JP2017085910A - 乳脂肪含有固形物およびその製造方法 - Google Patents

乳脂肪含有固形物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017085910A
JP2017085910A JP2015216091A JP2015216091A JP2017085910A JP 2017085910 A JP2017085910 A JP 2017085910A JP 2015216091 A JP2015216091 A JP 2015216091A JP 2015216091 A JP2015216091 A JP 2015216091A JP 2017085910 A JP2017085910 A JP 2017085910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
milk fat
containing solid
less
butter
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015216091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6846107B2 (ja
Inventor
誠 塩田
Makoto Shioda
誠 塩田
泉井亮太
Ryota Izumii
塚越詩織
Shiori Tsukagoshi
下村雄一
Yuichi Shimomura
石川和男
Kazuo Ishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP2015216091A priority Critical patent/JP6846107B2/ja
Publication of JP2017085910A publication Critical patent/JP2017085910A/ja
Priority to JP2020120497A priority patent/JP6909340B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6846107B2 publication Critical patent/JP6846107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)

Abstract

【課題】使用したい分量を簡単に取り分けることができる割れ性、および良好なバター風味を有する乳脂肪含有固形物とその製造方法を提供する。【解決手段】10℃の硬度が53以下、かつ水滴の直径の平均値が3μm以下、かつメチルケトン類を20ppm以上含むことを特徴とする乳脂肪固形物。【選択図】なし

