JP2017087150A - Voc処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本願は、VOCを取り扱う設備を停止して当該設備内を換気する場合に、系外へ放出されるVOCの放出量を可及的に抑制するVOC処理システムを提供することを課題とする。【解決手段】VOCを取り扱う設備で気化したVOCを回収するVOC処理システムであって、設備から吸着ロータの吸着ゾーンを通って再び設備へ戻る気体の循環経路である第1循環経路を形成する主吸着回収部と、吸着ロータの脱着ゾーンから冷却器を通って吸着ロータの冷却ゾーンへ至り、加熱器を通って再び脱着ゾーンへ戻る気体の循環経路である第2循環経路を形成する凝縮回収部と、第1循環経路と第2循環経路のうち少なくとも何れかの循環経路または該循環経路と連通する経路に設けられる吸着剤を有しており、設備の停止により冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に吸着剤で何れかの循環経路の気体中のVOCを吸着回収する副吸着回収部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、VOC処理システムに関する。
近年、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)が各種の製造現場で取り扱われている。例えば、粘着テープや各種フィルムの製造設備、大量の印刷物を取り扱う産業用の印刷設備では、排気に含まれるVOCが燃焼法や吸着回収法など様々な手段で処理され、所定のVOC濃度まで下げられてから系外に排出されている。設備の排気を浄化するシステムとしては、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1−3を参照)。
特開2007−301480号公報 特開2000−84340号公報 特開平11−90177号公報
VOCを取り扱う設備で気化したVOCを処理するシステムの一種に、当該設備から排気される気体を吸着ロータに通気して吸着剤にVOCを吸着させ、浄化した気体を再び当該設備へ供給するシステムがある。このようなシステムには、吸着ロータの吸着性能を維持するために、吸着ロータに吸着されたVOCを脱着する再生設備が設けられる。そして、この再生設備を、吸着ロータを加熱して脱着させたVOCの蒸気を冷却器で凝縮させる閉ループの循環経路で形成すれば、運転中の設備で気化したVOCを溶液溶剤として連続的に凝縮回収し、VOCを系外へ排出させないシステムが理論的には実現可能である。これにより、近年高まっている環境保全・省エネ・省資源化のニーズに対応することができる。
しかし、上記のシステムでは、再生設備の循環経路を循環する気体中のVOC濃度が、低温の冷却器で凝縮させることが可能な濃度に達しないと凝縮回収が行われない。よって、VOCを取り扱う設備の運転が停止すると、吸着ロータに吸着されるVOCが減り、吸着ロータを再生する循環経路のVOC濃度も徐々に低下し、再生設備の冷却器におけるVOCの凝縮が無くなったタイミングでVOC濃度が均衡する。よって、VOCを排出する製造設備のVOC濃度が、人が立ち入ることが可能な濃度を超えた状態(例えば、200ppm)で均衡している場合、VOCを取り扱う設備内を換気することになり、VOCが不可避的に系外へ放出されてしまう。
そこで、本願は、VOCを取り扱う設備を停止して当該設備内を換気する場合に、系外へ放出されるVOCの放出量を可及的に抑制するVOC処理システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、VOCを取り扱う設備の運転中にVOCを吸着する吸着ロータとは別に、VOCを取り扱う設備が停止中にVOCを吸着回収させる吸着剤を設けることにした。
詳細には、VOCを取り扱う設備で気化したVOCを回収するVOC処理システムであって、前記設備から吸着ロータの吸着ゾーンを通って再び前記設備へ戻る気体の循環経路である第1循環経路を形成する主吸着回収部と、吸着ロータの脱着ゾーンから冷却器を通って吸着ロータの冷却ゾーンへ至り、加熱器を通って再び脱着ゾーンへ戻る気体の循環経路である第2循環経路を形成する凝縮回収部と、第1循環経路と第2循環経路のうち少なくとも何れかの循環経路または該循環経路と連通する経路に設けられる吸着剤を有しており、前記設備の停止により冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に前記吸着剤で何れかの循環経路の気体中のVOCを吸着回収する副吸着回収部と、を備える。
上記のVOC処理システムであれば、VOCを取り扱う設備の停止によって当該設備からのVOCの排出が減り、吸着ロータを再生する凝縮回収部の冷却器におけるVOCの凝縮が無くなった場合であっても、吸着ロータとは別に設けられた吸着剤によって残留VOCの吸着が行われる。このため、VOCを取り扱う設備が停止した後、吸着ロータを再生する循環経路のVOC濃度が徐々に低下し、冷却器におけるVOCの凝縮が無くなってVOC濃度が均衡しても、吸着ロータとは別に設けられた吸着剤によって残留VOCの吸着が行われ、VOCを取り扱う設備のVOC濃度を更に低下させることができる。よって、VOCを取り扱う設備を停止して当該設備内を換気する場合に、系外へ放出されるVOCの放出量が可及的に抑制される。
なお、副吸着回収部は、吸着剤を第2循環経路に有し、設備が運転状態の場合には第2循環経路において吸着剤をバイパスし、設備の停止により冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に吸着剤を通気するものであってもよい。また、副吸着回収部は、吸着剤を第1循環経路に有し、設備が運転状態の場合には第1循環経路において吸着剤をバイパスし、設備の停止により冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に吸着剤を通気するものであってもよい。VOC処理システムがこのように構成されていれば、設備が運転状態にある場合は吸着剤がバイパスされるので、当該吸着剤にVOCが吸着されて飽和状態に至らないようにすることができ、設備停止後の吸着剤の通気に備えることができる。
