1.第1発明
図1は、第1発明の一実施形態を示す模式図である。
図1において、発電回路1は、発電ユニット2と、受電ユニット3と、第1蓄電ユニット4と、第2蓄電ユニット5と、第3蓄電ユニット8と、それらを接続する導線6と、導線6を開閉し電流の流れを制御するためのスイッチシステム7を備えている。
発電ユニット2は、第1発電素子9、および、その第1発電素子9を挟んで対向配置される一対の電極(図示せず)と、第2発電素子19、および、その第2発電素子19を挟んで対向配置される一対の電極(図示せず)とを備えている。なお、図1において、第1発電素子9および第2発電素子19は、コンデンサ記号で表記される。
第1発電素子9および第2発電素子19(以下、発電素子と総称する場合がある。)は、温度が経時的に上下されることにより電気分極するデバイスである。
ここでいう電気分極とは、結晶の歪みにともなう正負イオンの変位により誘電分極し電位差が生じる現象、例えばピエゾ効果、および/または、温度変化により誘電率が変化し電位差が生じる現象、例えば焦電効果などのように、材料に起電力が発生する現象と定義する。
このような発電素子として、より具体的には、例えば、ピエゾ効果により電気分極するデバイス、焦電効果により電気分極するデバイスなどが挙げられる。
ピエゾ効果は、応力または歪みが加えられたときに、その応力または歪みの大きさに応じて電気分極する効果(現象)である。
このようなピエゾ効果により電気分極する発電素子としては、特に制限されず、公知のピエゾ素子(圧電素子)を用いることができる。
発電素子としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定される。固定部材としては、特に制限されず、例えば、電極(図示せず)を用いることもできる。
焦電効果は、例えば、絶縁体(誘電体)などを加熱および冷却する時に、その温度変化に応じて絶縁体が電気分極する効果(現象)であって、第1効果および第2効果を含んでいる。
第1効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により自発分極し、絶縁体の表面に、電荷を生じる効果とされている。
また、第2効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により結晶構造に圧力変形が生じ、結晶構造に加えられる応力または歪みにより、圧電分極を生じる効果(ピエゾ効果、圧電効果)とされている。
このような焦電効果により電気分極するデバイスとしては、特に制限されず、公知の焦電素子を用いることができる。
このような発電素子として、具体的には、公知の焦電素子(例えば、BaTiO3、CaTiO3、(CaBi)TiO3、BaNd2Ti5O14、BaSm2Ti4O12、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)など)、公知のピエゾ素子(例えば、水晶(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、ロッシェル塩(酒石酸カリウム−ナトリウム)(KNaC4H4O6)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、リチウムテトラボレート(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、窒化アルミニウム(AlN)、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、Ca3(VO4)2、Ca3(VO4)2/Ni、LiNbO3、LiNbO3/Ni、LiTaO3、LiTaO3/Ni、Li(Nb0.4Ta0.6)O3、Li(Nb0.4Ta0.6)O3/Ni、Ca3{(Nb,Ta)O4}2、Ca3{(Nb,Ta)O4}2/Niなどを用いることができる。
また、発電素子としては、さらに、LaNbO3、LiNbO3、KNbO3、MgNbO3、CaNbO3、(K1/2Na1/2)NbO3、(K1/2Na1/2)NbO3/Ni、(Bi1/2K1/4Na1/4)NbO3、(Sr1/100(K1/2Na1/2)99/100)NbO3、(Ba1/100(K1/2Na1/2)99/100)NbO3、(Li1/10(K1/2Na1/2)9/10)NbO3、Sr2NaNb5O15、Sr19/10Ca1/10NaNb5O15、Sr19/10Ca1/10NaNb5O15/Ni、Ba2NaNbO15、Ba2Nb2O6、Ba2NaNbO15/Ni、Ba2Nb2O6/Niなどの誘電体を用いることもできる。
これら発電素子は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、発電素子は、通常、公知の方法によりポーリング処理されて用いられる。
発電素子のキュリー点は、例えば、−77℃以上、好ましくは、−10℃以上であり、例えば、1300℃以下、好ましくは、900℃以下である。
また、発電素子(絶縁体(誘電体))の比誘電率は、例えば、1以上、好ましくは、100以上、より好ましくは、2000以上である。
このような発電回路1では、発電素子(絶縁体(誘電体))の比誘電率が高いほど、エネルギー変換効率が高く、高電圧で電力を取り出すことができるが、発電素子の比誘電率が上記下限未満であれば、エネルギー変換効率が低く、得られる電力の電圧が低くなる場合がある。
なお、発電素子(絶縁体(誘電体))は、温度変化によって電気分極するが、その電気分極は、電子分極、イオン分極および配向分極のいずれでもよい。
例えば、配向分極によって分極が発現する材料(例えば、液晶材料など)では、その分子構造を変化させることにより、発電効率の向上を図ることができるものと期待されている。
なお、図1において、発電素子は、加熱時に一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように電気分極する。
また、発電素子は、冷却時に一方側(紙面左側)の電極が負電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が静電荷を帯びるように電気分極する。
なお、第1発電素子9および第2発電素子19は、それぞれ別体として設けられており、それぞれが個別に温度変化に応じて電気分極する。
受電ユニット3は、上記の発電素子から取り出された電力が供給されるユニットであって、受電デバイスとしての受電コンデンサ10を備えている。
受電コンデンサ10は、発電素子から取り出された電力を受電し、蓄積するデバイスであって、図示しないダイオードなどを介して、第1発電素子9および第2発電素子19のそれぞれに電気的に接続されている。
第1蓄電ユニット4は、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加するための第1蓄電体としての第1コンデンサ11を備えている。
第1コンデンサ11は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第3回路C(後述)、第4回路D(後述)、第7回路Gおよび第8回路Hに介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第1コンデンサ11の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第2コンデンサ12(後述)、第3コンデンサ13(後述)および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第1コンデンサ11の定格電圧は、例えば、12〜400Vである。
また、第1コンデンサ11は、詳しくは後述するが、第1発電素子9および第2発電素子19から取り出された電力が供給され、蓄電される。
第2蓄電ユニット5は、第1コンデンサ11とは別途、第1発電素子9のみに電圧を印加するための第2蓄電体としての第2コンデンサ12を備えている。
第2コンデンサ12は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第2回路B(後述)、第3回路C(後述)、第7回路G(後述)および第8回路H(後述)に介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第2コンデンサ12の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第1コンデンサ11、第3コンデンサ13(後述)および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第2コンデンサ12の定格電圧は、例えば、12〜400Vである。また、第1コンデンサ11の定格電圧と、第2コンデンサ12の定格電圧との合計が、例えば、24〜800V、好ましくは、24〜400Vである。である。
また、第2コンデンサ12は、詳しくは後述するが、第1発電素子9から取り出された電力が供給され、蓄電される。
第3蓄電ユニット8は、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とは別途、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加するための第3蓄電体としての第3コンデンサ13を備えている。
第3コンデンサ13は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第1回路A(後述)、第2回路B(後述)、第5回路E(後述)および第6回路F(後述)に介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第3コンデンサ13の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第3コンデンサ13の定格電圧は、例えば、0〜12V、好ましくは、5〜12Vである。
また、第3コンデンサ13は、詳しくは後述するが、第1発電素子9および第2発電素子19から取り出された電力が供給され、蓄電される。
導線6は、第1発電素子9、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13に接続されており、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを構成している。
以下において、図1〜図3を参照して、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを説明する。なお、図2および図3においては、図1に記載される各部材の符号を記載せず、回路のループを模式的に示す。
