JP2017085944A - イヌの歯周病の評価方法 - Google Patents

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弘茂 浜川
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Abstract

【課題】本発明は、簡便にかつ正確に、イヌの歯周病の罹患又はリスクの評価診断を行う方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、被験犬から採取された唾液検体中の微生物叢を構成する菌種数を測定し、菌種数が少ない場合に被験犬は歯周病に罹患している可能性が高いと評価することを含む、犬の歯周病罹患の評価方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、イヌの歯周病の評価方法に関する。
イヌの歯周病発症の機序は、歯面に付着した歯垢中で歯周病原因細菌が増殖し、それが歯肉に炎症を起こし、重度になると歯周組織を破壊する、というものである。イヌの歯周病(歯肉炎及び歯周炎)の臨床診断は、歯周病発症の機序に沿ってなされ、主に、歯肉や歯面に付着する歯垢歯石、歯周組織に対する肉眼所見や触診による判断方法が用いられている。具体的には、歯肉の炎症程度、歯垢歯石の付着程度、歯の動揺度等が指標として活用されている(非特許文献1を参照)。
しかしながらこのような従来の診断手法は視診触診によるため、早期診断、発症の予測には限界がある。近年、イヌとヒトとの関係性に関する科学的解明が進んでおり(非特許文献2を参照)、イヌが単なるペットではなくヒトの伴侶として認識されつつある現在においては、その健康寿命を伸長すべく予防や早期診断治療への期待も大きい。そのため、発症前あるいは超早期の歯周病を発見することが重要な課題となっている。
近時、宿主である動物(ヒト、伴侶動物、産業動物等)と、その共生者である口腔内及び腸内に棲息する微生物叢との共生関係に注目が集まっている。共生関係のうち特徴的な点は、共生者が宿主の生理的機序を補完する点(特に免疫機序を補完する点)、及び、共生者の種類及び数が宿主の健康状態を反映して変動する点である。いわば、宿主と共生者が一つの生命体であるかのようにふるまっているのである。すなわち、動物の口腔内や腸内には、数百種の微生物からなりかつ多様な組成比を有する微生物叢(マイクロバイオーム)が存在するが、腸管免疫の発達には健常個体が持つ菌種及び組成比の細菌叢が必要であると推測されている。そして、微生物叢の菌種や構成比が宿主の生理的変化(特に免疫系の変化)、ひいては特定症状の発症に対し特徴的な変化をすることがわかってきた。
そこで、口腔内や腸内の微生物叢の動態を、ヒトの様々な疾患の診断指標とする試みが行われている(特許文献1及び2を参照)。従来は、培養可能な菌種を培地の選択や組み合わせにより特定するか、又はデータベースに登録されているその菌種の塩基配列と照合して特定するしかなかった。しかし近年の大規模シークエンス技術とDNAデータベースの拡充により、未分類の菌種も含めた微生物叢について、網羅的に、しかも安価かつ迅速にDNA解析が可能となり、ひいては微生物叢の網羅的な動態解析が行えるようになった。
微生物叢の動態を様々な疾患の診断指標にする試みは、イヌでも行われつつある(非特許文献3を参照)。口腔内細菌叢を指標にした診断手法の調査研究としては、例えば、イヌの歯垢を指標として歯垢細菌叢と歯周病のステージとの対応関係を調査した報告等がある(非特許文献4及び5を参照)。
特開2011−193810号公報 特開2013−183663号公報
臨床のための小動物歯科;著者:藤田 桂一(フジタ動物病院)、出版:インターズー、184頁、発行年月日:2008年11月19日、ISBN:978−489995−484−2 Oxytocin−gaze positive loop and the coevolution of human−dog bonds;Science 17 April 2015:Vol.348no.6232 pp.333−336 16S rRNA Gene Pyrosequencing Reveals Bacterial Dysbiosis in the Duodenum of Dogs with Idiopathic Inflammatory Bowel Disease;PLoS One.2012;7(6):e39333.doi:10.1371/journal.pone.0039333.Epub 2012 Jun 15. A Cross−Sectional Survey of Bacterial Species in Plaque from Client Owned Dogs with Healthy Gingiva,Gingivitis or Mild Periodontitis;PLoS One.2013 Dec 13;8(12):e83158.doi:10.1371/journal.pone.0083158.eCollection 2013. Molecular identification of bacteria associated with canine periodontal disease;doi:10.1016/j.vetmic.2011.03.001
