JP2017088120A - 船舶の操船制御方法および船舶の操船制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した方位制御を行うことが可能な船舶の操船制御方法を提供する。【解決手段】目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向を制御する。これにより、船舶の方位制御を行う場合には、目標ヨーレート(目標とする方位の変化速度)と実際のヨーレートと(実際の方位の変化速度)の両方に基づいて推進機の推力の方向が制御されて方位制御が行われるので、目標とする方位と船舶の実際の方位との差にのみ基づいて船舶の方位制御を行う場合に比べて、船舶の実際の方位を目標とする方位に迅速に収束させることができる。【選択図】図11
Description
この発明は、船舶の操船制御方法および船舶の操船制御システムに関する。
従来、船舶の操船制御方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、船首方位を目標方位に制御する船首優先制御と、前後方向または左右方向の移動制御を行う位置回復制御とを行う船舶の定点位置保持方法(船舶の操船制御方法)が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の船舶の定点位置保持方法では、船首優先制御(方位制御)を行うことが可能である一方、船舶では、波や潮、風などの外的要因によって船舶の方位がずれるとともに、外的要因毎に船舶の方位のずれ方が異なる。この場合に、上記特許文献1には明記されていないが、たとえば目標方位と船首方位との差にのみ応じて船首優先制御が行われる場合には、船首方位が目標方位に収束しにくい場合があるため、安定した方位制御を行うことが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、安定した方位制御を行うことが可能な船舶の操船制御方法および船舶の操船制御システムを提供することである。
この発明の第1の局面による船舶の操船制御方法は、推進機が設けられた船舶の操船制御方法であって、目標ヨーレートを設定し、船舶の実際のヨーレートを検出し、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向を制御する。
この第1の局面による船舶の操船制御方法では、上記のように、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向を制御する。これにより、船舶の方位制御を行う場合には、目標ヨーレート(目標とする方位の変化速度)と実際のヨーレートと(実際の方位の変化速度)の両方に基づいて推進機の推力の方向が制御されて方位制御が行われるので、目標とする方位と船舶の実際の方位との差にのみ基づいて船舶の方位制御を行う場合に比べて、船舶の実際の方位を目標とする方位に迅速に収束させることができる。その結果、安定した方位制御を行うことができる。船舶の旋回制御を行う場合には、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの両方に基づいて推進機の推力の方向が制御されて旋回制御が行われるので、船舶を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御を容易に行うことができる。
上記第1の局面による船舶の操船制御方法において、好ましくは、目標方位を取得し、船舶の実際の方位を取得し、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、目標方位と実際の方位との差を減じるように推進機の推力の方向を制御することによって、船舶の方位制御を行う。このように構成すれば、容易に、船舶の実際の方位を目標とする方位(目標方位)に収束させることができる。
この場合、好ましくは、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差に応じて、推進機の推力の方向を制御する。このように構成すれば、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの差に応じて、精度良く方位制御を行うことができる。
上記方位制御を行う構成において、好ましくは、船舶の船速を取得し、船速に応じて、目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、船舶の船速に応じて、目標ヨーレートを適切に設定することができるので、方位制御を適切に行うことができる。
この場合、好ましくは、船速が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が小さくなるように目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、船舶の船速が比較的大きく船舶が方位を変化させやすい場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的小さく設定することができる。船舶の船速が比較的小さく船舶が方位を変化させにくい場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的大きく設定することができる。これらの結果、目標ヨーレートをより適切に設定することができるので、方位制御をより適切に行うことができる。
上記方位制御を行う構成において、好ましくは、目標方位と実際の方位との差に応じて、目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、目標方位と実際の方位との差に応じて、目標ヨーレートを適切に設定することができるので、方位制御を適切に行うことができる。
この場合、好ましくは、目標方位と実際の方位との差の絶対値が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が大きくなるように目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、目標方位と実際の方位との差が比較的大きく船舶の方位を大きく変化させる必要がある場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的大きく設定することができる。目標方位と実際の方位との差が比較的小さく船舶の方位を小さく変化させる必要がある場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的小さく設定することができる。これらの結果、目標ヨーレートをより適切に設定することができるので、方位制御をより適切に行うことができる。
上記方位制御を行う構成において、好ましくは、目標ヨーレートには、制限値が設けられている。このように構成すれば、目標ヨーレートが過度に大きく設定されることを防止することができる。
上記第1の局面による船舶の操船制御方法において、好ましくは、船舶の目標旋回情報を取得し、船舶の船速を取得し、目標旋回情報および船速に基づいて、目標ヨーレートを設定し、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように推進機の推力の方向を制御することによって、船舶の旋回制御を行う。このように構成すれば、実ヨーレートが、目標旋回情報および船速に基づいて設定された目標ヨーレートに近づくように推進機の推力の方向が制御されるので、船舶を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御をより容易に行うことができる。
