JP2017085029A - 圧電素子、圧電モジュール及び電子機器 - Google Patents

圧電素子、圧電モジュール及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】受信感度を向上させることができる圧電素子、圧電モジュール及び電子機器を提供することを目的とする。【解決手段】受信用トランスデューサー52は、可撓部412Dと、可撓部412Dに設けられた圧電膜422と、圧電膜422に設けられる第一電極425と、圧電膜422に設けられ、可撓部412Dの厚さ方向から見た平面視で、第一電極425と所定のギャップを介して対向する第二電極426と、を備え、圧電膜422を構成する各圧電膜423,424の比誘電率は、可撓部412Dから遠い第二圧電膜424の方が大きい。【選択図】図8

Description

本発明は、圧電素子、圧電モジュール及び電子機器に関する。
従来、圧電体の圧電効果に基づいて超音波を送受信可能に構成される超音波変換器が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の超音波変換器は、基板と、当該基板上に設けられた圧電体と、圧電体の同じ面上に配置された第1の電極及び第2の電極と、を備える。圧電素子では、例えば超音波を受信する際に、可撓膜の歪に応じて圧電体が歪み、当該歪に応じて電極間に発生する電位差が、電気信号として出力される。
特開2002−271897号公報
ところで、上述のように構成された圧電素子において、受信感度を向上させるために、圧電体の比誘電率を小さくすることが考えられる。すなわち、圧電体の比誘電率を小さくすることにより、電極間に発生する静電容量を小さくでき、電極間の電位差を大きくできるため、出力される電気信号を大きくすることができる。しかしながら、比誘電率を小さくすると、圧電体の圧電定数が小さくなるため、超音波の受信時に、圧電体の歪み量に応じて圧電体表面に生じる電荷量が小さくなり、電極間の電位差が小さくなる。したがって、比誘電率を小さくしても受信感度が低下するおそれがあった。
本発明は、受信感度を向上させることができる圧電素子、圧電モジュール及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る圧電素子は、可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電体と、前記圧電体に設けられる第一電極と、前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極と、を備え、前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなることを特徴とする。
本適用例の圧電素子では、例えば超音波を受信した際の可撓膜の歪に応じて圧電体が歪み、当該歪に応じて第一電極及び第二電極間に発生する電位差が、電気信号として出力される。この圧電素子において、超音波の受信時及び送信時における圧電体の面内歪み量は、可撓膜及び圧電体の厚みに沿って可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなる。
そして、本適用例において、圧電体は、上記厚み方向に可撓膜から遠ざかり、圧電体の歪み量が大きくなるにしたがって、比誘電率すなわち圧電定数が大きくなる。一方、圧電体は、可撓膜に近づき、圧電体の歪み量が小さくなるにしたがって、比誘電率(圧電定数)が小さくなる。
すなわち、振動膜の歪みに応じた圧電体の歪み量が小さい領域において、他の領域よりも比誘電率を小さくして静電容量の低減を図るとともに、歪み量が大きい領域において、他の領域よりも圧電定数を大きくして出力の増大を図ることができる。したがって、本適用例によれば、圧電素子の受信感度を向上させることができる。
本適用例の圧電素子において、前記圧電体は、複数層により構成され、前記可撓膜上に設けられる第一圧電層と、前記第一圧電層よりも比誘電率が大きい第二圧電層を備えることが好ましい。
本適用例によれば、圧電体は、第一圧電層と、第二圧電層との二層の圧電層を備える。このような構成では、各圧電層の比誘電率、圧電定数、及び厚み寸法等を適宜設定することにより、より確実に受信感度を向上させることができる。また、所望の圧電特性及び厚み寸法等で各圧電層を形成することにより、所望の特性(圧電特性)を有する圧電体を形成することができ、より容易に圧電素子の受信感度を向上させることができる。
本適用例の圧電素子において、前記第一圧電層及び前記第二圧電層は、同一の構成材料により構成され、それぞれ構成する組成比が異なることが好ましい。
本適用例によれば、第一圧電層及び第二圧電層は、異なる組成比を有するものの、同一の構成材料により構成される。したがって、異なる材料を用いて形成する場合と比べて、製造コストの増大を抑制できる。また、製造時に、各圧電層について異なる材料を供給可能な装置を用いたり、材料を交換する作業を実施したりする必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
本適用例の圧電素子において、前記圧電体は、ペロブスカイト型遷移金属酸化物により構成されることが好ましい。
本適用例では、圧電体としてペロブスカイト型遷移金属酸化物を用いる。ペロブスカイト型遷移金属酸化物は圧電材料において圧電特性(e定数)が高い。このため、可撓膜を変位させた際に圧電体から出力される電圧を大きくできる。
本適用例の圧電素子において、前記圧電体は、PbとZrとTiを含むことが好ましい。
本適用例では、圧電体は、PbとZrとTiを含む。このような圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が挙げられ、ペロブスカイト型遷移金属酸化物において特に圧電特性が高い。よって、可撓膜を変位させた際に圧電体から出力される電圧をより高くできる。
本適用例の圧電素子において、前記可撓膜は、前記圧電体に接する第一層を含み、当該第一層は、絶縁性を有する遷移金属酸化物により構成されていることが好ましい。
ここで、第一層は複数層により構成された可撓膜のうちの一層であってもよく、可撓膜が一層(遷移金属酸化物の第一層のみ)により構成されていてもよい。
本適用例では、可撓膜の圧電体に接する第一層が、絶縁性を有する遷移金属酸化物により構成されている。このような可撓膜上に圧電体を形成する場合、(100)配向の圧電体を形成しやすく、圧電体における圧電特性を高めることができる。
本適用例の圧電素子において、前記第一層は、ZrOにより構成されていることが好ましい。
本適用例では、上記第一層が、ZrOにより構成されているため、圧電体の結晶配向を、(100)配向により揃えやすくなり、圧電体における圧電特性をより高めることができる。
本適用例の圧電素子において、前記ギャップは、2μm以上、8μm以下であることが好ましい。
本適用例では、第一電極と第二電極との間が2μm以上8μm以下となる。第一電極と第二電極との間のギャップ寸法が2μm未満である場合、圧電体の歪み量に対する、圧電体から出力される電圧が小さくなる。この場合、例えば可撓膜の変位量を、圧電体からの出力電圧に基づいて検出する場合に、出力電圧が小さくなるので検出精度も低下する。一方、第一電極と第二電極との間のギャップ寸法が8μmより大きい場合、圧電体を分極処理する際の印加電圧を高電圧にする必要がある。これに対して、本適用例では、上記範囲のギャップが設けられることで、圧電体の歪み量に対する圧電体から出力される電圧を大きくでき、かつ、分極処理時における印加電圧も実用的な範囲に留めることができる。
本発明の一適用例に係る圧電モジュールは、可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電体と、前記圧電体に設けられる第一電極と、前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極と、前記第一電極及び前記第二電極と電気的に接続される端子部を有する配線基板と、を備え、前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなることを特徴とする。
本適用例の圧電モジュールは、上述した圧電素子と、圧電素子の第一電極及び第二電極に接続される端子部を有する配線基板とを備える。このため、上記適用例と同様、圧電素子の受信感度を向上させることができる。したがって、可撓膜の変位によって圧電体から出力される電圧を配線基板に設けられた受信回路で受信処理する場合に、圧電体から高い電圧信号が出力されるため、受信精度を向上させることができる。
本発明の一適用例に係る電子機器は、可撓膜、前記可撓膜に設けられる圧電体、前記圧電体に設けられる第一電極、及び、前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極を備えた圧電素子と、前記圧電素子を制御する制御部と、を備え、前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなることを特徴とする。
本適用例の電子機器は、上述した圧電素子と、圧電素子を制御する制御部とを備える。このため、上記適用例と同様、圧電素子の受信感度を向上させることができる。したがって、可撓膜の変位によって圧電体から出力される電圧を検出することで、所定の処理を実施する電子機器では、圧電体から高い電圧信号が出力されるため、電圧の検出精度が高く、電子機器における処理精度も向上させることができる。