また、副吸着回収部は、吸着剤を第1循環経路に有し、設備が停止すると吸着剤を加熱して該吸着剤の再生を開始し、該吸着剤の再生開始後に冷却器におけるVOCの凝縮が無くなると該吸着剤の加熱を停止して該吸着剤の通気を行うものであってもよい。VOC処理システムがこのように構成されていれば、吸着ロータとは別に設けた吸着剤の通気状態を変更するためのダンパ等の流路切替手段が無くても、VOCを取り扱う設備が停止し更に冷却器における凝縮回収が無くなった後に、残留VOCを吸着剤に吸着させることができる。
また、第1循環経路には、吸着剤における吸着中に吸着ロータの吸着ゾーンをバイパスする経路が備わっていてもよい。吸着剤が第1循環経路に設けられている場合に、吸着剤における吸着中に吸着ロータの吸着ゾーンをバイパスする経路が設けられていれば、吸着剤による残留VOCの吸着中に吸着ロータが通気されないので、吸着ロータに吸着されているVOCが脱着して吸着剤によるVOC濃度の低下を妨げることがない。
また、設備にはドライヤが併設されており、副吸着回収部は、設備が停止すると吸着剤をドライヤの排気で加熱して該吸着剤の再生を開始し、該吸着剤の再生開始後に冷却器におけるVOCの凝縮が無くなるとドライヤによる該吸着剤の加熱を停止して該吸着剤の通気を行うものであってもよい。吸着剤の再生にドライヤの熱を用いれば、吸着剤を再生するための熱源を省略することができる。
また、吸着剤は、設備で取り扱うVOCの種類に応じて複数並列に設けられるものであってもよい。設備で取り扱うVOCの種類に応じて吸着剤が複数並列に設けられていれば
、凝縮回収される溶剤溶液に様々な種類のVOCが混ざらないようにすることができる。
上記のVOC処理システムであれば、VOCを取り扱う設備を停止して当該設備内を換気する場合に放出されるVOCの放出量を可及的に抑制することができる。
図1は、第1実施形態のVOC処理システムを示した図である。 図2は、吸着ロータの各区画を示した図である。 図3は、ドライヤが停止中の場合の第1実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図4は、吸着剤が再生される場合の第1実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図5は、比較例のVOC処理システムを示した図である。 図6は、第2実施形態のVOC処理システムを示した図である。 図7は、ドライヤが停止中の場合の第2実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図8は、吸着剤が再生される場合の第2実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図9は、第3実施形態のVOC処理システムを示した図である。 図10は、生産設備が停止状態に移行して新たなVOCの発生が止まった場合の第3実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図11は、ドライヤを止めた場合の第3実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図12は、第2循環経路における循環を停止した場合の第3実施形態のVOC処理システムの状態図である。 図13は、第3実施形態のVOC処理システムを変形した第1の変形例である。 図14は、第3実施形態のVOC処理システムを変形した第2の変形例である。 図15は、第1実施形態に係るVOC処理システムの変形例を示した図である。 図16は、第2実施形態に係るVOC処理システムに、吸着ゾーンをバイパスする経路を設けたものを示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定するものではない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のVOC処理システムを示した図である。第1実施形態のVOC処理システム1は、図1に示すように、VOCを塗布した被塗布物を乾燥させるドライヤ(本願でいう「設備」の一例である)2で発生するVOCの蒸気を回収するシステムであり、ドライヤ2から吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1を通って再びドライヤ2へ戻る気体の循環経路である第1循環経路11を形成する主吸着回収部10と、吸着ロータ12の脱着ゾーン12Z2から冷却器23を通って吸着ロータ12の冷却ゾーン12Z3へ至り、吸着ロータ用加熱器22を通って再び脱着ゾーン12Z2へ戻る気体の循環経路である第2循環経路21を形成する凝縮回収部20と、を備える。第1循環経路11および第2循環経路21を循環する気体の成分は特に限定されないが、例えば、単なる空気、或いは窒素ガス等の化学的に安定な不活性ガスが好適である。VOCを塗布した被塗布物を乾
燥させるドライヤ2としては、例えば、VOCとして酢酸エチルを排出する粘着テープ生産設備が挙げられる。また、第1実施形態のVOC処理システム1を適用可能な設備としては、ドライヤ2に代えて、例えば、VOCを単に塗布するだけで加熱しない塗装設備、閉鎖空間ないし密閉空間内に併設された塗装設備およびドライヤからなる設備群、その他の各種設備を挙げることができる。VOCを塗布する対象物としては、例えば、自動車等が挙げられる。
第1循環経路11には、ドライヤ2内の気体を吸引し、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1へ送風する主循環ファン13が備わっている。また、第1循環経路11には、主循環ファン13から送風されて吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1へ流入する気体と、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1から流出して再びドライヤ2内へ戻る気体との間で熱交換を行う主循環系再生熱交換器14が備わっている。
