JP2016225420A - 圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、圧電モジュール、及び電子機器 - Google Patents

圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、圧電モジュール、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の性能を有する圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール、及び電子機器を提供する。【解決手段】超音波デバイス(圧電デバイス)は、デバイス基板10及び振動板20を含む基板と、基板上に設けられた第1圧電素子30と、第1圧電素子30及び基板上に設けられた第1保護膜40と、第1保護膜40上に設けられた第2圧電素子50と、を備える。この超音波デバイスは、基板上に第1圧電素子30を形成し、第1圧電素子30及び基板上に第1保護膜40を形成し、第1保護膜40上に、第2圧電素子50を形成することにより製造される。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、圧電モジュール、及び電子機器に関する。
従来、圧電デバイス(圧電素子モジュール)を備え、当該圧電デバイスを、超音波を受発信する超音波トランスデューサーとして用いる超音波デバイスが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超音波デバイスは、超音波を発信する発信用超音波トランスデューサーと、超音波を受信する受信用超音波トランスデューサーと、を備える。これら発信用及び受信用の各超音波トランスデューサーは、それぞれの用途に有利な圧電特性を有する圧電体を用いて形成されている。このように構成された上記超音波デバイスによれば、超音波の発信と受信との両方の感度を向上させることができる。
特許文献1に記載のような異なる2種類の圧電デバイスを具備する超音波デバイスは、1つ目の圧電デバイスの導電体層(下部電極)をパターニング形成した後、1つ目の圧電デバイスの圧電体層、及び第1導電体層を積層形成し、圧電体層及び第1導電体層をパターニングする。この後、パターニングされた圧電体層及び第1導電体層を覆う第2導電体層を形成し、この第2導電体層のうち、第1圧電デバイスと、第2圧電デバイスの下部電極部分との領域以外を除去(エッチング)してパターニングし、第2圧電デバイスの圧電体層を積層して、第3導電体層を積層して、パターニングする。
特開2014−194993号公報
ところで、超音波トランスデューサーの超音波特性は、圧電体の配向性の影響を受ける。例えば、PZT薄膜の場合では、(100)面方向に優先配向させることで高い圧電定数が得られるが、(110)方向や(111)方向への配向成分が含まれると、圧電特性が低下してしまう。
上記特許文献1に記載の製造方法では、1つ目の圧電デバイスの上部電極(第2導電体層)のパターニングの際に、同時に2つ目の圧電デバイスの下部電極を形成する。この場合、パターニング時のマスクの除去等により、2つ目の圧電デバイスの下部電極の表面が粗面となることがあり、その結果、2つ目の圧電デバイスの下部電極上に積層される圧電体層の配向性が低下し、結果として、圧電特性が低下してしまうとの課題がある。
本発明は、所望の性能を有する圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、圧電モジュール、及び電子機器を提供する。
本発明に係る一適用例の圧電デバイスの製造方法は、第1圧電素子と、第2圧電素子とを同一基板上に具備する圧電デバイスの製造方法であって、前記基板上に前記第1圧電素子を形成する第1圧電素子形成工程と、前記第1圧電素子及び前記基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜上に、前記第2圧電素子を形成する第2圧電素子形成工程と、を実施することを特徴とする。
本適用例では、基板上に第1圧電素子を形成した後、第1圧電素子及び基板上に保護膜を形成する。そして、保護膜上に第2圧電素子を形成する。
このような製造方法では、第2圧電素子は、保護膜を下地として形成されるため、例えば、エッチング等によって表面が粗となる電極等の部材上に圧電材料を形成する場合と比べて、第2圧電素子を所望の配向に調整することができる。これにより、第1圧電素子及び第2圧電素子を所望の圧電特性に調整することができ、所望の性能の圧電デバイスを容易に形成できる。
本適用例の圧電デバイスの製造方法において、前記第2圧電素子形成工程は、前記保護膜上に下部導電層を積層する下部導電層積層工程と、前記下部導電層上に圧電体層を積層する圧電体層積層工程と、前記下部導電層及び前記圧電体層をパターニングするパターニング工程と、を実施することが好ましい。
本適用例では、保護膜上に第2圧電素子を形成するために、当該保護膜上に下部導電層と圧電体層とを順次積層し、これら下部導電層及び圧電体層をパターニングする。
ここで、圧電体は、圧電体の下層の材料や表面性状に応じた配向性を示す。このため、下部導電層の表面性状に応じて圧電体の配向性を調整することができる。本適用例によれば、パターニングする前の下部導電層、すなわち、表面性状が維持された状態の下部導電層上に圧電体層を形成するため、圧電体の配向性をより確実に調整できる。
また、本適用例によれば、基板上に形成された保護膜上に下部導電層を形成する。このため、第1圧電素子を形成する際にエッチング等によって加工された後の基板表面よりも均一な表面性状を有する保護膜上に、下部導電層を形成できる。従って、所望の表面性状を有する下部導電層を形成することができ、基板上に電極を設ける場合と比べて、圧電体の配向性をより確実に調整できる。
