JP2017085909A - 微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株及びその利用 - Google Patents

微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】微乳頭構造を有する肺腺癌の性状をより正確に反映したヒト細胞株を提供する。
【解決手段】微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株。
【選択図】なし

Description

本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株及びその利用に関する。
肺癌は日本のみならず世界で最も高い罹患率と死亡率を有する癌である。肺癌の中でも腺癌の罹患率が最も多く、中でも微乳頭構造を有する肺腺癌は、原発巣から容易に遊離することから、脈管侵襲やリンパ節転移を起こし、予後不良である(例えば非特許文献1〜3を参照)。したがって、微乳頭構造を有する肺腺癌の病態解明及びより有効な治療法の開発が急務であるが、研究材料に乏しいのが現状である。
Miyoshi T., et al., Early-stage lung adenocarcinomas with a micropapillary pattern, a distinct pathologic marker for a significantly poor prognosis., Am. J. Surg. Pathol., 27, 101-109, 2003. Hoshi R., et al., Micropapillary clusters in early-stage lung adenocarcinomas: a distinct cytologic sign of significantly poor prognosis., Cancer, 102, 81-86, 2004. Kamiya K., et al., Histopathological features and prognostic significance of the micropapillary pattern in lung adenocarcinoma., Mod. Pathol., 21, 992-1001, 2008.
現在まで、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株は樹立されていない。原発巣に由来しない細胞株は、対象とする癌に由来するものであるか否かが明確でない場合がある。そこで、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の性状をより正確に反映したヒト細胞株を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1)微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株。
(2)受領番号NITE AP−02155である、(1)に記載の細胞株。
(3)(1)又は(2)に記載の細胞株を移植した非ヒト哺乳動物。
(4)(1)又は(2)に記載の細胞株を用いた腫瘍マーカーのスクリーニング方法。
(5)試験化合物を(1)又は(2)に記載の細胞株と接触させる工程と、前記細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法。
(6)試験化合物を(3)に記載の非ヒト哺乳動物に投与する工程と、前記試験化合物が投与された前記非ヒト哺乳動物中の前記細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法。
(7)ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞用培地。
(8)(7)に記載の培地中で微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞を培養する工程を備える、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞株の樹立方法。
(9)ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の培地用添加剤。
(10)(1)又は(2)に記載の細胞株を備える、腫瘍マーカーのスクリーニング用キット。
(11)(1)又は(2)に記載の細胞株を備える、抗癌剤のスクリーニング用キット。
本発明により、微乳頭構造を有する肺腺癌の性状をより正確に反映したヒト細胞株を提供することができる。
