下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の実装基板1a及び電子装置100aについて図1〜5に基づいて説明する。
実装基板1aは、底面電極14と側面電極15とを有する外部接続電極13を備えた電子部品10を表面実装可能な実装基板である。実装基板1aは、電気絶縁性を有する支持体2と、支持体2に支持されており外部接続電極13がはんだにより接合される導体部3と、を備える。導体部3は、支持体2の表面21における底面電極14に対応する位置に設けられたパッド部4と、支持体2の表面21における側面電極15に対応する位置に設けられておりパッド部4に繋がっている実装位置調整部5と、を備える。実装基板1aは、導体部3がパッド部4と実装位置調整部5とを備えているので、電子部品10をリフローにより表面実装するときに、溶融したはんだ(以下、「溶融はんだ」という)が電子部品10の底面電極14と実装基板1aのパッド部4との間から電子部品10の側面電極15の表面及び実装基板1aの実装位置調整部5の表面に沿ってはみ出す。実装基板1aでは、電子部品10の底面電極14とパッド部4との間からはみ出す溶融はんだの流動方向と、はみ出す溶融はんだが広がる範囲と、はみ出す溶融はんだの量(体積)と、溶融はんだの表面張力と、を実装位置調整部5により制御することが可能となる。よって、実装基板1aでは、実装位置調整部5により、電子部品10の実装位置をより精度良く調整することが可能となり、電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。見方を変えれば、実装基板1aでは、実装位置調整部5を備えていることにより、リフローの際に溶融はんだの表面張力の働きにより実装位置のずれを修正するセルフアライメント(self alignment)効果を向上させることが可能となる。「電子部品10を表面実装可能」とは、電子部品10を配置して機械的に接続できること及び電気的に接続できることを含む概念である。「電子部品10をリフローにより表面実装する」とは、電子部品10をリフローソルダリング法(Reflow Soldering)により表面実装することを意味する。
電子装置100aは、実装基板1aと、実装基板1aに表面実装された電子部品10とを備える。これにより、電子装置100aは、その製造時に実装基板1aに電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。電子装置100aは、導体部3の厚さ方向において重なる外部接続電極13と導体部3とを接合している接合部30(図4B及び5参照)を備える。接合部30は、はんだにより構成されている。言い換えれば、接合部30は、溶融はんだが凝固することにより形成されている。はんだは、例えば、SnAgCuである。接合部30のうち電子部品10の側方にある部分は、フィレット(Fillet)35(図4B及び5参照)を構成している。要するに、フィレット35は、電子部品10の側面電極15と実装基板1aの実装位置調整部5とに跨って形成されている。
電子装置100aの製造方法においては、実装基板1aのパッド部4の表面上に適量のはんだを供給し、その後、外部の熱源からはんだを加熱してはんだを溶融させて電子部品10をソルダリングする。パッド部4の表面上に供給するはんだは、はんだペースト(Solder Paste)である。
実装基板1a及び電子装置100aの各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
まず、電子装置100aの構成要素の一つである電子部品10について図2及び3に基づいて説明し、その後、実装基板1aの各構成要素について図1、4及び5に基づいて説明する。
電子部品10では、外部接続電極13が、導電層により構成されている。外部接続電極13では、底面電極14と側面電極15とが繋がっている。したがって、外部接続電極13では、底面電極14と側面電極15とは電気的に接続されている。
電子部品10は、LED(Light Emitting Diode)である。より詳細には、電子部品10は、表面実装型LEDである。電子装置100aは、電子部品10としてLEDを備えるので、発光装置を構成する。