以上のように、第1圧電素子と、第2圧電素子とを基板上に備える圧電デバイスを製造する際に、所望の圧電特性の圧電体を有する第2圧電素子を形成でき、所望の特性を有する第2圧電素子を形成できる。
本適用例の圧電デバイスの製造方法において、前記パターニング工程の後に、第2の圧電体層を積層する第2圧電体層積層工程と、前記第2の圧電体層をパターニングする第2パターニング工程と、を実施することが好ましい。
本適用例では、下部導電層と圧電体層とをパターニングして、第2圧電素子における下部電極を形成した後、圧電体層と共に圧電体を構成する第2の圧電体層を積層する。
これによれば、上述のように、下部導電層と圧電体層とをパターニングして形成した際に下部電極の一部(例えば、側面)が露出したとしても、第1電極を覆うように第2の圧電体層を積層することにより、第2の圧電体層上に上部電極を形成する場合に、下部電極と上部電極とが接触せず、高品質な圧電デバイスを製造できる。
本適用例の圧電デバイスの製造方法において、前記第2の圧電体層積層工程は、金属下地層を形成した後、前記第2の圧電体層を形成するための圧電材料を積層してアニール処理を実施するアニール工程を複数回実施して、前記第2の圧電体層を形成することが好ましい。
本適用例では、第2の圧電体層を積層する際に、第1電極、圧電体層、及び基板上に金属下地層を形成し、圧電材料を金属下地層上に配置してアニール処理を行い、第2の圧電体層を形成する。これによれば、金属膜を下地とすることにより、より確実に、基板上に第2の圧電体層を形成できる。また、アニール処理によりこの金属膜を圧電体に拡散させることができる。
本適用例の圧電デバイスの製造方法において、前記保護膜が、AlOx、TaOx、及びBaOxのいずれかであることが好ましい。
本適用例では、保護膜として、還元因子を含まず(すなわち、電極や圧電体に対する還元性が小さい)、かつ、水素透過性が低く、許容値とすることができる材料を用いて形成される。これにより、保護膜と接する電極や圧電体の劣化を抑制できる。また、保護膜に覆われた第1圧電素子の劣化を抑制できる。
本発明の参考技術に係る超音波デバイスの製造方法は、第1圧電素子と、第2圧電素子とを同一基板上に具備する超音波デバイスの製造方法であって、前記基板上に前記第1圧電素子を形成する第1圧電素子形成工程と、前記第1圧電素子及び前記基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜上に、前記第2圧電素子を形成する第2圧電素子形成工程と、を実施することを特徴とする。
本参考技術では、上記適用例の圧電デバイスの製造方法と同様の効果を得ることができる。従って、圧電体が所望の圧電特性を有することにより、所望の性能の超音波デバイスを製造できる。
本発明の一適用例の圧電デバイスは、基板と、前記基板上に設けられた第1圧電素子と、前記第1圧電素子及び前記基板上に設けられた保護膜と、前記保護膜上に設けられた第2圧電素子と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、第1圧電体及び基板を覆う保護膜上に、第2圧電素子の第1電極が形成され、当該第1電極上に圧電体が形成される。
このような圧電デバイスは、上述の一適用例である圧電デバイスの製造方法を用いて形成することができる。従って、本適用例では、所望の性能の第2圧電素子を備える圧電デバイスを提供できる。
本発明の参考技術に係る超音波デバイスは、基板と、前記基板上に設けられた第1圧電素子と、前記第1圧電素子及び前記基板上に設けられた保護膜と、前記保護膜上に設けられた第2圧電素子と、を備えることを特徴とする。
本参考技術では、上記適用例の圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
従って、圧電体が所望の圧電特性を有することにより、所望の性能を有する超音波デバイスを提供できる。
本発明の一適用例の圧電モジュールは、上記適用例の圧電デバイスと、前記圧電デバイスが設けられる回路基板と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上記適用例の圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
従って、圧電体が所望の圧電特性を有することにより、所望の圧電特性に応じて、高精度に制御可能な圧電モジュールを提供できる。
本発明の一適用例の電子機器は、基板と、前記基板上に設けられた第1圧電素子と、前記第1圧電素子及び前記基板上に設けられた保護膜と、前記保護膜上に設けられた第2圧電素子と、前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子の駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上記適用例の圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
従って、圧電体が所望の圧電特性を有することにより、所望の圧電特性に応じて、高精度に制御可能な電子機器を提供できる。
本発明の第一実施形態に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの一部を拡大して示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 上記実施形態に係る超音波デバイスの製造工程を示す図。 本発明の第二実施形態に係る超音波測定機を模式的に示す図。 上記実施形態に係る超音波測定機の概略構成を示すブロック図。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[超音波デバイスの構成]
