[実施の形態1]
図1は、建材選択システム10の構成を示す説明図である。建材選択システム10は、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31を備える。サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31は、ネットワークを介して接続されている。なお、図示を省略するが、ネットワークには複数のユーザクライアント21および複数のメーカクライアント31が接続されている。
サーバ11は、サーバCPU(Central Processing Unit)12、主記憶装置13、補助記憶装置14および通信部15を備える。サーバ11は、汎用のパーソナルコンピュータ、汎用のサーバマシン、データセンタに設置された大型計算機上で稼動する仮想マシン等の情報処理装置である。サーバ11は、本実施の形態の建材選択システム10の建材選択装置の一例である。
サーバCPU12は、本実施の形態に係るプログラムを実行する演算制御装置である。サーバCPU12には、一または複数のCPUまたはマルチコアCPU等が使用される。主記憶装置13は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置13には、サーバCPU12が行う処理の途中で必要な情報およびサーバCPU12で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置14は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置14には、サーバCPU12に実行させるプログラムおよびプロジェクトDB(DataBase)41、選択結果DB42、パターンDB43、建材DB44、構成DB45等、プログラムの実行に必要な各種情報が保存される。通信部15は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。
なお、サーバ11は一つまたは複数の大型計算機上で動作する仮想マシンであっても良い。プロジェクトDB41、選択結果DB42、パターンDB43、建材DB44および構成DB45はネットワークを介してサーバ11に接続されたデータサーバ等の記憶装置に記憶されていても良い。各DBは、別々の記憶装置に記憶されていても良い。
ユーザクライアント21は、建築物を設計する設計者が使用するクライアントである。なお、以後の説明ではユーザクライアント21を使用中の設計者をユーザと記載する場合がある。ユーザクライアント21は、ユーザCPU22、主記憶装置23、補助記憶装置24、通信部25、入力部26および表示部27を備える。ユーザクライアント21は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報機器である。
ユーザCPU22は、サーバCPU12と協調して本実施の形態に係るプログラムを実行する演算制御装置である。サーバCPU12には、一または複数のCPUまたはマルチコアCPU等が使用される。ユーザCPU22は、バスを介してユーザクライアント21を構成するハードウェア各部と接続されている。
主記憶装置23は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置23には、ユーザCPU22が行う処理の途中で必要な情報およびユーザCPU22で実行中のプログラムが一時的に保存される。
補助記憶装置24は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置24には、ユーザCPU22に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種情報が保存される。通信部25は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。
入力部26は、マウス、キーボード、タッチパネル、ペンタブレット、マイク等の機器であり、ユーザによる操作を建材選択システム10が受け付ける際に使用する。表示部27は、ディスプレイ、プリンタ、プロッタ等の機器であり、選択する建材の候補、選択した結果等を表示する。
メーカクライアント31は、建材を供給するメーカまたは建材を販売する販売会社で働く営業担当者等が使用するクライアントである。メーカクライアント31はメーカCPU32、通信部35、表示部37および図示を省略する主記憶装置、補助記憶装置等を備える。メーカクライアント31は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報機器である。
メーカCPU32は、サーバCPU12と協調して営業担当者が必要とするデータ処理を実行する演算制御装置である。メーカCPU32は、バスを介してメーカクライアント31を構成するハードウェア各部と接続されている。
通信部35は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。表示部37は、ディスプレイ、プリンタ、プロッタ等の機器である。メーカクライアント31の主記憶装置、補助記憶装置等の機能は、ユーザクライアント21の対応する装置の機能と同様であるので、説明を省略する。
図2は、プロジェクトDB41のレコードレイアウトを示す説明図である。プロジェクトDB41は、建築物を設計するプロジェクトの番号、名称およびプロジェクトに関する情報を関連付けるDBである。プロジェクトDB41は、プロジェクト番号フィールド、名称フィールド、共有者フィールド、所在地フィールド、規模フィールド、構造フィールドおよび状況フィールドを有する。
共有者フィールドには、共有者1フィールド、共有者2フィールド等の連番のフィールドが含まれる。所在地フィールドには、郵便番号フィールドおよび住所フィールドが含まれる。プロジェクトDB41は、一つのプロジェクトについて一つのレコードを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトに固有の番号が記録されている。名称フィールドには、プロジェクトの名称が記録されている。共有者フィールドには、プロジェクトに関する情報を共有する人、すなわちプロジェクトに関する情報に対するアクセス権限を持つ人の名前が記録されている。なお、同姓同名の人が存在する可能性がある場合には、名前の代わりに各個人に固有のID(IDentification)番号等を使用することが望ましい。
郵便番号フィールドには、建設予定地の郵便番号が記録されている。住所フィールドには、建設予定地の住所が記録されている。規模フィールドには、建設予定地の面積が記録されている。構造フィールドには、建築物の構造の種類が記録されている。状況フィールドには、プロジェクトの進捗状況が記録されている。
図3は、選択結果DB42のレコードレイアウトを示す説明図である。選択結果DB42は、プロジェクト番号および建築物の部位と建材の選択結果とを関連付けるDBである。選択結果DB42は、プロジェクト番号フィールド、図面フィールド、階フィールド、室名フィールド、部位フィールドおよび構成番号フィールドを有する。選択結果DB42は、一つの部位について一つのレコードを有する。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトの番号が記録されている。図面フィールドには、建材が記載される図面の名称が記録されている。階フィールドには、建材が使用される場所の階数が記録されている。室名フィールドには、建材が使用される部屋の名称が記録されている。部位フィールドには、建材が使用される部位が記録されている。構成番号フィールドには、選択した建材の組み合わせを示す構成番号が記録されている。
図4は、パターンDB43のレコードレイアウトを示す説明図である。パターンDB43は、パターン記号と、建材の組み合わせ方の代表的なパターンとを関連付けるDBである。パターンDB43は、パターン記号フィールド、部位フィールド、構造フィールド、模式図フィールドおよび建材フィールドを有する。構造フィールドは、RC(Reinforced Concrete)フィールド、鉄骨フィールド、木造フィールドおよびコンクリートブロックフィールドを有する。建材フィールドは、建材1フィールド、建材2フィールド等連番のフィールドを有する。パターンDB43は、一つの建材の組み合わせパターンについて一つのレコードを有する。
パターン記号フィールドには、パターンに固有に割り当てられた記号が記録されている。部位フィールドには、パターンを使用する部位が記録されている。構造フィールドには、RC、鉄骨、木造およびコンクリートブロックの各構造の建築物への使用に適しているか否かが記録されている。たとえば、3行目に示すW1は、RC構造およびコンクリートブロック構造の建築物には適しているが、鉄骨構造および木造構造には適していない。
模式図フィールドには、パターン記号に対応づけてパターンの模式図がjpeg(Joint Photographic Experts Group)形式ファイル等により記録されている。建材フィールドには、パターンを構成する各部材の種類が一方の側から順番に記録されている。たとえば、W1は一番目の建材に仕上材、二番目の建材に下地ボード、三番目の建材に断熱材を使用することが記録されている。なお、図4に示すパターンは例示である。パターンDB43には床、壁、天井等、建築物の各部位の仕上げに使用する構成パターンが記録されている。
図5は、建材DB44のレコードレイアウトを示す説明図である。建材DB44は、建材の番号、名称、用途および仕様を関連付けるDBであり、多くの建材メーカが発行するカタログ等の情報に基づいて、建材選択システム10の運営者が作成する。建材DB44は、建材番号フィールド、用途フィールド、一般名フィールド、商品名フィールド、型番フィールド、メーカフィールド、仕様フィールドおよび特徴フィールドを有する。仕様フィールドには、透湿抵抗フィールド、防水性フィールド、厚さフィールド、設計単価フィールド等が含まれる。建材DB44は、1つの建材について1つのレコードを有する。
建材番号フィールドには、建材に固有の番号が記録されている。用途フィールドには、建材の用途が記録されている。一般名フィールドには、建材の一般名が記録されている。一般名とは、建築確認申請書等の公的な書類に記載する名称である。商品名フィールドには、建材の商品名が記録されている。型番フィールドには、メーカの定めた型番が記録されている。メーカフィールドには、建材を製造販売するメーカの名称が記録されている。仕様フィールドには、透湿抵抗、防水性、厚さ、設計単価等の建材の仕様が記録されている。なお、設計単価とは、建築費を概算する際に使用する単価である。特徴フィールドには、建材の特徴が記録されている。
建材DB44は、たとえば3ヶ月に1回の頻度または新製品が発表される都度、最新情報に更新される。
図6は、構成DB45のレコードレイアウトを示す説明図である。構成DB45には、構成番号と建材の組み合わせとを関連付けるDBである。構成DB45は、構成番号フィールド、パターン記号フィールド、下地フィールドおよび仕上フィールドを有する。下地1フィールドは、下地1フィールド、下地2フィールド等連番のフィールドを有する。構成DB45は、一つの建材の組み合わせについて一つのレコードを有する。
構成番号フィールドには、建材の組み合わせを特定するための番号が記録されている。パターン記号フィールドには、建材を選択する際に使用した建材の組み合わせパターンの記号が記録されている。下地フィールドには、下地に選択した建材の番号が一方の側から順番に記録されている。下地フィールドに記録されている建材の順番は、図4を使用して説明した建材フィールドに記録されている各部材の順番と対応している。仕上フィールドには、仕上げに選択した建材の番号が記録されている。
図7から図15は、建材選択システム10の表示画面の例を示す説明図である。図7から図15は、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して行う情報処理の結果に基づいて、ユーザクライアント21の表示部27に表示される。図7から図15を使用して、建材選択システム10の動作を説明する。
