JP2017087731A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 1つの画素領域に複数回インクを吐出するように記録を行う場合であっても、吐出口の吐出不良が生じた際に好適な補完記録を行うことが可能なように、記録に用いる記録データを生成する。【解決手段】 マスクパターン内の吐出不良ノズルに対応する画素に対する許容回数が吐出正常ノズルに対応する画素に対する許容回数のうちの最も少ない許容回数よりも多い場合に置換処理を実行する。【選択図】 図11
Description
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査と、記録媒体の搬送を行う副走査と、を繰り返し行うことで画像の記録を行う画像記録装置が知られている。このような画像記録装置において、単位領域に対する複数回の記録走査を行うことによって画像を形成する、いわゆるマルチパス記録方式が知られている。従来のマルチパス記録方式では、画素ごとにインクの吐出または非吐出を定める1ビットの情報を有する画像データと、それぞれ画素ごとにインクの吐出の許容または非許容を定める1ビットの情報を有し、複数回の走査に対応する複数のマスクパターンと、を用い、画像データを複数回の走査に分割することによって複数回の走査での記録に用いる記録データを生成する。
上述のようなマルチパス記録方式を行う画像記録装置において、複数の吐出口のうちのある吐出口においてインクの吐出不良が発生した場合、得られる画像の画質が低下してしまうことが知られている。これに対し、特許文献1には、吐出不良が発生した吐出口に対応するマスクパターン内の画素における情報を用い、同じ画素領域にインクを吐出可能な他の吐出口に対応するマスクパターン内の画素における情報を置換することが記載されている。これにより、吐出口に吐出不良が生じた場合であっても異なる吐出口から補完記録を行うことができるため、画質の低下を抑制することが可能となる。
更に、近年では画素ごとにインクを吐出する回数を定める複数ビットの情報を有する画像データと画素ごとにインクの吐出を許容する回数を定める複数ビットの情報を有するマスクパターンとを用いて記録データを生成することが知られている。このように記録データを生成することにより、1つの画素領域に対して複数回インクを吐出することが可能となる。特許文献2には、それぞれ2ビットの情報を有する画像データとマスクパターンを用いて上述の吐出不良が発生した吐出口に対する補完記録を行うことが開示されている。より詳細には、ある吐出口に吐出不良が発生した場合、その吐出口と同じ画素領域にインクを吐出可能な他の吐出口に対応するマスクパターン内の画素のうち、インクの吐出の許容回数が0回である画素を判別する。そして、その画素におけるインクの吐出の許容回数が0回である情報を吐出不良が発生した吐出口に対応するマスクパターン内の画素における情報を用いて置換することにより、補完記録を行うことが記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載された技術によっては、それぞれ複数ビットの情報を有する画像データ、マスクパターンを用いて1つの画素領域に対して複数回インクを吐出するような形態において、吐出口の吐出不良が生じた場合に好適な補完記録を行うことができない虞があることがわかった。
例えば、単位領域に対する走査回数が少ない記録モード等においては、同じ画素領域にインクを吐出可能な複数の吐出口に対応するマスクパターン内の複数の画素すべてに対して少なくとも1回のインクの吐出を許容するようなマスクパターンを用いる場合がある。この場合にある吐出口に吐出不良が生じると、同じ画素領域にインクを吐出可能な吐出口に対応するマスクパターン内の画素にインクの吐出の許容回数が0回である情報が存在せず、特許文献1に記載された置換を実行することができない虞がある。
また、同じ画素領域にインクを吐出可能な複数の吐出口に対応するマスクパターン内の複数の画素のうち、x個の画素に対してインクの吐出の許容回数が0回である情報が定められたマスクパターンを用いる場合においても、好適な補完記録を行うことができない場合がある。詳細には、当該複数の吐出口のうちのx個よりも多いy個の吐出口において吐出不良が生じた場合、(y−x)個の吐出不良が生じた吐出口に対応する画素における情報の置換先が存在しなくなってしまう。そのため、特許文献1に記載された置換を実行できなくなってしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、1つの画素領域に複数回インクを吐出するように記録を行う場合であっても、吐出口の吐出不良が生じた際に好適な補完記録を行うことが可能なように、記録に用いる記録データを生成することを目的とするものである。
そこで、本発明は、インクを吐出するための記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対するK(K≧3)回の相対的な走査で用いる記録データを生成する画像処理装置であって、前記記録媒体上の複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN(2≦N≦K)回までのいずれかのインクの吐出回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めた画像データを取得する取得手段と、前記K回の走査に対応し、複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN回までのいずれかのインクの吐出の許容回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めたK個のマスクパターンと、前記画像データと、に基づいて、前記記録データを生成する生成手段と、を有し、前記K個のマスクパターン内の同じ画素領域に対応するK個の画素のうち、(i)N個の画素は、それぞれ1回からN回までの許容回数のうちの互いに異なる許容回数を示す情報が定められており、(ii)前記N個の画素以外のK−N個の画素は、0回の許容回数を示す情報が定められていることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、1つの画素領域に複数回インクを吐出するように記録を行う場合であっても、吐出口の吐出不良が生じた際に好適な補完記録を行うことが可能なように、記録に用いる記録データを生成することが可能となる。
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置1000の内部の構成を部分的に示す断面図である。
画像記録装置1000の内部にはプラテン2が配置されており、このプラテン2には記録媒体3を吸着させて浮き上がらないようにするために多数の吸引孔34が形成されている。この吸引孔34はダクトと繋がっており、さらにダクトの下部に吸引ファン36が配置され、この吸引ファン36が動作することでプラテン2に対する記録媒体3の吸着を行っている。
キャリッジ6は、紙幅方向に延伸して設置されたメインレール5に支持され、X方向(交差方向)に往復移動することが可能なように構成されている。キャリッジ6は、後述するインクジェット方式の記録ヘッド7を搭載している。なお、記録ヘッド7は、発熱体を用いたサーマルジェット方式、圧電素子を用いたピエゾ方式等、さまざまな記録方式を適用することが可能である。キャリッジモータ8は、キャリッジ6をX方向に移動させるための駆動源であり、その回転駆動力はベルト9でキャリッジ6に伝達される。
記録媒体3は、ロール状に巻かれた媒体23から巻き出すことで給送される。記録媒体3は、プラテン2の上でX方向と交差するY方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体3は、先端をピンチローラ16と搬送ローラ11に挟持されており、搬送ローラ11が駆動することによって搬送が行われる。また、記録媒体3はプラテン2よりY方向の下流ではローラ31と排送ローラ32に挟持され、さらにターンローラ33を介して記録媒体3は巻取りローラ24に巻きつけられている。
図3は本実施形態で使用する記録ヘッドを示す。
記録ヘッド7は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、フォトマゼンタ(Pm)、シアン(C)、フォトシアン(Pc)、ブラック(Bk)、グレイ(Gy)、フォトグレイ(Pgy)、レッド(R)、ブルー(B)、記録面の保護や光沢の均一性向上等の着色以外の目的を有する処理液(P)の各インクをそれぞれ吐出可能な11個の吐出口列22Y、22M、22Pm、22C、22Pc、22Bk、22Gy、22Pgy、22R、22B、22P(以下、これらの吐出口列のうちの1つの吐出口列を吐出口列22とも称する)がこの順にX方向に並んで配置されることにより構成される。これらの吐出口列22は、それぞれのインクを吐出する1280個の吐出口(以下、ノズルとも称する)30が1200dpiの密度でY方向(所定方向)に配列されることで構成されている。なお、Y方向に互いに隣接する位置にある吐出口30同士はX方向に互いにずれた位置に配置される。ここで、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5ngである。
これらの吐出口列22は、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド7とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
図4は、本実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。主制御部300は、演算、選択、判別、制御などの処理動作を実行するCPU301と、CPU301によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM302と、記録データのバッファ等として用いられるRAM303、および入出力ポート304等を備えている。メモリ313には、後述する画像データやマスクパターン、吐出不良ノズルデータ等が格納されている。そして、入出力ポート304には、搬送モータ(LFモータ)309、キャリッジモータ(CRモータ)310、記録ヘッド7及び切断ユニットにおけるアクチュエータなどの各駆動回路305、306、307、308が接続されている。さらに、主制御部300はインターフェイス回路311を介してホストコンピュータであるPC312に接続されている。
本実施形態では、複数回(K回)の走査で単位領域に記録を行うマルチパス記録方式に従って画像を形成する。更に、本実施形態ではマルチパス記録方式として、記録媒体上の単位領域に対して4回の走査で記録を行う4パス記録方式と、記録媒体上の単位領域に対して3回の走査で記録を行う3パス記録方式の少なくとも2つを実行可能である。以下に4パス記録方式を例としてマルチパス記録方式について詳細に説明する。
図5は4回の記録走査により記録媒体上の単位領域内に記録を行う際に行う一般的なマルチパス記録方式について説明するための図である。なお、以下の説明では簡単のため、16個の吐出口30からなる吐出口列を用い、各走査において1つの単位領域に対して4つの吐出口からインクを吐出する場合について記載する。
インクを吐出する吐出口列22に設けられたそれぞれの吐出口30は、副走査方向に沿って4つの吐出口群201、202、203、204に分割される。
1回目の記録走査(1パス)では、記録媒体3上の単位領域211に対して吐出口群201からインクが吐出される。
次に、記録媒体3を記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。なお、ここでは簡単のため、記録ヘッド7を記録媒体3に対してY方向の下流側から上流側に搬送した場合を図示しているが、搬送後の記録媒体3と記録ヘッド7との相対的な位置関係は記録媒体3をY方向下流側へ搬送した場合と同じとなる。
この後に2回目の記録走査を行う。2回目の記録走査(2パス)では、記録媒体上の単位領域211に対しては吐出口群202から、単位領域212に対しては吐出口群201からインクが吐出される。
以下、記録ヘッド7の記録走査と記録媒体3の相対的な搬送を交互に繰り返す。この結果、4回目の記録走査(4パス)が行われた後には、記録媒体3の単位領域211では吐出口群201〜204のそれぞれから1回ずつインクが吐出されたことになる。
なお、ここでは4パス記録方式について説明したが、3パス記録方式においても同様の過程によって行うことができる。
本実施形態では、上述のマルチパス記録方式において、aビット(a≧2)の情報を有する画像データと、bビット(b≧2)の情報を有するマスクパターンと、画像データとマスクパターンそれぞれにおける複数ビットの情報が示す値の組み合わせに応じてインクの吐出または非吐出を規定するデコードテーブルと、を用いて、画像データから各走査での記録に用いる1ビットの記録データを生成する。なお、以下の説明では画像データ、マスクパターンともに2ビットの情報から構成される場合について記載する。
(4パス記録方式)
図6は4パス記録方式においてそれぞれ複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。また、図7は4パス記録方式において図6に示すような記録データの生成に際して用いるデコードテーブルを示す図である。
図6は4パス記録方式においてそれぞれ複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。また、図7は4パス記録方式において図6に示すような記録データの生成に際して用いるデコードテーブルを示す図である。
図6(a)はある単位領域内の16個の画素700〜715を模式的に示す図である。なお、ここでは簡単のため16個の画素相当の画素領域からなる単位領域を用いて説明するが、単位領域を構成する画素領域の数は適宜異なる値に設定できる。
図6(b)は単位領域に対応する画像データの一例を示す図である。ここで、aビットの情報を有する画像データは最大で2^a通りのインクの吐出回数を再現可能である。ここでは上述のように画像データは2ビットの情報から構成されるため、最大で2の2乗である4(=2^2)通りのインクの吐出回数を表現することができる。
また、本実施形態では、aビットの情報を有する画像データによって再現するインクの吐出回数の最大値を(2^a)−1回とする。本実施形態ではa=2であるため、表現するインクの吐出回数のうちの最大値は2の2乗から1を引いた値である3(=(2^2)−1)回であるとする。
具体的には、ある画素に対応する画像データを構成する2ビットの情報が示す値(以下、画素値とも称する)が「00」である場合には、当該画素に対してインクは1回も吐出されない。また、画素値が「01」である場合には、対応する画素に対してインクは1回吐出される。また、画素値が「10」である場合には、対応する画素に対してインクは2回吐出される。また、画素値が「11」である場合には、対応する画素に対してインクは3回吐出される。このように、本実施形態における画像データは、各画素に対して0回から3回までの吐出回数までのいずれかが定められている。
図6(b)に示す画像データに関しては、例えば画素703、707、711、715における画素値は「00」であるため、画素703、707、711、715に対応する画素領域にはインクが1回も吐出されないこととなる。また、例えば画素700、704、708、712における画素値は「11」であるため、画素700、704、708、712に対応する画素領域にはインクが3回も吐出されることとなる。
図6(c−1)〜(c−4)はそれぞれ1〜4回目の走査に対応し、図6(b)に示す画像データに適用するためのマスクパターンを示す図である。すなわち、図6(b)に示す画像データに対して図6(c−1)に示す1回目の走査に対応するマスクパターン505を適用することにより、1回目の走査で用いる記録データを生成する。同様にして、図6(b)に示す画像データに対して図6(c−2)、(c−3)、(c−4)それぞれに示すマスクパターン506、507、508を適用することにより、それぞれ2、3、4回目の走査で用いる記録データを生成する。
ここで、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターン内の各画素には、「00」、「01」、「10」、「11」の4(=2^b)通りの値のいずれかが2ビットの情報が示す値(以下、コード値とも称する)として割り当てられている。
ここで、図7に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「00」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであっても、インクを吐出しない。すなわち、マスクパターン内の「00」のコード値はインクの吐出をまったく許容しない(インクの吐出の許容回数が0回)ということに対応する。以下の説明では、「00」のコード値が割り当てられたマスクパターン内の画素を非記録許容画素とも称する。
一方、図7に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「01」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」である場合にはインクを吐出しないが、「11」である場合にはインクを吐出する。言い換えると、「01」のコード値は、4通りの画素値(「00」、「01」、「10」、「11」)に対して1回だけインクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が1回)、ということに対応する。
また、コード値が「10」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」である場合にはインクを吐出しないが、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「10」のコード値は4通りの画素値に対して2回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が2回)ということに対応する。
更に、コード値が「11」である場合、対応する画素における画素値が「00」の場合にはインクを吐出しないが、「01」、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「11」のコード値は4通りの画素値に対して3回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が3回)ということに対応する。なお、以下の説明では「01」、「10」、「11」の3(=2^b−1)通りのコード値のうちのいずれかが割り当てられたマスクパターン内の画素を記録許容画素とも称する。
このように、本実施形態におけるマスクパターンは、各画素に対して0回から3回までの許容回数のいずれかが定められている。
ここで、本実施形態における4パス記録方式にて用いられる複数ビットの情報を有するマスクパターンは、下記の(条件1)、(条件2)に基づいて設定される。
(条件1)
ここで、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^b)−1個配置されるように設定される。この(2^b)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、本実施形態ではb=2であるため、図6(c−1)〜(c−4)に示す4つのマスクパターン内の同じ位置にある4つの画素のうちの3(=2^2−1)つの画素に対しては「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ(記録許容画素)、残りの1(=4−3)つの画素に対しては「00」のコード値が割り当てられる(非記録許容画素)。
ここで、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^b)−1個配置されるように設定される。この(2^b)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、本実施形態ではb=2であるため、図6(c−1)〜(c−4)に示す4つのマスクパターン内の同じ位置にある4つの画素のうちの3(=2^2−1)つの画素に対しては「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ(記録許容画素)、残りの1(=4−3)つの画素に対しては「00」のコード値が割り当てられる(非記録許容画素)。
例えば、画素700に対しては、図6(c−3)に示すマスクパターンにて「01」、図6(c−2)に示すマスクパターンにて「10」、図6(c−1)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図6(c−4)に示すマスクパターンにて「00」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素700は、図6(c−1)、(c−2)、(c−3)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図6(c−4)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
また、画素701に対しては、図6(c−2)に示すマスクパターンにて「01」、図6(c−1)に示すマスクパターンにて「10」、図6(c−4)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図6(c−3)に示すマスクパターンにて「00」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素701は、図6(c−1)、(c−2)、(c−4)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図6(c−3)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
このような構成により、ある画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであったとしても、その画素値に対応するインクの吐出回数だけ当該画素に対応する画素領域にインクを吐出するような記録データを生成することができる。
(条件2)