図1は、本発明の第一実施形態に係る圧電デバイスとしての超音波デバイスを模式的に示す平面図である。また、図2は、図1に示す超音波デバイスの一部を拡大して示す図であり、図2(A)は、当該一部を示す平面図であり、図2(B)は、断面図である。
超音波デバイス1は、デバイス基板10と、振動板20と、第1圧電素子30と、本発明の保護膜に相当する第1保護膜40と、第2圧電素子50と、第2保護膜60(図2(A)参照)と、を備える。これらのうち第2保護膜60は、後述するが、圧電体膜の外部に露出した部分が、水分の侵入等により劣化することを防ぐ等の目的で超音波デバイス1上に適宜設けられる。
デバイス基板10は、例えば、(100)、(110)、又は(111)配向を有する単結晶シリコンによって構成される。また、シリコン材料以外にもZrO及びAl等によって例示されるセラミック材料及びガラスセラミック材料や、MgO及びLaAlO等によって例示される酸化物基板材料や、SiC、SiO、Si及び各種多結晶シリコン等によって例示されるような無機材料を使用できる。さらに、これら材料の組合せによる積層材料を使用できる。
このデバイス基板10は、厚み方向に沿った開口部11がアレイ状に複数設けられる。
振動板20は、デバイス基板10の一方の面を覆って設けられており、開口部11の厚み方向に沿った一端側を閉塞する。この振動板20は、第1層21と、第2層22とを有する。なお、デバイス基板10及び振動板20により、本発明の基板が構成される。
第1層21は、単結晶シリコンであるデバイス基板10が酸化されて形成されたSiOを主成分とする。この第1層21は、第2層22よりもデバイス基板10側に位置し、後述するように、開口部11を形成する際のストッパー膜として機能する。
第2層22は、第1層21上に形成される。この第2層22は、Y、TiO、ZrO、HfO、V、Nb、Ta、WO、AlN、TiN、及びSiの少なくとも1つを主成分とする。本実施形態では、ZrOによって形成される。
なお、本実施形態では、振動板20が2層構造である例を示すが、これに限定されず、3層以上であってもよく、1層であってもよい。また、デバイス基板10に凹溝状の開口部が設けられ、当該凹溝状の開口部の底面が振動板として機能する構成としてもよい。
本実施形態では、Si基板の一方の面を酸化処理することにより均一なSiO層を形成し、かつ、当該SiO層をエッチングストッパー層としてデバイス基板10をエッチングすることにより、一端側が振動板20により閉塞される開口部11を容易に形成することができる。
ここで、本実施形態では、第1圧電素子30に矩形パルスを印加することにより、振動板20を振動させ、所定周波数の超音波を送信する。すなわち、本実施形態では、第1圧電素子30及び振動板20により発信用超音波トランスデューサーTが構成される。
また、振動板20が超音波を受信することにより振動し、当該振動による第2圧電素子の変形により、第2圧電素子から振動に応じた(受信超音波に応じた)信号が出力される。すなわち、本実施形態では、第2圧電素子及び振動板20により受信用超音波トランスデューサーRが構成される。
発信用超音波トランスデューサーTを構成する第1圧電素子30は、振動板20を振動させて超音波を発生させる。この第1圧電素子30は、下部電極31と、圧電体層32と、上部電極33と、を備え、デバイス基板10の厚み方向における平面視(以下、単に平面視とも称する)にて、振動板20上における開口部11に重なる位置に設けられる。
下部電極31は、各第1圧電素子30に設けられた個別電極である。この下部電極31は、振動板20上に設けられる。下部電極31は、例えば、Ti、Pt、Ir、SrRuO、及びLaNiOの少なくとも1つを主成分とした導電体により構成される。
なお、下部電極31は、後述する第3導電体層333に接続する。この第3導電体層333は、下部電極31の引出電極として機能する。
上部電極33は、共通電極であり、第1導電体層331と、第2導電体層332とを備える。
第1導電体層331は、圧電体層32上に設けられる。
第2導電体層332は、平面視において、第1導電体層331の少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2導電体層332は、平面視において圧電体層32と重ならない領域に設けられ、引出配線としても機能する。
これら第1導電体層331及び第2導電体層332は、例えば、Ti,Pt、Ir、SrRuO、及びLaNiOの少なくとも1つを主成分とした導電体により構成される。
圧電体層32は、第1圧電体膜321と、第2圧電体膜322と、を備え、下部電極31と上部電極33との間に印加された電圧に応じて、面内方向に収縮する。
第1圧電体膜321及び第2圧電体膜322は、例えば、鉛(Pb)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)を含むペロブスカイト構造の酸化物で形成される。本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT;Zr/Ti=52/48組成)で形成される。
第1保護膜40は、本発明の保護膜に相当し、第1圧電素子30と、振動板20上の当該第1圧電素子30が設けられていない領域とを覆って設けられる。この第1保護膜40は、発信用超音波トランスデューサーTと、受信用超音波トランスデューサーRとを分離する。また、第1保護膜40は、超音波デバイス1の製造時において、第1圧電素子30を保護する。