電子部品10を構成する表面実装型LEDは、外部接続電極13を2つ備えている。以下では、2つの外部接続電極13のうち、アノード端子を構成する外部接続電極13を第1外部接続電極131と称し、カソード端子を構成する外部接続電極13を第2外部接続電極132と称することもある。同様に、第1外部接続電極131の底面電極14を第1底面電極141と称し、第2外部接続電極132の底面電極14を第2底面電極142と称することもある。また、同様に、第1外部接続電極131の側面電極15を第1側面電極151と称し、第2外部接続電極132の側面電極15を第2側面電極152と称することもある。
表面実装型LEDは、パッケージ本体11と、第1外部接続電極131と、第2外部接続電極132と、LEDチップ16(図5参照)と、封止部12と、を備えている。
電子部品10の平面視形状は、正方形状である。「電子部品10の平面視形状」とは、電子部品10の厚さ方向(図5の上下方向)に沿った方向から見た電子部品10の外周形状である。
パッケージ本体11は、直方体状に形成されており、表面111に凹部110が形成されている。パッケージ本体11は、セラミック基板により構成されている。
外部接続電極13を構成する導電層は、一例として、Cu層とNi層とAu層との積層構造を有しており、最表層がAu層である。
表面実装型LEDでは、外部接続電極13が、パッケージ本体11の底面114と側面115とに跨って形成されている。より詳細には、外部接続電極13は、底面電極14がパッケージ本体11の底面114に形成され、側面電極15がパッケージ本体11の側面115に形成されている。第1外部接続電極131の第1側面電極151が形成されている側面1151と第2外部接続電極132の第2側面電極152が形成されている側面1152(図5参照)とは、パッケージ本体11の外周方向において離れている。言い換えれば、第1側面電極151と第2側面電極152とは、パッケージ本体11を挟んで互いに対向している。
底面電極14は、電子部品10を回路基板等(ここでは、実装基板1a)に表面実装するための電極である。底面電極14に関して、電子部品10の厚さ方向に沿った方向から見た形状は、長方形状の4つの角をなくした形状である。ここで、図3Bに示すように、底面電極14の外周側縁140には、2つのR面取り部140rと2つのC面取り部140cとがある。また、図2Bでは、底面電極14の長手方向の寸法をL14Y、短手方向の寸法をL14Xとして記載してある。
2つの底面電極14は、パッケージ本体11の底面114において一方向に並ぶように配置されている。より詳細には、2つの底面電極14は、底面電極14の短手方向に沿った一方向に並んでいる。
電子部品10では、電子部品10の底面の図形(図2B参照)が電子部品10の厚さ方向に沿った電子部品10の中心線を仮想の回転中心軸として2回回転対称性を有するように、2つの底面電極14が配置されている。
側面電極15は、パッケージ本体11の側面115のうちU字状に窪んだ部位1150(図3B及び5参照)に形成されている。パッケージ本体11では、側面115のうちU字状に窪んだ部位1150がパッケージ本体11の底面114と隣り合っている。
側面電極15は、フィレット形成用の電極である。側面電極15は、底面電極14の長手方向における中央部に繋がっている。より詳細には、側面電極15は、底面電極14の外周側縁140のうち2つのR面取り部140rの間の部位の中間部から延びている。側面電極15の幅L15(図2C及び3B参照)は、側面電極15の幅方向に沿った方向における底面電極14の長さ(つまり、底面電極14の長手方向の寸法L14Y)よりも短い。「側面電極15の幅L15」とは、電子部品10の外周方向に沿った方向における側面電極15の幅である。言い換えれば、「側面電極15の幅L15」とは、パッケージ本体11の外周方向に沿った方向における側面電極15の幅である。側面電極15の幅L15は、底面電極14の長手方向の寸法L14Yよりも短い。側面電極15の幅L15は、一例として、底面電極14の長手方向の寸法L14Yの略40%の長さである。側面電極15の幅L15は、底面電極14の外周側縁140のうち2つのR面取り部140rの間の部位の長さよりも短い。