また、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図6(c−1)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−3)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。すなわち、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が4つずつ配置されている。
また、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図6(c−1)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−3)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図6(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。すなわち、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が4つずつ配置されている。
同様に、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「10」のコード値に対応する記録許容画素も互いに同じ数となるように配置されている。更に、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「11」のコード値に対応する記録許容画素もまた互いに同じ数となるように配置されている。
なお、ここでは各マスクパターンにおける「01」、「10」、「11」それぞれにコード値に対応する記録許容画素がそれぞれ互いに同じ数だけ配置されている場合について記載していたが、実際には互いにほぼ同じ数だけ配置されていれば良い。
これにより、図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを用いて画像データを4回の走査に分配して記録データを生成する際に、4回の走査それぞれにおける記録率を互いにほぼ等しくすることができる。
図6(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図6(b)に示す画像データに対して図6(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
例えば、図6(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおける画素700では、画像データの画素値は「11」、マスクパターンのコード値は「11」である。そのため、図7に示すデコードテーブルを参照してわかるように、画素700ではインクの吐出(「1」)が定められる。また、画素701では、画像データの画素値は「10」、マスクパターンのコード値は「10」であるため、インクの吐出(「1」)が定められる。また、画素704では、画像データの画素値は「11」、マスクパターンのコード値は「00」であるため、インクの非吐出(「0」)が定められる。
このようにして生成された図6(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがって1〜4回目の走査にてインクが吐出される。例えば、1回目の走査では図6(d−1)に示す記録データからわかるように、画素700、701、705、708、710、712に対応する記録媒体上の画素領域にインクが吐出される。
図6(e)は図6(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図6(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域には図6(e)に示す回数だけインクが吐出されることになる。
例えば、画素700においては、図6(d−1)、(d−2)、(d−3)に示す1、2、3回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図6(e)に示すように、画素700に対応する画素領域に対しては合計で3回インクが吐出されることになる。
また、画素701においては、図6(d−1)、(d−4)に示す1、4回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図6(e)に示すように、画素701に対応する画素領域に対しては合計で2回インクが吐出されることになる。
図6(e)に示す記録データと図6(b)に示す画像データを比較すると、いずれの画素においても画像データの画素値に対応する吐出回数だけインクが吐出されるように記録データが生成されることがわかる。例えば、画素700、705、708、712では図6(b)に示す画像データの画素値は「11」であるが、生成された記録データの論理和により示されるインクの吐出回数も3回となる。
以上の構成によれば、4パス記録方式において、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンに基づいて、4回の走査それぞれで用いる1ビットの記録データを生成することが可能となる。
(3パス記録方式)
図8は3パス記録方式においてそれぞれ複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。また、本実施形態における3パス記録方式での記録データの生成処理では4パス記録方式と同様に図7に示すデコードテーブルを用いる。なお、上述した4パス記録方式における記録データの生成過程と同様の部分は説明を省略する。
図8は3パス記録方式においてそれぞれ複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。また、本実施形態における3パス記録方式での記録データの生成処理では4パス記録方式と同様に図7に示すデコードテーブルを用いる。なお、上述した4パス記録方式における記録データの生成過程と同様の部分は説明を省略する。
図8(a)はある単位領域内の16個の画素800〜815を模式的に示す図である。なお、ここでは簡単のため、4パス記録方式と同様に16個の画素相当の画素領域からなる単位領域を用いて説明するが、単位領域を構成する画素領域の数は適宜異なる値に設定可能であり、必ずしも4パス記録方式における単位領域と同じ大きさを有するものではない。
図8(b)は単位領域に対応する画像データの一例を示す図である。なお、図8(b)からわかるように、図6(b)に示す画像データと同様の画像データを処理する過程を例として説明する。
図8(c−1)〜(c−3)はそれぞれ1〜3回目の走査に対応し、図8(b)に示す画像データに適用するためのマスクパターン605〜607を示す図である。
ここで、本実施形態における3パス記録方式にて用いられる複数ビットの情報を有するマスクパターンは、下記の(条件1´)、(条件2´)に基づいて設定される。
(条件1´)
4パス記録方式における(条件1)と同様に、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^b)−1個配置され、且つ、この(2^b)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、図8(c−1)〜(c−3)に示す3つのマスクパターン内の同じ位置にある3(=2^2−1)つの画素には、「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられる(記録許容画素)。一方、図6(c−1)〜(c−4)に示す4パス記録方式で用いるマスクパターンと異なり、図8(c−1)〜(c−3)に示すマスクパターン内の各画素には「00」のコード値は割り当てられない。言い換えると、3つのマスクパターン内の同じ位置にある0(=3−3)個の画素に「00」のコード値が割り当てられる。すなわち、図8(c−1)〜(c−3)に示すマスクパターンには非記録許容画素が存在しない。
4パス記録方式における(条件1)と同様に、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^b)−1個配置され、且つ、この(2^b)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、図8(c−1)〜(c−3)に示す3つのマスクパターン内の同じ位置にある3(=2^2−1)つの画素には、「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられる(記録許容画素)。一方、図6(c−1)〜(c−4)に示す4パス記録方式で用いるマスクパターンと異なり、図8(c−1)〜(c−3)に示すマスクパターン内の各画素には「00」のコード値は割り当てられない。言い換えると、3つのマスクパターン内の同じ位置にある0(=3−3)個の画素に「00」のコード値が割り当てられる。すなわち、図8(c−1)〜(c−3)に示すマスクパターンには非記録許容画素が存在しない。
例えば、画素800に対しては、図8(c−3)に示すマスクパターンにて「01」、図8(c−2)に示すマスクパターンにて「10」、図8(c−1)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている
また、画素806に対しては、図8(c−2)に示すマスクパターンにて「01」、図8(c−1)に示すマスクパターンにて「10」、図8(c−3)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。
また、画素806に対しては、図8(c−2)に示すマスクパターンにて「01」、図8(c−1)に示すマスクパターンにて「10」、図8(c−3)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。
このような構成により、ある画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであったとしても、その画素値に対応するインクの吐出回数だけ当該画素に対応する画素領域にインクを吐出するような記録データを生成することができる。
(条件2´)
また、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図8(c−1)に示すマスクパターンには画素803、804、808、813、814の6つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図8(c−2)に示すマスクパターンには画素801、806、807、811、812の5つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図8(c−3)に示すマスクパターンには画素800、802、805、809、810、815の6つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。このように、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示す3つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素がほぼ同数ずつ配置されている。
また、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図8(c−1)に示すマスクパターンには画素803、804、808、813、814の6つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図8(c−2)に示すマスクパターンには画素801、806、807、811、812の5つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図8(c−3)に示すマスクパターンには画素800、802、805、809、810、815の6つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。このように、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示す3つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素がほぼ同数ずつ配置されている。
同様に、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンには、「10」のコード値に対応する記録許容画素も互いに同じ数となるように配置されている。更に、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンには、「11」のコード値に対応する記録許容画素もまた互いに同じ数となるように配置されている。
これにより、図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンを用いて画像データを3回の走査に分配して記録データを生成する際に、3回の走査それぞれにおける記録率を互いにほぼ等しくすることができる。
図8(d−1)〜(d−3)のそれぞれは、図8(b)に示す画像データに対して図8(c−1)〜(c−3)それぞれに示すマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
例えば、図8(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおける画素800では、画像データの画素値は「11」、マスクパターンのコード値は「11」である。そのため、図7に示すデコードテーブルを参照してわかるように、画素800ではインクの吐出(「1」)が定められる。また、画素806では、画像データの画素値は「01」、マスクパターンの画素値は「10」であるため、インクの非吐出(「0」)が定められる。
このようにして生成された図8(d−1)〜(d−3)それぞれに示す記録データにしたがって1〜3回目の走査にてインクが吐出される。例えば、1回目の走査では図8(d−1)に示す記録データからわかるように、画素800、801、802、804、805、808、809、810、812に対応する記録媒体上の画素領域にインクが吐出される。
図8(e)は図8(d−1)〜(d−3)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図8(d−1)〜(d−3)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域には図8(e)に示す回数だけインクが吐出されることになる。
例えば、画素800においては、図8(d−1)、(d−2)、(d−3)に示す1、2、3回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図8(e)に示すように、画素800に対応する画素領域に対しては合計で3回インクが吐出されることになる。
また、画素806においては、図8(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図8(e)に示すように、画素806に対応する画素領域に対しては合計で1回インクが吐出されることになる。
図8(e)に示す記録データと図8(b)に示す画像データを比較すると、いずれの画素においても画像データの画素値に対応する吐出回数だけインクが吐出されるように記録データが生成されることがわかる。例えば、画素800、805、808、812では図8(b)に示す画像データの画素値は「11」であるが、生成された記録データの論理和により示されるインクの吐出回数も3回となる。
以上の構成によれば、3パス記録方式において、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンに基づいて、3回の走査それぞれで用いる1ビットの記録データを生成することが可能となる。
上述の複数ビットの情報を有する画像データ、マスクパターンを用いる際、1つの吐出口にインクの吐出不良が発生した場合における画質の低下について以下に詳細に記載する。
図9は図5から図7に示す4パス記録方式において16個の吐出口30のうちの1つの吐出口30aにインクの吐出不良が生じた際、単位領域211に記録される画像の画質に対する影響を説明するための図である。なお、以下の説明では簡単のため、インクの吐出不良が発生した吐出口を吐出不良ノズルとも称する。また、ここでは4パス記録方式において吐出不良が生じた場合を記載するが、3パス記録方式であっても同様の現象が生じる。
本来、領域211aには1〜4回目の走査それぞれにおいて吐出口30a〜30dそれぞれから合計4回インクを吐出可能である。しかしながら、吐出口30aが吐出不良ノズルとなっている場合、吐出口30aからインクが吐出されるように記録データが定められていたとしても1回目の走査では領域211aにインクが吐出されず、最大でも3回しかインクが吐出されなくなってしまう。これにより、領域211aにおいて所望の吐出数が得られなくなってしまう虞がある。
図10は吐出不良ノズルが発生した際に生じる画質の低下を説明するための図である。なお、図10(a)は図6に示す4パス記録方式にしたがって記録した場合を、また、図10(b)は図8に示す3パス記録方式にしたがって記録した場合をそれぞれ示している。
4パス記録方式において図6に示す画像データ、マスクパターンを用いる場合、図6(d−1)からわかるように領域211a内の画素700、701にインクの吐出(「1」)が定められた1回目の走査に対応する記録データが生成される。しかしながら、領域211aは1回目の走査において吐出不良ノズル30aに対応するため、記録データがインクの吐出を定めていたとしても実際にはインクを吐出することができない。したがって、1回目の走査において画素700、701に対応する画素領域にはインクが吐出されなくなってしまう。
ここで、図10(a)からわかるように、単位領域211内の画素704〜715に対応する画素領域は、各走査において吐出不良ノズル30aに対向しない。そのため、図6(e)に示す理想的なインクの吐出回数と同様の回数だけインクを吐出することができる。また、画素702、703に対応する画素領域は、1回目の走査にて吐出不良ノズル30aに対向するものの、図6(d−1)に示すように1回目の走査に対応する記録データにおいてインクの非吐出(「0」)が定められているため、図6(e)に示す理想的なインクの吐出回数と同様となる。
一方で、単位領域211内の画素700に対応する画素領域には、理想的なインクの吐出回数は図6(e)で示すように3回であるのに対し、合計で2回しかインクが吐出されなくなってしまう。これは、2、3回目の走査ではそれぞれ図6(d−2)、(d−3)に示す記録データにしたがって画素700に対応する画素領域にインクが吐出されるものの、上述のように1回目の走査においてインクが吐出されないため、理想的なインクの吐出回数からずれが生じてしまうのである。
同様に、単位領域211内の画素701に対しても、図6(e)に示す理想的なインクの吐出回数は2回であるのに対し、合計で1回しかインクが吐出されない。これは、4回目の走査にて図6(d−4)も示す記録データにしたがって画素701に対応する画素領域にインクが吐出されるものの、1回目の走査にてインクが吐出されなくなってしまうためである。
また、3パス記録方式において図8に示す画像データ、マスクパターンを用いる場合、図8(d−1)からわかるように領域211a内の画素800、801、802にインクの吐出(「1」)が定められた記録データが生成される。しかしながら、上述した4パス記録方式の場合と同様に、インクの吐出不良によって1回目の走査において画素800、801、802に対応する画素領域にはインクが吐出されなくなってしまう。
ここで、図10(b)からわかるように、単位領域211内の画素804〜815に対応する画素領域は、各走査において吐出不良ノズル30aに対向しない。そのため、図8(e)に示す理想的なインクの吐出回数と同様の回数だけインクを吐出することができる。また、画素803に対応する画素領域は、1回目の走査にて吐出不良ノズル30aに対向するものの、図8(d−1)に示すように1回目の走査に対応する記録データにおいてインクの非吐出(「0」)が定められているため、図8(e)に示す理想的なインクの吐出回数と同様となる。
一方で、単位領域211内の画素800に対応する画素領域には、理想的なインクの吐出回数は図8(e)で示すように3回であるのに対し、合計で2回しかインクが吐出されなくなってしまう。同様に、画素801に対応する画素領域には、理想的なインクの吐出回数は図8(e)で示すように3回であるのに対し、合計で1回しかインクが吐出されない。更に、画素802に対応する画素領域には、理想的なインクの吐出回数は図8(e)で示すように1回であるのに対し、合計で1回もインクが吐出されなくなってしまう。
以上記載したように、インクの吐出不良が発生した場合、4パス記録方式、3パス記録方式のいずれにおいても理想的なインクの吐出回数からずれが生じ、得られる画像の画質が低下してしまう虞がある。
(不吐補完処理)
上記の点を鑑み、本実施形態ではインクの吐出不良が生じた場合、マスクパターン内のインクの吐出不良が生じた吐出口に対応する画素におけるコード値を修正する処理(以下、不吐補完処理とも称する)を実行する。すなわち、吐出不良ノズルに対応する画素である補完元画素のコード値を、吐出正常ノズルに対応する画素である補完先画素に割り当てる処理を行う。これにより、インクの吐出不良が生じた場合であっても理想的なインクの吐出回数からのずれが小さくなるように記録を行うことができる。
上記の点を鑑み、本実施形態ではインクの吐出不良が生じた場合、マスクパターン内のインクの吐出不良が生じた吐出口に対応する画素におけるコード値を修正する処理(以下、不吐補完処理とも称する)を実行する。すなわち、吐出不良ノズルに対応する画素である補完元画素のコード値を、吐出正常ノズルに対応する画素である補完先画素に割り当てる処理を行う。これにより、インクの吐出不良が生じた場合であっても理想的なインクの吐出回数からのずれが小さくなるように記録を行うことができる。
なお、本実施形態における不吐補完処理は記録媒体に対する記録を開始する前に行う。但し、記録する領域ごとに適用するマスクパターンを変更するような場合は、記録を進める過程でその都度不吐補完処理を行ってもよい。また、記録開始前に、記録する領域に対応するマスクパターンに不吐補完処理を行っておき、記録する領域ごとに対応する不吐補完処理実行済みのマスクパターンを読み出してもよい。