(a)は微乳頭構造及び乳頭構造を有する癌組織の構造を示す断面図である。(b)は(a)のb−b線における切断面を上から見た図である。(c)は乳頭構造を有する癌組織の構造を示す断面図である。(d)は(c)のd−d線における切断面を上から見た図である。 微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣腫瘍組織に由来する細胞を初代培養し、25日目の顕微鏡写真である(倍率10倍)。 北里P21LS細胞株(継代数15代)の顕微鏡写真である(倍率5倍)。 北里P21LS細胞株(継代数15代)の顕微鏡写真である(倍率5倍)。 3次元培養した北里P21LS細胞株の顕微鏡写真である(継代数14代、倍率5倍)。 (a)〜(h)は、実験例2において、肺腺癌組織の微乳頭構造部分の組織切片を染色した結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。 (a)〜(h)は、実験例2において、肺腺癌組織の乳頭構造部分の組織切片を染色した結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。 (a)〜(h)は、実験例2において、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュで培養した北里P21LS細胞株の付着細胞部分を染色した結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。 (a)〜(h)は、実験例2において、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュで培養した北里P21LS細胞株の浮遊細胞部分を染色した結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。 (a)〜(h)は、実験例2において、3次元培養した北里P21LS細胞株を染色した結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。 実験例3の実験結果を示すグラフである。 実験例4の実験結果を示すグラフである。 実験例4の実験結果を示すグラフである。 実験例6において、北里P21LS細胞株を移植したNOD−scidマウスの写真である。 (a)及び(b)は、北里P21LS細胞株に由来する腫瘍組織の組織標本のヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す写真である。
まず、微乳頭構造及び乳頭構造について説明する。図1(a)は微乳頭構造及び乳頭構造を有する癌組織の構造を示す断面図である。図1(b)は図1(a)のb−b線における切断面を上から見た図である。図1(c)は乳頭構造を有する癌組織の構造を示す断面図である。図1(d)は図1(c)のd−d線における切断面を上から見た図である。
図1(a)〜(d)に示すように、乳頭構造を有する癌組織の切片には、線維血管性コアが存在する。これに対し、微乳頭構造を有する癌組織の切片には、線維血管性コアが存在しないという特徴がある。
[微乳頭構造を有するヒト肺腺癌細胞株]
1実施形態において、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を提供する。
従来、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株は樹立された例がなかった。原発巣に由来しない細胞株は、対象とする癌に由来するものであるか否かが明確でない場合がある。本実施形態の細胞株は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣から樹立されたものであるため、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞株であることが確実である。このため、微乳頭構造を有する肺腺癌の性状を反映した細胞株として信頼性が高い。本実施形態の細胞株は、微乳頭構造を有する肺腺癌の病態解明及びより有効な治療法の開発のための研究材料として好適である。例えば、微乳頭構造を有する腫瘍の発育・進展様式の解明、腫瘍マーカーのスクリーニング、抗癌剤のスクリーニング等に利用することができる。
本実施形態の細胞株は、細胞名「北里P21LS」(受領番号NITE AP−02155)であってもよい。なお、「北里P21LS」の別名は「KU−Lu−MPPt3」であり、これらは同一の細胞を意味する。
肺腺癌の原発巣由来の細胞は、培地中での増殖が遅く、細胞株の樹立が困難であった。これに対し、実施例において後述するように、発明者らは、培地に、通常は無血清培養に使用する血清代替品及びウシ血清を添加することにより、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣から細胞株(細胞名「北里P21LS」、受領番号NITE AP−02155、以下、「北里P21LS細胞株」という場合がある。)を樹立することに初めて成功した。
実施例において後述するように、北里P21LS細胞株は、免疫組織化学染色により、肺の上皮性腫瘍細胞であることが確認された。また、北里P21LS細胞株には、付着細胞と浮遊細胞の両者が混在し、病理形態像を非常に強く反映していた。したがって、北里P21LS細胞株によれば、1つの細胞株で、異なる形態をとる付着細胞と浮遊細胞を個々に解析することが可能である。また、実施例において後述するように、北里P21LS細胞株は、分子標的治療薬の有効性が最も高いとされる、上皮成長因子受容体(EGFR)のエクソン19の変異を有していた。したがって、北里P21LS細胞株は、抗癌剤感受性試験をはじめとした研究を行う対象としても好適である。
[微乳頭構造を有する肺腺癌細胞株を移植した非ヒト哺乳動物]