第2循環経路21には、脱着ゾーン12Z2へ気体を送風する凝縮回収系第1循環ファン24と、凝縮回収系第1循環ファン24から吸着ロータ12の脱着ゾーン12Z2へ流れる気体を加熱する吸着ロータ用加熱器22と、吸着ロータ12の脱着ゾーン12Z2を通過した気体を冷却する冷却器23と、冷却器23を通過した気体を吸着ロータ12の冷却ゾーン12Z3へ送風する凝縮回収系第2循環ファン25が備わっている。吸着ロータ12の冷却ゾーン12Z3を通過した気体は、凝縮回収系第1循環ファン24へ流れる。また、第2循環経路21には、吸着ロータ12の脱着ゾーン12Z2から冷却器23へ流れる気体と、冷却器23から凝縮回収系第2循環ファン25へ流れる気体との間で熱交換を行う凝縮回収系再生熱交換器26が備わっている。なお、冷却器23には、図示しないドレンパンが備わっており、冷却器23から滴下する凝縮したVOCをドレンパンで受けてVOCを回収できるようになっている。吸着ロータ用加熱器22は、VOCを排出する生産設備の余熱を熱源としてもよいし、電気ヒータの熱を熱源としてもよい。
冷却器23から凝縮回収系再生熱交換器26へ至る経路の途中には、経路を遮断する第1ダンパ31D1が設けられている。そして、冷却器23から凝縮回収系再生熱交換器26へ至る経路には、第1ダンパ31D1をバイパスするバイパス経路32が設けられている。このバイパス経路32には、バイパス経路32を遮断する第2ダンパ31D2、及び、当該第2ダンパ31D2の下流側に位置する吸着剤30(本願でいう「吸着回収部」の一例である)が設けられている。また、第2ダンパ31D2と吸着剤30との間を繋ぐ経路には、吸着ロータ用加熱器22から脱着ゾーン12Z2へ至る経路の途中から分岐する分岐経路33が繋がっている。分岐経路33には、分岐経路33を遮断する第3ダンパ31D3が設けられている。
吸着剤30としては、例えば、活性炭、ゼオライト、疎水処理したシリカゲル等を適用可能である。吸着剤30の必要最低量は、吸着剤30による吸着が行われる際の第1循環経路11および第2循環経路21のVOC濃度と各循環経路の容積によって定まる。例えば、吸着剤30の必要最低量は、第1循環経路11の平均VOC濃度に第1循環経路11の容積を乗算した値と、第2循環経路21の平均VOC濃度に第2循環経路21の容積を乗算した値とを合算した値(=第1循環経路11の平均VOC濃度×同容積+第2循環経路21の平均VOC濃度×同容積)である。
図2は、吸着ロータ12の各区画を示した図である。吸着ロータ12は、円筒状の部材の内部に合成ゼオライトやシリカゲル等を主成分とする吸着剤を担持しており、内部を軸方向に沿って気体が流れるように構成されている。吸着ロータ12の両端面には図示しないセクション分割カセットが配置されており、このカセットによって吸着ロータ12の気体の通過域が少なくとも3つのセクションに区画される。吸着ロータ12は、このセクション分割カセットと相対的に回転可能なようになっており、このカセットによって吸着ロ
ータ12に吸着ゾーン12Z1と脱着ゾーン12Z2と冷却ゾーン12Z3が形成される。なお、吸着ロータ12は、3つの領域に区画されるものに限定されるものでなく、例えば、パージ領域や予熱領域が更に区画されていてもよい。吸着ロータ12が図示しないモータ等の駆動装置によって回転駆動されることにより、吸着ロータ12の特定の領域に担持されている吸着剤が吸着状態、脱着状態、冷却状態の順に状態遷移する。
このように構成されるVOC処理システム1では、以下のような運転状態が実現される。
例えば、ドライヤ2の運転中、VOC処理システム1では、図1に示されるように、主循環ファン13が回転している。これにより、第1循環経路11では、ドライヤ2内から吸引された気体が吸着ゾーン12Z1を通過し、再びドライヤ2内へ戻る循環流が生ずる。そして、ドライヤ2内で気化したVOCは、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着される。例えば、ドライヤ2から約4000ppmの酢酸エチルの気体が吸着ゾーン12Z1へ流入すると、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1において酢酸エチルが吸着され、吸着ゾーン12Z1を通過した気体に残留する酢酸エチルが1000ppm程度にまで吸着除去され、再びドライヤ2へ送られる。
また、ドライヤ2の運転中、VOC処理システム1では、第1ダンパ31D1が開かれ、第2ダンパ31D2と第3ダンパ31D3が閉じられており、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が作動状態にあり、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が回転している。このため、第2循環経路21では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体が脱着ゾーン12Z2を通過する。よって、吸着ゾーン12Z1に吸着されたVOCは、脱着ゾーン12Z2において吸着ロータ12から脱着し、第2循環経路21を循環する気体に乗って冷却器23へ送られる。吸着ロータ12から脱着して冷却器23へ送られたVOCの蒸気は、冷却器23の外表面において凝縮し、冷却器23に備わっているドレンパンに滴下して溶液溶剤として回収される。冷却器23の外表面におけるVOCの凝縮によってVOCが除去された気体は、冷却ゾーン12Z3を通過した後に再び吸着ロータ用加熱器22を通って加熱され、再び脱着ゾーン12Z2へ流れる。酢酸エチルの飽和蒸気圧濃度は−30℃の場合に約4200ppmなので、例えば、冷却器23を−30℃にしておけば、脱着ゾーン12Z2を通過した気体に酢酸エチルが約28000ppm含まれる場合であっても、冷却器23の外表面において酢酸エチルが凝縮され、冷却器23を通過した気体に残留する酢酸エチルが4200ppm程度にまで凝縮除去され、冷却ゾーン12Z3へ送られる。
ドライヤ2の運転中、VOC処理システム1では、上記のような運転状態が保たれることにより、ドライヤ2内で気化したVOCが系外へ漏れることなく連続的に回収される。