第1回路Aは、図1および図2に記載されるように、第1発電素子9、受電コンデンサ10および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第1回路Aには、第1発電素子9、受電コンデンサ10および第3コンデンサ13が接続されており、第2発電素子19、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されていない。
第2回路Bは、図1および図2に記載されるように、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9および第1コンデンサ11とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第2回路Bには、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されており、第1発電素子9および第1コンデンサ11とが接続されていない。
第3回路Cは、図1および図2に記載されるように、第1発電素子9、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19、受電コンデンサ10および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第3回路Cには、第1発電素子9、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続され、第2発電素子19、受電コンデンサ10および第3コンデンサ13が接続されていない。
第4回路Dは、図1および図2に記載されるように、第2発電素子19および第1コンデンサ11が接続され、かつ、第1発電素子、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第4回路Dには、第2発電素子19および第1コンデンサ11が接続されており、第1発電素子、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されていない。
第5回路Eは、図1および図3に記載されるように、第1発電素子9および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第5回路Eには、第1発電素子9および第3コンデンサ13が接続されており、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されていない。
第6回路Fは、図1および図3に記載されるように、第2発電素子19および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第6回路Fには、第2発電素子19および第3コンデンサ13が接続されており、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されていない。
第7回路Gは、図1および図3に記載されるように、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第7回路Gには、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されており、第2発電素子19および第3コンデンサ13が接続されていない。
第8回路Hは、図1および図3に記載されるように、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第8回路Hには、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されており、第1発電素子9および第3コンデンサ13が接続されていない。
これら第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hは、導線6が一部共用されることにより、構成される。
より具体的には、導線6は、第1共用導線21と、第2共用導線22と、第3共用導線23と、第4共用導線24と、第5共用導線25と、第6共用導線26と、第7共用導線27と、第8共用導線28と、第9共用導線29と、第10共用導線30を備えている。
第1共用導線21は、受電コンデンサ10と第3コンデンサ13との間を接続するように、配設されている。
第2共用導線22は、第3コンデンサ13と第2コンデンサ12との間を接続するように、配設されている。
第3共用導線23は、第2コンデンサ12と第1コンデンサ11との間を接続するように、配設されている。
第4共用動線24は、第1コンデンサ11と、受電コンデンサ10との間を接続するように、配設されている。
第5共用導線25は、第1共用導線21の途中部分から分岐するように設けられ、第1共用導線21の途中部分と、第4共用導線24の途中部分との間を接続するように、配設されている。
第6共用導線26は、第2共用導線22の途中部分から分岐するように設けられ、第2共用導線22の途中部分と、第1発電素子9との間を接続するように、配設されている。
第7共用導線27は、第5共用導線25の途中部分(具体的には、第1スイッチSW1(後述)と第2スイッチSW2(後述)との間)から分岐するように設けられ、第5共用導線25の途中部分と、第1発電素子9との間を接続するように、配設されている。
第8共用導線28は、第3共用導線23の途中部分から分岐するように設けられ、第3共用導線23の途中部分と、第2発電素子19との間を接続するように、配設されている。
第9共用導線29は、第7共用導線27の途中部分から分岐するように設けられ、第7共用導線27の途中部分と、第2発電素子19との間を接続するように、配設されている。
第10共用導線30は、第6共用導線26の途中部分から分岐するように設けられ、第6共用導線26の途中部分と、第8共用導線28の途中部分との間を接続するように、配設されている。
そして、導線6では、第1共用導線21、第2共用導線22、第6共用導線26、第7共用導線27、第5共用導線25および第4共用導線24の、全部または一部が、環状の第1回路Aを形成している。
また、第1共用導線21、第2共用導線22、第3共用導線23、第8共用導線28、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25および第4共用導線24の、全部または一部が、環状の第2回路Bを形成している。
また、第6共用導線26、第2共用導線22、第3共用導線23、第4共用導線24、第5共用導線25および第7共用導線27の、全部または一部が、環状の第3回路Cを形成している。
また、第8共用導線28、第3共用導線23、第4共用導線24、第5共用導線25、第7共用導線27および第9共用導線29の、全部または一部が、環状の第4回路Dを形成している。
また、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第2共用導線22および第6共用導線26の、全部または一部が、環状の第5回路Eを形成している。
また、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第2共用導線22、第6共用導線26、第10共用導線30および第8共用導線28の、全部または一部が、環状の第6回路Fを形成している。
また、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第4共用導線24、第3共用導線23、第2共用導線22および第6共用導線26の、全部または一部が、環状の第7回路Gを形成している。
また、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第4共用導線24、第3共用導線23、第2共用導線22、第6共用導線26、第10共用導線30および第8共用導線28の、全部または一部が、環状の第8回路Hを形成している。
スイッチシステム7は、導線6を開閉し、導線6における電流の流れを制御(方向決定)するためのスイッチシステムであって、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチ、および、第4スイッチSW4を備えている。
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、第5共用導線25に介在されるように、互いに間隔を隔てて設けられている。
より具体的には、第1スイッチSW1は、第5共用導線25の一部(具体的には、第4共用導線24の接続部分と、第7共用導線27の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
また、第2スイッチSW2は、第5共用導線25の他部(具体的には、第1共用導線21の接続部分と、第7共用導線27の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
第3スイッチSW3は、第8共用導線28の途中部分(具体的には、第3共用導線23の接続部分と、第10共用導線30の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
第4スイッチSW4は、第10共用導線30に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
これら第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4は、例えば、制御ユニット34(後述)などの制御手段に電気的に接続され、その開閉が制御される。
より具体的には、例えば、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3が閉状態とされ、かつ、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4が開状態とされることにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dが閉状態とされ、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが開状態とされる(第1状態)。
また、例えば、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4が閉状態とされ、かつ、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3が開状態とされることにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが閉状態とされ、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dが開状態とされる(第2状態)。
このような発電回路1は、以下に示す発電システム31、具体的には、第1発電素子9および第2発電素子19から電力を取り出し、その電力を受電ユニット3と、第1蓄電ユニット4および第2蓄電ユニット5と、第3蓄電ユニット8とに供給する発電システム31において、好適に用いられる。