第一実施形態の超音波測定装置の概略構成を示す斜視図。 第一実施形態の超音波測定装置の概略構成を示すブロック図。 第一実施形態における超音波センサーの概略構成を示す平面図。 第一実施形態の超音波デバイスにおける素子基板の送信領域の概略構成を示す平面図。 図4におけるA−A線で切断した超音波センサーの断面図。 第一実施形態の超音波デバイスにおける素子基板の受信領域の概略構成を示す平面図。 第一実施形態における受信用トランスデューサーの概略構成を示す平面図。 図7におけるB−B線で切断した超音波センサーの概略構成を示す断面図。 第一実施形態の受信用トランスデューサーにおける超音波受信時の様子を模式的に示す斜視断面図。 第一実施形態の受信用トランスデューサーの超音波受信時における膜厚方向の各位置と面内歪みとの関係を示すグラフ。 第一実施形態の受信用トランスデューサーにおける第一圧電膜と受信感度との関係を示すグラフ。 第一実施形態における受信用トランスデューサーの製造方法を示すフローチャート。 第一実施形態における受信用トランスデューサーの製造方法における各工程の概略を模式的に示す図。 第一実施形態における受信用トランスデューサーの製造方法における各工程の概略を模式的に示す図。 第二実施形態における受信用トランスデューサーの概略構成を示す平面図。 第二実施形態における受信用トランスデューサーの概略構成を示す断面図。 第三実施形態における受信用トランスデューサーの概略構成を示す平面図。 第三実施形態における受信用トランスデューサーの概略構成を示す断面図。 受信用トランスデューサーの一変形例の概略構成を示す平面図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態の電子機器としての超音波測定装置について、図面に基づいて説明する。
[超音波測定装置1の構成]
図1は、本実施形態の超音波測定装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、超音波測定装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波測定装置1は、本発明における電子機器に相当し、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備えている。
この超音波測定装置1は、超音波プローブ2を生体(例えば人体)の表面に当接させ、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
[超音波プローブ2の構成]
図3は、超音波プローブ2における超音波センサー24の概略構成を示す平面図である。
超音波プローブ2は、筐体21と、筐体21内部に設けられた超音波デバイス22と、超音波デバイス22を制御するためのドライバ回路等が設けられた配線基板23と、を備えている。なお、超音波デバイス22と、配線基板23とにより超音波センサー24が構成され、当該超音波センサー24は、本発明の圧電モジュールを構成する。
[筐体21の構成]
筐体21は、図1に示すように、例えば平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられており、超音波デバイス22の一部が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には、ケーブル3の通過孔21Cが設けられ、ケーブル3は、通過孔21Cから筐体21の内部の配線基板23に接続されている。また、ケーブル3と通過孔21Cとの隙間は、例えば樹脂材等が充填されることで、防水性が確保されている。
なお、本実施形態では、ケーブル3を用いて、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される構成例を示すが、これに限定されず、例えば超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。
[超音波デバイス22の構成]
超音波デバイス22は、図3に示すように、超音波を送信する送信アレイTRと、超音波を受信する受信アレイRRと、が形成されたアレイ領域Ar1を有する。なお、図3では、送信アレイTRと受信アレイRRとが略同一アレイ面積を有しているが、これに限定されず、例えば、受信アレイRRが送信アレイTRよりも小さいサイズに構成されていてもよい。また、送信アレイTR及び受信アレイRRの配置位置に関しても、図3の例に限られず、例えば、送信アレイTR内の一部に、受信アレイRRが設けられる構成や、送信アレイTRと受信アレイRRとが例えばX方向(スキャン方向)に沿って交互に配列される構成などとしてもよい。
送信アレイTRは、超音波を送信する複数の送信用超音波トランスデューサー51(以降、送信用トランスデューサー51と略す)がアレイ状に配置され構成される。また、受信アレイRRは、超音波を受信する複数の受信用超音波トランスデューサー52(以降、受信用トランスデューサー52と略す)がアレイ状に配置され構成される。このように構成された超音波デバイス22では、送信アレイTRから超音波を送信し、測定対象で反射された反射波を受信アレイRRで受信する。
なお、以下の説明では、後述する1次元アレイ構造を有する送信アレイTRのスキャン方向をX方向とし、スキャン方向に直交するスライス方向をY方向とする。
図4は、超音波デバイス22の送信アレイTRにおける素子基板41を、封止板43とは反対側(作動面側)から見た平面図である。図5は、図4におけるA−A線で切断した超音波センサー24の断面図である。図6は、受信アレイRRの構成を模式的に示す図である。図7は、素子基板41の作動面側から見た受信用トランスデューサー52を模式的に示す平面図である。また、図8は、図7のB−B線で切断した際の断面を模式的に示す断面図である。
超音波センサー24を構成する超音波デバイス22は、図5及び図8に示すように、素子基板41と、封止板43と、音響整合層44と、音響レンズ45(図1参照)と、により構成されている。本実施形態では、図5から図8に示すように、送信アレイTR及び受信アレイRRにおいて、素子基板41、封止板43、音響整合層44、及び音響レンズ45は共通となる。
本実施形態では、素子基板41のアレイ領域Ar1は、送信領域Ar11と、受信領域Ar12とを含む。送信領域Ar11には、複数の送信用トランスデューサー51(図4,5参照)がアレイ状に配置されることで送信アレイTRが構成される。また、受信領域Ar12には、複数の受信用トランスデューサー52(図6,7,8参照)がアレイ状に配置されることで受信アレイRRが構成される。以下、これらの送信アレイTR、及び受信アレイRRについて、より詳細に説明する。
(送信アレイTRの構成)
送信アレイTRは、図4に示すように、素子基板41の送信領域Ar11にアレイ状に配置された複数の送信用トランスデューサー51により構成される。
送信アレイTRでは、Y方向(スライス方向)に並ぶ複数の送信用トランスデューサー51により、1つの送信チャンネルとしての送信用トランスデューサー群51Aが構成される。また、送信アレイTRでは、複数の送信用トランスデューサー群51Aが、X方向(スキャン方向)に沿って設けられて1次元アレイを構成する。
(送信用トランスデューサー51の構成)
送信用トランスデューサー51は、図5に示すように、素子基板41と、素子基板41上に設けられた駆動素子413と、を含み構成される。
素子基板41は、基板本体部411と、基板本体部411に積層された支持膜412と、を備えている。また、素子基板41のアレイ領域Ar1の外側には、端子領域Ar2が設けられており、各送信用トランスデューサー51に接続された電極線が引き出されている。
基板本体部411は、例えばSi等の半導体基板である。この基板本体部411の送信領域Ar11内には、各送信用トランスデューサー51に対応した開口部411Aが設けられている。これらの開口部411Aの開口サイズは、送信アレイTRから送信する超音波の周波数に基づいたサイズとなる。
支持膜412は、基板本体部411の一方の面に設けられ、開口部411Aを閉塞する。支持膜412のうち、開口部411Aを閉塞する領域は、後述する駆動素子413の駆動により、膜厚方向に振動される振動部412Cとなり、振動部412Cが振動されることで、超音波が出力(送信)される。つまり、上述する送信用トランスデューサー51を構成する素子基板41の一部とは、開口部411Aを閉塞する支持膜412の振動部412Cであり、振動部412Cと駆動素子413により送信用トランスデューサー51が構成される。
より具体的には、支持膜412は、二層により構成されており、基板本体部411の封止板43とは反対側に設けられ、開口部411Aを閉塞する支持層412Aと、支持層412Aの基板本体部411とは反対側に設けられ、駆動素子413が積層される表面層412Bとを備える。
支持層412Aは、例えばSiO等により構成されている。基板本体部411をSiにより構成し、支持層412AをSiOにより構成する場合、例えば、基板本体部411の一面側を熱酸化処理することで、容易に支持層412Aを形成することが可能となる。また、この支持層412Aは、後述するように、エッチングにより基板本体部411に開口部411A及び開口部411B(図8参照)を形成する際のエッチングストッパー膜として機能する。