LEDチップ16は、可視光を放射する可視光LEDチップである。より詳細には、LEDチップ16は、青色光を放射するLEDチップである。LEDチップ16は、440nm〜480nmの波長域に発光ピーク波長がある光を放射するように構成されている。
LEDチップ16は、パッケージ本体11の凹部110に収納されている。LEDチップ16のアノード電極は、パッケージ本体11に形成された第1導電部を介して第1外部接続電極131と電気的に接続されている。LEDチップ16のカソード電極は、パッケージ本体11に形成された第2導電部を介して第2外部接続電極132と電気的に接続されている。
封止部12は、パッケージ本体11の凹部110内でLEDチップ16を覆っている。封止部12は、LEDチップ16から放射される光を透過するように構成されている。封止部12は、LEDチップ16等を封止して保護する機能を有する。封止部12は、電気絶縁性を有する。
封止部12は、透光性材料により形成されている。透光性材料は、例えば、シリコーン系樹脂である。「シリコーン系樹脂」とは、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂を含む。透光性樹脂は、シリコーン系樹脂に限らず、例えば、フッ素系樹脂、低融点ガラス、ゾルゲルガラスなどを採用してもよい。透光性材料は、可視光に対する透過率が高い材料が好ましい。
封止部12は、一例として、LEDチップ16から放射される光によって励起されて発光する蛍光体粒子を含有している。言い換えれば、封止部12は、LEDチップ16から放射された光の一部を波長変換して異なる波長の光を放射する波長変換材料として、蛍光体粒子を備えている。これにより、電子部品10を構成するLEDでは、LEDチップ16から放射される光(以下、「第1の光」ともいう)と蛍光体粒子から放射される光(以下、「第2の光」ともいう)との混色光を得ることが可能となる。LEDの光源色は、第1の光と第2の光との混色光の色である。蛍光体粒子は、第1の光によって励起されて第1の光よりも長波長域の第2の光を放射する。蛍光体粒子は、一例として、第2の光として黄色の光を放射する黄色蛍光体粒子である。
実装基板1aの平面視形状は、正方形状である。「実装基板1aの平面視形状」とは、実装基板1aの厚さ方向から見た実装基板1aの外周形状である。実装基板1aは、プリント配線板により構成されている。プリント配線板は、熱伝導率が高いのが好ましい。プリント配線板は、一例として、CEM−3(Composite Epoxy Materials-3)の規格を満たすガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂銅張積層板から形成されている。
平面視における実装基板1aの外形サイズは、平面視における電子部品10の外形サイズよりも大きい。
実装基板1aは、電子部品10が実装される実装領域において、電子部品10の2つの外部接続電極13に一対一で対応するように導体部3を2つ備えている。要するに、実装基板1aは、2つの導体部3を備えている。2つの導体部3は、支持体2の表面21上において一方向に並ぶように配置されている。「実装領域」とは、実装基板1aの厚さ方向において電子部品10が重なる領域だけでなく、各フィレット35が重なる領域も含む。以下では、2つの導体部3のうち、電子部品10の第1外部接続電極131に対応する導体部3を第1導体部31と称し、第2外部接続電極132に対応する導体部3を第2導体部32と称することもある。
支持体2の形状は、平板状である。支持体2の外周形状は、正方形状である。実装基板1aでは、支持体2の表面21上に各導体部3が設けられている。これにより、支持体2は、各導体部3を支持している。
第1導体部31及び第2導体部32の各々は、同じ構成の導電層からなる。導電層は、Cu層とNi層とAu層との積層構造を有している。
実装基板1aでは、導体部3(パッド部4及び実装位置調整部5)のはんだ濡れ性が、支持体2の表面21のはんだ濡れ性よりも高い。言い換えれば、実装基板1aでは、支持体2の表面21のはんだ濡れ性が導体部3のはんだ濡れ性よりも低い。