図4において、発電システム31は、上記の発電回路1と、その発電回路1中の発電素子(第1発電素子9および第2発電素子19)の温度を経時的に上下させる熱源32と、発電素子の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ33と、温度センサ33の検知に基づいて発電回路1の各スイッチを制御する制御手段としての制御ユニット34とを備えている。なお、図4には、発電回路1を模式的に示している。
熱源32としては、温度が経時的に上下する熱源であれば、特に制限されないが、例えば、内燃機関、発光装置などの各種エネルギー利用装置が挙げられる。
内燃機関は、例えば、車両などの動力を出力する装置であって、例えば、単気筒型または多気筒型が採用されるとともに、その各気筒において、多サイクル方式(例えば、2サイクル方式、4サイクル方式、6サイクル方式など)が採用される。
このような内燃機関では、各気筒において、ピストンの昇降運動が繰り返されており、これにより、例えば、4サイクル方式では、吸気工程、圧縮工程、爆発工程、排気工程などが順次実施され、燃料が燃焼され、動力が出力されている。
このような内燃機関において、排気工程では、高温の排気ガスが、排気ガス管を介して排気され、その排気ガスを熱媒体として熱エネルギーが伝達され、排気ガス管の内部温度が上昇する。
一方、その他の工程(排気工程を除く工程)では、排気ガス管中の排気ガス量が低減されるため、排気ガス管の内部温度は、排気工程に比べて、下降する。
このように、内燃機関の温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、内燃機関における各気筒の排気ガス管の内部は、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
発光装置は、点灯(発光)時には、例えば、赤外線、可視光などの光を熱媒体として、その熱エネルギーにより温度上昇し、一方、消灯時には温度低下する。そのため、発光装置は、経時的に、点灯(発光)および消灯することにより、その温度が経時的に上下する。
とりわけ、例えば、発光装置が、経時的に照明の点灯および消灯が断続的に繰り返される発光装置(明滅(点滅)式の発光装置)である場合には、その発光装置は、点灯(発光)時における光の熱エネルギーにより、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
また、熱源32としては、さらに、例えば、複数の熱源を備え、それら複数の熱源間の切り替えにより、温度変化を生じることもできる。
より具体的には、例えば、熱源として、低温熱源(冷却材など)と、その低温熱源より温度の高い高温熱源(例えば、加熱材など)との2つの熱源を用意し、経時的に、それら低温熱源および高温熱源を、交互に切り替えて用いる形態が挙げられる。
これにより、熱源としての温度を、経時的に上下させることができ、とりわけ、低温熱源および高温熱源の切り替えを、周期的に繰り返すことにより、周期的に温度変化させることができる。
切り替え可能な複数の熱源を備える熱源32としては、特に制限されないが、例えば、燃焼用低温空気供給系、蓄熱式熱交換器、高温ガス排気系、および、供給/排気切替弁を備えた高温空気燃焼炉(例えば、再公表96−5474号公報に記載される高温気体発生装置)、例えば、高温熱源、低温熱源および水素吸蔵合金を用いた海水交換装置(水素吸蔵合金アクチュエータ式海水交換装置)などが挙げられる。
これら熱源32としては、上記熱源を単独使用または2種類以上併用することができる。
熱源32として、好ましくは、経時により周期的に温度変化する熱源が挙げられる。
また、熱源32として、好ましくは、内燃機関が挙げられる。
このような熱源32は、発電素子を加熱および/または冷却するため、発電素子に接触または近接配置される。
具体的には、熱源32は、第2発電素子19よりも第1発電素子9に近接するように配置されている。換言すれば、第1発電素子9が、第2発電素子19よりも、熱源32に近接するように配置され、第2発電素子19が、第1発電素子9よりも、熱源32に対して離隔するように配置される。
これにより、熱源32の熱は、第2発電素子19よりも第1発電素子9に対して伝達率よく伝達可能とされる。
温度センサ33は、発電素子の温度を検知するため、発電素子に近接または接触して設けられる。具体的には、温度センサ33は、第1発電素子9と第2発電素子19とのそれぞれに対応して、複数(2つ)設けられている。これら温度センサ33は、発電素子の温度として、発電素子の表面温度を直接検知するか、または、発電素子の周囲の雰囲気温度を検知する。温度センサ33としては、例えば、赤外放射温度計や、熱電対温度計などの公知の温度センサが用いられる。
制御ユニット34は、発電システム31における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成されている。
制御ユニット34は、温度センサ33およびスイッチシステム7に電気的に接続されている(破線参照)。これによって、詳しくは後述するが、上記した温度センサ33によって検知される発電素子の温度に応じて、スイッチシステム7を制御し、これにより、発電回路1における各回路(導線6)を開閉可能としている。
また、発電システム31では、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第2コンデンサ13には、予め、電気エネルギーが蓄積される。
なお、電気エネルギーの蓄積方法は、特に制限されず、例えば、予め外部電源から電気エネルギーが蓄積されていてもよく、また、例えば、発電素子の電気分極により生じる電気エネルギーが蓄積されていてもよい。
そして、このような発電システム31により発電するには、例えば、まず、熱源32の温度を経時的に上下、好ましくは、周期的に温度変化させ、その熱源32により、第1発電素子9を、加熱および/または冷却する。
熱源32の温度は、高温状態における温度が、例えば、200〜1200℃、好ましくは、700〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、100〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
また、それら高温状態と低温状態との繰り返し周期は、例えば、10〜400サイクル/秒、好ましくは、30〜100サイクル/秒である。
そして、このような温度変化に応じて、上記した発電素子を、好ましくは、周期的に電気分極させる。
より具体的には、発電素子としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定され、熱源32に接触するか、または、熱源32の熱を伝達する熱媒体(上記した排気ガス、光など)に接触(曝露)されるように配置される。そして、ピエゾ素子は、熱源32の経時的な温度変化により、(場合により熱媒体(上記した排気ガス、光など)を介して)加熱または冷却され、これにより、膨張または収縮する。このとき、ピエゾ素子は、固定部材により体積膨張が抑制されているため、ピエゾ素子は、固定部材に押圧され、ピエゾ効果(圧電効果)、または、キュリー点付近での相変態により、電気分極する。
また、このようなピエゾ素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定(すなわち、体積一定)になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。そのため、上記したように熱源32が周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、ピエゾ素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、ピエゾ素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
また、発電素子として焦電素子が用いられる場合には、焦電素子は、熱源32に接触するか、または、熱源32の熱を伝達する熱媒体(上記した排気ガス、光など)に接触(曝露)されるように配置される。このような場合において、焦電素子は、熱源32の経時的な温度変化により、(場合により熱媒体(上記した排気ガス、光など)を介して)加熱または冷却され、その焦電効果(第1効果および第2効果を含む)により、電気分極する。
また、このような焦電素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。そのため、上記したように熱源32が周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、焦電素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、焦電素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
また、このとき、第1発電素子9は、第2発電素子19よりも、熱源32に近接するように配置され、第2発電素子19は、第1発電素子9よりも、熱源32に対して離隔するように配置されている。そのため、熱源32の熱は、第2発電素子19よりも第1発電素子9に対して伝達率よく伝達される。
その結果、まず、第1発電素子9が熱源32の温度変化を受け、電気分極する。また、これとともに、熱源32の温度変化が、わずかに平滑化される。その後、第2発電素子19が、わずかに平滑化された熱源32の温度変化を受け、電気分極する。
このようにして、発電素子は経時的に温度変化し、その温度変化に応じて、電気分極する。
一方、このような発電システム31では、より効率的に発電するため、発電素子の温度状態に応じて、発電素子に電圧を印加することが要求される。
また、とりわけ効率的に発電するため、発電素子に印加する電圧を、発電素子の温度条件(温度変化量、最大温度、最低温度など)に応じて、設定することが要求される。
具体的には、温度変化量が大きく、最大温度が比較的高い発電素子には、例えば、温度上昇時において、比較的高電圧を印加することが要求され、一方、温度変化量が小さく、最大温度が比較的低い発電素子には、温度上昇時において、比較的低電圧を印加することが要求される場合がある。
このような場合、上記の発電回路1および発電システム31では、まず、第1発電素子9が熱源32の温度変化を受け、その後、第2発電素子19が熱源32の温度変化を受けるため、第1発電素子9が、第2発電素子19よりも効率よく加熱される。
その結果、上記の発電回路1および発電システム31では、第1発電素子9の温度変化量や最大温度が、第2発電素子19の温度変化量や最大温度よりも高くなる。
