき、レーザー光において、エネルギーを50mJ/cmに設定し、ショット回数を500回に設定し、ラップレートを60Hzに設定した。
さらに、レーザーを用いて、第2貫通孔に塗布された樹脂をトリミングした。このとき、レーザー光において、エネルギーを100mJ/cmに設定し、ショット回数を10回に設定し、ラップレートを20Hzに設定した。
その後、マスク基材の全体を30分間にわたって300℃に加熱し、試験例1のメタルマスクを得た。メタルマスクでは、硬化した樹脂がマスク基材から剥がれていないこと、および、補修部が位置する貫通孔において、開口幅の設計値に対する誤差が+1μm以内であり、第2孔における開口幅の大きさが設計寸法を満たすことが認められた。
また、試験例1のメタルマスクに対して、300℃に加熱し、10℃/分の速度で室温に冷却する処理である加速試験を3回繰り返しても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。さらには、試験例1のメタルマスクに対して2kgf/mmの張力を掛ける処理である張力試験を行っても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。
[試験例2]
第2貫通孔に塗布される樹脂としてコンポラセン H851D(荒川化学工業(株)製、熱膨張係数:6ppm/℃)を用いた以外は、試験例1と同じ方法によって試験例2のメタルマスクを得た。
試験例2のメタルマスクでは、メタルマスクが製造された時点において、マスク基材から補修部が剥がれないこと、および、補修部が位置する第2貫通孔において、第2孔の開口幅が設計値に対して+1.5μm以内であることが認められた。また、試験例2のメタルマスクに対して、加速試験を3回繰り返しても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められ、張力試験を行っても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。
[試験例3]
第2貫通孔に塗布される樹脂としてフォトニース(登録商標)(東レ(株)製、熱膨張係数:64ppm/℃)を用いた以外は、試験例1と同じ方法によって試験例3のメタルマスクを得た。
試験例3のメタルマスクでは、メタルマスクが製造された時点において、マスク基材から補修部が剥がれないこと、および、補修部が位置する第2貫通孔において、第2孔の開口幅が設計値に対して+1.0μm以内であることが認められた。また、試験例3のメタルマスクに対して、加速試験を3回繰り返しても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められ、張力試験を行っても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。
[試験例4]
第2貫通孔に塗布される樹脂としてHD−7010(日立化成デュポンマイクロシステムズ(株)製、熱膨張係数:75ppm/℃)を用いた以外は、試験例1と同じ方法によって試験例4のメタルマスクを得た。
試験例4のメタルマスクでは、メタルマスクが製造された時点において、マスク基材から補修部が剥がれないこと、および、補修部が位置する第2貫通孔において、第2孔の開口幅が設計値に対して+1.0μm以内であることが認められた。また、試験例4のメタルマスクに対して、加速試験を3回繰り返したところ、補修部の一部がマスク基材から剥がれることが認められた。一方で、試験例4のメタルマスクに対して張力試験を行っても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。
[試験例5]
第2貫通孔に塗布される樹脂として3022((株)スリーボンド、熱膨張係数:81ppm/℃)を用い、かつ、予備乾燥とトリミングとの間に、以下の処理を行った以外は試験例1と同じ方法によって試験例5のメタルマスクを得た。
すなわち、予備乾燥の後に、高圧水銀ランプを用いて、照度が20mW/cmであり、露光量が200mJ/cmである条件で、マスク基材の全体に紫外線を照射した。そして、マスク基材の全体を20分間にわたって230℃に加熱した。