パッド部4は、電子部品10がソルダリングされるソルダリングランド(Soldering Land)である。言い換えれば、パッド部4は、電子部品10の底面電極14がはんだからなる接合部30の一部を介して接合されるランド部である。要するに、パッド部4は、電子部品10の底面電極14をはんだにより電気的かつ機械的に接続するためのパッドである。以下では、2つのパッド部4のうち第1底面電極141に対応するパッド部4を第1パッド部41と称し、第2底面電極142に対応するパッド部4を第2パッド部42と称することもある。
パッド部4の外周形状は、長方形状である。平面視におけるパッド部4の長辺の長さは、底面電極14の長手方向の寸法L14Yと同じである。また、平面視におけるパッド部4の短辺の長さは、底面電極14の短手方向の寸法L14Xと同じである。
実装位置調整部5は、リフローの際に電子部品10の実装位置を調整する機能を有する。実装位置調整部5は、溶融はんだを誘導する機能を有する。実装位置調整部5は、フィレット35の形状及び体積を調整する機能を有する。実装位置調整部5は、パッド部4の長手方向における中央部に繋がっている。より詳細には、実装位置調整部5は、パッド部4の長辺に沿った一側縁から延びている。実装位置調整部5の外周形状は、長方形状である。平面視における実装位置調整部5の長辺の長さは、パッド部4の長辺の長さの3分の1である。平面視における実装位置調整部5の短辺の長さは、実装位置調整部5の長辺の長さの半分である。以下では、2つの実装位置調整部5のうち第1側面電極151に対応する実装位置調整部5を第1実装位置調整部51と称し、第2側面電極152に対応する実装位置調整部5を第2実装位置調整部52と称することもある。
第1導体部31では、第1パッド部41と第1実装位置調整部51とが一体に形成されている。また、第2導体部32では、第2パッド部42と第2実装位置調整部52とが一体に形成されている。
実装基板1aでは、平面視において2つの導体部3を含む実装領域が実装領域の中心を通る法線を仮想の回転中心軸として2回回転対称性を有するように、2つの導体部3が配置されている。
実装位置調整部5の幅L5(図1D参照)は、パッド部4から見て実装位置調整部5が延びている方向(パッド部4から実装位置調整部5が突出している方向)に直交しかつ実装位置調整部5の厚さ方向(図5の上下方向)に直交する方向の幅である。したがって、電子装置100aでは、実装位置調整部5の幅L5は、電子部品10の外周方向に沿った方向における実装位置調整部5の幅である。
「支持体2の表面21における側面電極15に対応する位置」とは、側面電極15の厚さ方向に沿った方向において側面電極15と並ぶ位置を意味する。見方を変えれば、「支持体2の表面21における側面電極15に対応する位置」とは、仮想的に側面電極15を支持体2の表面21に接するまで回転させたときに側面電極15が重なる位置である。
実装基板1aでは、実装位置調整部5の幅L5が、側面電極15の幅L15に相当するサイズであるのが好ましい。これにより、実装基板1aでは、電子部品10を表面実装するためのリフローの際に、実装位置調整部5上の溶融はんだの量をより多くすることが可能となり、実装位置調整部5上の溶融はんだの量のばらつき及び溶融はんだの表面張力のばらつきの影響を受けにくくなり、電子部品10をより一層精度良く実装することが可能となる。「側面電極15の幅L15に相当するサイズ」とは、側面電極15の幅L15と略同一の長さを意味する。ここで、「略同一の長さ」とは、側面電極15の幅L15と同一の長さ、側面電極15の幅L15と同一の長さよりも若干短い長さ及び若干長い長さを含む。「若干短い長さ」とは、ここでは、側面電極15の幅L15の80%以上の長さであるのが好ましく、90%以上の長さであるのがより好ましく、95%以上の長さであるのが更に好ましい。「若干長い長さ」とは、ここでは、側面電極15の幅L15の120%以下の長さであるのが好ましく、110%以下の長さであるのがより好ましい。実装基板1aでは、実装位置調整部5の幅が、側面電極15の幅L15と同一サイズであるのがより好ましい。これにより、実装基板1aでは、リフローの際に、実装位置調整部5上の溶融はんだの量のばらつき及び溶融はんだの表面張力のばらつきの影響を受けにくくなり、電子部品10を更に精度良く実装することが可能となる。また、実装基板1aでは、電子部品10を表面実装したときのフィレット35をより大きくすることが可能となり、接合強度の向上を図ることが可能となる。これにより、実装基板1aでは、信頼性の向上を図ることが可能となる。