1実施形態において、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を移植した非ヒト哺乳動物を提供する。本実施形態の非ヒト哺乳動物は、微乳頭構造を有する肺腺癌を研究するモデルとして有用である。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、免疫不全マウスが挙げられる。マウスは、実験動物として様々な研究技術が確立されている。また、免疫不全マウスであれば、ヒト細胞株を移植した場合においても拒絶反応を示さないため、癌組織を形成させることができる可能性が高い。免疫不全マウスとしては、例えば、SCIDマウス、NOD−scidマウス、NOD/Shi−scid/IL2Rγnullマウス(NOGマウス)等が挙げられる。
実施例において後述するように、発明者らは、NOD−scidマウスに移植した北里P21LS細胞株が微乳頭様構造を有する腫瘍組織を形成することを確認した。したがって、本実施形態の非ヒト哺乳動物は微乳頭構造を有する腫瘍の解析モデルとして利用することができる。
[腫瘍マーカーのスクリーニング方法]
1実施形態において、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株を用いた腫瘍マーカーのスクリーニング方法を提供する。本実施形態のスクリーニング方法としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
(腫瘍特異的モノクローナル抗体の作製)
微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株を免疫源としてモノクローナル抗体を多数作製し、固定した微乳頭構造を有する腫瘍組織や上記ヒト細胞株の染色性を指標として、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な反応性を示すモノクローナル抗体を選別することが挙げられる。
このようなモノクローナル抗体が認識する抗原は、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーであると考えられる。当該腫瘍マーカーは、微乳頭構造を有する腫瘍組織の診断に利用することができる。また、上記モノクローナル抗体は微乳頭構造を有する腫瘍組織の診断や治療に利用することができる。
(2次元電気泳動によるスクリーニング)
微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株及び微乳頭構造を有しない肺腺癌に由来するヒト細胞株から、それぞれタンパク質を抽出し、両者を2次元電気泳動法で比較する。得られた電気泳動像に基づいて、発現量に差のあるタンパク質を同定することが挙げられる。このようなタンパク質は、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーであると考えられる。
ここで、微乳頭構造を有しない肺線癌に由来するヒト細胞株としては、例えばA549細胞株、LC2−ad細胞株等が挙げられる。また、本実施形態のスクリーニング方法では、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株と微乳頭構造を有しない肺線癌に由来するヒト細胞株との比較において、発現量に、例えば1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上の差が認められるタンパク質を腫瘍マーカーの候補として選択するとよい。
(培養上清中のセクレトーム解析)
微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株を無血清培地で培養し、その培養上清中のタンパク質を特定することが挙げられる。例えば、培養上清中のタンパク質をアセトン沈殿法等で析出させ、2次元電気泳動で分離し、得られたタンパク質のスポットを質量分析装置で解析して当該タンパク質を同定することが挙げられる。これらのタンパク質は、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーの候補である。
(患者血清と細胞株を用いた自己抗体解析)
上記のヒト細胞株が由来する微乳頭構造を有する肺腺癌患者又は微乳頭構造を有する癌患者の血清中の抗体から、上記のヒト細胞株に反応性を示す自己抗体を探索することが挙げられる。
例えば、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株から抽出したタンパク質又は上記のヒト細胞株の培養上清中のタンパク質を2次元電気泳動し、患者の血清中の抗体と反応させる。続いて、反応性が認められたタンパク質のスポットを質量分析装置で解析して当該タンパク質を同定する。患者の血清中の抗体が反応したタンパク質は、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーの候補である。
(マイクロアレイによる網羅的解析)
上記のヒト細胞株を対象として、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行い、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーをスクリーニングすることが挙げられる。