非特許文献4及び5に記載の報告は、いずれも歯周病の原因菌を想定し、あるいは発症機序に着目するために、歯垢や歯肉縁から採取したサンプルの細菌叢と歯周病の病態との相関関係に関するものである。しかし、歯垢は細菌の凝集塊であり、嫌気性が高いなど、唾液とは環境が異なり、棲息する菌種や菌叢構造が歯垢と唾液で異なる可能性が高い。歯肉縁から採取するスワブについても同様の傾向と推測される。またイヌの歯垢を指標として歯周病を診断する方法では、被験者(イヌ)を麻酔したうえで歯垢を採取する必要があり、被験者に負担を与えるため、簡便な方法が求められていた。
ヒトにおいて唾液や歯垢の細菌叢と歯周病との相関が認められるとしても、イヌの口腔内は弱アルカリ性であり齲歯が発生しにくいと言われているなど、イヌとヒトとでは口腔内の環境(菌種や菌叢構造)が大きく異なる。
本発明は、簡便にかつ正確に、イヌの歯周病の罹患又はリスクの評価を行う方法を提供することを目的とする。
本発明者らは下記の〔1〕〜〔13〕を提供する。
〔1〕被験犬から採取された唾液検体中のCapnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属及びFilifactor属微生物からなる群より選ばれる少なくとも一種を定量すること、
得られた量と、健常犬から採取された唾液検体中の前記群より選ばれる少なくとも一種の量とを比較すること、及び、
Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属及びTissierella属微生物のうち少なくとも一種の量が健常犬より少ない場合および/またはPorphyromanas属及びFilifactor属微生物から選ばれる少なくとも一種の量が健常犬より多い場合には被験犬が歯周病に罹患していると評価すること
を含むイヌの歯周病の評価方法。
〔2〕被験犬から採取された唾液検体中のFirmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物のいずれかの微生物又はその一部を定量すること、
得られた量と、健常犬から採取された唾液検体中の前記群より選ばれる少なくとも一種の量とを比較すること、及び、
Firmicutes門に属する微生物の量が健常犬より多い場合および/またはProteobacteria門に属する微生物の量が健常犬より少ない場合には被験犬が歯周病に罹患している可能性が高いと評価すること、
を含むイヌの歯周病の評価方法。
〔3〕定量は、各微生物の遺伝子量の定量により行う、〔1〕又は〔2〕に記載の評価方法。
〔4〕遺伝子量は、リボソームRNA遺伝子量である、〔3〕に記載の評価方法。
〔5〕被験犬から採取された唾液検体中の微生物叢を構成する菌種数を測定し、菌種数が少ない場合に被験犬は歯周病に罹患している可能性が高いと評価することを含む、犬の歯周病罹患の評価方法。
〔6〕菌種数の測定は、各微生物の遺伝子解析により行う、〔5〕に記載の評価方法。
〔7〕菌種数はoperational taxonomic unitにより決定する、〔5〕又は〔6〕に記載の評価方法。
〔8〕健常群に属するサンプル同士の菌叢構造と、健常群と被験犬のサンプルの菌叢構造との間に差が認められる場合に、被験犬は歯周病に罹患している可能性が高いと評価することを含む、犬の歯周病罹患の評価方法。
〔9〕菌叢構造の解析は、UniFrac分析により行う〔8〕に記載の評価方法。
〔10〕菌叢の構成は、各微生物の遺伝子解析により行う、〔8〕又は〔9〕に記載の評価方法。
〔11〕Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属およびFilifactor属微生物からなる群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子配列を増幅するプライマー、又は該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む、犬の歯周病罹患評価用キット。
〔12〕Firmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物の遺伝子配列の一部を含むプライマー、又は、該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む、犬の歯周病罹患評価用キット。
〔13〕遺伝子配列は、rRNA遺伝子の塩基配列である、〔11〕又は〔12〕に記載のキット。
本発明によれば、イヌから唾液を採取することにより簡便に歯周病を判定することができ、被験犬の歯周病の罹患可能性を判断するのに好適である。すなわち、獣医臨床においては、ヒトと異なり、動物の口を簡単に開閉させることはできない。一般的に、歯石除去等の場合には、全身麻酔を行い、その上でスケーリング等の処置を行う。全身麻酔は、近時安全度が高くなってはいるものの副作用のリスクがゼロではないため、飼主が希望しない場合、あるいは健常と判断する被験動物については全身麻酔を行うことはできず、また動物の開口は必ずしも容易ではないため、1歯ずつ正確に歯周病の有無を確認することは困難であるのが現状である。それゆえ、唾液により、いずれかの歯に歯周病の存在が確認できれば、飼主へ処置の必要性を訴求しやすく、また、保定を行った上での全歯の確認、あるいは全身麻酔を用いた全歯確認を行いやすくなる。この点は、唾液を採取するだけで歯周病の有無を判定しうる手法の利点である。これに対して、歯垢を用いて歯周病を判断する場合、基本的に1歯ずつ判断しなければならない。成犬であれば、合計42本の歯がある。また、本発明によれば、被験犬の歯周病に罹患可能性を評価できるので、予防医学的な利用も可能である。さらに、治療処置または投薬を進めると共に本発明の判定方法を実施することにより、治療処置又は医薬の評価判定を行うこともできる。