第1保護膜40は、還元因子を含まず(すなわち電極材料を還元しない)、水素透過性が低く、かつ、上部電極33及び振動板20に対して密着性が高い材料を用いて形成される。この第1保護膜40の形成材料として、例えば、AlOx、TaOx、及びBaOx等を用いることができる。
受信用超音波トランスデューサーRを構成する第2圧電素子50は、超音波の反射波(エコー波)による振動板20の振動に応じた電気信号を発生させる。この第2圧電素子50は、下部電極51と、圧電体層52と、上部電極53と、を備え、平面視にて、第1保護膜40上における開口部11に重なる位置に設けられる。
下部電極51は、各第2圧電素子50に設けられた個別電極である。この下部電極51は、第1保護膜40上に設けられる。
上部電極53は、共通電極であり、第1導電体層531と、第2導電体層532とを備える。第1導電体層531は、圧電体層32上に設けられる。また、第2導電体層532は、平面視において、第1導電体層331の少なくとも一部を覆うように設けられる。また、第2導電体層532は、平面視において、圧電体層32と重ならない領域に設けられ、引出配線としても機能する。
圧電体層52は、第1圧電体膜521と、第2圧電体膜522と、を備え、振動板20の振動に応じて変形され、当該変形に応じた電圧を、圧電体層52(第1圧電体膜521及び第2圧電体膜522)の間に発生させる。
なお、圧電体層52は、圧電材料が異なる以外は、第1圧電素子30の圧電体層32と基本的に同様に構成される。
第1圧電体膜521及び第2圧電体膜522は、第1圧電素子30における第1圧電体膜321及び第2圧電体膜322よりも、比誘電率が高く、d定数が高く、かつ、ヤング率が低い材料を用いて形成されることが好ましい。これにより、第2圧電素子50の圧電体層を、第1圧電素子30の圧電体層と同一の材料を用いて形成する場合と比べて、反射波の検出感度を向上させることができる。
第1圧電体膜521及び第2圧電体膜522は、例えば、鉛(Pb)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)を含むペロブスカイト構造の酸化物であるPZTにNbを添加した圧電材料(PZTN)を用いて形成される。
図1に示す例では、超音波デバイス1は、上述の発信用超音波トランスデューサーT(第1圧電素子30)の列と、受信用超音波トランスデューサーR(第2圧電素子50)の列とが、交互に配置されて構成される。このような超音波デバイス1では、各超音波トランスデューサーT,Rが列毎に駆動され、ラインスキャンやセクタースキャンが実現される。
なお、各列に含まれる超音波トランスデューサーの個数や列数に応じて超音波の出力と入力とのレベルが決定される。
[超音波デバイスの製造方法]
次に、上述の超音波デバイス1の製造方法について、図面に基づいて説明する。
図3〜図20は、超音波デバイス1の製造工程を模式的に示す図である。
本実施形態では、第1圧電素子30を形成した後、第1保護膜40を形成し、当該第1保護膜40上に第2圧電素子50を形成し、開口部11を形成することにより、発信用超音波トランスデューサーT及び受信用超音波トランスデューサーRを備える超音波デバイス1を製造する。
図3(A)に示すように、デバイス基板10上に振動板20を構成する第1層21及び第2層(酸化ジルコニウム層)22を形成する。
第1層21は、単結晶シリコンによって構成されたデバイス基板10の表面に形成された熱酸化膜である。この第1層21は、デバイス基板10に開口部11を形成する際のストッパー層として機能する。
第2層22は、スパッタ法によって第1層21上にZr層を形成し、当該Zr層にアニール処理(例えばランプアニールやファーネスアニール)を施すことによって形成される。このようにして、第1層21及び第2層22を形成して、振動板20を形成する。
次に、図3(B)に示すように、振動板20上に下部電極31を形成する。下部電極31は、例えば、スパッタ法にて、Ti層(20nm)、Pt層(130nm)、Ir層(10nm)、Ti層(6nm)を順次成膜することにより形成される。
次に、図3(C)に示すように、形成された直後の下部電極31上に第1圧電体膜321を形成する。第1圧電体膜321は、例えば、スピンコートによってPZT溶液を下部電極31上に塗布し、乾燥工程及び脱脂工程を実施することにより形成される。
この第1圧電体膜321は、下部電極31の表面性状や材料に応じた配向性を示す。このため、下部電極31を形成した直後に第1圧電体膜321を形成することにより、所望の表面性状を有する下部電極31上に第1圧電体膜321を形成することができ、所望の配向性を有する第1圧電体膜321を形成することができる。
次に、図4に示すように、下部電極31及び第1圧電体膜321をパターニングし、所望の形状に成形する。下部電極31及び第1圧電体膜321のパターニングは、例えば、ドライエッチングによって実施される。
次に、図5に示すように、図4に示す中間構造体M1の上面側の略全面に金属下地層323として、例えばTi層(3〜10nm)を成膜する。なお、金属下地層323は必ずしも設けなくてもよい。
次に、図6に示すように、下部電極31及び第1圧電体膜321を覆う位置に第2圧電体膜322として、例えばPZT膜(1.2μm)を成膜する。PZT膜は、成膜材料の塗布工程及びアニール(結晶化)工程を繰り返すことにより形成される。なお、金属下地層323は、アニール工程を行うことにより、PZT膜である第1圧電体膜321又は第2圧電体膜322に拡散して消失する。
この第2圧電体膜322は、第1圧電体膜321と同様に、下地となる金属下地層323の表面性状や材料に応じた配向性を示す。このため、金属下地層323を形成直後に第2圧電体膜322を成膜することにより、上述のように、所望の配向性を有する第2圧電体膜322を形成することができる。