表面層412Bは、本発明の第一層に相当し、遷移金属酸化物により構成されている。この表面層412Bは、駆動素子413を構成する下部電極414及び圧電膜415の一部と、図6,7,8に示すような受信素子421を構成する圧電膜422、第一電極425、及び第二電極426が、表面に積層される層である。したがって、表面層412Bとしては、これらの電極材料や圧電材料に対して高い密着性を有することが好ましい。また、詳細は後述するが、受信アレイRRでは、表面層412B上に、圧電膜422が積層配置される。したがって、表面層412Bとして、圧電膜422が積層された際に、圧電膜422の結晶配向性を(100)配向に揃えやすい膜材を用いることが好ましい。このような表面層412Bとして、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、特に、圧電材料の結晶配向性を揃えやすいZrOにより構成されることがより好ましい。なお、表面層412Bは、Y、TiO、HfO、V、Nb、Ta、WO等の他の遷移金属酸化物の少なくとも1つを主成分として構成されてもよい。また、表面層412Bは、遷移金属酸化物以外にも、AlN、TiN、及びSi等を主成分として構成されてもよい。
表面層412Bの遷移金属酸化物は絶縁性を有していることが求められる。表面層412Bが絶縁性を有しているとき、第一電極425と第二電極426の間に形成された電極ギャップ直下の圧電体内に直接電気力線が走ることで、小さな静電容量のキャパシターを形成することができ、結果として高い受信感度を実現できる。もし表面層412Bが導電性を有していると、第一電極425の電極ギャップ端部から伸びた電気力線は表面層412Bに、まず入り、表面層412B内を走ったのちに、第二電極426のギャップ端部に戻ることになる。この場合はキャパシターとしての静電容量が大きくなり、高い受信感度を得ることができない。
駆動素子413は、各開口部411Aを閉塞する支持膜412、すなわち振動部412C上に設けられ、下部電極414、圧電膜415、及び上部電極416を備える。
このような駆動素子413は、下部電極414及び上部電極416の間に所定周波数の矩形波電圧が印加されることで、圧電膜415が、面内方向に伸縮する。圧電膜415の支持膜412側は下部電極414を介して支持膜412に接合されているので、圧電膜415の支持膜412側と、反対側とでは、伸縮量が異なり、この差によって圧電膜415が膜厚方向に変位して振動する。この圧電膜415の振動により、支持膜412の振動部412Cも振動して超音波が送出される。
また、本実施形態では、図4に示すように、上記のような送信用トランスデューサー51が、素子基板41の送信領域Ar11内に、X方向及びY方向に沿って複数設けられている。
ここで、下部電極414は、Y方向に沿う直線状に形成され、Y方向に沿って並ぶ複数の送信用トランスデューサー51に跨って設けられている。下部電極414で連結されたY方向(スライス方向)に並ぶ複数の送信用トランスデューサー51により上述の送信用トランスデューサー群51Aが構成される。また、下部電極414は、端子領域Ar2まで延出する。端子領域Ar2において、下部電極414の端部に設けられた下部電極端子414Pは、配線基板23に電気的に接続されている。
一方、上部電極416は、X方向に沿って並ぶ複数の送信用トランスデューサー51に跨って設けられた上部電極本体部416Aと、上部電極本体部416Aの端部同士を連結する上部電極連結部416Bとを備えている。上部電極連結部416Bの端部は、端子領域Ar2まで延出する。端子領域Ar2において、上部電極連結部416Bの端部に設けられた上部電極端子416Pは、配線基板23に電気的に接続されている。
(受信アレイRRの構成)
受信アレイRRは、図6に示すように、素子基板41のアレイ領域Ar1における受信領域Ar12にアレイ状に配置された複数の受信用トランスデューサー52により構成される。本実施形態の受信アレイRRでは、複数の受信用トランスデューサー52により1つの受信チャンネルとしての受信用トランスデューサー群52Aが構成され、当該受信用トランスデューサー群52Aが、X方向に複数設けられている。
受信用トランスデューサー群52Aは、図6に示すように、Y方向に沿って設けられた一対の電極線521,522と、これら一対の電極線521,522の間で並列に接続された複数の受信用トランスデューサー52と、を備える。
電極線521,522は、受信領域Ar12から端子領域Ar2に亘って設けられ、端子領域Ar2の端子521P,522Pにて配線基板23に電気的に接続されている。
(受信用トランスデューサー52の構成)
受信用トランスデューサー52は、本発明の圧電素子であり、図6に示すように、素子基板41の一部と、当該素子基板41の支持膜412上に積層された受信素子421と、を備えている。
上述のように、本実施形態では、送信アレイTRと受信アレイRRとにおいて、素子基板41は共通部材であり、基板本体部411及び支持膜412により構成されている。
基板本体部411の受信領域Ar12内には、図6,7,8に示すように、各受信用トランスデューサー52に対応した開口部411Bが設けられている。これらの開口部411Bは、受信する超音波の周波数に応じた開口サイズを有する。例えば、送信アレイTRから測定対象に超音波を送信し、測定対象にて反射された2次高調波を受信アレイRRにて受信する場合、開口部411Bの開口サイズは、送信用トランスデューサー51における開口部411Aよりも小さい開口サイズとなる。
また、支持膜412は、送信用トランスデューサー51と同様、開口部411Bを閉塞する。支持膜412のうち、開口部411Bを閉塞する領域は、超音波を受信した際に変位し可撓部412Dとなり、本発明における可撓膜を構成する。可撓部412Dが変形すると、可撓部412D上に設けられた受信素子421も変形し、受信素子421から電気信号が出力される。つまり、上述した受信用トランスデューサー52を構成する素子基板41の一部とは、開口部411Bを閉塞する支持膜412の可撓部412Dであり、可撓部412Dと受信素子421とを少なくとも含み受信用トランスデューサー52が構成される。
受信素子421は、第一圧電膜423及び第二圧電膜424を含む圧電膜422と、第一電極425と、第二電極426と、を備える。この受信素子421は、圧電膜422の歪みによって、第一電極425と第二電極426との間に生じた電位差に応じた電気信号を出力する。
圧電膜422は、平面視において開口部411Bの内側で、かつ、支持膜412上に設けられ、X方向を長手方向とする矩形状の外形を有する。この圧電膜422は、支持膜412側から第一圧電膜423と第二圧電膜424とが順に積層され形成された積層体である。なお、第一圧電膜423は、本発明の第一圧電層に相当し、第二圧電膜424は、本発明の第二圧電層に相当する。
上述のように複数の圧電膜の積層体として構成される圧電膜422は、支持膜412側から支持膜412とは反対側に向かうにしたがって圧電膜の比誘電率が大きくなるように構成されている。すなわち、本実施形態では、支持膜412側の第一圧電膜423の比誘電率(ε1)よりも、第二圧電膜424の比誘電率(ε2)の方が大きい。なお、圧電体では、比誘電率が大きい程、圧電定数(圧電e定数)が大きくなるため、第一圧電膜423の圧電定数(圧電e定数:e1)よりも、第二圧電膜424の圧電定数(圧電e定数:e2)の方が大きい。換言すると、第一圧電膜423は、第二圧電膜424よりも比誘電率及び圧電定数が小さい。このように圧電膜422を構成する第一圧電膜423と第二圧電膜424との比誘電率を設定することにより、受信素子421における受信感度を向上させることができるが、比誘電率と、受信感度との関係については後述する(図11等参照)。
第一圧電膜423及び第二圧電膜424は、例えば、ペロブスカイト構造を有する遷移金属酸化物、より具体的には、鉛(Pb)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)を含むチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成される。
これらのうち第二圧電膜424は、ZrとTiとの組成比が52:48となるように形成される。上記組成比となるように、PZTを成膜することにより、比誘電率が最大となることが知られており、第二圧電膜424の比誘電率εを大きくすることができる。
一方、第一圧電膜423は、ZrとTiとの組成比が第二圧電膜424とは異なるように形成される。これにより、第一圧電膜423の比誘電率を、第二圧電膜424よりも小さくすることができる。特に、ZrよりもTiを多くすることにより、誘電率をより小さくすることができる。
なお、第一圧電膜423及び第二圧電膜424において、分極モーメントの方向を調整することによっても、各圧電膜423,424の誘電率を調整することができる。すなわち、分極モーメントの方向が、Z方向に向いている場合に誘電率が小さくなり、X方向を向いている場合に誘電率が大きくなる。この分極モーメントの方向は、配向性(結晶構造)によって調整することができ、例えば、製造時において各圧電膜423,424の配向方向を調整することにより、誘電率を調整することができる。また、各圧電膜423,424の膜応力を調整することにより、配向方向を調整することもできる。
このようなペロブスカイト型遷移金属酸化物(特にPZT)により構成された圧電膜422は、良好な圧電特性を有する、すなわち圧電定数(e定数)が特に高く、圧電膜422が変形した際に出力される電気信号が大きくなる。また、圧電膜422は、支持膜412の表面層412B上に設けられている。この場合、圧電膜422における結晶配向性を、(100)配向に容易に揃えることが可能となり、この点においても、圧電膜422の圧電特性を高めることが可能となる。