図7は、トップ画面の例を示す説明図である。トップ画面は、設計者がユーザクライアント21を使用して建材選択システム10にログインした際に、サーバCPU12から通信部15、ネットワークおよび通信部25を介して得た情報に基づいて、ユーザCPU22が表示部27に表示する画面である。以後の説明では通信部15、ネットワーク、通信部25およびユーザCPU22による処理を省略して、たとえば「サーバCPU12が表示部27に表示する」または「サーバCPU12が表示する」のように簡略化して記載する。
トップ画面には、ユーザ名欄51、表題欄52、プロジェクト欄53、ポイント欄54およびメッセージ欄55が含まれる。
ユーザ名欄51には、ログインしたユーザの名前が表示される。表題欄52には、建材選択システム10の表題が表示される。なお、表題欄52に建材選択システム10の運営者からユーザに充てた通知または広告が表示されても良い。プロジェクト欄53には、ログインしたユーザがアクセス権を有する進行中のプロジェクトの一覧が表示されている。すなわち、図2を使用して説明したプロジェクトDB41から、ログインしたユーザが共有者フィールドに記録されており、状況フィールドに「進行中」と記録されているプロジェクトレコードをサーバCPU12が抽出して、プロジェクト欄53に表示する。
ポイント欄54には、ログインしたユーザが保有しているポイントが表示される。メッセージ欄55にはログインしたユーザ宛のメッセージが表示される。なお、ポイントおよびメッセージに関する詳細は後述する。
図8は、図7に示すプロジェクト欄53中の「PJ2」のプロジェクトの選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。図8は、建材の選択を行う場所の指定を受け付け、選択された建材を建築用の図面の形式で表示する画面である。図8に示す画面には、プロジェクト名欄61、仕上表欄62および行追加用の制御ボタン63が表示されている。
プロジェクト名欄61には、表示中のプロジェクトの名称が記載されている。プロジェクト名欄61の選択を受け付けると、サーバCPU12はプロジェクトの一覧を示すプルダウンメニューを表示する。このプルダウンメニューにより、サーバCPU12は表示するプロジェクトの変更を受け付けることができる。
仕上表欄62には、建築用の図面の一種である仕上表の雛形が表示されている。すなわち、仕上表欄62には、建築用の図面の雛形が表示されている。仕上表は、建築物の外装の仕上げを示す外部仕上表と、建築物の内装の仕上げを示す内部仕上表に分かれている。仕上表欄62の上部には、切替タブ64が表示されている。切替タブ64の選択を受け付けることにより、サーバCPU12は外部仕上表と内部仕上表とを切り替えて表示する。図8では、外部仕上表が表示されている。外部仕上表には、建築物の外部の部位、下地、仕上げ、記号および備考が表形式で表示されている。制御ボタン63の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は仕上表に新たな行を追加して表示する。
図9は、内部仕上表を示す切替タブ64の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。図9は、内部仕上げに使用する建材の選択を行う場所の指定を受け付け、選択された建材を建築用の図面の一種である仕上表の形式で表示する画面である。仕上表欄62に内部仕上表が表示されている。内部仕上げ表には、階、室名と、床、壁および天井それぞれの下地、仕上げおよび記号と備考とが表形式で表示されている。内部仕上表中の1階のリビングの床が選択枠65で囲まれている。選択枠65は、入力部26を介してユーザによる指示を受け付けた場所に表示される。
なお、図8および図9では、仕上表欄62には入力を開始する前の仕上表の雛形が表示されている。既に仕上表の入力が行われている場合には、サーバCPU12は図3を使用して説明した選択結果DB42から選択中のプロジェクトに関する情報を抽出して、仕上表欄62に表示する。
図8およぶ図9に示す画面には、行の削除を受け付けるボタン、行の順番の変更を受け付けるボタン、入力中のデータの保存を受け付けるボタン、トップ画面への遷移を受け付けるボタン等の制御ボタン63が設けられていても良い。仕上表欄62の上部に、窓、ドア等の建具を記載する建具表、衛生設備、空調設備、電気設備等を記載する器具表を表示する切替タブ64が設けられていても良い。
図10は、図9に示す画面で選択枠65で囲まれた「1F リビング 床」の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。図10は、建材配置のパターンの候補を表示し、ユーザの選択を受け付ける画面である。図10に示す画面には、パターン選択欄56が含まれる。パターン選択欄56の上部には、切替タブ64が表示されている。なお、図10に示す画面は、図9に示す画面と切り替えて表示されても良いし、図9に示す画面とは別ウィンドウで表示されても良い。
パターン選択欄56には、内部仕上げに使用する建材の組み合わせパターンが表示されている。組み合わせパターンは、建築物の構造別に分けられている。以下では、図10に示すように「木造」タブの表示について説明する。サーバCPU12は、図4を使用して説明したパターンDB43から部位フィールドに「床」と記録されており、構造フィールド内の「木造」フィールドに「適」とされているレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したレコードの模式図フィールドに記録されている模式図を、パターン選択欄56に表示する。サーバCPU12は、入力部26を介してユーザによる指示を受け付けた模式図を囲む選択枠65を表示する。
切替タブ64の選択を受け付けることにより、サーバCPU12は表示するパターンを切り替える。なお、サーバCPU12は、図2を使用して説明したプロジェクトDB41から表示中のプロジェクトの建築物の構造を抽出し、それに対応するパターンのみを表示しても良い。このようにする場合には、サーバCPU12は切替タブ64を表示しなくても良い。
図11は、選択枠65で囲まれた「F1」の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。図11は、パターン中の各部分に使用する建材の入力を受け付ける画面である。以後の説明では、図11に示す画面を仕上表入力画面と記載する。仕上表入力画面には、模式図欄66および構成欄67が含まれる。構成欄67には、建材の検索を受け付ける検索ボタン68、入力内容の決定を受け付ける決定ボタン69および建材の順序変更、追加等を受け付ける制御ボタン63が含まれる。
模式図欄66には、図10で選択したパターンの模式図が表示されている。構成欄67には、パターンの構成要素が室内側から順に表示されている。図5を使用して説明した建材DB44に記録されている構成要素については、検索ボタン68が表示されている。「仕上材」のように建材DB44に記録されていない構成要素については、「材料名を入力してください」と表示されており、ユーザによる手入力を受け付ける状態になっている。
図12は、「透明防水シート」の検索ボタン68の選択を受け付けた後に、サーバCPU12およびユーザCPU22が協調して表示部27に表示する画面である。図12は、複数のメーカから販売されている建材の仕様を一覧表示する画面である。図12に示す画面には、グラフ欄71、候補欄72、決定ボタン69および凡例ボタン70が含まれる。グラフ欄71の上部には、表示するグラフの種類を変更する指示を受け付ける切替タブ64が表示されている。切替タブ64に表示される項目は、建材の種類により異なる。
図12では、透湿防水性を重視して建材を選択する際に適したグラフが表示されている。左側のグラフの横軸は防水性で単位はキロパスカル、縦軸は価格で単位は円/1平方メートルである。右側のグラフの横軸は透湿抵抗で単位は平方メートル秒パスカル/マイクログラム、縦軸は価格で単位は円/1平方メートルである。サーバCPU12は、図5を使用して説明した建材DB44から用途フィールドに「透湿防水シート」と記録されている建材レコードを抽出してユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、受信した建材レコードを、仕様フィールドに記録されたデータに基づいてグラフに表示する。黒丸、白丸および菱形は、メーカフィールドに記録されたメーカ名に対応付けられている。凡例ボタン70の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は黒丸、白丸および菱形のそれぞれに対応付けられたメーカ名を表示した小さい枠を図12の画面に重畳させて表示する。なお、グラフ上のデータは、メーカ別または素材別等で色分けして表示しても良い。
ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによるグラフ上のデータの選択を受け付ける。ユーザCPU22は、選択を受け付けたデータの近傍に三角形の選択マーク73および商品名を表示する。また、左側のグラフに、選択を受け付けたデータを中心として四角形の周辺マーク74を表示する。
なお、ユーザCPU22は、グラフ上の任意の点の選択を受け付けても良い。そのようにする場合には、ユーザCPU22は選択を受け付けた点を中心として周辺マーク74を表示する。選択を受け付けた点の近傍に建材を示すデータが存在しない場合には、ユーザCPU22は選択マーク73を表示しない。ユーザCPU22は、選択を受け付けた点を示す小丸または十字などを表示しても良い。
ユーザCPU22は、周辺マーク74内に表示されている建材を候補欄72に表示する。候補欄72には、建材DB44に記録されたフィールドのうち、建材番号フィールド、メーカフィールド、商品名フィールド、および仕様フィールドの一部のフィールドに記録されたデータが表示されている。また、候補欄72の右端には、検討中の建材であることを受け付けるチェックボックスが表示されている。ユーザCPU22は、グラフ上で選択を受け付けたデータの周囲に選択枠65を表示する。ユーザCPU22は、選択枠65内の選択マーク73が表示されている建材に対応するデータを、太枠で囲んで表示する。
なお、ユーザCPU22は、右側のグラフに周辺マーク74を表示しても良い。またユーザCPU22は、左右両方のグラフに周辺マーク74を表示しても良い。ユーザCPU22は、グラフ欄71に1個または3個以上のグラフを表示しても良い。グラフ上の別のデータの選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は表示されている選択マーク73および周辺マーク74を消去して、新たに選択を受け付けたデータに対応する場所に表示する。
図13は、候補欄72に表示された2個の建材の検討中のチェックボックスにチェックが入った状態で、「強度」を示す選択タブ64の選択を受け付けた後に、ユーザCPU22が表示部27に表示する画面である。図13では、強度を重視して建材を選択する際に適したグラフが表示されている。左側のグラフの横軸は縦方向の引張強さで単位はニュートン/5センチメートル、縦軸は横方向の引張強さで単位はニュートン/5センチメートルである。右側のグラフの横軸は縦方向の針保持強さで単位はニュートン/5センチメートル、縦軸は横方向の針保持強さで単位はニュートン/5センチメートルである。なお、引張強さおよび針保持強さの定義は日本工業規格に定められているので、説明を省略する。
ユーザCPU22は、図12で選択を受け付けたデータの近傍に三角形の選択マーク73および商品名を表示する。また、検討中のチェックボックスにチェックを受け付けた建材のデータの近傍に検討中マーク75を表示する。これにより、ユーザは透湿防水性の観点から選択した建材の候補を、強度の観点で比較検討することができる。
なお、検討中のチェックボックスにチェックを受け付けていない場合には、ユーザCPU22は選択マークを表示するが検討中マーク75は表示しない。図13に示す画面で、ユーザCPU22は、選択マーク73が表示されたマークの周囲に周辺マーク74を表示しても良い。このようにする場合には、ユーザCPU22は周辺マーク74内に表示されている建材を候補欄72に追加する。
図13に示すグラフで、別の建材の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は図12を使用して説明した動作と同様に選択マーク73および周辺マーク74を表示し、周辺マーク74内の建材を候補欄72に追加する。この際、前の画面において検討中のチェックボックスにマークが付けられなかった建材は画面から消去することが望ましい。
