JP2017084588A - 酸化銀泥漿、導電性ペースト及びその製造方法 - Google Patents

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彦一 張替
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Abstract

【課題】取り扱いが容易であり、銀ペーストに混合して使用でき、200℃以下の低温での樹脂硬化用途、インクジェット用途、及び600℃以上900℃以下の高温での焼成用途のいずれにも適用できると共に、更なる低抵抗化が実現できる導電性ペースト及びその製造に用いられる酸化銀泥漿、並びに導電性ペーストの製造方法の提供。【解決手段】酸化銀粉とゼラチンと溶剤とを混合して酸化銀泥漿を形成する含浸処理工程と、前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを混練する混練工程と、を含む導電性ペーストの製造方法である。酸化銀粉と、ゼラチンと、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかの溶剤とを含有する酸化銀泥漿である。前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する銀粉とを含有する導電性ペーストである。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化銀泥漿、導電性ペースト及びその製造方法に関する。
従来より、電子部品等の電極や回路、電磁波シールドフィルム、電磁波シールド材等を形成するために、銀粉等の金属フィラーを樹脂中に分散させた導電性ペーストが使用されている。このような導電性ペーストとしては、例えば、銀粉に加えて酸化銀粉を含有する導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、酸化銀粉が生成されたスラリーを洗浄し、得られた該酸化銀粉を水に懸濁させたスラリーに高分子有機物を該酸化銀粉の銀量に対して0.1質量%〜2.5質量%添加することにより、該酸化銀粉粒子表面に該高分子有機物の被膜を形成する酸化銀粉末の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−293851号公報 特開2007−242912号公報 特開2012−176892号公報
酸化銀粉は微粒子になるほど還元の温度が低下し、乾粉の状態ではそれほど熱をかけなくても還元が起こり、衝撃等により酸化銀粉の一粒でも還元が起きると連鎖的に総ての酸化銀粉が還元して発熱し、酸素を放出しながら被覆する高分子有機物を瞬間的に燃焼させてしまうおそれがある。このため、特に、前記特許文献3に記載の高分子有機物を表面に有する酸化銀粉は、乾粉では取り扱いが難しく、輸送には不向きであるという問題がある。また、銀粉に酸化銀粉を混合して使用する場合、酸化銀粉の表面が親水性であると、銀粉を主とする有機溶剤系のペーストになじみが悪く、粘度が上がりやすいということと、時間が経過すると酸化銀粉が分離してしまい、ペーストとして使用できなくなるという欠点があり、表面が親水性である酸化銀粉の混合は避けられていた。
更に、導電性ペーストとしては、200℃以下の低温での樹脂硬化用途、インクジェット用途、及び600℃以上900℃以下の高温での焼成用途のいずれにも適用できると共に、更なる低抵抗化を実現できる導電性ペーストの提供が望まれている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、取り扱いが容易であり、銀ペーストに混合して使用でき、200℃以下の低温での樹脂硬化用途、インクジェット用途、及び600℃以上900℃以下の高温での焼成用途のいずれにも適用できると共に、更なる低抵抗化が実現できる導電性ペースト及びその製造に用いられる酸化銀泥漿、並びに導電性ペーストの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 酸化銀粉とゼラチンと溶剤とを混合して酸化銀泥漿を形成する含浸処理工程と、
前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを混練する混練工程と、を含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法である。
<2> 前記溶剤が、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかである前記<1>に記載の導電性ペーストの製造方法である。
<3> 前記溶剤の添加量が、前記酸化銀粉に対して、20質量%以上50質量%以下である前記<1>又は<2>に記載の導電性ペーストの製造方法である。
<4> 前記ゼラチンの添加量が、前記酸化銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法である。
<5> 前記少なくとも表面に銀を有する導電粉が、フレーク状銀粉、凝集銀粉、球状銀粉、又はこれらの混合物である前記<1>から<4>のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法である。
<6> 前記混練工程において、前記少なくとも表面に銀を有する導電粉と共に、溶剤と樹脂のいずれか一つ以上を混練する前記<1>から<5>のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法である。
<7> 酸化銀粉と、ゼラチンと、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかの溶剤とを含有することを特徴とする酸化銀泥漿である。
<8> 前記<7>に記載の酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを含有することを特徴とする導電性ペーストである。