例えば、上記のヒト細胞株及び微乳頭構造を有しない肺腺癌細胞株から、それぞれ全RNAを抽出してcDNAを合成し、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行う。両細胞株で発現の異なる遺伝子又はそれにコードされるタンパク質は、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーであると考えられる。
見出された遺伝子が微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーであるか否かの確認は、例えば、見出された遺伝子がコードするタンパク質に対する抗体群を用いて肺腺癌組織検体で免疫染色を行い、微乳頭構造部位が特異的に染色されるか否かを検討することにより行うことができる。
あるいは、微乳頭構造を有する細胞株の抽出タンパク質に対する上記抗体群の反応性を、ウエスタンブロッティング等により確認することによっても、見出された遺伝子がコードするタンパク質が、微乳頭構造を有する腫瘍組織に特異的な腫瘍マーカーであるか否かを確認することができる。
また、微乳頭構造を有する癌患者の血清を1次抗体とし、微乳頭構造を有する細胞株の抽出タンパク質に対する反応性を、ウエスタンブロッティング等により確認することにより、患者血清中の自己抗体の存在を確認することもできる。
[抗癌剤のスクリーニング方法]
(第1実施形態)
1実施形態において、本発明は、試験化合物を、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する上記のヒト細胞株と接触させる工程と、前記細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法を提供する。
例えば、上記のヒト細胞株の培地に化合物ライブラリ中の化合物を添加し、細胞の増殖に対する影響を検討することが挙げられる。より具体的には、例えば、96ウェルプレートに上記のヒト細胞株を播種し、化合物ライブラリの存在下で1〜5日間程度培養する。その後、例えばテトラゾリウム塩の還元による発色により、生細胞数を解析することが挙げられる。上記のヒト細胞株の増殖を抑制する化合物は、抗癌剤の候補である。
テトラゾリウム塩としては、市販の3−[4,5−ジメチルチアゾル−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)(MTT)等を利用することができる。
(第2実施形態)
1実施形態において、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞株を移植した上記の非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与する工程と、試験化合物が投与された非ヒト哺乳動物中の上記のヒト細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法を提供する。
非ヒト哺乳動物としては、上述したものが挙げられる。微乳頭構造を有する肺腺癌細胞株を移植した上記の非ヒト哺乳動物に経口投与又は非経口投与で試験化合物を投与する。続いて、非ヒト哺乳動物に移植された肺腺癌細胞株の増殖を測定し、試験化合物の効果を確認する。肺腺癌細胞株の増殖の測定方法としては、例えば、移植された肺腺癌細胞株に由来する癌組織の大きさ(体積、質量等)を測定すること等が挙げられる。上記癌組織を縮小させる試験化合物は、抗癌剤として利用することができる可能性が高い。
[肺腺癌細胞の培地用添培地及び肺腺癌細胞用添加剤]
1実施形態において、本発明は、ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞用培地を提供する。
本明細書において、「微乳頭構造を有する肺腺癌細胞」とは、肺腺癌に由来する細胞であって、培養したときに微乳頭構造を形成する細胞を意味する。「微乳頭構造を有する肺腺癌細胞」は、例えば「微乳頭構造を形成する肺腺癌細胞」、「微乳頭構造形成能を有する肺腺癌細胞」等といい換えることができる。
実施例において後述するように、発明者らは、ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する培地が、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の増殖を向上させることを見出した。また、通常の培地や、ACL−4培地等の無血清培地では、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞株を樹立することは困難である。これに対し、発明者らは、本実施形態の培地を用いて微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞を培養することにより、細胞株を樹立することに初めて成功した。