Description

本発明は乳脂肪を主な脂肪源とする乳脂肪含有固形物とその製造方法に関する。
バターはパンに塗って食されるだけでなく、シチュー、グラタン、パイなどの材料としても広く用いられている。バターには好ましい乳風味が存在することから、これらの用途に使用することで食品の後味などを向上することができる。これらの様々な形で利用されているバターは、その用途によって求められる特性が異なる。
引用文献1には凍結バターを低温で粉砕し、減圧下で混錬することによりパイ製造に適した改質バターが開示されている。引用文献2には改装前のバターと同様の物性を保持した改装バターの効率的な製造方法が開示されている。引用文献3には溶解したバターを段階的に冷却することで固体脂肪と液体脂肪に分別し、得られた固体脂肪にバターミルクと生クリームを加え、せん断と超音波により乳化して得られる適度な硬度と展延性を有するバターが開示されている。
上記のとおり、バターの用途は広く、様々な特性のバター様食品が求められている。家庭でバターを使用する際には、通常、ブロック状のバターからバターナイフで適量を切り取り、トーストに載せたり、シチューを調理する際の鍋に投入したりして使用するが、硬くて、粘りがある物性により、硬くて切り込みを入れにくい、バターナイフに付着してはがしにくいなどの欠点があった。特に、使用したい分量を簡単に取り分けることができるという使い勝手のよいバター様食品の開発が望まれている。
特開平7−264979 特開平3−251142 特開平3−232455
使用したい分量を簡単に取り分けることができる割れ性を有する乳脂肪含有固形物とその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明には以下の構成が含まれる。
(1)10℃の硬度が53以下、かつ分散している水滴の直径の平均値が3μm以下であることを特徴とする乳脂肪含有固形物。
10℃の硬度
ペネトロメーター法によるJIS K2220で規定されている円錐体とJIS K J2207 で規定されている針入度計を用い、10℃とした試料に前記円錐体を落 下させたときに貫入する距離を0.1mm単位で示したもの。
水滴の直径の平均値
水粒子の粒径分布(体積割合)が50%となる粒径。
(2)メチルケトン類を20ppm以上含むことを特徴とする(1)に記載の乳脂肪含有固形物。
(3)前記メチルケトン類のひとつが2−ペンタノンであり、前記2−ペンタノンが3ppm以上であることを特徴とする(2)に記載の乳脂肪含有固形物。
(4)前記メチルケトン類のひとつが2−ヘプタノンであり、前記2−ヘプタノンが20ppm以上であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の乳脂肪含有固形物。
(5)前記の水滴の直径の平均値の標準偏差が0.7μm以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1つに記載の乳脂肪含有固形物。
(6)塩化ナトリウムを1%以上2%以下含むことを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の乳脂肪含有固形物。
(7)水分含量が16%以上35%以下であることを特徴とする(1)から(6)のいずれか1つに記載の乳脂肪含有固形物。
(8)原料バター類の貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とする前処理工程と、急速固化工程と、練圧工程と、を含むことを特徴とする乳脂肪含有固形物の製造方法。
(9)さらに、前記前処理工程と前記急速固化工程の間に65℃以上で15秒以上の加熱工程を含む(8)に記載の乳脂肪含有固形物の製造方法。
(10)前記急速固化工程の冷却速度が0.1℃/秒以上1.0℃/秒以下であることを特徴とする(8)又は(9)に記載の乳脂肪含有固形物の製造方法。
本発明は、調理、あるいはトーストへの塗付等の際に、冷温状態であっても所望の量を採取しやすい硬さを有する乳脂肪含有固形物を提供するものである。
本発明の乳脂肪含有固形物について以下に詳細に説明する。
本発明の乳脂肪含有固形物の原料を以下に説明する。
本発明の乳脂肪含有固形物の原料として用いるバター類は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において「生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの」と定義されるもののうち、塩化ナトリウムが添加されていないものあればどのようなものでも使用することができ、発酵の有無、連続式やバッチ式といった製法、またはバター製造時の季節等にかかわらず使用することができる。また、食用精製加工油脂や食用植物油脂を10〜20%程度添加したバター様食品(乳等を主要原料とする食品)も原料として使用することができる。
本発明の乳脂肪含有固形物の原料として用いる塩化ナトリウムは、通常の食用用途で用いられる食塩に含まれるものであればどのようなものでも使用することができ、食塩としては、釜で炊いて作った、せんごう塩、地中から掘り出した岩塩、海水を蒸発させて作った天日塩(特級塩、食塩、並塩、白塩等)、ウェットタイプの未乾燥塩等を例示できる。
食塩の塩化ナトリウムの純度は80%以上が好ましく、90%以上がさらに好ましく、96%以上が最も好ましい。また、食塩が固体状の場合は、平均粒径は2mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましく、0.4mm以下が最も好ましい。
本発明の乳脂肪含有固形物の製造法を以下に説明する。
原料バター類を室温、あるいは40℃未満で加温することにより、原料バター類の貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とする。
乳脂肪含有固形物の風味の調整のために、原料バター類、又は貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした原料バター類を65℃以上で15秒以上加熱することもできる。加熱工程には、プレート式殺菌機やバッチ式の殺菌機を用いることができる。
食塩を添加する場合は、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした原料バター類に食塩を添加する。添加する食塩は、固形状、粉体状、又は水や生乳等を加えてペースト状、スラリー状、溶液としたものを添加することができる。溶液を添加する場合、ここで最終製品の水分量を調整することができる。最終製品である乳脂肪含有固形物の水分量は16%〜35%に調整することができる。
食塩は攪拌により均一に分散させる。食塩の溶解を確認後、急速固化工程と練圧処理工程に供する。
急速固化工程は、密閉連続式チューブ冷却法を用い、これに用いる装置には、パーフェクターやコンビネータ(SPX社)などが例示できる。原料バターミックスは、冷媒により冷却された円筒内壁とスクレーパーが設置された高速回転するシャフトとの狭い間隙を通過する過程で、約35〜50℃から約10〜15℃程度まで急速に冷却される。冷却速度は0.1〜1.0℃/秒が好ましい。冷却速度は冷媒により冷却された円筒内壁の温度とシャフトの回転数によって調節する。この急速固化工程における激しいせん断と急速冷却により、原料バターは微細な水滴と微細な脂肪結晶を有する緻密な乳化物となる。
練圧処理工程では、練り装置を用いた十分な練りが加えられる。練り装置の代表的なものとしてピンマシンが例示される。ピンマシンは円筒形のシリンダーを有しており、その内壁側に固定された複数のピンと、中心部のシャフト側に固定された複数本のピンを有する。内壁側のピンとシャフト側のピンは交互に設置されており、シャフトが高速回転するシリンダー中を原料バターミックスは回転面に対して垂直方向に移動し、両側のピンの間隙で強く練られながら移動して行く。急速固化工程により生成した油脂結晶は分子間力により網目構造を形成しているが、練圧処理工程における機械的ワーキングにより網目構造が破壊され、新たに第2次的網目構造が形成される。また、レスティングチューブ等の結晶管を使用することもでき、原料バターミックスをチューブ中で緩やかに移動させ、この際に油脂結晶を成長させることができる。
急速固化工程と練圧工程では、急速固化工程と練圧工程の順序を変えても構わない。たとえば、急速固化工程の途中に練圧工程を行ない、再び急速固化工程を行なうことも可能である。
このようにして得られた本発明の乳脂肪含有固形物は、一般的なバター製造工程で得られるバターよりも、急速固化工程および練圧工程により、緻密な油脂結晶が存在し、また、分散している水滴が微細化かつ均一化されており、水滴の直径の平均値が3μm以下、かつその標準偏差が0.7μm以下、10℃の硬度が53以下となる。
上記した本発明の乳脂肪含有固形物の物性は、バターの品質において問題となるクランブリーと呼ばれる脆く、崩れやすいものではなく、バターナイフ等で切れ込みを入れると、切れ込みに沿って割れやすいというスナップ性と表現される特性を有するものとなり、冷蔵庫から出した直後においても、パンに塗ったり、フライパンや鍋に投入したりするのに適した量を、簡単に割って取り分けることができるという物性を有する。