図11は本実施形態における制御プログラムによって実行される不吐補完処理のフローチャートである。なお、図11に示す各処理は、例えば、CPU301がROM302に記憶されている制御プログラムをRAM303に読み出して実行することにより実現される。
ステップS701では、メモリ313に記憶された吐出不良ノズルデータを読み出し、インクの吐出不良が存在している吐出口を特定するための情報が取得される。なお、吐出不良ノズルデータは種々の方法によって生成することができる。例えば、不吐補完処理の実行前にすべての吐出口からインクを吐出するようにテストパターンを記録し、そのテストパターンに基づいて吐出不良ノズルを特定することで得られた吐出不良ノズルデータを用いることができる。また、インクジェット記録装置100を使用していく過程で、吐出不良ノズルの位置や数が変動する可能性がある。このような変動に追従するため、例えば、記録ヘッド111のホームポジションにおける回復動作や予備吐出動作等において検出された情報に基づいて吐出不良ノズルデータを更新してもよい。
ステップS702では、複数のマスクパターン内の互いに同じ位置にある複数の画素からなる画素群(例えば、図6(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンそれぞれにおける画素700からなる画素群)について、吐出不良ノズルに対応する画素を少なくとも1つ含む補完画素群のうちのいずれか1つの補完画素群を最初に不吐補完処理を実行する画素群として選択する。なお、補完画素群が複数存在する場合、不吐補完処理を実行する順番は適宜設定できる。例えば、ステップS702において複数の補完画素群の中からランダムに不吐補完処理を実行する1つの補完画素群を選択しても良い。
次に、ステップS703では、ステップS702で選択された補完画素群のうち、吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素(第1の候補画素)のコード値を取得する。この際、ステップS702で選択された補完画素群の中に吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素が1つだけある場合は1つのコード値を取得する。また、吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素が複数ある場合には、それぞれの補完元候補画素におけるコード値を取得する。
次に、ステップS704では、ステップS703によって取得された補完元候補画素のコード値の中から後述する処理で用いる補完元画素(第1の画素)のコード値Aとして1つのコード値を選択する。ここで、ステップS703にて複数のコード値が取得されていた場合、本実施形態におけるステップS704ではその複数のコード値の中からランダムに1つのコード値を選択し、そのコード値をコード値Aに決定する。
次に、ステップS705では、ステップS702で選択された補完画素群のうち、吐出不良ノズル以外のノズル(以下、吐出正常ノズルとも称する)に対応する補完先候補画素(第2の候補画素)のコード値を取得する。この際、ステップS702で選択された補完画素群の中に吐出正常ノズルに対応する補完先候補画素が1つだけある場合は1つのコード値を取得する。また、吐出正常ノズルに対応する補完先候補画素が複数ある場合には、それぞれの補完先候補画素におけるコード値を取得する。
次に、ステップS706では、ステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値の中から後述する補完先画素(第2の画素)のコード値Bとして1つのコード値を選択する。ここで、本実施形態におけるステップS704では、ステップS705で取得された補完先候補画素のコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示すコード値を選択し、補完先画素のコード値Bとする。
図7に示すデコードテーブルを用いて上述したように、本実施形態では、コード値が「00」である場合には、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであったとしてもインクを吐出しない。言い換えると、「00」のコード値はインクの吐出の許容回数が0回であることを示している。また、コード値が「01」である場合には、対応する画素値が「11」である場合にのみインクを吐出する。すなわち、「01」のコード値はインクの吐出の許容回数が1回であることを示している。同様に、「10」のコード値はインクの吐出の許容回数が2回であることを、また、「11」のコード値はインクの吐出の許容回数が3回であることをそれぞれ示している。したがって、本実施形態におけるマスクパターンのコード値は、インクの吐出の許容回数が少ない方から順番に「00」、「01」、「10」、「11」となる。
したがって、例えばステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値が「00」と「11」である場合、ステップS706では「00」のコード値が補完先画素のコード値Bとして選択される。また、例えばステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値が「01」、「10」、「11」である場合、ステップS706では「01」のコード値が補完先画素のコード値Bとして選択される。また、例えばステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値が「10」のみである場合、ステップS706では「10」のコード値が補完先画素のコード値Bとして選択される。
次に、ステップS707では、ステップS704で選択されたコード値AとステップS706で選択されたコード値Bの比較が行われる。ここで、コード値Aが示すインクの吐出の許容回数がコード値Bが示すインクの吐出の許容回数よりも多い場合、ステップS708へと進み、補完先画素に定められていたコード値Bを補完元画素に定められていたコード値Aによって置換する処理を行う。一方、コード値Aが示すインクの吐出の許容回数がコード値Bが示すインクの吐出の許容回数よりも少ない場合、置換処理は実行されない。
例えば、ステップS704で選択されたコード値Aが「11」であり、ステップS706で選択されコード値Bが「00」である場合、コード値Aが示す許容回数(3回)がコード値Bが示す許容回数(0回)よりも多いため、ステップS708にて補完先画素の「00」のコード値Bを補完元画素の「11」のコード値にて置換する。また、コード値Aが「10」であり、コード値Bが「01」である場合、コード値Aが示す許容回数(2回)がコード値Bが示す許容回数(1回)よりも多いため、補完先画素の「01」のコード値Bを補完元画素の「10」のコード値にて置換する。また、コード値Aが「01」であり、コード値Bが「11」である場合、コード値Aが示す許容回数(1回)がコード値Bが示す許容回数(3回)よりも少ないため、置換処理を行わず、補完先画素のコード値には元々の「11」が変わらずに定められる。
次に、ステップS709では、ステップS702にて選択された補完画素群のうち、ステップS704〜S708における処理を実行していない補完元候補画素が存在するか否かが判定される。すべての補完元候補画素にてステップS704〜S708における処理を実行したと判定された場合、ステップS710へと進む。
一方、ステップS704〜S708における処理を行っていない残りの補完元候補画素が存在すると判定された場合、ステップS704へと戻り、残りの補完元候補画素の中でステップS704〜S708における処理と同様の処理を実行する。ここで、本実施形態では、1つの補完画素群内で1回でもステップS708にて置換が実行された補完先画素は以降の処理においてはステップS705における補完先候補画素から除外する。
そして、ステップS710では、吐出不良ノズルに対応する画素を少なくとも1つ含む補完画素群のすべてに対してステップS703〜S709における処理が実行されたか否かを判定する。ステップS703〜S709における処理が実行されていない補完画素群が残っていると判定された場合、S702へと戻り、残りの補完画素群に対してステップS703〜S709における処理が実行される。一方、すべての補完画素群に対してステップS703〜S709における処理が実行されたと判定された場合、不吐補完処理を終了し、最終的に得られたマスクパターンを記録データの生成のために用いるマスクパターンとして更新する。
(4パス記録方式における不吐補完処理)
図9に示したような吐出不良ノズル30aが発生した場合を例として、4パス記録方式において図11に示す不吐補完処理(S701〜S710)を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
図9に示したような吐出不良ノズル30aが発生した場合を例として、4パス記録方式において図11に示す不吐補完処理(S701〜S710)を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
図12は不吐補完処理の実行過程でのデータの様子を模式的に示す図である。
図12(a)、(b)はそれぞれ図6(a)、(b)に示したものと同様である。また、図12(c−1)〜(c−4)もそれぞれ図6(c−1)〜(c−4)に示したものと同様であり、本実施形態における4パス記録方式での1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505〜508を示す図である。また、図12(c´−1)〜(c´−4)はそれぞれ図12(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態における不吐補完処理を実行することにより生成される1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505´〜508´を示す図である。
ここで、図9に示すような吐出不良ノズル30aが生じた場合、1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700、701、702、703が吐出不良ノズル30aに対応する画素となる。したがって、ステップS702では4つのマスクパターン505〜508内の4つの画素700からなる第1の補完画素群、4つの画素701からなる第2の補完画素群、4つの画素702からなる第3の補完画素群、4つの画素703からなる第4の補完画素群のうちの1つの補完画素群が選択される。ここでは一例として、マスクパターン505〜508内の4つの画素700からなる第1の補完画素群が選択された場合について記載する。
第1の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン505にのみ吐出不良ノズルに対応する画素700が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700のコード値「11」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700のコード値「11」がコード値Aとして選択される。
また、第1の補完画素群には、2、3、4回目の走査に対応するマスクパターン506、507、508に吐出正常ノズルに対応する画素700が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素700のコード値「10」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素700のコード値「01」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700のコード値「00」の3つのコード値が取得される。ステップS706では、この3つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700のコード値「00」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素700のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン508内の画素700のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいと判定される。したがって、図12(c´−4)に示すように、ステップS708にてマスクパターン508内の画素700のコード値「00」が「11」に置換される。
上述のように、第1の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第1の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第2、第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りの第2、第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン505〜508内の4つの画素701からなる第2の補完画素群が選択された場合について記載する。
第2の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン505にのみ吐出不良ノズルに対応する画素701が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素701のコード値「10」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素701のコード値「10」がコード値Aとして選択される。
また、第2の補完画素群には、2、3、4回目の走査に対応するマスクパターン506、507、508に吐出正常ノズルに対応する画素701が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素701のコード値「01」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素701のコード値「00」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素701のコード値「11」の3つのコード値が取得される。ステップS706では、この3つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素701のコード値「00」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素701のコード値「10」が示す許容回数(2回)がコード値Bであるマスクパターン507内の画素701のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいと判定される。したがって、図12(c´−3)に示すように、ステップS708にてマスクパターン507内の画素701のコード値「00」が「10」に置換される。
上述のように、第2の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第2の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りの第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン505〜508内の4つの画素702からなる第3の補完画素群が選択された場合について記載する。
第3の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン505にのみ吐出不良ノズルに対応する画素702が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素702のコード値「01」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素702のコード値「01」がコード値Aとして選択される。
また、第3の補完画素群には、2、3、4回目の走査に対応するマスクパターン506、507、508に吐出正常ノズルに対応する画素702が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素702のコード値「00」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素702のコード値「11」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素702のコード値「10」の3つのコード値が取得される。ステップS706では、この3つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素702のコード値「00」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素702のコード値「01」が示す許容回数(1回)がコード値Bであるマスクパターン506内の画素702のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいと判定される。したがって、図12(c´−2)に示すように、ステップS708にてマスクパターン506内の画素702のコード値「00」が「01」に置換される。
上述のように、第3の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第3の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りのマスクパターン505〜508内の4つの画素703からなる第4の補完画素群が選択された場合について記載する。
第4の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン505にのみ吐出不良ノズルに対応する画素703が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素703のコード値「00」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素703のコード値「00」がコード値Aとして選択される。
また、第4の補完画素群には、2、3、4回目の走査に対応するマスクパターン506、507、508に吐出正常ノズルに対応する画素703が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素703のコード値「11」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素703のコード値「10」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素703のコード値「01」の3つのコード値が取得される。ステップS706では、この3つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素703のコード値「01」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素703のコード値「00」が示す許容回数(0回)がコード値Bであるマスクパターン508内の画素703のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図12(c´−4)に示すように、マスクパターン508内の画素703のコード値は「01」のままとなる。
上述のように、第4の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第4の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、ステップS710にてすべての補完画素群にて不吐補完処理が実行されたと判定され、不吐補完処理が終了する。
図12(c´−1)〜(c´−4)からわかるように、本実施形態における不吐補完処理を実行することにより、2回目の走査に対応するマスクパターン内の画素702、3回目の走査に対応するマスクパターン内の画素701、4回目の走査に対応するマスクパターン内の画素700の3つの画素のコード値が置換されることになる。
図12(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図12(b)に示す画像データに対して図12(c´−1)〜(c´−4)それぞれに示す不吐補完処理後のマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
本実施形態における不吐補完処理を実行した後のマスクパターンを用いることにより、
図6(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比較すると、図12(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは図6(d−1)〜(d−4)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図12(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素701と図12(d−4)4回目の走査に対応する記録データの画素700にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
図6(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比較すると、図12(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは図6(d−1)〜(d−4)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図12(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素701と図12(d−4)4回目の走査に対応する記録データの画素700にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
そのため、図12(e)に示すように図12(d−1)〜(d−4)に示す記録データの論理和は、図6(e)に示す記録データの論理和に比べて画素700、701でそれぞれ1だけ大きくなっている。