以上に述べたように、選択タブを切り替えて様々な観点から建材を比較検討することにより、ユーザは複数のメーカから提供されている建材の中から使用する建材を選択する。決定ボタン69の選択を受け付けた場合に、ユーザCPU22は選択された建材を構成欄67に記載する。また、ユーザCPU22は、選択された建材をサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、受信した建材をパターン内の構成要素と関連付けて主記憶装置13または補助記憶装置14に記憶する。その後、ユーザCPU22は、次の構成要素の選択を受け付ける。
図12および図13に示す切替タブ64は例示である。ユーザCPU22は、たとえば遮音性、熱伝導率、耐久性、保証期間等の観点で建材を比較検討するのに適したグラフを表示する切替タブ64を表示しても良い。図12および図13に示すグラフ欄71も例示である。ユーザCPU22は、ユーザによる縦軸および横軸の項目の選択を受け付けられることが望ましい。
ユーザCPU22は、図12および図13にグラフ欄71に表示された建材をたとえばメーカ名、耐水性、材質等の観点から絞り込む要求を受け付ける条件選択ボタンを追加で表示して良い。このようにすることにより、グラフ上に多数のデータが表示されている場合に、ユーザは所望の仕様の建材を選択しやすくなる。
ユーザCPU22は、グラフ欄71に建材の外観写真を並べて表示しても良い。壁紙、屋根材等の外観が重要な建材の場合には、数値で表現できる仕様に基づいて絞り込んだ建材の候補の外観写真を見比べることにより、ユーザは所望の仕様および外観を備えた建材を選択することができる。
図14は、4箇所の構成要素の選択がすべて完了した後にサーバCPU12が表示部27に表示する仕上表入力画面を示す。図14に示す画面には、模式図欄66の模式図中の各構成要素の一般名、厚さ、設計単価、構成要素の合計厚さおよび合計単価が表示されている。図12および図13を使用して説明した画面を使用して建材DB44から選択された建材が記載されている構成要素には、詳細ボタン76が表示されている。詳細ボタン76の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は建材の商品名、型番およびメーカ名表示した枠を、図14に示す画面に重畳して表示する。
決定ボタン69の選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は構成欄67に表示された建材の組み合わせを、図6を使用して説明した構成DB45に記録する。この際、構成番号フィールドには建材の組み合わせに固有の番号を連番で割り当てて記録する。パターン記号フィールドには、模式図欄66に表示された模式図を示す記号を記載する。下地フィールドには、仕上材以外の構成要素に選択された建材の番号を記録する。仕上げフィールドには、仕上材に選択された建材の番号を記録する。なお、図11および図14に示す「仕上材」のようにユーザが手入力した構成要素については、入力を受け付けた文字列を構成DB45に記録する。
サーバCPU12は、図3を使用して説明した選択結果DB43中の建材を選定した場所および部位に対応する選択結果レコードの構成番号フィールドに、構成DB45に記録した構成番号を記録する。
図15は、決定ボタン69の選択を受け付けた後に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面を示す。「1階 リビング 床」の部分を拡大して示すように、図10から図14を使用して説明した手順で選択された1階のリビングの床に使用する建材の一般名およびパターンを示す記号が表示されている。
たとえば拡大した部分の左端の「下地」の欄には、図14の画面に示す断熱材、透湿防水シートおよび下地ボードの構成が一般名を使用して「押出法ポリスチレンフォームの上、透湿防水シートの上、断熱性床下地材」と表示されている。拡大した部分の中央の「仕上」の欄には、図14の画面に示す仕上材が一般名を使用して「木質フローリング」と表示されている。拡大下部分の右端の「記号」の部分には、図10を使用して説明した画面でユーザによる選択を受け付けた建材配置のパターンを示すパターン記号が表示されている。
以上の手順を繰り返すことにより、各室の床、壁および天井に使用する建材を選択して記録することができる。また、外部仕上表についても同様にして屋根、庇および外壁に使用する建材を複数のメーカが供給する建材から選択して記録することができる。建具表、衛生設備、空調設備、電気設備等を記載する器具表等についても、同様である。
なお、図7から図15に示す画面は一例である。各画面は、ユーザが好みに応じて表示する項目およびレイアウトを調整できることが望ましい。
建材選択システム10は、構成DB45を有さなくても良い。このようにする場合には、選択結果DB42に構成番号フィールドの代わりにパターン記号フィールド、下地フィールドおよび仕上げフィールドを設ける。サーバCPU12は、パターン記号フィールドには建材配置のパターンを示すパターン記号を、下地フィールドおよび仕上げフィールドには選択された建材の建材番号をそれぞれ記録する。
図16は、建材選択システム10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ユーザが建材選択システム10にログインして、建材を選択するプロジェクトを選択し、図9に示した画面が表示されている段階から処理の流れの説明を開始する。
ユーザCPU22は、建材を選択する場所の指定を受け付ける(ステップS501)。場所の指定は、たとえば図9を使用して説明した選択枠65を使用して受け付けられる。ユーザCPU22は、受け付けた場所をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、受け付けた場所の部位をキーとしてパターンDB43の部位フィールドを検索して、その部位に対応した建材の組み合わせパターンを抽出する(ステップS521)。サーバCPU12は、抽出したパターンをユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、表示部27に受信したパターンを表示する(ステップS503)。表示する画面は、たとえば図10を使用して説明した画面である。ユーザCPU22は、パターンの選択を受け付ける(ステップS504)。パターンの指定は、たとえば図10を使用して説明した選択枠65を使用して受け付けられる。ユーザCPU22は、選択を受け付けたパターンに応じて、たとえば図11を使用して説明した仕上表入力画面を表示する。
ユーザCPU22は、パターン中の構成部分に使用する建材の検索指示を受け付ける(ステップS505)。検索指示は、たとえば図11を使用して説明した検索ボタン68を使用して受け付ける。ユーザCPU22は、検索を受け付けた構成部分をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、受信した構成部分をキーとして建材DB44の用途フィールドを検索して、建材の候補を抽出する(ステップS523)。サーバCPU12は、抽出した候補のレコードをユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、受信したレコードを使用して、抽出された候補を表示部27に表示する(ステップS507)。表示する画面は、たとえば図12を使用して説明した画面のグラフ欄71である。
ユーザCPU22は、建材の指定を受け付ける(ステップS508)。建材の指定は、たとえば図12を使用して説明したようにグラフ欄71に示された建材の仕様を示す点を使用して受け付ける。ユーザCPU22は、選択された建材を示す点の周囲に、グラフ上の縦軸および横軸の値が所定の範囲内であることを示す周辺マーク74を表示する。
なお、周辺マーク74は円形または楕円形であっても良い。周辺マーク74の大きさは、ユーザが設定できることが望ましい。
前述の通り、ユーザCPU22は、ステップS508でグラフ上の任意の点の選択を受け付けても良い。そのようにする場合には、ユーザCPU22は、選択を受け付けた点を中心として周辺マーク74を表示する。
ユーザCPU22は、周辺マーク74で示された範囲内の仕様、すなわち選択された建材と類似する仕様の建材を抽出する(ステップS509)ユーザCPU22は、抽出した建材の一覧を表示部27に表示する(ステップS510)。表示する画面は、たとえば図12を使用して説明した画面の候補欄72である。
ユーザCPU22は、建材が決定されたか否かを判定する(ステップS511)。判定は、たとえば図12および図13に示す決定ボタン69の選択を受け付けたか否かにより判定する。決定されていないと判定した場合は(ステップS511でNO)、ユーザCPU22はステップS508に戻る。決定されたと判定した場合には(ステップS511でYES)、ユーザCPU22は決定された建材を補助記憶装置24に記録する(ステップS512)。ユーザCPU22は、ステップS503で表示した画面に、決定された建材を追加した画面を表示部27に表示する。
ユーザCPU22は、建材の選択が終了したか否かを判定する(ステップS513)。判定は、たとえば図11または図14に示す決定ボタン69の選択を受け付けたか否かにより判定する。また、構成欄67に表示構成要素がすべて決定されたか否かにより判定しても良い。
終了していないと判定した場合は(ステップS513でNO)、ユーザCPU22はステップS505に戻る。終了したと判定した場合は(ステップS513でYES)、ユーザCPU22はパターン記号および選択した建材の組み合わせをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、受信したパターン記号および建材の組み合わせを、図6を使用して説明した構成DB45に記録する。すなわち、サーバCPU12は構成DB45に新しいレコードを作成する。サーバCPU12は、構成番号フィールドにレコードに固有の番号を割り当てて記録する。サーバCPU12は、パターン記号フィールドに受信したパターン記号を記録する。サーバCPU12は、下地フィールドに下地に選択された建材の建材番号を記録する。なお、サーバCPU12は、図4を使用して説明したパターンDB43の建材フィールドに記録された順番と対応する順番で建材番号を記録する。サーバCPU12は、仕上げフィールドに仕上材に選択された建材の建材番号を記録する。
サーバCPU12は、図3を使用して説明した選択結果DB42内の、建材を入力中の場所に関連付けられたレコードを抽出し、構成番号フィールドに割り当てられた構成番号を記録する(ステップS525)。サーバCPU12は、記録を完了したことをユーザCPU22に通知する。ユーザCPU22は、通知を受信した後に処理を完了する。
本実施の形態によると、建材DB44を使用することにより、多くのメーカから供給されている建材を横断的に調査して使用する建材を選択することが可能な建材選択装置等を提供することができる。また、図14および図15を使用して説明したように、建材の一般名を記載した仕上表を作成し、出力することができる。一般名を記載した仕上表は建築用の図面の一種であり、建築確認申請に使用することができる。一方、図6を使用して説明したように、構成DB45に選択した建材の番号が記録されているので、建材の発注書および施工指示書を容易に作成することができる。
図10を使用して説明したパターンの選択画面で、既に構成DB45に記録された建材の組み合わせを選択できるようにしても良い。さらに、選択した組み合わせを基に、一部の構成要素を変更した新たな組み合わせ作成し、構成DB45に記録しても良い。構成DB45は、プロジェクト単位、ユーザ単位またはユーザの所属する組織単位で共有しても良い。また設計システム10の運営者が推奨する建材の組み合わせをあらかじめ記録した構成DB45を提供しても良い。