この場合、好ましくは、目標旋回情報として、船舶の目標旋回半径を取得し、目標旋回半径および船速に基づいて、目標ヨーレートを設定し、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように推進機の推力の方向を制御することによって、目標旋回半径で船舶を旋回させる。このように構成すれば、取得された目標旋回半径での旋回制御を容易に行うことができる。
上記目標旋回半径で船舶を旋回させる構成において、好ましくは、旋回目標方位を取得し、船舶の旋回中に船舶の実際の方位を取得し、旋回目標方位と実際の方位とに基づいて、目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、旋回目標方位と実際の方位とに基づいて、旋回中の船舶の目標ヨーレートを適切に設定することができるので、取得された目標旋回半径での旋回制御を適切に行うことができる。
この場合、好ましくは、実際の方位が所定の角度範囲外である場合には、目標旋回半径および船速に基づく固定の目標ヨーレートを設定し、その後、実際の方位が所定の角度範囲以内になった場合には、旋回目標方位と実際の方位との差を減じるように目標ヨーレートを設定する。このように構成すれば、実際の方位が旋回目標方位に近づくまでは、固定の目標ヨーレートにより安定して旋回制御を行うことができる。実際の方位が旋回目標方位に近づいた後には、旋回目標方位と実際の方位との差を減じるような目標ヨーレートにより実際の方位を旋回目標方位に容易に収束させることができる。
上記旋回制御を行う構成において、好ましくは、船速に応じて、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて設定される目標転舵角の制限値とのうちの少なくともいずれか1つを変更する。このように構成すれば、たとえば、船舶の船速が比較的小さく船舶が旋回しにくい場合には、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを大きくなるように変更することができる。たとえば、船舶の船速が比較的大きく船舶が旋回しやすい場合には、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを小さくなるように変更することができる。これらの結果、船速に応じた旋回制御を容易に行うことができる。
この場合、好ましくは、船速に応じた制御ゲインと目標ヨーレートの制限値と目標転舵角の制限値とは、船速および目標旋回情報に基づく遠心力の大きさに基づいて決定されている。このように構成すれば、遠心力の大きさに基づいて制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とが決定されるので、船舶の旋回中の遠心力が過度に大きくなるのを抑制することができる。
上記第1の局面による船舶の操船制御方法において、好ましくは、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向に加えて、推進機の推力の大きさも制御する。このように構成すれば、推進機の推力の方向に加えて、推力の大きさも制御することによって、方位制御や旋回制御をより容易に行うことができる。
上記第1の局面による船舶の操船制御方法において、好ましくは、推進機の転舵角を制御することによって、推進機の推力の方向を制御する。このように構成すれば、推進機の推力の方向を容易に変更することができる。
この発明の第2の局面による船舶の操船制御システムは、推進機と、目標ヨーレートを設定する設定部と、船舶の実際のヨーレートを検出するヨーレート検出部と、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向を制御する制御部と、を備える。
この第2の局面による船舶の操船制御システムでは、上記のように、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向を制御する制御部設ける。これにより、上記第1の局面による船舶の操船制御方法の場合と同様に、安定した方位制御を行うことができるとともに、船舶を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御を容易に行うことができる。
上記第2の局面による船舶の操船制御システムにおいて、好ましくは、設定部は、目標方位を取得し、船舶の実際の方位を取得し、目標方位および実際の方位に基づいて、目標ヨーレートを設定するように構成されており、制御部は、目標ヨーレートと実際のヨーレートとに基づいて、目標方位と実際の方位との差を減じるように推進機の推力の方向を制御することによって、船舶の方位制御を行うように構成されている。このように構成すれば、容易に、船舶の実際の方位を目標とする方位(目標方位)に収束させることができる。
上記第2の局面による船舶の操船制御システムにおいて、好ましくは、設定部は、船舶の目標旋回情報を取得し、船舶の船速を取得し、目標旋回情報および船速に基づいて、目標ヨーレートを設定するように構成されており、制御部は、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように推進機の推力の方向を制御することによって、船舶の旋回制御を行うように構成されている。このように構成すれば、実ヨーレートが、目標旋回情報および船速に基づいて設定された目標ヨーレートに近づくように推進機の推力の方向が制御されるので、船舶を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御をより容易に行うことができる。
本発明によれば、上記のように、安定した方位制御を行うことが可能な船舶の操船制御方法および船舶の操船制御システムを提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[一実施形態]
(船舶の構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による船舶の操船制御システム100を備えた船舶1の構成について説明する。なお、図中、FWDは、船舶1の前進方向を示しており、BWDは、船舶1の後進方向を示している。図中、Rは、船舶1の右舷(スターボード)方向を示しており、Lは、船舶1の左舷(ポートサイド)方向を示している。
(船舶の構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による船舶の操船制御システム100を備えた船舶1の構成について説明する。なお、図中、FWDは、船舶1の前進方向を示しており、BWDは、船舶1の後進方向を示している。図中、Rは、船舶1の右舷(スターボード)方向を示しており、Lは、船舶1の左舷(ポートサイド)方向を示している。
船舶1は、図1および図2に示すように、船体2と、1機の船外機3と、1機の転舵装置4と、ステアリングホイール5と、リモコン6と、タッチパネル端末7と、方位検出部8と、GPS(グローバルポジショニングシステム)装置9と、ヨーレート検出部10と、制御装置11とを備えている。なお、船外機3は、特許請求の範囲の「推進機」の一例である。制御装置11は、特許請求の範囲の「設定部」および「制御部」の一例である。
船外機3は、船体2に推力を与える推進機である。船外機3は、船体2の後部に取り付けられている。船外機3は、船体2に推力を与えるための動力源としてのエンジン31を含んでいる。船外機3は、エンジン31の下方に延びるように配置されるドライブシャフト(図示せず)と、ドライブシャフトと直交(交差)する方向に延びる1本のプロペラシャフト(図示せず)と、プロペラシャフトの後端部に取り付けられ、プロペラシャフトと共に回転される1つのプロペラ(図示せず)とを含んでいる。船外機3では、エンジン31により発生された駆動力が、ドライブシャフトとプロペラシャフトとを介して、プロペラに伝達される。これにより、プロペラが回転して、船外機3から船体2に推力が与えられる。