第一電極425及び第二電極426は、図8に示すように、少なくとも一部が、圧電膜422の+Z側の表面422A上に設けられている。
これらの第一電極425及び第二電極426は、例えば、Ir,Pt,IrOx,Ti,TiOx,SrRuO,LaNiO等の導電性の電極材料により形成される。この際、支持膜412の表面層412Bが遷移金属酸化物であるZrOにより構成されていることで、電極材料を表面層412B上に好適に密着させることが可能となる。
第一電極425は、Z方向に沿って見た平面視(以下、単に平面視とも称する)において、電極線521から開口部411Bの−X側の所定位置まで、X方向に沿って開口部411Bの内外に亘って支持膜412上に設けられている。
第二電極426は、平面視において、電極線522から開口部411Bの+X側の所定位置まで、X方向に沿って開口部411Bの内外に亘って支持膜412上に設けられている。
これら第一電極425及び第二電極426は、平面視において、開口部411Bの中心点を通りY方向と平行な仮想線L(図7参照)に対して線対称な形状となる。
また、第一電極425の+X側の端面である第一端面425Aと、第二電極426の−X側の端面である第二端面426Aとは、Y方向に平行な平面である。第一端面425A及び第二端面426Aは、平面視において開口部411Bの内側にて所定のギャップG1を介して対向している。
[受信用トランスデューサー52の特性]
上述の受信素子421を含む受信用トランスデューサー52では、測定対象により反射された反射超音波が可撓部412Dで受信されると、可撓部412Dが振動する。この可撓部412Dの振動により受信素子421も振動し、圧電膜422が変形する。これにより、圧電膜422の変形(歪み)に応じて、圧電膜422の表面に電荷が生じ、第一電極425及び第二電極426間に電位差が発生する。この第一電極425及び第二電極426間の電位差を検出することで、受信した超音波を検出することが可能となる。
ところで、一般に、圧電膜422の変形量(歪み量η)と、圧電体から出力される電圧Vとは比例する。また、第一電極425及び第二電極426の間の静電容量C、各電極425,426における電荷をQとすると、下記式(1)が成立する。
[数1]
V=Q/C ・・・(1)
ここで、電荷Qは、各電極425,426においてキャパシターとして機能する領域の面積S、単位面積当たりの電荷(電荷密度)qを用いて下記式(2)にて表される。また、静電容量Cは、電極425,426間の比誘電率(圧電体の比誘電率)ε、電極425,426間の距離dを用いて下記式(3)にて表される。さらに、圧電膜422の変位量(歪み量)をη、圧電定数(圧電e定数)をeとした場合に、電荷密度qと歪み量ηとは、下記(4)にて表される。これらの式(1)から式(4)より、以下の式(5)を導くことができる。なお、本実施形態では、上述のように、圧電膜422は、第一圧電膜423と第二圧電膜424とで、比誘電率が異なるものの、ここでは単純化し、圧電膜422の比誘電率が一定であるもの仮定している。
[数2]
Q=Sq ・・・(2)
C=Sε/d ・・・(3)
q=eη ・・・(4)
V=(de/ε)×η ・・・(5)
上記式(1)に示すように、可撓部412Dを変位させた際に受信素子421から出力される電圧Vは、静電容量Cが小さく、電荷Qが大きくなる程、大きい電圧値となり、超音波受信時の受信感度を向上させることが可能となる。より具体的には、式(2)〜(5)に示すように、電極425,426間の距離dを大きく、圧電e定数を大きく、比誘電率εを小さくすることで、受信感度を向上させることが可能となる。
表面層412Bが絶縁性を有しているとき、第一電極425と第二電極426の間に形成された電極ギャップ直下の圧電体内に直接電気力線が走ることで、小さな静電容量を形成することができ、結果として高い受信感度を実現できる
(電極間の距離d)
ここで、本実施形態では、第一電極425及び第二電極426の距離dは、2μm以上8μm以下となる。通常、圧電膜422は400nm程度の厚み寸法に構成されている。つまり、圧電膜422の厚み寸法が大きすぎると、可撓部412Dの振動を阻害することになり、良好な受信感度が得られない。また、厚み寸法を小さくしすぎると、例えばPZTであればPbの抜けの影響が大きくなる等により、圧電膜422の圧電特性が劣化してしまう。以上から、圧電膜422としては、圧電特性の劣化が生じない程度に十分に薄く形成されていることが好ましく、400nm程度の厚み寸法とされることが好ましい。
このような圧電膜422に対して、例えば、膜厚方向から一対の電極で挟み込む構成とすると、距離dが圧電膜422の膜厚となって、非常に小さい値となり、圧電膜422の歪みηに対する出力電圧Vが小さくなってしまう。すなわち、電極間の距離dが2μm未満となる構成では、圧電膜422から十分な出力電圧Vが得られないため、受信用トランスデューサー52の受信感度が低下する。
これに対して、本実施形態では、上記のように、支持膜412上に第一電極425及び第二電極426を配置する構成となるため、電極425,426間の距離を大きくでき、2μm以上8μm以下とすることが可能となる。これにより、従来のように圧電膜422を膜厚方向から一対の電極で挟み込む構成に比べて、受信素子421から出力される電圧Vを大きくできる。
なお、電極425,426間の距離dを8μm以下とすることで、後述する分極回路235による分極処理の効率性を向上させることが可能となる。つまり、電極425,426間の距離dが8μmを超えると、圧電膜422の分極処理を行う際に、電極425,426間に印加する分極電圧を高める必要が生じる。この場合、分極回路235に組み込まれる電源構成として、高価格の電源を用いる必要があり、装置コストが増大してしまう。これに対し、距離dを8μm以下とすることで、分極処理時の分極電圧を小さくでき、すなわち、分極回路235に組み込む電源として低コストの電源を用いればよいので、装置コストの低減を図れる。
(比誘電率εと圧電e定数)
また、上記式(4)に示すように、圧電膜422の圧電e定数を大きくすることにより、圧電膜422の歪みに応じて、当該圧電膜422の表面に生じる電荷の電荷密度qの値を大きくすることができる。しかしながら、各電極425,426とともにキャパシターを構成する圧電膜422の圧電e定数を大きくすると、上述のように圧電膜422の比誘電率εが大きくなる。このため、上記式(5)に示すように、各電極425,426間に生じる電位差が小さくなり、受信用トランスデューサー52の出力電圧Vが低減することとなる。一方で、圧電膜422の比誘電率εを小さくすると、圧電膜422の圧電e定数が小さくなるため、やはり、受信用トランスデューサー52の出力電圧Vが低減することとなる。
これに対して、本実施形態では、第一圧電膜423及び第二圧電膜424のうちの超音波受信時の面内歪が小さい第一圧電膜423の比誘電率ε1を小さくし、超音波受信時の面内歪が大きい第二圧電膜424の圧電e定数を大きくする。これにより、第二圧電膜424の圧電e定数が低減することによる、受信感度の低下を抑制しつつ、圧電膜422の比誘電率εを低減させることができ、受信用トランスデューサー52の受信感度を向上させることができる。以下に、本実施形態の圧電膜422の構成により、受信感度が向上することについて示す。
ここでは、圧電体が比誘電率の異なる二層から形成されているとしたが、一層の圧電膜であっても、比誘電率が膜厚方向で変化していれば、同等の効果を有する。すなわち、超音波受信時の面内歪が大きい側(表面層412B側)の比誘電率を大きく、面内歪が小さい側(表面層412B側とは反対側)の比誘電率を小さくする場合である。
図9は、超音波を受信した際の受信用トランスデューサー52を模式的に示す斜視断面図である。また、図10は、図9に示す受信用トランスデューサー52の圧電膜422の平面視における中心点での、膜厚方向(Z方向)の各位置における面内歪みの一例を示すグラフである。また、図11は、第二圧電膜424の比誘電率ε2を所定値とした場合における、第一圧電膜423の比誘電率ε1と受信感度(nV/Pa)との関係を示すグラフである。
なお、図9乃至図11では、受信用トランスデューサー52に対して−Z方向に1気圧の圧力を印加した場合を一例として示している。また、支持膜412のうち支持層412Aは、1070nmの厚み寸法とされ、表面層412Bは、400nmの厚み寸法とされ、圧電膜422は、400nmの厚み寸法とされている。また、図11では、第一圧電膜423は、120nmの厚み寸法とされている。また、第二圧電膜424の比誘電率ε2は、1500とされている。可撓部412Dの横幅(キャビティ幅)は、共振周波数が8.0MHzになるように36〜40μm程度に調整されている。
図10及び図11は、圧電性を取り入れた有限要素法による計算で得られた結果である。用いたソフトはCOMSOL(登録商標)である。図10は、図9の上方(圧電膜422が存在する側)から1気圧印加したときの面内歪みである。また図11は単位音圧あたりの圧電膜422の歪み量(歪み音圧比)を示している。
また、図10において、P1は、圧電膜422における第一圧電膜423の−Z側(支持膜412側)の端面の、P2は、圧電膜422の第二圧電膜424における+Z側(支持膜412とは反対側)の端面の値である。また、P0は、受信用トランスデューサー52における面内歪みが0となる点(以下、中立点とも称する)である。