プロジェクトDB41、選択結果DB42、パターンDB43および構成DB45は、ユーザクライアント21の補助記憶装置24に保存されていても良い。また、これらのDBがユーザの所属する組織が管理するサーバに記憶されていても良い。このようにすることにより、プロジェクトの内容に関する情報が外部に流出する可能性を低減することができる。このようにする場合であっても、建材DB44は建材システム10の運営者が管理するサーバ11に保存された最新のDBを使用することが望ましい。建材DB44もユーザクライアント21の補助記憶装置24に保存する場合には、定期的にサーバ11に保存された建材DB44と同期を取り、最新情報にアップデートすることが望ましい。
ステップS508からステップS513で説明した処理の大半をサーバCPU12が行い、ユーザCPU22はユーザの操作の受付および表示部27への表示のみを行うようにしても良い。
[実施の形態2]
本実施の形態は、建築に関する法規に対応した建材を表示する建材選択システム10に関する。建築物の設計者は、建築基準法、消防法、省エネ法等の法律およびこれらの法律に沿った政令、省令、告示等の法規に準拠して建築物を設計する。たとえば建築告示には、使用するべき材料が一般名で指定されている。なお、実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
図17は、実施の形態2の建材DB44のレコードレイアウトを示す説明図である。図17に示す建材DB44は、図5を使用して説明した建材DB44の代わりに使用するDBである。建材DB44は、建材の番号、名称、用途、仕様および準拠する法規を関連付けるDBであり、多くの建材メーカが発行するカタログ等の情報に基づいて、建材選択システム10の運営者が作成する。なお、新製品の追加等の建材DB44の更新を建材メーカが行えるようにしても良い。
建材DB44は、建材番号フィールド、用途フィールド、一般名フィールド、商品名フィールド、型番フィールド、メーカフィールド、仕様フィールド、特徴フィールドおよび法規フィールドを有する。仕様フィールドには、透湿抵抗フィールド、防水性フィールド、厚さフィールド、設計単価フィールド等が含まれる。建材DB44は、1つの建材について1つのレコードを有する。
建材番号フィールドには、建材に固有の番号が記録されている。用途フィールドには、建材の用途が記録されている。一般名フィールドには、建材の一般名が記録されている。一般名とは、建築確認申請書等の公的な書類に記載する名称である。商品名フィールドには、建材の商品名が記録されている。型番フィールドには、メーカの定めた型番が記録されている。メーカフィールドには、建材を製造販売するメーカの名称が記録されている。仕様フィールドには、透湿抵抗、防水性、厚さ、設計単価等の建材の仕様が記録されている。なお、設計単価とは、建築費を概算する際に使用する単価である。特徴フィールドには、建材の特徴が記録されている。法規フィールドは、たとえば「H12建告1358」等、個々の建築法規の略称のフィールドが含まれる。建築法規フィールドには、建材が各法規に適合しているか否かが記録されている。
図18は、実施の形態2の入力画面の例を示す説明図である。図18は、図12の代わりに表示部27に表示される画面である。図18は、図11の画面で「下地ボード」が選択された場合の例を示す。
図18に示す画面には、グラフ欄71および法規選択ボタン77が含まれる。グラフ欄71の上部には、表示する建材の仕様を絞り込むボタンが表示されている。グラフ欄71の横軸は価格で、単位は円/1平方メートル、縦軸は建材の一般名および特徴である。たとえば、白丸は一般名が「せっこうボード」である建材を、黒丸は一般名が「化粧石膏ボード」である建材を、白四角は一般名が「吸放湿石膏ボード」である建材をそれぞれ示す。
サーバCPU12は、図18を使用して説明した建材DB44から用途フィールドに下地ボードと記録されている建材レコードを抽出してユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、受信した建材レコードを、一般名フィールドおよび特徴フィールドに記録されたデータの組み合わせを縦軸に、設計単価フィールドに記録されたデータを横軸にしたグラフを表示部27に表示する。
法規選択ボタン77の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は法規欄78を表示する。法規欄78には、建材を選択する際に考慮する必要がある法規の一覧の略称が表示される。法規の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22は選択を受け付けた法規に適合した建材のみをグラフ欄71に表示する。ユーザCPU22は複数の法規の選択を受け付けても良い。
ユーザCPU22は、入力部26を介してユーザによるグラフ上のデータの選択を受け付ける。ユーザCPU22は、グラフ欄71の下に選択を受け付けた建材の仕様を表形式で表示する。なお、ユーザCPU22は、図12または図13を使用して説明した形式の画面に、法規選択ボタン77を表示しても良い。
本実施の形態によると、建築に関する法規に対応した建材を表示する建材選択システム10を実現することができる。
建材選択システム10は、各法規が要求している建材の仕様の条件を記録したDBに基づいて、仕様に合致する建材を建材DB44から抽出しても良い。建材の仕様の条件とは、たとえば建材の厚さおよび材質である。このようにする場合には、図5を使用して説明した法規フィールドを有さない建材DB44を使用することができる。
建材選択システム10の運営者は郵便番号と適用される法規とを関連付けるDBを作成して、補助記憶装置14に記憶しておいても良い。サーバCPU12は、プロジェクトDB41の郵便番号フィールドに記録された建築予定地の郵便番号から、適用される法規を抽出し、対応する建材のみをグラフ欄71に表示する。このようにすることにより、設計中の建築物に適用される法規を設計者が確認する手間を省くことができる。
[実施の形態3]
本実施の形態は、選択された建材に基づいて費用の積算表を作成する建材選択システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図19は、実施の形態3の面積DB46(図21参照)のレコードレイアウトを示す説明図である。面積DB46は、各部屋の部位とその面積とを関連付けるDBである。面積DB46は、プロジェクト番号フィールド、階フィールド、室名フィールドおよび部位フィールドを有する。部位フィールドは、床フィールド、壁フィールドおよび天井フィールドを含む。面積DB46は、一つの部屋について一つのレコードを有する。面積DB46は、補助記憶装置14に記憶されたDBである。
プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトの番号が記録されている。階フィールドには、建材が使用される場所の階数が記録されている。室名フィールドには、建材が使用される部屋の名称が記録されている。床フィールドには、床の面積が記録されている。壁フィールドには、壁の面積が記録されている。天井フィールドには、天井の面積が記録されている。
床フィールド、壁フィールドおよび天井フィールドに記録されているデータは、ユーザが入力するか、または間取り図に基づいてサーバCPU12が生成する。
図20は、実施の形態3の入力画面の例を示す説明図である。図20は、図15の代わりに表示部27に表示される画面である。図20に示す画面には、プロジェクト名欄61、仕上表欄62および行追加用の制御ボタン63が表示されている。
プロジェクト名欄61には、表示中のプロジェクトの名称が記載されている。プロジェクト名欄61の選択を受け付けると、サーバCPU12はプロジェクトの一覧を示すプルダウンメニューを表示する。このプルダウンメニューにより、サーバCPU12は表示するプロジェクトの変更を受け付けることができる。
仕上表欄62には、仕上表が表示されている。仕上表欄62の上部には、切替タブ64が表示されている。図20では、内部仕上表が表示されている。内部仕上げ表には、階、室名、部位、建材の組み合わせの構成番号、単価、面積、小計および合計が表形式で表示されている。構成番号は、図6を使用して説明した構成DB45に記録された、建材の組み合わせの構成番号を示す。単価は、使用する建材の設計単価を合計して算出した単位面積あたりの建材の価格を示す。面積は、図19を使用して説明した部位ごとの面積を示す。小計は、単価と面積の積であり、各部位に使用する建材の合計価格を示す。合計は、各室の床、壁および天井の小計の合計であり、各部屋に使用する建材の合計価格を示す。最下行に表示された合計は、すべての部屋の内部仕上げに使用する建材の合計価格を示す。
ユーザCPU22が行う処理の流れの概要を説明する。ユーザCPU22は、各部位に使用する建材の選択を受け付けた後、建材DB44設計単価フィールドより使用する建材の設計単価を抽出する。ユーザCPU22は、使用する建材の設計単価を合計する。ユーザCPU22は、面積DB46よりその部位の面積を抽出する。ユーザCPU22は、設計単価と面積との積を算出して、小計欄に表示する。ユーザCPU22は、部屋ごとの小計の和を算出して、合計欄に表示する。ユーザCPU22は、すべての部屋の金額の和を算出して、最下行の合計欄に表示する。
本実施の形態によると、選択された建材に基づいて費用の積算表を作成する建材選択システム10を提供することができる。積算表を作成することにより、施主の予算額を設計に反映させることが容易になる。また、施主との打ち合わせの際に、見積金額を提示しやすくなる。
[実施の形態4]
本実施の形態は、選定した建材から積算した単価に掛率を乗じて見積書を作成する建材選択システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図21は、実施の形態4の建材選択システム10の構成を示す説明図である。建材選択システム10は、サーバ11、ユーザクライアント21、メーカクライアント31および施工者クライアント17を備える。サーバ11、ユーザクライアント21、メーカクライアント31および施工者クライアント17は、ネットワークを介して接続されている。なお、図示を省略するが、ネットワークには複数のユーザクライアント21、複数のメーカクライアント31および複数の施工者クライアント17が接続されている。
図21では、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31の内部の構成は省略する。サーバ11は、サーバCPU12、主記憶装置13、補助記憶装置14および通信部15を備える。補助記憶装置14には、サーバCPU12に実行させるプログラムおよびプロジェクトDB41、選択結果DB42、パターンDB43、建材DB44、構成DB45、面積DB46、見積DB57、標準掛率DB58等、プログラムの実行に必要な各種情報が保存される。
施工者クライアント17は、建築物を施工する建設会社の施工担当者等が使用するクライアントである。施工者クライアント17は施工者CPU18、通信部19、表示部20および図示を省略する主記憶装置、補助記憶装置等を備える。施工者クライアント17は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報機器である。
施工者CPU18は、サーバCPU12と協調して施工担当者が必要とするデータ処理を実行する演算制御装置である。施工者CPU18は、バスを介して施工者クライアント17を構成するハードウェア各部と接続されている。
通信部19は、ネットワークとの通信を行うインターフェイスである。表示部20は、ディスプレイ、プリンタ、プロッタ等の機器である。施工者クライアント17の主記憶装置、補助記憶装置等の機能は、ユーザクライアント21の対応する装置の機能と同様であるので、説明を省略する。
図22は、実施の形態4の見積DB57のレコードレイアウトを示す説明図である。見積DB57は、建築物を作る際に行う各工事と、各工事の見積金額とを関連付けるDBである。見積DB57は、プロジェクトフィールド、名称フィールド、摘要フィールド、数量フィールド、単位フィールド、設計単価フィールド、掛率フィールド、単価フィールド、金額フィールド、備考フィールド、来歴1フィールドおよび来歴2フィールドを有する。来歴1フィールドおよび来歴2フィールドはそれぞれ日付フィールド、位置フィールド、変更者フィールドおよび内容フィールドを有する。なお、見積DB57は、来歴3フィールド以降のフィールドを有しても良い。以後の説明では来歴1フィールド、来歴2フィールドおよび来歴3以降のフィールドをまとめて来歴フィールドと記載する。見積DB57は一つの摘要について1つのレコードを有する。