次に、図7に示すように、上部電極33を構成する第1導電体層331を形成し、第2圧電体膜322を成形する。具体的には、図6に示す中間構造体M2の上面側の略全面に第1導電体層331として、例えばIr層(10nm)を成膜する。その後、Ir層及び圧電体層32をパターニングし、第1導電体層331を形成し、下部電極31の一部を露出させる(図7(A)参照)。Ir層及び圧電体層32のパターニングでは、図7(A)に示すように、平面視において、下部電極31及び圧電体層32の一部を覆う矩形状の領域A1では、Ir層を残し、それ以外の領域A2では、Ir層及び圧電体層32を除去する。このため、領域A2において下部電極31が露出する。
次に、図8に示すように、第2導電体層332を形成するための金属層として、例えばIr層332A(40nm)を、図7に示す中間構造体M3の上面側に形成する。これにより、第1導電体層331上と、上述のように露出している下部電極31とを覆うように、Ir層332Aが形成される。
次に、図9に示すように、Ir層332Aをパターニングし、第1導電体層331を覆う第2導電体層332と、下部電極31の露出部分を覆う第3導電体層333(図9(B)参照)とを形成する。なお、Ir層332Aをパターニングする際に、図9(A)に示すように、平面視において第2導電体層332と第3導電体層333との間の領域に配置されていた第1導電体層331を除去する。これにより、当該第2導電体層332と第3導電体層333との間の領域にて、第1導電体層331が分離され、第2圧電体膜322が露出する。すなわち、下部電極31と上部電極33とが分離される。
このようにして、第1圧電素子30が形成される。
次に、図10に示すように、デバイス基板10上に第1圧電素子30が形成された中間構造体M4(図9参照)の上面側に、第1保護膜40を形成する。すなわち、第1圧電素子30及び振動板20上に第1保護膜40を形成する。この保護膜上に、後述するように第2圧電素子50を形成する。
次に、受信用超音波トランスデューサーRの第2圧電素子50の形成工程について説明する。なお、第2圧電素子50は、基本的に、第1圧電素子30と略同様の方法で形成される。
まず、図11に示すように、中間構造体M5(図10)の上面側に、第2圧電素子50の下部電極51(下部導電層)を形成する。下部電極51は、例えば、スパッタ法にて、Pt層(110nm)を成膜することにより形成される。
次に、図12に示すように、形成された直後の下部電極51上に第1圧電体膜521(圧電体層)を形成する。第1圧電体膜521は、例えば、スピンコートによってPZTN溶液を下部電極51上に塗布し、乾燥工程及び脱脂工程を実施することにより形成される。
この第1圧電体膜521は、下部電極51の表面性状や材料に応じた配向性を示す。このため、下部電極51を形成した直後に第1圧電体膜521を形成することにより、所望の表面性状を有する下部電極51上に第1圧電体膜521を形成することができ、所望の配向性を有する第1圧電体膜521を形成することができる。
次に、図13に示すように、下部電極51及び第1圧電体膜521をパターニングし、所望の形状に成形する。下部電極51及び第1圧電体膜521のパターニングは、例えば、ドライエッチングによって実施される。
次に、図14に示すように、図13に示す中間構造体M6の上面側の略全面に金属下地層523(例えばTi層)を成膜する。なお、金属下地層523は必ずしも設けなくてもよい。
次に、図15に示すように、下部電極51及び第1圧電体膜521を覆う位置に第2圧電体膜522を形成する。第2圧電体膜522は、第1圧電素子30の第2圧電体膜322と同様に、成膜材料の塗布工程及びアニール(結晶化)工程を繰り返すことにより形成される。上記金属下地層523は、アニール工程により圧電体中に拡散し、消失する。
次に、図16に示すように、上部電極53を構成する第1導電体層531を形成し、第2圧電体膜522を成形する。具体的には、図15に示す中間構造体M7の上面側の略全面に第1導電体層531として、例えばPt層(10nm)を成膜する。その後、Pt層及び圧電体層52をパターニングして、第1導電体層531を形成し、下部電極51の一部を露出させる(図16(A)参照)。
次に、図17に示すように、第2導電体層532を形成するための金属層として、例えばPt層532A(40nm)を、図16に示す中間構造体M8の上面側に形成する。これにより、第1導電体層531上と、上述のように露出している下部電極51とを覆うように、Pt層532Aが形成される。
次に、図18に示すように、Pt層532Aをパターニングし、第1導電体層531を覆う第2導電体層532と、下部電極51の露出部分を覆う第3導電体層533(図18(A)参照)とを形成する。なお、Pt層532Aをパターニングする際に、図18(A)に示すように、平面視において第2導電体層532と第3導電体層533との間の領域に配置されていた第1導電体層531が除去され、第2圧電体膜522が露出する。これにより、下部電極51と上部電極53とが分離される。
このようにして、第2圧電素子50が形成される。
次に、図19に示すように、第2保護膜60を形成する。この第2保護膜60は、図18(A)に示す、第2圧電素子50の第2圧電体膜522が露出する領域(平面視において第2導電体層532と第3導電体層533との間の領域)を覆うように形成される。なお、第1圧電素子30側の対応する位置にも同様に第2保護膜60が形成される。この第2保護膜60は、例えばALCVD(Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法を用いて、Al(90nm)を成膜した後、ドライエッチングにて加工することにより形成される。