受信用トランスデューサー52では、圧力が印加されると、図9に示すように、可撓部412Dが、−Z側に向かって変形し、当該変形に応じて圧電膜422も変形する。このように圧電膜422が変形した場合に、圧電膜422における面内歪みを大きくすることにより、受信用トランスデューサー52の出力電圧Vを大きくできる。このため、中立点P0が、圧電膜422の外部、本実施形態では支持膜412の内部に位置するように、受信用トランスデューサー52が構成される(図10参照)。なお、中立点の位置は、支持膜412及び圧電膜422の剛性、厚み寸法等により適宜設定することができる。
上述のように、中立点が支持膜412上にある場合、図10に示すように、第一圧電膜423の−Z側の端面での値P1は、第二圧電膜424における+Z側での値P2よりも面内歪みが小さくなる。すなわち、第一圧電膜423側では、第二圧電膜424側よりも面内歪みが小さくなる。このような構成において、図11に示すように、第二圧電膜424の比誘電率ε2を所定値(1500)とした場合、第一圧電膜423の比誘電率ε1を低減させることにより、受信感度(nV/Pa)が増大する。
なお、本実施形態の圧電膜422は、圧電特性(圧電e定数)が高いため、この点でも圧電膜422が変形した際の出力電圧Vを大きくでき、受信用トランスデューサー52の受信感度を向上できる。
つまり、本実施形態では、圧電膜422は、ペロブスカイト型遷移金属酸化物のPZTにより構成されているため、圧電特性を高くできる。また、圧電膜422が、電極425,426上、または、遷移金属酸化物(ZrO)により構成された表面層412B上に形成されているため、圧電膜422の結晶配向性を好適に(100)配向に揃えることができる。この点からも、圧電膜422の圧電特性をより高めることが可能となる。
[封止板43、音響整合層44、音響レンズ45の構成]
封止板43は、素子基板41の強度を補強するために設けられ、例えば42アロイ等の金属板や、半導体基板等により構成され、素子基板41に接合されている。封止板43の材質や厚みは、送信用トランスデューサー51及び受信用トランスデューサー52の周波数特性に影響を及ぼすため、送受信する超音波の中心周波数に基づいて設定することが好ましい。
音響整合層44は、図5に示すように、素子基板41の封止板43とは反対側の面に設けられている。具体的には、音響整合層44は、素子基板41と音響レンズ45との間に充填され、かつ、基板本体部411の表面から所定の厚み寸法で形成される。
音響レンズ45は、音響整合層44上に設けられ、図1に示すように、筐体21のセンサー窓21Bから外部に露出する。
これらの音響整合層44や音響レンズ45は、送信用トランスデューサー51から送信された超音波を測定対象である生体に効率よく伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率よく受信用トランスデューサー52に伝搬させる。このため、音響整合層44及び音響レンズ45は、素子基板41の各トランスデューサー51,52の音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスに設定されている。
[配線基板23の構成]
配線基板23は、超音波デバイス22が接合され、各トランスデューサー51,52を制御するためのドライバ回路等が設けられる。この配線基板23は、図2に示すように、端子部231、選択回路232、送信回路233、受信回路234、分極回路235、及びコネクタ部236(図3参照)を備えている。
端子部231は、配線基板23に超音波デバイス22が接合された際に、素子基板41の端子領域Ar2に引き出された各電極線(下部電極414、上部電極416、電極線521,522)が電気的に接続される。各電極線と端子部231とは、FPC(Flexible Printed Circuits)25(図3参照)により接続される。
なお、本実施形態では、各送信用トランスデューサー51の共通電極である上部電極416が接続された端子部231は、例えばグラウンド回路等に接続され、上部電極416が、所定の共通電位(例えば0電位)に設定される。
また、本実施形態では、受信用トランスデューサー52に接続される電極線521,522のうちの一方、例えば、電極線522が接続された端子部231は、例えばグランド回路等に接続され、第二電極426が、共通電位(例えば0電位)に設定される。
選択回路232は、制御装置10の制御に基づいて、超音波センサー24と送信回路233とを接続する送信接続、及び超音波センサー24と受信回路234とを接続する受信接続を切り替える。
送信回路233は、制御装置10の制御により送信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー24に超音波を発信させる旨の送信信号を出力する。
受信回路234は、制御装置10の制御により受信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー24から入力された受信信号を制御装置10に出力する。受信回路234は、例えば低雑音増幅回路、電圧制御アッテネーター、プログラマブルゲインアンプ、ローパスフィルター、A/Dコンバーター等を含んで構成されており、受信信号のデジタル信号への変換、ノイズ成分の除去、所望信号レベルへの増幅等の各信号処理を実施した後、処理後の受信信号を制御装置10に出力する。
分極回路235は、下部電極端子414P及び上部電極端子416Pの間に、第一分極電圧を印加して、駆動素子413の圧電膜415の分極処理を行う。
また、分極回路235は、端子521P及び端子522Pの間に、第二分極電圧を印加して、受信素子421の圧電膜422の分極処理を行う。
ここで、本実施形態では、受信用トランスデューサー52の第一電極425及び第二電極426の間のギャップG1の寸法が大きく、圧電膜422の圧電特性を十分に高めるためには、第一分極電圧よりも大きい第二分極電圧が必要となる。この第二分極電圧は、各受信用トランスデューサー52の第一電極425及び第二電極426の間に、10kV/cm以上の電界が加わるように設定されている。
なお、本実施形態では、電極425,426間の距離dは、d=6μmであり、第二分極電圧として30Vが印加される。したがって、各受信用トランスデューサー52の圧電膜422に500kV/cmの電界が印加されることになる。
コネクタ部236は、送信回路233、受信回路234に接続されている。また、コネクタ部236にはケーブル3が接続されており、上述したように、このケーブル3は、筐体21の通過孔21Cから引き出されて制御装置10に接続されている。
[制御装置10の構成]
制御装置10は、図2に示すように、例えば、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、演算部14と、を備えて構成されている。この制御装置10は、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部11は、ユーザーが超音波測定装置1を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタン、キーボード、マウス等により構成することができる。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部13は、超音波測定装置1を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
演算部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、演算部14は、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、送信回路233に対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行い、受信回路234に対して受信信号の周波数設定やゲイン設定などの制御を行う。
[受信用トランスデューサー52の製造方法]
次に、受信用トランスデューサー52の製造方法を説明する。
図12は、本実施形態の受信用トランスデューサー52の製造方法を示すフローチャートである。図13(A)〜図13(E)及び図14(A),(B)は、受信用トランスデューサー52の製造方法における各工程を模式的に示す図である。
受信用トランスデューサー52の製造では、まず、Siにより構成された基板本体部411の一面に対して、熱酸化処理を実施する(図12のステップS1:基板熱酸化工程)。このステップS1により、図13(A)に示すように、基板本体部411の表面のSiが酸化処理されてSiOとなり、支持膜412の支持層412Aが形成される。
次に、図13(B)に示すように、支持層412A上に表面層412Bを形成して、支持膜412を形成する(図12のステップS2:支持膜形成工程)。具体的には、ステップS1にて形成された支持層412A上に、例えばスパッタリング等によってZr層を形成し、当該Zr層に熱酸化処理を施すことで、ZrOにより構成された表面層412Bを形成する。
次に、表面層412Bの上に、溶液法でBiFeTiOを10nm積層することが有効である。BiFeTiOの焼成温度は600〜700℃である。
次に、図13(C)〜図13(E)に示すように、圧電膜422を形成する(図12のステップS3:圧電膜形成工程)。