プロジェクトフィールドには、プロジェクトの名称が記録されている。名称フィールドには、工事の名称が記録されている。工事の名称とは、たとえば仮設工事、木工事、木工事等、建築物を作る工程を大きく区切った大項目の名称をいう。
摘要フィールドには、工事の摘要が記録されている。工事の摘要とは、工事の名称フィールドに記録された各工事をいくつかの項目に分割した場合の工程または工程の説明等の中項目をいう。
数量フィールドには、摘要フィールドに記録された項目の数量が記録されている。単位フィールドには、数量フィールドに記録された数量の単位が記録されている、単位は、たとえばメートル、平方メートル、立法メートル、坪、式、本、台、個、枚、組、株、日、月、か所、トン、トン日、平方メートル月または平方メートル日である。
設計単価フィールドには、摘要フィールドに記録された各項目の設計単価が記録されている。設計単価は建材メーカ等が公表している単価であり、たとえば実施の形態3で作成する積算表により求めた単価を使用する。
掛率フィールドには、摘要フィールドに記録された項目の掛率が記録されている。掛率については後述する。単価フィールドには、設計単価に掛率を乗じた単価が記録されている。単価フィールドに記録される単価は、実際の施工に掛かる見積単価である。金額フィールドには、見積単価に数量を乗じた金額が記録されている。金額フィールドに記録された金額の合計が、施工に必要な費用の見積の合計額である。備考フィールドには備考が記録されている。
来歴フィールド中の各フィールドには、見積DB57に記録された事柄の修正の来歴が記録される。日付フィールドには、見積レコードが修正された日付が記録される。位置フィールドには、見積レコードが修正された位置、すなわち修正されたフィールドの名称が記録される。変更者フィールドには、見積DB57に記録された事柄を修正した人が記録される。修正した人とは、修正を受け付けたクライアントにログインしていた人物である。内容フィールドには、来歴の修正内容が記録される。たとえば図22に示すように右向きの矢印の右側に修正前の記録内容、右向きの矢印の左側に修正後の記録内容が記録される。
掛率について説明する。掛率とは、設計単価と、建設会社等が実際に支払う金額との比率である。たとえば、同じ建材を大量に使用する大規模物件である場合には、積算に使用する価格よりも安い価格で建材を仕入れることができる。逆に小規模物件である場合、あるいは離島等の交通不便な土地である場合には、建材の仕入れ価格は高くなる。また、信用力のある大規模な建設会社では仕入れ価格は低くなる。過去の取引実績が多い場合も仕入れ価格は低くなる。このような事情があるので、掛率は様々な要因により変動する。
設計単価フィールドに記録される金額には、作業を行う職人の工賃も反映される。工賃は、都市部では比較的高くなり、地方では比較的安くなる等、地域によって異なる。
掛率が1である場合は、設計単価フィールドに記録された価格と同一の金額で摘要フィールドに記録された項目を施工できることを意味する。掛率が1よりも小さい場合は、設計単価フィールドに記録された価格よりも安い金額で摘要フィールドに記録された項目を施工できることを意味する。
具体例を挙げて説明する。なお、見積DB57中の金銭の単位は「万円」であり、小数点以下を省略した場合を例にして説明する。図22の最初のレコードには、プロジェクト名「PJ1」のプロジェクトの「仮設工事」のうちの「A01」について記録されている。「A01」は、たとえば足場の組立工事、仮設水道の接地工事等である。
「A01」の工事一式の設計単価は11万円。「PJ1」の規模および立地等から掛率は0.9であり、実際の単価は9万円、単価に数量を乗じて算出した金額も9万円である。仮設工事の項目については、修正来歴は無い。
一方、図22の最後のレコードには、プロジェクト名「PJ1」のプロジェクトの「金属工事」のうちの「D04」について記録されている。来歴1フィールドの記載について説明する。このレコードの掛率フィールドは、「2015年9月3日」に「○○建設のT氏」により「0.7」から「0.62」に修正されている。
図23は、実施の形態4の標準掛率DB58のレコードレイアウトを示す説明図である。標準掛率DB58は、工事の名称、摘要、地域および規模と、掛率の初期値に使用する初期掛率とを関連付けるDBである。
標準掛率DB58は、名称フィールド、摘要フィールド、地域フィールド、規模フィールドおよび初期掛率フィールドを有する。
名称フィールドには、工事の名称が記録されている。工事の名称とは、前述の通り仮設工事、木工事、木工事等、建築物を作る工程を大きく区切った大項目の名称をいう。
摘要フィールドには、工事の摘要が記録されている。工事の摘要とは、前述の通り工事の名称フィールドに記録された各工事をいくつかの項目に分割した場合の工程または工程の説明等の中項目をいう。
地域フィールドには、建設予定地の地域の名称が記録されている。規模フィールドには建築物の規模が記録されている。初期掛率フィールドには、名称フィールド、摘要フィールド、地域フィールドおよび規模フィールドの各フィールドの記録された条件を組み合わせた場合の標準的な掛率が記録されている。
初期掛率フィールドに記録されている掛率は、たとえば過去に施工した数多くの工事の地域、規模および設計単価と実際に要した費用とのデータに基づいて統計的に算出した標準的な掛率の値である。また、経験豊富なベテランの設計者が使用する掛率を調査して、掛率フィールドに記録しても良い。
具体例を挙げて説明する。図23には、内部仕上げ工事の主材料の掛率が記載されている。主材料とは、たとえば実施の形態1で説明した床、壁および天井に使用する建材の材料費を意味する。東京23区内で20平方メートル未満の小規模物件である場合には、実施の形態3で説明した積算表により算定した金額と同じ費用が必要である。一方100平方メートル以上1000平方メートル未満の規模の物件では、積算表により算定した金額0.7倍の金額で主材料を調達することができる。
図23に示す標準掛率DB58のフィールドは例示である。前述の通り掛率は様々な要因により変化する。したがって標準掛率DB58はたとえば建設会社フィールド、元請会社フィールド等の掛率に影響を与える要因を記録したフィールドを有することが望ましい。
図24および図25は、実施の形態4の建材選択システム10の表示画面の例を示す説明図である。図24および図25は、サーバCPU12、ユーザCPU22および施工者CPU18が協調して行う情報処理の結果に基づいて、ユーザクライアント21の表示部27または施工者クライアント17の表示部20に表示される。なお、図24では各項目の内容の記載を省略する。また図25では各項目の内容は簡略化して記載する。
図24は、中項目に展開した見積書の画面の例を示す説明図である。図24には、見積DB57の名称フィールドから備考フィールドまでに記録された事柄が表形式で表示されている。来歴フィールドに内容の変更が記録されている項目の右上には、来歴マーク59が表示されている。来歴マーク59の選択を受け付けた場合には、ユーザCPU22または施工者CPU18は来歴フィールドに記録された事柄を来歴窓60により表示する。
図25は、建築工事の概要を示す見積書の例を示す説明図である。金額欄には、たとえば仮設工事、木工事、木工事等、建築物を作る工程を大きく区切った大項目ごとに積算した金額が表示されている。
図24の画面には、図25の画面に切り替える指示を受け付ける図示しない制御ボタンが設けられている。図25の画面には、図24の画面に切り替える指示を受け付ける図示しない制御ボタンが設けられている。
図24および図25を使用して、本実施の形態の建材選択システム10の動作を説明する。なお、ユーザクライアント21にログインしている設計担当者と施工者クライアント17にログインしている施工担当者とが、同じプロジェクトへのアクセス権を有する場合について説明する。ログインおよび認証の手順については説明を省略する。
サーバCPU12は、補助記憶装置14から見積DB57中のレコードを取得する。取得した見積レコードの掛率フィールドにデータが記録されていない場合には、サーバCPU12はプロジェクトフィールドに記録されたデータをキーとして図2を使用して説明したプロジェクトDB41の名称フィールドを検索してプロジェクトレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したプロジェクトレコードの住所フィールドおよび規模フィールドから住所および規模を抽出する。
サーバCPU12は、抽出した見積レコードの名称フィールドおよび摘要フィールドに記録された名称および摘要と、抽出したプロジェクトフィールドに記録された住所および規模をキーとして標準掛率DB58を検索して、標準掛率レコードを抽出する。CPU12は、抽出したレコードの初期掛率フィールドに記録されている掛率を見積レコードの掛率フィールドに記録する。サーバCPU12は、掛率を記録した後の見積レコードをユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は表示部27に図24に示す画面を表示する。なお、見積DB57にデータを登録する際に、上述のように標準掛率DB58を使用して掛率フィールドにデータが記録されるようにしても良い。
図24に示す表のうち、「数量」「単位」および「掛率」の列は編集を受け付ける。「単価」および「金額」の列には、サーバCPU12が算出した値が表示され、編集は受け付けない。「名称」「摘要」「設計単価」の列も編集を受け付けない。
ユーザクライアント21の表示部27上で編集を受け付ける列が選択されて編集された場合には、サーバCPU12は見積DB57中の対応するフィールドを更新する。図示しない終了ボタンにより編集が終了したことを受け付けた場合には、サーバCPU12は見積DB57の編集を終了して保存する。サーバCPU12は、見積書の案が作成されたことを施工者クライアント17に通知する。
その後、サーバCPU12は施工者クライアント17の表示部20に図24の画面を表示する。施工者クライアント17の表示部27上で編集を受け付ける列が選択されて編集された場合には、サーバCPU12は見積DB57中の対応するフィールドを更新する。サーバCPU12は、来歴フィールドに変更を受け付けた日付、変更を受け付けた位置、変更者および変更の内容を記録する。図示しない終了ボタンにより編集が終了したことを受け付けた場合には、サーバCPU12は見積DB57の編集を終了して保存する。サーバCPU12は、見積書の案が変更されたことをユーザクライアント21に通知する。
同様に、サーバCPU12はユーザクライアント21の表示部27に図24の画面を表示する。いったん見積書案を作成した後にユーザクライアント21からの変更を受け付けた場合には、サーバCPU12は見積DB57の対応するフィールドを更新するとともに、来歴フィールドに変更を受け付けた日付、変更を受け付けた位置、変更者および変更の内容を記録する。図示しない終了ボタンにより編集が終了したことを受け付けた場合には、
サーバCPU12は、見積書の案が変更されたことを施工者クライアント17に通知する。
なお、ユーザクライアント21と施工者クライアント17とによる見積DB57の編集は交互に行われるとは限らない。いずれかのクライアントからの編集が連続して行われても良い。
図24の画面の表示中に図示しない制御ボタンの選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は表示する画面を図25の画面に切り替える。図25の画面の表示中に図示しない制御ボタンの選択を受け付けた場合には、サーバCPU12は表示する画面を図24の画面に切り替える。
CPU12は、図25に示す画面では、編集が行われた名称の項目の金額欄に来歴マーク59を表示する。
図26および図27は、実施の形態4の建材選択システム10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ユーザクライアント21および施工者クライアント17から建材選択システム10へのログインを行うステップについては説明を省略する。また、図24を使用して説明した画面と図25を使用して説明した画面との切替についても説明を省略する。
