JP2017087170A - 調湿材 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる問題を解決するために、高吸放湿性繊維からなる調湿材が提案されている(例えば、特許文献1。)。
更に、ポリビニルアルコール(以下、PVAという。)繊維や不織布を用いた調湿材も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
そこで、本発明ではこのような背景下において、吸湿性、放湿性の両方に優れる調湿材を提供することを目的とするものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
まずは、本発明の調湿材に用いる側鎖に一級水酸基を有するPVA系樹脂について説明する。
例えば、側鎖に1,2ジオール構造を有するPVA系樹脂、側鎖にヒドロキシアルキル基を有するPVA系樹脂などが挙げられる。中でも本発明の効果が得られやすい点で、側鎖1,2ジオール構造を有するPVA系樹脂が好ましい。
また本発明におけるケン化度とは、主鎖の水酸基及び側鎖の水酸基の割合である。側鎖の部分は通常、ケン化度は100モル%である。
かかる含有量が小さすぎると吸湿性が低下する傾向があり、高すぎると製造が困難となる傾向がある。
以下、かかる側鎖1,2ジオール含有PVA系樹脂について詳細に説明する。
本発明で用いられる側鎖1,2ジオール含有PVA系樹脂は、例えば、下記一般式(1)で表される構造単位を有するものである。
また本発明におけるケン化度とは、主鎖の水酸基及び側鎖1,2−ジオール構造の水酸基の割合である。側鎖の部分は通常、ケン化度は100モル%である。
かかる含有量が小さすぎると吸湿性が低下する傾向があり、高すぎると製造が困難となる傾向がある。
なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱い性に優れるという点から、R1〜R6が水素、Xが単結合、R7及びR8がR9−CO−であり、R9 がアルキル基である、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、さらにそのなかでも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。かかる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、その共重合体をケン化する際に発生する副生物が、ビニルエステル系モノマーとして多用される酢酸ビニルに由来する構造単位からケン化時に副生する化合物と同一であり、その後処理や溶剤回収系に敢えて特別な装置や工程を設ける必要がなく、従来からの設備を利用出来るという点も、工業的に大きな利点である。
かかる共重合成分は、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。
本発明において、溶融紡糸の方法としては、特に限定されないが、公知の溶融紡糸機を用い、単一ノズルまたは複合ノズルから溶融紡糸される。紡糸温度は、PVA系樹脂が溶融し、かつ変質しない温度で実施され、通常は120〜230℃、さらには140〜225℃、特には150〜220℃の範囲で行われる。このような紡糸工程の後、必要に応じて延伸され、その際の延伸温度は80〜190℃が好ましく、延伸倍率2倍以上で処理すると、繊維強度が向上するため好ましい。さらに、必要に応じて、捲縮付与装置で捲縮を与え、巻き取られて本発明のPVA系樹脂繊維が得られる。
透湿性を阻害しないフィルムとしては、例えば、多孔フィルムなどが挙げられる。
また、他の不織布としては、化学繊維からなる不織布と天然繊維からなる不織布があり、化学繊維の原料ポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロンなどが挙げられ、天然繊維の原料としては、ウール、綿等から製造される不織布が挙げられる。
織物としては、ポリエステル、ナイロン、絹、綿などが挙げられる。
また、積層体にする場合においては、加熱して接着、または各層の間に接着剤を用いることできる。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂1の作製>
還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル400部、メタノール380部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン24部を仕込み、アセチルパーオキサイドを対仕込み酢酸ビニル0.058モル%投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、酢酸ビニル600部、および3,4−ジアセトキシ−1−ブテン36部を10時間等速滴下しながら重合を開始した。また、重合反応中にアセチルパーオキサイドを対酢酸ビニル0.021mol%を4回追加した。酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
ついで、上記メタノール溶液を濃度55%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、共重合体中の酢酸ビニル構造単位および3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して4.6ミリモルとなる割合で水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的とするPVA系樹脂を作製した。
上記で得られたPVA系樹脂96部と、グリセリンにエチレンオキシドを8モル%反応させた化合物(ユニオックスG−450 日本油脂(株)製)4部を、二軸押出機を用いて配合し、下記の条件にて樹脂温190℃で溶融押出ペレット化した。得られた樹脂組成物ペレットを以下のように評価した。
押出機 :単軸押出機(15mmφ L/D=60)
スクリューパターン=フルフライト CR=3.12
温度パターン:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D
=90/120/150/170/180/180/
190/190/190℃
スクリーンメッシュ:90/90
スクリューパターン:フルフライト
スクリュー回転数:200rpm
その他:真空ベント 冷却ベルト ペレタイザー
また、DSC(FirstRun:−30〜215℃(10℃/min昇温)、SecondRun:−30〜230℃(10℃/min昇温))にて融点を測定したところ、融点は173℃であった。
〔PVA系樹脂不織布の作製〕
下記の条件にて、上記で得られたPVA系樹脂組成物ペレットを用いて、不織布を作製した。
単軸押出機:スクリュー径φ65mm、L/D=30
温度条件:C1/C2/C3/C4/C5/ダイ=190/210/210/210/210/210℃
フィルター:ノズルパックフィルター(200メッシュ+350メッシュ+60メ
ッシュ+30メッシュ+20メッシュ)
ノズル:φ0.5mm、501ホール、千鳥配列
吐出量:0.72g/分・孔
熱ロールとして、表面に凹凸模様のあるエンボスロール(100℃)とフラットロール(100℃)とを用いて、線圧40kg/cmで熱圧着することにより、繊維を部分的に熱融着させ、PVA系樹脂不織布を得て、調湿材とした。
上記得られた調湿材の繊維径は、直径平均30μmであり、目付けが40g/m2、厚みが250μmであった。
上記で得られた調湿材の一部(10cm×10cm)を切り出し、105℃で3時間乾燥させ、初期揮発分(V1)(%)を測定した。
V1=(乾燥後の重量)/(乾燥前の重量)×100
上記で得られた調湿材の一部(10cm×10cm)を更に切り出し、重量を測定し(W部)、下記(1)式を用いて初期の揮発分を除いた調湿材のみの重量(W0)を算出した。
30℃、40%RHの条件下で24時間以上調湿し、重量(W1)を測定し、下記(2)式を用いて乾燥下吸湿率(M1)を算出した。
次に40℃、90%RHの条件下で24時間以上調湿した後、重量(W2)を測定し、下記(3)式を用いて高湿度下吸湿率(M2)を算出した。
下記(4)式を用いてΔMを算出した。
M1(%)={(W1−W0)/W0}×100 (2)
M2(%)={(W2−W0)/W0}×100 (3)
ΔM=M2−M1 (4)
実施例1で用いたPVA系樹脂1を不織布とせずに、粉末(平均粒径112μm)のまま実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、不織布としてPVA製不織布1(原料PVA:ケン化度99.8モル%、平均重合度1570 目付け60g/m2 厚み0.5mm)を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、不織布をシリカゲル(和光純薬工業(株)社製 中粒状(青色) 粒径約3mm)に代えた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする原料糸からなるポリビニルアルコール系樹脂製繊維を含有することを特徴とする調湿材。
- 側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂が、側鎖に一級水酸基を有する構造単位の含有量が0.1〜20モル%であることを特徴とする請求項1記載の調湿材。
- 側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が、70モル%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の調湿材。
- 側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂が、側鎖に1,2ジオール構造を有する構造単位を含有するポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の調湿材。
- 請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂製繊維を用いて形成されてなる不織布を含有することを特徴とする調湿材。
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- 2015-11-13 JP JP2015223274A patent/JP2017087170A/ja active Pending
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