試験例5のメタルマスクでは、メタルマスクが製造された時点において、マスク基材から補修部が剥がれないこと、および、補修部が位置する第2貫通孔において、第2孔の開口幅が設計値に対して+1.0μm以内であることが認められた。また、試験例5のメタルマスクに対して、加速試験を3回繰り返したところ、補修部の一部がマスク基材から剥がれることが認められた。そして、試験例5のメタルマスクに対して張力試験を行ったところ、マスク基材と補修部との界面において、樹脂層がマスク基材から剥がれることが認められた。
以上説明したように、メタルマスク、マスク基材の補修装置、および、マスク基材の補修方法の1つの実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)補修部12が、補修孔11c3における内周面11d1の形状を第1貫通孔11c1における内周面11dの形状に適合させる形状を有するため、メタルマスク10を用いて形成された有機材料製の層における形状の精度が高まる。
(2)第2貫通孔11c2の内周面11dに補修部12が位置するため、メタルマスク10の機械的な強度が高められる。
(3)補修部12の有する熱膨張係数が64ppm/℃以下であれば、マスク基材11と補修部12との間の熱膨張係数の差が、メタルマスク10が加熱されたときに、マスク基材11から補修部12が剥がれにくくなる程度に小さくなる。
(4)補修部12の形成材料が、ポリイミドまたはポリアミック酸であれば、メタルマスク10が加熱されたときに、メタルマスク10から補修部12が剥がれることを抑える確実性が高まる。
(5)貫通孔11cにおいて、第1孔c1と第2孔c2とが接続部c3から拡がりを有する分だけ、マスク基材11は、厚さの薄い部分、すなわち、剛性が低い部分を有するため、貫通孔11cが拡がりを有しない構成と比べて、貫通孔11cに位置する補修部12の効果がより顕著になる。
(6)補修部12が第2孔c2を区画する面の一部にのみ位置するため、補修部12を有しない構成と比べて、第2貫通孔11c2を通ってガラス基板に付着する有機材料が、基板に対して過度に拡がることが抑えられる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
[補修部の形成される位置]
・補修部12は、マスク基材11の厚さ方向において、第2孔c2における第2面11bから、接続部c3までにわたって延びていなくてもよく、補修部12は、マスク基材11の厚さ方向において、第2面11bから接続部c3までの間における少なくとも一部に位置してもよい。こうした構成であっても、補修部12によって補修孔11c3における内周面11d1の形状の一部は、第1貫通孔11c1の内周面11dの形状に適合するため、上述した(1)の効果を少なからず得ることはできる。
・第2貫通孔11c2における第2孔c2の形状の全体が、第1貫通孔11c1における第2孔c2よりも大きいときには、補修部12は、内周面11dのうち、第2孔c2を区画する面の全体に形成されていてもよい。こうした構成によっても、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。さらには、内周面11dのうち、第2孔c2を区画する面において樹脂の塗布される面積が大きくなる分、メタルマスク10の機械的な強度を高める効果が大きくなる。
・図11では、設計構造における第1基準孔c1sの形状が2点鎖線で示され、第2貫通孔11c2における第1孔c1が実線で示されている。また、図11では、図示の便宜上から、補修部にドットが付されている。
図11が示すように、マスク基材11の厚さ方向と直交する断面において、第2貫通孔11c2のうち、第1面11aにおける第1孔c1の開口幅が、第1基準孔c1sの開口幅よりも大きい場合もある。こうした場合には、第1孔c1の開口幅が第1基準孔c1sの開口幅よりも大きい分だけ、第1孔c1の内周面において、蒸着材料が付着する面積が大きくなり、結果として、蒸着材料のうちで、蒸着材料製の層の形成に寄与しない量が増えてしまう。それゆえに、補修部31は、内周面11dのうち、第1孔c1を区画する面に位置していることが好ましい。