つまり、温度上昇時には、第1発電素子9に対して印加する電圧を、第2発電素子19に対して印加する電圧よりも、大きくすることが要求される。
そこで、以下に示すように、制御ユニット34によりスイッチシステム7を制御し、第1発電素子9および第2発電素子19により生じる電力によって、第1発電素子9および第2発電素子19に、それぞれ異なる電圧を印加する。
なお、以下において、発電回路1における電流および電圧について説明するが、発電回路1では、回路全体の電圧がバランスされるように、上記した各電流の流路、流れる方向および大小が、適宜切り替わる。
以下において、図5〜図8を参照して、回路の制御方法を説明する。なお、図5〜図8においては、図1に記載される各部材の符号を一部記載せず、回路における電流の方向を模式的に示す。
より具体的には、この発電システム31では、例えば、
(1)まず、図5に示すように、第1発電素子9および第2発電素子19を加熱し、温度上昇させる。
この発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19が加熱され、温度上昇すると、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極する。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
これにより、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第1回路Aを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印A参照)。
また、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第2回路Bを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印B参照)。
また、これとともに、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第3回路Cを介して、紙面左周りの電流として、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12に蓄積される(矢印C参照)。
また、これとともに、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第4回路Dを介して、紙面左周りの電流として、第1コンデンサ11に蓄積される(矢印D参照)。
このような状態における維持時間は、例えば、0.1秒以上、好ましくは、0.5秒以上であり、例えば、10秒以下、好ましくは、9.8秒以下である。
(2)次いで、この発電システム31では、図6に示すように、熱源32の制御により、第1発電素子9および第2発電素子19を冷却し、温度低下させる。
このとき、第1発電素子9および第2発電素子19は、上記(1)において加熱された影響により、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極している。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4を閉状態とし、かつ、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3を開状態とする。これにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを閉状態とし、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを開状態とする(発電回路1の第2状態)。
これにより、第3コンデンサ13に蓄積されている電気エネルギーが、第5回路Eを介して、紙面右周りの電流として、第1発電素子9に供給される(矢印E参照)。すなわち、第1発電素子9に、電圧が印加される。
また、第3コンデンサ13に蓄積されている電気エネルギーが、第6回路Fを介して、紙面右周りの電流として、第2発電素子19に供給される(矢印F参照)。すなわち、第2発電素子19に、電圧が印加される。
このようにして、第1発電素子9および第2発電素子19の両方に、第3コンデンサ13から電圧が印加される。
このような状態における維持時間は、例えば、0.01秒以上、好ましくは、0.1秒以上であり、例えば、1秒以下、好ましくは、0.2秒以下である。
(3)次いで、この発電システム31では、図7に示すように、上記(2)から引き続いて、第1発電素子9を冷却する。
この発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19が冷却され、温度低下する場合には、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が負電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が正電荷を帯びるように、電気分極する。
そこで、この発電システム31では、上記(2)から引き続いて、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4を閉状態とし、かつ、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3を開状態とする。これにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを閉状態とし、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを開状態とする(発電回路1の第2状態)。
これにより、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第7回路Gを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印G参照)。
また、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第8回路Hを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印H参照)。
また、これとともに、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第5回路Eを介して、紙面左周りの電流として、第3コンデンサ13に蓄積される(矢印E参照)。
また、これとともに、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第6回路Fを介して、紙面左周りの電流として、第3コンデンサ13に蓄積される(矢印D参照)。
このような状態における維持時間は、例えば、0.1秒以上、好ましくは、0.5秒以上であり、例えば、10秒以下、好ましくは、9.8秒以下である。
(4)次いで、この発電システム31では、図8に示すように、熱源32の制御により、第1発電素子9および第2発電素子19を加熱し、温度上昇させる。
このとき、第1発電素子9および第2発電素子19は、上記(3)において冷却された影響により、一方側(紙面左側)の電極が負電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が正電荷を帯びるように、電気分極している。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
これにより、第1コンデンサ11に蓄積されている電気エネルギーが、第3回路Cを介して、紙面右周りの電流として、第1発電素子9に供給される(矢印C参照)。
さらに、第2コンデンサ12に蓄積されている電気エネルギーが、第3回路Cを介して、紙面右周りの電流として、第1発電素子9に供給される(矢印C参照)。
すなわち、第1発電素子9には、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12の両方から、電圧が印加される。
また、第1コンデンサ11に蓄積されている電気エネルギーが、第4回路Dを介して、紙面右周りの電流として、第2発電素子19に供給される(矢印D参照)。
なお、第2発電素子19には、第2コンデンサ12に蓄積されている電気エネルギーは供給されない。
すなわち、第2発電素子19には、第1コンデンサ11のみから、電圧が印加される。
その結果、温度上昇時において、第1発電素子9に対して印加する電圧を、第2発電素子19に対して印加する電圧よりも、大きくすることができる。
(5)その後、上記(4)から引き続き第1発電素子9および第2発電素子19を加熱する場合には、上記(1)で示すように、引き続き、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第4スイッチSW4を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
そして、第1発電素子9および第2発電素子19が加熱され、温度上昇すると、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極する。
このようにして、上記(1)〜(5)の処理が、繰り返され、第1発電素子9および第2発電素子19から電力が取り出され、その電力が受電コンデンサ10(受電ユニット3)に供給される。
このような発電回路1および発電システム31によれば、発電ユニット2において生じるエネルギーを用いて、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加することができるため、外部からの電力投入を不要とし、第1発電素子9および第2発電素子19から効率よく電力を取り出すことができる。
とりわけ、上記の発電回路1および発電システム31においては、第1発電素子9の温度変化量や最大温度が、第2発電素子19の温度変化量や最大温度よりも高くなる。そのため、温度上昇時において、第1発電素子9に対して印加する電圧を、第2発電素子19に対して印加する電圧よりも、大きくすることが要求される場合がある。
この点、上記の発電回路1および発電システム31においては、上記(4)に示した通り、温度上昇時には、第1発電素子9には、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12の両方から、電圧が印加され、一方、第2発電素子19には、第1コンデンサ11のみから、電圧が印加される。すなわち、温度上昇時において、第1発電素子9に対して印加する電圧を、第2発電素子19に対して印加する電圧よりも、大きくすることができる。
その結果、上記の発電回路1および発電システム31によれば、とりわけ効率よく、発電素子から効率よく電力を取り出すことができる。