実装基板1aでは、例えば図1Cに示すように、パッド部4の外形サイズが、底面電極14の外形サイズと同一であるのが好ましい。これにより、実装基板1aでは、電子部品10を表面実装したときの接合強度の向上を図り、かつ、電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。本実施形態では、「底面電極14の外形サイズ」は、底面電極14の長手方向の寸法L14Yと短手方向の寸法L14Xとで規定する。要するに、パッド部4の外形サイズ及び底面電極14の外形サイズは面積で規定するものではない。図1Cでは、電子部品10の外周線を二点鎖線で示し、底面電極14の領域にドットのハッチングを付してある。このハッチングは、単にパッド部4と底面電極14との相対的な位置関係を分かりやすくするために付したものであり、断面を表すものではない。なお、パッド部4の形状にもよるが、パッド部4の表面の面積と底面電極14の表面の面積との差は比較的小さいのが好ましい。
実装基板1aは、支持体2に支持されており導体部3に電気的に接続されている配線部6を更に備えている。配線部6は、実装位置調整部5を介してパッド部4と電気的に接続されている。配線部6の幅L6(図1D参照)は、実装位置調整部5の幅L5よりも狭い。これにより、実装基板1aでは、リフローの際に、溶融はんだが広がりすぎるのを抑制することが可能となり、実装位置調整部5と側面電極15との間にフィレット35をより確実に形成することが可能となる。配線部6の幅L6は、配線部6が延びている方向(実装位置調整部5から配線部6が突出している方向)に直交しかつ配線部6の厚さ方向(図5の上下方向)に直交する方向の幅である。実装基板1aでは、2つの導体部3に一対一で対応するように配線部6が2つ設けられている。各配線部6は、各導体部3と同じ構成の導電層からなる。各配線部6は、各導体部3と同様、支持体2に支持されている。以下では、2つの配線部6のうち、第1導体部31に電気的に接続されている配線部6を第1配線部61と称し、第2導体部32に電気的に接続されている配線部6を第2配線部62と称することもある。
また、実装基板1aは、支持体2の表面21上に、電子部品10への給電用の2つの端子部7を更に備えているのが好ましい。各端子部7の各々は、各導体部3と同じ構成の導電層からなる。各端子部7は、各導体部3と同様、支持体2に支持されている。実装基板1aでは、2つの端子部7の各々に、電線(例えば、リード線)、コネクタ等を接続することができる。以下では、2つの端子部7のうちの一方の端子部7を第1端子部71と称し、他方の端子部7を第2端子部72と称することもある。
実装基板1aでは、第1端子部71は、第1配線部61を介して第1導体部31と電気的に接続されている。また、第2端子部72は、第2配線部62を介して第2導体部32と電気的に接続されている。実装基板1aでは、第1導体部31と第1配線部61と第1端子部71とが一体に形成されており、第2導体部32と第2配線部62と第2端子部72とが一体に形成されている。実装基板1aでは、支持体2は、各導体部3、各配線部6及び各端子部7を支持している。言い換えれば、支持体2は、各導体部3、各配線部6及び各端子部7を保持している。
電子装置100aでは、例えば、外部の電源ユニット(電源装置)等から第1端子部71と第2端子部72との間に給電されることにより、電子部品10であるLEDから光が放射される。第1端子部71と第2端子部72との間には、電源ユニットに限らず、例えば、点灯回路等の外部回路を接続してもよい。
ここで、実装基板1aの比較例の実装基板1r、電子装置100aの比較例の電子装置100rについて、図6及び7に基づいて説明する。