転舵装置4は、船外機3を転舵するために設けられている。転舵装置4は、船体2の後部において、船外機3の取付位置と対応する位置に取り付けられている。転舵装置4は、船外機3を左右方向に回動(転舵)させる動力源としての転舵アクチュエータ41と、船外機3の転舵角(回動角)を検出するための転舵角検出部42とを含んでいる。なお、転舵角(回動角)は、船舶1の前後方向と船外機3の推力の方向とがなす角度である。
転舵アクチュエータ41は、制御装置11の制御に基づいて、船外機3を回動軸周りに左右方向に回動させる。これにより、船外機3の転舵角を変化させることが可能であるとともに、船外機3の推力の方向を制御し、船舶2の方位を変化させることが可能である。転舵角検出部42により検出された転舵角は、制御装置11により取得される。
ステアリングホイール5は、船体2を操舵するために設けられている。ステアリングホイール5は、制御装置11を介して、転舵装置4に接続されている。そして、ステアリングホイール5の操作に基づいて、転舵装置4により船外機3が転舵されることによって、船体2が操舵される。
リモコン6は、船外機3のシフトおよび出力(スロットル開度)を操作するために設けられている。リモコン6は、制御装置11を介して、船外機3に接続されている。そして、リモコン6の操作に基づいて、船外機3の出力およびシフト(前進、後進または中立)が制御される。
タッチパネル端末7は、船体2の移動を操作するためや、船舶1の運転状態のモードの選択および切り替えるためなどに用いられる。具体的には、タッチパネル端末7は、船外機3を制御して、船舶1の移動を操作することが可能である。タッチパネル端末7は、持ち運び可能であり、船舶1の任意の場所においてユーザが手に持って船舶1を操船することが可能である。タッチパネル端末7は、たとえば、タブレット端末である。
タッチパネル端末7は、船舶1の情報を表示する。たとえば、タッチパネル端末7には、船舶1の船速、エンジン31の回転数、燃料(ガソリン)の残量および消費量、燃費、エンジン31の温度、バッテリの容量、運転状態のモードなどの情報が表示される。タッチパネル端末7は、ユーザの操作により、運転状態のモードの選択を受け付ける。運転状態のモードは、自動で船舶1を操縦させるオートクルーズモード、船舶1の着岸時および離岸時の離着岸モード、低速で航行させるトローリングモード、水上スキーやウェークボードなどをトーイングするトーイングモードを含む。タッチパネル端末7は、有線通信または無線通信により制御装置11に通信可能に接続されている。
方位検出部8は、船舶1の船首の方向を検出するために設けられている。方位検出部8により検出された船舶1の船首の方向は、制御装置11により船舶1の実際の方位(以下、「実方位」という)として取得される。方位検出部8は、たとえば、電子コンパスである。
GPS装置9は、船舶1の位置および速度(船速)を検出するために設けられている。GPS装置9により検出された船舶1の位置および船速は、制御装置11により取得される。
ヨーレート検出部10は、船舶1のヨーレート(転舵角の変化速度)を検出するために設けられている。ヨーレート検出部10により検出された船舶1のヨーレートは、制御装置11により船舶1の実際のヨーレート(以下、「実ヨーレート」という)として取得される。ヨーレート検出部10は、たとえば、ジャイロセンサである。
制御装置11は、船外機3、転舵装置4、ステアリングホイール5、リモコン6、タッチパネル端末7、方位検出部8、GPS装置9、およびヨーレート検出部10などからの情報に基づいて、船外機3および転舵装置4などを制御する。
(船舶の操船制御システムの構成)
船舶の操船制御システム100は、図2に示すように、船外機3と、転舵装置4と、ステアリングホイール5と、リモコン6と、タッチパネル端末7と、方位検出部8と、GPS装置9と、ヨーレート検出部10と、制御装置11とを備えている。
船舶の操船制御システム100は、図2に示すように、船外機3と、転舵装置4と、ステアリングホイール5と、リモコン6と、タッチパネル端末7と、方位検出部8と、GPS装置9と、ヨーレート検出部10と、制御装置11とを備えている。
ここで、本実施形態では、制御装置11は、目標ヨーレートを設定し、設定された目標ヨーレートと、ヨーレート検出部10により検出される実ヨーレートとに基づいて、船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の方位制御、または船舶1の旋回制御を行うように構成されている。この際、制御装置11は、転舵装置4により船外機3の転舵角を制御することによって、船外機3の推力の方向を制御する。
<方位制御に関する構成>
図3〜図6を参照して、方位制御を説明する。方位制御では、制御装置11は、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて、目標とする方位(以下、「目標方位」という)と実方位との差を減じるように(実方位が目標方位に近づくように)船外機3の推力の方向を制御する。これにより、船舶1の実方位を目標方位に略収束させることが可能である。この結果、船舶1の実方位(船首の方向)が目標方位に保持される。
図3〜図6を参照して、方位制御を説明する。方位制御では、制御装置11は、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて、目標とする方位(以下、「目標方位」という)と実方位との差を減じるように(実方位が目標方位に近づくように)船外機3の推力の方向を制御する。これにより、船舶1の実方位を目標方位に略収束させることが可能である。この結果、船舶1の実方位(船首の方向)が目標方位に保持される。
図3に示すように、まず、制御装置11は、目標方位を取得する。たとえば、制御装置11は、タッチパネル端末7を用いてユーザにより方位制御の開始が指示された場合に、この場合において方位検出部8により検出される船舶1の方位を目標方位として取得する。たとえば、制御装置11は、方位制御中に、タッチパネル端末7を用いてユーザにより所定の角度分だけ目標方位の変更が指示された場合に、変更後の目標方位を新たな目標方位として取得し直す。
制御装置11は、方位制御中に方位検出部8により検出される船舶1の船首の方向を、実方位として取得する。制御装置11は、図4に示すように、取得された目標方位と実方位との差に応じて、目標ヨーレートを取得して設定する。
具体的には、制御装置11は、目標方位と実方位との差の絶対値が0以上第1しきい値Th1(Th1>0)以下の数値範囲である場合には、目標ヨーレートとして略0を取得して設定する。制御装置11は、目標方位と実方位との差の絶対値が第1しきい値Th1よりも大きく第2しきい位置Th2(Th2>Th1)以下の数値範囲である場合には、目標方位と実方位との差の絶対値が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が大きくなるように目標ヨーレートを取得して設定する。制御装置11は、目標方位と実方位との差の絶対値が第2しきい値Th2よりも大きい場合には、目標ヨーレートとして予め決められた制限値を取得して設定する。すなわち、目標ヨーレートには、制限値が設けられている。
図2に示すように、制御装置11は、GPS装置9により検出される船舶1の実際の船速(以下、「実船速」という)を取得する。ここで、制御装置11は、図4に示すように、目標方位と実方位との差に加えて、実船速にも応じて、目標ヨーレートを取得して設定する。