また、通常、発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧を印加すると、第1発電素子9および第2発電素子19に損傷を生じる場合がある。これに対して、上記の発電システム31では、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13の静電容量および定格電圧を選択および設計することによって、第1発電素子9および第2発電素子19に印加される電圧を選択および設計することができる。その結果、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧が印加させることを抑制することができ、第1発電素子9および第2発電素子19の損傷を抑制することができる。とりわけ、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13として、互いに異なる静電容量および定格電圧のコンデンサを選択できるため、第1発電素子9および第2発電素子19の加熱時に印加される電圧と、第1発電素子9および第2発電素子19の冷却時に印加される電圧とを、個別に設計することができ、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧が印加させることを抑制することができ、第1発電素子9および第2発電素子19の損傷を抑制することができる。
そのため、このような発電システム31は、特に制限されないが、例えば、自動車などに搭載される。このような場合、第1発電素子9および第2発電素子19は、例えば、自動車のエキゾーストマニホールドにおける分岐管の内部または表面などに配置され、自動車のエンジンおよび排ガスが、熱源32として用いられる。例えば、第1発電素子9が分岐管のガス流れ方向上流側に配置され、第2発電素子19が、分岐管のガス流れ方向下流側に配置される。第1発電素子9および第2発電素子19は、そして、エンジンの燃焼サイクルに応じて排ガスの温度が経時的に上下され、加熱および/または冷却され、上記の発電システム31により発電される。得られる電力は、バッテリーに蓄積されてもよく、また、例えば、ヘッドライトなどの電気負荷装置に用いられてもよく、さらには、自動車の動力として用いられてもよい。
なお、上記した説明では、発電素子として、第1発電素子9および第2発電素子19の2つを用いているが、発電素子の数は、2つ以上であれば特に制限されず、3つ以上用いることもできる。このような場合、発電素子の数よりも少なくとも1つ多い蓄電体が用いられる。
例えば、図9に示すように、第1発電素子9および第2発電素子19と並列的に、第3発電素子39が接続される場合、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13と並列的に、第4コンデンサ14が接続される。なお、第4コンデンサ14は、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12の間に介在される。
なお、図示しないが、この発電回路1では、第1発電素子9は、第2発電素子19よりも熱源32に近接して配置され、また、第2発電素子19は、第3発電素子39よりも熱源32に近接して配置される。
また、この発電回路1では、第2発電素子19と、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4との関係に対応するように、第3発電素子39に対して、第3’スイッチSW3’および第4’スイッチSW4’が設けられる。
このような発電回路1でも、上記と同様に操作することによって、温度上昇時における印加電圧の大きさを調整することができる。具体的には、温度上昇時に、第1スイッチSW、第3スイッチSW3および第3’スイッチSW3’を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2、第4スイッチSWおよび第4’スイッチSW4’を開状態とする。
これにより、第1発電素子9には、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第4コンデンサ14から電圧が印加される。
また、第2発電素子19には、第1コンデンサ11および第4コンデンサ14から電圧が印加される。
さらに、第3発電素子39には、第1コンデンサ11のみから電圧が印加される。
このようにして、温度上昇時において、第1発電素子9に対して印加する電圧を、第2発電素子19に対して印加する電圧、および、第3発電素子39に対して印加するよりも大きくすることができる。また、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第3発電素子39に対して印加する電圧よりも大きくすることができる。
また、上記した説明では、受電ユニット3は、第1発電素子9および第2発電素子19により生じた電力を受電する受電デバイスとして、コンデンサ(受電コンデンサ10)を備えているが、第1発電素子9および第2発電素子19により生じた電力が蓄積または利用されるデバイスであれば、特に制限されず、受電コンデンサ10に代替して、バッテリーなどの蓄電デバイスや、灯火装置などの電気負荷デバイスなどを備えることもできる。
また、上記した説明では、第1蓄電体、第2蓄電体および第3蓄電体として、コンデンサ(第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13)を備えているが、第1蓄電体、第2蓄電体および第3蓄電体としては、第1発電素子9および第2発電素子19において生じた電力を蓄電し、また、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加することができれば、特に制限されず、コンデンサに代替して、化学電池などの蓄電体を備えることができる。
また、図示しないが、発電回路1には、必要により、任意の場所に、例えば、昇圧器、電圧変換器、インダクタなどの公知の電気デバイスを介在させることもできる。
また、導線6の構成は、上記に限定されず、図示しないが、例えば、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが、それぞれが独立して構成されるように、複数の導線6を備えていてもよい。
2.第2発明
図10は、第2発明の一実施形態を示す模式図である。
なお、以下の各図において、上記した第1発明に対応する各部については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略するとともに、上記した第1発明と異なる点について、以下において詳述する。
図10において、発電回路1は、第1発明と同様に、発電ユニット2と、受電ユニット3と、第1蓄電ユニット4と、第2蓄電ユニット5と、第3蓄電ユニット8と、それらを接続する導線6と、導線6を開閉し電流の流れを制御するためのスイッチシステム7を備えている。
発電ユニット2は、第1発明と同様に、第1発電素子9、および、その第1発電素子9を挟んで対向配置される一対の電極(図示せず)と、第2発電素子19、および、その第2発電素子19を挟んで対向配置される一対の電極(図示せず)とを備えている。
なお、第1発電素子9および第2発電素子19(以下、発電素子と総称する場合がある。)は、それぞれ別体として設けられており、それぞれが個別に温度変化に応じて電気分極する。
受電ユニット3は、第1発明と同様に、上記の発電素子から取り出された電力が供給されるユニットであって、受電デバイスとしての受電コンデンサ10を備えている。
第1蓄電ユニット4は、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加するための第1蓄電体としての第1コンデンサ11を備えている。
第1コンデンサ11は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第3回路C(後述)、第4回路D(後述)、第7回路Gおよび第8回路Hに介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第1コンデンサ11の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第2コンデンサ12(後述)、第3コンデンサ13(後述)および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第1コンデンサ11の定格電圧は、例えば、12〜800V、好ましくは、12〜400Vである。
第2蓄電ユニット5は、第1コンデンサ11とは別途、第2発電素子19のみに電圧を印加するための第2蓄電体としての第2コンデンサ12を備えている。
第2コンデンサ12は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第
1回路A(後述)、第2回路B(後述)、第6回路F(後述)および第7回路G(後述)に介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第2コンデンサ12の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第1コンデンサ11、第3コンデンサ13(後述)および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第2コンデンサ12の定格電圧は、例えば、0〜12V、好ましくは、5〜12Vである。
また、第2コンデンサ12は、詳しくは後述するが、第2発電素子19から取り出された電力が供給され、蓄電される。
第3蓄電ユニット8は、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とは別途、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加するための第3蓄電体としての第3コンデンサ13を備えている。
第3コンデンサ13は、電気回路に採用される公知のコンデンサであって、導線6の第1回路A(後述)、第2回路B(後述)、第5回路E(後述)および第6回路F(後述)に介在されるように設けられており、電気エネルギーを蓄積可能とされている。第3コンデンサ13の静電容量および定格電圧は、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定され、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および受電コンデンサ10の静電容量および定格電圧とのバランスが調整される。具体的には、第3コンデンサ13の定格電圧は、例えば、0〜12V、好ましくは、5〜12Vである。また、第2コンデンサ12の定格電圧と、第3コンデンサ13の定格電圧との合計が、例えば、0〜12V、好ましくは、5〜12Vである。
また、第3コンデンサ13は、詳しくは後述するが、第1発電素子9および第2発電素子19から取り出された電力が供給され、蓄電される。