本発明の工程では、上記のとおり、原料バター類の加温保持の工程で加水することが可能である。このため、乳脂肪以外を含まない、水分が17%を超える低油分である、W/О型固形乳化物であるデイリースプレッド規格の乳脂固形物の調製も可能である。このように、水分含量を調整することで、使用時の切り込みをさらに入れやすくする等の、所望の物性を調整することもできる。
バターの香気成分は、ラクトン類、脂肪酸類や硫化物等の多様な香気成分から構成されており、それらの香気成分の単独もしくは複合的な作用により、バター特有の好ましい風味が発現される。
原料バター類、又は貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした原料バター類を、風味の調整のために65℃以上で15秒以上加熱した乳脂肪含有固形物は、通常のバターよりもメチルケトン類を多く含有している。
メチルケトン類はホットミルクの風味とも表現される香気成分であり、マーガリン類に乳製品特有のコクを付与することを目的に利用される成分のひとつである。メチルケトン類は、乳製品の加熱により生成することが知られており、本発明の乳脂肪含有固形物は、原料バターミックスを65℃以上で15秒以上加熱することにより、メチルケトン類が一般的なバターより有意に多く、香り立ちの良いコクのあるバター風味を呈するものとなっている。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を35℃で30分混練し、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした。これをコンビネーターに供し0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。得られた乳脂肪含有固形物の乾燥減量法による水分量は16%であった。
貯蔵弾性率(G‘)の測定はレオメーター(TA instruments社製)を用いた。加温混練した試料を、2枚の25mmの平板プレートの間に充填した。2枚の平板プレートの間隙は2mmとし、周波数1.0rad/s、歪率0.5%の条件で測定した。
水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を35℃で30分混練し、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした。これに0.7kgの食塩を添加し、35℃で60分攪拌した。これをコンビネーターに供し0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。得られた乳脂肪含有固形物の乾燥減量法による水分量は16%であった。
水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を70℃で20秒間加熱し、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした。これをコンビネーターに供し0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。得られた乳脂肪含有固形物の乾燥減量法による水分量は16%であった。
水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を65℃で5分間混練し、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした。これに、9.3kgの水を添加して15分間攪拌した。得られた原料バターミックスをコンビネーターに供し、0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。得られた乳脂肪含有固形物の水分量は30%であった。
水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を、65℃で3分間混練し、貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした。これに、0.7kgの食塩を添加し、65℃で3分攪拌した。食塩を添加した原料バターミックスをコンビネーターに供し0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。得られた乳脂肪含有固形物の水分量は16%、塩分含量は1.4%であった。塩分はデジタル塩分計(株式会社アタゴ製)により測定した。
(試験例1)
本試験における実施例1に使用した原料の食塩不使用バターを比較例1とした。また、冬季に製造した食塩不使用バターを比較例2とした。
実施例1〜5、比較例1〜2を対象に、硬度測定と官能評価(風味と割れやすさ)を行った。
硬度の測定
硬度はペネトロメーター法によるJIS K2220(グリース)で規定されている円錐体を用い、JIS KJ2207 (石油アスファルト)で規定されている針入度計であるグリスペネトロメーター(エレックス科学株式会社)を用いて測定した。試料を所定の温度に調温後、試料表面に先端部が接触するように設置した円錐体を試料に落下させ、貫入する距離を0.1mm単位の距離で示したものを硬度とした。
官能評価
割れやすさの官能評価は、乳脂肪含有固形物を5cm四方、厚さ1cmに切り出し、10℃に保持した状態でパネルへ提供し、提供後すぐにバターナイフで割ることで評価した。評価は−2、−1、 0、 +1、+2 の5段階で行い、割れ易い試料ほど高い点数をつけるよう指示した。風味の官能評価は2cm四方、厚さ0.5cmに切り出した試料を10℃で保持し、冷蔵庫から出した直後に口に含み、乳風味の発現を評価した。評価は−2、−1、 0、 +1、+2の5段階で行った。風味の強い試料ほど高い点数をつけるよう指示した。
割れやすさおよび風味に関する官能評価はバター風味を好む嗜好性を持つパネル15名を対象に実施した。評価は室温20℃、蛍光灯照射下、試料はランダムな3桁の数値が記載された直径10cmの丸皿に載せた状態でパネルに供与した。試料を口に含む毎にコップの水道水で口をすすいで、直前の評価の試料の影響を排除するよう指示した。
Figure 2017085910
(同行内の異なるアルファベットは有意な差があることを示す。p<0.05)
表1に記載のとおり、官能評価の結果は硬度に対応しており、実施例1〜5が比較例1、2よりも有意に割れ易いと評価された。さらに、乳風味の強さは65℃以上で処理をした実施例3〜5で比較例1、2より後味に感じる乳風味が有意に強かった。
(試験例2)
実施例3と比較例1を対象に香気成分分析を行った。香気成分分析は水蒸気蒸留抽出−SPME−GC/MS法により実施した。GC/MSはアジレントテクノロジー社製7890B GCシステム、検出器は5977A MSDを用いた。カラムは高極性カラムDB−WAX(アジレントテクノロジー社製)を用いた。分析は3回実施し、平均値を表に示した。
Figure 2017085910
表2に記載のとおり、実施例3は比較例1よりメチルケトン類の量が多かった。メチルケトン類は加熱した乳製品に見られるホットミルクやコクに関連する香気成分であることから、官能評価において実施例3が比較例1よりも後味に感じる乳風味が有意に強かった。すなわち、実施例3〜5においては、65℃以上15秒以上の加熱をしたためメチルケトン類が多く、乳風味が強くなった。
(試験例3)
加熱条件とメチルケトン量および官能評価による乳風味の強さについて評価を行った結果を表3に示す。水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を50℃で混練し貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした後、表3に記載の条件で加熱処理を行った(比較例3、比較例4、実施例6)。これをコンビネーターに供し0.5℃/秒で10℃まで冷却することにより急速固化するとともに、練圧処理を行った。
Figure 2017085910
表3に記載のとおり、加熱温度は65℃未満、15秒未満では、メチルケトンの生成は少なく、乳風味の強さも十分ではなかった。
(試験例4)
乳脂肪含有固形物の水滴分散を評価した。水滴分散測定には、NMR Minispecmq20 (ブルカーバイオスピン株式会社)を用い、ウォータードロプレットサイズ解析ソフトウェアにより、水滴の直径の平均値と標準偏差を調べた。
Figure 2017085910
(同行内の異なるアルファベットは有意な差があることを示す。p<0.05)
比較例1、2に対して、実施例品1〜5は有意に直径の平均が小さく、バラツキも小さい傾向であった。
(試験例5)
冷却速度と官能評価による割れやすさとの関連性について評価を行った。水分16%の食塩不使用バター50kg(雪印メグミルク製)を70℃で20秒間の混練により貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とした後、これをコンビネーターに供し表5に記載の冷却速度条件により10℃まで冷却して急速固化するとともに、練圧処理を行った(比較例5、比較例6、実施例7、実施例8)。
Figure 2017085910
冷却速度が0.1℃/秒未満では、軟らかく、バターナイフに付着し、はがれ難い物性となり、望ましい物性とはならなかった。また、冷却速度が1.0℃/秒以上の場合、バターナイフで切り込みを入れた際に粉々に砕ける物性となり、家庭での使用時のとり分けに望ましい物性ではなかった。