そして、図20に示すように、デバイス基板10に開口部11を形成する。まず、開口部11を形成する前に、デバイス基板10を裏面(振動板20とは反対側の面)側から研削し、デバイス基板10の厚みを例えば150μmとする。そして、エッチングにより開口部11を形成する。
このようにして、発信用超音波トランスデューサーT及び受信用超音波トランスデューサーRを含む超音波デバイス1が製造される。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態によれば以下の作用効果を得ることができる。
本実施形態では、振動板20上に第1圧電素子30を形成した後、これら振動板20及び第1圧電素子30上に第1保護膜40を形成する。そして、第1保護膜40上に第2圧電素子50を形成する。
このような製造方法では、第2圧電素子50は、第1保護膜40を下地として形成されるため、例えば、エッチング等によって表面が粗となる部材上に第2圧電素子を形成する場合と比べて、第2圧電素子50の圧電体層52を所望の配向に調整することができる。これにより、第1圧電素子30及び第2圧電素子50を所望の圧電特性に調整でき、所望の性能の超音波デバイス1を容易に形成できる。
また、本実施形態では、振動板20上に第1圧電素子30を形成した後、これら振動板20及び第1圧電素子30上に第1保護膜40を形成する。そして、第1保護膜40上に下部電極51(下部導電層)及び第1圧電体膜521(圧電体層)を順次積層した後、下部電極51及び第1圧電体膜521をパターニングする。
ここで、第1圧電体膜521は、第1圧電体膜521の下層の材料や表面性状に応じた配向性を示す。すなわち、下部電極51の表面性状に応じた配向性を有する第1圧電体膜521が形成される。
本実施形態では、上述のように、パターニングする前であり、表面性状が維持された状態の下部電極51上に第1圧電体膜521を形成するため、第1圧電体膜521の配向性をより確実に調整できる。
また、上述の製造方法では、振動板20上に形成された第1保護膜40上に下部電極51を形成する。このため、第1圧電素子30形成時の各種加工処理により表面性状が変化した振動板20よりも、表面性状がより均一な第1保護膜40上に、下部電極51を形成できる。従って、所望の表面性状を有する下部電極51を形成することができ、第1圧電体膜521の配向性をより確実に調整できる。
また、上述の製造方法では、第1圧電素子30の下部電極31と上部電極33とを分離する工程(図9参照)と、第2圧電素子50の下部電極51と上部電極53とを分離する工程(図18参照)と、がそれぞれ別々に実施される。これにより、各圧電素子30,50の下部電極31,51と、上部電極33,53とを、エッチングにより同時に分離する場合と比べて、後述のように、圧電体層52のオーバーエッジをより確実に抑制できる。
すなわち、第1圧電素子30の上部電極33形成用のIr層332A(図8参照)上に、第2圧電素子50の上部電極53形成用のPt層532A(図17参照)が積層された場合、第1圧電素子30の圧電体層32上よりも、第2圧電素子50の圧電体層52上の方が、金属層の厚みが薄い。このため、各圧電素子30,50の下部電極31,51と、上部電極33,53とを、エッチングにより同時に分離する場合、第1圧電素子30の下部電極31と上部電極33とを分離しようとすると、圧電体層52のオーバーエッジが発生するおそれがある。これに対して、本実施形態では、上述のように、圧電体層52のオーバーエッジの発生を抑制でき、当該オーバーエッジによる第2圧電素子50の性能低下を抑制できる。
本実施形態では、下部電極51及び第1圧電体膜521をパターニングした後、第1圧電体膜521を積層する。これによれば、上記パターニングの際に、図13(B)に示すように、下部電極51の側面が露出したとしても、下部電極51を覆うように第2圧電体膜522を積層することにより、下部電極51と上部電極53との導通を抑制できる。
この第2圧電体膜522は、下部電極51及び第1圧電体膜521上に金属膜を形成した後、当該金属膜に圧電材料を塗布し、アニール処理を実施することにより形成される。これによれば、金属膜を下地とすることにより、第2圧電体膜522を振動板20上により確実に形成できる。
また、金属膜を形成した直後に、当該金属膜を下地として第2圧電体膜522を形成するため、第1圧電体膜521上に直に形成する場合と比べて、上述の第1圧電体膜521と同様に、第2圧電体膜522の配向性をより確実に調整できる。
また、第1保護膜40は、還元因子を含まず(すなわち、各電極や圧電体に対する還元性が小さい)、かつ、水素透過性を許容閾値未満とすることができる材料を用いて形成される。これにより、第1保護膜40と接する電極や圧電体の劣化を抑制できる。また、第1保護膜40に覆われた第1圧電素子30の劣化を抑制できる。
このように、上述の製造方法を用いて形成された超音波デバイス1は、所望の配向性を有する第1圧電体膜521及び第2圧電体膜522によって構成される圧電体層52を有する。従って、所望の性能を有する第2圧電素子50を形成することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
第二実施形態では、第一実施形態で説明した超音波デバイス1を備える超音波測定機について図面に基づいて説明する。
なお、以降の説明に当たり、第一実施形態と同様の構成、同様の処理については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
[超音波測定機の構成]