本実施形態の培地は更に血清を含有していてもよい。血清としては、例えばウシ血清が挙げられる。ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する培地は、通常は無血清培地として利用されるものであるが、発明者らは、上記の培地に敢えて血清を添加することにより、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の増殖が向上することを明らかにした。したがって、本実施形態の培地は、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の培養に好適である。
1実施形態において、本発明は、ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の培地用添加剤を提供する。本実施形態の培地用添加剤は更に血清を含有していてもよい。血清としては、例えばウシ血清が挙げられる。
[微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞株の樹立方法]
1実施形態において、本発明は、ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する培地中で、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞を培養する工程を備える、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞株の樹立方法を提供する。微乳頭構造を有する肺腺癌細胞株の樹立は困難であるが、本方法により細胞株を樹立することができる。
本実施形態の方法において、上記の培地は更に血清を含有していてもよい。血清としては、例えばウシ血清が挙げられる。
[腫瘍マーカー又は抗癌剤のスクリーニング用キット]
1実施形態において、本発明は、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を備える、腫瘍マーカー又は抗癌剤のスクリーニング用キットを提供する。
従来は、微乳頭構造を有する肺腺癌の病態解明、より有効な治療法の開発等に有用な研究材料に乏しかった。これに対し、本実施形態のキットは、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を備えるため、微乳頭構造を有する腫瘍に特異的な腫瘍マーカーのスクリーニング、微乳頭構造を有する癌に有効な抗癌剤のスクリーニング等を効率よく実施することができる。
次に実験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。また、本研究は、北里大学医学部の倫理委員会に「微乳頭構造を有する肺腺癌をモデルとした癌の転移・浸潤メカニズムの解析」という課題名で申請し承認を得ており、その後も継続申請している(B09−33)。
[実験例1]
(細胞株の樹立)
微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を樹立した。具体的には、まず、外科手術で摘出され、病理組織学的に微乳頭構造を有する肺腺癌であることが確認された原発巣腫瘍組織を、ハサミで細かくミンチ状に切断して組織片を得た。続いて、得られた組織片を、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュ中で培養(初代培養)した。
培地としては、RPMI1640培地に、10%ウシ血清、及び通常は無血清培養に使用する血清代替品(商品名「N−2サプリメント」、サーモフィッシャーサイエンティフィク社)、抗生物質及びL−グルタミンを添加したものを用いた。N−2サプリメントは、終濃度(培地中の濃度)で、ヒトホロトランスフェリン100mg/L、インスリン5mg/L、プロゲステロン0.0063mg/L、プトレシン16.11mg/L及びセレナイト0.0052mg/Lを含有していた。抗生物質としては、終濃度で、10μg/mLゲンタマイシン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを添加した。また、L−グルタミンは終濃度で2mMとなるように添加した。
図2は初代培養25日目の細胞の顕微鏡写真である(倍率10倍)。シート状及び隆起した房状の集塊が形成された。隆起した細胞をチップの先で回収し、新たなディッシュに直接播種した。付着細胞が60〜70%コンフルエントに達したらトリプシンを用いて剥離し、継代することを繰り返すことにより、細胞株を樹立した。樹立した微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株を、独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託した(受領日:平成27年10月30日、受領番号:NITE AP−02155、細胞名「北里P21LS」)。
図3は、北里P21LS細胞株(継代数15代)の顕微鏡写真である(倍率5倍)。シート状及び隆起した房状の集塊が形成された。また、図4は、北里P21LS細胞株(継代数15代)の別の視野における顕微鏡写真である(倍率5倍)。図4に示されるように、付着せずに浮遊する房状の集塊も認められた。