比較例の実装基板1rは、実施形態1の実装基板1aと基本構成が略同じであり、導体部3が実装位置調整部5を備えていない点、端子部7が配線部6のみを介して導体部3と電気的に接続されている点、配線部6の長さが実装基板1aにおける配線部6の長さと実装位置調整部5の長さとの合計長さである点、が相違する。なお、比較例の実装基板1r及び電子装置100rに関し、実装基板1a及び電子装置100aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本願発明者らは、所定サンプル数(20個)の電子装置100r及び電子装置100aを製造して、各電子装置100r及び各電子装置100aそれぞれの位置ずれのベクトル量(位置ずれ距離)を測定する実験を行った。その結果を下記の表1に示す。ベクトル量は、実装基板1r、1aそれぞれにおける電子部品10の実装領域の中心線に直交する面内における当該中心線から電子部品10の厚さ方向に沿った電子部品10の中心線に向かうベクトルの絶対値であり、位置ずれ距離〔μm〕である。
表1から、実施形態1の実装基板1a及び電子装置100aでは、比較例の実装基板1r及び電子装置100rと比べて、電子部品10をより精度良く実装することが可能となることが分かる。これにより、電子装置100aでは、電子装置100rと比べて、製造歩留りの向上による低コスト化を期待できる。また、電子装置100aでは、電子装置100rと比べてフィレット35が大きくなり、接合部30による接合強度が向上する。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の実装基板1b及び電子装置100bについて、図8に基づいて説明する。
本実施形態の実装基板1bは、実施形態1の実装基板1aと基本構成が同じである。また、電子装置100bは、実施形態1の電子装置100aと基本構成が同じである。なお、本実施形態の実装基板1bに関し、実施形態1の実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の電子装置100bに関し、実施形態1の電子装置100aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の実装基板1bでは、パッド部4から延びている2つの延長部9を更に備える点が実施形態1の実装基板1aとは相違する。2つの延長部9は、支持体2の表面21上でパッド部4から実装位置調整部5が延びている方向とは直交する方向に沿って延びている。2つの延長部9は、パッド部4から相反する方向に延びている。要するに、実装基板1bでは、2つの導体部3と2つの実装位置調整部5と4つの延長部9とを含む導体パターンが全体として2回回転対称性を有する。したがって、本実施形態の実装基板1b及び電子装置100bでは、実装基板1a及び電子装置100aと同様、電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。ここで、本実施形態の実装基板1bでは、リフローの際に、溶融はんだが延長部9の表面上にも流動するので、延長部9の表面上の溶融はんだの表面張力の作用により、セルフアライメント効果が更に向上し、電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。延長部9は、導体部3と同じ構成の導電層からなる。延長部9は、導体部3と一体に形成されている。延長部9の幅L9(図8D参照)は、実装位置調整部5の幅L5(図8D参照)よりも狭い。延長部9の幅L9は、延長部9が延びている方向(パッド部4から延長部9が突出している方向)に直交しかつ延長部9の厚さ方向(図8Dの紙面に直交する方向)に直交する方向の幅である。
本願発明者らは、所定サンプル数(20個)の電子装置100bを製造して、各電子装置100bそれぞれの位置ずれのベクトル量(位置ずれ距離)を測定する実験を行った。その結果を下記の表2に示す。表2の見方は、表1と同様である。
表2から、実施形態2の実装基板1b及び電子装置100bでは、比較例の実装基板1r及び電子装置100rと比べて、電子部品10をより精度良く実装することが可能となることが分かる。これにより、電子装置100bでは、電子装置100rと比べて、製造歩留りの向上による低コスト化を期待できる。また、電子装置100bでは、電子装置100rと比べてフィレット35が大きくなり、接合部30による接合強度が向上する。
延長部9は、少なくともパッド部4に繋がっていればよく、端子部7とは繋がっていない構成としてもよい。
(実施形態3)
以下では、本実施形態の実装基板1c及び電子装置100cについて、図9に基づいて説明する。