図1は、各検体のOTU数を示すグラフである。 図2は、健常群及び罹患群のOTU数を示すグラフである。 図3は、Firmicutes門に属する菌数の群間比較を示すグラフである。 図4は、Proteobacteria門に属する菌数の群間比較を示すグラフである。 図5は、Capnocytophaga属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図6は、Conchiformibius属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図7は、Bibersteinia属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図8は、Bergeyella属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図9は、Neisseria属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図10は、Haemophilus属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図11は、Pasteurella属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図12は、Corynebacterium属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図13は、Alysiella属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図14は、Streptococcus属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図15は、Porphyromanas属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図16は、Filifactor属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図17は、Tissierella属微生物数の群間比較を示すグラフである。 図18は、Unifrac解析(Weighted)における主座標分析図である。図18中のパーセントバリエーション14.7%、25.1%は、それぞれの固有値における寄与率を表す。 図19は、Unifrac解析(Weighted)におけるUnifrac distanceの群間比較を示すグラフである。 図20は、Unifrac解析(Unweighted)における主座標分析図である。図20中のパーセントバリエーション14.7%、25.1%は、それぞれの固有値における寄与率を表す。 図21は、Unifrac解析(Unweighted)におけるUnifrac distanceの群間比較を示すグラフである。
本発明の判定方法においては、被験犬から採取された唾液検体に含まれる微生物の量、種類、及び微生物叢の組成から選ばれる少なくとも1つから、歯周病罹患の可能性を判定する。
被験犬は、イヌであればよく、年齢、健康状態、性別等の身体条件は特に限定されない。犬種も限定されないが、トイプードル、スタンダードプードル、パグであることが好ましく、トイプードルであることがより好ましい。
唾液検体は、非刺激唾液と刺激唾液とがあり、どちらでもよい。刺激唾液は、パラフィンガムを咀嚼することにより容易に採取することができる。唾液を用いることにより、定期的な歯の健康状態を把握することが容易となり、歯周病の罹患率低下、早期発見、健康維持につなげることができるので好ましい。なお、歯垢及びスワブが含まれていてもよいが、歯垢は細菌等の微生物の凝集塊であり、スワブ(歯肉縁から採取されることが多い)も唾液とは環境が異なる可能性が高いことから、判定前に唾液検体から除かれることが好ましい。
唾液検体の採取方法としては、例えば、綿棒を犬の口に挿入して唾液を吸収させることが挙げられる。
採取後すぐに利用しない場合には、低温(例えば、約4℃)で冷蔵保存することができる。なお、上述のように唾液の採取に綿棒を用いる場合、綿棒をそのまま適宜滅菌チューブ等の容器に入れて保存してもよい。
被験犬から採取された唾液検体に含まれる微生物としては、門レベルの例としては、Firmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物が挙げられる。また、属レベルの例としては、Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Porphyromanas属、Filifactor属、Corynebacterium属、Alysiella属およびStreptococcus属、Tissierella属微生物が挙げられる。
唾液検体中の微生物の定量は、各微生物の遺伝子により行うことができる。遺伝子としては、通常は、リボソームRNA(rRNA)遺伝子を用いる。rRNAとしては、16SrRNA、5SrRNA、26SrRNAなどが挙げられる。rRNAはリボソームの小サブユニットであるが、このリボソームはタンパク質合成という生命維持に不可欠な器官であるため、進化による変異が生じにくい。そのため、rRNAをコードする遺伝子によって、生物を種という分類レベルで正確に比較することが可能であると考えられている。本発明で行い得るような微生物の系統樹解析においては、通常は16SrRNA遺伝子が用いられる。