このステップS3では、まず、図13(C)に示すように、表面層412B上に第一圧電膜423を形成する(図12のステップS31:第一圧電膜形成工程)。その後、図13(D)に示すように、第一圧電膜423上に第二圧電膜424を形成する(図12のステップS32:第二圧電膜形成工程)。
このステップS31及びS32では、例えば溶液法によりPZTを形成する。ここで、第二圧電膜424におけるPZTの各成分の組成比としては、Zr:Ti=52:48とすることが好ましい。このような組成とすることで、圧電膜422の圧電特性の更なる向上を図れる。また、この場合、第一圧電膜423は、第二圧電膜424と異なる組成比となるように形成される。
溶液法を用いたPZTの形成では、第一圧電膜423を形成する場合は表面層412B上に、第二圧電膜424を形成する場合は第一圧電膜423上にPZT溶液を塗布する(塗布工程)。この後、塗布されたPZT溶液を焼成する(焼成工程)。焼成工程では、例えばプレベーク400℃、RTA焼成700℃の条件にて実施する。この際、上述したように、ZrOにより構成された表面層412B上にPZTが形成されることで、PZTの結晶配向性を(100)配向に揃えやすくなる。なお、塗布工程及び焼成工程は、複数回繰り返して実施され、これにより、所望厚み寸法の圧電膜が形成される。
この後、形成された圧電膜を、エッチング処理(イオンミリング)によりパターニングし、図13(E)に示すような圧電膜422を形成する(図12のステップS33:パターニング工程)。
そして、図14(A)に示すように、支持膜412及び圧電膜422上に第一電極425及び第二電極426を形成する(図12のステップS4:電極形成工程)。第一電極425及び第二電極426は、例えば、スパッタリングにより電極材料を形成し、電極材料をエッチング処理等によりパターニングすることで形成される。電極材料としては、上述したように、例えばIr,Pt,IrOx,Ti,TiOx,SrRuO,LaNiO等を用いることができ、本実施形態ではPtを用いる。
この後、基板本体部411の支持膜412とは反対側の面に対してエッチング処理を行い、図14(B)に示すように、基板本体部411に開口部411Bを形成する(図12のステップS5:開口部形成工程)。このステップS5では、支持膜412のSiOにより構成された支持層412Aをエッチングストッパーとして、Siにより構成された基板本体部411をエッチングする。
以上により、受信用トランスデューサー52が形成される。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波測定装置1は、超音波プローブ2を備え、当該超音波プローブ2には、配線基板23と超音波デバイス22とにより構成された超音波センサー24が設けられている。また、超音波デバイス22は、超音波を受信する受信用トランスデューサー52が複数設けられた受信アレイRRを備えている。そして、受信用トランスデューサー52は、可撓部412Dと、可撓部412D上に設けられた圧電膜422と、少なくとも一部が圧電膜422上に設けられ、平面視においてギャップG1を介して対向する第一電極425及び第二電極426と、を備える。これらのうち、圧電膜422は、可撓部412D上に設けられた第一圧電膜423と、第一圧電膜423上に設けられた第二圧電膜424と、を備える。これら圧電膜423,424のうち、積層方向に可撓部412Dから遠く、超音波の受信時の面内歪みが大きい第二圧電膜424の方が、第一圧電膜423よりも比誘電率ε及び圧電e定数が大きく、すなわち、面内歪みが小さい第一圧電膜423の方が、比誘電率ε及び圧電e定数が小さい。
このような構成では、第二圧電膜424の圧電e定数が低減することによる、受信感度の低下を抑制しつつ、圧電膜422の比誘電率εを低減させることができ、超音波受信時における受信用トランスデューサー52からの出力電圧Vを増大させる、すなわち、受信用トランスデューサー52の受信感度を向上させることができる。したがって、高精度な超音波測定を実施可能な超音波センサー24及び超音波測定装置1を得ることができる。
また、本実施形態では、上述のように、圧電膜422は、第一圧電膜423と、当該第一圧電膜423よりも比誘電率が大きい第二圧電膜424との二層の圧電層を備える。このような構成では、各圧電層の比誘電率、圧電定数、及び厚み寸法等を適宜設定することにより、より確実に受信感度を向上させることができる。また、所望の圧電特性及び厚み寸法等の各圧電膜423,424を形成することにより、所望の特性(圧電特性)を有する圧電膜422を形成することができ、より容易に受信用トランスデューサー52の受信感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、第一電極425及び第二電極426は、少なくとも一部(各端面425A,426Aを含みXY平面に平行な平板部分)が、圧電膜422の支持膜412とは反対側の面、すなわち、中立点P0から遠い面である第二圧電膜424上に設けられている。この第二圧電膜424は、第一圧電膜423と比べて、圧電e定数が大きいうえ、超音波受信時における面内歪み量も大きいため、超音波受信時に生じる分極モーメントも大きくなる。したがって、本実施形態では、上述の構成により、例えば第一電極425及び第二電極426を第一圧電膜423の−Z側の面等の、中立点P0により近い位置に設ける場合と比べて、第一電極425及び第二電極426の間に生じる電位差を大きくすることができ、受信感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、各圧電膜423,424は、異なる組成比を有するものの、同一の構成材料により構成される。したがって、異なる材料を用いて形成する場合と比べて、製造コストの増大を抑制できる。また、製造時に、各圧電膜423,424層について異なる材料を供給可能な装置を用いたり、材料を交換する作業を実施したりする必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
本実施形態では、圧電膜422は、ペロブスカイト型遷移金属酸化物であるPZTにより構成されている。ペロブスカイト型遷移金属酸化物は圧電材料において圧電特性が高く、PZTは、その中でも特に圧電特性が高い(圧電e定数が高い)。このため、式(5)に示すように、可撓部412Dを変位させた際に圧電膜422から出力される電圧Vを大きくでき、受信用トランスデューサー52における受信感度を向上できる。
本実施形態では、可撓部412Dを構成する支持膜412は、圧電膜422に接する表面層412Bを含み、この表面層412Bは、遷移金属酸化物であるZrOにより構成されている。遷移金属酸化物(特にZrO)は、その表面にPZT等の圧電膜422を形成する際に、圧電膜422の結晶配向性を(100)配向に揃えやすい。よって、このような表面層412Bを設けることで、圧電膜422の圧電特性をより高めることができ、受信用トランスデューサー52における受信感度をさらに高めることができる。
本実施形態では、第一電極425及び第二電極426の間のギャップG1は、2μm以上8μm以下の距離dとされている。ここで、ギャップG1の距離が2μm未満である場合、圧電膜422の歪み量ηに対する出力電圧Vが小さくなり、受信感度が低下する。また、ギャップG1の距離が8μmより大きい場合、分極処理時において、分極電圧としてより大電圧を印加する必要が生じる。よって、分極回路235に用いられる電源構成が高価なものになり、装置コストが増大する。これに対して、上記のようなギャップG1を用いることで、圧電膜422の歪み量ηに対する出力電圧Vを十分に大きくでき、かつ、分極処理時における第二分極電圧も実用的な範囲に留めることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、受信用トランスデューサー52は、第一電極425及び第二電極426が対向して配置されていた。これに対して、第二実施形態では、第一電極425及び第二電極426の間に、中間電極が配置される点で相違する。
図15は、素子基板41の作動面側から見た受信用トランスデューサー53を模式的に示す平面図である。また、図16は、図15のC−C線で切断した際の断面を模式的に示す断面図である。
本実施形態の受信用トランスデューサー53は、図15及び図16に示すように、受信素子421Aは、第一電極425と、第二電極426と、圧電膜422と、中間電極427と、を備える。
中間電極427は、平面視において、Y方向に沿って開口部411Bの内外に亘って支持膜412及び圧電膜422上に設けられる。この中間電極427は、平面視において圧電膜422と重なる中間電極本体部427Aと、中間電極本体部427Aの±Y側の端部からY方向に沿って延出する中間引出部427Bと、を有する。
中間電極本体部427Aは、平面視において、第一電極425と第二電極426との間で、かつ、各電極425,426から等距離となる位置に配置されている。中間電極427の−X側端面427C1は、第一電極425の第一端面425Aと対向し、ギャップG2(第二ギャップ)を介して離間している。また、中間電極427の+X側端面427C2は、第二電極426の第二端面426Aと対向し、ギャップG3(第二ギャップ)を介して離間している。これらのギャップG2及びギャップG3のギャップ寸法(電極間の離間距離)は同一となる。
なお、中間電極427は、Y方向に沿って、受信領域Ar12から端子領域Ar2に亘って設けられる。すなわち、中間電極427は、Y方向に沿って設けられた複数の受信用トランスデューサー53において共通の電極となる。