図21は、本実施形態の超音波測定機100の概略構成を示す斜視図である。図22は、超音波測定機100の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波測定機100は、図1に示すように、超音波プローブ110と、超音波プローブ110にケーブルを介して電気的に接続された制御装置120と、を備えている。
この超音波測定機100は、超音波プローブ110を生体(例えば人体)の表面に当接させ、超音波プローブ110から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ110にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
[超音波プローブの構成]
超音波プローブ110は、図22に示すように、超音波デバイス1と、回路基板111と、音響レンズ112(図1参照)と、これらを収納する筐体113(図21参照)とを備える。なお、超音波デバイス1と、回路基板111とを含み超音波センサー(超音波モジュール)114が構成される。
[音響レンズの構成]
音響レンズ112は、超音波デバイス1から送信された超音波を測定対象である生体に効率よく伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率よく超音波デバイス1に伝搬させる。この音響レンズ112は、超音波デバイス1が超音波を送受信する面に沿って配置される。なお、図示を省略するが、超音波デバイス1と音響レンズ112との間には、音響整合層が設けられる。これら、音響レンズ112及び音響整合層は、各超音波トランスデューサーT,Rの音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスに設定されている。
[筐体の構成]
筐体113は、図21に示すように、平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面113A)には、センサー窓113Bが設けられており、音響レンズ112の一部が露出している。また、筐体113には、ケーブルの通過孔が設けられる。このケーブルは、回路基板111に接続される。
なお、本実施形態では、ケーブルを用いて、超音波プローブ110と制御装置120とが接続される構成例を示すが、これに限定されず、例えば超音波プローブ110と制御装置120とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ110内に制御装置120の各種構成が設けられていてもよい。
[回路基板の構成]
回路基板111は、超音波デバイス1が取り付けられる基板であり、超音波デバイス1を駆動させるためのドライバ回路等が設けられている。具体的には、回路基板111は、図22に示すように、選択回路111A、送信回路111B、及び受信回路111Cを備える。
選択回路111Aは、制御装置120の制御に基づいて、超音波デバイス1と送信回路111Bとを接続する送信接続、及び超音波デバイス1と受信回路111Cとを接続する受信接続を切り替える。
送信回路111Bは、制御装置120の制御により送信接続に切り替えられた際に、選択回路111Aを介して超音波デバイス1に超音波を発信させる旨の送信信号を出力する。
受信回路111Cは、制御装置120の制御により受信接続に切り替えられた際に、選択回路111Aを介して超音波デバイス1から入力された受信信号を制御装置120に出力する。受信回路111Cは、例えば低雑音増幅回路、電圧制御アッテネーター、プログラマブルゲインアンプ、ローパスフィルター、A/Dコンバーター等を含んで構成されており、受信信号のデジタル信号への変換、ノイズ成分の除去、所望信号レベルへの増幅等の各信号処理を実施した後、処理後の受信信号を制御装置120に出力する。
[制御装置の構成]
制御装置120は、図22に示すように、例えば、操作部121と、表示部122と、記憶部123と、演算部124と、を備えて構成されている。この制御装置120は、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ110を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部121は、ユーザーが超音波測定機100を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタン、キーボード、マウス等により構成することができる。
表示部122は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部123は、超音波測定機100を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
演算部124は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、演算部124は、記憶部123に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、送信回路111Bに対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行い、受信回路111Cに対して受信信号の周波数設定やゲイン設定などの制御を行う。
[第二実施形態の作用効果]