<9> 更に樹脂を含有する前記<8>に記載の導電性ペーストである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、取り扱いが容易であり、銀ペーストに混合して使用でき、200℃以下の低温での樹脂硬化用途、インクジェット用途、及び600℃以上900℃以下の高温での焼成用途のいずれにも適用できると共に、更なる低抵抗化が実現できる導電性ペースト及びその製造に用いられる酸化銀泥漿、並びに導電性ペーストの製造方法を提供することができる。
図1は、実施例で用いたフレーク状銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例で用いた酸化銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、加熱後の硬化膜の走査型電子顕微鏡写真である。
(酸化銀泥漿)
本発明の酸化銀泥漿は、酸化銀粉と、ゼラチンと、溶剤とを含有する。
<酸化銀粉>
前記酸化銀粉としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。なお、化学式AgOで表される酸化銀であることが好ましい。
前記酸化銀粉の市販品としては、例えば、電池材料用途の酸化銀粉PS(DOWAエレクトロニクス株式会社製)などが挙げられるが、導電材料用途では粒径の細かいものが好ましい。
前記酸化銀粉の含有量は、前記酸化銀泥漿の全量に対して、40質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上75質量%以下がより好ましい。
前記酸化銀粉の物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱分解温度、BET比表面積、累積50%粒子径等が以下の範囲であることが好ましい。
−酸化銀粉の熱分解温度−
前記酸化銀粉の熱分解温度は、150℃以上200℃以下が好ましい。
前記熱分解温度は、例えば、示差熱分析計(TG−DTA)により、溶剤と混合した状態で測定することができる。
−−酸化銀粉のBET比表面積−−
前記酸化銀粉のBET比表面積は、0.1m/g以上10.0m/g以下が好ましく、0.5m/g以上5.0m/g以下がより好ましい。
前記酸化銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定することができる。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
−−酸化銀粉の累積50%粒子径(D50)−−
前記酸化銀粉の体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)は、0.01μm以上20μm以下が好ましい。5μm以上20μm以下が電池材料用途に適しており、0.05μm以上0.2μm以下が導電材料用途に適している。
前記酸化銀粉の累積50%粒子径は、湿式レーザー回折式の粒度分布測定により行うことができる。即ち、湿式レーザー回折式の粒度分布測定は、酸化銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに加え、チップ径20mmの超音波ホモジナイザーにより2分間分散させ、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、MICROTORAC MT3300EXII)を用いて測定する。測定結果をグラフ化し、銀粉の粒度分布の頻度と累積を求める。そして、累積50%粒子径をD50と表記する。
<ゼラチン>
銀粉表面に、酸化銀粉と前記ゼラチンが一緒になって分散した状態から、昇温とともにゼラチンが燃焼し、酸化銀粉の還元を促進する方向になる。前記酸化銀粉は銀(Ag)になり、銀粉同士の焼結(ネッキング)を促進していると考えられている。しかし、前記ゼラチンに類似の有機系添加物であるコラーゲンペプチドや寒天では本発明の効果は得られず逆に抵抗は悪化したことから、単に燃焼による還元促進だけではないゼラチンに特有の他の効用があるものと予想される。
前記ゼラチンとしては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ゼラチンの市販品としては、例えば、ゼライス株式会社製のM−175などが挙げられる。
前記ゼラチンの含有量は、前記酸化銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上7質量%以下がより好ましい。前記含有量が。0.1質量%未満であると、ゼラチンの添加効果が得られないことがあり、10質量%を超えると、逆に導体抵抗が上昇する。
<溶剤>
前記溶剤としては、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかが用いられる。前記ゼラチンは溶剤にはほとんど溶解しないが、前記ゼラチンと共に酸化銀粉と混合して酸化銀泥漿とするにあたって分離せず、前記酸化銀泥漿を用いてペースト化する際に、適度に分散するためである。本実施例に変えて一般的な溶剤であるエチレングリコール、ケロシン、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンゾトリアゾール化合物、リン酸エーテル、又はグリセリンを溶剤として用いた場合、分離してしまいペースト化できないことが本発明者の試験により判明している。また、トルエンを用いるとペースト化はするが抵抗が高くゼラチンを含むことでの抵抗値の低下効果は得られない。なお、酸化銀泥漿やペースト中に含まれる溶剤の種類は、GC−MS(ガスクロマト質量分析計)を用いて同定することができる。