そして、補修部31は、第2貫通孔11c2と補修部31とによって構成される補修孔の内周面の形状を、第1貫通孔11c1における内周面11dの形状、言い換えれば、第1基準孔c1sにおける内周面の形状に適合させる形状であればよい。すなわち、補修部31が、例えば、マスク基材11の厚さ方向において、第1面11aから接続部c3まで延び、かつ、内周面11dから張り出す形状を有している。これにより、第1面11aから接続部c3までにわたって、第1孔c1の開口幅が補修部31によって狭められる。
・第2貫通孔11c2における第1孔c1の形状の全体が、第1貫通孔11c1における第1孔c1よりも大きいときには、補修部31は、内周面11dのうち、第1孔c1を区画する面の全体に形成されていてもよい。こうした構成によっても、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。さらには、内周面11dのうち、第1孔c1を区画する面において樹脂の塗布される面積が大きくなる分、メタルマスク10の機械的な強度を高める効果が大きくなる。
・第2貫通孔11c2には、第1孔c1と第2孔c2とに補修部がそれぞれ位置する貫通孔が含まれてもよい。そして、複数の貫通孔11cには、第1孔c1にのみ補修部が位置する第2貫通孔11c2、第2孔c2にのみ補修部が位置する第2貫通孔11c2、および、第1孔c1と第2孔c2とに補修部がそれぞれ位置する貫通孔のうち、少なくとも2種類の第2貫通孔が含まれてもよい。補修部が、補修孔における内周面の形状を第1貫通孔11c1における内周面の形状に適合させる形状を有していれば、内周面における補修部の位置に関わらず、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
[貫通孔の形状]
・第1面11aに占める第1孔c1の開口面積と、第2面11bに占める第2孔c2の開口面積とは略同一であってもよい。こうした構成であっても、第2貫通孔11c2に位置する補修部の形状が、補修孔における内周面の形状を第1貫通孔11c1における内周面の形状に適合させる形状を有していれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・図12では、設計構造における孔の形状が2点鎖線で示され、図示の便宜上から、補修部にドットが付されている。また、図12には、メタルマスクが備える貫通孔として第2貫通孔の一例である貫通孔のみが示されている。
図12が示すように、メタルマスク40のマスク基材11が有する第2貫通孔41は、マスク基材11の厚さ方向に沿う断面において、略劣弧状を有した内周面41aで区画された1つの孔であり、この1つの孔が、第1面11aと第2面11bとの両方に開口する形状を有してもよい。第2貫通孔41において、第1面11aに占める開口面積が、第2面11bに占める開口面積よりも大きい。メタルマスク40は、第2面11bがガラス基板に対向する状態で、蒸着に用いられる。
マスク基材11の設計構造における貫通孔が、基準貫通孔41sであって、複数の貫通孔における第1貫通孔は、基準貫通孔41sとほぼ同じ形状を有している。第1面11aにおいて、第2貫通孔41の開口幅が基準貫通孔41sの開口幅よりも大きく、かつ、第2面11bにおいて、第2貫通孔41の開口幅が基準貫通孔41sの開口幅よりも大きい。
補修部42は、マスク基材11の厚さ方向において、第1面11aから第2面11bまでにわたって延び、かつ、内周面41aから張り出す形状を有している。すなわち、補修部42が、第2貫通孔41と補修部42とによって構成される補修孔の内周面の形状を、第1貫通孔の内周面の形状に適合させる形状を有するため、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・図12を用いて説明された構成では、補修部42は、マスク基材11の厚さ方向において、第1面11aから第2面11bまでにおける少なくとも一部に位置していてもよい。こうした構成であっても、補修孔の内周面の形状の一部は、第1貫通孔の内周面の形状に適合するため、上述した(1)の効果を少なからず得ることはできる。
・図13が示すように、第2貫通孔51を区画する内周面51aは、例えば矩形筒面であってもよい。こうした第2貫通孔51は、例えば、マスク基材11に対するレーザー光の照射によって形成することができる。なお、メタルマスク50では、複数の貫通孔のうち、第1貫通孔を区画する内周面も矩形筒面である。