導線6は、第1発電素子9、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13に接続されており、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを構成している。
以下において、図10〜図12を参照して、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを説明する。なお、図11および図12においては、図10に記載される各部材の符号を記載せず、回路のループを模式的に示す。
第1回路Aは、図10および図11に記載されるように、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19および第1コンデンサ11とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第1回路Aには、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されており、第2発電素子19および第1コンデンサ11が接続されていない。
第2回路Bは、図10および図11に記載されるように、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9および第1コンデンサ11とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第2回路Bには、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されており、第1発電素子9および第1コンデンサ11とが接続されていない。
第3回路Cは、図10および図11に記載されるように、第1発電素子9および第1コンデンサ11が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第3回路Cには、第1発電素子9および第1コンデンサ11が接続され、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されていない。
第4回路Dは、図10および図11に記載されるように、第2発電素子19および第1コンデンサ11が接続され、かつ、第1発電素子、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第4回路Dには、第2発電素子19および第1コンデンサ11が接続されており、第1発電素子、受電コンデンサ10、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されていない。
第5回路Eは、図10および図12に記載されるように、第1発電素子9および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第5回路Eには、第1発電素子9および第3コンデンサ13が接続されており、第2発電素子19、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されていない。
第6回路Fは、図10および図12に記載されるように、第2発電素子19、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9、受電コンデンサ10および第1コンデンサ11とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第6回路Fには、第2発電素子19、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されており、第1発電素子9、受電コンデンサ10および第1コンデンサ11が接続されていない。
第7回路Gは、図10および図12に記載されるように、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続され、かつ、それらと、第2発電素子19および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第7回路Gには、第1発電素子9、受電コンデンサ10、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12が接続されており、第2発電素子19および第3コンデンサ13が接続されていない。
第8回路Hは、図10および図12に記載されるように、第2発電素子19、受電コンデンサ10および第1コンデンサ11が接続され、かつ、それらと、第1発電素子9、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13とが接続されないように、導線6の環状部分に構成される回路である。
すなわち、第8回路Hには、第2発電素子19、受電コンデンサ10および第1コンデンサ11が接続されており、第1発電素子9、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13が接続されていない。
これら第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hは、導線6が一部共用されることにより、構成される。
より具体的には、導線6は、第1共用導線21と、第2共用導線22と、第3共用導線23と、第4共用導線24と、第5共用導線25と、第6共用導線26と、第7共用導線27と、第8共用導線28と、第9共用導線29と、第10共用導線30を備えている。
第1共用導線21は、受電コンデンサ10と第3コンデンサ13との間を接続するように、配設されている。
第2共用導線22は、第3コンデンサ13と第2コンデンサ12との間を接続するように、配設されている。
第3共用導線23は、第2コンデンサ12と第1コンデンサ11との間を接続するように、配設されている。
第4共用動線24は、第1コンデンサ11と、受電コンデンサ10との間を接続するように、配設されている。
第5共用導線25は、第1共用導線21の途中部分から分岐するように設けられ、第1共用導線21の途中部分と、第4共用導線24の途中部分との間を接続するように、配設されている。
第6共用導線26は、第2共用導線22の途中部分から分岐するように設けられ、第2共用導線22の途中部分と、第1発電素子9との間を接続するように、配設されている。
第7共用導線27は、第5共用導線25の途中部分(具体的には、第1スイッチSW1(後述)と第2スイッチSW2(後述)との間)から分岐するように設けられ、第5共用導線25の途中部分と、第1発電素子9との間を接続するように、配設されている。
第8共用導線28は、第3共用導線23の途中部分から分岐するように設けられ、第3共用導線23の途中部分と、第2発電素子19との間を接続するように、配設されている。
第9共用導線29は、第7共用導線27の途中部分から分岐するように設けられ、第7共用導線27の途中部分と、第2発電素子19との間を接続するように、配設されている。
第10共用導線30は、第6共用導線26の途中部分から分岐するように設けられ、第6共用導線26の途中部分と、第8共用導線28の途中部分との間を接続するように、配設されている。
そして、導線6では、第1共用導線21、第2共用導線22、第3共用導線23、第10共用導線30、第6共用導線26、第7共用導線27、第5共用導線25および第4共用導線24の、全部または一部が、環状の第1回路Aを形成している。
また、第1共用導線21、第2共用導線22、第3共用導線23、第8共用導線28、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25および第4共用導線24の、全部または一部が、環状の第2回路Bを形成している。
また、第6共用導線26、第10共用導線30、第8共用導線28、第3共用導線23、第4共用導線24、第5共用導線25および第7共用導線27の、全部または一部が、環状の第3回路Cを形成している。
また、第8共用導線28、第3共用導線23、第4共用導線24、第5共用導線25、第7共用導線27および第9共用導線29の、全部または一部が、環状の第4回路Dを形成している。
また、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第2共用導線22および第6共用導線26の、全部または一部が、環状の第5回路Eを形成している。
また、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第2共用導線22、第3共用導線23および第8共用導線28の、全部または一部が、環状の第6回路Fを形成している。
また、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第4共用導線24、第3共用導線23、第2共用導線22および第6共用導線26の、全部または一部が、環状の第7回路Gを形成している。
また、第9共用導線29、第7共用導線27、第5共用導線25、第1共用導線21、第4共用導線24、第3共用導線23および第8共用導線28の、全部または一部が、環状の第8回路Hを形成している。
スイッチシステム7は、導線6を開閉し、導線6における電流の流れを制御(方向決定)するためのスイッチシステムであって、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチ、および、第4スイッチSW4を備えている。
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、第5共用導線25に介在されるように、互いに間隔を隔てて設けられている。
より具体的には、第1スイッチSW1は、第5共用導線25の一部(具体的には、第4共用導線24の接続部分と、第7共用導線27の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
また、第2スイッチSW2は、第5共用導線25の他部(具体的には、第1共用導線21の接続部分と、第7共用導線27の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
第3スイッチSW3は、第6共用導線26の途中部分(具体的には、第2共用導線22の接続部分と、第10共用導線30の接続部分との間の領域)に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
第4スイッチSW4は、第10共用導線30に介在されており、第1回路A〜第8回路Hの開閉を制御可能としている。
これら第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4は、例えば、制御ユニット34(後述)などの制御手段に電気的に接続され、その開閉が制御される。