唾液検体中の微生物の定量を16SrRNA遺伝子を利用して行う場合、例えば、まず、唾液検体中の微生物の16SrRNA遺伝子を抽出(DNAペレット)しPCRにより増幅した後、DNAシークエンシングにより16SrRNA遺伝子のマーカー部分の塩基配列を決定する。微生物ゲノムDNAの抽出方法は特に限定されず、例えば、化学的な溶菌による方法、あるいは物理的に細胞壁を破砕する方法のいずれでもよい。化学的な溶菌を例にとると、溶媒(フェノール、クロロホルム等)、酵素(RNase、プロテイナーゼ)等を適宜組み合わせて行えばよい(後段の実施例にある溶菌酵素法)。16SrRNA遺伝子のマーカー部分の増幅は、例えば、PCR法(RT−PCR、リアルタイムPCR等)、LAMP法、マイクロアレイ法などによることができるが、PCR法に依ることが好ましく、ユニバーサルプライマー等を用いたPCRによることがより好ましい。増幅後の断片(リード)は、必要に応じて、クオリティチェックを行い、高精度の選抜を行ってもよい。あるいは、健常個体と罹患個体の区別に利用しうる特定の属及び門に帰属する菌種について、リアルタイムPCRを利用して微生物量の多い少ないを判定してもよい。
16SrRNA遺伝子を利用した唾液検体中の微生物の定量は、1つの微生物に相当する1リードを出発点とし、そのリードの塩基配列の類似度に基づいてグルーピングされるOTU(operational taxonomic unit)により行うことができる。OTUは、微生物の分類上は“種”のレベルに相当し、OTUの代表配列とDatabase(The Ribosomal Database Project(RDP)等)との照合によりいずれの菌種に帰属するのか判断できる。菌種帰属が判定できると、その上の分類である属や門への帰属も判定できる。なお、菌種によって、その保有する16SrRNAのコピー数が異なるため、菌種同士の16SrRNA数の比が菌種の実際の組成比を反映するものとは限らない。よって、16SrRNA遺伝子を利用した唾液検体中の微生物の定量は、菌種の存在量の相対的な比を表現するものであり、例えば、その比が健常群と罹患群で異なるあるいは同等である等の評価に活用するものである。微生物の定量を行う際の検体中のリード数は、1000個以上であることが好ましく、1500個以上であることが好ましく、1800個以上であることがより好ましい。
OTUの数は、微生物の種の数を表す。被験犬の唾液検体に由来する試料のOTU数が健常犬より少ない場合には、被験犬は歯周病に罹患している可能性が高い。また、被験犬に由来する検体のOTU数が好ましくは133以下であれば、被験犬は歯周病に罹患している可能性が高い。一方、被験犬に由来する検体のOTU数が好ましくは149以上であれば、被験犬は歯周病に罹患している可能性が低い。
本発明においては、被験犬由来の試料中のCapnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属及びFilifactor属微生物から選ばれる少なくとも一種の微生物の量を得て、これを、健常犬から採取された唾液検体中の前記属に属する微生物又はその一部の量と比較する。その結果、Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属及びTissierella属微生物のうち少なくとも一種の量が健常犬より少ない場合には、被験犬が歯周病に罹患していると評価する。また、これらの微生物のうち少なくとも一種の量が健常犬と同等以上である場合には、被験犬が歯周病に罹患していると評価する。
一方、被験犬由来の試料中のPorphyromanas属及びFilifactor属微生物から選ばれる少なくとも一種の量が健常犬より多い場合には被験犬が歯周病に罹患していると評価する。また、これらの微生物の量が健常犬と同等以下である場合には、被験犬が歯周病に罹患していると評価する。
Capnocytophaga属微生物としては例えば、Capnocytophaga sp.canine oral taxon 295、Capnocytophaga canimorsus、Capnocytophaga sp.canine oral taxon 329が挙げられる。
Conchiformibius属微生物としては例えば、Conchiformibius steedaeが挙げられる。
Bibersteinia属微生物としては例えば、Bibersteinia trehalosiが挙げられる。
Bergeyella属微生物としては例えば、Bergeyella zoohelcum、Bergeyella zoohelcumが挙げられ、Bergeyella zoohelcumが好ましい。
Neisseria属微生物としては例えば、Neisseria weaver、N
eisseria shayeganii、Neisseria canisが挙げられる。
Haemophilus属微生物としては例えば、Haemophilus haemoglobinophilus、Haemophilus haemolyticusが挙げられる。
Pasteurella属微生物としては例えば、Pasteurella canis、Pasteurella dagmatisが挙げられる。