本実施形態の実装基板1cは、実施形態1の実装基板1aと基本構成が同じである。また、電子装置100cは、実施形態1の電子装置100aと基本構成が同じである。具体的には、電子装置100aにおける実装基板1aの代わりに実装基板1cを備えている点が相違するだけである。なお、本実施形態の実装基板1cに関し、実施形態1の実装基板1aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の電子装置100cに関し、実施形態1の電子装置100aと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の実装基板1cでは、パッド部4から延びている2つ延長部8を更に備える点が実施形態1の実装基板1aとは相違する。2つの延長部8は、支持体2の表面21上でパッド部4から実装位置調整部5が延びている方向とは斜交する方向に沿って延びている2つの延長部8は、実装位置調整部5が延びている方向と直交する方向において実装位置調整部5の両側にある。要するに、実装基板1cでは、2つの導体部3と2つの実装位置調整部5と4つの延長部8とを含む導体パターンが全体として2回回転対称性を有する。4つの延長部8は、実装領域の中心から放射状に配置されている。これにより、本実施形態の実装基板1cでは、リフローの際に、溶融はんだが延長部8の表面上にも流動するので、延長部8の表面上の溶融はんだの表面張力の作用により、セルフアライメント効果が更に向上し、実施形態1の実装基板1a及び電子装置100aと比べて、電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。延長部8は、導体部3と同じ構成の導電層からなる。延長部8は、導体部3と一体に形成されている。延長部8の幅L8(図9D参照)は、実装位置調整部5の幅L5(図9D参照)よりも狭い。延長部8の幅L8は、延長部8が延びている方向(パッド部4から延長部8が突出している方向)に直交しかつ延長部8の厚さ方向(図9Dの紙面に直交する方向)に直交する方向の幅である。
パッド部4から実装位置調整部5の延びている方向とパッド部4から延長部8の延びている方向とのなす鋭角の角度は、45度であるのが好ましい。これにより、実装基板1c及び電子装置100cでは、延長部8の表面上の溶融はんだの表面張力により作用する応力が、パッド部4から実装位置調整部5が延びている方向の成分と、当該方向に直交する方向の成分とに分散されるので、実装基板1b及び電子装置100bよりも、電子部品10をより精度良く実装することが可能となり、実施形態1の実装基板1a及び電子装置100aよりも電子部品10をより精度良く実装することが可能となる。
本願発明者らは、所定サンプル数(20個)の電子装置100cを製造して、各電子装置100cそれぞれの位置ずれのベクトル量(位置ずれ距離)を測定する実験を行った。その結果を下記の表3に示す。表3の見方は、表1及び2と同様である。
表3から、実施形態3の実装基板1c及び電子装置100cでは、実施形態1の実装基板1a及び電子装置100a、実施形態2の実装基板1b及び電子装置100bと比べて、電子部品10をより精度良く実装することが可能となることが分かる。これにより、電子装置100cでは、電子装置100a及び電子装置100bと比べて、製造歩留りの向上による低コスト化を期待できる。また、電子装置100cでは、電子装置100rと比べてフィレット35が大きくなり、接合部30による接合強度が向上する。
延長部8は、少なくともパッド部4に繋がっていればよく、端子部7とは繋がっていない構成としてもよい。
実施形態1〜3に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