前記溶剤の含有量は、前記酸化銀粉に対して、20質量%以上50質量%以下であることが好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、均一な酸化銀泥漿を得られない。50質量%を超えると、溶剤と酸化銀粉が分離してしまうことがある。
(導電性ペースト)
本発明の導電性ペーストは、前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する銀粉とを含有し、樹脂、及びペースト用の溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<酸化銀泥漿>
前記酸化銀泥漿としては、本発明の前記酸化銀泥漿を用いることができる。
前記酸化銀泥漿の含有量は、導電性ペーストの全量に対して、2質量%以上20質量%以下が好ましい。
<少なくとも表面に銀を有する導電粉>
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉としては、少なくとも表面に銀を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フレーク状銀粉、凝集銀粉、球状銀粉、又はこれらの混合物などが挙げられる。前記少なくとも表面に銀を有する導電粉とは、表面も内部も銀である導電粉(銀粉ともいう)と、表面は銀により被覆されているが内部が銅などの金属やガラスなど銀以外の材料である導電粉の、両方を含む。特性としては表面も内部も銀である銀粉が好ましいが、価格面で内部を安価な材料に変える場合がある。本発明の酸化銀泥漿を混合することによるネッキングの効果を発現するには表面に銀を有していればよい。また、前記少なくとも表面に銀を有する導電粉は、最表面に導電粉同士の凝集を抑制するような表面処理剤を有していてよい。これらの中でも、樹脂硬化型ペースト用途では、樹脂の収縮にともなう銀粉と銀粉の接触により導電ネットワークが形成されるので接触面積の大きいフレーク状銀粉を使用するのが好ましいが、球状銀粉を混合しても差し支えない。また、焼成型ペーストでは、銀粉が焼結してしまうので、コスト的に有利な球状銀粉を主に使用する方が好ましい。このように用途に応じて銀粉の形状を選べばよい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の製造方法としては、例えば、球状銀粉であれば、銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させる方法などが挙げられ、フレーク粉はフレーク化のためにメディアを使用して振動ミル又はボールミル等の公知の方法で作製できる。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の含有量は、導電性ペーストの全量に対して、50質量%以上90質量%以下が好ましい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、BET比表面積、累積50%粒子径、強熱減量等が以下の範囲であることが好ましい。
−−表面に銀を有する導電粉のBET比表面積−−
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉のBET比表面積は、0.1m/g以上10.0m/g以下が好ましく、0.5m/g以上5.0m/g以下がより好ましい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉のBET比表面積は、前記酸化銀粉のBET比表面積と同様にして測定することができる。
−−表面に銀を有する導電粉の累積50%粒子径−−
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉のレーザー回折式粒度分布測定法による体積基準の粒子径分布における累積50%粒子径(D50)は、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、0.5μm以上3.0μm以下がより好ましい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の累積50%粒子径は、前記酸化銀粉の累積50%粒子径と同様にして測定することができる。
−−表面に銀を有する導電粉の強熱減量−−
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の強熱減量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02質量%以上1質量%以下が好ましい。
前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の強熱減量は、試料2gを秤量(w1)して磁性るつぼに入れ、800℃で恒量になるまで30分間強熱した後、冷却し、秤量(w2)することにより、次式から求めることができる。
強熱減量(質量%)=[(w1−w2)/w1]×100
<樹脂>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族石油樹脂、アクリル酸エステル樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリエーテル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブチル樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、樹脂型ペーストでは、密着性、硬化性、可撓性、及び汎用性の点から、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。焼成型ペーストでは、印刷性などの点から、エチルセルロース、アクリル樹脂などが好ましい。
前記樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<ペースト用の溶剤>