補修部52は、第2貫通孔51と補修部52とから構成される補修孔の内周面の形状を第1貫通孔の内周面の形状に適合させる形状を有している。メタルマスク50は、補修部52として、例えば、マスク基材11の厚さ方向において、第1面11aから第2面11bまで延びる補修部52を有している。こうした構成であっても、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・貫通孔を区画する内周面は、台形筒面などであってもよい。要は、内周面の形状に関わらず、第2貫通孔の内周面の少なくとも一部に対して、補修孔の内周面の形状を第1貫通孔の内周面に適合させる形状を有した補修部が位置していれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
[貫通孔以外の補修対象]
・図14が示すように、メタルマスク60が備えるマスク基材11には、規則的に並ぶ複数の貫通孔11cに加えて、規則的に並ぶ複数の貫通孔11c以外の貫通孔であるピンホール11eが形成される場合もある。ピンホール11eは、ピンホール11e以外の他の貫通孔11cよりも容積が小さい。
ピンホール11eは、例えば、ネガ型のレジストを用いて、マスク基材11をウェットエッチングした場合に形成される。すなわち、レジストに対して露光が行われるとき、本来は露光されるべき部分に対する付着物によって、レジストの一部に対する露光が妨げられる。その後、レジストが現像されると、レジストのうち、付着物が位置する部分には、不要な孔が形成される。そのため、このレジストを用いてウェットエッチングされたマスク基材11には、不要な孔に対応する部分にピンホール11eが形成される。
上述した補修装置20を用いた補修方法では、マスク基材11において補修の対象となる部分である凹部として、ピンホール11eの位置を検出することも可能である。例えば、制御部21が、撮像部22に、マスク基材11の全体を撮像させて撮像データを生成させ、かつ、制御部21が、撮像データと、設計構造に関するデータとを比べることによって、ピンホール11eの位置を検出すればよい。
そして、制御部21が、ピンホール11eの全体に樹脂が充填される量の樹脂を塗布部23に塗布させ、次いで、ピンホール11eに塗布された樹脂を硬化部24に硬化させればよい。
なお、補修の対象がピンホール11eであるときには、制御部21は、ピンホール11eにて硬化された樹脂のトリミングをトリミング部25に行わせてもよいし、行わせなくてもよい。制御部21が、トリミング部25にトリミングを行わせるときには、例えば、ピンホール11eにて硬化された樹脂のうち、ピンホール11eからはみ出した部分が除去されるようにトリミング部25にトリミングさせればよい。
これにより、図15が示すように、マスク基材11には、ピンホール11eの全体に位置する補修部61が形成される。なお、補修部61は、ピンホール11eの開口を塞いでいれば、ピンホール11eのうち、マスク基材11の厚さ方向における一部にのみ位置してもよい。
こうした構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(7)ピンホール11eを通じてガラス基板に蒸着材料が付着することを抑えられるとともに、メタルマスク60の機械的な強度が高められる。
以下に、補修の対象がピンホール11eであるときの試験例を説明する。
[試験例6]
試験例6では、樹脂を塗布するときの条件、および、トリミングの条件を変える以外は、試験例1と同じ方法を用いて、マスク基材が有するピンホールに補修部を形成した。試験例6では、ピンホールに対して、ピンホールの全体に充填される量の樹脂を塗布した。そして、トリミングに用いられるレーザー光において、エネルギーを100mJ/cmに設定し、ショット回数を1回に設定し、ラップレートを20Hzに設定した。試験例1では、レーザー光の条件が互いに異なる二度のトリミングを補修部に対して行う一方で、試験例6では、補修部に対するトリミングを一度のみ行った。
試験例6のメタルマスクでは、メタルマスクが製造された時点において、マスク基材から補修部が剥がれないこと、および、ピンホールの全体が補修部によって塞がれていることが認められた。また、試験例6のメタルマスクに対して、加速試験を3回繰り返しても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められ、張力試験を行っても、マスク基材から補修部が剥がれないことが認められた。