Porphyromanas属微生物としては、Porphyromonas gingivicanis、Porphyromonas crevioricanis、Porphyromonas sp.canine oral taxon 341、Porphyromonas cangingivalis、Porphyromonas canoris、Porphyromonas sp.UQD 406、Porphyromonas macacae、Porphyromonas sp.UQD 402、Porphyromonas sp.UQD 348、Porphyromonas sp.UQD 434、Porphyromonas gingivalisが挙げられる。
Filifactor属微生物としては例えば、Filifactor villosusn、Filifactor alocisが挙げられる。
Streptococcus属微生物としては例えば、Streptococcus sp.EO2001−01が挙げられる。
Alysiella属微生物としては例えば、Alysiella crassaが挙げられる。
本発明においては、被験犬由来の試料中のFirmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物のいずれかの微生物を定量する。その結果、Firmicutes門に属する微生物の量が健常犬より多い場合には被験犬が歯周病に罹患していると評価する。また、該微生物の量が健常犬と同等以下である場合には、被験犬が歯周病に罹患していると評価する。一方、Proteobacteria門に属する微生物の量が健常犬より少ない場合には被験犬が歯周病に罹患していると評価する。また、これらの微生物の量が健常犬と同等以上である場合には、被験犬が歯周病に罹患していると評価する。
Firmicutes門に属する微生物としては、Filifactor属微生物(例は上述のとおり)、Streptococcus属微生物(例は上述のとおり)、Peptostreptococcus属微生物(例えば、Peptostreptococcus canis、Peptostreptococcus sp.P4P_31 P3、Peptococcus sp.canine oral taxon 044)、Weissella属微生物(例えば、Weissella confusa)、Parvimonas属微生物(例えば、Parvimonas sp.canine oral taxon 035、Parvimonas micra)、Catonella属微生物(例えば、Catonella sp.canine oral taxon 158)、Gemella属微生物(例えば、Gemella palaticanis)、Granulicatella属微生物(例えば、Granulicatella elegans)、Eubacterium属微生物(例えば、[Eubacterium]yurii)、Abiotrophia属微生物(例えば、Abiotrophia defectiva)、Fusibacter属微生物(例えば、Fusibacter paucivorans)、Clostridium属微生物(例えば、Clostridium saccharolyticum、Clostridium sp.7_3_54FAA、Clostridium fimetarium、Clostridium sp.BNL1100、[Clostridium]sticklandii、[Clostridium]sticklandii)、Guggenheimella属微生物(例えば、Guggenheimella bovis)、Anaerostipes属微生物(例えば、Anaerostipes sp.3_2_56FAA)、Proteocatella属微生物(例えば、Proteocatella sphenisci)、Catonella属微生物(例えば、Catonella morbi)、Parasporobacterium属微生物(例えば、Parasporobacterium paucivorans)、Fusibacter属微生物(例えば、Fusibacter paucivorans)、Parasporobacterium属微生物(例えば、Parasporobacterium paucivorans)、Eubacterium属微生物(例えば、Eubacterium sp.F1)、Erysipelothrix属微生物(例えば、Erysipelothrix rhusiopathiae)、Parvimonas属微生物(例えば、Parvimonas micra)、Alkaliphilus属微生物(例えば、Alkaliphilus transvaalensis、Peptoniphilus属微生物(例えば、Peptoniphilus indolicus)が挙げられる。
Proteobacteria門に属する微生物としては、Neisseria属微生物(例は上述のとおり)、Pasteurella属微生物Bibersteinia属微生物(例)、Haemophilus属微生物(例は上述のとおり)、Conchiformibius属微生物(例は上述のとおり)、Alysiella属微生物(例は上述のとおり)Desulfomicrobium属微生物(例えば、Desulfomicrobium orale)、Moraxella属微生物(例えば、Moraxella sp.canine oral taxon 018)、Ottowia属微生物(例えば、Ottowia thiooxydans)、Campylobacter属微生物(例えば、Campylobacter concisus、Campylobacter rectus)、Arcobacter属微生物(例えば、Arcobacter butzleri)、Lysobacter属微生物(例えば、Lysobacter spongiicola)、Desulfovibrio属微生物(例えば、Desulfovibrio