前記ペースト用の溶剤としては、一般的に使用されているものが選ばれ、特にトルエン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートが好ましい。
前記溶剤の含有量については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記ペースト用の溶剤は、前記酸化銀泥漿に用いる溶剤と同じ溶剤を用いることがより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラスフリット;グラファイト、カーボンブラック等の炭素材料;界面活性剤、分散剤、分散安定剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤などが挙げられる。
(導電性ペーストの製造方法)
本発明の導電性ペーストの製造方法は、含浸処理工程と、混練工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<含浸処理工程>
前記含浸処理工程は、酸化銀粉とゼラチンと溶剤とを混合して酸化銀泥漿を形成する工程である。
前記含浸処理工程においては、ゼラチンと酸化銀粉を溶剤と共に混合し、含浸状態(混合物)にすることにより、乾粉に比べて保存安定性が向上し、導電性ペースト作製前後における意図しない還元を抑制しながら、低温から高温の幅広い温度範囲でも体積抵抗率の低い導電性ペーストが得られる。
前記酸化銀粉、前記ゼラチン、及び前記溶剤としては、前記導電性ペーストで説明したものを使用することができる。
前記混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、自転公転式撹拌、三本ロールミルなどが挙げられる。
前記溶剤としては、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかが好ましい。
前記溶剤の添加量は、前記酸化銀粉に対して、20質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
前記ゼラチンの添加量は、前記酸化銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
<混練工程>
前記混練工程は、前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを混練する工程である。インクジェット用途では更に溶剤を加えて混練すればよく、樹脂硬化用途や焼成用途では、更に樹脂や溶剤を加えて混練すればよい。
前記酸化銀泥漿、前記表面に銀を有する導電粉、及び前記樹脂、溶剤としては、前記導電性ペーストで説明したものを使用することができる。
前記混練方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超音波分散、三本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、二軸ニーダー、自公転式攪拌機などを用いて、混練する方法などが挙げられる。
前記含浸処理工程を介して前記混練工程を行うことより、酸化銀粉にゼラチンが付着した状態で、ゼラチンと酸化銀粉とが一緒になってペースト中に分散するため、銀粉や樹脂などの他の構成物の間に、ゼラチンを伴った酸化銀粉が介在し、焼成の初期において酸化銀粉の還元に伴い周りの銀粉間を強く結びつけることで銀粉間のネットワークが多くなり、ネッキングにより焼成完了時の密度が上がって導電性の向上につながると考えられる。
なお、あらかじめ銀粉にゼラチンが付いている場合や、含浸処理工程を介さずに混練工程時にゼラチンを添加する場合に比べて、本発明の製造方法では、ゼラチンの存在箇所を酸化銀粉の周囲に限定でき、酸化銀粉の還元に寄与しない不要なゼラチンを減らすことができるため、前記含浸処理工程を介することによる導電性の向上効果が高くなる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、少なくとも表面に銀を有する銀粉の調製工程などが挙げられる。
本発明の導電性ペーストは、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フォトリソグラフィ法などにより、基板上に印刷することができる。前記スクリーン印刷の場合、導電性ペーストの粘度は、コーンプレート回転速度1rpm、25℃で100Pa・s以上400Pa・s以下が好ましい。前記導電性ペーストの粘度が、100Pa・s未満であると、印刷時に「にじみ」が発生することがあり、400Pa・sを超えると、「かすれ」などの印刷ムラが発生することがある。
前記導電性ペーストの粘度は、前記少なくとも表面に銀を有する導電粉の含有量、粘度調整剤の添加や溶剤の種類により調整することができる。前記導電性ペーストの粘度は、例えば、BROOKFIELD社製の粘度計5XHBDV−IIIUCを用い、コーンプレートCP−52、ペースト温度25℃で測定することができる。
本発明の前記導電性ペーストは、例えば、太陽電池用のシリコンウエハ、タッチパネル用フィルム、EL素子用ガラス等の各種基体上に直接、あるいは必要に応じて基体上に更に透明導電膜を設けたその膜上に、塗布又は印刷して導電膜の形成などに好適に用いることができる。
<導電膜>
本発明で用いられる導電膜は、本発明の前記導電性ペーストから形成される。
前記導電膜の体積抵抗率は、100μΩ・cm以下が好ましく、50μΩ・cm以下がより好ましい。前記体積抵抗率が、100μΩ・cm以下であると、極めて低い体積抵抗率の導電膜が実現可能である。前記体積抵抗率が、100μΩ・cmを超えると、導電膜の導電性が不十分となることがある。
前記導電膜の体積抵抗率は、例えば、デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて、導電膜の長手方向の2点間の抵抗値を測定し、体積抵抗率=抵抗値×導電膜の厚み×導電膜の幅÷導電膜の長さを算出することにより測定することができる。