図3は、ドライヤ2が停止中の場合の第1実施形態のVOC処理システム1の状態図である。生産設備の停止により、ドライヤ2で新たなVOCの発生が無くなると、第1循環経路11や第2循環経路21を循環する気体のVOC濃度が低下していく。そして、冷却器23の冷却温度によって一義的に決まるVOC濃度に達した時点で、冷却器23におけるVOCの凝縮回収ができなくなり、第1循環経路11や第2循環経路21を循環する気体のVOC濃度は平衡濃度になる。冷却器23が約−30℃で凝縮回収を行う装置であり、VOCが酢酸エチルの場合、第2循環経路21を循環する気体のVOC濃度は約4200ppmで平衡状態になる。また、第1循環経路11を循環する気体のVOC濃度は、吸着ロータの性能や循環経路の容量等にもよるが、例えば、約300ppmで平衡状態になる。
そこで、VOC処理システム1では、ドライヤ2の停止中、図3に示されるように、主
循環ファン13が回転している。これにより、第1循環経路11では、ドライヤ2内から吸引された気体が吸着ゾーン12Z1を通過し、再びドライヤ2内へ戻る循環流が生じ、第1循環経路11に残留するVOCが吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着される。そして、VOC処理システム1では、ドライヤ2の停止中、第1ダンパ31D1が閉じられ、第2ダンパ31D2が開かれ、第3ダンパ31D3が閉じられており、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が作動状態にあり、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が回転している。このため、第2循環経路21では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体が脱着ゾーン12Z2を通過する。よって、吸着ゾーン12Z1に吸着されたVOCは、脱着ゾーン12Z2において吸着ロータ12から脱着し、第2循環経路21を循環する気体に乗って冷却器23へ送られる。吸着ロータ12から脱着して冷却器23へ送られ、冷却器23におけるVOCの凝縮によって除去し切れなかった残留VOCを含む気体は、吸着剤30を通過する過程で残留VOCが除去され、その後、冷却ゾーン12Z3を通過した後に再び吸着ロータ用加熱器22を通って加熱され、再び脱着ゾーン12Z2へ流れる。
例えば、第2循環経路21を循環する気体が、VOC濃度が4200ppmで平衡状態に達した後に、図3に示した上記の系統構成が行われて吸着剤30による吸着が行われると、吸着剤30の性能にもよるが、吸着剤30を通過した気体のVOC濃度を30ppm程度にまで下げることができる。VOC濃度が30ppm程度にまで低下した気体が冷却ゾーン12Z3を通過し、吸着ロータ用加熱器22で加熱されて脱着ゾーン12Z2を通過することにより、吸着ロータ12に吸着されていたVOCが脱着し、吸着ロータ12の再生が行われる。よって、VOC濃度が約300ppmで平衡状態にあった第1循環経路11の気体は、吸着ゾーン12Z1を通過する際にVOCが更に吸着され、ドライヤ2から吸着ゾーン12Z1へ流れる気体のVOC濃度が更に低下していく。例えば、人が立ち入る作業環境としての管理濃度が200ppmであり、製造設備内のVOC濃度の目標値が100ppm程度に設定されている場合、ドライヤ2から吸着ゾーン12Z1へ流れる気体のVOC濃度が100ppmにまで低下したところで、図3に示した上記の系統構成によるVOC処理システム1の運転を停止する。これにより、製造設備内のVOC濃度が可及的に抑制された状態になる。なお、製造設備内のVOC濃度の目標値が高ければ系外に漏洩するVOCの量が増加するし、製造設備内のVOC濃度の目標値が低ければVOC処理システム1の運転時間が長くなるので、製造設備内のVOC濃度の目標値は、これらを総合的に勘案して決定される。
ドライヤ2の停止中、VOC処理システム1で上記のような運転を行うことにより、停止状態にあるドライヤ2内に残留するVOC濃度を可及的に低下させることができる。よって、例えば、ドライヤ2内へ人が立ち入るような場合に、ドライヤ2内に残留するVOCの濃度を一時的に低減することで、ドライヤ2内が系外と繋がった場合でもドライヤ2内に残留するVOCの系外への放出量が可及的に抑制される。
なお、吸着剤30は、以下のようにして再生される。図4は、吸着剤30が再生される場合の第1実施形態のVOC処理システム1の状態図である。吸着剤30は、ドライヤ2の運転開始前に再生される。すなわち、VOC処理システム1では、図4に示されるように、第1ダンパ31D1が開かれ、第2ダンパ31D2が閉じられ、第3ダンパ31D3が開かれており、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が作動状態にあり、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が回転している。吸着ロータ12は回転し続けている。そして、第2循環経路21では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体が分岐経路33を経て吸着剤30へ流れ、吸着剤30が加熱される。吸着剤30に吸着されていたVOCは高温に晒されて吸着剤30から脱着する。吸着剤30を通過した気体は、吸着剤30から脱着したVOCを含んで状態で第2循環経路21へ合流する。第2循環経路21では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体が脱着ゾーン12Z2を通
過した後に冷却器23を通り、冷却ゾーン12Z3を経て再び吸着ロータ用加熱器22へ流れるという循環流が形成されているため、分岐経路33から再び第2循環経路21へ合流した気体に含まれている吸着剤30から脱着したVOCは、第2循環経路21を循環する気体のVOC蒸気の濃度が、冷却器23の温度における飽和蒸気濃度以上であれば冷却器23の外表面において凝縮するし、冷却器23の温度における飽和蒸気濃度未満であれば冷却器23の外表面において凝縮することなくそのまま循環し続ける。吸着剤30の再生が完了したら第3ダンパ31D3を閉じて吸着剤30の通気を停止し、VOC処理システム1を定常運転状態に移行させる。