Claims (10)

  1. 10℃の硬度が53以下、かつ分散している水滴の直径の平均値が3μm以下であることを特徴とする乳脂肪含有固形物。
    10℃の硬度
    ペネトロメーター法によるJIS K2220で規定されている円錐体とJIS KJ2207 で規定されている針入度計を用い、10℃とした試料に前記円錐体を落下させたときに貫入する距離を0.1mm単位で示したもの。
    水滴の直径の平均値
    水粒子の粒径分布(体積割合)が50%となる粒径。
  2. メチルケトン類を20ppm以上含むことを特徴とする請求項1に記載の乳脂肪含有固形物。
  3. 前記メチルケトン類のひとつが2−ペンタノンであり、前記2−ペンタノンが3ppm以上であることを特徴とする請求項2に記載の乳脂肪含有固形物。
  4. 前記メチルケトン類のひとつが2−ヘプタノンであり、前記2−ヘプタノンが20ppm以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の乳脂肪含有固形物。
  5. 前記の水滴の直径の平均値の標準偏差が0.7μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乳脂肪含有固形物。
  6. 塩化ナトリウムを1%以上2%以下含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の乳脂肪含有固形物。
  7. 水分含量が16%以上35%以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の乳脂肪含有固形物。
  8. 原料バター類の貯蔵弾性率を1.0×104Pa以下とする前処理工程と、急速固化工程と、練圧工程と、を含むことを特徴とする乳脂肪含有固形物の製造方法。
  9. さらに、前記前処理工程と前記急速固化工程の間に65℃以上で15秒以上の加熱工程を含む請求項8に記載の乳脂肪含有固形物の製造方法。
  10. 前記急速固化工程の冷却速度が0.1℃/秒以上1.0℃/秒以下であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の乳脂肪含有固形物の製造方法。