desulfuricans)、Lautropia属微生物(例えば、Lautropia mirabilis)、Comamonas属微生物(例えば、Comamonas sp.SFCD1)、Moraxella属微生物(例えば、Moraxella nonliquefaciens)、Acinetobacter属微生物(例えば、Acinetobacter marinus、Acinetobacter lwoffii)、Brachymonas属微生物(例えば、Brachymonas denitrificans)、Suttonella属微生物(例えば、Suttonella ornithocola)、Cardiobacterium属微生物(例えば、Cardiobacterium hominis)が挙げられる。
一方、被験犬から採取された唾液検体中の微生物叢を構成する微生物の菌種間類似度を解析してもよい。被験犬の結果と健常犬のデータとの間の距離が大きければ類似性が低く、小さければ類似性が大きいと判断することができる。菌種間類似度は、UniFrac解析により数値化できるので、該方法を用いることが好ましい。Unifrac解析は、例えば以下のように行う。総当たりでサンプル同士の系統樹解析を行い、サンプル同士で共有する枝の長さと各々のサンプルに固有の枝の長さの比をとる。この比は、サンプル同士の類似度が大きければ小さくなり(0に近づく)、類似度が小さければ大きくなる(1に近づく)。すなわち、仮に健常群に属するサンプル同士の距離が小さく、また罹患群に属するサンプル同士の距離が小さく、加えて健常と罹患のサンプル同士の距離が大きい場合、これら距離の平均値の差が統計学的に有意に大きいものであれば、これは健常群と罹患群の間の菌叢構造の違いを示すものとなる。よって、この比を算出することにより、サンプルの微生物叢同士の類似度を評価することができる。この比は、Unifrac distance(群間類似距離)として表現され得る。UniFrac解析条件については、Lozupone C and Knight R:UniFrac:a new phylogenetic method for comparing microbial communities.Appl Environ Microbiol 71:8228−8235(2005)に例示されている。
UniFrac解析は、菌種の数とその他の要因(組成比など)を考慮するWeighted解析又は菌種の数のみで評価するUnweighted解析によることができる。
UniFrac解析によって得られた群間類似距離に基づき、主座標分析(principal coordinates analysis、PCoA)を行うことができる。主座標分析によれば、各サンプルの菌叢構造の類似性を視覚化することができる。主座標分析で2次元散布図を作成すると、例えば、健常なイヌのデータ群は、そのX軸の負領域に布置し、他方、歯周病に罹患したイヌのデータ群は、X軸上の正領域に分布するといったように、歯周病に罹患したイヌのデータ群(以下、「患者群」ともいう)と健常なイヌのデータ群(以下、「健常群」ともいう)とを区別して識別することが可能となる。
本発明の犬の歯周病罹患評価用キットは、Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属およびFilifactor属微生物からなる群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子配列の一部を増幅するプライマー、または、該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む。あるいは、Firmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物の遺伝子配列の一部を増幅するプライマー、または該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む。本発明のキットを用いることにより、被験犬から採取された唾液検体中の前記微生物の定量をより簡便、迅速、かつ正確に行うことができる。
各微生物の遺伝子配列は、各微生物に特有の遺伝子であることが好ましく、rRNA遺伝子であることがより好ましく、16SrRNA遺伝子であることがさらに好ましい。各微生物に特有の16SrRNA遺伝子は、遺伝子データベースなどから入手可能である。
16SrRNA遺伝子の一例としては、配列番号1〜92に記載の塩基配列が挙げられる。これらの塩基配列は、上記各微生物の遺伝子(16SrRNA遺伝子)、該遺伝子と推定される遺伝子、又はこれらの一部であると推測される。
プライマーは、各微生物に特有の遺伝子の少なくとも一部を増幅するものであればよく、増幅方法等に応じて適宜設計すればよい。通常は、各微生物に特有の遺伝子の少なくとも一部の一端に結合できるプライマーと、他端に結合できるプライマーのプライマーペアである。プライマーの長さは、10塩基以上であることが好ましく、11塩基以上、12塩基以上であることがより好ましい。上限は、50塩基以下であることが好ましく、35塩基以下、30塩基以下であることがより好ましい。プライマーは、ある微生物のみを検出できるものであってもよいし、2種以上の微生物を検出できるものであってもよい。