図5は、比較例のVOC処理システムを示した図である。比較例のVOC処理システム301は、図5に示すように、第1実施形態のVOC処理システム1からバイパス経路32や吸着剤30を省略したものであり、その他の構成については同様である。VOCの大気中への排出量を極限まで削減することを目指したシステムとして、例えば、図5に示すように、ドライヤ2の排気からVOCを除去してドライヤ2へ再び全量戻すシステムが考えられる。このVOC処理システム301では、ドライヤ2における乾燥工程で発生するVOC蒸気を吸着ロータ12で吸着すると共に、吸着したVOCを高温にして脱着させることでVOC濃度を高濃度化し、冷却器23における冷却により凝縮させて溶液として回収するものである。しかし、ドライヤ2の停止後は、ドライヤ2の排気中のVOC濃度の低下に伴い、冷却器23を通過する気体中のVOC濃度も低下し、冷却凝縮出来なくなる。凝縮回収出来なくなるVOC濃度は、VOCの種類、冷却温度で異なるが、高いものは数千ppmのレベルになると共に、ドライヤ2の排気中のVOCの新たな吸着ができなくなる(吸着平衡状態)。例えば、その濃度は300ppmで、ドライヤ2の停止後、ドライヤ2内に作業者が入って作業するに適した環境基準濃度より高くなる。このように、VOCを濃縮して冷却凝縮により溶剤回収する手段を適用し、処理した気体を全量戻すシステムにおいては、処理した気体のVOC濃度下限値は作業環境許容濃度より高くなっており、作業のために作業者が立ち入るには、残存するVOCを系外に排気することで新鮮外気を取り入れる処置が必要となる。この場合、数百ppmのVOCを少なくとも製造環境容積分だけ屋外に排出することになる。
この点、上記第1実施形態に係るVOC処理システム1であれば、冷却凝縮により下げられないVOC濃度を、吸着剤30に一時的に吸着させることで、VOCの系外への排出量を可及的に抑制できる。すなわち、上記第1実施形態に係るVOC処理システム1であれば、冷却器23の外表面において冷却凝縮できないレベルのVOC濃度に達した後、通常運転中は通気していない吸着剤30に通気させることで、VOCが吸着され、気中のVOC濃度が低下する。吸着剤30に吸着されたVOCは、次回のドライヤ2の起動時に、吸着ロータ12の再生用の昇温された気体の一部を当該吸着剤30に通気することで脱離され、ドライヤ2において発生する新たなVOCと共に、冷却器23における通常の冷却凝縮により回収できる。
なお、上記に示したVOC濃度等の具体的な数値は、吸着ロータ12のサイズや回転数、処理風速、脱着温度、冷却温度、ドライヤ2から排気されるVOCの濃度などによって変動するものであり、本願で開示する発明の技術的範囲を上記の具体的な数値の形態に限定するものではない。
また、上記第1実施形態では、吸着ロータ12の脱着ゾーン12Z2へ加熱した気体を送る吸着ロータ用加熱器22の熱で吸着剤30を再生していたが、例えば、吸着剤30の再生用に単独で用意した加熱手段を吸着剤30の上流側に設けてもよい。
ところで、上記第1実施形態では、VOCを吸着剤30に速やかに吸着させるために、吸着剤30を冷却器23の下流側に設けられたバイパス経路32に備えていたが、吸着剤
30を再生させるための高温の気体を供給できる箇所であれば、第1循環経路11と第2循環経路21の何れの経路上にあってもよい。以下、吸着剤30の位置を変更したその他の形態について説明する。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態のVOC処理システムを示した図である。第2実施形態のVOC処理システム101は、第1実施形態のVOC処理システム1において、第2循環経路21に設けられていた吸着剤30を第1循環経路11に置き換えたものである。よって、第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
すなわち、主吸着回収部110の第1循環経路111には、主循環ファン13や主循環系再生熱交換器14が備わっている。また、第1循環経路111には、主循環ファン13から主循環系再生熱交換器14へ至る経路の途中に当該経路を遮断する第1ダンパ131D1が設けられている。そして、主循環ファン13から主循環系再生熱交換器14へ至る経路には、第1ダンパ131D1をバイパスするバイパス経路132が設けられている。このバイパス経路132には、バイパス経路132を遮断する第2ダンパ131D2、及び、第2ダンパ131D2の下流側に位置する吸着剤130が設けられている。また、第2ダンパ131D2から吸着剤130へ至る経路の途中には吸着剤用加熱器134が設けられている。そして、凝縮回収部120は、第1実施形態の凝縮回収部20に備わっていた吸着剤30やバイパス経路32に相当するものが省略されている。
このように構成されるVOC処理システム101では、以下のような運転状態が実現される。
例えば、ドライヤ2の運転中、VOC処理システム101では、図6に示されるように、第1ダンパ131D1が開かれ、第2ダンパ131D2が閉じられており、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が作動状態にあり、主循環ファン13と凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が回転している。これにより、第1循環経路111では、ドライヤ2内から吸引された気体が吸着ゾーン12Z1を通過し、再びドライヤ2内へ戻る循環流が生ずる。そして、ドライヤ2内で気化したVOCは、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着される。また、第2循環経路121では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体によって吸着ロータ12から脱着したVOCが冷却器23へ送られて凝縮し、冷却器23に備わっているドレンパンに滴下して溶液溶剤として回収される。ドライヤ2の運転中、VOC処理システム101では、このような運転状態が保たれることにより、ドライヤ2内で気化したVOCが系外へ漏れることなく全て回収される。