具体的には、制御装置11は、実船速が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が小さくなるように目標ヨーレートを取得して設定する。図4に示すように、実船速が比較的大きい場合には、実船速が比較的小さい場合に比べて、絶対値が小さい目標ヨーレートが取得されている。この際、実船速が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの制限値の絶対値も小さくなる。
図3に示すように、制御装置11は、ヨーレート検出部10により検出される実ヨーレートを取得する。制御装置11は、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように(実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように)目標とする転舵角(以下、「目標転舵角」という)を補正して設定する。この際、制御装置11は、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差の絶対値が大きくなるのに応じて、目標転舵角の補正値の絶対値が大きくなるように目標転舵角を補正して設定する。制御装置11は、目標ヨーレートの場合と同様に、実船速が大きくなるのに応じて、目標転舵角の補正値の絶対値が小さくなるように目標転舵角を補正して設定する。
なお、目標転舵角には、目標ヨーレートの場合と同様に、目標転舵角の制限値が設けられている。
制御装置11は、転舵装置4の転舵角検出部42により検出される船外機3の実際の転舵角(以下、「実転舵角」という)を取得する。制御装置11は、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように(実転舵角が目標転舵角に近づくように)転舵装置4による船外機3の転舵角の制御(転舵制御)を行う。これらの結果、制御装置11は、船外機3の転舵角を制御して、船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の方位制御を行う。
図5に、方位制御における、目標ヨーレートと、実ヨーレートと、目標転舵角と、時間との関係の一例を示す。図6に、図5に示す例における、方位制御の動作例を示す。図6の(B)〜(F)には、それぞれ、図5に示す時点t0〜t4の時点における船舶1の状態を示す。
図6の(A)に示すように、船舶1の実方位が目標方位に略収束した状態から、図6の(B)に示すように、風や、潮、波などの影響により船舶1の実方位が目標方位から所定の方位差だけ右回りにずれたとする。また、時点t0において、船舶1に右回りのヨーレートが発生しているとする。
この場合、図5および図6の(B)に示すように、時点t0において、目標方位から所定の方位差だけ右回りにずれた実方位が検出される。そして、検出された実方位と目標方位との差(方位差)に応じて、目標ヨーレートが設定される。具体的には、目標方位と実方位との差を減じるように左回りの目標ヨーレートが設定される。
また、時点t0では、右回りの実ヨーレートが検出される。そして、検出された実ヨーレートと目標ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。具体的には、船舶1を左回りに回頭させる推力が増加するように、目標転舵角が大きくなるように補正されて設定される。この際、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じた大きさの補正値により、目標転舵角が補正されて設定される。図5に示すように、時点t0では、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差が比較的大きいため、比較的大きい補正値により、目標転舵角が補正されて設定される。その後、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。なお、図5に示すように、転舵制御は、所定の周期毎に行われる。
その後、図5および図6の(C)に示すように、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差が減じられることによって、時点t1において、実ヨーレートが0になる。つまり、時点t1では、船舶1に右回りおよび左回りのいずれのヨーレートも発生していない。なお、時点t0から時点t1の間では、船舶1に右回りのヨーレートが発生しているため、実方位と目標方位との差が大きくなる。このため、時点t0から時点t1の間では、実方位と目標方位との差に応じた目標ヨーレートも大きくなるように設定される。時点t1以降では、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差がさらに減じられることによって、船舶1に左回りのヨーレートが発生する。
その後、図5および図6の(D)に示すように、時点t2では、船舶1に左回りのヨーレートが発生しているため、実方位と目標方位との差が小さくなる。このため、時点t2では、直前の目標ヨーレートに比べて小さくなるように左回りの目標ヨーレートが設定される。
また、時点t2では、左回りの実ヨーレートが検出される。そして、検出された実ヨーレートと目標ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。具体的には、船舶1を左回りに回頭させる推力が増加するように、目標転舵角が大きくなるように補正されて設定される。この際、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じた大きさの補正値により、目標転舵角が補正されて設定される。図5に示すように、時点t2では、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差が時点t0に比べて小さくなっているため、時点t0に比べて小さい補正値により、目標転舵角が補正されて設定される。その後、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。
その後、図5および図6の(E)に示すように、時点t3では、船舶1に左回りにヨーレートが発生しているため、実方位と目標方位との差が小さくなる。このため、時点t3では、直前の目標ヨーレートに比べて小さくなるように左回りの目標ヨーレートが設定される。
また、時点t3では、左回りの実ヨーレートが検出される。そして、検出された実ヨーレートと目標ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。時点t3では、実ヨーレートが目標ヨーレートよりも大きくなっているため、船舶1を左回りに回頭させる推力が減少するように、目標転舵角が小さくなるように補正されて設定される。この際、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じた大きさの補正値により、目標転舵角が補正されて設定される。その後、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。
その後、図5および図6の(F)に示すように、時点t4では、実ヨーレートが目標ヨーレートに略収束した状態になるとともに、実方位が目標方位に略収束した状態になる。そして、実方位が目標方位に略収束した状態となった後においても、所定の周期毎に、同様の制御が行われる。なお、図6の(F)に示す例では、時点t4における風や、潮、波などの影響により、目標ヨーレートが0であっても、実転舵角は、中立(0)にはならない。また、図5に示す例では、時点t4以降は、目標方位と実方位との差の絶対値が0以上第1しきい値Th1以下の数値範囲内に収まっているため、目標ヨーレートが変化していない。以上のように、船舶1の方位制御が行われる。