プローブは、各微生物に特有の遺伝子の少なくとも一部に結合すればよく、特異的にハイブリダイズすることが好ましい。プローブを構成する塩基配列は、適宜決定することができる。プローブの長さは、20塩基以上であることが好ましく、22塩基以上、24塩基以上であることがより好ましい。上限は、50塩基以下であることが好ましく、35塩基以下、30塩基以下であることがより好ましい。プローブは、ある微生物のみを検出できるものであってもよいし、2種以上の微生物を検出できるものであってもよい。
本発明のキットは、2以上のプライマーペアを含んでいてもよい。また、2以上のプローブを含んでいてもよい。また、プライマーやプローブの他に、遺伝子増幅に用いる試薬、用具を含んでいてもよい。例えば、緩衝液、dNTPs(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、容器などが挙げられる。
本発明の判定方法及びキットは、被験犬の歯周病の罹患可能性を判断するのに好適である。本発明の判定方法及びキットは、被験犬の歯周病の罹患可能性を評価できるので、予防医学的な利用も可能である。さらに、歯周病の被験犬に治療処置又は投薬を行った場合、治癒に向かっていれば、各微生物の量、割合等は健常犬のそれに近づく。従って、治療処置または投薬を進めると共に本発明の判定方法を実施することにより、治療処置又は投薬の評価判定を行うこともできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜20
(検体)
表1に示す、薬剤(特に抗生物質)が投与されていない2〜7歳のイヌを検体として用いた。表1中のGI(Gingival Index)は歯肉炎指数であり、その評価基準を表2に示す。
GI=0の検体(健常群)は、身体検査、血液検査、尿検査、糞便検査、X線検査、超音波検査を行った結果、いずれも標準値の範囲内にあり健常であった。
(サンプルの調製)
被験対象であるイヌの口中に綿棒を入れ、下唇と歯茎との間に溜まった唾液を吸収させた。唾液を吸収した綿棒を滅菌チューブに入れ、冷蔵庫内で約4℃にて保管した。
唾液検体より、溶菌酵素法(Morita et al.,Microbes and Environments,Vol.22(2007),No.3,P214−222)に準じて細菌ゲノムDNAを抽出した。バーコード化したプライマーを用いて、16SrRNA遺伝子のマーカーV1−V2を含む領域(27F〜338R)をPCR増幅した。各PCR産物を精製、定量、混合した。PCR産物の配列を、Roche−454 GSシリーズのシークエンサー(ロシュ社製)を用いて決定し、バーコード配列を利用して混合した複数検体を元通り検体ごとに分類した。1検体あたり約300bp塩基長を5000リードずつシークエンスした。各リードからプライマー対を含むリードを除去し、さらにシーケンサに付属のクオリティプログラムを用いてクオリティチェックを行い、クオリティチェックを通過したリード(高精度に選抜されたリード)につき後述の遺伝子解析のサンプルとした(表3)。
(OTUの作成)
各サンプル中の微生物叢に含まれる菌種数(species)の解析を行った。すなわち、リード約1800個以上を選択し、それらの塩基配列の類似度(96%閾値)を基にOTU(operational taxonomic unit)を作成した。OTU数は、健常群の方が罹患群よりも多かった(表4及び5並びに図1及び2)。
(菌分類(門レベル)の16SrRNA遺伝子解析)
各群におけるサンプルに含まれる菌分類(門レベル)を、OTUに基づき16SrRNA遺伝子配列のデータベース(RDP及びGenomeDB(NCBIコンプリート、HMPドラフト及び発明者所有のデータ)を用いて行った。その上で、Phylum(門)レベルの群間比較の結果、Firmicutes門に属する微生物の数は罹患群において健常群より多く認められた(図3)。また、Proteobacteria門に属する微生物数は、健常群において罹患群より多く認められ、両者の間に有意差があった(有意水準5%、図4)。
(菌分類(属レベル)の16SrRNA遺伝子解析)
各群におけるサンプルに含まれる菌分類(属レベル)を、OTUに基づき16SrRNA遺伝子配列のデータベース(RDP及びGenomeDB(NCBIコンプリート、HMPドラフト及び発明者所有のデータ)を用いて行った。その結果、検出量が上位から32位までであった属において、Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属およびStreptococcus属微生物の各々の微生物数は健常群において罹患群より多く認められ、両者の間に有意差があった(Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属は有意水準5〜20%、それ以外は有意水準5%、図5〜14)。また、Porphyromanas属、Filifactor属微生物の各々の微生物数は罹患群において健常群より多く認められ、両者の間に有意差があった(有意水準5〜20%、図15〜16)。
菌種レベルでは、Capnocytophaga sp.canine oral taxon 295(配列番号4)、Conchiformibius steedae(配列番号18)、Capnocytophaga canimorsus(配列番号19)、Bergeyella zoohelcum(配列番号30)、Bergeyella zoohelcum(配列番号33)、Bibersteinia trehalosi(配列番号36)、Haemophilus haemolyticus(配列番号47)、Porphyromonas canoris(配列番号38)、Acinetobacter marinus(配列番号54)、Acinetobacter lwoffii(配列番号61)の各々の微生物群は健常群において罹患群より多く認められ、両者の間に有意差があった。