より具体的には、例えば、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4が閉状態とされ、かつ、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3が開状態とされることにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dが閉状態とされ、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが開状態とされる(第1状態)。
また、例えば、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3が閉状態とされ、かつ、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4が開状態とされることにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが閉状態とされ、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dが開状態とされる(第2状態)。
このような発電回路1は、以下に示す発電システム31、具体的には、第1発電素子9および第2発電素子19から電力を取り出し、その電力を受電ユニット3と、第1蓄電ユニット4および第2蓄電ユニット5と、第3蓄電ユニット8とに供給する発電システム31において、好適に用いられる。
図13において、発電システム31は、上記の発電回路1と、その発電回路1中の発電素子(第1発電素子9および第2発電素子19)の温度を経時的に上下させる熱源32と、発電素子の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ33と、温度センサ33の検知に基づいて発電回路1の各スイッチを制御する制御手段としての制御ユニット34とを備えている。なお、図13には、発電回路1を模式的に示している。
このような発電システム31により発電するには、上記した第1発明と同様、例えば、まず、熱源32の温度を経時的に上下、好ましくは、周期的に温度変化させ、その熱源32により、第1発電素子9を、加熱および/または冷却する。
熱源32の温度は、高温状態における温度が、例えば、200〜1200℃、好ましくは、700〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、100〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
また、それら高温状態と低温状態との繰り返し周期は、例えば、10〜400サイクル/秒、好ましくは、30〜100サイクル/秒である。
そして、このような温度変化に応じて、上記した発電素子を、好ましくは、周期的に電気分極させる。
また、このとき、第1発電素子9は、第2発電素子19よりも、熱源32に近接するように配置され、第2発電素子19は、第1発電素子9よりも、熱源32に対して離隔するように配置されている。そのため、熱源32の熱は、第2発電素子19よりも第1発電素子9に対して伝達率よく伝達される。
その結果、まず、第1発電素子9が熱源32の温度変化を受け、電気分極する。また、これとともに、熱源32の温度変化が、わずかに平滑化される。その後、第2発電素子19が、わずかに平滑化された熱源32の温度変化を受け、電気分極する。
このようにして、発電素子は経時的に温度変化し、その温度変化に応じて、電気分極する。
一方、このような発電システム31では、より効率的に発電するため、発電素子の温度状態に応じて、発電素子に電圧を印加することが要求される。
また、とりわけ効率的に発電するため、発電素子に印加する電圧を、発電素子の温度条件(温度変化量、最大温度、最低温度など)に応じて、設定することが要求される。
具体的には、最低温度が比較的低い発電素子には、例えば、温度下降時において、比較的高電圧を印加することが要求され、一方、最低温度が比較的高い発電素子には、温度下降時において、比較的低電圧を印加することが要求される場合がある。
このような場合、上記の発電回路1および発電システム31では、まず、第1発電素子9が熱源32の温度変化を受け、その後、第2発電素子19が熱源32の温度変化を受けるため、第1発電素子9は、第2発電素子19よりも効率よく加熱される。
その結果、上記の発電回路1および発電システム31では、第2発電素子19の最低温度が、第1発電素子9の最低温度よりも低くなる。
つまり、温度下降時には、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧よりも、大きくすることが要求される。
そこで、以下に示すように、制御ユニット34によりスイッチシステム7を制御し、第1発電素子9および第2発電素子19により生じる電力によって、第1発電素子9および第2発電素子19に、それぞれ異なる電圧を印加する。
なお、以下において、発電回路1における電流および電圧について説明するが、発電回路1では、回路全体の電圧がバランスされるように、上記した各電流の流路、流れる方向および大小が、適宜切り替わる。
以下において、図14〜図17を参照して、回路の制御方法を説明する。なお、図14〜図17においては、図10に記載される各部材の符号を一部記載せず、回路における電流の方向を模式的に示す。
より具体的には、この発電システム31では、例えば、
(1)まず、図14に示すように、第1発電素子9および第2発電素子19を加熱し、温度上昇させる。
この発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19が加熱され、温度上昇すると、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極する。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
これにより、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第1回路Aを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印A参照)。
また、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第2回路Bを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印B参照)。
また、これとともに、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第3回路Cを介して、紙面左周りの電流として、第1コンデンサ11に蓄積される(矢印C参照)。
また、これとともに、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第4回路Dを介して、紙面左周りの電流として、第1コンデンサ11に蓄積される(矢印D参照)。
このような状態における維持時間は、例えば、0.1秒以上、好ましくは、0.5秒以上であり、例えば、10秒以下、好ましくは、9.8秒以下である。
(2)次いで、この発電システム31では、図15に示すように、熱源32の制御により、第1発電素子9および第2発電素子19を冷却し、温度低下させる。
このとき、第1発電素子9および第2発電素子19は、上記(1)において加熱された影響により、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極している。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を閉状態とし、かつ、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を開状態とする。これにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを閉状態とし、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを開状態とする(発電回路1の第2状態)。
これにより、第3コンデンサ13に蓄積されている電気エネルギーが、第5回路Eを介して、紙面右周りの電流として、第1発電素子9に供給される(矢印E参照)。
なお、第1発電素子9には、第2コンデンサ12に蓄積されている電気エネルギーは供給されない。
すなわち、第1発電素子9には、第3コンデンサ13のみから、電圧が印加される。
また、第3コンデンサ13に蓄積されている電気エネルギーが、第6回路Fを介して、紙面右周りの電流として、第2発電素子19に供給される(矢印F参照)。
さらに、第2コンデンサ12に蓄積されている電気エネルギーが、第6回路Fを介して、紙面右周りの電流として、第2発電素子19に供給される(矢印E参照)。
すなわち、第2発電素子19には、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13の両方から、電圧が印加される。
その結果、温度下降時において、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧よりも、大きくすることができる。
このような状態における維持時間は、例えば、0.01秒以上、好ましくは、0.1秒以上であり、例えば、1秒以下、好ましくは、0.2秒以下である。
(3)次いで、この発電システム31では、図16に示すように、上記(2)から引き続いて、第1発電素子9を冷却する。
この発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19が冷却され、温度低下する場合には、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が負電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が正電荷を帯びるように、電気分極する。
そこで、この発電システム31では、上記(2)から引き続いて、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を閉状態とし、かつ、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を開状態とする。これにより、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを閉状態とし、かつ、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを開状態とする(発電回路1の第2状態)。
これにより、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第7回路Gを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印G参照)。