<旋回制御に関する構成>
図7〜図10を参照して、旋回制御を説明する。本実施形態では、目標旋回半径を指定した旋回制御を行う場合について説明する。制御装置11は、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の旋回制御を行う。
図7〜図10を参照して、旋回制御を説明する。本実施形態では、目標旋回半径を指定した旋回制御を行う場合について説明する。制御装置11は、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の旋回制御を行う。
図7に示すように、まず、制御装置11は、船舶1の目標旋回情報として、船舶1の目標旋回半径を取得する。たとえば、制御装置11は、タッチパネル端末7を用いてユーザにより目標旋回半径が指定された場合に、指定された目標旋回半径を取得する。
制御装置11は、GPS装置9により検出される船舶1の実船速を取得する。制御装置11は、目標旋回半径と実船速とに基づいて、目標ヨーレートを取得する。具体的には、制御装置11は、目標旋回半径をRとし、実船速をVとし、目標ヨーレートをYとすると、以下の式(1)により目標ヨーレートを取得する。
Y=V/R ・・・(1)
Y=V/R ・・・(1)
制御装置11は、旋回制御時に目標となる方位(以下、「旋回目標方位」という)を取得する。たとえば、船舶1が180度旋回する場合(Uターンする場合)には、まず、制御装置11は、タッチパネル端末7を用いてユーザにより旋回制御の開始が指示された場合に、この場合において方位検出部8により検出される船舶1の方位を基準となる方位(以下、「基準方位」という)として取得する。そして、制御装置11は、基準方位から180度ずれた方位を、旋回目標方位として取得する。なお、以下では、船舶1が180度旋回する場合(Uターンする場合)を例に説明していくが、船舶1が旋回する角度(旋回角度)は、180度に限られない。0度よりも大きく360度よりも小さい任意の角度を用いることが可能である。
制御装置11は、船舶1の旋回中に方位検出部8により検出される船舶1の実方位を取得する。制御装置11は、図8に示すように、旋回目標方位と実方位とに基づいて、目標ヨーレートを取得して設定する。
具体的には、制御装置11は、実方位が所定の角度範囲外である場合(実方位が0度(基準方位)からθ度までの角度範囲である場合)には、目標ヨーレートを固定値とする固定値制御を行う。この場合、制御装置11は、目標旋回半径および実船速に基づく固定の目標ヨーレート(式(1)における「Y」)を取得して設定する。
一方、制御装置11は、実方位が所定の角度範囲以内になった場合(実方位がθ度から180度までの角度範囲である場合)には、目標ヨーレートを可変とする可変制御を行う。この場合、制御装置11は、旋回目標方位と実方位との差を減じるように目標ヨーレートを取得して設定する。すなわち、制御装置11は、方位制御を行う場合と同様に、目標ヨーレートを取得して設定する。
図7に示すように、制御装置11は、ヨーレート検出部10により検出される実ヨーレートを取得する。制御装置11は、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角を補正して設定する。
制御装置11は、転舵装置4の転舵角検出部42により検出される船外機3の実転舵角を取得する。制御装置11は、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵装置4による船外機3の転舵角の制御(転舵制御)を行う。これらの結果、制御装置11は、船外機3の転舵角を制御して、船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の旋回制御を行う。すなわち、制御装置11は、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向を制御することによって、指定された目標旋回半径で船舶1を旋回させる。
なお、旋回制御においても、方位制御の場合と同様に、目標ヨーレートと目標転舵角には、それぞれ制限値が設けられている。
制御装置11は、実船速に応じて、制御ゲイン(目標ヨーレートまたは目標転舵角を算出する際の制御ゲイン)と、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを変更する。
具体的には、制御装置11は、実船速が大きくなるのに応じて、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とが小さくなるように、それぞれの値を変更する。
本実施形態では、船速に応じた制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とは、実船速および目標旋回半径(目標旋回情報)に基づく遠心力の大きさに基づいて決定されている。具体的には、船舶1の実船速によらず、船舶1の旋回中の遠心力の上限が略一定となるように、船速に応じた制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とが決定されている。
図9に、旋回制御における、実方位と、目標ヨーレートと、実ヨーレートと、目標転舵角と、時間との関係の一例を示す。図10に、図9に示す例における、旋回制御の動作例を示す。
図9および図10に示すように、時点t10において、旋回制御が開始されている。時点t10において、時点t10における実方位が基準方位として取得されるとともに、基準方位に基づいて旋回目標方位が取得される。そして、ユーザにより指定された目標旋回半径(式(1)の「R」)と、時点t10における実船速(式(1)の「V」)とに基づいて、目標ヨーレート(式(1)の「Y」)が取得されて設定される。
そして、図9および図10に示すように、時点t10から時点t11の間では、実方位が所定の角度範囲外であるので、固定の目標ヨーレートが取得されて設定される。そして、固定の目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。その後、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。この結果、時点t10から時点t11までの間では、略一定の実ヨーレートで、船舶1を旋回させることが可能である。
図9および図10に示すように、時点t11から時点t12の間では、実方位が所定の角度範囲以内であるので、旋回目標方位と実方位との差を減じるように目標ヨーレートが取得されて設定される。そして、可変の目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。その後、目標転舵角と実転舵角との差に応じて、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。この結果、時点t11から時点t12までの間では、船舶1の実方位が旋回目標方位に向かって収束していく。そして、時点t12以降では、船舶1の実方位を旋回目標方位に略収束させた状態となる。なお、旋回制御においても、所定の周期毎に目標ヨーレート(固定の値の場合を除く)と目標転舵角とが変更されるが、図9では、簡略化して図示している。
(方位制御処理)
次に、図11を参照して、本実施形態の船舶1の操船制御システム100による方位制御処理をフローチャートに基づいて説明する。方位制御処理は、制御装置11により行われる。