このように構成された受信用トランスデューサー53では、第一電極425及び第二電極426は、それぞれ電極線521及び電極線522を介して、配線基板23の受信回路234に含まれる共通電位回路に接続され、共通電位(例えば0電位)に設定されている。すなわち、第一電極425及び第二電極426は、共通電極(COM電極)として機能する。
一方、中間電極427は、端子領域Ar2において配線基板23の受信回路234に接続されている。これにより、中間電極427と第一電極425との間の電位差、及び中間電極427と第二電極426との間の電位差に応じた信号が、配線基板23の受信回路234において検出される。すなわち、中間電極427は、上記電位差に応じた信号を出力する信号電極(SIG電極)として機能する。
なお、本実施形態では、中間電極427をSIG電極とし、第一電極425及び第二電極426をCOM電極とする例を示したが、これに限定されず、例えば、中間電極427をCOM電極とし、第一電極425及び第二電極426をSIG電極として機能させてもよい。この場合、第一電極425及び第二電極426から出力された電圧信号を加算して、超音波の受信信号として検出する。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、第一電極425及び第二電極426の間に中間電極427が配置され、第一電極425及び中間電極427の間と、第二電極426及び中間電極427の間とに静電容量が形成される。このような構成では、互いに対向する各電極間の対向面の面積を増大させることができ、受信用トランスデューサー52における合成静電容量を増大させることができる。
ここで、受信用トランスデューサー52が有する合成静電容量をCとし、外部回路(例えば配線基板23の受信回路234までの回路等)における浮遊容量をCとすると、受信回路234において検出される出力電圧Vは、以下式(6)により示される。
[数3]
V=Q/(C+C
=(Q/C)×{C/(C+C)} ・・・(6)
式(6)に示されるように、受信回路234にて検出される出力電圧Vは、本来検出したい値(Q/C)とはならず、浮遊容量Cに基づいた誤差成分が含まれる。
これに対して、本実施形態では、上述のように、受信用トランスデューサー52が有する合成静電容量Cを大きくできるため、式(6)におけるC/(C+C)の値を「1」に近付けることが可能となる。このため、外部回路の浮遊容量Cの影響を抑制でき、高い受信感度を得ることができる。
また、第一電極425及び中間電極427のギャップG2と、第二電極426及び中間電極427のギャップG3とが、同一寸法となる。すなわち、静電容量を形成する各電極対において電極間の距離が等しくなるように構成されている。このため、電極間の距離が最小となる電極対に電荷が集中することを抑制できる。したがって、各電極対をキャパシターとして機能させることができ、静電容量をより確実に増大させることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る第三実施形態について説明する。
上記第二実施形態では、第一電極425と、第二電極426との間に一つの中間電極427が配置されていた。これに対して、第三実施形態では、複数の中間電極が第一電極及び第二電極との間に配置される点で、上記第二実施形態と相違する。
図17は、素子基板41の作動面側から見た受信用トランスデューサー54を模式的に示す平面図である。また、図18は、図17のD−D線で切断した際の断面を模式的に示す断面図である。
本実施形態の受信用トランスデューサー54の受信素子421Bは、図17に示すように、第一電極425及び第二電極426と、圧電膜422との他に、第一中間電極428と、第二中間電極429と、を備える。
第一中間電極428は、本発明の中間電極であり、平面視において、Y方向に沿って開口部411Bの内外に亘って支持膜412上に設けられる。第一中間電極428は、第三実施形態の受信用トランスデューサー54が備える中間電極427と同様に構成され、第一中間電極本体部428Aと、第一中間引出部428Bと、を有する。この第一中間電極428は、−X側の端面428C1が、第一電極425の第一端面425Aと、ギャップG4(第二ギャップ)を介して離間して対向するように配置されている。
第二中間電極429は、本発明の中間電極に相当し、第一中間電極428と略同様に構成され、第一電極425、第二電極426、及び第一中間電極428と同一平面上に配置されている。この第二中間電極429は、平面視において、−X側の端面429C1が、第一中間電極428の+X側の端面428C2と、ギャップG5(第二ギャップ)を介して離間している。また、第二中間電極429は、+X側の端面429C2が、第二電極426の第二端面426Aと、ギャップG6(第二ギャップ)を介して離間している。
そして、これらのギャップG4、ギャップG5、及びギャップG6のギャップ寸法(電極間の離間距離)は、同一寸法となる。
このように構成された受信用トランスデューサー54は、Y方向に沿い、圧電膜422の平面視における中心位置を通り、Y方向に沿う仮想線Lに対して線対称となるように構成される。すなわち、第一電極425と、第一中間電極428と、第二中間電極429と、第二電極426とが、平面視において等間隔に配置される。また、第一中間電極428と第二中間電極429とは、平面視において、仮想線Lを挟み、圧電膜422の中心を挟む位置に配置される。つまり、可撓部412Dが振動した際の振幅が最大となる位置であり、圧電膜422の歪み量が最大となる位置に、電極が形成されていない。したがって、本実施形態では、圧電膜422の最も歪みが大きい位置において発生する電位差を第一中間電極428及び第二中間電極429により検出することが可能となる。
本実施形態では、第一電極425及び第二中間電極429はCOM電極として機能し、共通電位(例えば0電位)に設定されている。一方、第二電極426及び第一中間電極428はSIG電極として機能し、配線基板23の受信回路234に電極間の電位差に応じた信号を出力する。
[第三実施形態の作用効果]
本実施形態では、第二実施形態と同様の作用効果に加えて、更に、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、圧電膜422の中心位置と重ならない位置に、中間電極428,429が設けられている。すなわち、圧電膜422の歪みが最大となる位置に電極が配置されておらず、圧電膜422からの出力電圧Vを大きくすることができ、検出感度を向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、圧電膜422として、第一圧電膜423と第二圧電膜424との二層の圧電膜が積層された構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、三層以上の圧電膜が積層された構成としてもよい。この場合でも、各圧電膜の比誘電率は、可撓部412Dから遠ざかるにしたがって、大きくなるように設定されている。
また、圧電膜422として、可撓部412Dから遠ざかるにしたがって比誘電率が大きくなる一層の圧電膜を用いてもよい。一層の圧電膜であっても、比誘電率が膜厚方向で変化していれば、本発明と同等の効果を有する。この膜厚方向での比誘電率のコントロールは、下地層、この場合は表面層412Bからのエピタキシャル応力を用いて実現することができる。すなわち表面層412Bが圧電膜422に圧縮応力をかけるのであれば、圧電体の分極モーメントはZ方向(膜面に垂直方向)に向き、その結果として、表面層412Bに近い圧電膜ほど比誘電率が低下することになる。特に、前記した圧電膜422への圧縮応力印加について有効な手段として、表面層412B層と圧電膜422の間に、ペロブスカイト型構造を有するBiFeTiOを10nm程度積層することが有効である。
上記各実施形態では、第一電極425及び第二電極426が同一平面内に設けられる構成としたが、本発明はこれに限定されず、ない。例えば、第一電極425が、圧電膜422と可撓部412Dとの間や圧電膜422の内部に設けられ、第二電極426が、圧電膜422上に設けられる構成などとしてもよい。
また、第二実施形態及び第三実施形態では、第一実施形態の受信用トランスデューサー52に対して、中間電極427,428,429を可撓部412D上に設ける構成を例示したが、これに限定されず、第一電極425や第二電極426と異なる平面に形成してもよい。例えば、中間電極427,428,429が、圧電膜422と可撓部412Dとの間や圧電膜422の内部に設けられる構成としてもよい。
上記各実施形態では、第一電極425の第一端面425Aと、第二電極426の第二端面426Aとが平行となる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第一端面425A及び第二端面426Aの一部のみが平行となる構成などとしてもよい。
第二実施形態では、第一電極425及び第二電極426の間に1つの中間電極427が設けられる構成を例示し、第三実施形態において、第一電極425及び第二電極426の間に2つの中間電極428,429が設けられる例を示したが、さらに、3つ以上の中間電極が設けられる構成としてもよい。
ただし、この場合、圧電膜422を分極処理する際の分極電圧も増大する。したがって、中間電極の数としては、第二実施形態や第三実施形態のように、1〜2個とすることが好ましい。