[他の変形例]
・複数の貫通孔には、第1の設計寸法に基づき形成された複数の第1貫通孔と、第1の設計寸法とは異なる第2の設計寸法に基づき形成された少なくとも1つの第2貫通孔とが含まれてもよい。そして、第2貫通孔の内周面には、樹脂製の部材が位置してもよく、こうした樹脂製の部材は、第2貫通孔を補修する補修部として機能するのではなく、メタルマスクの剛性を高めて、メタルマスクを補強する補強部として機能する。複数の貫通孔において、補強部の位置する貫通孔が補強対象である。なお、こうした補強部は、複数の貫通孔であって、互いに異なる2以上の設計寸法に基づき形成された貫通孔を含む複数の貫通孔の全てに対して適用されてもよいし、1つの設計寸法に基づき形成された複数の貫通孔の全てに対して適用されてもよい。
・図16が示すように、複数の貫通孔11cにおいて、互いに隣り合う貫通孔11cにおける第1孔c1が、複数の貫通孔11cが並ぶ方向において連なっていてもよい。こうした構成では、互いに隣り合う第1孔c1が連なる部分が連結部c4であり、連結部c4におけるマスク基材11の厚さは、マスク基材11のうち、貫通孔11cが形成されていない部分の厚さよりも小さく、剛性も小さくなる。
そのため、第1孔c1のうち、連結部c4に対して樹脂製の補強部71を位置させることで、連結部c4におけるマスク基材11の厚さを大きくすることができ、結果として、メタルマスク70の機械的な強度を高めることができる。
・図17が示すように、メタルマスク80において、マスク基材11の第1面11aおよび第2面11bの少なくとも一方が段差面であってもよく、例えば、第1面11aが段差面であり、マスク基材11は、第1面11aに少なくとも1つの窪み11fを有する場合がある。この場合には、マスク基材11において、各窪み11fが補強対象であり、各窪み11fに位置して、窪み11fを埋める補強部81を備えてもよい。
こうした構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(8)補強部81は、マスク基材11の有する窪み11fを埋めるため、補強部81によって、マスク基材11の機械的な強度が高められる。
なお、補強部81は、窪み11fの少なくとも一部を埋めていてもよく、こうした構成であっても、窪み11fに補強部81が位置する以上は、マスク基材11の機械的な強度が少なからず高められる。
また、複数の窪み11fの一部が補強対象であってもよいし、第2面11bが窪みを有する段差面であってもよいし、第1面11aと第2面11bとの両方が、窪みを有する段差面であってもよい。
・補修部の形成材料は、補修部の有する熱膨張係数が64ppm/℃以下であれば、ポリイミドおよびポリアミック酸以外の樹脂であってもよい。こうした構成であっても、上述した(3)と同等の効果を得ることはできる。
・メタルマスクが、メタルマスクの温度がほぼ変わらない条件の下で用いられるマスクであれば、補修部の熱膨張係数は64ppm/℃よりも大きくてもよい。こうした構成であっても、メタルマスクが補修部を備える以上は、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・マスク基材11は、インバー材以外の金属材あるいは合金材であってもよく、メタルマスクが補修部を備える以上は、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・マスク基材11は、上述した金属材の他に、金属層と樹脂層との積層体であってもよい。例えば、マスク基材11は、1つの金属層と1つの樹脂層とが積層体された構成であってもよいし、1つの樹脂層が、2つの金属層によって挟まれた構成であってもよい。こうした構成においても、金属層の形成材料はインバーであることが好ましく、また、金属層の形成材料がインバーであれば、樹脂層の形成材料は、ポリイミドであることが好ましい。金属層の形成材料がインバーであり、かつ、樹脂層の形成材料がポリイミドであれば、2つの層の間における熱膨張係数の差により、マスク基材11に反りが生じることが抑えられる。
図18を参照して、蒸着マスクの備えるマスク基材が、金属層と樹脂層とから構成され、金属層の形成材料がインバーであり、かつ、樹脂層の形成材料がポリイミドである例を説明する。