続いて、北里P21LS細胞株を用いて、生体の細胞外マトリックスを模倣した3次元培養を行った。より具体的には、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュ中で11代まで培養した北里P21LS細胞株を、12〜14代で3次元培養した。3次元培養は、市販のプレート(商品名「NanoCulture MHパターン低吸着、96ウェル」、型式「NCP−LH96−2」、Scivax社)で培養を行った後、35mmディッシュ(型式「NCD−LH35−5」、Scivax社)に継代することにより行った。
図5は、3次元培養した北里P21LS細胞株の顕微鏡写真である(継代数14代、倍率5倍)。北里P21LS細胞株は、3次元培養では、房状の集塊を形成し浮遊することが明らかとなった。また、ポリマータイプの足場型及び低吸着ディッシュを用いた浮遊型の3次元培養においても、北里P21LS細胞株は、房状の集塊を形成し浮遊することが明らかとなった。
[実験例2]
(微乳頭構造を有する肺腺癌組織及び北里P21LS細胞株の免疫組織化学染色)
微乳頭構造を有する肺腺癌組織及び北里P21LS細胞株の免疫組織化学染色を行い比較した。より具体的には、肺腺癌組織の微乳頭構造部分及び乳頭構造部分の組織切片、並びに北里P21LS細胞株の付着細胞部分及び浮遊細胞部分のホルマリン固定標本を、ヘマトキシリン・エオジン(HE);上皮性細胞のマーカーである、サイトケラチン、E−カドヘリン、Epithelial cell adhesion molecule(EpCAM)及びMucin 1, cell surface associated(Muc−1)に対する抗体;肺腺癌のマーカーであるThyroid Transcription Factor−1(TTF−1)に対する抗体;上皮間葉転換のマーカーであるN−カドヘリン及びビメンチンに対する抗体で染色した。また、微乳頭構造を有する肺腺癌組織としては、北里P21LS細胞株が由来する組織を使用した。
使用した抗体は次の通りであった。抗サイトケラチン抗体(型番「412811」、ニチレイ社)、抗EpCAM抗体(型番「248M−14」、Cell Marque社)、抗TTF−1抗体(型番「NCL−L−TTF−1」、ライカ社)、抗Muc−1抗体(型番「NCL−L−MUC−1」、ライカ社)、抗E−カドヘリン抗体(型番「M3612」、ダコ社)、抗N−カドヘリン抗体(型番「M3613」、ダコ社)、抗ビメンチン抗体(型番「M0725」、ダコ社)。
図6(a)〜図6(h)は、肺腺癌組織の微乳頭構造部分の組織切片の染色結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。図7(a)〜図7(h)は、肺腺癌組織の乳頭構造部分の組織切片の染色結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。図8(a)〜図8(h)は、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュで培養した北里P21LS細胞株の付着細胞部分の染色結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。図9(a)〜図9(h)は、I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュで培養した北里P21LS細胞株の浮遊細胞部分の染色結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。
図10(a)〜図10(h)は、実験例1と同様にして3次元培養した北里P21LS細胞株の染色結果を示す顕微鏡写真である(倍率20倍)。
その結果、図8に示す北里P21LS細胞株の付着細胞部分、図9に示す北里P21LS細胞株の浮遊細胞部分、図10に示す3次元培養した北里P21LS細胞株は、いずれもサイトケラチン、EpCAM、TTF−1、Muc−1、E−カドヘリンが陽性、ビメンチンが部分的に陽性、N−カドヘリンが陰性となり、図6に示す原発組織と同様の染色結果となった。これらの染色結果は、上皮性腫瘍であることを示す。以上の結果から、北里P21LS細胞株は、微乳頭構造を有する肺腺癌組織の性状をよく反映していることが確認された。
[実験例3]
(培地の違いによる北里P21LS細胞株の増殖の検討)
I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュ(直径約35mm)を用いて、北里P21LS細胞株を組成の異なる培地で培養し、細胞の増殖を検討した。培地としては、10%ウシ血清を添加したRPMI1640培地(以下、「10%FCS培地」という。)、実験例1で使用した血清代替品(商品名「N−2サプリメント」、サーモフィッシャーサイエンティフィク社)を添加したRPMI1640培地(以下、「N2培地」という。)、並びに10%ウシ血清及び「N−2サプリメント」を添加したRPMI1640培地(以下、「10%FCS+N2培地」という。)を使用した。
まず、北里P21LS細胞株の付着細胞をディッシュ1枚当たり1×10個ずつ播種した。10%FCS培地群はn=9であり、N2培地群はn=10であり、10%FCS+N2培地群はn=9であった。続いて、これらの細胞を8日間培養後、各ディッシュ中の浮遊細胞及び付着細胞の細胞数を計測し、平均値及び標準誤差を求めた。細胞数の計測においては生細胞数のみを計測した。