ここで、図12(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データでは画素700、701にインクの吐出(「1」)が定められているが、実際にはこれらの画素は吐出不良ノズルに対応するため、インクが吐出されない。したがって、図12(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した場合、図12(f)に示すように、各画素に対する実際のインクの吐出回数は図6(e)に示すインクの吐出不良が発生しなかった場合におけるインクの吐出回数と同じ数とすることができる。このように、本実施形態による不吐補完処理を行うことにより、インクの吐出不良が発生した場合における図10(a)に示すような画質の低下を抑制することが可能となる。
(3パス記録方式における不吐補完処理)
次に、3パス記録方式において図11に示す不吐補完処理を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
次に、3パス記録方式において図11に示す不吐補完処理を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
図13は不吐補完処理の実行過程を模式的に示す図である。
図13(a)、(b)はそれぞれ図8(a)、(b)に示したものと同様である。また、図13(c−1)〜(c−3)もそれぞれ図8(c−1)〜(c−3)に示したものと同様であり、本実施形態における3パス記録方式での1〜3回目の走査に対応するマスクパターン605〜607を示す図である。また、図13(c´−1)〜(c´−3)はそれぞれ図13(c−1)〜(c−3)に示すマスクパターンに対して本実施形態における不吐補完処理を実行することにより生成される1〜3回目の走査に対応するマスクパターン605´〜607´を示す図である。
ここで、図9に示すような吐出不良ノズル30aが生じた場合、1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素800、801、802、803が吐出不良ノズル30aに対応する画素となる。したがって、ステップS702では3つのマスクパターン605〜607内の3つの画素800からなる第1の補完画素群、3つの画素801からなる第2の補完画素群、3つの画素802からなる第3の補完画素群、3つの画素803からなる第4の補完画素群のうちの1つの補完画素群が選択される。ここでは一例として、マスクパターン605〜607内の3つの画素800からなる第1の補完画素群が選択された場合について記載する。
第1の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン605にのみ吐出不良ノズルに対応する画素800が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素800のコード値「11」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素800のコード値「11」がコード値Aとして選択される。
また、第1の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン606、607に吐出正常ノズルに対応する画素800が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン606内の画素800のコード値「10」、3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素800のコード値「01」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素800のコード値「01」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン605内の画素800のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン607内の画素800のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも大きいと判定される。したがって、図13(c´−3)に示すように、ステップS708にてマスクパターン607内の画素800のコード値「00」が「11」に置換される。
上述のように、第1の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第1の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第2、第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップS704にて残りの第2、第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン605〜608内の3つの画素801からなる第2の補完画素群が選択された場合について記載する。
第2の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン605にのみ吐出不良ノズルに対応する画素801が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素801のコード値「10」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素801のコード値「10」がコード値Aとして選択される。
また、第2の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン606、607に吐出正常ノズルに対応する画素801が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン606内の画素801のコード値「01」、3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素801のコード値「11」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す2回目の走査に対応するマスクパターン606内の画素701のコード値「01」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン605内の画素801のコード値「10」が示す許容回数(2回)がコード値Bであるマスクパターン606内の画素801のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも大きいと判定される。したがって、図13(c´−2)に示すように、ステップS708にてマスクパターン606内の画素801のコード値「01」が「10」に置換される。
上述のように、第2の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第2の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップS704にて残りの第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン605〜607内の3つの画素802からなる第3の補完画素群が選択された場合について記載する。
第3の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン605にのみ吐出不良ノズルに対応する画素802が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素802のコード値「11」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素802のコード値「11」がコード値Aとして選択される。
また、第3の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン606、607に吐出正常ノズルに対応する画素802が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン606内の画素802のコード値「10」、3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素802のコード値「01」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素802のコード値「01」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン605内の画素802のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン607内の画素802のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも大きいと判定される。したがって、図12(c´−3)に示すように、ステップS708にてマスクパターン606内の画素802のコード値「01」が「11」に置換される。
上述のように、第3の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第3の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りのマスクパターン605〜607内の3つの画素803からなる第4の補完画素群が選択された場合について記載する。
第4の補完画素群には、1回目の走査に対応するマスクパターン605にのみ吐出不良ノズルに対応する画素803が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素803のコード値「01」が取得される。補完元候補画素は1つしかないため、ステップS704では1回目の走査に対応するマスクパターン605内の画素803のコード値「01」がコード値Aとして選択される。
また、第4の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン606、607に吐出正常ノズルに対応する画素803が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン606内の画素803のコード値「11」、3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素803のコード値「10」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン607内の画素803のコード値「10」がコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン605内の画素803のコード値「01」が示す許容回数(1回)がコード値Bであるマスクパターン607内の画素803のコード値「10」が示す許容回数(2回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図13(c´−3)に示すように、マスクパターン607内の画素803のコード値は「10」のままとなる。
上述のように、第4の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第4の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、ステップS710にてすべての補完画素群にて不吐補完処理が実行されたと判定され、不吐補完処理が終了する。
図13(c´−1)〜(c´−3)からわかるように、本実施形態における不吐補完処理を実行することにより、2回目の走査に対応するマスクパターン内の画素801、3回目の走査に対応するマスクパターン内の画素800、802の3つの画素のコード値が置換されることになる。
図13(d−1)〜(d−3)のそれぞれは、図13(b)に示す画像データに対して図13(c´−1)〜(c´−3)それぞれに示す不吐補完処理後のマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
本実施形態における不吐補完処理を実行した後のマスクパターンを用いることにより、
図8(d−1)〜(d−3)に示した記録データに比較すると、図13(d−1)〜(d−3)に示す記録データでは図8(d−1)〜(d−3)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図13(d−2)に示す2回目の走査に対応する記録データの画素801と図13(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素702にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
図8(d−1)〜(d−3)に示した記録データに比較すると、図13(d−1)〜(d−3)に示す記録データでは図8(d−1)〜(d−3)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図13(d−2)に示す2回目の走査に対応する記録データの画素801と図13(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素702にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
そのため、図13(d−1)〜(d−3)に示す記録データの論理和(図13(e))は、図8(e)に示す記録データの論理和に比べて画素801、802でそれぞれ1だけ大きくなっている。
ここで、図13(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データでは画素800、801、802にインクの吐出(「1」)が定められているが、実際にはこれらの画素は吐出不良ノズルに対応するため、インクが吐出されない。したがって、図13(d−1)〜(d−3)に示す記録データにしたがってインクを吐出した場合、図13(f)に示すように、画素800以外の画素に対する実際のインクの吐出回数は図8(e)に示すインクの吐出不良が発生しなかった場合におけるインクの吐出回数と同じ数とすることができる。
このように、インクの吐出不良が発生した場合には図10(b)に示すような吐出回数となるところ、本実施形態による不吐補完処理を行うことにより、画質の低下をある程度抑制することが可能となる。
図14は4パス記録方式、3パス記録方式それぞれにおいて補完元画素のコード値がそれぞれの値である場合に、本実施形態における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の効果を説明するための図である。なお、図14では例として複数のマスクパターン内の1つの画素にのみ吐出不良ノズルが生じる(補完元候補画素が1つである)場合について示している。
ここで、図14の1列目は4パス記録方式であるか3パス記録方式であるかを示している。2列目は吐出不良ノズルに対応するマスクパターンの補完元画素のコード値Aを示している。3列目は吐出正常ノズルに対応するマスクパターンの補完先候補画素のコード値を示している。4列目は補完先候補画素の中から選択される補完先画素のコード値Bを示している。5列目はコード値Aとコード値Bそれぞれが示す許容回数の比較を行い、不吐補完処理を実行した後に補完先画素に最終的に割り当てられているコード値を示している。すなわち、置換処理が実行されれば補完元画素のコード値が、実行されなければ補完先画素のコード値が示されている。6列目は画像データの画素値を示している。7列目は不吐補完処理を行う前のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。8列目は不吐補完処理を行った後のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。
4パス記録方式において補完元画素のコード値が「00」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであっても理想的なインクの吐出回数を表現することができる。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「01」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれにおいても理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
4パス記録方式において補完元画素のコード値が「01」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。しかしながら、画像データの画素値が、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれにおいても理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
4パス記録方式において補完元画素のコード値が「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「01」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。しかしながら、画像データの画素値が、「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれにおいても理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
4パス記録方式において補完元画素のコード値が「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「01」、「10」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。しかしながら、画像データの画素値が、「01」、「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれにおいても理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
3パス記録方式において補完元画素のコード値が「01」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができないものの、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することが可能である。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができないものの、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
3パス記録方式において補完元画素のコード値が「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することが可能である。しかしながら、画像データの画素値が「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能であるが、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現できない。但し、不吐補完処理前に比べて、画像データの画素値が「10」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
3パス記録方式において補完元画素のコード値が「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することが可能である。しかしながら、画像データの画素値が「01」、「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能であるが、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現できない。但し、不吐補完処理前に比べて、画像データの画素値が「01」、「10」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
(比較例)
次に、ある画素領域にインクを吐出可能な吐出不良ノズルが発生した際、比較例による不吐補完処理を実行した際の本実施形態との差異について以下に詳細に説明する。比較例においては、異なる走査にて吐出不良ノズルに対応する当該画素領域にインクを吐出できる吐出正常ノズルに対応するマスクパターン内のコード値が「00」である画素を見つけ、吐出不良ノズルに対応するマスクパターン内の当該画素領域に対応する画素のコード値を吐出正常ノズルに対応するマスクパターン内の当該画素領域に対応する画素の「00」のコード値に置換することにより不吐補完処理を行う。なお、不吐補完処理前のマスクパターンは第1の実施形態にて示した不吐補完処理前のマスクパターンと同様のものを使用する。
次に、ある画素領域にインクを吐出可能な吐出不良ノズルが発生した際、比較例による不吐補完処理を実行した際の本実施形態との差異について以下に詳細に説明する。比較例においては、異なる走査にて吐出不良ノズルに対応する当該画素領域にインクを吐出できる吐出正常ノズルに対応するマスクパターン内のコード値が「00」である画素を見つけ、吐出不良ノズルに対応するマスクパターン内の当該画素領域に対応する画素のコード値を吐出正常ノズルに対応するマスクパターン内の当該画素領域に対応する画素の「00」のコード値に置換することにより不吐補完処理を行う。なお、不吐補完処理前のマスクパターンは第1の実施形態にて示した不吐補完処理前のマスクパターンと同様のものを使用する。
図15は4パス記録方式、3パス記録方式それぞれにおいて補完元画素のコード値がそれぞれの値である場合に、比較例における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の程度を説明するための図である。
比較例によると、例えば3パス記録方式において補完元画素のコード値が「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することが可能である。しかしながら、画像データの画素値が「01」、「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。