図18が示すように、蒸着マスク90はマスク基材91を備え、マスク基材91は、金属層92と樹脂層93とから構成されている。金属層92のうち、樹脂層93に接する面とは反対側の面がマスク基材91の第1面91aであり、樹脂層93のうち、金属層92に接する面とは反対側の面がマスク基材91の第2面91bである。マスク基材91は、複数の貫通孔91cを有し、貫通孔91cには、第1貫通孔91c1と第1貫通孔91c1よりも容積が大きい第2貫通孔91c2とが含まれている。
各貫通孔91cは、金属層92が有する第1孔c1と、樹脂層93が有する第2孔c2とから構成され、第1面91aにおいて第1孔c1の占める面積は、第2面91bにおいて第2孔c2の占める面積よりも大きい。
第1孔c1は、上述したメタルマスクにおける第1孔と同様、金属層92に対するウェットエッチングによって形成される。そのため、マスク基材91の厚さ方向に沿う断面において、第1孔c1の内周面は、略劣弧状を有し、第1孔c1において、マスク基材91の厚さ方向と直交する断面は、第1面91aから第2面91bに向かう方向において、次第に小さくなる。
これに対して、第2孔c2は、樹脂層93に対してレーザー光線が照射されることによって形成される。そのため、マスク基材91の厚さ方向と直交する断面での面積は、第2孔c2の全体にわたってほぼ等しい。
レーザー光線の照射によって樹脂層93に対して第2孔c2が形成されるとき、レーザー光線の出力におけるばらつきによって、樹脂層93に形成された複数の第2孔c2の一部において、他の第2孔c2よりも容積が大きくなる場合がある。つまり、第2貫通孔91c2の第2孔c2の容積は、第1貫通孔91c1の第2孔c2の容積よりも大きく、補修の対象となる部分である。そのため、第2孔c2の内周面の一部には、補修部94が位置し、補修部94は、第2貫通孔91c2と補修部94とによって構成される補修孔の内周面の形状を第1貫通孔91c1における内周面の形状に適合させる形状を有している。
こうした構成によっても、蒸着マスク90が、第2貫通孔91c2に位置する補修部94を有するため、上述した(1)と同等の効果を得ることができる。
・第2貫通孔11c2の位置は、以下の方法によって検出してもよく、この場合には、記憶部21mが、設計構造に関するデータとして貫通孔11cの容積を記憶している。第2貫通孔11c2の位置を検出するときには、まず、マスク基材11の第1面11aが撮像部22と対向する状態で、マスク基材11がステージ26に配置される。そして、撮像部22が、制御部21から入力される制御信号に基づいて、各貫通孔11cにおける第1孔c1を撮像する。次いで、マスク基材11の第2面11bが撮像部22と対向する状態で、マスク基材11がステージ26に配置される。そして、撮像部22が、制御部21から入力される制御信号に基づいて、各貫通孔11cにおける第2孔c2を撮像する。
その後、制御部21は、各貫通孔11cにおける第1孔c1の縁によって囲まれる面積と、第2孔c2の縁によって囲まれる面積とに基づき貫通孔11cの容積を算出する。制御部21は、各貫通孔11cの容積が、記憶部21mによって記憶された容積よりも大きい貫通孔11cを第2貫通孔11c2として検出すればよい。
・設計構造に関するデータは、設計寸法に従うデータであって、以下のデータ群から選択される少なくとも1つのデータを含んでいればよい。例えば、データ群は、第1面11aと対向する方向からマスク基材11を見たときの貫通孔11cの開口における縁の形状を示すデータ、および、第2面11bと対向する方向からマスク基材11を見たときの貫通孔11cの開口における縁の形状を示すデータを含んでいる。また例えば、データ群は、第1面11aにおける貫通孔11c以外の部分の形状を示すデータ、第2面11bにおける貫通孔11c以外の部分の形状を示すデータ、および、接続部c3における開口幅を示すデータを含む。また例えば、データ群は、第1面11aにおける第1孔c1の開口幅、第2面11bにおける第2孔c2の開口幅W、内周面11dのうち、第1孔c1を区画する面における傾斜角度、および、内周面11dのうち、第2孔c2を区画する面における傾斜角度を含む。