次に、図11を参照して、本実施形態の船舶1の操船制御システム100による方位制御処理をフローチャートに基づいて説明する。方位制御処理は、制御装置11により行われる。
ユーザにより方位制御が指示されると、図11に示すように、まず、ステップS1において、目標方位が取得されて設定される。
ステップS2において、方位検出部8により検出される実方位が取得される。
ステップS3において、GPS装置9により検出される実船速が取得される。
ステップS4において、目標方位と実方位との差、および実船速の両方に応じて、図4に示す目標ヨーレートが取得されて設定される。
ステップS5において、ヨーレート検出部10により検出される実ヨーレートが取得される。
ステップS6において、ステップS4において設定された目標ヨーレートと、ステップS5において取得された実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。
ステップS7において、転舵装置4の転舵角検出部42により検出される実転舵角が取得される。
ステップS8において、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。すなわち、転舵装置4の転舵アクチュエータ41により、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように船外機3の転舵角が変化される。この結果、船外機3の推力の方向が変化されることによって、方位を保持する制御が行われる。その後、ステップS1に戻る。
(旋回制御処理)
次に、図12を参照して、本実施形態の船舶1の操船制御システム100による旋回制御処理をフローチャートに基づいて説明する。旋回制御処理は、制御装置11により行われる。
次に、図12を参照して、本実施形態の船舶1の操船制御システム100による旋回制御処理をフローチャートに基づいて説明する。旋回制御処理は、制御装置11により行われる。
ユーザにより目標旋回半径を指定した旋回制御が指示されると、図12に示すように、まず、ステップS11において、指定された目標旋回半径が読込(取得)されて設定される。
ステップS12において、旋回制御開始時に方位検出部8により検出される実方位が、基準方位として取得される。
ステップS13において、GPS装置9により検出される実船速が取得される。
ステップS14において、ステップS11において取得された目標旋回半径と、ステップS13において取得された実船速とに基づいて、上記した式(1)により目標ヨーレートが取得(算出)される。
ステップS15において、方位検出部8により検出される実方位が取得される。
ステップS16において、実方位が所定の角度範囲以内か否かが判断される。実方位が所定の角度範囲外であると判断される場合には、ステップS17に進む。実方位が所定の角度範囲以内であると判断される場合には、ステップS18に進む。
ステップS17では、ステップS14において取得された固定の目標ヨーレートが設定される。すなわち、ステップS17を経由する場合には、目標ヨーレートを固定値とする固定値制御(図8参照)が行われる。
一方、ステップS18では、旋回目標方位と実方位との差を減じるように目標ヨーレートが取得されて設定される。すなわち、ステップS18を経由する場合には、目標ヨーレートを可変とする可変制御(図8参照)が行われる。
ステップS19において、ヨーレート検出部10により検出される実ヨーレートが取得される。
ステップS20において、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差を減じるように目標転舵角が補正されて設定される。
ステップS21において、転舵装置4の転舵角検出部42により検出される実転舵角が取得される。
ステップS22において、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように転舵制御が行われる。すなわち、転舵装置4の転舵アクチュエータ41により、目標転舵角と実転舵角との差を減じるように船外機3の転舵角が変化される。この結果、船外機3の推力の方向が変化されることによって、目標旋回半径を指定した旋回が行われる。その後、ステップS11に戻る。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて、船外機3の推力の方向を制御するように制御装置11を構成する。これにより、船舶1の方位制御を行う場合には、目標ヨーレート(目標とする方位の変化速度)と実ヨーレートと(実際の方位の変化速度)の両方に基づいて船外機3の推力の方向が制御されて方位制御が行われるので、目標とする方位と船舶1の実方位との差(方位の変化した結果)にのみ基づいて船舶1の方位制御を行う場合に比べて、船舶1の実方位を目標とする方位に迅速に収束させることができる。その結果、安定した方位制御を行うことができる。船舶1の旋回制御を行う場合には、目標ヨーレートと実ヨーレートとの両方に基づいて船外機3の推力の方向が制御されて旋回制御が行われるので、船舶1を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御を容易に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、目標方位を取得し、船舶1の実方位を取得し、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて、目標方位と実方位との差を減じるように船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の方位制御を行うように制御装置11を構成する。これにより、容易に、船舶1の実方位を目標とする方位(目標方位)に収束させることができる。
本実施形態では、上記のように、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、船外機3の推力の方向を制御するように制御装置11を構成する。これにより、目標ヨーレートと実ヨーレートとの差に応じて、精度良く方位制御を行うことができる。
本実施形態では、上記のように、船舶1の船速を取得し、船速に応じて、目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、船舶1の船速に応じて、目標ヨーレートを適切に設定することができるので、方位制御を適切に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、船速が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が小さくなるように目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、船舶1の船速が比較的大きく船舶1が方位を変化させやすい場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的小さく設定することができる。船舶1の船速が比較的小さく船舶1が方位を変化させにくい場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的大きく設定することができる。