ユーザCPU22は、見積を表示するプロジェクトの指定を受け付ける(ステップS641)。ユーザCPU22は、受け付けたプロジェクトをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、プロジェクトの名称をキーとして見積DB57を検索して、見積レコードを抽出する(ステップS661)。サーバCPU12はプロジェクトフィールドに記録されたデータをキーとして図2を使用して説明したプロジェクトDB41の名称フィールドを検索してプロジェクトレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したプロジェクトレコードの住所フィールドおよび規模フィールドから住所および規模を抽出する。サーバCPU12は、抽出した見積レコードの名称フィールドおよび摘要フィールドに記録された名称および摘要と、抽出したプロジェクトフィールドに記録された住所および規模をキーとして標準掛率DB58を検索して、標準掛率レコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出した標準掛率レコードの初期掛率フィールドから、初期掛率を抽出する(ステップS662)。
サーバCPU12は、ステップS661で抽出した見積レコードの掛率フィールドに、ステップS662で抽出した初期掛率を記録する(ステップS663)。なお、ステップS661で抽出した見積レコードの掛率フィールドに既にデータが入っている場合には、ステップS661からステップS663までを省略しても良い。
サーバCPU12は、見積レコードをユーザクライアント21に送信する。ユーザCPU22は、表示部27に図24を使用して説明した画面を表示する(ステップS643)。
ユーザCPU22は、変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS644)。変更を受け付けた場合とは、ユーザクライアント21の表示部27上で、編集を受け付ける列が選択されて編集されたことを受け付けた場合である。変更を受け付けたと判定した場合は(ステップS644でYES)、ユーザCPU22は受け付けた内容をサーバCPU12へ送信する。
サーバCPU12は、変更内容を記録する(ステップS665)。すなわち、サーバCPU12は、受信した内容で見積レコードの対応するフィールドの内容を更新する。サーバCPU12は、変更後の見積レコードをユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、変更された見積DB57の内容を表示部27に表示する(ステップS646)。
ステップS646の終了後およびステップS644で変更を受け付けたと判定しない場合(ステップS644でNO)、ユーザCPU22は編集を終了するか否かを判定する(ステップS647)。編集を終了する場合とは、図示しない終了ボタンの選択を受け付けた場合である。
編集を終了しないと判定した場合は(ステップS647でNO)、ユーザCPU22はステップS644に戻る。編集を終了すると判定した場合は(ステップS647でYES)、ユーザCPU22は編集を終了したことをサーバCPU12に通知する。
サーバCPU12は、見積DB57の編集を終了したことを施工者CPU18に通知する(ステップS667)。施工者CPU18は、施工者クライアント17の表示部20に図24を使用して説明した画面を表示する(ステップS681)。なお、施工者クライアント17が他のプロジェクトの作業に使用されている場合等、図24の画面を表示するのに適さない状況である場合には、施工者CPU18は適した状況になるまで待ってからステップS681に進む。
施工者CPU18は、変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS682)。変更を受け付けたと判定した場合は(ステップS682でYES)、施工者CPU18は受け付けた内容をサーバCPU12へ送信する。
サーバCPU12は、変更内容を記録する(ステップS669)。さらにサーバCPU12は変更を受け付けた見積レコードの来歴フィールドに、変更を受け付けた日付、変更を受け付けた位置、変更者および変更内容を記録する。サーバCPU12は、変更後の見積レコードを施工者CPU18に送信する。施工者CPU18は、変更された見積DB57の内容を表示部27に表示する(ステップS684)。
ステップS684の終了後およびステップS682で変更を受け付けたと判定しない場合(ステップS682でNO)、施工者CPU18は編集を終了するか否かを判定する(ステップS685)。
編集を終了しないと判定した場合は(ステップS685でNO)、施工者CPU18はステップS682に戻る。編集を終了すると判定した場合は(ステップS685でYES)、施工者CPU18は見積が確定したか否かを判定する(ステップS686)。見積が確定した場合とは、たとえば図示しない確定ボタンの入力を受け付けた場合である。確定したと判定した場合は(ステップS686でYES)、施工者CPU18は処理を終了する。
確定していないと判定した場合は(ステップS686でNO)、施工者CPU18は編集を終了したという通知をサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、見積DB57の編集を終了したことをユーザCPU22に通知する(ステップS671)。ユーザCPU22は、表示部27に図24を使用して説明した画面を表示する(ステップS651)。
ユーザCPU22は、変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS652)。変更を受け付けたと判定した場合は(ステップS652でYES)、ユーザCPU22は受け付けた内容をサーバCPU12へ送信する。
サーバCPU12は、変更内容を記録する(ステップS673)。さらにサーバCPU12は変更を受け付けた見積レコードの来歴フィールドに、変更を受け付けた日付、変更を受け付けた位置、変更者および変更内容を記録する。サーバCPU12は、変更後の見積レコードをユーザCPU22に送信する。ユーザCPU22は、変更された見積DB57の内容を表示部27に表示する(ステップS654)。
ステップS654の終了後およびステップS652で変更を受け付けたと判定しない場合(ステップS652でNO)、ユーザCPU22は編集を終了するか否かを判定する(ステップS655)。
編集を終了しないと判定した場合は(ステップS655でNO)、ユーザCPU22はステップS652に戻る。編集を終了すると判定した場合は(ステップS655でYES)、ユーザCPU22は見積が確定したか否かを判定する(ステップS656)。確定したと判定した場合は(ステップS656でYES)、ユーザCPU22は処理を終了する。
確定していないと判定した場合は(ステップS656でNO)、ユーザCPU22はステップS667に戻る。
本実施の形態によると、経験の浅い設計担当者が使用した場合にも、適切な掛率を設定して精度の高い見積書を作成する建材選択システム10を提供することができる。
また、本実施の形態によると設計担当者と施工担当者とが同一の見積DB57を利用して、共同して見積書を作成する建材選択システム10を提供することができる。そのため、両者の知見を活かして、精度の高い見積書を作成することができる。
[実施の形態5]
本実施の形態は、利用状況に合わせたメッセージをユーザに配信し、配信されたメッセージの閲覧状況に応じてユーザにポイントを付与する建材選択システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。なお、メッセージは、建材のメーカがユーザに提供する通知の一例である。
ポイントについて説明する。建材メーカは、建材の広告などのメッセージと配信条件を建材選択システム10に登録する。この際、建材メーカはメッセージにポイントを設定することができる。建材選択システム10の使用状況が配信条件に合致した場合に、サーバCPU12は、ユーザにメッセージを配信する。ポイントが設定されたメッセージをユーザが閲覧した場合に、ユーザにポイントが付与される。サーバCPU12はメッセージの閲覧履歴および付与されたポイントを記録する。
図28は、実施の形態5の建材選択システム10の構成を示す説明図である。図28では、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31の内部の構成は省略する。サーバ11は、サーバCPU12、主記憶装置13、補助記憶装置14および通信部15を備える。補助記憶装置14には、サーバCPU12に実行させるプログラムおよびプロジェクトDB41、選択結果DB42、パターンDB43、建材DB44、構成DB45、面積DB46、メッセージDB47、検索履歴DB48、閲覧履歴DB49、ユーザポイントDB50等、プログラムの実行に必要な各種情報が保存される。
図29は、実施の形態5のメッセージDB47のレコードレイアウトを示す説明図である。メッセージDB47は、建材メーカが配信するメッセージ、配信条件およびポイントを関連付けるDBである。メッセージDB47は、メーカフィールド、メッセージIDフィールド、配信条件フィールドおよびポイントフィールドを有する。配信条件フィールドは、送信方法フィールド、タイミングフィールド、業種フィールド、所在地フィールド、規模フィールド、地域フィールドおよび構造フィールドを有する。メッセージDB47は、建材メーカが配信する一つのメッセージについて、一つのレコードを有する。メッセージDB47は、補助記憶装置14に記憶されたDBである。
メーカフィールドには、メッセージを配信するメーカの名称が記録されている。メッセージIDフィールドには、配信するメッセージに固有に付与したメッセージIDが記録されている。なお、補助記憶装置14には、メッセージの内容のファイルがメッセージIDに対応するファイル名で記憶されている。
配信条件フィールドには、メッセージをユーザに配信する配信条件が記録されている。送信方法フィールドには、メッセージの送信方法が記録されている。送信方法フィールドに「自動」と記録されている場合には、メッセージDB47に記録された条件に基づいてサーバCPU12がメッセージを送信する。送信方法フィールドに「手動」と記録されている場合には、建材メーカの担当者が手動でメッセージを送信する。タイミングフィールドには、メッセージの送信対象を判定するタイミングが記録されている。たとえば「断熱材検索時」と記録されている場合には、サーバCPU12は、図11に示す画面から断熱材を検索したユーザをメッセージの送信対象であると判定する。また「透湿防水シート選択時」と記録されている場合には、サーバCPU12は、図12に示す画面から決定ボタン69を選択したユーザをメッセージの送信対象であると判定する。
業種フィールドには、ユーザが所属する組織の業種が記録されている。所在地フィールドにはユーザが所属する組織の所在地が記録されている。規模フィールドには、ユーザが設計中のプロジェクトの規模が記録されている。地域フィールドにはユーザが設計中のプロジェクトの建設予定地の地域の特性が記録されている。図29中の「H25省エネ区分」は、平成25年に国土交通省より公布された省エネルギー基準の区分を意味する。構造フィールドには、ユーザが設計中のプロジェクトの建築物の構造が記録されている。ポイントフィールドには、メッセージを閲覧したユーザに付与されるポイントが記録されている。
配信条件フィールド内の各フィールドは例示である。配信条件フィールドは、建築物の階数、建築物の用途、新築か改築かの別または予算等を記録するフィールドを有しても良い。サーバCPU12は、配信条件フィールド内の各フィールドをAND条件で判断しても、OR条件で判定しても良い。また、サーバCPU12は、配信条件フィールド内の各フィールドをあらかじめ指定された論理演算に基づいて組み合わせて判定しても良い。
図30は、実施の形態5の検索履歴DB48のレコードレイアウトを示す説明図である。検索履歴DB48は、ユーザと、ユーザによる検索の履歴とを関連付けるDBである。検索履歴DB48は、日時フィールド、ユーザ名フィールド、プロジェクト番号フィールドおよび検索対象フィールドを有する。検索履歴DB48は、建材選択システム10が受け付けた一回の検索について一つのレコードを有する。検索履歴DB48は、補助記憶装置14に記憶されたDBである。