ここで、不吐補完処理を行ったとしても、吐出正常ノズルに対応する画素には「00」のコード値が1つも割り当てられていない。そのため、比較例によると補完先画素のコード値を取得することができない。これにより、不吐補完処理を行ったとしてもマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」のままとなってしまう。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「01」、「10」「11」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することができない。
このように、本実施形態では比較例に比べて画質の低下が少ない不吐補完処理を実行可能であることがわかる。
以上記載したように、本実施形態による不吐補完処理を実行することにより、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いる場合であっても、吐出口の吐出不良が生じた際に好適な補完記録を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数のマスクパターン内の1つの画素にのみ吐出不良ノズルが対応する(補完元候補画素が1つである)場合に好適な不吐補完処理を実行する形態について記載した。
第1の実施形態では、複数のマスクパターン内の1つの画素にのみ吐出不良ノズルが対応する(補完元候補画素が1つである)場合に好適な不吐補完処理を実行する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、複数のマスクパターン内に複数の画素に吐出不良ノズルが対応する(補完元候補画素が複数である)場合であっても好適な不吐補完処理を実行する形態について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
複数ビットの情報を有する画像データ、マスクパターンを用いる際、複数の吐出口にインクの吐出不良が発生した場合における画質の低下について以下に詳細に記載する。
図16は図5から図7に示す4パス記録方式において16個の吐出口30のうちの2つの吐出口30a、30dにインクの吐出不良が生じた際、単位領域211に記録される画像の画質に対する影響を説明するための図である。なお、ここでは4パス記録方式において吐出不良が生じた場合を記載するが、3パス記録方式であっても同様の現象が生じる。
図16(a)に示すように、本来は領域211aには1〜4回目の走査それぞれにおいて吐出口30a〜30dそれぞれから合計4回インクを吐出可能である。しかしながら、吐出口30a、30dが吐出不良ノズルとなった場合、吐出口30a、30dからインクが吐出されるよう記録データが定められていると、1、4回目の走査では領域211aにインクが吐出されず、最大でも2回しかインクが吐出されなくなってしまう。これにより、1つの吐出口に吐出不良が生じた場合よりも更に画質が低下してしまう虞がある。
図16(b)は図6に示す4パス記録方式にしたがって記録した場合に図16(a)に示す吐出不良ノズルが発生した際に生じる画質の低下を説明するための図である。
4パス記録方式において図6に示す画像データ、マスクパターンを用いる場合、図6(d−1)からわかるように領域211a内の画素700、701にインクの吐出(「1」)が定められた1回目の走査に対応する記録データが生成される。しかしながら、領域211aは1回目の走査において吐出不良ノズル30aに対応するため、記録データがインクの吐出を定めていたとしても実際にはインクを吐出することができない。したがって、1回目の走査において画素700、701に対応する画素領域にはインクが吐出されなくなってしまう。
同様に、図6(d−4)からわかるように、領域211a内の画素701にインクの吐出(「1」)が定められた4回目の走査に対応する記録データが生成される。しかしながら、領域211aは4回目の走査において吐出不良ノズル30dに対応するため、記録データがインクの吐出を定めていたとしても実際にはインクを吐出することができない。したがって、4回目の走査において画素701に対応する画素領域にはインクが吐出されなくなってしまう。
これにより、単位領域211内の画素700に対応する画素領域には、理想的なインクの吐出回数は図6(e)で示すように3回であるのに対し、合計で2回しかインクが吐出されなくなってしまう。更に、単位領域211内の画素701に対しては、図6(e)に示す理想的なインクの吐出回数は2回であるのに対し、1回もインクが吐出されなくなってしまう。このように、複数の吐出口においてインクの吐出不良が生じた場合、図10(a)に示した1つの吐出口において吐出不良が生じた場合よりも顕著に画質が低下する虞がある。
以上の点を鑑み、本実施形態では図11に示す不吐補完処理におけるステップS704における処理を第1の実施形態と異ならせる。
第1の実施形態での図11に示す不吐補完処理におけるステップS704では、ステップS703で吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素のコード値として複数のコード値が取得されていた場合、その複数のコード値の中からランダムに1つのコード値を補完元画素のコード値Aとして選択した。
これに対し、本実施形態では、ステップS703で補完元候補画素のコード値として複数のコード値が取得されていた場合、最も多いインクの吐出の許容回数を示すコード値を選択する。そして、ステップS705〜S709を経て再度ステップS703の処理を実行する際には、先ほど選択されたコード値の次に多いインクの吐出の許容回数を示すコード値を選択する。このように、本実施形態では、補完元候補画素が複数存在する場合にはインクの吐出の許容回数が多いコード値が割り当てられた画素から順番に置換処理を実行する。
図16(a)に示したような吐出不良ノズル30a、30dが発生した場合を例として、4パス記録方式において本実施形態における不吐補完処理を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
図17は不吐補完処理の実行過程を模式的に示す図である。
図17(a)、(b)はそれぞれ図6(a)、(b)に示したものと同様である。また、図17(c−1)〜(c−4)もそれぞれ図6(c−1)〜(c−4)に示したものと同様であり、本実施形態における4パス記録方式での1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505〜508を示す図である。また、図17(c´−1)〜(c´−4)はそれぞれ図17(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態における不吐補完処理を実行することにより生成される1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505´´〜508´´を示す図である。
ここで、図16(a)に示すような吐出不良ノズル30a、30dが生じた場合、1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700、701、702、703と、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700、701、702、703と、が吐出不良ノズル30a、30dに対応する画素となる。したがって、ステップS702では4つのマスクパターン505〜508内の4つの画素700からなる第1の補完画素群、4つの画素701からなる第2の補完画素群、4つの画素702からなる第3の補完画素群、4つの画素703からなる第4の補完画素群のうちの1つの補完画素群が選択される。ここでは一例として、マスクパターン505〜508内の4つの画素700からなる第1の補完画素群が選択された場合について記載する。
第1の補完画素群には、1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508に吐出不良ノズルに対応する画素700が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700のコード値「11」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700のコード値「00」の2つのコード値が取得される。
ステップS704では、ステップS703にて取得された2つのコード値「11」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が多い1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700のコード値「11」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
また、第1の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507に吐出正常ノズルに対応する画素700が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素700のコード値「10」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素700のコード値「01」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素700のコード値「01」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素700のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン507内の画素700のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも大きいと判定される。したがって、図17(c´´−3)に示すように、ステップS708にてマスクパターン507内の画素700のコード値「01」が「11」に置換される。
この段階では、補完元候補画素のうちの4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700において不吐補完処理が実行されていない。したがって、ステップS709にてステップS704へと戻される。
そして、ステップS704でステップS703にて取得された1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508内の画素700のコード値「11」、「00」のうち、不吐補完処理が行われていない補完元候補画素である4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素700のコード値「00」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
更に、ステップS706でステップS705にて取得された2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507内の画素700のコード値「10」、「01」のうち、ステップS708における置換が実行されていない補完先候補画素である2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素700のコード値「10」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン508内の画素700のコード値「00」が示す許容回数(0回)がコード値Bであるマスクパターン506内の画素700のコード値「10」が示す許容回数(2回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図17(c´´−2)に示すように、マスクパターン506内の画素700のコード値は「10」のままとなる。
その後、ステップS709にて上述の処理にて第1の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第2、第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りの第2、第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン505〜508内の4つの画素701からなる第2の補完画素群が選択された場合について記載する。
第2の補完画素群には、1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508に吐出不良ノズルに対応する画素701が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素701のコード値「10」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素701のコード値「11」の2つのコード値が取得される。
ステップS704では、ステップS703にて取得された2つのコード値「10」、「11」のうち、インクの吐出の許容回数が多い4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素701のコード値「11」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
また、第2の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507に吐出正常ノズルに対応する画素701が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素701のコード値「01」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素701のコード値「00」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素701のコード値「00」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン508内の画素701のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン507内の画素701のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいと判定される。したがって、図17(c´´−3)に示すように、ステップS708にてマスクパターン507内の画素701のコード値「00」が「11」に置換される。
この段階では、補完元候補画素のうちの1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素701において不吐補完処理が実行されていない。したがって、ステップS709にてステップS704へと戻される。
そして、ステップS704でステップS703にて取得された1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508内の画素701のコード値「10」、「11」のうち、不吐補完処理が行われていない補完元候補画素である1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素701のコード値「10」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
更に、ステップS706でステップS705にて取得された2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507内の画素701のコード値「01」、「00」のうち、ステップS708における置換が実行されていない補完先候補画素である2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素701のコード値「01」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素701のコード値「10」が示す許容回数(2回)がコード値Bであるマスクパターン506内の画素701のコード値「01」が示す許容回数(1回)よりも大きいと判定される。したがって、図17(c´´−2)に示すように、ステップS708にてマスクパターン506内の画素701のコード値「01」が「10」に置換される。
その後、ステップS709にて上述の処理にて第2の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第3、第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りの第3、第4の補完画素群のうち、マスクパターン505〜508内の4つの画素702からなる第3の補完画素群が選択された場合について記載する。
第3の補完画素群には、1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508に吐出不良ノズルに対応する画素702が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素702のコード値「01」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素702のコード値「10」の2つのコード値が取得される。
ステップS704では、ステップS703にて取得された2つのコード値「01」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が多い4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素702のコード値「10」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
また、第3の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507に吐出正常ノズルに対応する画素702が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素702のコード値「00」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素702のコード値「11」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素702のコード値「00」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン508内の画素702のコード値「10」が示す許容回数(2回)がコード値Bであるマスクパターン506内の画素702のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいと判定される。したがって、図17(c´´−2)に示すように、ステップS708にてマスクパターン506内の画素702のコード値「00」が「10」に置換される。
この段階では、補完元候補画素のうちの1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素702において不吐補完処理が実行されていない。したがって、ステップS709にてステップS704へと戻される。
そして、ステップS704でステップS703にて取得された1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508内の画素702のコード値「01」、「10」のうち、不吐補完処理が行われていない補完元候補画素である1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素702のコード値「01」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
更に、ステップS706でステップS705にて取得された2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507内の画素702のコード値「00」、「11」のうち、ステップS708における置換が実行されていない補完先候補画素である3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素702のコード値「11」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素702のコード値「01」が示す許容回数(1回)がコード値Bであるマスクパターン507内の画素702のコード値「11」が示す許容回数(3回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図17(c´´−2)に示すように、マスクパターン507内の画素702のコード値は「11」のままとなる。
その後、ステップS709にて上述の処理にて第3の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、残りの第4の補完画素群にて不吐補完処理が実行されていないため、ステップS710にてステップS704へと戻される。
次に、ステップ704にて残りのマスクパターン505〜508内の4つの画素703からなる第4の補完画素群が選択される。
第4の補完画素群には、1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508に吐出不良ノズルに対応する画素703が含まれている。そのため、ステップS703では補完元候補画素のコード値として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素703のコード値「00」、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素703のコード値「01」の2つのコード値が取得される。
ステップS704では、ステップS703にて取得された2つのコード値「00」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が多い4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素703のコード値「01」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