JP2015216091A 2015-11-02 2015-11-02 乳脂肪含有固形物およびその製造方法 Active JP6846107B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216091A JP6846107B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 乳脂肪含有固形物およびその製造方法
JP2020120497A JP6909340B2 (ja) 2015-11-02 2020-07-14 乳脂肪含有固形物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216091A JP6846107B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 乳脂肪含有固形物およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020120497A Division JP6909340B2 (ja) 2015-11-02 2020-07-14 乳脂肪含有固形物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017085910A true JP2017085910A (ja) 2017-05-25
JP6846107B2 JP6846107B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=58766524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015216091A Active JP6846107B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 乳脂肪含有固形物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6846107B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01132336A (ja) * 1987-11-17 1989-05-24 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂含有可塑性油脂組成物の製造方法
JPH07264979A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 改質バターとその製造方法
JP2003284491A (ja) * 2002-01-23 2003-10-07 Asahi Denka Kogyo Kk 乳脂肪含有ロールイン用油脂組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01132336A (ja) * 1987-11-17 1989-05-24 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂含有可塑性油脂組成物の製造方法
JPH07264979A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 改質バターとその製造方法
JP2003284491A (ja) * 2002-01-23 2003-10-07 Asahi Denka Kogyo Kk 乳脂肪含有ロールイン用油脂組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"3・3・2 バターフレーバー", 特許庁公報 周知・慣用技術集(香料)第II部 食品用香料, JPN6019035418, 2000, pages 276 - 296, ISSN: 0004113625 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6846107B2 (ja) 2021-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rogers et al. Edible oleogels in molecular gastronomy
JP6694312B2 (ja) フィリング用油中水型乳化油脂組成物
SK14652000A3 (sk) Spôsob prípravy nátierky, nátierka a linka na vykonávanie tohto spôsobu
JP2009254353A (ja) 新規フレッシュクリームおよびその製造方法
JP2017077219A (ja) アーモンドミルクを用いた油中水型乳化油脂組成物とその製造方法
JP6092169B2 (ja) ソフトキャンディの製造方法
Patange et al. Comparative effect of cooling on the physico-chemical-sensory properties of ghee from cow and buffalo milk, and evaluation of the low-fat spread prepared from cow and buffalo milk ghee
WO2016159242A1 (ja) 新規なロールインマーガリン
JP6909340B2 (ja) 乳脂肪含有固形物およびその製造方法
JP2018504933A (ja) 電子レンジ調理用のジャムミックス組成物、これを用いたジャムとその製造方法
JP6846107B2 (ja) 乳脂肪含有固形物およびその製造方法
JPWO2019208597A1 (ja) 新規ロールインマーガリン
Indarti et al. Appearance, texture and flavour improvement of chocolate bar by Virgin Cococnut Oil (VCO) as Cocoa Butter Substitute (CBS)
EP1191854B1 (en) A process for the preparation of post-heat treated cottage cheese products
JPS62163658A (ja) 水中油型乳化チヨコレ−ト加工食品およびその製造法
JP6512566B2 (ja) 気泡含有チョコレート用油脂組成物
JP6063717B2 (ja) チョコレート複合食品の製造方法
JP2007020429A (ja) クリーム風味を有するバター及びその製造方法
JPH0618518B2 (ja) 香味油とその製法
JP2013081433A (ja) バッター練込み用油脂組成物
AU2015283674B2 (en) Butter substitute
WO2022168679A1 (ja) 豆乳を原料とするスプレッド
JP6472971B2 (ja) ルウ用油脂組成物
US20210352926A1 (en) Methods for Reduced Oil Migration
CN107094907A (zh) 一种人造奶油的加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190911

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20191111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200714

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200714

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200727

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6846107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250