上記第二実施形態に係る超音波測定機100は、上記第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる他、圧電体層52が所望の圧電特性を有することにより、所望の圧電特性に応じて、高精度に制御可能な超音波センサー114及び超音波測定機100を提供できる。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、二種類の圧電素子を備える構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、三種類以上の圧電素子を備える構成としてもよい。この場合、1つの種類の圧電素子を形成した後、さらに異なる圧電素子を形成する際に、保護膜を形成し、当該保護膜上に、下部電極及び圧電体を順次形成した後に、これら下部電極及び圧電体をパターニングすればよい。
上記各実施形態では、圧電体層32,52がそれぞれ、2層の圧電体膜を積層する構成を採用していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧電体層32,52が、1層の圧電体膜で構成されてもよいし、3層以上の圧電体膜で構成されてもよい。
上記第二実施形態では、生体を測定対象とする超音波測定装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う電子機器に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する電子機器にも本発明を適用することができる。
上記各実施形態では、圧電素子を超音波トランスデューサーとして用いる超音波デバイス1について例示したが、本発明はこれに限定されず、圧電素子を備える圧電デバイスにも本発明を適用することができる。このような圧電デバイスは、例えば、インクを吐出させて描画を行うインクジェット記録装置のインクジェットヘッドにおける、インク吐出機構として用いることができる。また、この場合、インクジェット記録装置を本発明の電子機器として例示できる。
また、上記以外にも、圧電素子に加わる応力(圧力や剪断力等)を検出する応力センサーとしても本発明を適用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…超音波デバイス(圧電デバイス)、10…デバイス基板(基板)、20…振動板(基板)、30…第1圧電素子、40…第1保護膜、50…第2圧電素子、51…下部電極(下部導電層)、52…圧電体層、100…超音波測定機(電子機器)、110…超音波プローブ(超音波モジュール)、111…回路基板、114…超音波センサー(超音波モジュール)、120…制御装置(制御部)、521…第1圧電体膜(圧電体層)、522…第2圧電体膜(第2の圧電体層)、523…金属下地層、R…受信用超音波トランスデューサー(超音波デバイス)、T…発信用超音波トランスデューサー(超音波デバイス)。

Claims (8)

  1. 第1圧電素子と、第2圧電素子とを同一基板上に具備する圧電デバイスの製造方法であって、
    前記基板上に前記第1圧電素子を形成する第1圧電素子形成工程と、
    前記第1圧電素子及び前記基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜上に、前記第2圧電素子を形成する第2圧電素子形成工程と、を実施する
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記第2圧電素子形成工程は、
    前記保護膜上に下部導電層を積層する下部導電層積層工程と、
    前記下部導電層上に圧電体層を積層する圧電体層積層工程と、
    前記下部導電層及び前記圧電体層をパターニングするパターニング工程と、を実施する
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  3. 請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記パターニング工程の後に、第2の圧電体層を積層する第2圧電体層積層工程と、
    前記第2の圧電体層をパターニングする第2パターニング工程と、を実施する
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  4. 請求項3に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記第2の圧電体層積層工程は、金属下地層を形成した後、前記第2の圧電体層を形成するための圧電材料を積層してアニール処理を実施するアニール工程を複数回実施して、前記第2の圧電体層を形成する
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧電デバイスの製造方法において、
    前記保護膜が、AlOx、TaOx、及びBaOxのいずれかである
    ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  6. 基板と、
    前記基板上に設けられた第1圧電素子と、
    前記第1圧電素子及び前記基板上に設けられた保護膜と、
    前記保護膜上に設けられた第2圧電素子と、を備える
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  7. 請求項6に記載の圧電デバイスと、
    前記圧電デバイスが設けられる回路基板と、を備える
    ことを特徴とする圧電モジュール。
  8. 基板と、
    前記基板上に設けられた第1圧電素子と、
    前記第1圧電素子及び前記基板上に設けられた保護膜と、
    前記保護膜上に設けられた第2圧電素子と、
    前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子の駆動を制御する制御部と、を備える
    ことを特徴とする電子機器。
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