上記各実施形態では、圧電膜422として、ペロブスカイト型遷移金属酸化物であるPZTを例示したが、これに限定されない。
圧電膜422を構成するペロブスカイト型遷移金属酸化物として、PZTの他、例えばBiBaFeTiO、KNaNbO、BST(チタン酸バリウムストロンチウム:(BaSr1−x)TiO)、SBT(タンタル酸ビスマスストロンチウム:SrBiTa)等を用いてもよい。
また、支持膜412が支持層412Aと表面層412Bとの二層により構成される例を示したが、これに限定されない。例えば、支持膜412が、遷移金属酸化物(ZrO)である表面層412Bのみにより構成されていてもよく、三層以上の積層体により構成される構成としてもよい。
さらに、表面層412Bとして、ZrO層により構成される例を示したがこれに限定されない、例えばTiO等により構成されていてもよい。
上記第一実施形態では、受信用トランスデューサー群52Aは、電極線521,522の間で、複数の受信用トランスデューサー52が並列に接続される構成を示すが、これに限定されない。
図19は、受信アレイRRの一変形例を模式的に示す平面図である。
図19に示す例の受信用トランスデューサー群52Bは、Y方向に沿って設けられた一対の電極線521,522と、これら一対の電極線521,522の間で複数(図19に示す例では3つ)の受信用トランスデューサー52がX方向に沿って直列に接続された直列部SCと、を有する。そして、直列部SCは、Y方向に沿って複数配置され、一対の電極線521,522の間で並列に接続されている。
このような構成では、直列部SCに接続された各受信用トランスデューサー52から出力される電圧信号が加算されて出力されるので、受信信号を大きくでき、受信感度の向上を図れる。
上記実施形態において、第一電極425及び第二電極426が、2μm以上8μm以下の寸法のギャップG1を介して離間する例を示したが、これに限定されない。
例えばギャップG1の寸法としては、2μm未満としてもよい。ただし、この場合では、上述したように、電極間の距離dが小さく、圧電膜422からの出力電圧Vが低下することが考えられるが、分極処理における第二分極電圧を小さくできる。また、図19に示すように、複数の受信用トランスデューサー52により、直列部SCを構成することで、受信信号の増大を図れる。
また、分極回路235として、分極処理に各受信用トランスデューサー52に印加する第二分極電圧として、より大きい電圧を印加可能な電源構成を用いる場合では、ギャップG1の寸法を8μmより大きくしてもよい。
上記各実施形態では、受信用トランスデューサー52,53,54は、平面視において、Y方向に平行で、かつ、圧電膜422の中心位置を通る仮想線Lに対して略線対称に構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、平面視において、第一電極425と第二電極426とのギャップG1の中心位置が、上記仮想線Lと重ならないように構成されてもよい。
上記各実施形態では、受信用トランスデューサー52,53,54は、平面視において矩形状の圧電膜422を有し、矩形状の第一電極425及び第二電極426を備える構成としたが、これに限定されない。例えば、本発明の圧電体として、平面視において、各種多角形状、円状、及び楕円状等となる圧電膜を用いてもよい。具体的には、受信用トランスデューサーとして、平面視において円状の圧電膜と、圧電膜の中心位置に重なる円状の第一電極と、第一電極の周囲の少なくとも一部を囲む環状の第二電極と、を備える構成を採用してもよい。また、さらに、第一電極と第二電極との間に、環状の中間電極を備える構成としてもよい。
上記各実施形態では、送信アレイTR(送信用トランスデューサー51)及び受信アレイRR(受信用トランスデューサー52,53,54)において、素子基板41、封止板43、音響整合層44、及び音響レンズ45を共通部材とする例を示したが、これに限定されない。
例えば、送信用素子基板に送信アレイTRを設け、受信用素子基板に受信アレイRRを設ける構成としてもよい。封止板43、音響整合層44、及び音響レンズ45においても同様に、送信アレイTRと受信アレイRRとにおいて、それぞれ別部材としてもよい。
上記実施形態では、支持膜412(可撓部412D)の基板本体部411とは反対側に、音響整合層44及び音響レンズ45が設けられる構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、音響整合層44及び音響レンズ45が支持膜412(可撓部412D)の基板本体部411側に設けられ、開口部411A,411B内に音響整合層44が充填される構成としてもよい。この場合、封止板43は、支持膜412の基板本体部411とは反対側に設けられ、平面視において、開口部411A,411Bに対向する位置に凹溝を備える構成とする。このような構成では、送信用トランスデューサー51や受信用トランスデューサー52,53,54の各電極が、音響整合層44側に露出せず、超音波デバイス22における防水性を高めることができる。
上記各実施形態では、生体内の器官を測定対象とする超音波測定機を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う超音波測定機に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する超音波測定機にも本発明を適用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…超音波測定装置(電子機器)、2…超音波プローブ、10…制御装置、13…記憶部、14…演算部、22…超音波デバイス、23…配線基板、24…超音波センサー(圧電モジュール)、41…素子基板、43…封止板、44…音響整合層、45…音響レンズ、52,53,54…受信用トランスデューサー、52A,52B…受信用トランスデューサー群、233…送信回路、234…受信回路、235…分極回路、411…基板本体部、411B…開口部、412…支持膜、412A…支持層、412B…表面層、412D…可撓部(可撓膜)、421,421A,421B…受信素子、422…圧電膜(圧電体)、423…第一圧電膜、424…第二圧電膜、425…第一電極、425A…第一端面、426…第二電極、426A…第二端面、427…中間電極、428…第一中間電極、429…第二中間電極、521,522…電極線、Ar12…受信領域、G1〜G6…ギャップ、RR…受信アレイ。

Claims (10)

  1. 可撓膜と、
    前記可撓膜に設けられる圧電体と、
    前記圧電体に設けられる第一電極と、
    前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極と、を備え、
    前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなる
    ことを特徴とする圧電素子。
  2. 請求項1に記載の圧電素子において、
    前記圧電体は、複数層により構成され、前記可撓膜上に設けられる第一圧電層と、前記第一圧電層よりも比誘電率が大きい第二圧電層を備える
    ことを特徴とする圧電素子。
  3. 請求項2に記載の圧電素子において、
    前記第一圧電層及び前記第二圧電層は、同一の構成材料により構成され、それぞれ構成する組成比が異なる
    ことを特徴とする圧電素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記圧電体は、ペロブスカイト型遷移金属酸化物により構成される
    ことを特徴とする圧電素子。
  5. 請求項4に記載の圧電素子において、
    前記圧電体は、PbとZrとTiを含む
    ことを特徴とする圧電素子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記可撓膜は、前記圧電体に接する第一層を含み、当該第一層は、絶縁性を有する遷移金属酸化物により構成されている
    ことを特徴とする圧電素子。
  7. 請求項6に記載の圧電素子において、
    前記第一層は、ZrOにより構成されている
    ことを特徴とする圧電素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記ギャップは、2μm以上、8μm以下である
    ことを特徴とする圧電素子。
  9. 可撓膜と、
    前記可撓膜に設けられる圧電体と、
    前記圧電体に設けられる第一電極と、
    前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極と、
    前記第一電極及び前記第二電極と電気的に接続される端子部を有する配線基板と、を備え、
    前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなる
    ことを特徴とする圧電モジュール。
  10. 可撓膜、前記可撓膜に設けられる圧電体、前記圧電体に設けられる第一電極、及び、前記圧電体に設けられ、前記可撓膜の厚さ方向から見た平面視で、前記第一電極と所定のギャップを介して対向する第二電極を備えた圧電素子と、
    前記圧電素子を制御する制御部と、を備え、
    前記圧電体の比誘電率は、前記可撓膜から遠ざかるにしたがって大きくなる
    ことを特徴とする電子機器。
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