そして、補修装置20の制御部21は、上述したデータ群から選択される少なくとも1つのデータに基づき、第1貫通孔11c1よりも容積が大きい第2貫通孔11c2の位置を検出部に検出させればよい。また、制御部21は、上述したデータ群から選択される少なくとも1つのデータに基づき、第2貫通孔11c2にて硬化した樹脂のうち、設計寸法で定められた貫通孔からはみ出す部分をトリミング部25にトリミングさせればよい。
・塗布工程では、制御部21は、第2孔c2の一部であって、第2基準孔c2sの形状よりも大きい部分にのみ塗布部23に樹脂を塗布させてもよい。こうした構成であっても、制御部21が、第2孔c2の内周面11dの一部に樹脂を塗布させることで、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・塗布工程において、制御部21が、第2貫通孔11c2の一部に対して塗布部23に樹脂を塗布させる構成であって、かつ、塗布部23にマスク基材11における設計構造とは異ならないように樹脂を塗布させる構成であれば、トリミング部25によるトリミングが割愛されてもよい。
・マスク基材11は、第1面11aと対向する平面視において、矩形状以外の形状であって、例えば、正方形状を有してもよいし、四角形状以外の多角形状などの形状を有してもよい。
・各貫通孔11cは、第1面11aと対向する平面視において、例えば、正方形状および円形状などの矩形状以外の形状を区画していてもよい。また、第1面11aと対向する平面視において、上述した1つの方向が第1方向であり、第1方向と直交する方向が第2方向であるとき、複数の貫通孔11cは、以下のように並んでいてもよい。
すなわち、第1方向に沿う複数の貫通孔11cが、1つの行を構成し、第1方向において、複数の貫通孔11cは、所定のピッチで形成されている。そして、各行を構成する複数の貫通孔11cにおいて、第1方向における位置が1行おきに互いに重なる。一方で、第2方向において互いに隣り合う行では、一方の行を構成する複数の貫通孔11cにおける第1方向での位置に対して、他方の行を構成する複数の貫通孔11cにおける第1方向での位置が、1/2ピッチ程度ずれている。言い換えれば、複数の貫通孔11cは千鳥状に並んでいてもよい。
要は、蒸着マスクにおいて、複数の貫通孔11cは、蒸着マスクを用いて形成される有機EL素子の配置に対応するように並んでいればよい。なお、実施形態では、複数の貫通孔11cは、有機EL素子における格子配列に対応するように並ぶ一方で、上述した変形例における複数の貫通孔11cは、有機EL素子におけるデルタ配列に対応するように並んでいる。
・蒸着マスクは、有機EL素子を構成する有機材料製の層を形成する際に用いられるマスクに限らず、蒸着法を用いた成膜において用いられるマスクであればよい。こうした蒸着マスクでは、マスク基材は、蒸着マスクの用途に応じた配列の形態、および、形状を有した複数の貫通孔を有していればよい。
10,40,50,60,70,80…メタルマスク、11,91…マスク基材、11a,91a…第1面、11b,91b…第2面、11c,91c…貫通孔、11c1,91c1…第1貫通孔、11c2,41,51,91c2…第2貫通孔、11c3…補修孔、11d,11d1,41a,51a…内周面、11e…ピンホール、11f…窪み、12,31,42,52,61,94…補修部、12a…樹脂、13…マスク枠、20…補修装置、21…制御部、21m…記憶部、22…撮像部、23…塗布部、24…硬化部、25…トリミング部、26…ステージ、71,81…補強部、90…蒸着マスク、92…金属層、93…樹脂層、a1…第1開口、a2…第2開口、c1…第1孔、c1b,c2b…底部、c1s…第1基準孔、c2…第2孔、c2s…第2基準孔、c3…接続部、c4…連結部。

Claims (11)

  1. 第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔であって内周面によって区画された複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、
    前記複数の貫通孔は、複数の第1貫通孔と、少なくとも1つの第2貫通孔であって、前記第1貫通孔よりも容積が大きい前記第2貫通孔とから構成され、前記第2貫通孔を区画する前記内周面の少なくとも一部に位置する樹脂製の補修部と、を備え、
    前記第2貫通孔と前記補修部とが補修孔を構成し、