前記導電膜は、例えば、太陽電池セルの集電電極、チップ型電子部品の外部電極、RFID、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、エレクトロルミネセンス等の電極又は電気配線用途、インクジェットによる配線形成用途などに好適に用いられる。
以下、少なくとも表面に銀を有する導電粉として銀粉を用いた場合について、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
銀粉及び酸化銀粉のBET比表面積、タップ密度、粒度分布(D10、D50、及びD90)、銀粉の強熱減量、及び酸化銀粉の熱分解温度の測定方法は、以下に示す通りである。
<銀粉及び酸化銀粉のBET比表面積>
銀粉のBET比表面積は、Macsorb HM−model 1210(MOUNTECH社製)で、He:70%、N:30%のキャリアガスを用い、銀粉3gをセルに入れて脱気を60℃で10分間行った後、BET1点法により測定を行った。
<銀粉及び酸化銀粉のタップ密度>
タップ密度は、タップ密度測定装置(柴山科学株式会社製、カサ比重測定装置SS−DA−2)を使用し、銀粉15gを計量して、容器(20mL試験管)に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、タップ密度=試料重量(15g)/タッピング後の試料体積から算出した。
<銀粉及び酸化銀粉の粒度分布(D10、D50、及びD90)>
粒度分布は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、MICROTORAC MT3300EXII)を用いて、銀粉0.1gをイソプロピルアルコール40mLに加え、チップ径20mmの超音波ホモジナイザーにより2分間分散させて試料を準備し、全反射モードで粒径の測定を行った。測定により得た体積基準の累積分布により、累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、及び累積90%粒子径(D90)の値を求めた。
<銀粉及び酸化銀粉の強熱減量>
強熱減量は、銀粉試料2gを秤量(w1)して磁性るつぼに入れ、800℃で恒量になるまで30分間強熱した後、冷却し、秤量(w2)することにより、次式から求めた。
強熱減量(質量%)=[(w1−w2)/w1]×100
<酸化銀粉の熱分解温度>
酸化銀粉の熱分解温度は、示差熱分析計(TG−DTA、株式会社リガク製)により測定した。
(実施例1)
<フレーク状銀粉の調製>
球状銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、AG−2−45)に、エタノール及び分散剤としてのヘプタン酸(和光純薬工業株式会社製)を添加し、ボールミルを用いて、湿式フレーク化処理を行い、フレーク状銀粉を得た。
得られたフレーク状銀粉の粒度分布は、D10=0.7μm、D50=1.8μm、D90=4.8μm、BET比表面積=4.9m/g、強熱減量=0.30質量%、タップ密度=4.8g/cmであった。
得られたフレーク状銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子工業株式会社製、JSM−6100)によるSEM写真(10,000倍)を図1に示した。
<酸化銀粉の調製>
酸化銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、AgO−SCH−225)を用意した。
この酸化銀粉の粒度分布は、D10=0.05μm、D50=0.08μm、D90=0.14μm、BET比表面積=4.9m/g、強熱減量=7.6質量%、タップ密度=0.5g/cm、熱分解温度=179.2℃であった。この酸化銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子工業株式会社製、JSM−6100)によるSEM写真(10,000倍)を図2に示した。
<導電性ペーストの作製>
−ビヒクルの調製−
非晶性ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、バイロン200)を溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)中に40質量%となるように混合し、ビヒクルを調製した。
−酸化銀泥漿の調製−
次に、前記酸化銀粉0.95gと、ゼラチン(ゼライス株式会社製、M−175)0.043g(酸化銀粉に対して4.5質量%)と、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.387gとを混合し、酸化銀粉にゼラチンを含む溶剤を含浸させた酸化銀泥漿を形成した。
−導電性ペーストの作製−
次に、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、及び前記酸化銀泥漿(酸化銀粉0.95g、溶剤0.387g、及びゼラチン0.043g含有)1.38gを自転公転撹拌機(株式会社シンキー製、あわとり練太郎)により混練し、酸化銀粉を含む導電性ペーストを作製した。
次に、得られた導電性ペーストを、500μm×37.5mmの形状にスクリーン印刷し、大気中で200℃設定のオーブンで20分間加熱し、硬化させて導電膜を形成した。加熱後の硬化膜の走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子工業株式会社製、JSM−6100)によるSEM写真(10,000倍)を図3に示した。図3より、銀粉粒子同士のネッキングが多いことが分かる。
−体積抵抗率の測定−