図11は実験結果を示すグラフである。図11中、「p<0.01」は、危険率1%未満で有意差があることを表す。その結果、10%FCS培地群及びN2培地群と比較して、10%FCS+N2培地群は細胞の増殖が有意に速いことが明らかとなった。
[実験例4]
(北里P21LS細胞株における付着細胞及び浮遊細胞の増殖の検討)
I型コラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュ中で、10%FCS+N2培地を用いて北里P21LS細胞株を培養し、付着細胞及び浮遊細胞の細胞数をそれぞれ計測し、各細胞の増殖を検討した。
まず、北里P21LS細胞株の付着細胞をディッシュ1枚当たり1×10個ずつ播種した。続いて、培養開始から24時間毎に付着細胞及び浮遊細胞の細胞数をそれぞれ計測し、平均値及び標準誤差を求めた。細胞数の計測は、各測定点についてそれぞれn=3で行った。細胞数の計測においては生細胞数のみを計測した。同様の実験を2回行った。2回目の実験においては、1回目の実験におけるものとは異なるロットのウシ血清を使用した。
図12は、1回目の実験における、北里P21LS細胞株の増殖曲線を示すグラフである。1回目の実験において、付着細胞及び浮遊細胞の合計の倍加時間は74.6時間であった。また、図13は、2回目の実験における、北里P21LS細胞株の増殖曲線を示すグラフである。2回目の実験において、付着細胞及び浮遊細胞の合計の倍加時間は59.2時間であった。
[実験例5]
(EGFRエクソン19の塩基配列の解析)
北里P21LS細胞株について、上皮成長因子受容体(EGFR)のエクソン18〜21の塩基配列を解析した。塩基配列の解析には、Genetic Analyzer3500Dx(サーモフィッシャーサイエンティフィク社)を使用した。その結果、北里P21LS細胞株は、EGFRのエクソン19にE746−A750の欠失変異(EGFRのアミノ酸配列の第746〜750番目をコードする塩基配列の欠失変異)を有することが明らかとなった。
[実験例6]
(北里P21LS細胞株を移植した非ヒト哺乳動物)
5×10個の北里P21LS細胞株を、マトリゲル(型式「354234」、コーニング社)を添加したリン酸バッファー(PBS)に懸濁し、免疫不全マウスであるNOD−scidマウスの皮下に注射し、腫瘍組織を形成することができるか否かを検討した。
図14は、北里P21LS細胞株を移植して30日後のNOD−scidマウスの写真である。図中の矢印は、形成された腫瘍組織を示す。その結果、北里P21LS細胞株を移植することにより、腫瘍組織を形成することができることが明らかとなった。
また、5×10個の北里P21LS細胞株をPBSに懸濁し、NOD−scidマウスの皮下に注射した場合においても同様の結果が得られた。
続いて、形成された腫瘍組織の組織標本を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った。図15(a)は、染色結果を示す写真であり(倍率2倍)、図15(b)は、図15(a)の四角で示す領域を拡大した写真である(倍率10倍)。
その結果、形成された腫瘍組織中には、微乳頭様構造を取る部分が散見された。この結果は、北里P21LS細胞株が、微乳頭構造を有する肺腺癌の病態解明の研究材料として有用であることを更に支持するものである。
本発明により、微乳頭構造を有する肺腺癌の性状をより正確に反映したヒト細胞株を提供することができる。

Claims (11)

  1. 微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来するヒト細胞株。
  2. 受領番号NITE AP−02155である、請求項1に記載の細胞株。
  3. 請求項1又は2に記載の細胞株を移植した非ヒト哺乳動物。
  4. 請求項1又は2に記載の細胞株を用いた腫瘍マーカーのスクリーニング方法。
  5. 試験化合物を請求項1又は2に記載の細胞株と接触させる工程と、前記細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法。
  6. 試験化合物を請求項3に記載の非ヒト哺乳動物に投与する工程と、前記試験化合物が投与された前記非ヒト哺乳動物中の前記細胞株の増殖を測定する工程と、を備える、抗癌剤のスクリーニング方法。
  7. ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞用培地。
  8. 請求項7に記載の培地中で微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞を培養する工程を備える、微乳頭構造を有する肺腺癌の原発巣に由来する細胞株の樹立方法。
  9. ホロトランスフェリン、インスリン、プロゲステロン、プトレシン及びセレナイトを含有する、微乳頭構造を有する肺腺癌細胞の培地用添加剤。
  10. 請求項1又は2に記載の細胞株を備える、腫瘍マーカーのスクリーニング用キット。
  11. 請求項1又は2に記載の細胞株を備える、抗癌剤のスクリーニング用キット。
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