    前記補修部は、前記補修孔における内周面の形状を前記第1貫通孔における前記内周面の形状に適合させる形状を有する
    蒸着マスク。
  2. 前記マスク基材は、インバー材であり、
    前記補修部が有する熱膨張係数は、64pm/℃以下である
    請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記補修部の形成材料は、ポリイミドまたはポリアミック酸である
    請求項2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記第2貫通孔は、前記第1面に開口する第1孔と、前記第2面に開口する第2孔であって前記マスク基材の厚さ方向において前記第1孔と連なる前記第2孔とから構成され、
    前記第1孔において、前記厚さ方向と直交する断面での面積は、前記第1面において最大であり、かつ、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って小さくなり、
    前記第2孔において、前記厚さ方向と直交する断面での面積は、前記第2面において最大であり、かつ、前記第2面から第1面に向かう方向に沿って小さくなり、
    前記補修部は、前記内周面の中で、前記第1孔を区画する面、および、前記第2孔を区画する面の少なくとも一方に位置する
    請求項2または3に記載の蒸着マスク。
  5. 前記第1面において前記第1孔の占める面積は、前記第2面において前記第2孔の占める面積よりも大きく、
    前記補修部は、前記第2孔を区画する前記内周面の一部にのみ位置する
    請求項4に記載の蒸着マスク。
  6. 第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する複数の貫通孔であって、前記複数の貫通孔は、規則的に並ぶ複数の貫通孔と、前記規則的に並ぶ複数の貫通孔以外の貫通孔であるピンホールであって、前記ピンホール以外の他の前記貫通孔よりも容積が小さい前記ピンホールとから構成される複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、
    前記ピンホールの開口を塞ぐ樹脂製の補修部と、を備える
    蒸着マスク。
  7. 第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔であって内周面によって区画された複数の前記貫通孔を有したマスク基材と、
    少なくとも1つの前記貫通孔が補強対象であり、前記補強対象を区画する前記内周面の少なくとも一部に位置する樹脂製の補強部と、を備える
    蒸着マスク。
  8. 第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを含み、前記第1面と前記第2面との間を貫通する複数の貫通孔を有し、かつ、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方が段差面であり、前記段差面に少なくとも1つの窪みを有するマスク基材と、
    少なくとも1つの前記窪みが補強対象であり、前記補強対象に位置する樹脂製の補強部と、を備える
    蒸着マスク。
  9. マスク基材において補修の対象となる部分である凹部を検出することと、
    前記凹部に硬化性を有する樹脂を塗布することと、
    前記凹部に塗布された前記樹脂を硬化させることと、を備える
    マスク基材の補修方法。
  10. 前記凹部にて硬化した前記樹脂のうち、設計寸法で定められた前記凹部からはみ出す部分をトリミングすること、をさらに備える
    請求項9に記載のマスク基材の補修方法。
  11. マスク基材において補修の対象となる部分である凹部を検出する検出部と、
    前記マスク基材における前記凹部に硬化性を有する樹脂を塗布する塗布部と、
    前記凹部に塗布された前記樹脂を硬化させる硬化部と、
    前記凹部にて硬化した樹脂のうち、設計寸法で定められた前記凹部からはみ出す部分をトリミングするトリミング部と、を備える
    マスク基材の補修装置。
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