また、第3の補完画素群には、2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507に吐出正常ノズルに対応する画素703が含まれる。したがって、ステップS705では補完先候補画素のコード値として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素703のコード値「11」、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素703のコード値「10」の2つのコード値が取得される。ステップS706では、この2つのコード値のうちで最も少ないインクの吐出の許容回数を示す3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素703のコード値「01」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン508内の画素703のコード値「01」が示す許容回数(1回)がコード値Bであるマスクパターン507内の画素703のコード値「10」が示す許容回数(2回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図17(c´´−3)に示すように、マスクパターン507内の画素703のコード値は「10」のままとなる。
この段階では、補完元候補画素のうちの1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素703において不吐補完処理が実行されていない。したがって、ステップS709にてステップS704へと戻される。
そして、ステップS704でステップS703にて取得された1、4回目の走査に対応するマスクパターン505、508内の画素703のコード値「00」、「01」のうち、不吐補完処理が行われていない補完元候補画素である1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素703のコード値「00」が補完元画素のコード値Aとして選択される。
更に、ステップS706でステップS705にて取得された2、3回目の走査に対応するマスクパターン506、507内の画素703のコード値「11」、「10」のうち、ステップS708における置換が実行されていない補完先候補画素である2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素703のコード値「11」が補完先画素のコード値Bとして選択される。
そして、ステップS707にてコード値Aであるマスクパターン505内の画素703のコード値「00」が示す許容回数(0回)がコード値Bであるマスクパターン506内の画素703のコード値「11」が示す許容回数(3回)よりも少ないと判定される。したがって、ステップS708における置換処理は実行されない。そのため、図17(c´´−2)に示すように、マスクパターン506内の画素703のコード値は「11」のままとなる。
上述のように、第4の補完画素群には補完元候補画素は1つしかないため、ステップS709にて上述の処理にて第4の補完画素群内のすべての補完元候補画素にて不吐補完処理が行われたと判定される。そして、ステップS710にてすべての補完画素群にて不吐補完処理が実行されたと判定され、不吐補完処理が終了する。
図17(c´−1)〜(c´−4)からわかるように、本実施形態における不吐補完処理を実行することにより、2回目の走査に対応するマスクパターン内の画素701、702、3回目の走査に対応するマスクパターン内の画素700、701の4つの画素のコード値が置換されることになる。
図17(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図17(b)に示す画像データに対して図17(c´´−1)〜(c´´−4)それぞれに示す不吐補完処理後のマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
本実施形態における不吐補完処理を実行した後のマスクパターンを用いることにより、
図6(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比較すると、図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは図6(d−1)〜(d−4)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図17(d−2)に示す2回目の走査に対応する記録データの画素701と図17(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素701にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
図6(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比較すると、図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは図6(d−1)〜(d−4)に示す記録データでインクの吐出(「1」)が定められている画素に加え、図17(d−2)に示す2回目の走査に対応する記録データの画素701と図17(d−3)に示す3回目の走査に対応する記録データの画素701にインクの吐出(「1」)が定められていることがわかる。
そのため、図17(e)に示すように図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データの論理和は、図6(e)に示す記録データの論理和に比べて画素701で2だけ大きくなっている。
ここで、図17(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データでは画素700、701に、また、図17(d−4)に示す4回目の走査に対応する記録データでは画素701にインクの吐出(「1」)が定められているが、実際にはこれらの画素は吐出不良ノズルに対応するため、インクが吐出されない。
したがって、図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した場合、図17(f)に示すように、画素700以外の画素に対する実際のインクの吐出回数は図6(e)に示すインクの吐出不良が発生しなかった場合におけるインクの吐出回数と同じ数とすることができる。
このように、本実施形態による不吐補完処理を行うことにより、インクの吐出不良が複数の吐出口にて発生した場合における図16(b)に示すような画質の低下をある程度抑制することが可能となる。
図18は4パス記録方式において複数の補完元画素のコード値の組み合わせにおいて、本実施形態における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の効果を説明するための図である。なお、図18では例として複数のマスクパターン内の2つの画素に吐出不良ノズルが生じる(補完元候補画素が2つである)場合について示している。
ここで、図18の1列目は4パス記録方式であることを示している。2列目は2つの吐出不良ノズルに対応するマスクパターンの2つの補完元候補画素のコード値Aを示している。3列目は2つの吐出正常ノズルに対応するマスクパターンの2つの補完先候補画素のコード値を示している。4列目は1回目のステップS704における処理にて補完元候補画素の中から選択される補完元画素のコード値Aを示している。5列目は1回目のステップS706における処理にて補完先候補画素の中から選択される補完先画素のコード値Bを示している。6列目は2回目のステップS704における処理にて補完元候補画素の中から選択される補完元画素のコード値Aを示している。7列目は2回目のステップS706における処理にて補完先候補画素の中から選択される補完先画素のコード値Bを示している。8列目は不吐補完処理実行後の吐出正常ノズルに対応するマスクパターンに割り当てられているコード値を示している。9列目は画像データの画素値を示している。10列目は不吐補完処理を行う前のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。11列目は不吐補完処理を行った後のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。
補完元候補画素のコード値が「00」、「01」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができないものの、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合、不吐補完処理前のマスクパターンを用いる場合と同様に、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができないものの、画像データの画素値が「00」、「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。
補完元候補画素のコード値が「00」、「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。しかしながら、画像データの画素値が「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能であるが、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現できない。但し、不吐補完処理前に比べて、画像データの画素値が「10」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
補完元候補画素のコード値が「00」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。しかしながら、画像データの画素値が「01」、「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能であるが、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数を表現できない。但し、不吐補完処理前に比べて、画像データの画素値が「01」、「10」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
補完元候補画素のコード値が「01」、「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。しかしながら、画像データの画素値が「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。更に、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数から大きくずれた吐出回数となってしまう。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。また、画像データの画素値が「10」である際であっても理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。更に、不吐補完処理前よりも画像データの画素値が「11」である際に表現するインクの吐出回数と理想的なインクの吐出回数とのずれを小さくすることができる。
補完元候補画素のコード値が「01」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「10」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。しかしながら、画像データの画素値が「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。更に、画像データの画素値が「11」である際には理想的なインクの吐出回数から大きくずれた吐出回数となってしまう。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。また、画像データの画素値が「01」、「10」である際であっても理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。更に、不吐補完処理前よりも画像データの画素値が「11」である際に表現するインクの吐出回数と理想的なインクの吐出回数とのずれを小さくすることができる。
補完元候補画素のコード値が「10」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「01」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。しかしながら、画像データの画素値が「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。更に、画像データの画素値が「10」、「11」である際には理想的なインクの吐出回数から大きくずれた吐出回数となってしまう。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合であっても、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現可能である。また、画像データの画素値が「01」、「10」である際であっても理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。更に、不吐補完処理前よりも画像データの画素値が「11」である際に表現するインクの吐出回数と理想的なインクの吐出回数とのずれを小さくすることができる。
(比較例)
次に、補完元候補画素が複数存在する場合にステップS704においてインクの吐出の許容回数が少ないコード値が割り当てられた画素から順番に補完元画素を選択する形態を比較例とし、第2の実施形態との差異について以下に詳細に説明する。
次に、補完元候補画素が複数存在する場合にステップS704においてインクの吐出の許容回数が少ないコード値が割り当てられた画素から順番に補完元画素を選択する形態を比較例とし、第2の実施形態との差異について以下に詳細に説明する。
図19は4パス記録方式における複数の補完元画素のコード値の組み合わせにおいて、比較例における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の程度を説明するための図である。
比較例によると、例えば補完元候補画素のコード値が「00」、「10」である場合、1回目のステップS704における処理ではインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が補完元画素のコード値Aとして選択される。そして、1回目のステップS706における処理では補完先候補画素のコード値「01」、「11」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完先画素のコード値Bとして選択される。したがって、1回目の不吐補完処理ではステップS708において補完先画素のコード値Bは置換されない。
次に、2回目のステップS704における処理では残りの補完元候補画素のコード値「10」が補完元画素のコード値Aとして選択される。そして、2回目のステップS706における処理では残りの補完先候補画素のコード値「11」が補完先画素のコード値Bとして選択される。したがって、2回目の不吐補完処理でもステップS708において補完先画素のコード値Bは置換されない。
したがって、比較例の不吐補完処理によると、補完元候補画素のコード値が「00」、「10」である場合には吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」となる。
同様に、補完元候補画素のコード値が「00」、「11」である場合、「01」、「10」である場合、「01」、「11」である場合のそれぞれにおいても、比較例の不吐補完処理によると吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」となる。
図19からわかるように、吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値が「01」、「11」となる場合、画像データの画素値が「10」である場合に理想的なインクの吐出回数を表現することができない。
一方で、図18に示したように、第2の実施形態によれば補完元候補画素のコード値が「00」、「10」等である場合においても吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値が「10」、「11」となるように不吐補完処理を行うことができる。したがって、画像データの画素値か「10」である場合であっても理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
このように、第2の実施形態では比較例に比べて画質の低下が少ない不吐補完処理を実行可能であることがわかる。
以上記載したように、第2の実施形態による不吐補完処理を実行することにより、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いる場合、複数の吐出口にて吐出不良が生じた際においても好適な補完記録を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、補完元候補画素が複数存在する場合にステップS704においてインクの吐出の許容回数が多いコード値が割り当てられた画素から順番に補完元画素を選択することにより、複数の画素に吐出不良ノズルが対応する場合であっても好適な不吐補完処理を行う形態について記載した。
第2の実施形態では、補完元候補画素が複数存在する場合にステップS704においてインクの吐出の許容回数が多いコード値が割り当てられた画素から順番に補完元画素を選択することにより、複数の画素に吐出不良ノズルが対応する場合であっても好適な不吐補完処理を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、他の方法により複数の画素に吐出不良ノズルが対応するであっても好適な不吐補完処理を行う形態について記載する
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、ステップS703で吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素のコード値として複数のコード値が取得されていた場合、ステップS704にてその複数のコード値の中からランダムに1つのコード値を補完元画素のコード値Aとして選択する。一方で、本実施形態では、1つの補完画素群内で1回ステップS708にて置換が実行された補完先画素であっても以降の処理においてステップS705における補完先候補画素から除外せず、置換後も再度補完候補画素として用いることとする。
図20は4パス記録方式において複数の補完元画素のコード値の組み合わせにおいて、本実施形態における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の効果を説明するための図である。なお、図20では例として複数のマスクパターン内の2つの画素に吐出不良ノズルが生じる(補完元候補画素が2つである)場合について示している。
ここで、図20の1列目は4パス記録方式であることを示している。2列目は2つの吐出不良ノズルに対応するマスクパターンの2つの補完元候補画素のコード値を示している。3列目は2つの吐出正常ノズルに対応するマスクパターンの2つの補完先候補画素のコード値を示している。4列目は1回目のステップS704における処理にて補完元候補画素の中から選択される補完元画素のコード値Aを示している。なお、上述のように本実施形態ではステップ704にて2つの補完先候補画素のコード値の中からランダムに1つのコード値を補完先画素のコード値Aとして選択するため、図20にはいずれのコード値を選択した場合も示している。5列目は1回目のステップS706における処理にて補完先候補画素の中から選択される補完先画素のコード値Bを示している。6列目は1回目のステップS706における処理によって更新された、2回目のステップS705にて取得される2つの補完先候補画素のコード値を示している。7列目は2回目のステップS704における処理にて補完元候補画素の中から選択される補完元画素のコード値Aを示している。8列目は2回目のステップS706における処理にて6列目に示す補完先候補画素の中から選択される補完先画素のコード値Bを示している。9列目は不吐補完処理実行後の吐出正常ノズルに対応するマスクパターンに割り当てられているコード値を示している。10列目は画像データの画素値を示している。11列目は不吐補完処理を行う前のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。12列目は不吐補完処理を行った後のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。
補完元候補画素のコード値が「00」、「01」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合と、コード値「01」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「10」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「10」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「01」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、1回目のステップS706にて選択されたものの、ステップS708にて置換が行われなかったコード値「10」と、を取得する。そして、2回目のステップS706にてコード値「11」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「01」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「10」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「10」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「00」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、1回目のステップS706にて選択されたものの、ステップS708にて置換が行われなかったコード値「10」と、を取得する。そして、2回目のステップS706にてコード値「11」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