得られた導電膜について、接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、SE−30D)を用いて導電膜の膜厚を測定した。次に、デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて導電膜の抵抗値を測定した。導電膜のサイズ(膜厚、幅、長さ)から、導電膜の体積を求め、求めた導電膜の体積と測定した前記抵抗値から、体積抵抗率を求めた。結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、酸化銀粉0.95gに、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)9gにゼラチン(ゼライス株式会社製、M−175)1gを添加し撹拌した際に溶け残って沈殿したゼラチンを除いた上澄み(BCAに溶解したゼラチンのみ。)0.43gを添加して、酸化銀粉に含浸させた以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、ゼラチンを添加していない溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)と酸化銀粉とをあらかじめ混合せずに、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、前記酸化銀粉0.95g、及び前記溶剤0.43gを混練した以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示した。
(比較例2)
まず、ゼラチンを添加していない溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.43gと、前記酸化銀粉0.95gとをあらかじめ混合して酸化銀泥漿を調製した。
次に、実施例1において、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、及び前記酸化銀泥漿1.38gを混練した以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1において、ゼラチンを酸化銀粉に対して4.5質量%(0.043g)添加した溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)と、酸化銀粉とをあらかじめ混合せずに、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、前記酸化銀粉0.95g、及び前記溶剤0.387gを混練した以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1において、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)を、溶剤(ECA:エチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示した。
(実施例4)
実施例2において、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)を、溶剤(ECA:エチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)に代えた以外は、実施例2と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示した。
(比較例4)
比較例1において、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)を、溶剤(ECA:エチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)に代えた以外は、比較例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示した。
(比較例5)
比較例2において、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)を、溶剤(ECA:エチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)に代えた以外は、比較例2と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示した。
(実施例5)
実施例1において、銀粉のフレーク化処理に用いる分散剤をヘプタン酸からオクタン酸(和光純薬工業株式会社製)に代えて調製したフレーク状銀粉を用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表3に示した。
(実施例6)
実施例2において、銀粉のフレーク化処理に用いる分散剤をヘプタン酸からオクタン酸(和光純薬工業株式会社製)に代えて調製したフレーク状銀粉を用いた以外は、実施例2と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表3に示した。
(比較例6)
比較例1において、銀粉のフレーク化処理に用いる分散剤をヘプタン酸からオクタン酸(和光純薬株式会社社製)に代えて調製したフレーク状銀粉を用いた以外は、比較例1と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表3に示した。
(比較例7)
比較例2において、銀粉のフレーク化処理に用いる分散剤をヘプタン酸からオクタン酸(和光純薬工業株式会社製)に代えて調製したフレーク状銀粉を用いた以外は、比較例2と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表3に示した。
(実施例7)
まず、前記酸化銀粉0.95gと、ゼラチン(ゼライス株式会社製、M−175)0.043g添加し、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.497gとを混合し、酸化銀粉にゼラチンを含む溶剤を含浸させた酸化銀泥漿を形成した。