図7は、ドライヤ2が停止中の場合の第2実施形態のVOC処理システム101の状態図である。生産設備の停止により、ドライヤ2で新たなVOCの発生が無くなると、第1循環経路111や第2循環経路121を循環する気体のVOC濃度が低下していく。そして、冷却器23の冷却温度によって一義的に決まるVOC濃度に達した時点で、冷却器23におけるVOCの凝縮回収ができなくなり、第1循環経路111や第2循環経路121を循環する気体のVOC濃度は平衡濃度になる。
そこで、VOC処理システム101では、ドライヤ2が停止され、第1循環経路111や第2循環経路121を循環する気体のVOC濃度が平衡濃度に達した後、図7に示されるように、第1ダンパ131D1が閉じられ、第2ダンパ131D2が開かれる。吸着剤用加熱器134は停止したままの状態であり、主循環ファン13は作動したままの状態である。第2循環経路121に備わっている冷却器23や吸着ロータ用加熱器22、凝縮回収系第1循環ファン24、凝縮回収系第2循環ファン25は停止され、吸着ロータ12の回転も停止される。これにより、第1循環経路111では、ドライヤ2内から吸引された
気体が吸着剤130を通過し、再びドライヤ2内へ戻る循環流が生ずる。そして、第1循環経路11に残留するVOCは、吸着剤130に吸着される。
ドライヤ2の停止中、VOC処理システム101では、上記のような運転が行われることにより、停止状態にあるドライヤ2内に残留するVOCが可及的に除去される。よって、ドライヤ2内へ人が立ち入るような場合に、ドライヤ2内に残留するVOCの濃度を例えば一時的に100ppm程度に低減することで、ドライヤ2内が系外と繋がった場合でもドライヤ2内に残留するVOCの系外への放出量が可及的に抑制される。
なお、吸着剤130は、以下のようにして再生される。図8は、吸着剤130が再生される場合の第2実施形態のVOC処理システム101の状態図である。吸着剤130は、ドライヤ2の運転開始前に再生される。すなわち、VOC処理システム101では、図8に示されるように、第1ダンパ131D1が閉じられ、第2ダンパ131D2が開かれた状態のまま、吸着剤用加熱器134が起動(電気ヒータであれば通電)される。また、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が起動され、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が動作状態に移行される。これにより、第1循環経路111では、吸着剤用加熱器134で加熱された気体が吸着剤130へ流れ、吸着剤130が加熱される。吸着剤130に吸着されていたVOCは高温に晒されて吸着剤130から脱着する。吸着剤130を通過した気体は、吸着剤130から脱着したVOCを含んで状態で吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1へ吸着される。第2循環経路21では、吸着ロータ12に吸着されたVOCが脱着され、冷却器23において凝縮回収されているため、吸着剤130に吸着されていたVOCは冷却器23において溶液溶剤となって回収される。吸着剤130の再生が完了したら、吸着剤用加熱器134を停止(電気ヒータであれば通電の停止)し、第1ダンパ131D1を開いて第2ダンパ131D2を閉じ、VOC処理システム101を定常運転状態に移行させる。
上記第2実施形態に係るVOC処理システム101も第1実施形態のVOC処理システム1と同様、冷却凝縮により下げられないVOC濃度を、吸着剤130に一時的に吸着させることで、VOCの系外への排出量を可及的に抑制できる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態のVOC処理システムを示した図である。第3実施形態のVOC処理システム201は、第2実施形態のVOC処理システム1において、バイパス経路132に設けていた吸着剤130を第1循環経路111の循環経路中に置き換えたものである。すなわち、主吸着回収部210の第1循環経路211には、主循環系再生熱交換器14から吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1へ至る経路の途中に吸着剤230が設けられている。また、吸着剤230から吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1へ至る経路の途中に冷却器223が設けられている。また、第2実施形態のVOC処理システム101に備わっていたバイパス経路132や第1ダンパ131D1、第2ダンパ131D2は省かれている。その他の構成要素については第2実施形態のVOC処理システム101と同様であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このように構成されるVOC処理システム201では、以下のような運転状態が実現される。
例えば、ドライヤ2の運転中、VOC処理システム201では、図9に示されるように、主循環ファン13が回転している。これにより、第1循環経路211では、ドライヤ2内から吸引された気体が吸着ゾーン12Z1を通過し、再びドライヤ2内へ戻る循環流が生じ、ドライヤ2内で気化したVOCが吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着される。吸着剤230は、主循環ファン13から流れる気体が通気されることにより、VOC
をほぼ飽和状態まで吸着した状態になるため、吸着剤230の前後のVOC濃度は同等になる。そして、ドライヤ2の運転中、VOC処理システム201では、凝縮回収部220の冷却器23と吸着ロータ用加熱器22が作動状態にあり、冷却器223が作動状態にあり、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25が回転している。これにより、第2循環経路221では、吸着ロータ用加熱器22で加熱された気体によって吸着ロータ12から脱着したVOCが冷却器23へ送られて凝縮し、冷却器23に備わっているドレンパンに滴下して溶液溶剤として回収される。ドライヤ2の運転中、VOC処理システム201では、このような運転状態が保たれることにより、ドライヤ2内で気化したVOCが系外へ漏れることなく全て回収される。