また、補完元候補画素のコード値が「00」、「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「11」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合と、コード値「10」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「10」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、1回目のステップS706にて選択されたものの、ステップS708にて置換が行われなかったコード値「01」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「11」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「10」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「10」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「10」に置換される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「10」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「00」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、ステップS708にて置換が行われた後のコード値「10」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「11」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
また、補完元候補画素のコード値が「00」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「01」、「10」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合と、コード値「11」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「00」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「11」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「10」と、1回目のステップS706にて選択されたものの、ステップS708にて置換が行われなかったコード値「01」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「10」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「11」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「11」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「11」に置換される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「01」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「11」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「00」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「10」と、ステップS708にて置換が行われた後のコード値「11」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「10」、「11」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「00」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
また、補完元候補画素のコード値が「01」、「10」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「11」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「01」が選択された場合と、コード値「10」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「01」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「01」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「10」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、1回目のステップS708にて置換が行われた後のコード値「01」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「11」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「10」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「10」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「10」に置換される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「11」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が選択される。コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「10」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「01」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「11」と、ステップS708にて置換が行われた後のコード値「10」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「11」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
また、補完元候補画素のコード値が「01」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「10」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「01」が選択された場合と、コード値「11」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「01」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「01」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「11」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「10」と、1回目のステップS708にて置換が行われた後のコード値「01」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「10」、「01」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「11」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「11」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「11」に置換される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「10」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「11」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「01」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「10」と、ステップS708にて置換が行われた後のコード値「11」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「11」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「10」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも少ないため、ステップS708における置換は行われない。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
また、補完元候補画素のコード値が「10」、「11」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「01」となる。ここで、本実施形態における1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「10」が選択された場合と、コード値「11」が選択された場合と、についてそれぞれ説明する。
(i)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「10」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「01」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「01」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。
コード値Aであるコード値「10」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「10」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「11」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「01」と、1回目のステップS708にて置換が行われた後のコード値「10」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「01」、「10」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「01」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「11」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「10」、「11」となる。
(ii)1回目のステップS704において補完元画素のコード値Aとしてコード値「11」が選択された場合
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「01」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「11」に置換される。
ステップS706では補完先画素のコード値Bとしてコード値「00」、「01」のうちのインクの吐出の許容回数が少ないコード値「00」が選択される。コード値Aであるコード値「11」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「00」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「00」が「11」に置換される。
次に、2回目のステップS705において補完元画素のコード値Aとして残りのコード値「10」が選択される。ここで、本実施形態では置換が行われたか否かに関わらず1度補完先画素と選択された画素であっても以降の処理において補完先候補画素となる。そのため、2回目のステップS705では補完先候補画素のコード値として、1回目のステップS706にて選択されなかったコード値「01」と、ステップS708にて置換が行われた後のコード値「11」と、を取得する。そして、ステップS706にてコード値「01」、「11」のうち、インクの吐出の許容回数が少ないコード値「01」が補完元画素のコード値Bとして選択される。
コード値Aであるコード値「01」が示す許容回数はコード値Bであるコード値「10」が示す許容回数よりも多いため、ステップS708にてコード値「01」が「10」に置換される。したがって、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「10」、「11」となる。
以上記載したように、本実施形態によれば、複数の吐出口にインクの吐出不良が発生した場合、補完元候補画素のコード値の組み合わせによらず不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに割り当てられるコード値を図18に示した第2の実施形態と同じく「10」、「11」とすることができる。したがって、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(第4の実施形態)
上述した第1から第3の実施形態では、補完元画素のコード値Aが補完先のコード値Bよりも大きい場合にコード値Aを用いてコード値Bを置換する形態について記載した。
上述した第1から第3の実施形態では、補完元画素のコード値Aが補完先のコード値Bよりも大きい場合にコード値Aを用いてコード値Bを置換する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では補完元画素のコード値Aが補完先のコード値Bよりも大きい場合、コード値Aとコード値Bを交換する形態について記載する。
なお、上述した第1から第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
吐出不良ノズルであっても、記録データにてインクの吐出が定められている場合、少量のインクが吐出される場合がある。
すなわち、テストパターンを記録し、そのテストパターンを読み取った際、インクが吐出されなかった領域に対応する吐出口に加え、濃度の低下が見られた領域に対応する吐出口も吐出不良ノズルとして特定する場合がある。この場合、濃度の低下が見られた領域に対応する吐出不良ノズルからは少量ながらインクが吐出される虞がある。したがって、第1から第3の実施形態に記載したように吐出不良ノズルにインクの吐出を示す記録データを割り当てたままだと吐出不良ノズルから少量のインクが吐出されてしまう可能性がある。この場合、第1から第3の実施形態に記載した不吐補完処理により吐出不良が発生した場合でもインクの理想的な吐出回数を表現したとしても、吐出不良ノズルからの少量のインクの吐出によって理想的な吐出回数からずれが生じてしまう虞がある。
この点を鑑み、本実施形態では吐出不良ノズルに対応する画素にはインクの非吐出(「0」)を示す記録データが生成され易くなるような不吐補完処理を行う。
図21は本実施形態における不吐補完処理を実行する制御プログラムのフローチャートである。なお、図21に示すステップS801〜S807、S809、S810における処理は、図11に示すステップS701〜S707、S709、S710における処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS807にてステップS804で選択されたコード値Aが示す許容回数がステップS806で選択されたコード値Bが示す許容回数よりも多いと判定された場合、ステップS808にて補完先画素に定められていたコード値Bと補完元画素に定められていたコード値Aとを交換する処理を行う。一方、コード値Aが示す許容回数がコード値Bが示す許容回数よりも少ない場合、交換処理は実行されない。
例えば、ステップS804で選択されたコード値Aが「11」であり、ステップS806で選択されコード値Bが「00」である場合、コード値Aが示す許容回数(3回)がコード値Bが示す許容回数(0回)よりも多いため、ステップS808にて補完先画素の「00」のコード値Bと補完元画素の「11」のコード値Aにて交換する。したがって、交換処理後には補完先画素には「11」のコード値が、補完元画素には「00」のコード値が割り当てられる。
図9に示したような吐出不良ノズル30aが発生した場合を例として、4パス記録方式において図21に示す不吐補完処理を実行した際の過程を以下に詳細に記載する。
図22は不吐補完処理の実行過程を模式的に示す図である。
なお、図12に示した不吐補完処理の実行過程と同様の部分については説明を省略する。
図12に示した不吐補完処理の実行過程では、例えば4つの画素700からなる第1の補完画素群に不吐補完処理を実行する際、コード値Aであるマスクパターン505内の画素700のコード値「11」が示す許容回数(3回)がコード値Bであるマスクパターン508内の画素700のコード値「00」が示す許容回数(0回)よりも大きいため、ステップS708にてマスクパターン508内の画素700のコード値「00」を「11」に置換した。
一方、本実施形態では、ステップS808にてマスクパターン508内の画素700のコード値「00」とマスクパターン505内の画素700のコード値「11」とを交換する。したがって、図22(c´−1)に示すように、不吐補完後のマスクパターン505内の画素700のコード値は「00」となる。更に、図22(c´−4)に示すように、不吐補完後のマスクパターン508内の画素700のコード値は「11」となる。
これにより、不吐補完後のマスクパターン内の吐出不良ノズルに対応する画素には、インクの吐出の許容回数が少ないコード値が割り当てられることになる。例えば、図22(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態の不吐補完処理を行うことにより、図22(c´−1)からわかるように、吐出不良ノズルに対応する1回目の走査でのマスクパターン内の画素700〜703にはコード値「00」が割り当てられる。したがって、図22(d−1)に示すように、吐出不良ノズルにインクの非吐出(「0」)を示す記録データが生成され易くなる。
以上記載したように、本実施形態によれば吐出不良ノズルからの少量のインクの吐出による理想的な吐出回数からずれを抑制した記録を行うことが可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、図11に示す処理を簡略化して不吐補完処理を実行する。
本実施形態では、図11に示す処理を簡略化して不吐補完処理を実行する。
なお、上述した第1から第4の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図23は本実施形態における不吐補完処理を実行する制御プログラムのフローチャートである。なお、図23に示す各処理は、例えば、CPU301がROM302に記憶されているプログラムをRAM303に読み出して実行することにより実現される。
ステップS901、S902は、それぞれ図11に示すステップS701、S702と同様であるため、説明を省略する。
次に、ステップS903では、ステップS902で選択された補完画素群のうち、吐出不良ノズルに対応する補完元候補画素のコード値のうちの1つのコード値を補完元画素のコード値Aとして取得する。なお、補完元候補画素のコード値が複数存在する場合、ランダムに1つのコード値を選択して取得しても良いし、インクの吐出の許容回数が多いコード値を選択して取得しても良い。
次に、ステップS904では、吐出正常ノズルに対応する補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、ステップS903にて取得された補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在するか否かが判定される。
例えば、ステップS903にて取得された補完元画素のコード値Aが「11」であり、補完先候補画素のコード値が「00」、「01」、「10」である場合、補完先候補画素のコード値のうちのコード値「00」が上記の条件を満たしている。したがって、補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在すると判定される。
また、例えば、ステップS903にて取得された補完元画素のコード値Aが「10」であり、補完先候補画素のコード値「01」、「11」である場合、補完先候補画素のコード値のうちのコード値「01」が上記の条件を満たしている。したがって、補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在すると判定される。
また、例えば、ステップS903にて取得された補完元画素のコード値Aが「01」であり、補完先候補画素のコード値が「10」、「11」である場合、補完先候補画素のコード値のいずれのコード値も上記の条件を満たしていない。したがって、補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在しないと判定される。
ステップS904にて補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在すると判定された場合、ステップS905にて当該コード値を補完先画素のコード値Bとして取得する。そして、ステップS906でステップS905にて取得した補完先画素のコード値BをステップS903にて取得した補完元画素のコード値Aに置換する処理を行う。