例えば、実装基板1a〜1cは、1つの電子部品10を表面実装できるように構成されているが、これに限らず、複数の電子部品10を表面実装できるように構成されていてもよい。この場合、電子装置100a〜100cでは、例えば、複数の電子部品10の電気的な接続形態として、直列接続された形態、並列接続された形態、直並列接続された形態等を採用することができる。言い換えれば、実装基板1a〜1cは、複数の電子部品10を直列接続した回路、複数の電子部品10を並列接続した回路、複数の電子部品を直並列接続した回路等を形成できるように、配線部6のパターン、レイアウト等を設定してもよい。要するに、実装基板1a〜1cは、電子装置100a〜100cにおいて規定されている複数の電子部品10の接続関係に基づいて配線部6のパターンが設定されていてもよい。一例として、図10は、3つの電子部品10を表面実装できかつ直列接続できるように構成された実装基板1d及びそれを備えた電子装置100dを示している。実装基板1dは、支持体2の外周形状が長方形状である点、配線部6のレイアウト等が実施形態1の実装基板1aとは相違する。実装基板1d及び電子装置100dに関し、実施形態1の実装基板1a及び電子装置100aと同様の構成要素には同一の符号を付してあるので、説明を省略する。
また、支持体2の外周形状は、矩形状に限らず、例えば、矩形以外の多角形状、円形状、楕円形状等でもよい。
各導体部3、各配線部6及び各端子部7の各々を構成する導電層の積層構造は、Cu層とNi層とAu層との積層構造に限らない。また、導電層は、積層構造に限らず、例えば、Cu層の単層構造でもよい。導体部3と、配線部6、端子部7、延長部8及び延長部9とは、同じ積層構造の導電層であるのに限らず、例えば、導体部3と、配線部6、端子部7、延長部8及び延長部9とが互いに積層構造の異なる導電層により構成されていてもよい。
また、実装基板1a〜1dにおいて電子部品10を実装する実装領域は、電子部品10の形状に合わせて規定されていればよく、凸多角形状に限らず、例えば長方形状、円形状、及び楕円形状等であってもよい。
実装基板1a〜1dは、支持体2の表面21側に保護層を備えていてもよい。電子部品10がLEDの場合、保護層は、LEDからの光を反射する白色レジスト層により構成されえいるのが好ましい。白色レジスト層は、支持体2の表面21側において支持体2の表面21のうち電子部品10及び接合部30に重ならない領域、各端子部7の各々の一部を覆うように設けられるのが好ましい。これにより、電子装置100a〜100dでは、実装基板1a〜1dでの光吸収を抑制することが可能となり、光出力の高出力化を図ることが可能となる。白色レジスト層の材料は、例えば、フッ素樹脂系の白色レジスト、エポキシ樹脂系の白色レジスト及びシリコーン樹脂系の白色レジストの群から選択される1種であるのが好ましい。
また、実装基板1a〜1dは、プリント配線板に限らず、セラミック基板でもよい。
また、実装基板1a〜1dは、平板状に形成された基板に限らず、例えば、MID(Molded Interconnect Devices)等でもよい。MIDの場合、支持体2が、樹脂等からなる成形構造体により構成され、導体部3、配線部6及び端子部7等が、成形構造体の表面の適宜位置に形成された導電層により構成される。MIDは、例えば、LDS(Laser Direct Structuring)工法及びめっき法を利用して製造することができる。この場合、成形構造体を構成する樹脂としては、例えば、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)等を採用することができる。
また、LEDチップ16は、可視光を発光する可視光LEDチップに限らず、赤外線を発光する赤外線LEDチップ、紫外線を発光する紫外線LEDチップ等でもよい。
また、LEDは、パッケージ本体11の凹部に収納されているLEDチップの数が、1つに限らず、複数でもよい。また、LEDは、パッケージ本体11の凹部に、互いに発光色の異なる複数種のLEDチップが収納されていてもよい。
また、電子部品10は、LEDに限らず、例えば、レーザダイオード、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ、及びIC(Integrated Circuit)等でもよい。トランジスタは、例えば、バイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等である。
また、パッド部4の表面上に供給するはんだは、はんだペーストに限らず、例えば、成形されたペレット状のはんだでもよい。また、はんだは、鉛フリーはんだ(Lead-free Solder)であるのが好ましく、上述のSnCuAgの他にも、例えば、AuSn等を採用することができる。
電子装置100a〜100dは、例えば、照明用途に用いることができる。