図10は、生産設備が停止状態に移行して新たなVOCの発生が止まった場合の第3実施形態のVOC処理システム201の状態図である。生産設備の停止により、ドライヤ2で新たなVOCの発生が無くなったら、主循環系再生熱交換器14における熱交換を停止する。このとき、吸着剤230に40℃程度で流入していた気体の温度を高めるため、ドライヤ2は運転を継続したままの状態にする。主循環系再生熱交換器14における熱交換が停止され、ドライヤ2の運転が継続されると、吸着剤230に流入する気体の温度が70℃程度にまで上昇し、吸着剤230に吸着されていたVOCが脱着される。吸着剤230から脱着したVOCは、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着される。吸着ロータ12は、第2循環経路221によって再生されているため、吸着剤230から脱着したVOCは第2循環経路221の冷却器23において凝縮し、溶液溶剤として回収される。
図11は、ドライヤ2を止めた場合の第3実施形態のVOC処理システム201の状態図である。図10に示した上記の系統構成が継続されて、第1循環経路211と第2循環経路221のVOC濃度が徐々に低下し、冷却器23においてVOCが凝縮しなくなったらドライヤ2を停止する。ドライヤ2が停止されると、吸着剤230に流入する気体の温度が低下し、吸着剤230におけるVOCの脱着が止まる。
図12は、第2循環経路221における循環を停止した場合の第3実施形態のVOC処理システム201の状態図である。ドライヤ2の停止によって吸着剤230に流入する気体の温度が低下し、吸着剤230におけるVOCの脱着が止まった後は、冷却器23と吸着ロータ用加熱器22を停止状態にし、凝縮回収系第1循環ファン24と凝縮回収系第2循環ファン25を停止する。また、吸着ロータ12の回転を停止する。第1循環経路11では、主循環ファン13による気体の循環が継続されており、また、ドライヤ2の停止に伴って吸着剤230に流入する気体の温度も低下しているため、第1循環経路211に残留するVOCが吸着剤230によって吸着される。
VOC処理システム201では、上記のような運転が行われることにより、ドライヤ2の停止後、停止状態にあるドライヤ2内に残留するVOCが可及的に除去される。よって、ドライヤ2内へ人が立ち入るような場合に、ドライヤ2内に残留するVOCの濃度を例えば一時的に100ppm程度にまで低減することで、ドライヤ2内が系外と繋がった場合でもドライヤ2内に残留するVOCの系外への放出量が可及的に抑制される。
本第3実施形態のVOC処理システム201における吸着剤230の容量は、例えば、図10に示す系統構成においてVOC濃度が平衡状態になった場合の第1循環経路211のVOC濃度と、ドライヤ2内の残量VOC濃度の目標値との関係に基づいて決定される。例えば、図10に示す系統構成においてVOC濃度が平衡状態になった場合の第1循環経路211のVOC濃度が300ppmであり、第1循環経路11の気体の温度が70℃である場合の吸着剤230の吸着総量をM0とする。また、ドライヤ2内の残量VOC濃度の目標値が100ppmであり、第1循環経路11の気体の温度が30℃である場合の吸着剤230の吸着総量をM1とした場合、少なくとも、以下の関係式が成り立つ量の吸
着剤が必要である。
(M1−M0)>(300ppm時の第1循環経路211内VOC量−100ppm時の第1循環経路211内VOC量)
また、吸着剤230は、高沸点有機物の蓄積と共にVOCの吸着能力も低下していくため、高沸点有機物の吸着によるVOC吸着量の低下分を見込んだ量の吸着剤を有していることが好ましい。
なお、吸着剤230は、例えば、吸着ロータ12に担持されている吸着剤の性能を劣化させる高沸点有機物の除去を目的として設置されているものを代用してもよい。高沸点有機物を除去可能な吸着剤230としては、例えば、活性炭を挙げることができる。また、吸着剤230は、図12に示すように、主循環系再生熱交換器14から冷却器223へ至る経路の途中に設けられるものに限定されない。高沸点有機物の除去を目的とする吸着剤230は、吸着ロータ12への高沸点有機物の流入が阻止できる位置、すなわち、吸着ロータ12の上流側に配置されていればよく、例えば、冷却器223から吸着ロータ12へ至る経路の途中に設けられていてもよい。
ところで、本第3実施形態のVOC処理システム201は、例えば、下記のように変形することができる。
図13は、第3実施形態のVOC処理システム201を変形した第1の変形例である。吸着剤230をドライヤ2の排気出口の部分に設ける場合、例えば、図13に示すように、吸着剤230が設けられていないドライヤ2の排気出口から第1循環経路211へ繋がる経路を更に設けることで、吸着剤230を実質的にバイパスする経路を形成することも可能である。この場合、例えば、吸着剤230にVOCを吸着させたくない場合に、第1循環経路211を通過する気体に吸着剤230をバイパスさせることができる。
図14は、第3実施形態のVOC処理システム201を変形した第2の変形例である。第3実施形態のVOC処理システム201に設けられている吸着剤230は、例えば、図14に示すように、第1循環経路211とは異なる循環経路であり、ドライヤ2内を通過する第3循環経路135に設けられていてもよい。第3循環経路135はドライヤ2を通じて第1循環経路211と連通しているので、第3循環経路135に設けられた吸着剤用循環ファン136によって発生する循環流により、第3循環経路135に設けられた吸着剤230にドライヤ2内の気体が通気されれば、第3実施形態のVOC処理システム201と同様、ドライヤ2の停止後にドライヤ2内に残留するVOC濃度を低下させて、VOCの系外への放出量を可及的に抑制することができる。
<複数種のVOCを取り扱う場合>