次に、前記フレーク状銀粉7.29g、エポキシ樹脂(ADEKA社製、EP4901E)0.35g、硬化剤としての三フッ化ホウ素モノエチルアミン(BFNHEt、和光純薬工業株式会社製)0.018g、及び前記酸化銀泥漿(酸化銀粉0.95g、溶剤0.497g、ゼラチン0.043g)1.49gを自転公転撹拌機(株式会社シンキー製、あわとり練太郎)により混練し、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表4に示した。
(実施例8)
実施例7において、酸化銀粉0.95gに、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)9gにゼラチン(ゼライス株式会社製、M−175)1gを添加し撹拌した際に溶け残って沈殿したゼラチンを除く上澄み(BCAに溶解したゼラチンのみ)0.54gを添加して、酸化銀粉に含浸させた以外は、実施例7と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表4に示した。
(比較例8)
実施例7において、ゼラチンを添加していない溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)と酸化銀粉とをあらかじめ混合せずに、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、前記酸化銀粉0.95g、及び前記溶剤0.54gを混練した以外は、実施例7と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表4に示した。
(比較例9)
まず、ゼラチンを添加していない溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.54gと、前記酸化銀粉0.95gとをあらかじめ混合して酸化銀粉泥を調製した。
次に、実施例7において、前記フレーク状銀粉7.29g、前記ビヒクル1.33g、及び前記酸化銀泥漿1.49gを混練した以外は、実施例7と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表4に示した。
(実施例9)
−酸化銀泥漿の調製−
前記酸化銀粉1.056g、ゼラチン(ゼライス株式会社製、M−175)0.044g(酸化銀粉に対し4.3質量%)、及び溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.48gを混合し、酸化銀粉にゼラチンを含む溶剤を含浸させた酸化銀泥漿を形成した。
次に、前記酸化銀泥漿1.58g、樹脂1(和光純薬工業株式会社製、エチルセルロース10cpsをブチルカルビトールアセテートに30質量%溶解したもの)0.6g、樹脂2(日本カーバイト株式会社製、EU−5638、樹脂分46.1質量%)2.808g、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)1.367g、ガラスフリット(旭硝子株式会社製、ASF−1898B)1.92g、酸化ビスマス(DOWAハイテック株式会社製)0.181g、ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.3g、オレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.6g、及び二酸化テルル(和光純薬工業株式会社製)3.9gを秤量し、自公転式真空攪拌脱泡装置(株式会社シンキー製、あわとり練太郎)により混合(予備混練)した後、3本ロール(オットハーマン社製、EXAKT80S)により混練し、酸化銀泥漿を含むペーストを得た。
次に、前記酸化銀泥漿を含むペースト7.655gと、球状銀粉(AG−4−8F、DOWAエレクトロニクス株式会社製、D50=1.9μm、BET比表面積0.44m/g、タップ密度5.2g/cm)60.984gと、溶剤(JMC株式会社製、テキサノール)1.07gとを予備混合した後、3本ロールにて混練した。その後、テキサノール0.74g、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.74gを添加して導電ペーストを作製した。
得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表5に示した。
次に、シリコン基板上に、スクリーン印刷機(マイクロテック株式会社製、MT−320)を用いて印刷パターン500μm×37.5mmラインを形成し、熱風式乾燥機を用いて200℃で10分間乾燥させた。
次に、高速焼成IR炉(日本碍子株式会社製)を用いて、ピーク温度820℃ in−out 21secにて高速加熱した。
<太陽電池特性の評価>
膜厚計とデジタルマルチメーター(2端子)により太陽電池用シリコン基板(80Ω/□)上に、スクリーン印刷機(MT−320T、マイクロテック株式会社製)を用いて基板裏面に、アルミペースト(アルソーラー14−7021、東洋アルミニウム株式会社製)を用いて154mm厚のベタパターンを形成した。
次に、熱風乾燥機を用いて200℃で10分間乾燥させた。
基板表面に、前記導電性ペーストを用いて50μm幅のフィンガー電極と、3本のバスバー電極を形成した。
熱風乾燥機を用いて200℃で10分間乾燥させた。
高速焼成IR炉(日本碍子株式会社製)を用いて、ピーク温度820℃ in−out 21秒間にて高速加熱した。
WACOM社製ソーラーシュミレーターを用いて太陽電池特性(Eff(%)、Rs(Ω)、及び曲線因子FF(%))を評価した。結果を表5に示した。
(比較例10)