また、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第8回路Hを介して、紙面右周りの電流として、受電コンデンサ10に供給される(矢印H参照)。
また、これとともに、第1発電素子9により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第5回路Eを介して、紙面左周りの電流として、第3コンデンサ13に蓄積される(矢印E参照)。
また、これとともに、第2発電素子19により生じた電気エネルギー(焦電電流)が、第6回路Fを介して、紙面左周りの電流として、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13に蓄積される(矢印D参照)。
このような状態における維持時間は、例えば、0.1秒以上、好ましくは、0.5秒以上であり、例えば、10秒以下、好ましくは、9.8秒以下である。
(4)次いで、この発電システム31では、図17に示すように、熱源32の制御により、第1発電素子9および第2発電素子19を加熱し、温度上昇させる。
このとき、第1発電素子9および第2発電素子19は、上記(3)において冷却された影響により、一方側(紙面左側)の電極が負電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が正電荷を帯びるように、電気分極している。
そこで、この発電システム31では、制御ユニット34の制御によって、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
これにより、第1コンデンサ11に蓄積されている電気エネルギーが、第3回路Cを介して、紙面右周りの電流として、第1発電素子9に供給される(矢印C参照)。すなわち、第1発電素子9に、電圧が印加される。
また、第1コンデンサ11に蓄積されている電気エネルギーが、第4回路Dを介して、紙面右周りの電流として、第2発電素子19に供給される(矢印D参照)。すなわち、第2発電素子19に、電圧が印加される。
このようにして、第1発電素子9および第2発電素子19の両方に、第1コンデンサ11から電圧が印加される。
(5)その後、上記(4)から引き続き第1発電素子9および第2発電素子19を加熱する場合には、上記(1)で示すように、引き続き、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を開状態とする。これにより、第1回路A、第2回路B、第3回路Cおよび第4回路Dを閉状態とし、かつ、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hを開状態とする(発電回路1の第1状態)。
そして、第1発電素子9および第2発電素子19が加熱され、温度上昇すると、第1発電素子9および第2発電素子19は、一方側(紙面左側)の電極が正電荷を帯び、他方側(紙面右側)の電極が負電荷を帯びるように、電気分極する。
このようにして、上記(1)〜(5)の処理が、繰り返され、第1発電素子9および第2発電素子19から電力が取り出され、その電力が受電コンデンサ10(受電ユニット3)に供給される。
このような発電回路1および発電システム31によれば、発電ユニット2において生じるエネルギーを用いて、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加することができるため、外部からの電力投入を不要とし、第1発電素子9および第2発電素子19から効率よく電力を取り出すことができる。
とりわけ、上記の発電回路1および発電システム31においては、第2発電素子19の最低温度が、第1発電素子9の最低温度よりも低くなる。そのため、温度下降時において、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧よりも、大きくすることが要求される場合がある。
この点、上記の発電回路1および発電システム31においては、上記(2)に示した通り、温度下降時には、第2発電素子19には、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13の両方から、電圧が印加され、一方、第1発電素子9には、第3コンデンサ13のみから、電圧が印加される。すなわち、温度下降時において、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧よりも、大きくすることができる。
その結果、上記の発電回路1および発電システム31によれば、とりわけ効率よく、発電素子から効率よく電力を取り出すことができる。
また、通常、発電システム31において、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧を印加すると、第1発電素子9および第2発電素子19に損傷を生じる場合がある。これに対して、上記の発電システム31では、第1発明と同様、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13の静電容量および定格電圧を選択および設計することによって、第1発電素子9および第2発電素子19に印加される電圧を選択および設計することができる。その結果、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧が印加させることを抑制することができ、第1発電素子9および第2発電素子19の損傷を抑制することができる。とりわけ、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13として、互いに異なる静電容量および定格電圧のコンデンサを選択できるため、第1発電素子9および第2発電素子19の加熱時に印加される電圧と、第1発電素子9および第2発電素子19の冷却時に印加される電圧とを、個別に設計することができ、第1発電素子9および第2発電素子19に過剰な電圧が印加させることを抑制することができ、第1発電素子9および第2発電素子19の損傷を抑制することができる。
そのため、このような発電システム31は、特に制限されないが、例えば、自動車などに搭載される。このような場合、第1発電素子9および第2発電素子19は、例えば、自動車のエキゾーストマニホールドにおける分岐管の内部または表面などに配置され、自動車のエンジンおよび排ガスが、熱源32として用いられる。例えば、第1発電素子9が分岐管のガス流れ方向上流側に配置され、第2発電素子19が、分岐管のガス流れ方向下流側に配置される。第1発電素子9および第2発電素子19は、そして、エンジンの燃焼サイクルに応じて排ガスの温度が経時的に上下され、加熱および/または冷却され、上記の発電システム31により発電される。得られる電力は、バッテリーに蓄積されてもよく、また、例えば、ヘッドライトなどの電気負荷装置に用いられてもよく、さらには、自動車の動力として用いられてもよい。
なお、上記した説明では、発電素子として、第1発電素子9および第2発電素子19の2つを用いているが、発電素子の数は、2つ以上であれば特に制限されず、3つ以上用いることもできる。このような場合、発電素子の数よりも少なくとも1つ多い蓄電体が用いられる。
例えば、図18に示すように、第1発電素子9および第2発電素子19と並列的に、第3発電素子39が接続される場合、第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13と並列的に、第4コンデンサ14が接続される。なお、第4コンデンサ14は、第1コンデンサ11および第2コンデンサ12の間に介在される。
なお、図示しないが、この発電回路1では、第1発電素子9は、第2発電素子19よりも熱源32に近接して配置され、また、第2発電素子19は、第3発電素子39よりも熱源32に近接して配置される。
また、この発電回路1では、第1発電素子9と、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4との関係に対応するように、第2発電素子19に対して、第3’スイッチSW3’および第4’スイッチSW4’が設けられる。
このような発電回路1でも、上記と同様に操作することによって、温度降下時における印加電圧の大きさを調整することができる。具体的には、温度降下時に、第1スイッチSW、第4スイッチSW4および第4’スイッチSW4’を閉状態とし、かつ、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3および第3’スイッチSW3’を開状態とする。
これにより、第1発電素子9には、第3コンデンサ13のみから電圧が印加される。
また、第2発電素子19には、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13から電圧が印加される。
さらに、第4発電素子29には、第2コンデンサ12、第3コンデンサ13および第4コンデンサ14から電圧が印加される。
このようにして、温度下降時において、第2発電素子19に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧よりも大きくすることができる。また、第3発電素子39に対して印加する電圧を、第1発電素子9に対して印加する電圧、および、第2発電素子19に対して印加する電圧よりも大きくすることができる。
また、上記した説明では、受電ユニット3は、第1発電素子9および第2発電素子19により生じた電力を受電する受電デバイスとして、コンデンサ(受電コンデンサ10)を備えているが、第1発電素子9および第2発電素子19により生じた電力が蓄積または利用されるデバイスであれば、特に制限されず、受電コンデンサ10に代替して、バッテリーなどの蓄電デバイスや、灯火装置などの電気負荷デバイスなどを備えることもできる。
また、上記した説明では、第1蓄電体、第2蓄電体および第3蓄電体として、コンデンサ(第1コンデンサ11、第2コンデンサ12および第3コンデンサ13)を備えているが、第1蓄電体、第2蓄電体および第3蓄電体としては、第1発電素子9および第2発電素子19において生じた電力を蓄電し、また、第1発電素子9および第2発電素子19に電圧を印加することができれば、特に制限されず、コンデンサに代替して、化学電池などの蓄電体を備えることができる。
また、図示しないが、発電回路1には、必要により、任意の場所に、例えば、昇圧器、電圧変換器、インダクタなどの公知の電気デバイスを介在させることもできる。
また、導線6の構成は、上記に限定されず、図示しないが、例えば、第1回路A、第2回路B、第3回路C、第4回路D、第5回路E、第6回路F、第7回路Gおよび第8回路Hが、それぞれが独立して構成されるように、複数の導線6を備えていてもよい。