その後、ステップS907では、ステップS902にて選択された補完画素群のうち、ステップS903〜S906における処理を実行していない補完元候補画素が存在するか否かが判定される。すべての補完元候補画素にてステップS903〜S906における処理を実行したと判定された場合、ステップS908へと進む。一方、ステップS903〜S906における処理を行っていない残りの補完元候補画素が存在すると判定された場合、ステップS903へと戻り、残りの補完元候補画素の中でステップS903〜S906における処理と同様の処理を実行する。ここで、1つの補完画素群内で1回でもステップS906にて置換が実行された補完先画素は以降の処理においてはステップS904における補完先候補画素から除外しても良いし、再度補完候補画素として用いても良い。
一方、ステップS904にて補完先候補画素のコード値の中で最も少ない許容回数を示し、且つ、補完元画素のコード値Aよりも少ない許容回数を示すコード値が存在しないと判定された場合、ステップS902にて選択された補完画素群に対する不吐補完処理を終了し、ステップS908へと進む。
そして、ステップS908では、吐出不良ノズルに対応する画素を少なくとも1つ含む補完画素群のすべてに対してステップS903〜S907における処理が実行されたか否かを判定する。ステップS903〜S907における処理が実行されていない補完画素群が残っていると判定された場合、S902へと戻り、残りの補完画素群に対してステップS903〜S907における処理が実行される。一方、すべての補完画素群に対してステップS903〜S907における処理が実行されたと判定された場合、不吐補完処理を終了し、最終的に得られたマスクパターンを記録データの生成のために用いるマスクパターンとして更新する。
以上に記載したような不吐補完処理を行う場合であっても、第1から第4の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
(第6の実施形態)
第1から第5の実施形態では、各画素当たりb(b≧2)ビットの情報を有するマスクパターンを用いる形態について記載した。
第1から第5の実施形態では、各画素当たりb(b≧2)ビットの情報を有するマスクパターンを用いる形態について記載した。
これに対し、本実施形態では各画素当たり1ビットの情報を有するマスクパターンを用いる形態について記載する。
なお、上述した第1から第5の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図24は本実施形態において記録データの生成に際して用いるデコードテーブルを示す図である。
本実施形態における画像データは、各画素当たり2ビットの情報から構成され、それぞれの画素に対して「00」、「01」、「10」の3通りの画素値のいずれかが割り当てられる。ここで、画素値が「00」である場合には、対応する画素に対してインクは1回も吐出されない。また、画素値が「01」である場合には、対応する画素に対してインクは1回吐出される。また、画素値が「10」である場合には、対応する画素に対してインクは2回吐出される。
また、本実施形態におけるマスクパターンは、各画素当たり1ビットの情報から構成され、「0」、「1」の2通りのコード値のいずれかが割り当てられる。
ここで、図24に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「0」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」である場合にはインクを吐出しないが、「10」である場合にはインクを吐出する。言い換えると、「0」のコード値は、3通りの画素値(「00」、「01」、「10」)に対して1回だけインクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が1回)、ということに対応する。
また、コード値が「1」である場合、対応する画素における画素値が「00」である場合にはインクを吐出しないが、「01」、「10」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「1」のコード値は3通りの画素値に対して2回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が2回)ということに対応する。
このような画像データ、マスクパターン、デコードテーブルを用いることにより、記録媒体上の単位領域に2回の走査で記録を行う2パス記録方式において、各画素に対して0回から2回までの吐出回数を表現することが可能となる。
本実施形態では、このような画像データ、マスクパターン、デコードテーブルを用い、2パス記録方式を実行する際に図11に示す不吐補完処理を行う。
図25は補完元画素のコード値がそれぞれの値である場合に、本実施形態における不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に最終的に割り当てられるコード値と、不吐補完処理後のマスクパターンを用いることによる画質低下の抑制の効果を説明するための図である。なお、図25では例として複数のマスクパターン内の1つの画素にのみ吐出不良ノズルが生じる(補完元候補画素が1つである)場合について示している。
ここで、図25の1列目は2パス記録方式で記録を行うことを示している。2列目は吐出不良ノズルに対応するマスクパターンの補完元画素のコード値Aを示している。3列目は吐出正常ノズルに対応するマスクパターンの補完先画素のコード値Bを示している。4列目は不吐補完処理実行後の吐出正常ノズルに対応するマスクパターンに割り当てられているコード値を示している。5列目は画像データの画素値を示している。6列目は不吐補完処理を行う前のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。7列目は不吐補完処理を行った後のマスクパターンを用いて生成された記録データに基づいてインクを吐出した際の各画素に対するインクの吐出回数を示している。
補完元画素のコード値が「0」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「1」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「10」である場合には理想的なインクの吐出回数を表現できないものの、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値もまた「1」となる。したがって、画像データの画素値が「10」である場合には理想的なインクの吐出回数を表現できないものの、画像データの画素値が「00」、「01」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。
一方、補完元画素のコード値が「1」である場合、不吐補完処理前のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「00」、「10」、「11」となる。したがって、不吐補完処理前のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。しかしながら、画像データの画素値が「01」、「10」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができない。一方、不吐補完処理後のマスクパターン内の吐出正常ノズルに対応する画素に割り当てられるコード値は「1」となる。したがって、画像データの画素値が「10」である場合には理想的なインクの吐出回数を表現できないものの、画像データの画素値が「00」である際には理想的なインクの吐出回数を表現することができる。更に、不吐補完処理後のマスクパターンを用いた場合、画像データの画素値が「01」である際に理想的なインクの吐出回数を表現することが可能となる。
(第7の実施形態)
第1から第6の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う形態について記載した。
第1から第6の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、記録媒体の幅方向(Z方向)の全域に対応した長さを有するそれぞれのインクに対応する記録ヘッドを複数用い、記録ヘッドと記録媒体との相対的な記録走査を1回行うことで記録を行う記録装置において、複数のインクの吐出順序を制御する。
なお、前述した第1から第6の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図26は、本実施形態に係る画像記録装置の内部の構成を部分的に示す側面図である。
4個の記録ヘッド601〜604には、それぞれ1つの記録ヘッド(吐出口列群)につきイエロー(Y)、マゼンタ(M)、フォトマゼンタ(Pm)、シアン(C)、フォトシアン(Pc)、ブラック(Bk)の各インクを吐出する所定数の吐出口(不図示)がZ方向に配列されている。よって、1色のインクを吐出する吐出口列は記録ヘッド601〜604に合計で4個配列されている。吐出口列のZ方向の長さは、記録媒体3上のZ方向の全域に記録を行うことが可能なように、記録媒体3のZ方向の長さ以上である。これらの記録ヘッド601〜612はZ方向と交差するW方向に並んで配置されている。なお、4個の記録ヘッド601〜604をまとめて記録ユニットとも称する。
搬送ベルト400は記録媒体3を搬送するためのベルトであり、搬送ベルト400が回転することによって記録媒体3を給送部401から排出部402までZ方向と交差するW方向に搬送する。
この画像記録装置では、1回の記録走査で画像を完成することができるため、記録時間の短縮化を達成することが可能となる。
本実施形態では、図26に示す記録ヘッド601〜604内の同じ色のインクを吐出する4個の吐出口列に対し第1から第5の実施形態で用いた各走査に対応するマスクパターンを用いて画像データを分配する。例えば、図11に示す第1のマスクパターン群を用いる場合、記録ヘッド601には図16(c−1)に示すマスクパターンを適用して画像データを分配する。同様にして、記録ヘッド602、603、604にはそれぞれ図16(c−2)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンを適用して画像データを分配する。そして、図11に示す不吐補完処理を実行することにより、複数の記録ヘッドを用いる場合であっても、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンを用い、吐出口の吐出不良が生じた際に好適な補完記録を行うことが可能となる。
また、本実施形態で用いた吐出口列のZ方向の長さは記録媒体の幅に相当する長さであったが、短尺な吐出口列をZ方向に複数配列することで長尺化を行った、いわゆるつなぎヘッドを記録ヘッドとして使用することも可能である。
なお、以上で説明した各実施形態では図7に示すデコードテーブルを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、図27に示したようなデコードテーブルを用いても良い。
図27に示すデコードテーブルを用いると、コード値が「00」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであっても、インクを吐出しない。すなわち、マスクパターン内の「00」のコード値はインクの吐出をまったく許容しない(インクの吐出の許容回数が0回)ということに対応する。
一方、図27に示すデコードテーブルを用いると、コード値が「01」である場合、対応する画素における画素値が「00」である場合にはインクを吐出しないが、「01」、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。言い換えると、「01」のコード値は、4通りの画素値(「00」、「01」、「10」、「11」)に対して3回だけインクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が3回)、ということに対応する。
また、コード値が「10」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」である場合にはインクを吐出しないが、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「10」のコード値は4通りの画素値に対して1回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が1回)ということに対応する。
更に、コード値が「11」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」の場合にはインクを吐出しないが、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「11」のコード値は4通りの画素値に対して2回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が2回)ということに対応する。
このようなデコードテーブルを用いる場合、マスクパターンのコード値はインクの吐出の許容回数が少ない方から順番に「00」、「10」、「11」、「10」となる。したがって、例えばステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値が「00」と「11」である場合、ステップS706では「00」のコード値が補完先画素のコード値Bとして選択すれば良い。また、例えばステップS705にて取得された補完先候補画素のコード値が「01」、「10」、「11」である場合、ステップS706では「10」のコード値が補完先画素のコード値Bとして選択すれば良い。
また、各実施形態では加熱により生じる発泡のエネルギーによりインクの吐出を行ういわゆるサーマルジェット型のインクジェット記録装置および記録方法について記載した。しかし、本発明はサーマルジェット型のインクジェット記録装置に限定されるものではない。例えば圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な画像記録装置に対して有効に適用できる。
また、各実施形態には画像記録装置を用いた画像記録方法について記載したが、各実施形態に記載の画像記録方法を行うためのデータを生成する画像処理装置または画像処理方法、プログラムを画像記録装置とは別体に用意する形態にも適用できる。また、画像記録装置の一部に備える形態にも広く適用できることは言うまでもない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含む。
さらに、「インク」とは、記録媒体上に付与されることで、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
3 記録媒体
7 記録ヘッド
302 ROM
505〜508 マスクパターン
605〜607 マスクパターン
7 記録ヘッド
302 ROM
505〜508 マスクパターン
605〜607 マスクパターン
Claims (22)
- インクを吐出するための記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対するK(K≧3)回の相対的な走査で用いる記録データを生成する画像処理装置であって、
前記記録媒体上の複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN(2≦N≦K)回までのいずれかのインクの吐出回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めた画像データを取得する取得手段と、
前記K回の走査に対応し、複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN回までのいずれかのインクの吐出の許容回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めたK個のマスクパターンと、前記画像データと、に基づいて、前記記録データを生成する生成手段と、を有し、
前記K個のマスクパターン内の同じ画素領域に対応するK個の画素のうち、(i)N個の画素は、それぞれ1回からN回までの許容回数のうちの互いに異なる許容回数を示す情報が定められており、(ii)前記N個の画素以外のK−N個の画素は、0回の許容回数を示す情報が定められていることを特徴とする画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記画像データに定められた情報と、前記マスクパターンに定められた情報と、に応じて、複数の画素領域それぞれに対するインクの吐出または非吐出を規定したテーブルを用いて、前記記録データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記テーブルは、(i)前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM(1≦M≦N)回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL(1≦L≦N)回である場合、インクの吐出を規定し、(ii)前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL−1回である場合、インクの非吐出を規定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記テーブルは、前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM−1回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL回である場合、インクの非吐出を規定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- M+L=N+1であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
- 前記K個のマスクパターンそれぞれには、同じ許容回数を示す情報が互いにほぼ同じ数の画素に定められていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記画像データに定められた情報と前記マスクパターンに定められた情報は、それぞれa(a≧2)ビットの情報であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- N=(2^a)−1であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- N<Kであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- K=4、N=3であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記記録ヘッドを更に有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記K個のマスクパターンを記憶する記憶手段を更に有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- インクを吐出するための記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対するK(K≧3)回の相対的な走査で用いる記録データを生成する画像処理方法であって、
前記記録媒体上の複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN(2≦N≦K)回までのいずれかのインクの吐出回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めた画像データを取得する取得工程と、
前記K回の走査に対応し、複数の画素領域のそれぞれに対する0回からN回までのいずれかのインクの吐出の許容回数を示す情報を複数の画素それぞれに対して定めたK個のマスクパターンと、前記画像データと、に基づいて、前記記録データを生成する生成工程と、を有し、
前記K個のマスクパターン内の同じ画素領域に対応するK個の画素のうち、(i)N個の画素は、それぞれ1回からN回までの許容回数のうちの互いに異なる許容回数を示す情報が定められており、(ii)前記N個の画素以外のK−N個の画素は、0回の許容回数を示す情報が定められていることを特徴とする画像処理方法。 - 前記生成工程において、前記画像データに定められた情報と、前記マスクパターンに定められた情報と、に応じて、複数の画素領域それぞれに対するインクの吐出または非吐出を規定したテーブルを用いて、前記記録データを生成することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
- 前記テーブルは、(i)前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM(1≦M≦N)回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL(1≦L≦N)回である場合、インクの吐出を規定し、(ii)前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL−1回である場合、インクの非吐出を規定することを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
- 前記テーブルは、前記画像データに定められた情報が示す吐出回数がM−1回であり、前記マスクパターンに定められた情報が示す許容回数がL回である場合、インクの非吐出を規定することを特徴とする請求項15に記載の画像処理方法。
- M+L=N+1であることを特徴とする請求項15または16に記載の画像処理方法。
- 前記K個のマスクパターンそれぞれには、同じ許容回数を示す情報が互いにほぼ同じ数の画素に定められていることを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記画像データに定められた情報と前記マスクパターンに定められた情報は、それぞれa(a≧2)ビットの情報であることを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- N=(2^a)−1であることを特徴とする請求項19に記載の画像処理方法。
- N<Kであることを特徴とする請求項13から20のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- K=4、N=3であることを特徴とする請求項13から21のいずれか1項に記載の画像処理方法。
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