ところで、複数種のVOCを取り扱う場合、上記各実施形態や変形例に係るVOC処理システム1,101,201は、以下のように変形すると好適である。例えば、2種類のVOCを取り扱う場合、上記各実施形態や変形例に係るVOC処理システム1,101,201は、以下のように変形すると好適である。
図15は、第1実施形態に係るVOC処理システム1の変形例を示した図である。複数種のVOCを取り扱う場合、第1実施形態に係るVOC処理システム1のバイパス経路32に複数の吸着剤30,30を並列に設けておき、各吸着剤30,30の入口に設けた第2ダンパ31D2,31D2をVOCの種類に応じて切り替えるようにしてもよい。第2実施形態に係るVOC処理システム101や、第3実施形態に係るVOC処理システム301もこれと同様、複数の吸着剤を並列に設け、取り扱うVOCの種類に応じて通気する吸着剤を切り替えるようにしてもよい。
<吸着ロータをバイパスさせる場合>
ところで、第1循環経路111,211に設けられる吸着剤130,230でドライヤの残留VOCを除去する場合、吸着ロータ12をバイパスしてもよい。図16は、第2実施形態に係るVOC処理システム101に、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1をバイパスする経路を設けたものを示した図である。第1循環経路111に設けられる吸着剤130でドライヤ2の残留VOCを除去する場合、例えば、図16に示すように、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1をバイパスすれば、吸着ロータ12の吸着ゾーン12Z1に吸着されているVOCが脱着して吸着剤130による残留VOCの吸着が阻害されることもないので、第1循環経路111のVOC濃度を更に可及的に抑制することができる。
<その他の変形例>
上記各実施形態や変形例は、互いに組み合わせることもできる。例えば、第1実施形態のVOC処理システム1と第2実施形態のVOC処理システム101とを組み合わせ、第1循環経路と第2循環経路のそれぞれに吸着剤を設けてもよい。
1,101,201,301・・VOC処理システム:2・・ドライヤ:10,110,210・・主吸着回収部:11,111,211・・第1循環経路:12・・吸着ロータ:12Z1・・吸着ゾーン:12Z2・・脱着ゾーン:12Z3・・冷却ゾーン:13・・主循環ファン:14・・主循環系再生熱交換器:20,120,220・・凝縮回収部:21,121,221・・第2循環経路:22・・吸着ロータ用加熱器:23,223・・冷却器:24・・凝縮回収系第1循環ファン:25・・凝縮回収系第2循環ファン:26・・凝縮回収系再生熱交換器:30,130,230・・吸着剤:31D1,131D1・・第1ダンパ:31D2,131D2・・第2ダンパ:31D3・・第3ダンパ:32,132・・バイパス経路:33・・分岐経路:134・・吸着剤用加熱器:135・・第3循環経路:136・・吸着剤用循環ファン

Claims (7)

  1. VOCを取り扱う設備で気化したVOCを回収するVOC処理システムであって、
    前記設備から吸着ロータの吸着ゾーンを通って再び前記設備へ戻る気体の循環経路である第1循環経路を形成する主吸着回収部と、
    前記吸着ロータの脱着ゾーンから冷却器を通って前記吸着ロータの冷却ゾーンへ至り、加熱器を通って再び前記脱着ゾーンへ戻る気体の循環経路である第2循環経路を形成する凝縮回収部と、
    前記第1循環経路と前記第2循環経路のうち少なくとも何れかの循環経路または該循環経路と連通する経路に設けられる吸着剤を有しており、前記設備の停止により前記冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に前記吸着剤で前記何れかの循環経路の気体中のVOCを吸着回収する副吸着回収部と、を備える
    VOC処理システム。
  2. 前記副吸着回収部は、前記吸着剤を前記第2循環経路に有し、前記設備が運転状態の場合には前記第2循環経路において前記吸着剤をバイパスし、前記設備の停止により前記冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に前記吸着剤を通気する、
    請求項1に記載のVOC処理システム。
  3. 前記副吸着回収部は、前記吸着剤を前記第1循環経路に有し、前記設備が運転状態の場合には前記第1循環経路において前記吸着剤をバイパスし、前記設備の停止により前記冷却器におけるVOCの凝縮が無い場合に前記吸着剤を通気する、
    請求項1に記載のVOC処理システム。
  4. 前記副吸着回収部は、前記吸着剤を前記第1循環経路に有し、前記設備が停止すると前記吸着剤を加熱して該吸着剤の再生を開始し、該吸着剤の再生開始後に前記冷却器におけるVOCの凝縮が無くなると該吸着剤の加熱を停止して該吸着剤の通気を行う、
    請求項1に記載のVOC処理システム。
  5. 前記第1循環経路には、前記吸着剤における吸着中に前記吸着ロータの吸着ゾーンをバイパスする経路が備わっている、
    請求項3または4に記載のVOC処理システム。
  6. 前記設備にはドライヤが併設されており、
    前記副吸着回収部は、前記設備が停止すると前記吸着剤を前記ドライヤの排気で加熱して該吸着剤の再生を開始し、該吸着剤の再生開始後に前記冷却器におけるVOCの凝縮が無くなると前記ドライヤによる該吸着剤の加熱を停止して該吸着剤の通気を行う、
    請求項3から5の何れか一項に記載のVOC処理システム。
  7. 前記吸着剤は、前記設備で取り扱うVOCの種類に応じて複数並列に設けられる、
    請求項1から6の何れか一項に記載のVOC処理システム。
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CN109351123A (zh) * 2018-12-10 2019-02-19 佛山科学技术学院 一种可在线测量voc浓度的voc吸附设备及其使用方法

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