日時フィールドには、サーバCPU12が検索を受け付けた日時が記録されている。ユーザ名フィールドには、ユーザの名前が記録されている。プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトの番号が記録されている。検索対象フィールドには、ユーザが検索を行った建材が記録されている。
図31は、実施の形態5の閲覧履歴DB49のレコードレイアウトを示す説明図である。閲覧履歴DB49は、ユーザとユーザが閲覧した建材の履歴とを関連付けるDBである。閲覧履歴DB49は、日時フィールド、ユーザ名フィールド、プロジェクト番号フィールド、建材番号フィールド、閲覧方法フィールドおよび選択状況フィールドを有する。閲覧履歴DB49は、建材選択システム10が受け付けた一回の建材の閲覧について一つのレコードを有する。閲覧履歴DB49は、補助記憶装置14に記憶されたDBである。
日時フィールドには、サーバCPU12が建材の閲覧を受け付けた日時が記録されている。ユーザ名フィールドには、ユーザの名前が記録されている。プロジェクト番号フィールドには、プロジェクトの番号が記録されている。建材番号フィールドには、閲覧を受け付けた建材の建材番号が記録されている。閲覧方法フィールドには、ユーザが建材を閲覧した方法が記録されている。たとえば、閲覧方法フィールドに「選択」と記録されている場合には、図12を使用して説明したように検索結果の中からユーザにより選択された建材であることを意味する。また閲覧方法フィールドに「選択の近傍」と記録されている場合には、ユーザにより選択された建材と近い仕様の建材、たとえば図12中の周辺マーク74の範囲に含まれる建材であることを意味する。
選択状況フィールドには、建材の選択状況が記録されている。選択状況フィールドに「選択」と記録されている場合には、ユーザが使用することを選択した建材であることを示す。選択状況フィールドに「検討中」と記録されている場合には、図12の候補欄72中の「検討中」のチェックボックスにチェックを受け付けた建材であることを意味する。
図32は、実施の形態5のユーザポイントDB50のレコードレイアウトを示す説明図である。ユーザポイントDB50は、ユーザと獲得したポイントとを関連付けるDBである。ユーザポイントDB50は、閲覧日時フィールド、ユーザ名フィールド、メーカフィールド、メッセージIDフィールドおよびポイントフィールドを有する。ユーザポイントDB50は、ユーザによる一回のメッセージの閲覧について一つのレコードを有する。ユーザポイントDB50は、補助記憶装置14に記憶されたDBである。
閲覧日時フィールドには、ユーザがメッセージを閲覧した日時が記録されている。ユーザ名フィールドには、ユーザの名前が記録されている。メーカフィールドには、メッセージを配信したメーカの名称が記録されている。メッセージIDフィールドには、配信するメッセージに固有に付与したIDが記録されている。ポイントフィールドには、ユーザが獲得したポイントが記録されている。
図33は、実施の形態5の表示画面の例を示す説明図である。図33は、建材メーカの営業担当者等が使用するメーカクライアント31の表示部37に表示される、条件設定画面である。条件設定画面は、サーバCPU12から通信部15、ネットワークおよび通信部35を介して得た情報に基づいて、メーカCPU32が表示部37に表示する画面である。以後の説明では通信部15、ネットワーク、通信部35およびメーカCPU32による処理を省略して、たとえば「サーバCPU12が表示部37に表示する」または「サーバCPU12が表示する」のように簡略化して記載する。
条件設定画面には、タイトル欄81および条件設定欄82が含まれる。タイトル欄81には、配信するメッセージのタイトルが表示されている。条件設定欄82には、メッセージの配信条件を設定する画面が表示されている。
条件設定欄82の上部には、切替タブ64が表示されている。切替タブ64の選択を受け付けることにより、サーバCPU12はメッセージ本文、メッセージの送信条件の設定、送信済みのメッセージの一覧、メッセージ閲覧状況の推移、メッセージの送信対象者のリスト等を切り替えて表示する。図33に示す画面では、メッセージの送信条件の設定の切替タブ64が選択され、条件設定画面が表示されている。
条件設定画面には、図29を使用して説明したメッセージDB47の配信条件フィールドに対応する入力欄が表示されている。建材メーカの営業担当者等は、各入力欄を操作することにより、メッセージの配信条件を設定する。また、建材メーカの営業担当者等は、選択タブ64からメッセージ本文を選択して、配信するメッセージの本文および閲覧したユーザに付与するポイントを入力する。サーバCPU12は、条件設定画面から入力を受け付けた各項目をメッセージDB47に記録する。
なお、図33に示す条件設定画面は例示である。条件設定画面には、事務所規模等の項目が表示されても良い。またたとえば建材のチェックボックスには「断熱材」「透湿防水シート」に加えて「仕上材」「下地ボード」「防湿気密シート」「防水材」「屋根材」等が表示されても良い。条件設定画面は、この画面を使用する建材メーカの営業担当者等の担当製品、担当地域等に応じて表示する項目およびレイアウトを調整できることが望ましい。
図34および図35は、実施の形態5の表示画面の例を示す説明図である。図34および図35は、建築物を設計する設計者が使用するユーザクライアント21の表示部27に表示される画面である。図7、図34および図35を使用して、本実施の形態の建材選択システム10が表示する画面を説明する。
前述の通り、図7は設計者がユーザクライアント21を使用して建材選択システム10にログインした際に、サーバCPU12が表示部27に表示する画面である。ポイント欄54には、ログイン中のユーザが保有するポイント数が記載されている。メッセージ欄55には、サーバCPU12がログイン中のユーザ宛に配信したメッセージのタイトル欄81が複数表示されている。各タイトル欄81の外枠は長方形である。タイトル欄81にはメッセージの配信日、表題、配信元、配信元の担当者の顔写真、メッセージに記載された建材の種類、メッセージの本文を閲覧することによりユーザに付与されるポイント数が記載されている。新しく配信されたメッセージには「NEW」という目印が記載されている
図34は、上から三個目に表示されたメッセージをユーザが選択した場合にサーバCPU12が表示部27に表示する画面の例である。メッセージ画面の上部には、図7と同様のタイトル欄81が表示される。タイトル欄81の下に建材メーカからユーザ宛のメッセージの表題が表示され、その下に本文欄83が表示される。本文欄83には、建材メーカのWEBサイトにリンクするリンクボタン84が表示されても良い。
本文を一画面に表示しきれない場合には、本文欄83の右端にスクロールバーが表示される。図35は、本文欄83を一番下までスクロールした状態を示す。本文欄83の最下部にプロジェクト名欄61、検討リスト追加ボタン85およびポイント獲得ボタン86が表示される。ポイント獲得ボタン86は、ユーザによりメッセージが閲覧されたことをサーバCPU12が検出する検出部の一例である。
図7、図34および図35を使用して、本実施の形態の建材選択システム10の動作を説明する。
設計者がユーザクライアント21を使用して建材選択システム10にログインした場合には、サーバCPU12はユーザ名をキーにして図30を使用して説明した検索履歴DB48を検索して、過去にユーザが検索した履歴を記録した検索履歴レコードを抽出する。サーバCPU12はユーザ名をキーにして図31を使用して説明した閲覧履歴DB49を検索して、過去にユーザが閲覧した建材の閲覧履歴レコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出した検索履歴レコードおよび閲覧履歴レコードを使用して、図29を使用して説明したメッセージDB47の配信条件フィールドの条件を満たすメッセージレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したメッセージレコードに基づいてタイトル欄81を作成してメッセージ欄55に表示する。
サーバCPU12は、ユーザ名をキーにして図32を使用して説明したユーザポイントDB50を検索して、過去にユーザが開封したメッセージに関するユーザポイントレコードを抽出する。サーバCPU12は、抽出したユーザポイントレコードのポイントフィールドの合計値を算出する。サーバCPU12は、算出した合計値をポイント欄54に表示する。
ユーザによりタイトル欄81が選択されたことを受け付けた場合には、サーバCPU12は選択されたタイトル欄81に対応するメッセージレコードからメッセージIDを抽出する。サーバCPU12は、補助記憶装置14からメッセージIDに対応するメッセージのファイルを取得する。
サーバCPU12は、表示部27に図34および図35に示す画面を表示する。この際、サーバCPU12は、補助記憶装置14から取得したファイルに記載された内容を表題および本文欄83に表示する。
ユーザによりポイント獲得ボタン86が選択されたことを受け付けた場合には、サーバCPU12はユーザポイントDB50に新しいレコードを作成して、ユーザが獲得したポイントを記録する。
1件のメッセージに対するポイントの付与を1回のみに限定する場合には、サーバCPU12は表示中のメッセージのメッセージIDおよびユーザ名をキーとしてユーザポイントDB50を検索する。既存のレコードが抽出された場合には、サーバCPU12は新規に作成するレコードのポイントフィールドに「0」を記録する。
本文欄83に複数のポイント獲得ボタン86を配置しても良い。また、本文欄83にクイズおよび回答の選択肢を示すボタンを表示し、正答の選択肢に対応するボタンをポイント獲得ボタン86に設定しても良い。
ユーザにより検討リスト追加ボタン85が選択されたことを受け付けた場合には、サーバCPU12は閲覧履歴DB49に新しいレコードを作成して、ユーザが検討中の建材を記録する。この際、サーバCPU12はプロジェクト名欄61に表示されているプロジェクトに対応するプロジェクト番号をプロジェクト番号フィールドに記録する。
図36は、実施の形態5の処理の流れを示すフローチャートである。ユーザCPU22は、入力部26を介してログイン要求を受け付ける(ステップS551)。ユーザCPU22は、ユーザによる入力を受け付けたアカウント名およびパスワードをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、アカウント名およびパスワードを補助記憶装置14に記憶されたユーザのリストと照合して、ユーザの認証を行う(ステップS571)。アカウント名またはパスワードが一致せず認証が行えない場合の処理の流れは、記載を省略する。ユーザの認証が成功した場合には、サーバCPU12はログインを受け付けたユーザ名をキーとして検索履歴DB48および閲覧履歴DB49を検索して、履歴を記録したレコードを抽出する(ステップS572)。
サーバCPU12は、ステップS572で抽出したレコードと、メッセージDB47の配信条件フィールドとを照合し、配信条件を満たすメッセージレコードを抽出する(ステップS573)。サーバCPU12は、抽出したメッセージレコードをユーザCPU22に送信する。
ユーザCPU22は、受信したメッセージレコードを図7に示すトップ画面のメッセージ欄55に表示する(ステップS553)。ユーザCPU22は、メッセージの開封を受け付けたか否を判定する(ステップS554)。メッセージの開封を受け付けたことは、入力部26を介してタイトル欄81が選択されたことを受け付けたことにより判定する。メッセージの開封を受け付けたと判定した場合には(ステップS554でYES)、ユーザCPU22は選択を受け付けたタイトル欄81に対応するメッセージIDをサーバCPU12に送信する。
サーバCPU12は、ユーザポイントDB50に新しいレコードを作成して、受信したメッセージID、閲覧日時等を記録する(ステップS575)。サーバCPU12は、補助記憶装置14から受信したメッセージIDに対応するメッセージのファイルを取得する。サーバCPU12は、取得したファイルをユーザCPU22に送信する。