ゼラチンを用いず、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)と酸化銀粉とをあらかじめ混合せずに、前記球状銀粉60.984g、酸化銀粉0.616g、樹脂1(和光純薬工業株式会社製、エチルセルロース10cpsをブチルカルビトールアセテートに30質量%溶解したもの)0.28g、樹脂2(日本カーバイト株式会社製、EU−5638、樹脂分46.1質量%)1.638g、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)1.07g、テキサノール1.07g、ガラスフリット(旭硝子株式会社製、ASF−1898B)1.12g、酸化ビスマス(DOWAハイテック株式会社製)0.105g、ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.175g、オレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.35g、及び二酸化テルル(和光純薬工業株式会社製)2.275gを秤量し、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表5に示した。また、実施例9と同様にして、太陽電池特性を評価した。結果を表5に示した。
(比較例11)
ゼラチンを添加しないで、溶剤(BCA:ブチルカルビトールアセテート、和光純薬工業株式会社製)0.48gと前記酸化銀粉1.056gとをあらかじめ混合して酸化銀泥漿を調製した以外は、実施例9と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表5に示した。また、実施例9と同様にして、太陽電池特性を評価した。結果を表5に示した。
(実施例10)
実施例5において、用いる酸化銀粉を、酸化銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、AgO−SCH−225)から、酸化銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、PS)に代えた以外は、実施例5と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
この酸化銀粉は、D50=15.1μm、強熱減量=0.73質量%、タップ密度=0.69g/cm、熱分解温度=169.5℃であった。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表6に示した。
(比較例12)
比較例7において、用いる酸化銀粉を、酸化銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、AgO−SCH−225)から、酸化銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、PS)に代えた以外は、比較例7と同様にして、酸化銀粉を含む導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表6に示した。
(比較例13)
比較例7において、酸化銀粉を用いなかった以外は、比較例7と同様にして、導電性ペーストを得た。
次に、得られた導電性ペーストについて、実施例1と同様にして、導電膜を形成し、同様にして、体積抵抗率を測定した。結果を表6に示した。
実施例10と比較例12及び13の結果から、粒径の大きな酸化銀粉を用いた場合であっても、更なる低抵抗化を実現できることが確認された。
本発明の導電性ペーストは、例えば、太陽電池セルの集電電極、チップ型電子部品の外部電極、RFID、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、エレクトロルミネセンス等の電極又は電気配線用途、インクジェットでの配線形成用途などに好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 酸化銀粉とゼラチンと溶剤とを混合して酸化銀泥漿を形成する含浸処理工程と、
    前記酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを混練する混練工程と、を含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
  2. 前記溶剤が、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかである請求項1に記載の導電性ペーストの製造方法。
  3. 前記溶剤の添加量が、前記酸化銀粉に対して、20質量%以上50質量%以下である請求項1又は2に記載の導電性ペーストの製造方法。
  4. 前記ゼラチンの添加量が、前記酸化銀粉に対して、0.1質量%以上10質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法。
  5. 前記少なくとも表面に銀を有する導電粉が、フレーク状銀粉、凝集銀粉、球状銀粉、又はこれらの混合物である請求項1から4のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法。
  6. 前記混練工程において、前記少なくとも表面に銀を有する導電粉と共に、溶剤と樹脂のいずれか一つ以上を混練する請求項1から5のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法。
  7. 酸化銀粉と、ゼラチンと、ブチルカルビトールアセテート及びエチルカルビトールアセテートのいずれかの溶剤とを含有することを特徴とする酸化銀泥漿。
  8. 請求項7に記載の酸化銀泥漿と、少なくとも表面に銀を有する導電粉とを含有することを特徴とする導電性ペースト。
  9. 更に樹脂を含有する請求項8に記載の導電性ペースト。
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