これらの結果、目標ヨーレートをより適切に設定することができるので、方位制御をより適切に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、目標方位と実方位との差に応じて、目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、目標方位と実方位との差に応じて、目標ヨーレートを適切に設定することができるので、方位制御を適切に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、目標方位と実方位との差の絶対値が大きくなるのに応じて、目標ヨーレートの絶対値が大きくなるように目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、目標方位と実方位との差が比較的大きく船舶1の方位を大きく変化させる必要がある場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的大きく設定することができる。目標方位と実方位との差が比較的小さく船舶1の方位を小さく変化させる必要がある場合には、目標ヨーレートの絶対値を比較的小さく設定することができる。これらの結果、目標ヨーレートをより適切に設定することができるので、方位制御をより適切に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、目標ヨーレートには、制限値が設けられている。これにより、目標ヨーレートが過度に大きく設定されることを防止することができる。
本実施形態では、上記のように、船舶1の目標旋回情報(目標旋回半径)を取得し、船舶1の船速(実船速)を取得し、目標旋回情報および船速に基づいて、目標ヨーレートを設定し、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向を制御することによって、船舶1の旋回制御を行うように制御装置11を構成する。これにより、実ヨーレートが、目標旋回情報および船速に基づいて設定された目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向が制御されるので、船舶1を渦巻き状に旋回させる旋回制御や目標旋回半径を指定した旋回制御などの旋回制御をより容易に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、目標旋回情報として、船舶1の目標旋回半径を取得し、目標旋回半径および船速に基づいて、目標ヨーレートを設定し、実ヨーレートが目標ヨーレートに近づくように船外機3の推力の方向を制御することによって、目標旋回半径で船舶1を旋回させるように制御装置11を構成する。これにより、取得された目標旋回半径での旋回制御を容易に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、旋回目標方位を取得し、船舶1の旋回中に船舶1の実方位を取得し、旋回目標方位と実方位とに基づいて、目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、旋回目標方位と実方位とに基づいて、旋回中の船舶1の目標ヨーレートを適切に設定することができるので、取得された目標旋回半径での旋回制御を適切に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、実方位が所定の角度範囲外である場合には、目標旋回半径および船速に基づく固定の目標ヨーレートを設定し、その後、実方位が所定の角度範囲以内になった場合には、旋回目標方位と実方位との差を減じるように目標ヨーレートを設定するように制御装置11を構成する。これにより、実方位が旋回目標方位に近づくまでは、固定の目標ヨーレートにより安定して旋回制御を行うことができる。実方位が旋回目標方位に近づいた後には、旋回目標方位と実方位との差を減じるような目標ヨーレートにより実方位を旋回目標方位に容易に収束させることができる。
本実施形態では、上記のように、船速に応じて、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて設定される目標転舵角の制限値とのうちの少なくともいずれか1つを変更するように制御装置11を構成する。これにより、たとえば、船舶1の船速が比較的小さく船舶1が旋回しにくい場合には、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを大きくなるように変更することができる。たとえば、船舶1の船速が比較的大きく船舶1が旋回しやすい場合には、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを小さくなるように変更することができる。これらの結果、船速に応じた旋回制御を容易に行うことができる。
本実施形態では、上記のように、船速に応じた制御ゲインと目標ヨーレートの制限値と目標転舵角の制限値とは、船速(実船速)および目標旋回情報(目標旋回半径)に基づく遠心力の大きさに基づいて決定されている。これにより、遠心力の大きさに基づいて制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とが決定されるので、船舶1の旋回中の遠心力が過度に大きくなるのを抑制することができる。
本実施形態では、上記のように、船外機3の転舵角を制御することによって、船外機3の推力の方向を制御するように制御装置11を構成する。これにより、船外機3の推力の方向を容易に変更することができる。
(変形例)
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、方位制御と旋回制御との両方を行うように船舶の操船制御システムを構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、方位制御と旋回制御とのうちのいずれか一方のみを行うように船舶の操船制御システムを構成してもよい。
上記実施形態では、本発明の設定部と制御部とが一体的に制御装置に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、設定部と制御部とが別体で設けられていてもよいし、設定部と制御部とが制御装置以外の装置に設けられていてもよい。
上記実施形態では、船舶の推進機として船外機を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、船舶の推進機として、船内機やジェット推進機などを用いてもよい。なお、推進機は、エンジン推進機であってもよいし、電動モータ推進機であってもよいし、エンジンおよび電動のハイブリッド推進機であってもよい。
上記実施形態では、船舶に1機の船外機(推進機)が設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船舶に2機以上の推進機が設けられていてもよい。船舶に2機以上の推進機が設けられる場合には、目標ヨーレートと実ヨーレートとに基づいて、推進機の推力の方向に加えて、推進機の推力の大きさも制御してもよい。この場合、推進機の推力の大きさを制御することによって、船舶を回頭させるためのモーメントを発生させればよい。これにより、推進機の推力の方向に加えて、推力の大きさも制御することによって、方位制御や旋回制御をより容易に行うことができる。なお、推進機がエンジンを含む場合には、推進機のエンジンのスロットル開度を制御することによって、推進機の推力の大きさを制御すればよい。
上記実施形態では、船舶の実船速をGPS装置により検出した構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、GPS装置以外の装置を用いて船舶の実船速を検出してもよい。たとえば、ピトー管を用いて、静圧と動圧との差から船舶の実船速を検出してもよいし、水車装置を用いて、水車の回転数から船舶の実船速を検出してもよい。