(Unifrac解析)
実施例1〜18の各サンプルに含まれる微生物叢同士の類似度を評価するため、Unifrac解析を行った。実施例1〜18の各サンプルについて、2種類のUniFrac解析を行い、主座標分析(principal coordinates analysis、PCoA)及びUnifrac distance(サンプル同士の類似度を表現する距離)の検討を行った。主座標分析を行ったところ、Weighted解析においては、健常群が横軸近辺に集中するのに対し、罹患群は健常群から離れてばらつく傾向にあった(図17、19)。また、Unweighted解析においては、罹患群の方が左上に位置していたのに対し、健常群は右下に集中する傾向にあった(図18、20)。実施例1〜18の各サンプルについては、Weighted解析及びUnweighted解析のいずれにおいても、健常群に属するサンプル同士の距離は小さく、この距離の平均値と罹患群に属するサンプル同士の距離の平均値との間に有意差が認められた。このことから、Unifrac distanceにより、健常群と罹患群を区別することができることが明らかとなった。
実施例で得られたリードのうち、健常群と罹患群とで有意差があったリードの配列、既知微生物の16SrRNAとの相同性は、表6〜8に示すとおりであった。なお、リードの相同性90%以上であれば、そのリードはその微生物に由来する、又は由来する可能性が高いと判断した。

Claims (13)

  1. 被験犬から採取された唾液検体中のCapnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属及びFilifactor属微生物からなる群より選ばれる少なくとも一種を定量すること、
    得られた量と、健常犬から採取された唾液検体中の前記群より選ばれる少なくとも一種の量とを比較すること、及び、
    Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属及びTissierella属微生物のうち少なくとも一種の量が健常犬より少ない場合および/またはPorphyromanas属及びFilifactor属微生物から選ばれる少なくとも一種の量が健常犬より多い場合には被験犬が歯周病に罹患していると評価すること
    を含むイヌの歯周病の評価方法。
  2. 被験犬から採取された唾液検体中のFirmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物のいずれかの微生物又はその一部を定量すること、
    得られた量と、健常犬から採取された唾液検体中の前記群より選ばれる少なくとも一種の量とを比較すること、及び、
    Firmicutes門に属する微生物の量が健常犬より多い場合および/またはProteobacteria門に属する微生物の量が健常犬より少ない場合には被験犬が歯周病に罹患している可能性が高いと評価すること、
    を含むイヌの歯周病の評価方法。
  3. 定量は、各微生物の遺伝子量の定量により行う、請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 遺伝子量は、リボソームRNA遺伝子量である、請求項3に記載の評価方法。
  5. 被験犬から採取された唾液検体中の微生物叢を構成する菌種数を測定し、菌種数が少ない場合に被験犬は歯周病に罹患している可能性が高いと評価することを含む、犬の歯周病罹患の評価方法。
  6. 菌種数の測定は、各微生物の遺伝子解析により行う、請求項5に記載の評価方法。
  7. 菌種数はoperational taxonomic unitにより決定する、請求項5又は6に記載の評価方法。
  8. 健常群に属するサンプル同士の菌叢構造と、健常群と被験犬のサンプルの菌叢構造との間に差が認められる場合に、被験犬は歯周病に罹患している可能性が高いと評価することを含む、犬の歯周病罹患の評価方法。
  9. 菌叢構造の解析は、UniFrac分析により行う請求項8に記載の評価方法。
  10. 菌叢の構成は、各微生物の遺伝子解析により行う、請求項8又は9に記載の評価方法。
  11. Capnocytophaga属、Conchiformibius属、Bibersteinia属、Bergeyella属、Neisseria属、Haemophilus属、Pasteurella属、Corynebacterium属、Alysiella属、Streptococcus属、Tissierella属、Porphyromanas属およびFilifactor属微生物からなる群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子配列を増幅するプライマー、又は該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む、犬の歯周病罹患評価用キット。
  12. Firmicutes門に属する微生物および/またはProteobacteria門に属する微生物の遺伝子配列の一部を含むプライマー、又は、該遺伝子配列の少なくとも一部と結合するプローブを含む、犬の歯周病罹患評価用キット。
  13. 遺伝子配列は、rRNA遺伝子の塩基配列である、請求項11又は12に記載のキット。
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