サーバCPU12は、受信した情報に基づいて表示部27に図34および図35に示す画面を表示する。サーバCPU12は、ポイント獲得ボタン86の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS556)。ポイント獲得ボタン86の選択を受け付けたと判定した場合には(ステップS556でYES)、ユーザCPU22はその旨をサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、ステップS575で作成したレコードのポイントフィールドにユーザが獲得したポイントを記録する(ステップS577)。
なお、ポイント獲得ボタン86の選択有無にかかわらず、メッセージの開封を受け付けた場合にユーザにポイントを付与しても良い。このようにする場合には、ステップS575で作成したレコードのポイントフィールドにユーザが獲得したポイントを記録する。さらにポイント獲得ボタン86の選択を受け付けた場合に、ステップS577でポイントを加算して記録しても良い。
ステップS577の終了後、メッセージの開封を受け付けていないと判定した場合(ステップS554でNO)およびポイント獲得ボタン86の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS556でNO)、ユーザCPU22はプロジェクトの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS558)。プロジェクトの選択を受け付けたことは、プロジェクト欄53に表示されたいずれかのプロジェクトの選択を受け付けたことにより判定する。
プロジェクトの選択を受け付けたと判定した場合は(ステップS558でYES)、ユーザCPU22は建材の選択を受け付ける(ステップS559)。ステップS559の処理は、図16を使用して説明した実施の形態1の処理の流れと同一であるので説明を省略する。
ユーザCPU22は、ステップS559で行った建材の検索および閲覧の履歴をサーバCPU12に送信する。サーバCPU12は、受信した履歴を検索履歴DB48および閲覧履歴DB49に記録する(ステップS579)。ステップS579の終了後およびプロジェクトの選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS558でNO)、ユーザCPU22は処理を終了する。
なお、ステップS559で建材の選択を行っている途中に受け付けた検索および建材の選択に基づいてメッセージDB47からメッセージを抽出して、表示部27に表示しても良い。
サーバCPU12は、夜間等の負荷の少ない時間帯を利用してステップS572およびステップS573の処理を行い、各ユーザに配信するメッセージレコードを補助記憶装置14に記憶しても良い。このようにする場合には、サーバCPU12はステップS573でユーザ認証を行った後に、補助記憶装置14に記憶したメッセージレコードをユーザクライアントに送信する。このようにすることにより、サーバCPU12の負荷を平準化し、ユーザのログイン操作後速やかに最初の画面を表示する建材選択システム10を提供することができる。
建材選択システム10の運営者は、ポイントの獲得状況に基づいてユーザに景品等の特典を提供する。建材選択システム10の運営者は、景品の提供等に要する費用を、メッセージにポイントを付与した建材メーカに請求する。
本実施の形態によると、特定の仕様の建材を探しているユーザに対して、建材メーカからのメッセージを提供する建材選択システム10を提供することができる。採用に結びつきやすい時期に、建材に関する情報を提供することにより、高い広告効果を期待することができる。また、ユーザにとっても欲しい情報がちょうど良いタイミングで提供されるメリットがある。
メッセージを閲覧したユーザにポイントを付与することにより、ユーザがメッセージを閲覧する可能性を高めることができる。またポイント付与ボタンをメッセージの末尾に表示することにより、メッセージが最後まで閲覧される可能性を高めることができる。
なお、メッセージDB47に登録するメッセージおよびポイントは、複数の建材メーカの製品を取り扱う商社が提供しても良い。このようにする場合には、メッセージDB47のメーカフィールドには、商社名が記録される。
メッセージDB47に登録するメッセージおよびポイントは、複数の建材メーカが加盟する業界団体等が提供しても良い。このようにする場合には、メッセージDB47のメーカフィールドには、業界団体等の名称が記録される。
[実施の形態6]
本実施の形態は、ユーザに配信されたメッセージの閲覧状況およびユーザへのポイントの付与状況に応じてメーカに料金を請求する建材選択システム10に関する。実施の形態5と共通する部分については、説明を省略する。
図37は、実施の形態6の処理の流れを示すフローチャートである。メーカCPU32は、図示しない入力部を介してログイン要求を受け付ける(ステップS601)。メーカCPU32は、メーカの担当者による入力を受け付けたアカウント名およびパスワードをサーバCPU12に送信する。なお、以下の説明ではアカウント名およびパスワードはメーカごとに定められている場合を例にして説明を行う。
サーバCPU12は、アカウント名およびパスワードを補助記憶装置14に記憶されたメーカのリストと照合して、メーカからのログインの認証を行う(ステップS621)。アカウント名またはパスワードが一致せず認証が行えない場合の処理の流れは、記載を省略する。認証が成功した場合には、サーバCPU12はログインを受け付けたメーカ名をキーとしてユーザポイントDB50を検索して、メーカが提供したメッセージに関するユーザポイントレコードを抽出する(ステップS622)。
サーバCPU12は、抽出したユーザポイントレコードの数からメッセージの閲覧数を算出する(ステップS623)。この際、サーバCPU12は閲覧日時フィールドに記録された日時に基づいて、たとえば1ヶ月または1週間等の所定の期間ごとの登録数を算出する。
サーバCPU12は、抽出したユーザポイントレコードのポイントフィールドを加算して、ユーザに提供したポイント数を算出する(ステップS624)。この際、サーバCPU12は閲覧日時フィールドに記録された日時に基づいて、たとえば1ヶ月または1週間等の所定の期間ごとのポイント数を算出する。
なお、サーバCPU12は、集計する期間の指定を受け付けて、その期間内のポイント数を算出しても良い。サーバCPU12は、たとえば先々月、先月等、過去の日付を基点とした期間内のポイント数を算出しても良い。
サーバCPU12は、メーカに請求する料金を算出する(ステップS625)。料金の算出方法は、建材選択装置10の運営者とメーカとの間の契約により取り決められており、補助記憶装置に記憶されている。たとえば、サーバCPU12はステップS623で算出した所定の期間の閲覧数と閲覧単価との積に、ステップS624で算出した所定の期間のポイント数とポイント単価との積を加算することにより料金を算出する。
サーバCPU12は、算出した料金をメーカCPU32に送信する。メーカCPU32は表示部37に料金を表示する(ステップS605)。その後、メーカCPU32は処理を終了する。
本実施の形態によると、メッセージの閲覧数およびポイントの付与数に応じた料金を、メーカに提示する建材選択システム10を提供することができる。
サーバCPU12は、夜間等の負荷の少ない時間帯を利用してステップS622からステップS625までの処理を行い、各ユーザの閲覧数、ポイント数および料金を補助記憶装置14に記憶しても良い。このようにする場合には、サーバCPU12はステップS621で認証を行った後に、補助記憶装置14に記憶したデータをメーカクライアントに送信する。このようにすることにより、サーバCPU12の負荷を平準化し、営業担当者等のログイン操作後速やかに最初の画面を表示する建材選択システム10を提供することができる。
サーバCPU12はステップS601のログインを待たずに、月1回など定期的に料金を算出して、メーカの担当者宛のメール等により通知しても良い。サーバCPU12は、ステップS625で算出した料金を記載した請求書を作成しても良い。
サーバCPU12は、月単位、週単位での閲覧数およびポイント数の推移をメーカCPU32に送信しても良い。メーカCPU32は、受信したデータをグラフまたは表の形式で表示部37に表示する。このようにすることにより、メーカの担当者は消費者の関心の動向を把握し、営業活動の強化に役立てることができる。
サーバCPU12は、メッセージDB47に登録された各メッセージの配信状況を補助記憶装置14に記憶し、配信数に基づいた料金を算出してステップS625で算出した料金に加算しても良い。
サーバCPU12は、配信したメッセージの数とユーザが閲覧したメッセージ数の比率である閲覧率を算出して、メーカクライアント31に送信しても良い。また、サーバCPU12は閲覧率に応じた料金をステップS625で算出した料金に加算しても良い。
ステップS622でユーザポイントレコードを抽出した後、サーバCPU12は抽出したレコードをメーカクライアント31に送信しても良い。このようにする場合には、ステップS623からステップS625の処理は、メーカCPU32が行う。また、メーカCPU32は、受信したデータを補助記憶装置に記憶し、メーカの担当者が汎用の表計算ソフトウェア等を使用して解析することができるようにしても良い。
[実施の形態7]
図38は、実施の形態7の建材選択装置の動作を示す機能ブロック図である。建材選択装置10は、サーバCPU12による制御に基づいて以下のように動作する。
場所受付部91は、建材を使用する場所を受け付ける。第1出力部92は、場所受付部91が受け付けた場所に関連付けられた建材の候補および該候補の仕様を出力する。建材受付部93は、第1出力部92が出力した候補から選択された建材を受け付ける。第1記録部94は、建材受付部93が受け付けた建材を記憶部に記録する。
[実施の形態8]
本実施の形態は、汎用のコンピュータとプログラム40とを組み合わせて動作させることにより、建材選択システム10を実現する形態に関する。図39は、実施の形態8の建材選択装置の構成を示す説明図である。図39を使用して、本実施の形態の構成を説明する。なお、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
本実施の形態の建材選択システム10は、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31を備える。
サーバ11は、サーバCPU12、主記憶装置13、補助記憶装置14、通信部15および読取部16を備える。サーバ11は、汎用のパソコン等の情報処理装置である。
プログラム40は、可搬型記録媒体38に記録されている。サーバCPU12は、読取部16を介してプログラム40を読み込み、補助記憶装置14に保存する。またサーバCPU12は、サーバ11内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ39に記憶されたプログラム40を読出しても良い。さらに、サーバCPU12は、通信部15およびネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム40をダウンロードして補助記憶装置14に保存しても良い。
サーバCPU12は、プログラム40のうちユーザCPU22が実行する部分をユーザクライアント21に送信する。サーバCPU12は、プログラム40のうちメーカCPU32が実行する部分をメーカクライアント31に送信する。
プログラム40は、サーバ11の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置13にロードして実行される。ユーザクライアント21が受信したプログラム40は、ユーザクライアント21の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置23にロードして実行される。メーカクライアント31が受信したプログラム40は、メーカクライアント31の制御プログラムとしてインストールされ、図示しない主記憶装置にロードして実行される。
プログラム40は、最初にユーザクライアント21に読み込まれてサーバ11およびメーカクライアント31に送信されても良い。プログラム40は、最初にメーカクライアント31に読み込まれてサーバ11およびユーザクライアント21に送信されても良い。
以上により、サーバ11、ユーザクライアント21およびメーカクライアント31は上述した建材選択システム10として機能する。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。