上記実施形態では、船舶の実船速に応じて、目標ヨーレートを設定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船外機(推進機)のエンジンのエンジン回転数に応じて、目標ヨーレートを設定してもよい。
上記実施形態では、船舶の実船速に応じて、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを変更した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船外機(推進機)のエンジンのエンジン回転数に応じて、制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とを変更してもよい。制御ゲインと、目標ヨーレートの制限値と、目標転舵角の制限値とのうちの少なくともいずれか1つを変更してもよい。
上記実施形態では、目標旋回情報として目標旋回半径を取得して、目標旋回半径を指定した旋回制御を行った例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、目標旋回情報として目標旋回半径以外の情報を取得してもよい。たとえば、目標旋回情報として目標旋回パターンを取得してもよい。この場合、渦巻き状の目標旋回パターンや螺旋状の目標旋回パターンなどを取得して、渦巻き状や螺旋状などの旋回動作を行う旋回制御を行ってもよい。
上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
1 船舶
3 船外機(推進機)
10 ヨーレート検出部
11 制御装置(設定部、制御部)
100 船舶の操船制御システム
3 船外機(推進機)
10 ヨーレート検出部
11 制御装置(設定部、制御部)
100 船舶の操船制御システム
Claims (19)
- 推進機が設けられた船舶の操船制御方法であって、
目標ヨーレートを設定し、
前記船舶の実際のヨーレートを検出し、
前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて、前記推進機の推力の方向を制御する、船舶の操船制御方法。 - 目標方位を取得し、
前記船舶の実際の方位を取得し、
前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて、前記目標方位と前記実際の方位との差を減じるように前記推進機の推力の方向を制御することによって、前記船舶の方位制御を行う、請求項1に記載の船舶の操船制御方法。 - 前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとの差に応じて、前記推進機の推力の方向を制御する、請求項2に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記船舶の船速を取得し、
前記船速に応じて、前記目標ヨーレートを設定する、請求項2または3に記載の船舶の操船制御方法。 - 前記船速が大きくなるのに応じて、前記目標ヨーレートの絶対値が小さくなるように前記目標ヨーレートを設定する、請求項4に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記目標方位と前記実際の方位との差に応じて、前記目標ヨーレートを設定する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記目標方位と前記実際の方位との差の絶対値が大きくなるのに応じて、前記目標ヨーレートの絶対値が大きくなるように前記目標ヨーレートを設定する、請求項6に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記目標ヨーレートには、制限値が設けられている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記船舶の目標旋回情報を取得し、
前記船舶の船速を取得し、
前記目標旋回情報および前記船速に基づいて、前記目標ヨーレートを設定し、
前記実ヨーレートが前記目標ヨーレートに近づくように前記推進機の推力の方向を制御することによって、前記船舶の旋回制御を行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶の操船制御方法。 - 前記目標旋回情報として、前記船舶の目標旋回半径を取得し、
前記目標旋回半径および前記船速に基づいて、前記目標ヨーレートを設定し、
前記実ヨーレートが前記目標ヨーレートに近づくように前記推進機の推力の方向を制御することによって、前記目標旋回半径で前記船舶を旋回させる、請求項9に記載の船舶の操船制御方法。 - 旋回目標方位を取得し、
前記船舶の旋回中に前記船舶の実際の方位を取得し、
前記旋回目標方位と前記実際の方位とに基づいて、前記目標ヨーレートを設定する、請求項10に記載の船舶の操船制御方法。 - 前記実際の方位が所定の角度範囲外である場合には、前記目標旋回半径および前記船速に基づく固定の前記目標ヨーレートを設定し、その後、前記実際の方位が前記所定の角度範囲以内になった場合には、前記旋回目標方位と前記実際の方位との差を減じるように前記目標ヨーレートを設定する、請求項11に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記船速に応じて、制御ゲインと、前記目標ヨーレートの制限値と、前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて設定される目標転舵角の制限値とのうちの少なくともいずれか1つを変更する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記船速に応じた前記制御ゲインと前記目標ヨーレートの制限値と前記目標転舵角の制限値とは、前記船速および前記目標旋回情報に基づく遠心力の大きさに基づいて決定されている、請求項13に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて、前記推進機の推力の方向に加えて、前記推進機の推力の大きさも制御する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の船舶の操船制御方法。
- 前記推進機の転舵角を制御することによって、前記推進機の推力の方向を制御する、請求項1〜15に記載の船舶の操船制御方法。
- 推進機と、
目標ヨーレートを設定する設定部と、
船舶の実際のヨーレートを検出するヨーレート検出部と、
前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて、前記推進機の推力の方向を制御する制御部と、を備える、船舶の操船制御システム。 - 前記設定部は、目標方位を取得し、前記船舶の実際の方位を取得し、前記目標方位および前記実際の方位に基づいて、前記目標ヨーレートを設定するように構成されており、
前記制御部は、前記目標ヨーレートと前記実際のヨーレートとに基づいて、前記目標方位と前記実際の方位との差を減じるように前記推進機の推力の方向を制御することによって、前記船舶の方位制御を行うように構成されている、請求項17に記載の船舶の操船制御システム。 - 前記設定部は、前記船舶の目標旋回情報を取得し、前記船舶の船速を取得し、前記目標旋回情報および前記船速に基づいて、前記目標ヨーレートを設定するように構成されており、
前記制御部は、前記実ヨーレートが前記目標ヨーレートに近づくように前記推進機の推力の方向を制御することによって、前記船舶の旋回制御を行うように構成されている、請求項17または18に記載の船舶の操船制御システム。
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